JP3945860B2 - ソレノイド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動部材(可動鉄芯)の吸引力を低下させることなくコンパクト化を達成した場合、その通電時にコイルの発熱量が、コンパクト化する以前の発熱量に比較して増大し、樹脂製ボビンが高熱で熱変形しても、可動部材の軸方向に沿う移動機能に影響を与えないソレノイドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソレノイドは、種々の使用条件に対応して限られたスペース内に収容されて用いられることのためや、コスト低減などのため、コンパクト化することが要求されている。例えば、AT車のセレクトレバーによる誤操作防止システムに組み込まれ使用されるソレノイドにおいては、前記要求が強い。
【0003】
ここで、樹脂製ボビンをもつソレノイドの場合では、可動部材の吸引力(吸引機能)を低下させることなくコンパクト化すると、コンパクト化する前の構成に較べコイルの発熱量が増大する。
このため、ソレノイドの使用の仕方(例えば、雰囲気温度80℃、印加電圧16Vで連続通電するなどの条件下で使用した場合)によっては、樹脂製ボビンが約170℃〜約190℃に昇温し、かつ高熱で熱変形する。
【0004】
このとき、樹脂製ボビンには、その外周側に巻回されているコイルの締め付け応力が常時内周側に向かって作用しているため、前記熱変形の影響として可動部材を軸方向に案内する樹脂製ボビンの孔内径を縮小し、かつ可動部材の摺動外周面を締め付ける。
従って、ソレノイドのオン作動およびオフ作動に伴う可動部材の軸方向に沿う移動機能を低下させる。
【0005】
そこで、樹脂製ボビンの内周面と、可動部材の外周面との間に筒状空間を形成し、かつ筒状空間に非磁性体製のスリーブを設置することにより、熱変形によって樹脂製ボビンの孔内径が縮小することによる可動部材の軸方向に沿う移動機能の低下を阻止することが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1)しかしながら、前記非磁性体製のスリーブを設置する場合、スリーブとして例えば、樹脂製ボビンの熱変形に打ち勝つ剛性を備えた所定の肉厚をもつ真鍮製などの価格の高い筒状体を用いたり、さらに前記筒状体の内周面に摺接する可動部材の外周面に、摩擦係数を低下させるための表面処理(2硫化モリブデンや、フッ素樹脂などのコーティング処理)や、潤滑材(グリースなど)を塗布したりする必要があるため、製品コストを低減することが困難となる。
(2)また、可動部材の吸引力を低下させることなくコンパクト化がなされた樹脂製ボビンを用いた構成においては、例えばコンパクト化された分、可動部材の作動ストロークを制限するストッパー機能や、ストッパーによる衝撃音を低減する緩衝部材などの部品の組付けがしにくくなる。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたもので、可動部材の吸引力を低下させることなくコンパクト化がなされた樹脂製ボビンを用いた構成において、コイルに発生する高熱で樹脂製ボビンが熱変形した場合であっても、オン、オフ作動時に伴う可動部材の軸方向への移動を妨げる現象(不具合)を、前記非磁性体製のスリーブを設置することなく阻止でき、さらに前記摩擦係数を低下させるための表面処理や、潤滑材を塗布したりする必要がなく製品コストを低減でき、また、前記可動部材の作動ストロークを制限するストッパー機能や、ストッパーによる衝撃音を低減する緩衝部材などの部品の組付けが容易に行え、かつ組付け工程を簡素化できるソレノイドを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載されたソレノイドは、筒状で樹脂製のボビンと、該ボビンの外周に巻回され印加電流値に応じた磁力線を発生するコイルと、該ボビンの筒孔の軸方向にそれぞれ対向して配置され該磁力線により電磁石として作用するコアをもつハウジングおよび該コアに吸引され作動する可動部材と、よりなるソレノイドであって、該ハウジングは、該ボビンの該筒孔内に保持され該可動部材の外周面に摺接する内周面をもつ磁性体製の筒状案内部を有し、該可動部材は、磁性体製のプランジャと、該プランジャに一体成形され該プランジャの駆動力を被駆動部に伝達するリンク部と、該プランジャの外周面の少なくとも一部を該リンク部と一体的に被覆し該筒状案内部の内周面に摺接する樹脂製の筒状被覆部とを有し、該ハウジングと該可動部材とは、該ハウジングの該筒状案内部と該可動部材の該筒状被覆部とのみ摺接させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
筒状で樹脂製のボビンと、該ボビンの外周に巻回され印加電流値に応じた磁力線を発生するコイルと、該ボビンの筒孔の軸方向にそれぞれ対向して配置され該磁力線により電磁石として作用するコアをもつハウジングおよび該コアに吸引され作動する可動部材と、よりなるソレノイドであって、該ハウジングは、該ボビンの該筒孔内に一体成形され該可動部材の外周面に摺接する内周面をもつ磁性体製の筒状案内部と、該筒状案内部の先端側内周面に形成された樹脂製案内部とを有し、該可動部材は、磁性体製のプランジャと、該プランジャに一体成形され該プランジャの駆動力を被駆動部に伝達するリンク部と、該プランジャの後端側の外周面を該リンク部と一体的に被覆し該筒状案内部の内周面に摺接する樹脂製の筒状被覆部とを有し、該ハウジングと該可動部材とは、該ハウジングの該筒状案内部と該可動部材の該筒状被覆部と、及び該ハウジングの該樹脂製案内部と該可動部材の先端側の該プランジャとのみ摺接させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載されたソレノイドは、請求項1又は2に記載された構成において、前記可動部材のストロークを規制する固定側ストッパーが一体に形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
前記請求項1のソレノイドは、磁性体製のプランジャに被覆された樹脂製の筒状被覆部と、および樹脂製のボビンの筒孔内に保持された磁性体製の筒状案内部とに特徴をもつ。
本発明において、可動部材とは、プランジャと筒状被覆部とリンク部とが一体成形されたものである。
【0012】
樹脂製の筒状被覆部は、オン作動およびオフ作動に伴い軸方向に往復移動するプランジャを駆動力として、この駆動力を必要とする被駆動部に伝達するリンク部と一体的に形成できる。
前記リンク部としては、例えば、AT車のセレクトレバーによる誤操作防止システムに組み込まれ使用され、前記セレクトレバーの操作およびロックボタンの操作に伴い連動するロックピンを、デテントプレートの係止溝にロックまたはロック解除できる機能をもつ被駆動部と接続するリンク部として使用することができる。
【0013】
前記筒状被覆部は、例えば、成形型による前記リンク部の樹脂成形時に一体的に形成することができる。筒状被覆部およびリンク部の樹脂材質としては、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA(ナイロン)、PPS(ポリフェニレンサルファィド)などを用いることができる。
筒状被覆部においてプランジャの外周面を軸方向に沿って被覆する領域長さは、予め、目的に応じて種々設定できる。筒状被覆部の被覆厚さは、できるかぎり薄くすることが好ましい。
【0014】
この理由としては、前記被覆厚さが厚過ぎると、磁気抵抗が増加し、吸引力が低下してしまうからである。
