JP3943541B2 - 改良された相互変調歪み特性を有するフィルタと、その製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は電気フィルタ、特にマルチ共振器電気フィルタに関する。
電気フィルタは一般的に知られており、しばしばインダクタ、キャパシタ、抵抗等の電気コンポーネントを含んでいる。フィルタはしばしば他の不所望な電気信号周波数を阻止または減衰しながらフィルタを通過される所望の電気信号周波数を選択するために使用される。フィルタはローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、帯域消去フィルタを含む幾つかの通常のカテゴリに区分され、フィルタにより選択的に通過される周波数のタイプを示している。さらに、フィルタはバターワース、チェビシェフ、逆チェビシェフ、楕円等のタイプにより区分されることができ、フィルタが理想に関して与えるバンド形状応答特性(周波数カットオフ特性)を示している。
さらに、フィルタはしばしば直列または並列のキャパシタおよびインダクタを含んでおり、共振器である多数の段または極を含んでもよい。例えばキャパシタおよびインダクタセットは共振器を形成し、4極フィルタはそれぞれがキャパシタ(C)とインダクタ(L)のセットを有する4つの共振器を含んでいる。例えば8極バンドパスフィルタの回路の概略図は図1に示されている。この場合、各LおよびC対は共振器であり、各共振器は相互に直列に容量結合されている。第1の共振器101 は2つのキャパシタC1、C2とインダクタL1を含んでいる。8極のバンドパスフィルタを構成する8つのこのような共振器101-108 が存在する。
フィルタはしばしば通信システムで使用される。例えば1つの特定の応用はセルラ通信のためのものであり、基地局のトランシーバで500MHzよりも大きい周波数等のマイクロ波範囲で有効なフィルタの形成を含んでいる。
通常のマイクロ波フィルタの場合を考慮すると、基本的には4つのタイプが存在している。第1に、集中定数素子のフィルタは別々に製造された空芯インダクタと並列プレートキャパシタを使用し、フィルタ回路へ共に配線される。これらの通常のコンポーネントは波長と比較して比較的小さく、したがって十分にコンパクトなフィルタを形成する。しかしながら、別々の素子の使用は製造が困難であることが証明されており、大きな回路で回路差を生じる。第2の通常のフィルタ構造は、機械的に分散された素子のコンポーネントを利用する。結合されたバーまたはロッドはフィルタ回路として構成されている伝送線ネットワークを形成するために使用される。通常、バーまたはロッドの長さはフィルタの中心周波数の波長の1/4または1/2である。したがって、バーまたはロッドはかなりの大きさであり、しばしば数インチの長さであり、長さが1フィートよりも長いフィルタを結果的に生じる。第3に、印刷され分布素子のフィルタが使用されている。通常、これらは絶縁基板上に印刷された金属のトレースの単一層を具備し、基板の後部に接地面を有する。トレースはフィルタを製造するために伝送線ネットワークとして構成される。これらのフィルタの寸法は非常に大きくなる。構造はまた多数の中心周波数の種々の応答を受ける。第4に、空洞フィルタが使用されている。これらも多数の中心周波数の種々の応答を受け、かなり大きい。
種々の薄膜の集中定数素子構造が提案されている。1989年11月14日出願のSwanson の米国特許第4,881,050 号明細書は集中定数素子を使用した薄膜のマイクロ波フィルタを開示している。特に、スパイラルインダクタとキャパシタを使用するキャパシタπネットワークが開示されている。通常、多層構造が使用され、誘電基板は基板の一方の面に接地面を有し、他方の面に多数の薄膜金属層と絶縁体を有する。フィルタは容量性πネットワークとスパイラルインダクタを形成するために金属および絶縁層を構成することにより形成される。Swanson の米国特許第5,175,518 号明細書(発明の名称“Wide Percentage Band With Microwave Filter Network and Method of Manufacturing Same ”)は集中定数素子の薄膜ベースの構造を開示している。特に、アルミナ基板は一方の面上に接地平面を有し、他方の面に多層のプレート状構造を有する。窒化シリコンの誘電体層は基板上の第1のプレート上に配置され、第2および第3のキャパシタプレートは第1のプレート上の誘電体上に配置されている。
歴史的に、このような集中定数素子回路は通常、即ち非超伝導性材料を使用して製造された。これらの材料は固有の損失を有し、結果として回路は種々の程度の損失を有する。共振回路では損失は特に臨界的である。(この明細書を通して“負荷されていない”と仮定する)装置Qはエネルギを蓄積する能力の尺度であり、そのパワーの消散または損失と反対に関連する。印刷された通常の金属から製造された共振回路は最良で数百程度のQを有する。
