JP3944861B2 - 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法 - Google Patents

蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3944861B2
JP3944861B2 JP2005080204A JP2005080204A JP3944861B2 JP 3944861 B2 JP3944861 B2 JP 3944861B2 JP 2005080204 A JP2005080204 A JP 2005080204A JP 2005080204 A JP2005080204 A JP 2005080204A JP 3944861 B2 JP3944861 B2 JP 3944861B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
stage
cooling stage
refrigerant gas
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005080204A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005180916A (ja
Inventor
宏 浅見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2005080204A priority Critical patent/JP3944861B2/ja
Publication of JP2005180916A publication Critical patent/JP2005180916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3944861B2 publication Critical patent/JP3944861B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Description

本発明は、蓄冷器式冷凍機に関する。蓄冷器式冷凍機は、例えば、真空容器内のガスを凝縮し、真空度を高めるためのクライオポンプ等に用いられる。
従来のクライオポンプでは、ヘリウムガス等の低沸点ガスを吸着するために、冷凍機の冷却部に熱的に結合された金属パネルの表面上に、活性炭等の吸着剤が接着されていた。このクライオポンプを真空容器に連結し、真空容器内のガスを金属パネル表面の吸着剤により吸着し、真空度を高めることができる。
金属パネル表面に接着された吸着剤が剥がれやすく、剥がれた吸着剤がクライオポンプ内部を汚染する場合があった。また、吸着剤は、接着剤で金属パネル表面に固定されるため、接着剤の有限の熱伝導度に起因して、吸着剤の温度が金属パネルの温度よりも高くなる。吸着剤の温度が高くなると、ガスの吸着能力が低下してしまう。
また、吸着剤を用いた低温吸着による排気容量は、ガスを凝縮させて排気する排気容量に比べて少なく、約1/100程度である。このため、吸着剤の再生処理を頻繁に行う必要がある。例えば、クライオポンプを半導体製造装置に用いる場合、装置を頻繁に停止させて再生処理を行う必要がある。
さらに、活性炭の再生には、加熱された窒素ガスを活性炭の周囲に供給し、吸着された水分との置換を促進させることが必要となる。このため、再生時間が長くなり、再生コストが高くなる。また、再生効率を高めるために、活性炭を接着した金属パネルを約70℃まで昇温させて再生処理を行う。この高温処理は冷凍機の損傷の原因になる。
本発明の目的は、効率的なガス凝縮及び再生処理が可能なクライオポンプに適した蓄冷器式冷凍機を提供することである。
本発明の一観点によれば、
一方の端部が開口したシリンダと、
前記シリンダ内を、その軸に沿って往復運動するディスプレーサと、
前記シリンダの前記一方の端部に気密に結合され、シリンダ内の空間に内面を露出させた冷却ステージと、
前記シリンダ、ディスプレーサ、及び冷却ステージにより画定される冷却空洞に連通し、該冷却空洞に冷媒ガスを導入し、及び該冷却空洞から冷媒ガスを回収する冷媒ガス流路と、