磁性体製の筒状案内部は、例えば、プレス加工によって、磁気回路を形成するヨークの一部であるフランジ部と一体的に形成することができる。筒状案内部の材質としては、冷間圧延鋼板および鋼帯などを用いることができる。
【0015】
筒状案内部において可動部材の外周面に対向する内周面の軸方向長さは、予め、目的に応じて種々設定できる。
本発明は、樹脂製のボビンを備えコンパクト化することにより、樹脂製のボビンが高温度(約170℃以上)に昇温するソレノイドに適用することができる。また、印加電流値に応じた磁力線を発生するコイルの働きで電磁石として作用するコアおよび、コアに吸引され作動する可動部材との互いに対向する端面の形状は、それぞれ効率良い電磁石作用および、前記電磁石作用によって吸引されやすい形状が用いられる。
【0016】
なお、前記各端面の形状は、いずれか一方がテーパー状凸部、他方がテーパー状凹部の組み合わせおよびいずれか一方がテーパー状凹部、他方がテーパー状凸部の組み合わせとすることができる。
【0017】
【実施例】
(実施例1)
本発明のソレノイドの実施例1を図1、図2に基づいて説明する。
図1、図2に示す実施例1のソレノイド1は、筒状で樹脂製のボビン2と、ボビン2の外周面28に巻回されたコイル3と、ボビン2の筒部2aの筒孔20内にその一端21側より挿通、配置された磁性体製の筒状案内部4と、ボビン2の筒孔20内および筒状案内部4の筒部4aの孔40内に、軸P方向に相対移動可能に保持された磁性体製のプランジャ5と、プランジャ5の駆動力を被駆動部に伝達するリンク部65を備えるとともに、外周面50をリンク部65と一体的に被覆し、前記孔40の内周面400に摺接する樹脂製の筒状被覆部6と、ボビン2を固定し筒状案内部4とプランジャ5とで磁気回路を形成するヨーク7と、からなる。 樹脂製のボビン2は、成形型により形成された樹脂〔PBT・G30(ポリブチレンテレフタレート・ガラス繊維30%)〕製のもので、図1に示されるように、筒部2aと、筒部2aのー端21側および他端22側でそれぞれ半径外方向に突出するフランジ状の第1固定端部2bおよび第2固定端部2cと、前記第1固定端部2bに一体的に形成され、後で述べるプランジャ5に連動するリンク部65を案内するとともに、プランジャ5の作動ストロークを制限する固定側ストッパー2dとよりなる。
【0018】
固定側ストッパー2dは、図2で示されるように平面側(図1の上側)よりみて、略四角形の枠状部分23と、枠状部分23に囲まれた空間部分24とよりなる。枠状部分23は、空間部分24を形成する予め設定された間隔L3を隔てて対向し、リンク部65に装着された緩衝部材68に当接するストッパーとして機能する当接面231、232を備えている。
【0019】
また、前記枠状部分23には、軸P方向と平行位置に、リンク部65に形成された可動側ストッパー部67および可動側ストッパー部67に装着された緩衝部材68を枠状部分23に囲まれた空間部分24内に収容させるための窪み240(図2参照)をもつ。
コイル3は、予めボビン2の外周面28に巻線を筒状に所定量巻回したものであり、印加電流値に応じた磁力線を発生させる。
【0020】
磁性体製の筒状案内部4は、ボビン2の筒部2aの筒孔20に配置される円筒部4aと、円筒部4aの一端側に形成され、ボビン2の第1固定端部2bに当接する位置に配置される大径のフランジ部4bとよりなる。フランジ部4bには、その両側に取り付け用の凸部41、42(図2参照)が形成されている。
磁性体製のプランジャ5は、円柱部5aと、円柱部5aの先端に形成され後記するコア7bのテーパー状凹部74に対向するテーパー状凸部5bと、円柱部5aの後端に形成され後記する樹脂製の筒状被覆部6と一体的に型成形されたリンク部65にインサートされる(埋め込まれる)係合凸部5cと、よりなる。
【0021】
