JP3946302B2 - 自転車の変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車の変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自転車に用いられる変速装置には、図2に示すようなものがある。図において1はリチウム等の乾電池、2は乾電池1を電源とし、内部でデジタル演算処理した後、変速時に変速用モータに変速を指令するマイクロコンピュータ等を内蔵する制御装置、3は変速用モータで通常直流モータが使用される。4は制御装置2の変速指令信号を受け、変速用モータを駆動するモータ駆動回路、5は変速時の設定値を指令する変速設定器であり、7、8、9は変速位置設定用切換器6の開閉部である。
【0003】
次にこの自転車の変速装置の動作について説明する。変速位置設定用切換器6の開閉部,例えば開閉部7が接続されている場合,変速設定器5の設定値信号が開閉部7を介して制御装置2に入力する。もし,変速位置設定用切換器6の開閉部が例えば開閉部7のまま継続して接続されていれば,制御装置2から駆動回路4へ変速指令信号が出力されず,変速用モータは停止している。
【0004】
もし,図3の時刻t1で変速位置設定用切換器6の開閉部7が開放され,例えば開閉部8が短絡された場合には,変速設定器5の設定値信号が開閉部8を介して制御装置2に入力する。制御装置2はデジタル演算処理した後,図3(a)に示すように変速指令信号を出力し,駆動回路4を回転モードとし,図3(b)に示すように変速用モータ3を正又は逆回転させる。変速用モータ3の回転によって図示しない自転車に取れ付けられたギヤーは変更され,変速が行われる。変速後,例えば時刻t2で駆動回路が,回転モードを停止し,変速用モータ3への電力供給をオフさせる。そして,時刻t3で駆動回路4を負荷短絡させるブレーキモードに変更させる。駆動回路4をブレーキモードに変更することにより,変速用モータ3は発電機となって駆動回路4を介してエネルギーを放出させて変速用モータ3はブレーキが掛かり,目標とする停止位置で回転を停止する。時刻t4において駆動回路4をオフして,ブレーキモードが開放され,変速工程を終える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように目標とする位置で変速用モータを停止させる必要があるが、機械系の摩擦等の経時変化によっては、目標とする停止位置を越えて変速用モータが停止することや、目標とする停止位置の手前で変速用モータが停止することがあり、ついには所望する変速位置を越えて次段の変速位置に移ってしまうことがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の自転車の変速装置は、乾電池と、変速用モータと、上記変速用モータの変速を設定する設定値を入力としてデジタル処理し、上記変速用モータへの変速を指令する変速指令信号を出力する制御装置と、上記変速指令信号を受け上記変速モータを駆動し、かつ目標ブレーキ時間に亘って発電ブレーキを掛けるモータ駆動回路とが、設けられた自転車の変速装置において、上記制御装置が、上記変速用モータのカウントされたブレーキ時間が設定範囲から外れた時、内部演算処理して新しい目標ブレーキ時間を含む新しい設定範囲に上記設定範囲を補正する制御装置であるものである。
【0008】
また,請求項2は上記制御装置が上記変速用モータのブレーキ時間が所定回数以上,設定範囲から外れた時,内部演算処理して新しい設定範囲に補正する制御装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の自転車の変速装置をその一実施の形態を示した図1に基づいて説明する。また,実施の形態に用いられる回路構成は従来の図2のものと同じであり,その説明を省略する。従来のものと異なる点は,従来のものは制御装置2がブレーキの開始は回転停止前の固定された時刻から行ってブレーキ時間は固定されているのに対し,本発明のものはブレーキモードの時間を常にカウントし,ブレーキ時間が設定範囲を越えた時補正しようとするものである。
【0011】
次に発明の自転車の変速装置の動作について説明する。まず,変速位置設定用切換器6が例えば開閉部7で固定されている場合には,変速設定器5の設定信号が開閉部7を介して制御装置2に入力する。この時制御装置2から駆動回路4には変速指令信号が出力されず,変速用モータは停止している。
