JP3945069B2 - 照明器具用包装部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、天井などに埋込み設置される照明器具の略直方体状をした照明器具本体内に取付けられる内側反射板を前記照明器具の包装に際して保護するために使用される照明器具用包装部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、照明器具の器具本体内に取付けられるVカバーと称される内側反射板を保護する照明器具用包装部品は、図5に示すものが一般に知られている。
【0003】
Vカバー10を保護する照明器具用包装部品としての支え板15は、一枚の矩形状をした段ボール板材をコ字状に折曲げ形成してなり、底面壁16と、この底面壁16の両端に形成された折曲げ線18,18に沿って直角に折曲げられ中央にVカバー10と略同一形状の係合凹部19を有する一対の立上り壁17,17とから形成している。この支え板15は、例えば、Vカバー10の中央および両端側にそれぞれ装着して3個使用される。各支え板15の両端は、下面開口3を有した器具本体2の両反射側板4,4の内面に当接して取付けられ、それによってVカバー10を器具本体2内に動き止めしてVカバー10を保護するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の照明器具用包装部品としての支え板15は、一枚の段ボール板材を折曲げ線に沿って略コ字状に折曲げ形成していることから、器具本体2の両反射側板4、4の内面間にわたる3つの板部が必要であり、使用材料が多い。そのため、包装コストが高いとともに、使用後、包装部品の廃棄量も多いという問題があった。
【0005】
また、従来は器具本体2にVカバー10を組付けた状態で包装しているため、照明器具を天井等に取付け施工する現場では、包装を解く作業の他にVカバー10を器具本体2から取外す手間を余儀なくされている。
【0006】
本発明が解決しょうとする課題は、内側反射板を確実に保護できることは勿論のこと、包装コスト及び包装廃材を低減できるとともに、照明器具の取付け施工性の向上にも役立つ照明器具用包装部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の照明器具用包装部品の発明は、下面が開口された器具本体と、両側に張出しフランジを有して前記器具本体内に取付けられる内側反射板とを備える照明器具の包装に用いられ、前記内側反射板を保護する照明器具用包装部品において、前記包装部品は折曲げ可能な一枚の包装用板材からなるとともに、前記内側反射板の裏側に配置される中央板部と、この中央板部の両端に設けられた一対の端板部とを備え、前記中央板部がその両端から前記端板部に喰い込むように突出されるとともに前記張出しフランジより突出するフランジ重なり部を有し、前記端板部は、前記フランジ重なり部の先端に形成した折曲げ線と前記フランジ重なり部の根元部から前記包装用板材の側縁にわたるL字形の切込み線とで区画されて、前記折曲げ線に沿って折曲げ可能に設けられ、かつ、前記端板部が前記フランジ重なり部の側方位置で前記張出しフランジを押えるフランジ押え部を有しており、前記器具本体との連結が解除された状態の前記内側反射板とともに前記器具本体内に収納され、前記フランジ重なり部と前記フランジ押え部とで前記張出しフランジを挟み込むとともに前記端板部の前記フランジ押え部側と反対側の端部が前記器具本体の両反射側板内面に当接して装着されることを特徴とするものである。
【0008】
本発明および以下の各説明において、特に言及しない限り用語の定義および技術的意味は次のとおりとする。
【0009】
包装部品の端板部が有するフランジ押え部は、「発明の実施の形態」の項では後述のように、包装用板材の幅方向両側に2個形成したことで説明したが、包装用板材の幅方向中央部又は片側1個所に形成したものでもよい。また、包装用板材は、段ボール材又はボール紙等の厚紙を使用してもよいし、折曲げ可能なプラスチック板材を使用するもの、若しくはこれらの複合材であってもよい。
【0010】
本発明の包装部品の中央板部は、内側反射板の裏面において、内側反射板の張出しフランジ間にわたって配置され、この配置により中央板部がその両端に有したフランジ重なり部は、張出しフランジよりも外側に突出する。そして、包装部品の端板部は、それぞれ前記中央板部から折り曲げられて、そのフランジ押え部との間に前記張出しフランジを前記端板部とで挟むように配置され、それにより、包装部品は内側反射板をその裏面側から両張出しフランジの表面側にわたって抱えるように装着される。
【0011】
このような包装状態において、包装部品は内側反射板とともに、下面開口の器具本体内に収納される。この収納により、両端板部のフランジ重なり部と反対側の端部が、それぞれ器具本体の両反射側板の内面に接触するように配置されるので、本発明の包装部品は、器具本体内に、この本体の幅方向に動かないように配置され、内側反射板を保護する。
【0012】
そして、本発明の包装部品は、前記のように略平板状の包装姿勢で内側反射板を器具本体内に動かないように保護するから、この包装のために必要とする一枚の包装板材の使用量を、コ字状に折曲げたものに比較して少なくできる。
【0013】
しかも、この包装部品は、器具本体との連結を解除した状態の内側反射板を前記のように包装するので、照明器具の取付け施工現場において、器具本体に対する内側反射板の連結を解除する手間を要しない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る照明器具用包装部品について図1〜図4を参照して説明する。
【0015】
図4は照明器具用包装部品が装着される埋込み形照明器具の外観を示す斜視図で、この照明器具1は、下面が開口された(下面開口を符号3で示す)略直方体状をなす器具本体2と、この器具本体内の幅方向中央に長手方向に沿って配置される断面形状が略V字形をなすVカバー10とを備えている。器具本体2は、長尺状で平坦面をなす天板5と、この天板5の両側縁から略ハの字状に拡開し相反する方向に傾斜する一対の反射側板4,4と、長手方向両端に夫々天板5および反射側板4,4にわたって設けられた一対の端板6,6とから形成している。さらに、器具本体2の天板5には、図3(A)(B)に示すように、下面開口3側に向けて山形状に突出し、かつ、互いに平行な突条7,7が長手方向に沿って形成されている。天板5のVカバー10で覆われる位置には取付孔(図示しない)があって、この取付孔を利用して器具本体2が天井等に埋込み設置される。
【0016】
器具本体2内に配置されたVカバー10と器具本体2の側板4,4との間に配置される直管形蛍光ランプ(図示せず)が着脱自在に装着されるランプソケット25,25が、それぞれ器具本体2の端板6,6内面側に配置されている。さらに、器具本体2の天板5の中央には、前記ランプを点灯させる安定器26や端子台(図示せず)などが取付けられ、Vカバー10で覆い隠される。
【0017】
内側反射板としてのVカバー10は、図2(C)などに示すように、断面形状が略V字形をなすVカバー主部11と、このVカバー主部11の両側縁に、それぞれ垂直状に折曲げられた立ち上げ面部12,12と、これら立ち上げ面部12,12から外方に向けて直角にそれぞれ折曲げ形成された張出しフランジとしての水平面部13,13とから構成している。Vカバー10は、その水平面部13,13の一部に形成した係止舌片13aを、天板5の内面に突出して形成した舌片受部14内に、Vカバー10の弾性を利用して着脱可能に嵌入させることで器具本体2の内側に取付けられる。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る照明器具用包装部品を示す展開図で、この包装部品30は、一枚の矩形状をなす包装用板材としての段ボール板材で形成され、中央板部として略矩形状に形成された載置板31と、この載置板31の両端に形成された端板部としての一対の振れ止め板35,35とから形成している。
【0019】
