JP3945677B2 - 永久磁石式回転電動機 - Google Patents

永久磁石式回転電動機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の永久磁石を円周方向に配置したロータヨークがステータの外周を回転し、ロータヨークが各永久磁石の間に補極部を有する永久磁石式回転電動機に係り、特に、内燃機関用のスタータ兼ジェネレータとして好適な永久磁石式回転電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関用のスタータモータとジェネレータとは個別に装備されていたが、それぞれの機能を一体化させたスタータ兼ジェネレータ装置が、例えば特開平10−148142号公報に開示されている。
【0003】
一方、内燃機関用のスタータモータとして、ステータの外周を円筒状のロータヨークが回転する外転型の永久磁石式回転電動機が知られている。また、このような永久磁石式回転電動機において、ロータおよびステータ間での磁束分布の歪みを緩和させてトルク振動の発生を防止するために、隣接する永久磁石の間に補極部を形成した永久磁石式回転電動機が、例えば特開平8−275476号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の永久磁石式回転電動機では、補極を挟んで隣接する永久磁石間において、当該補極を磁路とする漏れ磁束が生じて有効磁束が減少してしまう。
したがって、より多くの駆動トルクを得ようとすると、永久磁石を大型化したり、あるいはステータ巻線の励磁電流を増加させなければならないが、モータの大型化や重量化、あるいは消費電力の増大を招いてしまう。
【0005】
さらに、一つのモータを、内燃機関の始動時にはスタータモータとして機能させ、車両走行時にはジェネレータとして機能させようとする場合、上記したように永久磁石を大型化すると、スタータモータとして機能させた際には大きな駆動トルクが得られる反面、ジェネレータとして機能させた際には、必要以上に大きな電力を発電してしまうので、内燃機関Eがスタータ兼ジェネレータ装置を駆動するのに要するトルク(被動トルク)が大きくなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、上記した従来技術の技術課題を解決し、スタータモータとして機能させる際には大きな駆動トルクが得られ、ジェネレータとして機能させる際は被動トルクが小さく抑えられるスタータ兼ジェネレータ装置としての永久磁石式回転電動機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明は、ステータの外周を回転する略円筒形状のロータヨークが、その円周方向に沿って複数の磁石挿入孔を補極を挟んで配置し、各磁石挿入孔内に永久磁石が挿入された永久磁石式回転電動機において、前記磁石挿入孔は、永久磁石が挿入される主開孔部と、主開孔部の円周方向に沿った両端部から中心部に向かって所定の幅(W)で延びたスリットとを具備し、前記スリットの先端におけるロータヨークの残余厚(H)と前記スリット幅(W)とが、0.3≦残余厚(H)/スリット幅(W)≦0.7の関係を満足することを特徴とする。
【0008】
スリット幅(W)を広げれば残余厚(H)を薄くしたことと同等となり、被動トルクを減少させる観点からは不利となる。その逆に、残余厚(H)を厚くすれば、駆動トルクを増加させる観点からは不利となるので、スリット幅Wを広げて駆動トルクを増大させることとロータヨークの残余厚Hを厚くして被動トルクを減少させることとは二律背反の事象となり、両者の比(H/W)は、駆動トルクの増大を優先させるのであれば低く設定し、被動トルクの減少を優先させるのであれば高く設定しなければならない。しかしながら、0.3≦残余厚(H)/スリット幅(W)≦0.7とすれば、駆動トルクおよび被動トルクの双方を効果的に両立させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の永久磁石式回転電動機をスタータ兼ジェネレータ装置に適用したスクータ型自動二輪車の全体側面図である。
【0010】