前記冷媒ガス流路内に配置され、該冷媒ガス流路内を流れる冷媒ガスと熱交換を行う蓄冷材と、
前記冷却ステージに取り付けられ、該冷却ステージよりも熱伝導率の低い材料からなる熱抵抗部材と、
前記熱抵抗部材に取り付けられ、前記冷却ステージに接触せず、該冷却ステージの周囲を取り囲むように配置された冷却パネルと
前記冷却パネルをらせん状に取り巻いて該冷却パネルに熱的に結合し、一端が閉じられた中空の管状の第2の加熱部と、
前記第2の加熱部の他方の端部に接続され、前記冷却空洞内への冷媒ガスの導入及び回収の周期に同期するように、前記第2の加熱部の内部空洞内への冷媒ガスの導入及び回収を行う第2の再生用ガス流路と、
前記第2の再生用ガス流路に設けられた第2の開閉弁と
を有する蓄冷器式冷凍機が提供される。
本発明の他の観点によると、上述の蓄冷器式冷凍機の金属製冷却ステージを、真空排気すべき真空室に連通した空洞内に配置する工程と、前記蓄冷器式冷凍機を起動し、前記冷却ステージをヘリウムの沸点以下の温度まで冷却する工程と、前記冷却ステージの表面上に直接、前記真空室内のガスを凝縮する工程とを有する真空排気方法が提供される。
冷却パネルが輻射シールドとして作用し、効率的に冷却ステージを冷却することができる。
冷却ステージをヘリウムの沸点以下の温度まで冷却することにより、活性炭等の吸着剤を用いることなく、Hガス、Neガス等の低沸点ガスを冷却ステージ表面に直接、凝縮させることができる。
図1は、本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機を用いたクライオポンプの基本構成の断面図を示す。図の下端(低温端)が開口したシリンダ1の内部空洞内に、ディスプレーサ2が挿入されている。ディスプレーサ2は、ディスプレーサ駆動手段3により、シリンダ1の軸に沿って往復運動する。シリンダ1は、例えばステンレス等の熱伝導率が低く、気密性の高い剛性材料で形成される。ディスプレーサ2は、例えば布入りフェノール等で形成される。
シリンダ1の低温端に冷却ステージ10が結合し、シリンダ1とともに、ディスプレーサ2が往復運動する空間を画定する。冷却ステージ10は、例えば熱伝導率の高い無酸素銅(JIS規格C1020)により形成される。冷却ステージ10とシリンダ1との結合部分は、例えば銀蝋付け等により気密に保たれている。
冷却ステージ10は、シリンダ1の軸の回りを取り囲む内周面10aと、シリンダ1の軸と交差する底面10bを有する。内周面10aと底面10bは、ディスプレーサ2が往復運動する空間に露出している。冷却ステージ10の内周面10aは、シリンダ1の内周面をその軸方向に延長した面とほぼ一致する。
ディスプレーサ2及び冷却ステージ10により冷却空洞15が画定される。図1は、冷却空洞15の側面が、すべて冷却ステージ10により画定されている場合を示しているが、冷却ステージ10の内周面10aの高さを低くし、シリンダ1の内周面の一部が冷却空洞15の側面に露出するようにしてもよい。この場合、シリンダ1、ディスプレーサ2、及び冷却ステージ10により、冷却空洞15が画定される。
ディスプレーサ2内に冷媒ガス流路20が形成されている。冷媒ガス流路20は、ディスプレーサ2の冷却空洞15側の端部に設けられた連通孔21を通して冷却空洞15に連通する。また、冷媒ガス流路20は、ディスプレーサ2の高温側の端部に設けられた連通孔22を通して外部ガス流路25に連通する。外部ガス流路25は、給気弁Vを介してガス圧縮機30のガス排出側に接続され、排気弁Vを介してガス圧縮機30のガス給気側に接続されている。
排気弁Vを閉じ、給気弁Vを開くと、高圧冷媒ガスが、冷媒ガス流路20を通って冷却空洞15内に導入される。給気弁Vを閉じ、排気弁Vを開くと冷却空洞15内の冷媒ガスが、冷媒ガス流路20を通ってガス圧縮機30に回収される。冷媒ガスとして、例えばヘリウムガスが用いられる。
冷媒ガス流路20内には、蓄冷材23が充填されている。冷媒ガスが冷媒ガス流路20内を通過する時、冷媒ガスと蓄冷材23との間で熱交換が行われる。