筒状被覆部6は、その成形時に、リンク部65と一体的に型成形された所定長さLのものである。筒状被覆部6とリンク部65とは、同じ成形型および同じ樹脂〔PBT・G30(ポリブチレンテレフタレート・ガラス繊維30%)〕を用いて同時に成形されるとともに、筒状被覆部6に可動部材5の円柱部5aがインサートされ、リンク部65に可動部材5の係合凸部5cがインサートされる。
【0022】
リンク部65は、プランジャ5の往復移動に伴う駆動力を目的とする図略の被駆動部材に伝達する機能を備え、プランジャ5の軸P線上で互いに位相する位置で軸Pと直交し、下方向に延びる垂直線P1および上方向に延びる垂直線P2にそれぞれ沿って突出する駆動力伝達部66および可動側ストッパー部67が一体的に形成されている。可動側ストッパー部67には、リング状の弾性体よりなる緩衝(クッション)部材68が装着されている。駆動力伝達部66および可動側ストッパー部67は、棒状体である。なお、駆動力伝達部66および可動側ストッパー部67の形状は、前記棒状体に限らず、例えば、筒穴状のように種々設定できる。
【0023】
緩衝(クッション)部材68は、筒状の弾性体をその軸P2方向で所定の長さ分、輪切りにして得たもので、極めて効率よく かつ安価に製造できる利点をもつ。この緩衝部材68は、例えば、NBR(ニトリルゴム)よりなる材質のもので、可動側ストッパー部67へ孔を差し込むのみの極めて簡単な取り付け操作ですみ、可動側ストッパー部67が前記固定側ストッパー2dの枠状部分23の当接面231あるいは232に当接時の衝撃および衝撃音を吸収し緩和する機能をもつ。
【0024】
ヨーク7は、磁性体製の金属板を打ち抜き後、曲げ加工して形成されたハウジング7aと、磁性体製の金属により形成された有底筒状のコア7bとよりなり、前記磁性体製の筒状案内部4と、磁性体製の可動部材5とで、コイル3に通電されたとき磁気回路を形成できる。
ハウジング7aは、平面側より見て略コの字状のもので、互いに所定の間隔を隔てて対向する位置で平行に配置された略長方形の対向垂直壁部71、72と、対向垂直壁部71、72の各一端側の短辺同士を連結する連結壁部73とよりなる。
【0025】
対向垂直壁部71と72とは、それぞれ一端側に筒状案内部4のフランジ部4bを固定、保持するための凹部710、720および凸状カシメ部711、721が形成されている。
連結壁部73には、コア7bの後部側に突出する円柱状小径部740を挿通する中心孔730が形成されている。
【0026】
コア7bは、プランジャ5のテーパー状凸部5bに対向する側にテーパー状凹部74およびストレート状凹部75を備え、その反対の後部側(底部側)に円柱状小径部740が形成されている。
実施例1のソレノイド1の組付け手順を以下に示す。
まず、筒状案内部4の筒部4aが筒部2aの一端21側より筒孔20内に、挿通されるとともに、フランジ部4bがボビン2の第1固定端部2bに当接する位置に配置される。
【0027】
ついで、外周面28にコイル3が巻回されたボビン2の筒部2aの他端22側(筒孔20内)にコア7bを挿通し配置する。このときコア7bの円柱状小径部740は、筒部2aの他端22側より外部に突出している。
さらに、ハウジング7aは、その連結壁部73の中心孔730を、コア7bの後部側に突出する円柱状小径部740に挿通された後、2つの対向垂直壁部71、72の凹部710、720を、筒状案内部4のフランジ部4bに形成された凸部41、42に嵌挿した状態となし、かつ凸状カシメ部711、721をポンチすることによって、筒状案内部4と一体的に固定、保持される。
【0028】
この後、コア7bのストレート状凹部75にコイルバネ5fを挿通するとともに、引き続き、プランジャ5をテーパー状凸部5bを先頭として挿通する。すると、プランジャ5は、コイルバネ5fを介して円柱部5aが挿通され、かつコイルバネ5fは、コア7bのストレート状凹部75の内底面750とプランジャ5の先端側端部500との間に圧縮された状態に介置される。