車体前部3aと車体後部3bとは低いフロア部4を介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレームは、概ねダウンチューブ6とメインパイプ7とから構成される。燃料タンクおよび収納ボックス(共に図示せず)はメインパイプ7により支持され、その上方にシート8が配置されている。
【0011】
車体前部3aでは、ステアリングヘッド5に軸支されて上方にハンドル11が設けられ、下方にフロントフォーク12が延び、その下端に前輪FWが軸支されている。ハンドル11の上部は計器板を兼ねたハンドルカバー13で覆われている。メインパイプ7の立ち上がり部下端にはブラケット15が突設され、このブラケット15には、スイングユニット2のハンガーブラケット18がリンク部材16を介して揺動自在に連結支持されている。
【0012】
スイングユニット2には、その前部に単気筒の2ストローク内燃機関Eが搭載されている。この内燃機関Eから後方にかけてベルト式無段変速機26が構成され、その後部に遠心クラッチを介して設けられた減速機構27に後輪RWが軸支されている。この減速機構27の上端とメインパイプ7の上部屈曲部との間にはリヤクッション22が介装されている。スイングユニット2の前部には内燃機関Eから延出した吸気管23に接続された気化器24および同気化器24に連結されるエアクリーナ25が配設されている。
【0013】
図2は、前記スイングユニット2をクランク軸201に沿って切断した断面図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0014】
スイングユニット2は、左右のクランクケース202L、202Rを合体して構成されるクランクケース202に覆われ、クランク軸201は、クランクケース202Rに固定された軸受け208、209により回転自在に支持されている。クランク軸201には、クランクピン213を介してコンロッド(図示せず)が連結されている。
【0015】
左クランクケース202Lは、ベルト式無段変速室ケースを兼ねており、左クランクケース202Lまで延びたクランク軸201にはベルト駆動プーリ210が回転可能に設けられている。ベルト駆動プーリ210は、固定側プーリ半体210Lと可動側プーリ半体210Rとからなり、固定側プーリ半体210Lはクランク軸201の左端部にボス211を介して固着され、その右側に可動側プーリ半体210Rがクランク軸201にスプライン嵌合され、固定側プーリ半体210Lに接近・離反することができる。両プーリ半体210L、210R間にはVベルト212が巻き掛けられている。
【0016】
可動側プーリ半体210Rの右側ではカムプレート215がクランク軸201に固着されており、その外周端に設けたスライドピース215aが、可動側プーリ半体210Rの外周端で軸方向に形成したカムプレート摺動ボス部210Raに摺動自在に係合している。可動側プーリ半体210Rのカムプレート215は、外周寄りがカムプレート215側に傾斜したテーパ面を有しており、該テーパ面と可動プーリ半体210Rとの間の空所にドライウェイトポール216が収容されている。
【0017】
クランク軸201の回転速度が増加すると、可動側プーリ半体210Rとカムプレート215間にあって共に回転する前記ドライウェイトボール216が、遠心力により遠心方向に移動し、可動側プーリ半体210Rはドライウェイトボール216に押圧されて左方に移動して固定側プーリ半体210Lに接近する。その結果、両プーリ半体210L、210R間に挟まれたVベルト212は遠心方向に移動し、その巻き掛け径が大きくなる。
【0018】
車両の後部には前記ベルト駆動プーリ210に対応する被動プーリ(図示せず)が設けられ、Vベルト212はこの被動プーリに巻き掛けられている。このベルト伝達機構により、内燃機関Eの動力は自動調整されて遠心クラッチに伝えられ、前記減速機構27等を介して後輪RWを駆動する。
【0019】
右クランクケース202R内には、スタータモータとACジェネレータとを組み合わせたスタータ兼ジェネレータ装置1が配設されている。スタータ兼ジェネレータ装置1では、クランク軸201の先端テーパ部にアウターロータ60がネジ253により固定されている。前記アウターロータ60の内側に配設されるインナステータ50は、クランクケース202にボルト279により螺着されて支持される。なお、前記スタータ兼ジェネレータ装置1の構成については、後に図3ないし図7を参照して詳細に説明する。