載置板31の両端中央には、振れ止め板35,35にそれぞれ喰い込むように矩形状に突出するフランジ重なり部としての矩形状突出部31aが形成されている。この突出部31aの両側縁およびこれら矩形状突出部31aの根元部32,32から段ボール板材の側縁にわたり左右一対のL字形の切込み線40が形成されている。さらに、矩形状突出部31aの先端と振れ止め板35との境界に折曲げ線41が形成されている。また、振れ止め板35の載置板31の側の一部、つまり、矩形状突出部31aの両側部分には、矩形状突出部31aの突出幅同じ突出幅のフランジ押え部としての突出係止部35a,35aをそれぞれ形成している。
【0020】
さらに、載置板31の両側には、器具本体の天板5に平行に突出形成されている突条7,7を逃げる曲げを形成するための2本の半カット線42,42が平行にそれぞれ形成している。図中のA部は段ボール板材の中芯厚紙の段が伸びる方向を示している。
【0021】
つぎに、包装部品30をVカバー10に装着する方法および包装部品30を装着したVカバー10を器具本体2に取り付ける方法を図2および図3を参照して説明する。
【0022】
まず、図2(A)に示すように、展開状態の包装部品30の長手方向両側の一対の振れ止め板35,35を折曲げ線41,41に沿って下方に向けて90度折曲げて、図2(B)に示すように、載置板31の両側に振れ止め板35の突出係止部35aを上方に向けて垂直状に突出させる。この時、両振れ止め板35の対向面間の距離はVカバー10の幅に略等しくなる。
【0023】
つぎに、図2(C)に示すように、Vカバー10の裏側に載置板31を配置するとともに、このカバー10の両側に形成された水平面部13,13を載置板31の矩形状突出部31a,31a上に載置する。
【0024】
最後に、振れ止め板35,35を図2(C)中矢印に示す方向に戻して略水平状態になるまで折曲げることにより、図2(D)に示すように、Vカバー10の水平面部13,13を載置板31と振れ止め板35の突出係止部35a,35aとで挟み込んで、包装部品30をVカバー10にこのVカバー10の裏面側から抱持するように装着する。なお、包装部品30は、図4に示すように、複数例えば2個使用する。また、載置板31の両側に平行に形成された2本の半カット線42,42間を上向きに押圧して、図2(A)に示すように、下面が開放された溝状係合凹部45,45がそれぞれ形成される。
【0025】
前記手順で包装部品30,30を両端部に装着したVカバー10を器具本体2の下面開口3から入れると、図3(B)に示すように、載置板31に形成した溝状係合凹部45,45が器具本体2の天板5に突出形成した突条7,7に係合した状態で器具本体2内に収納される。この収納により、振れ止め板の端部37,37がそれぞれ器具本体2の両反射側板4の内面に当接される。なお、この場合、図3(B)に示すように、天板5と反射側板4とがなすコーナー部に端部37を夫々当接させてより確実に包装部品30及びVカバー10を器具本体2内に装着することが望ましい。
【0026】
前記構成の包装部品30は、図3(B)に示すような略平板状で使用されて、Vカバー10を器具本体2の幅方向に動かないように保護するから、包装のために必要な一枚の段ボール板材の使用量を少なくできる。そのため、包装コストを低減できるとともに、使用後に廃材とするときも、その量を少なくできる。さらに、包装部品30は器具本体2との連結を解除した状態のVカバー10を前記のように包装するので、照明器具の取付け施工現場において、器具本体2に対するVカバー10の連結を解除する手間を要しない。したがって、前記現場での解梱から器具の取付け施工に至る段取りを短くでき、施工性を向上できる。しかも、Vカバー10に対して包装部品30は、Vカバー10の水平面部13を上下から挟むだけでなく、この水平面部13の先端が突出係止部35aで覆われているから、裏側から抱えるような包装姿勢が弛むことが少なく、包装姿勢を保持する性能が高い。したがって、輸送中における包装不良の発生が防止できる。なお、図5のものは、単に、凹部をVカバーに嵌めているだけであるから、包装姿勢を保持する性能が低いものである。
【0027】
【発明の効果】
本発明の包装部品は、下面が開口された器具本体と、両側に張出しフランジを有して前記器具本体内に取付けられる内側反射板とを備える照明器具の包装に用いられ、前記内側反射板を保護する照明器具用包装部品において、前記包装部品は、折曲げ可能な一枚の包装用板材からなるとともに、前記内側反射板の裏側に配置される中央板部と、この中央板部の両端に設けられた一対の端板部とを備え、前記中央板部がその両端から前記端板部に喰い込むように突出されるとともに前記張出しフランジより突出するフランジ重なり部を有して、前記端板部は、前記フランジ重なり部の先端に形成した折曲げ線と前記フランジ重なり部の根元部から前記包装用板材の側縁にわたるL字形の切込み線とで区画されて、前記折曲げ線に沿って折曲げ可能に設けられ、かつ、前記端板部が前記フランジ重なり部の側方位置で前記張出しフランジを押えるフランジ押え部を有しており、前記器具本体との連結が解除された状態の前記内側反射板とともに前記器具本体内に収納され、前記フランジ重なり部と前記フランジ押え部とで前記張出しフランジを挟み込むとともに前記端板部の前記フランジ押え部側と反対側の端部が前記器具本体の両反射側板内面に当接して装着されることを特徴とする。したがって、本発明によれば、平板状の姿勢で内側反射板を器具本体内に包装できるから、確実に内側反射板を保護できることは勿論のこと、この包装部品を作るのに必要な包装用板材の使用量が少なくなることから、包装コストを低減できるとともに、照明器具の取付け施工現場などで廃棄される包装用板材の量も低減することができ、しかも、前記施工現場では、器具本体から内側反射板の連結を解除する手間を要しないので、器具の取付け施工性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明器具用包装部品を示す展開図。
【図2】同一実施形態に係る包装部品のVカバーへの装着手順を示すもので、
(A)は展開した包装部品を示す斜視図。
(B)は略コ字状に折曲げ形成した包装部品を示す斜視図。
(C)は図2(B)の包装部品の載置板上に載置したVカバーを示す斜視図。
(D)は包装部品を装着したVカバーを示す斜視図。
【図3】同一実施形態に係る包装部品をVカバーに装着し、器具本体内に入れた状態を示すもので、
(A)は上面図。
(B)は図3(A)中A−A線に沿って示す側面断面図。
【図4】同一実施形態に係る包装部品を装着した照明器具を示す斜視図。
【図5】従来の包装部品としての支え板を装着した照明器具を示す斜視図。
【符号の説明】
2…器具本体,3…下面開口,4…器具本体の反射側板,10…Vカバー(内側反射板),13…水平面部(張出しフランジ),30…包装部品,31…載置板(中央板部),31a…載置板の矩形状突出部(フランジ重なり部),35…振れ止め板(端板部),35a…振れ止め板の突出係止部(フランジ押え部),37…振れ止め板の端部,40…折込み線,41…折曲げ線

Claims (1)

  1. 下面が開口された器具本体と、両側に張出しフランジを有して前記器具本体内に取付けられる内側反射板とを備える照明器具の包装に用いられ、前記内側反射板を保護する照明器具用包装部品において、
    前記包装部品は折曲げ可能な一枚の包装用板材からなるとともに、前記内側反射板の裏側に配置される中央板部と、この中央板部の両端に設けられた一対の端板部とを備え、
    前記中央板部がその両端から前記端板部に喰い込むように突出されるとともに前記張出しフランジより突出するフランジ重なり部を有し、
    前記端板部は、前記フランジ重なり部の先端に形成した折曲げ線と前記フランジ重なり部の根元部から前記包装用板材の側縁にわたるL字形の切込み線とで区画されて、前記折曲げ線に沿って折曲げ可能に設けられ、
    かつ、前記端板部が前記フランジ重なり部の側方位置で前記張出しフランジを押えるフランジ押え部を有しており、
    前記器具本体との連結が解除された状態の前記内側反射板とともに前記器具本体内に収納され、前記フランジ重なり部と前記フランジ押え部とで前記張出しフランジを挟み込むとともに前記端板部の前記フランジ押え部側と反対側の端部が前記器具本体の両反射側板内面に当接して装着されることを特徴とする照明器具用包装部品。
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