ディスプレーサ2の往復運動に同期させて、適当なタイミングで給気弁Vと排気弁Vとの開閉を交互に行うと、冷却空洞15内で冷媒ガスの断熱膨張による寒冷が発生する。
冷却ステージ10は、その外周面上に、例えば無酸素銅からなる複数のフィン10cを有する。フィン10cは、銀蝋付け等の溶接により外周面に取り付けてもよいし、1つの無酸素銅の塊を削ることにより冷却ステージ10の円筒状部分とフィン10cとを同時に形成してもよい。冷却ステージ10のうち冷却空洞15に露出した部分とフィン10cとが、一体不可分に形成されていればよい。ここで、一体不可分とは、取り外しと取り付けとを繰り返し行うことができないような構成であることを意味する。例えばボルト締め等による結合は、ここでいう一体不可分ではないが、溶接による結合は一体不可分なる構成に含まれる。冷却ステージ10を一体不可分に構成することにより、冷却ステージ10の全体を効率的に冷却することができる。
フィン10cの代わりに、フィン以外の薄板状部分を取り付けてもよい。薄板状部分の厚さは、3mm以下とすることが好ましく、2mm以下とすることがより好ましい。反射率と耐蝕性を高めるために、冷却ステージ10の外壁面及びフィン10cの表面に金メッキかニッケルメッキ等を施して、外部からの輻射熱を反射するようにしてもよい。
冷却ステージ10の、冷却空洞15から離れた端部に熱抵抗部材40が取り付けられている。熱抵抗部材40は、例えば冷却ステージ10よりも熱伝導率の低いステンレス等により形成される。熱抵抗部材40に、例えば無酸素銅等からなる冷却パネル41が取り付けられている。冷却パネル41は、冷却ステージ10に接触せず、冷却ステージ10の周囲を取り囲むように配置されている。
なお、冷却パネル41を、シリンダ1の高温端と低温端との中間の位置に、直接熱的に結合させてもよい。
冷却ステージ10の、冷却空洞15から離れた端部に、中空の第1の加熱部50が熱的に結合している。第1の加熱部50は、例えば無酸素銅等により形成される。第1の加熱部50の内部空洞は、第1の再生用ガス流路51及び開閉弁Vを介して、外部ガス流路25に連通している。
冷却パネル41の外周面上に、中空の管状の第2の加熱部52が取り付けられている。第2の加熱部52は、冷却パネル41をらせん状に取り巻き、はんだ付けにより冷却パネル41に固着され、冷却パネル41と熱的に結合している。第2の加熱部52をらせん状とすることで、大きな熱的結合を得ることができる。
第2の加熱部52の一端は閉じられ、他端には、第2の再生用ガス流路53が結合している。第2の加熱部52の内部空洞は、第2の再生用ガス流路53及び開閉弁Vを介して、外部ガス流路25に連通している。
シリンダ1、冷却ステージ10、熱抵抗部材40、冷却パネル41、第1の加熱部50、第2の加熱部52は、真空容器60内に挿入され、シリンダ1の高温端と真空容器60の壁面が気密にシールされている。シリンダ1の外周面、冷却ステージ10の外壁面、及び真空容器60により、真空室61が画定される。
ディスプレーサ20を往復運動させ、その往復運動に同期して冷却空洞15内への冷媒ガスの導入と回収を繰り返すことにより、冷却空洞15内に寒冷が発生する。冷却ステージ10はシリンダ1よりも熱伝導率の高い材料で形成されており、その内周面及び底面が冷却空洞15に露出しているため、冷却空洞15内で発生した寒冷が冷却ステージ10を効率的に冷却することができる。真空室61内のガスが、冷却ステージ10の外壁面及びフィン10cの表面に凝縮され、真空室61内の真空度を高めることができる。
冷却ステージ10に発生した寒冷は、熱抵抗部材40を通して冷却パネル41に伝わる。冷却パネル41は、冷却ステージ10を取り囲むように配置されている。なお、冷却パネル41には、熱抵抗部材40を介して寒冷が伝わるため、冷却パネル41の温度は冷却ステージ10の温度よりもやや高くなる。例えば、冷却ステージ10を4.2K以下まで冷却したとき、冷却パネル41の温度は約10〜20Kになる。このため、Nガス、Oガス、Arガス等の比較的沸点の高いガスが冷却パネル41の表面に凝縮される。
次に、冷却ステージ10に凝縮されたガスを脱離させ、クライオポンプを再生する方法について説明する。