【0029】
この時、プランジャ5に一体的に形成されたリンク部65の可動側ストッパー部67および可動側ストッパー部67に装着された緩衝部材68とを、樹脂製のボビン2の第1固定端部2bに一体的に形成された固定側ストッパー2dの枠状部分23に囲まれた空間部分24内に収容させる操作が施される。
この操作では、プランジャ5を矢印Y1方向に移動し、前記コイルバネ5fを圧縮する方向(軸P方向に沿って)に押すことによって、緩衝部材68を前記枠状部分23の窪み240位置に一致させ、かつプランジャ5を軸Pを中心として回転させる(図2の矢印S参照)ことにより、窪み240より枠状部分23に囲まれた空間部分24内に素早く、楽に収容され配置できる。
【0030】
そして前記コイルバネ5fを圧縮する方向への押し操作を止めると、コイルバネ5fの反発力によって、前記緩衝部材68が当接面231に当接した状態となり、組付けを終了でき、実施例1のソレノイド1を得る。
前記のように構成された実施例1のソレノイド1の使用例を説明する。
ソレノイド1は、その使用時にコイル3に電気的にオン作動・オフ作動の制御がなされる。
【0031】
すなわち、ソレノイド1への電流の印加に伴い、プランジャ5は、電磁石として作用するコア7bによってコイルバネ5fの作用力に抗して吸引され、矢印Y1方向に移動する。このとき、プランジャ5の作動ストロークは、プランジャ5に連動するリンク部65の可動側ストッパー部67に装着された緩衝部材68が、ボビン2に一体的に形成されている固定側ストッパー2dの枠状部分23に囲まれた空間部分24内を、間隔L3の範囲で移動するとともに、当接面232に当接することで規制される。また当接面232に当接した緩衝部材68は、ストッパーとして機能する他、衝撃を緩和するとともに、衝撃音を低減させる。
【0032】
この状態より非印加時に移行すると、プランジャ5は、コア7bの電磁石としての作用が消滅するに伴い、コイルバネ5fの作用力によって矢印Y2方向に移動する。このとき、プランジャ5の作動ストロークは、前記場合と逆に、緩衝部材68が、前記枠状部分23の当接面231に当接することで規制される。また当接面231に当接した緩衝部材68は、ストッパーとして機能する他、衝撃を緩和するとともに、衝撃音を低減させる。
【0033】
さらに、実施例1のソレノイド1は、以下に記載する独特の効果を得ることができる。すなわち、
(1)ソレノイド1は、樹脂製ボビン2を用いるとともに、プランジャ5の吸引力を低下させることなく全体のコンパクト化がなされた構成において、コイル3への通電時にコンパクト化する前の構成に較べコイルの発熱量が増大し、樹脂製ボビン2が加熱されて高温度(約170℃〜約190℃)に昇温すると、外周側に巻回されたコイル3から受ける中心(軸P)に向かう締め付け作用で、樹脂製ボビン2の筒孔20の内径が縮小する方向に熱変形する場合であっても、前記熱変形は、樹脂製ボビン2の筒孔20内に配置されている磁性体製の筒状案内部4の筒部4aによって、プランジャ5の移動に影響を与える(プランジャ5の移動を阻害する)ことを確実に阻止できる。
【0034】
従って、プランジャ5は、樹脂製ボビン2が高熱により熱変形した場合であっても、その影響を受けることなく、軸P方向に沿う移動を素早くなし得る機能を保持できる。
また、前記筒状案内部4は、磁性体製であるため、コイル3への通電時に、外部への磁束洩れを低減し、かつプランジャ5と、コア7bをもつハウジング7とで形成される磁気回路の磁気特性向上およびコア7bの電磁石としての作用力を高めることに役立つ。
【0035】