1986年の高温の超伝導性の発見により、これらの材料から電気装置を製造する試みが行われている。高温の超伝導体のマイクロ波特性はこの発見以来、実質上改良されている。エピタキシャルの超伝導性薄膜は現在、普通に形成され市場で入手可能である。例えばR. B. Hammond の“Epitaxial Tl2 Ca1 Ba2 Cu2 O 8 Thin Films With Low 9.6 GHz Surface Resistance at High Power and Above 77K”、Appl. Phys. Lett、57巻、 825-27 頁、1990年を参照されたい。種々のフィルタ構造と共振器が形成されている。マイクロ波区域のフィルタの他のディスクリートな回路が記載されている。S. H. Talisaの“Low-and High-Temperature Superconducting Microwave Filters”、IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques、39巻、No.9、1991年9月、1448−1554頁を参照されたい。
コンパクトで信頼性のある狭帯域フィルタの必要性は強くなっていない。電気通信分野の応用は特に重要である。さらに多くのユーザがマイクロ波帯域を使用したがるにつれて、さらに狭帯域フィルタの使用はスペクトルのユーザ数を増加している。700から2,000MHzの範囲は特に問題である。米国では、800から900MHzの範囲はアナログおよびデジタルセルラ通信に使用される。パーソナル通信サービス(PCS)は1,800から2,000MHzの範囲である。
多数の受動的なマイクロ波装置、例えば共振器、フィルタ、アンテナ、遅延線、インダクタは高温の超伝導性薄膜を使用して平面の形状で製造されている。前述したように、このような構造はしばしば物理的寸法に関して通常の技術よりも小さい。しかしながら、これらの装置は高品質なエピタキシャル膜の製造の制約が与えられているならば、それらの寸法において限定される。結果として、HTS膜で製造される装置はしばしば準集中定数素子特性であり、即ち公称上の寸法の場合、装置は動作波長よりも小さい。これはしばしば装置の折曲げを生じ、ライン間の顕著な結合につながる。
超伝導性素子を含むように回路を変換する既知の所望性を含んだ改良された電気回路の明白な所望性にもかかわらず、今日までの努力は常には成功していない。超伝導性膜の固有のQを劣化せずに回路を形成するために高温の超伝導性材料を置換することは困難であることが証明されている。これらの問題は回路構造、放射損失、同調を含んでおり、改良された回路の明白な所望性にかかわらず、残されている。これらの問題の幾つかは米国特許明細書第5,888,942 号および第6,026,311 号明細書に記載されている発明により克服されている。しかしながら、通常の電気フィルタの比較的高いQおよび減少された相互相関歪み(IMD)をさらに改良する余地が依然として存在する。この要求は特に例えばセルラ通信の基地局と移動局トランシーバ等の無線電気通信システムで使用される超伝導性電気フィルタに応用可能である。
比較的小さい損失のみが多数の超伝導性フィルタで生じるが、超伝導性フィルタは本質的に非線形システムである。フィルタの非線形は例えば基地局の受信機の相互変調インターセプト点をある要求する応用では非常に小さい値に限定する。例えば時折、通常の超伝導性フィルタは基地局が強く特定された移動体比(SMR)送信機または他のセルラ/PCSサービスプロバイダと同一位置に位置されている場合、無線電気通信ネットワークで効率的に使用されることができない。それはこれらの他のシステムからの帯域外信号のパワーレベルが非常に高く、結果的に受信機の感度を減少するIMDを生じるためである。結果として、超伝導性フィルタは不所望の帯域外信号を適切に濾波することができない。フィルタの性能はまた共振器およびフィルタの製造プロセスのバリエーションで変化する。幾つかのフィルタは競合するシステムの帯域外のシグナリングを濾波するために必要とされた濾波能力を実現するために製造され、それらの多くはこのような応用では失敗し、したがって試験中に分類し、低いフィルタ生産率になる。それ故、電子フィルタ設計を改良する必要があり、それによってこれらは減少したIMDで動作し、増加された生産率を生じる。
本発明は改良された相互変調歪みを有するフィルタの設計方法に関する。本発明は複数の共振器が結合されて構成されているフィルタによる電子信号の濾波方法中において、フィルタの各共振器の相互変調歪み、Qまたは挿入損失を解析して、各共振器の中で、使用されるフィルタの特定のタイプに対して相互変調歪みおよびQに最も影響する1以上の共振器を決定し、決定された相互変調歪みに最も影響するフィルタ中の1以上の共振器の相互変調インターセプト点IPの値を増加するステップを含んでいることを特徴とする。
1実施形態では、電気フィルタは例えば無線通信システムで有用な多共振器超伝導性フィルタである。フィルタアセンブリの設計は、Qを最大にしながら相互変調歪み積を最小にするため、相互変調歪みおよび損失に最大の影響を与えるような臨界的な共振器を識別し、これらの臨界的な共振器を交錯させることによって決定される。超伝導性フィルタは例えば多共振器のチェビシェフバンドパスフィルタであり、ここでは第1および恐らく最後の共振器は異なるn番目の順序のインターセプト点(IPn )および/またはQを有する。例えばフィルタの相互変調インターセプト点は多共振器のチェビシェフバンドパスフィルタアセンブリの第1の共振器のIPn を増加することにより多くの桁数で増加されることができる。フィルタのIPがフィルタ全体のQの最小の劣化で高くされているならば、第1の共振器は他の共振器に関して低いQを有する。さらに、最後の共振器は低いQと低いIPn を有する。全ての他の共振器は高いQと高いIPn を有する。この共振器の組合わせは帯域外信号が強く、帯域内信号が適度に強い強度から強い強度である状況では最も有効である。1つの変形では、多数の共振器は直列に結合され、各共振器はキャパシタとインダクタのセットを具備してもよい。この設計方法を使用して、平均して比較的高いQを有し減少されたIMDを有する多共振器フィルタが生成される。