開閉弁V及びVを開けた状態でディスプレーサ駆動手段3を運転し、給気弁V及び排気弁Vの開閉を行う。冷却空洞15内への冷媒ガスの導入及び回収の周期に同期して、第1の加熱部50及び第2の加熱部52の内部空洞内への冷媒ガスの導入及び回収が行われる。冷媒ガスが導入される時に、第1の加熱部50及び第2の加熱部52の内部空洞内に発生する断熱圧縮熱によって、冷却ステージ10及び冷却パネル41を加熱することができる。この温度上昇により、冷却ステージ10及び冷却パネル41に吸着されたガスが脱離する。このようにして、冷凍機を運転したまま、クライオポンプの再生処理を行うことができる。
冷却ステージ10の表面上に凝縮したHガスが放出され、Arガスが放出されない範囲の温度まで昇温させると、より再生時間を短縮することができる。特に、大量のHガスが凝縮される環境下で運転する場合に、大きな効果が期待できる。
加熱部52が冷却パネル41にらせん状に巻きついているため、両者間の接触面積が増大し、より効率的に冷却パネル41を加熱することができる。なお、加熱部50も、加熱部52と同様に冷却ステージ10の外壁面に巻き付けてもよい。
なお、冷却ステージ10のみの再生処理を行う場合には、開閉弁Vを開け、開閉弁Vを閉じて運転すればよい。
図2は、上記実施例によるクライオポンプの基本構成の冷凍機として、2段構成のギフォードマクマホン(GM)冷凍機を用いた構成例を示す。図2に示すクライオポンプは、ポンプハウジング70、真空容器71、及び2段式GM冷凍機72を含んで構成される。
ポンプハウジング70は、その内部にGM冷凍機72を収容している。また、ポンプハウジング70と真空容器71とが、その開口部同士において気密に結合され、真空室74が画定されている。ポンプハウジング70には、真空室74内に大気を放出するための大気放出弁(安全弁)73が装備されている。
真空室74内には例えば半導体製造装置等が収容される。アルゴンガス等の処理ガスが、開閉弁75、流量コントローラ76、開閉弁77、ガス導入口78、及びガス導入管79を介して真空室74内に導入される。真空室74内は、真空弁80を介して真空ポンプ81により所定の真空度まで粗引きされる。真空室74内の圧力が、真空計82により測定される。
GM冷凍機72は、図1に示す冷凍機のシリンダ1及びディスプレーサ2が2段構成とされたものである。すなわち、第1段シリンダ1Bと第2段シリンダ1Aとが直列に接続され、各シリンダ内に、それぞれ第1段ディスプレーサ2B及び第2段ディスプレーサ2Aが挿入されている。第1段及び第2段ディスプレーサ2B、2Aは、共にクランク機構を有するディスプレーサ駆動手段3により第1段及び第2段シリンダ1A、1B内を往復運動する。第1段ディスプレーサ2Bと第1段シリンダ1Bとの間隙部は、その高温端近傍においてシール部材13によりシールされている。
第1段及び第2段ディスプレーサ2B、2A内には、それぞれ第1段及び第2段冷媒ガス流路20B、20Aが形成され、これら流路内にそれぞれ蓄冷材23B及び23Aが装填されている。
図3に、第2段ディスプレーサ2Aの詳細な部分破断正面図を示す。円筒状のステンレス管91の表面上に、布入りフェノールで形成された耐摩耗性樹脂部材92が固着され、筒状部材90が形成されている。筒状部材90の内部空間が、図2に示す第2段冷媒ガス流路20Aに相当する。機械的強度の高いステンレス管が内側に配置されることにより、冷却時の耐磨耗性樹脂部材92の熱収縮が抑制される。このため、ステンレス製シリンダとディスプレーサとの熱変形特性が近似する。
筒状部材90は上下端が開放された円筒状形状を有する。筒状部材90の下端には、布入りフェノール等で形成された蓋部材94が挿入接着され、その上に金網95が配置され、その上にフェルト栓96が配置されている。
フェルト栓96の上には、たとえば鉛球及び磁性材で形成された蓄冷材23Aが充填される。ステンレス管91内に充填された蓄冷材23Aの上にはフェルト栓97が配置され、フェルト栓97の上にはパンチングメタル98が配置される。パンチングメタル98は、筒状部材90の上端開放部に挿入された円環状の蓋部材93により固定されている。筒状部材90の上端には、図2に示す第1段ディスプレーサ2Bと結合するための結合機構99が取り付けられている。