【0020】
ファン280は、その中央円錐部280aの裾部分をボルト246によりアウターロータ60に固着されており、ファン280はラジエタ282を介してファンカバー281により覆われている。
【0021】
クランク軸201上には、前記スタータ兼ジェネレータ装置1と軸受け209との間にスプロケット231が固定されており、このスプロケット231にはクランク軸201からカムシャフト(図示せず)を駆動するためのチェーンが巻き掛けられている。なお、前記スプロケット231は、潤滑オイルを循環させるポンプに動力を伝達するためのギヤ232と一体的に形成されている。
【0022】
図3、4は、前記スタータ兼ジェネレータ装置1(永久磁石式回転電動機)の回転軸(クランク軸201)に垂直な面での一部破断平面図およびその側面断面図、図5、6は、ロータヨークの平面図およびその部分拡大図であり、いずれも前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0023】
本実施形態のスタータ兼ジェネレータ装置1は、図3、4に示したように、ステータ50と、当該ステータ50の外周を回転するアウターロータ60とから構成され、前記アウターロータ60は、図4、5に示したように、リング状のケイ素鋼板(薄板)を略円筒状に積層して構成されたロータヨーク61と、図3、7に示したように、ロータヨーク61の円周方向に設けられた複数の開口部611内に交互に挿貫されたN極永久磁石62NおよびS極永久磁石62Sと、図3、4に示したように、前記ロータヨーク61を前記クランク軸201に連結するカップ状のロータケース63とによって構成されている。
【0024】
前記ロータケース63は、その円周端部に爪部63aを具備し、当該爪部63aを内側へ折り曲げることによって前記積層構造のロータヨーク61が軸方向に挟持され、かつ前記ロータヨーク61の開口部611内に挿貫された各永久磁石62(62N,62S)がロータヨーク61内の所定位置に保持される。
【0025】
前記ステータ50は、ケイ素鋼板(薄板)を積層して構成され、図3に示したように、ステータコア51およびステータ突極52を含む。各ステータ突極52にはステータ巻線53が単極集中方式で巻回され、ステータ50の主面は保護カバー71で覆われている。
【0026】
前記ロータヨーク61には、図5、6に示したように、前記永久磁石62が軸方向に挿入される開口部611が円周方向に30度間隔で12個形成されている。各開口部611の円周方向に沿った両端部には、中心部に向かって所定の幅で延びたスリット614が形成されている。隣接する各開口部611の間は補極部613として機能する。
【0027】
前記各開口部611内には、図7に示したように、断面が略太鼓状の永久磁石62が挿入されている。ここで、本実施形態では前記開口部611の形状と永久磁石62の断面形状とが同一ではなく、前記開口部611に前記永久磁石62が挿入された状態では、各永久磁石62の円周方向に沿った両側部に空隙612が形成され、かつ各永久磁石62の両端部におけるステータ側には前記スリット614が残る。
【0028】
図8は、前記スタータ兼ジェネレータ装置1の制御系のブロック図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0029】
制御ユニット40は、バッテリ42の出力電圧VBATTをロジック電圧VDDに変換してCPU101へ供給するDC−DC変換器102と、IGコイル41への給電を制御して点火プラグ43を所定のタイミングで点火させる点火制御装置103と、バッテリ電圧VBATTを3相交流電力に変換して前記スタータ兼ジェネレータ装置1のステータ巻線53へ供給する3相ドライバ104とを含む。
【0030】
スロットルセンサ45は、スロットル開度θthを検知してCPU101へ通知する。ロータセンサ46は、前記アウターロータ60の回転位置を検知してCPU101へ通知する。レギュレータ44は、アウターロータ60の回転に応じて前記ステータ巻線53に発生させる誘導起電力を所定のバッテリ電圧VBATTに制御する。
