JP3943700B2 - ベランダサポート用鉄筋アンカー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋工事現場のマンションなどのベランダ用横壁の型枠工事のベランダ型枠を支持するための、サポートの支点となる鉄筋アンカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートのベランダを建造する場合、従来は、図3のようにまず床面のコンクリートパネル板10と垂直面のコンクリートパネル板11を組み上げ、垂直壁となる部分にベランダ型枠12を垂直面のコンクリートパネル板11から所定間隔をあけて組み立た後に、ベランダ型枠12の面の通りと鉛直度を調整するために、床面のコンクリートパネル板10にベース用金物13をボルト・ナットや木ねじなどで固定し、サポート本体15と単管16と抜きパイプ17からなるサポートをベランダ型枠12の端太材14とベース金物13との間に組み立ててベランダ型枠12を調整し、スラブ18と垂直壁19のコンクリートを打設していた。
【0003】
しかしながら、この方法では、サポートを、鉄筋が縦横に走った間をぬってコンクリートパネル板13に取り付けるのは、コンクリートパネル板13に穴を加工したりして、手間が掛かるし、面倒である。しかも金物が高価につく。
【0004】
そこで図4のように、スラブ補強のための鉄筋20に引っかけ部21を引っかけて、両ねじボルト22で締め付ける方式のベース金物が使われることがある。このベース金物は価格も安いという利点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4の両ネジ式のベース金物の欠点は、両ネジボルト22を使用するので、
(ア)両ネジを回転するためのスパナかけ部などを必要とし、ボルト長がある程度長くないと使用できないが、コンクリート厚が薄くなるとボルトが飛び出して使えないか、または飛び出したボルトを切断しなければならず、手間がかかる。
【0006】
(イ)両ネジボルト22で鉄筋20を上から押しつけるだけなのでコンクリート打設時のバイブレータ使用時にネジがゆるみ、引っかけ部21が外れて、サポートできなくなる可能性がある。
【0007】
(ウ)パイプ17端末の雌ねじが型枠業界において約3種類有り、それぞれに専用の雄ねじの両ネジボルトを使い分けないといけないが、パイプは現場により、まちまちで混在している場合もあり、不便である。
【0008】
そこで本願発明が解決しようとする課題は、コンクリート厚が薄くてもボルトが飛び出すことが少なく、ネジの緩みも少なく、同じ呼び径のネジであればどの種類のものにも対応できるベランダサポート用鉄筋アンカーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のベランダサポート用鉄筋アンカーは、ベランダを構成する垂直壁と水平スラブとを同時にコンクリート打設する際に、前記垂直壁を形成するための垂直型枠を前記水平スラブの水平鉄筋に基端を固定したベランダサポートで位置調整するベランダサポート用鉄筋アンカーにおいて、長さ調整可能なサポート本体の基端部に取り付けられる抜きパイプの先端に、Uボルトを螺合し、そのUボルトの両方の軸部の雄ねじ部に、前記水平スラブの水平鉄筋を締め付けるための押さえ板の両端を取り付けたことを特徴とする。
【0010】
前記のベランダサポート用鉄筋アンカーにおいて、押さえ板の一方の端部にはUボルトの一方の軸部に嵌合する穴を形成し、前記押さえ板の他方の端部にはUボルトの他方の軸部に側方から係合するU溝を形成したものとすることができる。 また、前記Uボルトの雄ねじ部の一方を並目ネジ、他方を山が断面円形の特殊ネジとすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照しながら具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明の第1実施例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は押さえ板の平面図である。図1の本実施例において、1はUボルト、2はUボルト1の第1の雄ねじ部、3は第2の雄ねじ部、4は押さえ板、5、6は締め付けナットである。押さえ板4には、第1の雄ねじ部2を通すための丸穴4aと第2の雄ねじ部3に側部から嵌合するためのU溝4bが形成されている。第1の雄ねじ部2または第2の雄ねじ部3には、図4に示した抜きパイプ17の先端が螺合される。