さらに、プランジャ5の軸P方向の移動は、その外周面を、磁性体製の筒状案内部4の筒部4aの内周面400に直接、摺接させることなく、樹脂製の筒状被覆部6の外周面600を前記筒部4aの内周面400(図1参照)に摺接させるため、円滑に移動でき、従来の場合のように、プランジャ5の円柱部5aに摩擦係数を低下させるための表面処理や、潤滑材を塗布したりする必要がなく、製品コストを低下できる。
(2)また、前記筒状被覆部6は、前記プランジャ5の駆動部として駆動力伝達部66を備えたリンク部65をもつため、ソレノイド1のオン作動・オフ作動に伴い軸P方向に往復移動するプランジャ5の駆動力を必要とする被駆動部に駆動力伝達部66を介して伝達し、かつ利用することができる。
【0036】
前記リンク部65は、例えば、図略のAT車のセレクトレバーによる誤操作防止システムに組み込まれ使用され、前記セレクトレバーの操作およびロックボタンの操作に伴い連動するロックピンを、デテントプレートの係止溝にロックまたはロック解除できる機能をもつ被駆動部と接続するリンク部として利用できる。
(実施例1の変形例)
図3に示す変形例のソレノイド1Aは、実施例1で別々に形成された後、組付けられた樹脂製のボビン2と磁性体製の筒状案内部4とを用いる代わりに、互いに一体的に形成された樹脂製のボビン2Aと磁性体製の筒状案内部4Aとを用いたこと以外は、実施例1と同じ構成である。従って、ソレノイド1と同じ構成部分には同じ符号を付しその説明を省略する。
【0037】
変形例のソレノイド1Aは、図略の成形型によりボビン2Aを樹脂成形する場合に、筒状案内部4Aをインサートしたものである。
従って、筒状案内部4Aのフランジ部4bは、ボビン2Aの第1固定端部2bに当接するー面401側位置と反対側の他面402側にも前記第1固定端部2bが形成され、かつ第1固定端部2bによって、サンドイッチ状に挟持されている。 このため、組付け時に、実施例1の場合より組付け部品点数が少なくなり、この分、組付け工程を低減できる利点が得られる。
【0038】
(実施例2)
図4に示す実施例2のソレノイド1Bは、印加電流値に応じた磁力線を発生するコイル3の働きで電磁石として作用するコア7b1側にテーパー状凸部74bを形成するとともに、コア7b1の電磁石作用によって吸引され作動するプランジャ5Bの円柱部5a側に前記テーパー状凸部74bに対向するテーパー状凹部5b1を形成し、さらに円柱部5aに僅かな領域を除いたほぼ全域を被覆した被覆長さL1の筒状被覆部6Bを用いたこと、および筒状被覆部6Bの先端側端部6aとボビン2Bの筒部2aの他端側に設けられた着座面200との間にコイルバネ5fを圧縮した状態に介置したこと以外は、前記実施例1のソレノイド1および変形例のソレノイド1Aと同じ構成である。従って、ソレノイド1およびソレノイド1Aと同じ構成部分には同じ符号を付しその説明を省略する。
【0039】
テーパー状凹部5b1の端面近くまでの領域端面の形状は、それぞれ効率良い電磁石作用および、前記電磁石作用によって吸引されやすい形状が用いられる。 実施例2のソレノイド1Bによると、前記実施例1のソレノイド1および変形例のソレノイド1Aと同じ作用効果を得ることができる。
(実施例3)
図5に示す実施例3のソレノイド1Cは、磁性体製の筒状案内部4Cの筒部4aの先端側でその内周面400を、樹脂製ボビン2Cの筒部2a1の内周側に同心円状に連設した樹脂製案内部25で被覆した構成とし、プランジャ5の円柱部5aの一端51側を被覆した被覆長さL2の筒状被覆部6Cを、磁性体製の筒状案内部4Cの筒部4aのフランジ部4b側でその内周面400に摺接、保持し、筒状被覆部6C(被覆領域)から所定の間隔を隔てた円柱部5aの他端52側を前記筒部4aの内周面400側に設けられた前記樹脂製案内部25に摺接、保持し、筒状被覆部6Cの端面6aと樹脂製案内部25の端面25aとの間にコイルバネ5fを介置したこと以外は、前記実施例1および変形例の場合と同じ構成である。従って、ソレノイド1およびソレノイド1Aと同じ構成の部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