【0031】
このような構成において、エンジン始動時は、CPU101がロータセンサ46により検知されたアウターロータ60の回転位置に基づいてステータ巻線53の励磁タイミングを決定し、3相ドライバ104の各パワーFETのスイッチングタイミングを制御してステータ巻線53の各相へ交流電力を供給する。
【0032】
3相ドライバ104の各パワーFET(Tr1〜Tr6)はCPU101によりPWM制御され、そのデューティー比すなわち駆動トルクは、前記アウターロータ60の回転数に基づいて制御される。
【0033】
一方、内燃機関Eが始動されると、3相ドライバ104からステータ巻線53への給電が中止され、今度はスタータ兼ジェネレータ装置1が内燃機関Eにより従動的に駆動される。このとき、ステータ巻線53には、クランク軸201の回転速度に応じて起電力が発生する。この起電力はレギュレータ44によってバッテリ電圧VBATTに制御され、電気負荷へ供給されると共に余剰電力はバッテリ42へ充電される。
【0034】
次いで、前記ロータヨーク61に設けたスリット614およびロータヨーク61と永久磁石62との間に形成される空隙部612の作用について、図9、10を参照して説明する。
【0035】
図9は、当該スタータ兼ジェネレータ装置1をスタータモータとして機能させた際の磁束密度分布を示した図であり、図10は、当該装置1をジェネレータとして機能させた際の磁束密度分布を示した図である。
【0036】
前記スタータ兼ジェネレータ装置1をスタータモータとして機能させる際、前記制御ユニット40を介してバッテリ42から各ステータ巻線53へ励磁電流を供給すると、図9に示したように、N極に励磁されたステータ突極52Nから放射方向に発生した磁力線がS極永久磁石62Sのステータ側表面から裏面へ抜け、その多くはロータヨーク61のコア部615および補極部613を経由し、隣接するS極に励磁されたステータ突極52S、ステータコア51を経由して前記N極に励磁されたステータ突極52Nへ戻る。
【0037】
このとき、本実施形態では各永久磁石62の円周方向に沿った両側部に空隙612が形成され、各永久磁石62の側部から補極部613への漏れ磁束が減ぜられるので、磁力線の大部分は各永久磁石62からロータヨーク61のコア部615へ抜け、さらに前記補極部613を経由してステータ50側へ達する。この結果、アウターロータ60とステータ50との間のエアギャップを通過する磁束の垂直成分が増えるので、前記空隙612を設けない場合に比べて駆動トルクを増加させることが可能になる。
【0038】
さらに、本実施形態では永久磁石62の両端部におけるステータ側にも、円周方向の磁路を制限するためのスリット614が形成されているので、ロータヨーク61の内側を通過する漏れ磁束も減少する。
【0039】
すなわち、図21に図9の破線円内を拡大して示したように、スリット614の一方(614A)は、ロータヨーク61の補極部613を通過する磁束B1がロータヨーク61の内側円周部616へ導かれるのを妨げ、磁束B1の多くをステータ突極52Sへ効率良く導くように作用する。また、スリット614の他方(614B)は、永久磁石62Nからロータヨーク61の内側円周部616を通過する磁束B2が補極部613へ導かれるのを妨げ、磁束B2の多くをステータ突極52Sへ効率良く導くように作用する。この結果、アウターロータ60とステータ50との間のエアギャップを通過する磁束の垂直成分が更に増え、スタータモータとしての駆動トルクを更に増加させることが可能になる。
【0040】
一方、当該スタータ兼ジェネレータ装置1をジェネレータとして機能させる際は、図10に示したように、各永久磁石62から発生する磁束がステータ突極およびステータコアと共に閉磁路を形成するので、ロータの回転数に応じた発電電流をステータ巻線に発生させることができる。
【0041】
なお、本実施形態では前記レギュレータ44によるレギュレート電圧を14.5Vに設定し、当該スタータ兼ジェネレータ装置1をジェネレータとして機能させた際の出力電圧が前記レギュレート電圧に達すると、前記パワ−FETのうち、接地側のパワーFETTr2,Tr4,Tr6を短絡させるようにしている。これにより、各ステータ巻線53にショート電流が遅れ位相で流れ、ステータ50内を通過する磁力線が減少し、隣接する永久磁石62間を結ぶ漏れ磁束が増加するので、当該スタータ兼ジェネレータ装置1の被動トルクが減少して内燃機関Eの負荷が減少する。