別の実施形態では、フィルタは帯域外信号が強く、帯域内信号が弱い状況用に設計されてもよい。この場合、多共振器のチェビシェフバンドパスフィルタアセンブリの第1の共振器に対してQが低くIPn が高いならば、フィルタは高いIPで最良の性能と価格を有する。さらに、最後の共振器は低いQと低いIPn を有し、全ての他の共振器は高いQと低いIPn を有している。
さらに、別の実施形態では、フィルタは帯域外信号が適度に強く、帯域内信号が適度に強い状態用に設計されている。この場合、フィルタは多共振器のチェビシェフバンドパスフィルタアセンブリの第1の共振器でQが低くIP3 が高いならば、最良の性能と高いIPを有する。さらに、最後の共振器は低いQと低いIP3 を有し、全ての他の共振器は高いQと高いIP3 を有する。
さらに別の実施形態では、フィルタは帯域外信号が弱いから適度に強いまでの強度範囲であり、帯域内信号が弱い状態に対して設計されている。この場合、フィルタは多共振器のチェビシェフバンドパスフィルタアセンブリの第1の共振器でQが低くIPn が低いならば、高いIPで最良の性能と価格を有する。さらに、最後の共振器は低いQと低いIPn を有し、全ての他の共振器は高いQと低いIPn を有する。
多段フィルタの設計で本発明により教示された方法は、その応用のフィルタの物理的寸法の限定のために、フィルタに妥協する数個の共振器だけが変更されることができる応用において最も強力である。さらにこの設計方法は、少数の極(例えば2−3極)で使用されるとき優れた特性を有する新しい共振器の設計の使用を可能にするために使用されることができるが、これは高次のフィルタ(例えば4以上の極)のようにその多数が使用されるとき実行できない特性となるであろう。本発明の設計方法はまた所定の、異なっている電気特性を有するフィルタのみが利用可能な場合にも有効である。例えば、低いQと低いIPn を有する幾つかの共振器はフィルタアセンブリで使用される。このように、本発明の設計方法は、例えば特定の電気性能特性を有する特定の個々の共振器を使用して、フィルタの種々の各段が設計または組立てられるべき態様を特定し、それによって(1)フィルタ性能が改良され、(2)製造プロセスの変化性は減少され、(3)製造プロセスの生産率は増加される。本発明は超伝導性フィルタを使用して説明したが、非線形および/または損失のある任意のフィルタ構造に対しても同等に適用される。
通常の多段フィルタは同一のQおよびn番目の次数の相互変調インターセプト点(IPn )を得るようにそれぞれ設計されている直列の個々の共振器を使用して設計されている。相互変調インターセプト点は補間された相互変調−歪みコンポーネントのパワーと線形出力パワーとが等しい点である。これが生じる入力パワーレベルはIP値と呼ばれる。入力パワーのIMD積のパワー依存性の指数がnであるならば、IP値はIPn と呼ばれ、これらはn番目の次数のIMD積と呼ばれる。指数nは整数であってもよいが、整数である必要はない。通常の多段共振器は各共振器が同一のQおよびIPn を有するように設計されているが、個々の共振器は製造中に幾らかの変化を経験するが、これらの変化は所望であるとは考えられていない。他方で、本発明は異なるQとIPn を有する共振器の選択を利用する。本発明はインターセプト点に関して区分されることができるだけの共振器およびフィルタに限定されず、IP概念の使用に対して修正可能ではないIMD積の大きさを特徴付けする他のパラメータ表示に適用される。
無線通信システムにおける超伝導性フィルタの場合、QとIPn の両者は典型的に全ての他の信号を濾波しながら、所望の信号を通過できるように可能な限り高く設計される。十分なフィルタ性能は、所望の周波数が増加された無線通信トラフィックでさらに限定されるようになるとき(例えば非常に狭い通過帯域)さらに難しくなる。小さい損失のみが超伝導性フィルタで生じるが、これらはそれにもかかわらず本質的に非線形システムである。フィルタの非線形性はフィルタの相互変調インターセプト点をある応用では非常に小さい値に限定する。通常、インターセプト点が高い程、IMDパワーは低く、不所望の周波数を濾波する能力は良好である。非常に低いIPは例えば帯域外信号のパワーレベルが高いときに問題である。このような場合、同一の高いQと高いIPn で設計された全ての共振器を有する通常の多段超伝導性フィルタは、(例えば受信機に)フィルタを含む基地局が強力なSMR送信機または他のセルラ/PCSサービスプロバイダと同一の位置に位置される無線電気通信ネットワークで容易に使用されることができない。理想的に、このようなケースでの多段バンドパスフィルタの各共振器は可能な限り最高のQと少量のIMDを発生するように高いQと高いIPn を持たなければならない。しかしながら、これはフィルタの寸法、フィルタ間の結合、結果としての製造率のような他の設計の考察に適応させるためにフィルタアセンブリに残す設計のフレキシブル性は非常に少ない。例えばマイクロストリップ超伝導性フィルタのマイクロ波応用では、基地局での利用可能な空間と、誘電基板ウェハおよびそのウェハを横切る共振器特性の変化に関する寸法の限定のためにフィルタの寸法は問題である。さらに、フィルタは改良されたパワー処理能力のために異なるQとIPn 値を有する共振器で設計される可能性がある。また個々の共振器Qの変化が受け入れ可能であるならば、高いIP3 を有するフィルタが生成される。