【0013】
第1の雄ねじ2は、ウイットサイズの並目ねじであり、第2の雄ねじ3は山が断面円形の特殊ネジである。
【0014】
図2は本発明の第2実施例を示すものであり、押さえ板4の他方のU溝4cが押さえ板4の長手方向に沿って形成されていることと、ナットが省略されているほかは第1実施例と同様である。
【0015】
【発明の効果】
本発明では、図1または図2のように、Uボルト1を使用することで、下記の効果を奏する。
【0016】
(ア)コンクリートに埋設される部分は押さえ板4と締め付けナット5,6の厚みのみでよく、コンクリート厚がかなり薄くても,Uボルト1の全長を短くすれば、簡単に対応できる。
【0017】
(イ)鉄筋20を、Uボルト1で、左右2箇所のナット5,6で締め付けるため、押さえ板4の締め付け力によるスプリングバック的な力も作用して、ナット5,6が緩みにくい。万一、ナット5,6が緩んでも鉄筋20から抜け落ちることはないので、パイプ17を締め込めばそのまま使用できる。
【0018】
(ウ)Uボルト1の左右の雄ねじの一方を並目ネジ、他方を山が断面円形の特殊ネジとしているので、型枠業界で使用されるパイプ3種の雌ねじ、すなわち、ウイットサイズの並目ネジ、IBネジ、RBネジに対して全て対応できる。どこの現場に持っていっても、使用可能なので、汎用性が高く、また在庫が少なくて済むので、省スペース、省コストとなる。
【0019】
(エ)さらに、Uボルト式なので、強度も高く、大量生産しやすいので、価格も安い。
【0020】
(オ)押さえ板4の、一方を丸穴とし、他方を切り欠いたU溝4bとすることにより、鉄筋20にUボルト部をくぐらせて、押さえ板4を回してU溝4bをUボルト1の締め付け部まで押し込み、ナット5,6を締めれば固定できるので、取付が簡単で速い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は押さえ板の平面図である。
【図2】 本発明の第2実施例を示すものであり、(a)は正面図、(b)はその底面図である。
【図3】 従来のベランダサポートとベース用金物による施工例を示す断面図である。
【図4】 従来の鉄筋締め付け具の拡大図である。
【符号の説明】
1 Uボルト、2 第1の雄ねじ部、3 第2の雄ねじ部、4 押さえ板、4a丸穴、4b、4c U溝、5,6 締め付けナット、10,11 コンクリートパネル板、12 ベランダ型枠、13 ベース用金物、14 端太材、15 サポート本体、16 単管、17 抜きパイプ、18 スラブ、19 垂直壁、20 鉄筋、21 引っかけ部、22 両ねじボルト
Claims (3)
- ベランダを構成する垂直壁と水平スラブとを同時にコンクリート打設する際に、前記垂直壁を形成するための垂直型枠を前記水平スラブの水平鉄筋に基端を固定したベランダサポートで位置調整するベランダサポート用鉄筋アンカーにおいて、
長さ調整可能なサポート本体の基端部に取り付けられる抜きパイプの先端に、Uボルトを螺合し、そのUボルトの両方の軸部の雄ねじ部に、前記水平スラブの水平鉄筋を締め付けるための押さえ板の両端を取り付けたことを特徴とするベランダサポート用鉄筋アンカー。 - 押さえ板の一方の端部にはUボルトの一方の軸部に嵌合する穴を形成し、前記押さえ板の他方の端部にはUボルトの他方の軸部に側方から係合するU溝を形成したことを特徴とする請求項1記載のベランダサポート用鉄筋アンカー。
- Uボルトの雄ねじ部の一方を並目ネジ、他方を山が断面円形の特殊ネジとしたことを特徴とする請求項1または2記載のベランダサポート用鉄筋アンカー。
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JP07800698A JP3943700B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ベランダサポート用鉄筋アンカー |
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ID=13649712
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JP07800698A Expired - Lifetime JP3943700B2 (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ベランダサポート用鉄筋アンカー |
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