【0042】
すなわち、図21に図10の破線円内を拡大して示したように、隣接する永久磁石62S,62N間には、ロータヨーク61の外側円周部617を経由する磁束B3と、ロータヨーク61の補極部613を経由する磁束B4と、ロータヨーク61の内側円周部616を通過する磁束B5と、ロータヨーク61の内側円周部616、エアギャップおよびステータ突極52Nを経由する磁束B6とが発生する。
【0043】
上記したように、本実施形態によれば、アウターロータ60のロータヨーク61が各永久磁石62間に補極部613を有する永久磁石式回転電動機において、各永久磁石62とロータヨーク61との間に空隙612およびスリット614を設けたので、隣接する永久磁石間での漏れ磁束が減少し、アウターロータ60とステータ50との間のエアギャップ部を垂直に交差する磁束が増える。したがって、当該永久磁石式回転電動機をジェネレータとして機能させる際の被動トルクを増加させることなく、スタータモータとして機能させる際の駆動トルクを増大させることができる。
【0044】
なお、上記した説明からも明らかなように、永久磁石式回転電動機をスタータモータとして機能させる際は、図21に示したように、スリット614A,614Bで磁束B1,B2を妨げることにより駆動トルクが増大されるので、同図右側に拡大して示したように、各スリット614の幅Wは広いほど好ましい。
【0045】
一方、永久磁石式回転電動機をジェネレータとして機能させる際は、図22に示したように、漏れ磁束B5の磁路を十分に確保することにより被動トルクが減ぜられるので、同図右側に拡大して示したように、各スリット614の先端におけるロータヨークの残余厚Hは厚いほど好ましい。
【0046】
ここで、スリット幅Wを広げれば、図22の漏れ磁束B5が減少するので前記残余厚Hを薄くしたことと同等となり、被動トルクを減少させる観点からは不利となる。その逆に、スリット先端の残余厚Hを厚くすれば、図21の磁束B1,B2の有効成分(ステータ側へ導かれる量)が減少するのでスリット幅Wを狭めたことと同等となり、駆動トルクを増加させる観点からは不利となる。したがって、スリット幅Wを広げて駆動トルクを増大させることとスリット先端の残余厚Hを厚くして被動トルクを減少させることとは二律背反の事象となり、両者の比(H/W)は、駆動トルクの増大を優先させるのであれば低く設定し、被動トルクの減少を優先させるのであれば高く設定しなければならない。
【0047】
図23、24は、それぞれ前記比(H/W)と駆動トルク(図23)および被動トルク(図24)との関係を、前記スリット614の先端におけるロータヨークの残余厚Hをパラメータとして示した図である。なお、図24の被動トルクは、その絶対値が大きくなるほど大きくなることを示している。
【0048】
駆動トルクは、図23に示したように、(H/W)の減少と共に増加する傾向を示すが、(H/W)が約0.3を下回ると増加率が鈍る。これに対して、被動トルクは、図24に示したように、(H/W)の減少と共に増加する傾向を示し、(H/W)が約0.3を下回ると増加率が増えてしまう。したがって、スリット幅Wと残余厚Hとは、両者の比(H/W)が0.3以上となるように設定することが望ましいことが判る。
【0049】
また、被動トルクの減少率は、図24に示したように、(H/W)が約0.5を越えた辺りから鈍る傾向にあり、駆動トルクの減少率は、(H/W)が0.5〜0.7の範囲で鈍る傾向にある。したがって、前記(H/W)は0.7以下に設定するのが好ましく、0.5付近が最適と言える。
【0050】
以上の実験結果から、本実施形態によれば(H/W)を0.3ないし0.7の範囲に設定することで駆動トルクおよび被動トルクの双方を効果的に両立させることができ、(H/W)を0.5ないしはその近傍に設定することにより、駆動トルクおよび被動トルクの双方を最も効果的に両立させることができる。
【0051】