多段フィルタ設計の一般的な知識とは対照的に、本発明は多段(例えば共振器)電気フィルタの設計を行い、ここでは1以上の共振器が電気フィルタの他の共振器よりも高いIPn と恐らく低いQを有するように意図的に変更されている。それぞれの共振器の所望の相対的なQおよびIPは帯域内および帯域外信号の相対的な強度に依存している。電気フィルタの性能および価格は特定の応用により必要とされる相対的なQおよびIPを有するようにフィルタを設計することによって最適にされる。多段フィルタの各共振器の相互変調歪み(IMD)貢献の解析は、IMDと挿入損失に最も影響する共振器と、フィルタの総IPn および/またはQを改良するために変更される共振器の決定を容易にする。種々の例示的な解析および設計を以下説明する。
図2を参照すると、例えば835−849MHzの所望の通過帯域を有する超伝導性4極チェビシェフの狭帯域(B帯域)バンドパスフィルタの解析が考察のために行われる。改良されたフィルタアセンブリの設計は相互変調歪みおよび損失に最大の影響を与える臨界的な共振器を識別し、Qを最大にしながら相互変調歪み積を最小にするためにこれらの臨界的な共振器を変更することによって決定される。解析はIMDパワー性能曲線を生成するために2つの入力トーンを使用して行われる。図2のグラフは4極チェビシェフフィルタのIMDスパ(トーン)周波数の関数として低いサイドバンドのIMDパワーのトレースを含んでいる。フィルタの各極は共振器に対応し、共振器は直列または並列結合され、ここではフィルタの入力から開始する第1、第2、第3…第nの共振器と呼ばれている。総IMDパワーに対する個々の共振器貢献のトレースは第1の共振器IMDパワー貢献が曲線205 により示され、第2の共振器IMDパワー貢献が曲線210 により示され、第3の共振器IMDパワー貢献が曲線215 により示され、第4の共振器IMDパワー貢献が曲線220 により示されるように別々にされる。総IMDパワーは曲線225 として示されている。この場合、入力トーン周波数は掃引され、25MHz分離で固定されたトーンスペーシングを維持し、各信号トーンの入力パワーは0dBmである。示されているように、第1の共振器のIMDパワー曲線205 と第2の共振器のIMDパワー曲線は総IMDパワー曲線225 に関して最も強調され、入力に最も近い共振器の重要性を示している。またフィルタの挿入損失は曲線250 で示されている。
図3は835−849MHzの所望の通過帯域を有する超伝導性の4極チェビシェフ狭帯域(B帯域)バンドパスフィルタの種々の共振器により処理されたIMDパワーの別の評価を示している。この場合、グラフは4極B帯域フィルタで固定された(849MHz)低いIMDサイドバンドの周波数を維持しながら第1のトーンの周波数の関数としてIMDパワーを示している。個々の共振器のIMDパワー貢献は別々にされ、総IMDパワーが与えられている。第1の共振器のIMDパワー貢献は曲線305 により示され、第2の共振器のIMDパワー貢献は曲線310 により示され、第3の共振器のIMDパワー貢献は曲線315 により示され、第4の共振器のIMDパワー貢献は曲線320 により示され、フィルタの総IMDパワーは曲線325 として示されている。各2つのトーンの入力パワーは0dBmである。
図2および図3のグラフはIMD積を除去するためにフィルタの入力に最も近い共振器の重要性を示している。第1の幾つかの共振器はIMDに関して最も強調されている。したがって第1の幾つかの共振器に対する高いインターセプト点(例えばIP3 )は所望の通過帯域835−849MHzを有する超伝導性の4極チェビシェフ狭帯域(B帯域)バンドパスフィルタが経験するIMDを除去することにおいて重要である。
図4を参照すると、超伝導性のそれぞれ4極、8極、16極チェビシェフ狭バンドパスフィルタのトーン周波数分離の関数としての低いサイドバンドのIMDパワーがグラフにされている。2つの信号トーンは低いIMDサイドバンドが840MHzで固定されるように選択される。曲線405 は4極フィルタのIMDパワーを表し、曲線410 は8極フィルタのIMDパワーを表し、曲線415 は16極フィルタのIMDパワーを表している。この場合、フィルタの極の数はフィルタの帯域外相互変調性能にそれ程影響しないことが示されており、それはこれが少なくとも第1の共振器により支配されるからである。認められるように、トーン分離が約6MHz以下のとき各4極(曲線405 )、8極(曲線410 )、16極(曲線415 )フィルタのIMDパワーにおいて生じる差は僅かである。10MHzよりも大きいトーン分離周波数では、IMDフィルタ性能はほぼ弁別不能である。このように、解析はほとんどのIMD積が入力に最も近い第1の共振器により行われることを示している。他方で、チェビシェフフィルタの極数はフィルタの帯域外挿入損失に十分に影響する。
図5は周波数の関数としてそれぞれ超伝導性の4極、8極、16極のチェビシェフ狭バンドパスフィルタの挿入損失のグラフを与えている。矢印525 は図4で使用されている840MHzの低い側のIMDサイドバンドの周波数をマークしており、フィルタの設計された通過帯域は835−849MHzである。曲線505 は4極フィルタの挿入損失を表し、曲線510 は8極フィルタの挿入損失を表し、曲線515 は16極フィルタの挿入損失を表している。このグラフから理解できるように、挿入損失は入力に近い共振器により支配されるのではなく、極数が挿入損失に影響する。実際に、次の図面で示されているように、挿入損失は超伝導性チェビシェフ狭バンドパスフィルタの入力および出力に近い共振器の影響はあまり受けない。