【0012】
変速位置設定用切換器6が図3に示す時刻t1で例えば開閉部7から開閉部8に切り替わり,開閉部7が開放され,開閉部8が短絡されて図1に示すように変速指令された場合には,変速設定器5の設定値信号が開閉部8を介して制御装置2に入力する。制御装置2はデジタル演算処理した後,図3(a)に示すように変速指令信号を出力し,駆動回路4を駆動して回転モードにし,図3(b)に示すように変速用モータ3を正又は逆回転させる。変速用モータ3の回転によって図示しない自転車に取り付けられたギヤーが変更され,図1に示すように変速が行われる。変速後,時刻t2で駆動回路4は回転モードを停止し変速用モータへの電力供給をオフさせる。そして,図1に示すように時刻t3で駆動回路4は負荷短絡させるブレーキモードを開始させる。駆動回路4をブレーキモードに変更することにより,変速用モータ3は発電機となって駆動回路4を介してエネルギーが放出されて変速用モータ3はブレーキが掛かり,目標とするブレーキ時間で回転を停止させる。時刻t4において駆動回路4をオフして図1に示すようにブレーキモードが開放して変速工程を終える。
【0013】
上記ブレーキモード開始から上記ブレーキモード開放までのブレーキ時間は負荷の変速用モータ3とその負荷のギヤーによってほぼ算出されている。例えばブレーキ時間が50msec±5msecとして制御装置2内に設定されている。そして今回の変速指令によるブレーキ時間が設定範囲内か又は範囲外であるかを判定する。もし,変速指令によるブレーキ時間が設定範囲内であれば,ブレーキの設定時間はそのままとする。
【0014】
もし機械系の摩擦等の経時変化によってブレーキ時間が設定範囲外になったとすれば、図1に示すように設定範囲外の回数をカウントし、もしカウント数が例えば2以下であれば、制御装置2内のブレーキの設定範囲を変更せず、そのままとし、もしカウント数が3以上であれば、制御装置2内のブレーキの設定範囲を当初の値50msec±5msecから例えば55msec±5msecのように長くする。
【0015】
上記のようにブレーキの設定範囲が機械系の経時変化に対して補正され、変速用モータ3を所望された変速位置で確実に停止させることができ、従来のように次段の変則位置に移ることもない。
【0016】
上記実施の形態では,変速位置設定用切換器が3段について説明しているが,2段以上であれば何段であってもよい。また,ブレーキ時間が設定範囲外の回数が3回の例を示したが,これにこだわることがなく,カウント数を他の数に設定してもよい。
【0017】
【発明の効果】
本発明の自転車の変速装置によると、機械系の経時変化に対して、ブレーキ時間の設定範囲が補正されるので、変速用モータを所望された変速位置で確実に停止させることができる。これにより次段の変速位置に移ることもない。
【0018】
請求項2の自転車はブレーキ時間の外れた所定回数以上になったとき,ブレーキ時間の設定範囲を補正するので,制御装置の暴走によるブレーキ時間の補正を除くことができ,より正確に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自転車の変速装置の一実施の形態を示すフローチャート図である。
【図2】自転車の変速装置のブロック図である。
【図3】自転車の変速装置の特性図である。
【符号の説明】
1 乾電池
2 制御装置
3 変速用モータ
4 モータ駆動回路
5 変速設定器
6 変速位置設定用切換器
7,8,9 開閉部

Claims (2)

  1. 乾電池と、変速用モータと、変速設定器からの設定値信号を入力としてデジタル処理し、上記変速用モータへの変速を指令する変速指令信号を出力する制御装置と、上記変速指令信号を受け上記変速モータを駆動し、かつ目標ブレーキ時間に亘って発電ブレーキを掛けるモータ駆動回路とが、設けられた自転車の変速装置において、
    上記制御装置が、上記変速用モータのカウントされたブレーキモード時間が設定範囲から外れた時、内部演算処理して新しい目標ブレーキ時間を含む新しい設定範囲に上記設定範囲を補正する制御装置であることを特徴とする自転車の変速装置。
  2. 上記制御装置が上記変速用モータの上記ブレーキ時間が所定回数以上、設定範囲から外れた時、内部演算処理して新しい設定範囲に補正する制御装置であることを特徴とする請求項1記載の自転車の変速装置。
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