図11は、本発明の第2実施形態であるロータヨーク61aの平面形状を示した図、図12は、前記ロータヨーク61aの開口部611aに永久磁石62aが挿貫された状態での部分拡大図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0052】
本実施形態では、ロータヨーク61aの開口部611aが略台形状であり、当該開口部611a内に断面が長方形状の永久磁石62aが挿貫されている。この結果、永久磁石62aの円周方向に沿った両側部には、隣接する永久磁石62a間での漏れ磁束を防止するための空隙612aが形成され、各永久磁石62aの両端部におけるステータ側にも、円周方向の磁路を制限するためのスリット614aが形成されるので、前記と同様の効果が達成される。
【0053】
図13は、本発明の第3実施形態であるロータヨーク61bの平面形状を示した図、図14は、前記ロータヨーク61bの開口部611bに永久磁石62bが挿貫された状態での部分拡大図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0054】
本実施形態では、ロータヨーク61bの開口部611bが異形の太鼓状であり、当該開口部611b内に断面が太鼓状の永久磁石62bが挿貫されている。この結果、永久磁石62bの円周方向に沿った両側部には、隣接する永久磁石62b間での漏れ磁束を防止するための空隙612bが形成され、各永久磁石62bの両端部におけるステータ側にも、円周方向の磁路を制限するためのスリット614bが形成されるので、前記と同様の効果が達成される。
【0055】
図15は、本発明の第4実施形態であるロータヨーク61cの平面形状を示した図、図16は、前記ロータヨーク61cの開口部611cに永久磁石62cが挿貫された状態での部分拡大図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0056】
本実施形態では、ロータヨーク61cの開口部611cが太鼓状部の両側に切欠を設けた異形状であり、開口部611c内に断面が太鼓状の永久磁石62cが挿貫されている。この結果、永久磁石62cの円周方向に沿った両側部には、隣接する永久磁石62c間での漏れ磁束を防止するための空隙612cが形成され、各永久磁石62cの両端部におけるステータ側にも、円周方向の磁路を制限するためのスリット614cが形成されるので、前記と同様の効果が達成される。
【0057】
図17は、本発明の第5実施形態であるロータヨーク61dの平面形状を示した図、図18は、前記ロータヨーク61dの開口部611dに永久磁石62dが挿貫された状態での部分拡大図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0058】
本実施形態では、ロータヨーク61dの開口部611dが異形の太鼓状であり、当該開口部611d内に断面が太鼓状の永久磁石62dが挿貫されている。この結果、永久磁石62dの円周方向に沿った両側部には、隣接する永久磁石62d間での漏れ磁束を防止するための空隙612dが形成される。
【0059】
さらに、前記開口部611dとは別に、各永久磁石62dの両端部に相当するロータヨーク61dの内周部に、円周方向の磁路を制限するためのスリット614dが切欠き状に形成されているので、前記と同様の効果が達成される。
【0060】
図19は、本発明の第6実施形態であるロータヨーク61eの平面形状を示した図、図20は、前記ロータヨーク61eの開口部611eに永久磁石62eが挿貫された状態での部分拡大図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0061】
本実施形態では、ロータヨーク61eの開口部611eが異形の太鼓状であり、当該開口部611e内に断面が太鼓状の永久磁石62eが挿貫されている。この結果、永久磁石62eの円周方向に沿った両側部には、隣接する永久磁石62e間での漏れ磁束を防止するための空隙612eが形成され、各永久磁石62eの両端部におけるステータ側にも、円周方向の磁路を制限するためのスリット614eが形成されるので、前記と同様の効果が達成される。
【0062】
【発明の効果】