図6を参照すると、超伝導4極、8極、16極のチェビシェフ狭バンドパスフィルタの個々の共振器の挿入損失のグラフが設けられている。各個々の共振器の総挿入損失に対する貢献が示されている。曲線605 は超伝導性の4極チェビシェフ狭バンドパスフィルタの各4つの共振器の相対的な挿入損失の貢献を示している。曲線610 は超伝導性の8極チェビシェフ狭バンドパスフィルタの各4つの共振器の相対的な挿入損失の貢献を示している。曲線615 は超伝導性の4極チェビシェフ狭バンドパスフィルタの各4つの共振器の相対的な挿入損失の貢献を示している。それぞれの場合、入力および出力ポートに最も近い共振器は挿入損失に最小限に影響する。加重係数は次式のように規定され、
Figure 0003943541
pは共振器(極)の数であり、Li はそのi番目の共振器による挿入損失部分である。
図2−6のグラフの解析は中間変調歪みに最も影響し、挿入損失には最小限に影響する臨界的な共振器を有する超伝導性フィルタで識別することを助け、相互変調歪み積を最小にしQを最大にする非対称フィルタの開発を示唆している。前述したように、フィルタに妥協する個々の共振器はフィルタの全体的な相互変調性能に非常に異なる差を有する。特に、入力に最も近い第1の共振器は図2−4により特に示されているように、帯域外のインターセプト点の決定に最も影響する。さらに、図5−6で示されているように、第1の共振器は挿入損失、それ故Qに最小限の影響を与える。入力に最も近い第1の共振器は相互変調歪みに関して最も影響を受け、損失に関しては最小限に影響される。それ故、第1の共振器は損失のある共振器でよく、平均して高いQと高いIP3 を有するフィルタを有している。例えば、帯域外信号と帯域内信号が両者とも比較的強い場合、第1の共振器は比較的低いQと比較的高いIP3 を有するように設計されており、フィルタの相互変調インターセプト点をQの劣化を最小にして多くの桁数だけ増加する。IP3 の増加を意図している共振器設計の改良はQも増加する。例えば本発明は通常のフィルタで使用される20dBmと40,000値と反対に、40dBmのIP3 値と100,000のQを有する第1の共振器を使用する。この場合、第1の共振器が高パワーの帯域外信号に対して感度が少ないとき、フィルタのインターセプト点は数桁だけ増加される。
他方で、帯域内信号が関係するならば、第1および最後の共振器はIMDの決定では重要性が少ない。図7を参照すると、4極チェビシェフ狭バンドパスフィルタのIMDスパ(トーン)周波数の関数として低いサイドバンドのIMDパワーのグラフが与えられている。この場合、4極の各それぞれの共振器の総IMDに対する個々の貢献はかなり異なっている。この場合、曲線705 により示されている第1の共振器のIMDパワーは最も臨界的ではない。むしろ、曲線710 と715 によりそれぞれ示されている第2および第3の共振器のIMDパワーが最も臨界的であり、曲線725 により示されている総IMDに対して最大の貢献を行う。第4の共振器は曲線720 により示されているように総IMDに対して最小の貢献を有する。挿入損失は曲線750 により示されている。この解析では、入力周波数は固定した30kHzのスペーシングで掃引される。
前述したように、最高の可能なQとIP3 を有する全ての共振器を具備することが最適である。しかしながら、多くの場合、他の設計の考察はこれを禁じている(例えばウェハの寸法、共振器間の結合等)ので、これは可能ではない。本発明は入力トーンの周波数に応じて、優勢なIMD積が多段フィルタ内の異なる周波数で発生されることを認識する。それ故、本発明は高いQを有するフィルタを実現し、帯域外(または帯域内)のIMD積および損失を最小にしながら、多段フィルタの1以上の共振器のQおよび/またはIMD能力の減少を可能にするフレームワークを提供する。
図8を参照すると、表は、帯域外信号と帯域内信号の相対的な強度の変化に対する改良されたIMDの多段の電気超伝導性バンドパスフィルタを実現するための種々の共振器の相対的なQおよびIPn を有する幾つかの例示的なフィルタの実施形態を示している。図8で示されている相対的な関係も他のタイプのフィルタに適用されてもよい。任意のケースにおいて、行805 として表にリストされている第1のシナリオは、帯域外信号が比較的強く、帯域内信号が強い強度から適度の強さの強度の範囲の多段フィルタの設計基準の1つの可能なセットを示している。この状態では、第1の共振器は低いQと高いIPn を有している。中間の共振器は高いQと高いIPn を有している。最後の共振器は最大のフレキシブル性を有し、例えば低いQと低いIPn を有してもよい。例えばマイクロ波応用では、入力信号のパワーレベルはこれらが約−10dBmよりも高いならば強く、約−30dBmよりも高いが約−10dBmよりも低いならば適度に強く、約−30dBmよりも低いならば弱いと考えられる。さらに、マイクロ波応用では、低いQは約10,000よりも小さく、高いQは約10,000よりも大きく、低いIP3 は約20dBmよりも小さく、高いIP3 は約20dBmよりも大きい。