筒状部材90の側壁には、金網95の高さの位置にガス流路を形成する開口100が設けられている。筒状部材90の開口100よりも上の外周面には、開口100の位置と上端とを結ぶ1本のらせん状の溝からなるらせん状ガス流路101が形成されている。この溝は、例えば、幅約2mm、深さ約0.6mm、ピッチ約4mmである。
なお、らせん溝101の代わりに、第1段ディスプレーサ2Bの軸方向と交差する方向の溝を含む溝パターンを形成してもよい。この場合も、冷媒ガスがディスプレーサの軸方向に平行に流れる場合に比べて、より多くの熱交換を行うことができるであろう。
開口100よりも下の筒状部材90の外径は、それよりも上の部分の外径よりもわずかに小さくされている。従って、開口100よりも下の部分では、筒状部材90と第2段目シリンダとの間に間隙が形成される。この間隙と開口100とは、図2に示す連通孔21Aに相当する。
図2に示すように、第1段シリンダ1Bの図の下端に、第1段冷却空洞15Bが画定され、第2段シリンダ1Aの図の下端に第2段冷却空洞15Aが画定されている。第1段冷媒ガス流路20Bは、第1段ディスプレーサ2Bの図の上端に設けられた連通孔22Bを介して第1段シリンダ1B内の図の上端の空洞に連通し、連通孔21Bを介して第1段冷却空洞15Bに連通している。第1段冷却空洞15Bは、第2段ディスプレーサ2Aの図の上端に設けられた連通孔22Aを介して、第2段冷媒ガス流路20Aに連通し、第2段冷媒ガス流路20Aは、連通孔21Aを介して第2段冷却空洞15Aに連通している。
第1段冷却空洞15Bの周囲において、第1段冷却ステージ10Bが第1段シリンダ1Bに熱的に結合している。第2段目シリンダ1A、第2段目ディスプレーサ2A、冷却ステージ10、熱抵抗部材40、冷却パネル41、第1の加熱部50、第2の加熱部52は、図1の場合と同様の構成である。また、ガス圧縮機30、給気弁V、排気弁V及び外部ガス流路25も、図1の場合と同様の構成である。
第1段冷却ステージ10Bに冷却パネル11が取り付けられている。冷却パネル11は、第2段シリンダ1A、第2段冷却ステージ10A、及び冷却パネル41の周囲を取り囲むように配置され、その先端の開口部にバッフル板12が取り付けられている。冷却パネル11は輻射シールド板として作用する。
第1段冷却ステージ10Bに、第1の加熱部50と同様の構成の第3の加熱部54が熱的に結合している。第3の加熱部54の内部空洞は、第3の再生用ガス流路55及び開閉弁Vを介して外部ガス流路25に連通している。
給気弁Vを開けると、圧縮冷媒ガスが、外部ガス流路25、連通孔22B、第1段冷媒ガス流路23B、連通孔21Bを通して第1段冷却空洞15B内に導入される。さらに、連通孔22A、第2段冷媒ガス流路23A、連通孔21Aを通して第2段冷却空洞15A内に導入される。排気弁Vを開けると、第2段冷却空洞15A内の冷媒ガスは、その導入時と逆の経路を通ってガス圧縮機30に回収される。
給気弁V及び排気弁Vの開閉の繰り返しと、第1段及び第2段ディスプレーサ2B、2Aの往復運動とを、所定の位相関係を保って行うことにより、第1段冷却空洞15B及び第2段冷却空洞15A内に寒冷が生ずる。実際には、真空ポンプ81により真空室74内を1Pa程度まで粗引きし、真空弁80を閉じた後、GM冷凍機72を起動する。
第1段冷却空洞15Bと第2段冷却空洞15Aとの間において、冷媒ガスの大部分は、蓄冷材23Aが配置された冷媒ガス流路20Aを流れる。一部の冷媒ガスは、図3に示すらせん状の溝101に沿って第2段ディスプレーサ2Aの外周面と第2段シリンダ1Aの内周面との間を流れる。らせん溝101に沿って流れる冷媒ガスは、ディスプレーサの軸方向に直線的に流れる場合に比べて、ディスプレーサまたはシリンダとより多くの熱交換を行う。このため、第2段冷媒ガス流路20Aから分岐して流れる冷媒ガスによる熱損失を低減することができる。
また、ディスプレーサとシリンダ間にシール部材を設ける必要がないため、シールが不完全であることによる冷却能力の低下を防止することができる。