実施例3のソレノイド1Cによると、樹脂製ボビン2Cが熱変形する場合であっても、筒部2a1の内周側に同心円状に連設した樹脂製案内部25は、その外周側に存在する磁性体製の筒状案内部4の筒部4aに保持されているため、前記熱変形を阻止でき、かつプランジャ5の移動に影響を与える(プランジャ5の移動を阻害する)ことを確実に阻止できる。
【0041】
また、前記実施例1および変形例の効果に加えて、プランジャ5は、軸P方向の所定間隔を隔てた2つの位置(円柱部5aの一端51側と他端52側)で部分的に摺接可能に保持され、かつ移動抵抗が少なく、精度良く(ガタが少なく)軸方向に移動できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、樹脂製ボビンを用いるとともに、可動部材の吸引力を低下させることなく全体のコンパクト化がなされた構成のソレノイドにおいて、その通電時にコンパクト化する前の構成に較べコイルの発熱量が増大し、樹脂製ボビンが加熱されて高温度(約170℃〜約190℃)に昇温すると、外周側に巻回されたコイルから受ける中心に向かう締め付け作用で、樹脂製ボビンの筒孔の内径が縮小する方向に熱変形する場合であっても、可動部材の軸方向への移動を素早くなし得る機能を保持できる。すなわち、
(1)請求項1に記載されたソレノイドによると、ハウジングの樹脂製ボビンの筒孔内に磁性体製の筒状案内部が配置されており、さらに、可動部材は、駆動力を被駆動部に伝達するリンク部を備えるとともに、プランジャの外周面の少なくとも一部をリンク部と一体的に被覆し筒状案内部の内周面に摺接する樹脂製の筒状被覆部を備え、ハウジングと可動部材とは、ハウジングの筒状案内部と可動部材の筒状被覆部とのみ摺接させるようにしたことを特徴とする。
【0043】
このため、樹脂製ボビンの筒孔内に配置された筒状案内部は、樹脂製ボビンの筒孔の内径が縮小する方向の熱変形が可動部材に影響することを阻止するとともに、可動部材の軸方向の移動を妨げることを阻止できる。
また、前記筒状案内部は、磁性体製であるため、コイルへの通電時に、プランジャと、コアをもつハウジングとで形成される磁気回路の磁気特性を高めるに役立つ。
【0044】
さらに、プランジャの軸方向の移動は、その外周面を、磁性体製の筒状案内部の内周面に直接、摺接させることなく、樹脂製の筒状被覆部を筒状案内部の内周面に摺接させるため、円滑に移動でき、従来の場合のように、摩擦係数を低下させるための表面処理や、潤滑材を塗布したりする必要がなく、製品コストを低下できる。
【0045】
また、筒状被覆部は、プランジャの駆動力を被駆動部に伝達するリンク部をもつため、オン作動およびオフ作動に伴い軸方向に往復移動するプランジャの駆動力を必要とする被駆動部に伝達し、かつ利用することができる。
前記リンク部は、例えば、AT車のセレクトレバーによる誤操作防止システムに組み込まれ使用され、前記セレクトレバーの操作およびロックボタンの操作に伴い連動するロックピンを、デテントプレートの係止溝にロックまたはロック解除できる機能をもつ被駆動部と接続するリンク部として利用できる。
(2)請求項2に記載されたソレノイドによると、ハウジングは、ボビンの該筒孔内に一体成形され可動部材の外周面に摺接する内周面をもつ磁性体製の筒状案内部と、筒状案内部の先端側内周面に形成された樹脂製案内部とを有する。さらに、可動部材は、磁性体製のプランジャとプランジャに一体成形されプランジャの駆動力を被駆動部に伝達するリンク部と、プランジャの後端側の外周面をリンク部と一体的に被覆し筒状案内部の内周面に摺接する樹脂製の筒状被覆部とを有する。そして、該ハウジングと該可動部材とは、該ハウジングの該筒状案内部と該可動部材の該筒状被覆部と、及び該ハウジングの該樹脂製案内部と該可動部材の先端側の該プランジャとのみ摺接させるようにしたことを特徴とする。