行810 として表にリストされている第2のシナリオは、帯域外信号が比較的強く帯域内信号が比較的弱い多段フィルタの設計基準の1つの可能なセットを示している。この状態では、第1の共振器は低いQと高いIPn を有している。中間の共振器は高いQと低いIPn を有している。最後の共振器は最大のフレキシブル性を有し、例えば低いQと低いIPn を有してもよい。行815 として表にリストされている第3のシナリオは、帯域外信号が適度に強く帯域内信号が適度に強い多段フィルタの設計基準の1つの可能なセットを示している。適度に強いが、帯域外信号は帯域内信号に関して十分に強く、それによって濾波が必要とされる。この状態では、第1の共振器は最大のフレキシブル性を有し、例えば低いQと低いIPn を有してもよい。中間の共振器は高いQと高いIPn を有している。最後の共振器は最大のフレキシブル性を有し、例えば低いQと低いIPn を有してもよい。行820 として表にリストされている第4のシナリオは、帯域外信号が弱いから適度に強までの範囲であり、帯域内信号が比較的弱い多段フィルタの設計基準の1つの可能なセットを示している。弱いから適度に強い範囲であるが、帯域外信号は十分に強く濾波が必要とされる。第1の共振器は最大のフレキシブル性を有し、例えば低いQと低いIPn を有してもよい。中間の共振器は高いQと低いIPn を有している。最後の共振器は最大のフレキシブル性を有し、例えば低いQと低いIPn を有してもよい。全てのケースで、Qの要求はパワーレベルと独立している。
第1のシナリオを使用して、平均的に高いQとIPn により改良されたフィルタ性能と増加したフィルタ製造率を有する減少された性能の変化性を有する1例のモジュラバンドパスフィルタアセンブリの概略図が図9に示されている。この図は帯域外IMD積と損失を最小にするためにフィルタの共振器の順序が設計され組立てられる態様を示している。図面に示されているように、この実施形態では多共振器の超伝導性フィルタは例えば多共振器チェビシェフバンドパスフィルタであり、それにおいては第1の共振器905 と最後の共振器910 は中間共振器915 と異なるQおよび/またはn番目の次数のインターセプト点(IPn )を有する。この場合、フィルタの相互変調インターセプト点は多共振器チェビシェフバンドパスアセンブリの第1の共振器905 のQを減少させIP3 を増加させることにより最小の劣化で多くの桁数だけ増加されることができる。さらに、示されているように最後の共振器は低いQと低いIPn を有する。最後の共振器のQとIPn は非常にフレキシブルであり、任意の相対的な強度である。中間共振器915 は例えば高いQと高いIPn を有する。前述したように、共振器のこの組合わせは帯域外信号が強く、帯域内信号が強いから適度に強い範囲の状態で最も有効である。1つの変形では多共振器は直列に結合され、各共振器は1セットのキャパシタとインダクタを具備する。さらに別の変形では、複数の中間共振器は任意の整数値である。この設計方法を使用して、バンドパスフィルタ共振器のランダムではないアセンブリが使用され、その結果、平均して比較的高いQを有する減少されたIMDで改良されたフィルタ性能を有する多共振器フィルタが得られる。このランダムではないフィルタアセンブリ方法はまたフィルタの全ての共振器が高いQと高いIPn を達成する必要はないので、QとIPnxのフィルタ間の変化性を減少し、フィルタの生産率を増加する。
別の実施形態では、超伝導性4極チェビシェフフィルタが生成され、それにおいては第1の共振器は他の3つの共振器と比較して非常に高いIP3 を有する。図10を参照すると、各曲線1005と1010は超伝導性4極チェビシェフフィルタのIMDスパ周波数の関数として低いサイドバンドのIMDパワーを表しており、2つの入力トーン周波数は相互から25MHz離れた固定したトーンで掃引され、各トーンの入力パワーは0dBmである。IMDパワー曲線1005は比較的高いQと高いIP3 を実現するように設計された全ての共振器を有する通常のフィルタの性能を示している(図2および3で解析されたフィルタ)。IMDパワー曲線1010は通常のフィルタの共振器よりも非常に高いIP3 を有する第1の共振器による改良されたフィルタ設計の性能を示している。示されているように、IMD曲線1010は改良されたIMD性能を示している。
本発明で行われた解析と設計方法は、強い帯域外信号に対しては、フィルタ入力に最も近い共振器がIMDに対して最大の影響を有し、Qおよび挿入損失に対する影響は少ないことを示している。さらに、解析は、出力に最も近い共振器が挿入損失において最小の影響を有することを示唆している。一方で、これは最後の幾つかの共振器が帯域外信号の適用で多段フィルタの平均的なQおよびIMD性能に深刻に影響せずに、中間共振器に関して性能が劣化されることを示唆している。他方で、解析はまたフィルタの入力に最も近い1以上の最初の幾つかの共振器が全ての共振器の物理特性および電気特性を変化せずにフィルタ全体の総IPおよび/またはQを改良するように中間共振器に関して改良されたIPおよび/またはQを有する設計方法も示唆している。
したがって、図2−6で示され図10で要約されているように、改良された帯域外IMDの前述の解析から得られた設計方法を使用して、改良されたIMDおよび/またはQ性能の多段フィルタが1つのみの共振器、例えば第1の共振器のこれらの特性を改良することにより生成されることが理解できる。例えば第1の共振器は(1)残りの共振器とは異なるディメンションまたは励起モード(基本対励起)を使用する新しい設計により置換され、(2)別々のユニット、例えばマイクロストリップラインフィルタの場合、第1の共振器は他の共振器と共通のグラウンドを有する平面ディスク共振器であるかまたはこれらが相互に対して積層される場合であり(ディスク共振器は分割されることができる縮退モードを有し多モード動作を可能にするので特に興味のある選択肢である)、(3)低損失の通常の金属のような線形材料で作られ、および/または(4)誘電材料で作られ平面結合ネットワークによりフィルタに結合される。例示的な平面ディスク共振器は米国特許第4,981,838 号明細書で見られる。他の共振と異なるIP3 および/またはQを有する第1の共振器を具備したフィルタの特別な例は図11に示されている。