第2段ディスプレーサ2Aの外周面と第2段シリンダ1Aの内周面との間の隙間は、ディスプレーサを安定に往復駆動するために0.01mm以上であることが好ましく、漏洩ガスが軸方向に直線的に流れることを防止するために、0.03mm以下であることが好ましい。
図2に示す2段構成のGM冷凍機により、例えば第1段冷却ステージ10Bを60〜80Kまで、第2段冷却ステージ10Aを4.2K以下まで冷却することができる。なお、このとき、冷却パネル41は10〜20K程度まで冷却される。
第1段冷却空洞15B内に発生した寒冷が、第1段冷却ステージ10B、冷却パネル11を通してバッフル板12に伝わる。真空室74内の水蒸気や炭酸ガス等の高沸点ガスが、バッフル板12の表面に凝縮される。Ne、H、He等の最も沸点の低いガスが、第2段冷却ステージ10及びフィン10cの表面に凝縮される。N、O、Ar等の中程度の沸点を有するガスが、冷却パネル41の表面に凝縮される。
図4は、図2及び図3に示すクライオポンプのHガス排気速度の測定結果を、従来のクライオポンプのHガス排気速度と比較して示す。図の横軸は真空室74内の圧力を単位Paで表し、縦軸は排気速度を単位「リットル毎秒」で表す。図中の記号○は、図2及び図3のクライオポンプの排気速度を示し、記号□は、従来例のクライオポンプの排気速度を示す。なお、実施例によるクライオポンプの第2段冷却ステージ10及びフィン10cの外壁面の表面積は約500cmである。排気速度測定中における実施例のクライオポンプの第2段冷却ステージ10Aの温度は3.5K、第1段冷却ステージ10Bの温度は65Kであった。
図5に、従来例によるクライオポンプの第2段冷却ステージの構成を簡単に示す。第2段シリンダ150の低温端が塞がれており、第2段冷却ステージ151が冷却空洞152に直接露出していない。第2段冷却ステージ151に、一端が閉じた筒状の冷却パネル153が、その底面において結合している。その側壁は、シリンダ150の低温端近傍の周囲を取り囲んでいる。冷却パネル153の内周面上に、活性炭154が接着されている。
なお、測定に用いたクライオポンプは、実施例と従来例共に、ANSI6インチ(口径200mm)規格のものである。
図4に示すように、圧力3×10−4Paから1×10−2Paまでの全範囲において、実施例によるクライオポンプの排気速度の方が、従来例によるクライオポンプのそれよりも大きかった。これは、図2に示すように、第2段冷却ステージ10Aが、シリンダを介することなく直接第2段冷却空洞15Aに露出しているため、冷却効率が高いためと考えられる。また、第2段冷却ステージ10Aの周囲を取り囲むように、冷却パネル41を配置したことにより、冷却効率が高くなったためと考えられる。
このように、冷却ステージ10をヘリウムガスの沸点(温度4.2K)以下に効率的に冷却することができるため、活性炭等の吸着剤を用いることなく、例えばHガス等の低沸点ガスを、冷却ステージ10及びフィン10cの表面に凝縮させることができる。このため、吸着剤の剥離によるクライオポンプ内の汚染を防止することができる。
上記実施例ではGM冷凍機を用いた場合を例にとって説明したが、本発明は、GM冷凍機以外のシリンダとディスプレーサを有する冷凍機にも適用することができる。例えばスターリング冷凍機にも適用可能である。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
本発明の実施例による蓄冷器式冷凍機の基本構成を示す断面図である。 図1に示す基本構成を、2段型GM冷凍機に適用したクライオポンプの断面図である。 図2に示すGM冷凍機の第2段ディスプレーサの詳細を示す断面図である。 実施例によるクライオポンプの排気速度を従来例によるクライオポンプの排気速度と比較して示すグラフである。 従来例によるクライオポンプの冷却ステージの概略を示す断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ディスプレーサ
3 ディスプレーサ駆動手段
10 冷却ステージ
11 第1段冷却パネル
12 バッフル板
13 シール部材
15 冷却空洞