上記したように、本発明によれば、アウターロータのロータヨークが各永久磁石間に補極部を有する永久磁石式回転電動機において、駆動トルクおよび被動トルクの双方を効果的に両立させることができる。したがって、当該永久磁石式回転電動機をジェネレータとして機能させる際の被動トルクを増加させることなく、スタータモータとして機能させる際の駆動トルクを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の永久磁石式回転電動機をスタータ兼ジェネレータ装置に適用したスクータ型自動二輪車の全体側面図である。
【図2】図1のスイングユニットのクランク軸に沿った断面図である。
【図3】スタータ兼ジェネレータ装置(永久磁石式回転電動機)の回転軸(クランク軸)に垂直な面での一部破断平面図である。
【図4】図3のの側面断面図である。
【図5】ロータヨークの平面図である。
【図6】ロータヨークの側面図である。
【図7】ロータヨークの部分拡大図である。
【図8】スタータ兼ジェネレータ装置の制御系のブロック図である。
【図9】ロータヨークに設けたスリットおよび空隙部の機能(電動時)を説明するための図である。
【図10】ロータヨークに設けたスリットおよび空隙部の機能(発電時)を説明するための図である。
【図11】本発明の第2実施形態であるロータヨークの平面形状を示した図である。
【図12】図11の開口部に永久磁石が挿貫された状態での部分拡大図である。
【図13】本発明の第3実施形態であるロータヨークの平面形状を示した図である。
【図14】図13の開口部に永久磁石が挿貫された状態での部分拡大図である。
【図15】本発明の第4実施形態であるロータヨークの平面形状を示した図である。
【図16】図15の開口部に永久磁石が挿貫された状態での部分拡大図である。
【図17】本発明の第5実施形態であるロータヨークの平面形状を示した図である。
【図18】図17の開口部に永久磁石が挿貫された状態での部分拡大図である。
【図19】本発明の第6実施形態であるロータヨークの平面形状を示した図である。
【図20】図19の開口部に永久磁石が挿貫された状態での部分拡大図である。
【図21】図9の部分拡大図である。
【図22】図10の部分拡大図である。
【図23】スリット先端でのロータヨークの残余厚Hおよびスリット幅Wの比(H/W)と駆動トルクとの関係を示した図である。
【図24】スリット先端でのロータヨークの残余厚Hおよびスリット幅Wの比(H/W)と被動トルクとの関係を示した図である。
【符号の説明】
1…スタータ兼ジェネレータ装置,50…ステータ,51…ステータコア,52…ステータ突極,53…ステータ巻線,60…アウターロータ,61…ロータヨーク,62(62N,62S)永久磁石…,63…ロータケース,71…保護カバー,201…クランク軸,611…開口部,612…空隙,613…補極部,614…スリット

Claims (4)

  1. ステータの外周を回転する略円筒形状のロータヨークが、補極を挟んで該ロータヨークの円周方向に沿って配置された複数の磁石挿入孔を有し、各磁石挿入孔内に永久磁石が挿入された永久磁石式回転電動機において、
    前記磁石挿入孔は、
    前記永久磁石が挿入される主開孔部と、
    前記主開孔部の円周方向に沿った両端部から中心部に向かって所定の幅(W)で延びたスリットとを具備し、
    前記スリットの先端におけるロータヨークの残余厚(H)と前記スリット幅(W)とが、0.3≦残余厚(H)/スリット幅(W)≦0.7の関係を満足するとともに、
    所定の回転速度未満では電動機として機能し、前記所定の回転速度以上では発電機として機能するように構成されたことを特徴とする永久磁石式回転電動機。
  2. 前記残余厚(H)/スリット幅(W)が0.5であることを特徴とする請求項1記載の永久磁石式回転電動機。
  3. 前記磁石挿入孔に前記永久磁石が挿入された状態では、永久磁石の円周方向に沿った両側部に空隙が形成されることを特徴とする請求項1記載の永久磁石式回転電動機。
  4. 前記空隙が、前記ロータヨークの外周寄りで広く、該ロータヨークの内周寄りで狭くなっていることを特徴とする請求項3記載の永久磁石式回転電動機。
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