図11を参照すると、1例のフィルタ設計の金属パターンの平面図は改良された帯域外IMD性能を有する8極のマイクロストリップラインのバンドパスフィルタを示している。強い帯域外信号と強い帯域内信号を有するシナリオの解析結果を使用することによって、図11で示されているフィルタ設計が開発された。この場合、第1の共振器1105は他の7つの共振器1110と異なるように変更されている。第1の共振器は長いスパイラルイン、スパイラルアウトトレースを有し、第2のモードで動作する。結果として第1の共振器は他の7つの共振器1110よりも高いQと高いIP3 を有する。基本的に、第1の共振器はそのIPが数桁増加されるので高パワー(強)の帯域外信号に対して感度が少ない。さらに、第1の共振器1105と同数の全部で8つの共振器を形成することはマイクロストリップラインフィルタの寸法を増加し、この場合誘電体ウェハ基板上に適合されるよりも大きい。したがってこの実施形態では、設計方法の結果、多段フィルタの全ての共振器を変更するための付加的な基板領域を付加せずに、第1の共振器だけを変更することによって、フィルタは通常の超伝導性マイクロストリップ−ラインフィルタに関して改良されたIP3 とQを有する。図11で示されているフィルタに類似して通常のマイクロストリップ−ラインフィルタの構造および設計に対する詳細な説明は米国特許第6,026,311 号明細書で見られ、これは参照文献とされる。
図12を参照すると、改良されたIMDを有するように多段電気フィルタを設計する1方法を示したフローチャートが示されている。最初に、ステップ1205で、フィルタの特定のタイプで最もIMDとQに影響する共振器と、フィルタの応用で経験する予期された周波数とを決定するために多段フィルタの個々の共振器で解析が行われる。次にステップ1210で、IP(例えばIP3 )はIMDに最も影響を有する共振器に対して増加される。その後決定ステップ1215で、それらの増加されたIPを有する共振器がフィルタのQに大きな影響を有するか否かを決定する。ノーであるならば、ステップ1220で、この共振器のQは減少される。イエスならば、ステップ1225で、Qは典型的なレベルに維持される。いずれかの場合、次にステップ1230で、フィルタ設計はIPおよび/またはQを増加するように改良される。
説明した実施形態は主に帯域外信号が強い場合のシナリオに関し、このシナリオは単なる例示である。図8に示されているように、本発明は帯域外および帯域内信号の全ての変化に対してさらに広く応用可能である。多段フィルタを設計するための信号のタイプはフィルタが特定の応用で受ける信号のタイプにより決定される。例えば強い帯域外信号のシナリオはフィルタが無線通信システムの基地局受信機の一部であるフィルタ応用から得られる。
別の実施形態では、フィルタは帯域外信号が強く、帯域内信号が弱い応用のために設計される。この場合、フィルタは多共振器チェビシェフバンドパスフィルタアセンブリでQが低くIPn が高いならば、高いIPn で最良の性能および価格である。さらに最後の共振器は低いQと低いIPn を有し、全ての他の共振器は高いQと低いIPn を有する。
さらに別の実施形態では、フィルタは帯域外信号が適度に強く、帯域内信号が適度に強い応用のために設計されてもよい。この場合、多共振器チェビシェフバンドパスフィルタアセンブリの第1の共振器に対してQが低くIP3 が高いならば、フィルタは最良の性能と高いIPn を有する。さらに、最後の共振器は低いQと低いIPn を有し、全ての他の共振器は高いQと高いIPn を有する。
更なる実施形態では、フィルタは帯域外信号が弱い強度から適度に強い範囲であり、帯域内信号が弱い応用のために設計されてもよい。この場合、多共振器チェビシェフバンドパスフィルタアセンブリの第1の共振器でQが低くIP3 が低いならば、フィルタは高いIPn で最良の性能と価格を有する。さらに、最後の共振器は低いQと低いIPn を有し、全ての他の共振器は高いQと低いIPn を有する。
多段フィルタを設計するための本発明による考察された方法は、フィルタに妥協する幾つかの共振器だけがその応用のフィルタの物理的な寸法の限定のために変更されることができる応用で最も強力である。さらにこの設計方法は少数(例えば2−3極)で使用されるときに優秀な特性を有する新しい共振器設計の使用を可能にするために使用されるが、高次のフィルタ(例えば4以上の極)のようにこれらが多数使用されるとき実現不能な特性になる。本発明の設計方法は所定であるが異なる電気性能特性の共振器だけが利用可能であるときにも有効である。例えば、低いQと低いIPn を有する幾つかの共振器は依然としてフィルタアセンブリで使用される。これらの共振器の使用はフィルタの価格と生産率の改良を促す。個々の共振器がQ、IP等にしたがって製造中に分類され、本発明にしたがってフィルタ内の適切な位置で使用されるので、共振器がディスクリートなコンポーネントであるときこれは特に有効である。したがって、本発明の設計方法は例えば特定の電気性能特性を有する特定の個々の共振器を使用してフィルタの各種々の段がどのように設計または組立てられるべきであるかを特定し、それによって(1)フィルタ性能は改良され、(2)フィルタ特性に最大の影響を有する場合に最良の共振器が使用され、フィルタ特性に最小限の影響を有する場合に最悪の共振器が使用され、極端さを除去するので、製造プロセスの変化性が減少され、(3)製造プロセスの生産率が増加される。本発明は超伝導性フィルタを使用して説明したが、非線形および損失のある任意のフィルタ構造にも同等に適用される。