20 冷媒ガス流路
21、22 連通孔
25 外部ガス流路
30 ガス圧縮機
40 熱抵抗部材
41 冷却パネル
50 第1の加熱部
51 第1の再生用ガス流路
52 第2の加熱部
53 第2の再生用ガス流路
54 第3の加熱部
55 第3の再生用ガス流路
60 真空容器
61 真空室
70 ポンプハウジング
71 真空容器
72 GM冷凍機
73 大気放出弁
74 真空室
75 開閉弁
76 流量コントローラ
77 開閉弁
78 ガス導入口
79 ガス導入管
80 真空弁
81 真空ポンプ
82 真空計
90 筒状部材
91 ステンレス管
92 耐磨耗性樹脂部材
93、94 蓋部材
95 金網
96、97 フェルト栓
98 パンチングメタル
99 結合機構
100 開口
101 らせん溝

Claims (6)

  1. 一方の端部が開口したシリンダと、
    前記シリンダ内を、その軸に沿って往復運動するディスプレーサと、
    前記シリンダの前記一方の端部に気密に結合され、シリンダ内の空間に内面を露出させた冷却ステージと、
    前記シリンダ、ディスプレーサ、及び冷却ステージにより画定される冷却空洞に連通し、該冷却空洞に冷媒ガスを導入し、及び該冷却空洞から冷媒ガスを回収する冷媒ガス流路と、
    前記冷媒ガス流路内に配置され、該冷媒ガス流路内を流れる冷媒ガスと熱交換を行う蓄冷材と、
    前記冷却ステージに取り付けられ、該冷却ステージよりも熱伝導率の低い材料からなる熱抵抗部材と、
    前記熱抵抗部材に取り付けられ、前記冷却ステージに接触せず、該冷却ステージの周囲を取り囲むように配置された冷却パネルと
    前記冷却パネルをらせん状に取り巻いて該冷却パネルに熱的に結合し、一端が閉じられた中空の管状の第2の加熱部と、
    前記第2の加熱部の他方の端部に接続され、前記冷却空洞内への冷媒ガスの導入及び回収の周期に同期するように、前記第2の加熱部の内部空洞内への冷媒ガスの導入及び回収を行う第2の再生用ガス流路と、
    前記第2の再生用ガス流路に設けられた第2の開閉弁と
    を有する蓄冷器式冷凍機。
  2. さらに、
    内部空洞を有し、前記冷却ステージに熱的に結合した第1の加熱部と、
    前記冷却空洞内への冷媒ガスの導入及び回収の周期に同期するように、前記第1の加熱部の内部空洞内への冷媒ガスの導入及び回収を行う第1の再生用ガス流路と、
    前記第1の再生用ガス流路に設けられた第1の開閉弁と
    を有する請求項1に記載の蓄冷器式冷凍機。
  3. さらに、前記ディスプレーサの外周面上に、該外周面の両端を結ぶ補助ガス流路を構成するように形成され、少なくとも一部が前記ディスプレーサの軸方向に対して交差する方向に沿う溝を含んで構成された溝パターンを有する請求項1または2に記載の蓄冷器式冷凍機。
  4. 前記冷却ステージは、その外周面上に一体不可分に取り付けられたフィンを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄冷器式冷凍機。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄冷器式冷凍機の金属製冷却ステージを、真空排気すべき真空室に連通した空洞内に配置する工程と、
    前記蓄冷器式冷凍機を起動し、前記冷却ステージをヘリウムの沸点以下の温度まで冷却する工程と、
    前記冷却ステージの表面上に直接、前記真空室内のガスを凝縮する工程と
    を有する真空排気方法。
  6. さらに、
    前記冷却ステージを、該冷却ステージの表面上に凝縮したH2ガスが放出され、かつArガスが凝縮されたままとなる範囲の温度まで昇温させ、該冷却ステージに表面上に凝縮したガスを放出する工程を含む請求項に記載の真空排気方法。