【0046】
このため、前記請求項1の効果に加えて、可動部材は、軸方向の所定間隔を隔てた2つの位置で部分的に摺接可能に保持され、かつ移動抵抗が少なく、精度良く(ガタが少なく)軸方向に移動できる。
(3)請求項3に記載されたソレノイドによると、樹脂製ボビンは、可動部材のストロークを規制する固定側ストッパーが一体に形成されている。
【0047】
このため、前記請求項1の効果に加えて、本ソレノイドは、軸方向の作動ストロークを定めるためのストッパーとして、従来のように、複数のストッパー部品を用いずにすみ、部品点数およびその組付け工程を低減でき、かつ製品コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のソレノイドの正面を断面して示す正面断面図。
【図2】実施例1のソレノイドを分解して示す斜視図。
【図3】実施例1の変形例のソレノイドの正面を断面して示す正面断面図。
【図4】実施例2のソレノイドの正面を断面して示す正面断面図。
【図5】実施例3のソレノイドの正面を断面して示す正面断面図。
【符号の説明】
1…ソレノイド
2…樹脂製のボビン 3…コイル 4…磁性体製の筒状案内部
5…磁性体製の可動部材
6…樹脂製の筒状被覆部
7…ヨーク 7a…ハウジング 7b…コア

Claims (3)

  1. 筒状で樹脂製のボビンと、該ボビンの外周に巻回され印加電流値に応じた磁力線を発生するコイルと、該ボビンの筒孔の軸方向にそれぞれ対向して配置され該磁力線により電磁石として作用するコアをもつハウジングおよび該コアに吸引され作動する可動部材と、よりなるソレノイドであって、
    該ハウジングは、該ボビンの該筒孔内に保持され該可動部材の外周面に摺接する内周面をもつ磁性体製の筒状案内部を有し
    該可動部材は、磁性体製のプランジャと、該プランジャに一体成形され該プランジャの駆動力を被駆動部に伝達するリンク部と、該プランジャの外周面の少なくとも一部を該リンク部と一体的に被覆し該筒状案内部の内周面に摺接する樹脂製の筒状被覆部とを有し
    該ハウジングと該可動部材とは、該ハウジングの該筒状案内部と該可動部材の該筒状被覆部とのみ摺接させるようにしたことを特徴とするソレノイド。
  2. 筒状で樹脂製のボビンと、該ボビンの外周に巻回され印加電流値に応じた磁力線を発生するコイルと、該ボビンの筒孔の軸方向にそれぞれ対向して配置され該磁力線により電磁石として作用するコアをもつハウジングおよび該コアに吸引され作動する可動部材と、よりなるソレノイドであって、
    該ハウジングは、該ボビンの該筒孔内に一体成形され該可動部材の外周面に摺接する内周面をもつ磁性体製の筒状案内部と、該筒状案内部の先端側内周面に形成された樹脂製案内部とを有し、
    該可動部材は、磁性体製のプランジャと、該プランジャに一体成形され該プランジャの駆動力を被駆動部に伝達するリンク部と、該プランジャの後端側の外周面を該リンク部と一体的に被覆し該筒状案内部の内周面に摺接する樹脂製の筒状被覆部とを有し、
    該ハウジングと該可動部材とは、該ハウジングの該筒状案内部と該可動部材の該筒状被覆部と、及び該ハウジングの該樹脂製案内部と該可動部材の先端側の該プランジャとのみ摺接させるようにしたことを特徴とするソレノイド。
  3. 記ボビンは、前記可動部材のストロークを規制する固定側ストッパーが一体に形成されている請求項1又は2に記載のソレノイド。
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