本発明の特別な実施形態を示し説明したが、本発明はこの特定の実施形態に限定されることを意図しないことが理解されるべきであり、種々の変更および変形が本発明の技術的範囲内を逸脱せずに行われることが当業者に明白であろう。例えば本発明のフィルタはバンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ等の任意のタイプのフィルタであってもよい。したがって、本発明は置換、変形、等価物をカバーすることを意図し、これは特許請求の範囲に規定されているように本発明の技術的範囲内に含まれる。
ここで述べた全ての出版物、特許、特許出願はここでは全ての目的で全体的に参考文献とされている。
例示的な8極チェビシェフバンドパスフィルタの回路図。 本発明の設計方法をサポートする解析にしたがって、4極チェビシェフ狭バンドパスフィルタにおけるIMDスパ(トーン)周波数と、4極の各それぞれの共振器の総IMDに対する個々の貢献と、入力周波数が固定された25MHz間隔で掃引されるフィルタの挿入損失との関数として低いサイドバンドのIMDパワーのグラフ。 本発明の設計方法をサポートする解析にしたがって、4極の各それぞれの共振器の総IMDに対する個々の貢献が別々に示されている4極チェビシェフ狭バンドパスフィルタの849MHzで固定された低いIMDサイドバンドの周波数を維持しているIMDの第1のトーン周波数の関数としての低いサイドバンドのIMDパワーのグラフ。 本発明の設計方法をサポートする解析にしたがって、それぞれ4極、8極、16極のチェビシェフ狭バンドパスフィルタのトーン周波数分離の関数として低いサイドバンドのIMDパワーのグラフ。 本発明の設計方法をサポートする解析にしたがって、周波数の関数としてそれぞれ4極、8極、16極のチェビシェフ狭バンドパスフィルタの挿入損失のグラフ。 本発明の設計方法をサポートする解析にしたがって、各4極、8極、16極のチェビシェフ狭バンドパスフィルタの個々の共振器の挿入損失のグラフ。 本発明の設計方法をサポートする解析にしたがって、帯域内信号が関連する4極チェビシェフ狭バンドパスフィルタのIMDスパ(トーン)周波数の関数としての低いサイドバンドのIMDパワーと、4極の各それぞれの共振器の総IMDに対する個々の貢献と、入力周波数が固定した30kHzの間隔で掃引されるフィルタの挿入損失のグラフ。 本発明の1実施形態にしたがって、例えば帯域外信号と帯域内信号の相対的な強度の変化における改良されたIMD多段の電気超伝導性バンドパスフィルタを実現するための種々の共振器の相対的なQおよびIPn を示す表。 本発明の別の実施形態にしたがって、フィルタ製造率の増加により、平均的に高いQおよびIP3 と減少された性能変化性のために、フィルタ性能が改良されている例示的なモジューラバンドパスフィルタアセンブリを示す図。 本発明の別の実施形態にしたがって、フィルタの第1の共振器における高いIP3 によって改良されたフィルタ性能を有する例示的な4極チェビシェフ狭バンドパスフィルタアセンブリのIMDの改良図。 本発明の更に別の実施形態にしたがって、改良されたIMDを有する8極のマイクロストリップラインのバンドパスフィルタの金属化の平面図。 本発明の1実施形態にしたがって、改良されIMDを有するように多段電気フィルタを設計する1方法を示したフローチャート。

Claims (10)

  1. 複数の共振器が結合されて構成されているフィルタによる電子信号の濾波方法中において、
    前記フィルタの各共振器の相互変調歪み、Qまたは挿入損失を解析して、前記各共振器の中で、使用されるフィルタの特定のタイプに対して相互変調歪みおよびQに最も影響する1以上の共振器を決定し、
    前記相互変調歪みに最も影響する前記フィルタ中の1以上の共振器の相互変調インターセプト点IPの値を増加するステップを含んでいる電子信号の濾波方法。
  2. 前記相互変調インターセプト点IPはn番目の次数の相互変調インターセプト点IPn 値を含んでいる請求項記載の方法。
  3. 前記フィルタの入力に最も近い第1の共振器の相互変調インターセプト点IPを増加される請求項記載の方法。
  4. さらに前記共振器の少なくとも2つが異なるQ値を与えられる請求項記載の方法。
  5. 前記第1の共振器は低いQと高い相互変調インターセプト点IPn を有している請求項記載の方法。
  6. 前記低いQは約10,000よりも低く、前記高い相互変調インターセプト点IPは約20dBmよりも大きい請求項記載のフィルタ。
  7. 前記フィルタは超伝導性材料から作られている請求項記載の方法。
  8. 前記複数の共振器は金属材料を含んでいる請求項記載のフィルタ。
  9. 前記複数の共振器はポリエステル材料を含んでいる請求項記載のフィルタ。
  10. 前記フィルタは無線通信基地局のトランシーバで使用される多共振器フィルタである請求項記載の方法。
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