JP2005080204A 2005-03-18 2005-03-18 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法 Expired - Fee Related JP3944861B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005080204A JP3944861B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005080204A JP3944861B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35164297A Division JPH11182956A (ja) 1997-12-19 1997-12-19 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005180916A JP2005180916A (ja) 2005-07-07
JP3944861B2 true JP3944861B2 (ja) 2007-07-18

Family

ID=34792928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005080204A Expired - Fee Related JP3944861B2 (ja) 2005-03-18 2005-03-18 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3944861B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6403539B2 (ja) * 2014-10-29 2018-10-10 住友重機械工業株式会社 極低温冷凍機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005180916A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101582923B1 (ko) 극저온 냉동기 및 크라이오펌프 및 디스플레이서
JP2659684B2 (ja) 蓄冷器式冷凍機
JP5632241B2 (ja) クライオポンプ及び極低温冷凍機
JP5127226B2 (ja) 蓄冷器及びクライオポンプ
JP2010014066A (ja) クライオポンプ
US6122920A (en) High specific surface area aerogel cryoadsorber for vacuum pumping applications
JP3944861B2 (ja) 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法
JP5660979B2 (ja) クライオポンプ及び極低温冷凍機
JPH11182956A (ja) 蓄冷器式冷凍機及び真空排気方法
EP0506133B1 (en) A cryopump
JP3588644B2 (ja) 蓄冷器式冷凍機
JP2014016137A (ja) 極低温蓄冷器の製造方法及び極低温蓄冷器
JP2795031B2 (ja) 真空クライオポンプ
JP2022056664A (ja) クライオポンプおよびクライオポンプの再生方法
JP2011137423A (ja) クライオポンプ、基板処理装置、電子デバイスの製造方法
KR20200123100A (ko) 크라이오펌프
JP3604228B2 (ja) 真空排気装置
JP3114092B2 (ja) クライオポンプの再生装置および再生方法
JP2721601B2 (ja) クライオポンプによる水素排気方法及び装置
JPH07189907A (ja) クライオポンプ
JP2024077376A (ja) 極低温吸着器および極低温装置
KR101964129B1 (ko) 크라이오 펌프용 배플
JP2005054689A (ja) クライオポンプ
JPH0658257A (ja) 真空クライオポンプ
JPH0699003A (ja) コールドトラップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140420

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees