JP2002076706A - フィルタ回路 - Google Patents
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Abstract
にすることができ、且つ構成の小型化をはかる。 【解決手段】 マイクロストリップ線路で構成され複数
の共振素子を高周波的に結合したフィルタ回路におい
て、誘電体基板100の表面側の中央部に直線形共振素
子111,112を並列配置し、その両側にコア型共振
素子121,122を配置した。
Description
られる帯域制限のためのフィルタ回路に係わり、特にマ
イクロストリップ線路やストリップ線路で構成されたフ
ィルタ回路に関する。
マイクロストリップ線路共振器を用いたフィルタ回路で
は、例えば図9のように、ストリップ導体をずらして並
べた構成を用いていた。図10に、このフィルタ回路の
等価回路を示す。
板状の誘電体900の表面に1/2波長(λ)の長さの
ストリップ導体911,912,913を1/4波長
(λ)ずらして配設し、これらによって接地導体との間
に共振器1011,1012,1013を構成してお
り、入力端子用のストリップ導体901をストリップ導
体911に近接して設け、また出力端子用のストリップ
導体902をストリップ導体913に近接して設けるこ
とにより、入力端子1001、出力端子1002を構成
している。なお、図10の等価回路におけるコンデンサ
1051,1052,1053,1054は各ストリッ
プ導体間の容量を意味する。
実線1101に示す通りであり、通過帯域のスカート特
性は急峻ではないが、対称性の良いものとなっている。
しかし、図9のような構成では、ストリップ導体を1/
4波長ずつずらせているので、フィルタ回路が一方向に
長くなり、フィルタ回路が大きくなってしまうという問
題点があった。
すようなフィルタ回路が提案されている(例えば、IEEE
TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERCONDUCTIWTY 第5巻
(1995年)第2号第2656頁)。即ち、1/2波長のスト
リップ導体1211,1212,1213を並列に並べ
たフォワード結合型の直線形共振素子によって構成する
ことにより小型化している。このフィルタ回路の通過特
性は、図13に実線1301で示す通りであり、通過帯
域の低周波側のスカート特性は緩く、高周波側のスカー
ト特性も十分な急峻さが得られないという問題点があ
る。また、通過帯域のスカート特性が非対称であるた
め、通信システムにおける周波数の利用に無駄が生じる
という問題点もある。
ストリップ導体1421,1422,1423をコ字形
共振素子にすることにより、小型化されたフィルタが考
え出された(例えば、Japanese Jouma1 of App1ied Phy
sics 第32巻(1993年)第L260頁)。このフィルタ回
路の通過特性は、図15の実線1501で示す通りであ
り、通過帯域の高周波側のスカート特性は緩く、低周波
側のスカート特性も十分な急峻さが得られないという問
題点がある。また、通過帯域のスカート特性が非対称で
あるため、通信システムにおける周波数の利用に無駄が
生じるという問題点もある。
図14で示されるようなフィルタ回路を継続接続して用
いれば、通過帯域のスカート特性が非対称であるという
問題は解決される。しかし、スカート特性の急峻さが得
られないという問題点は依然として残ることになる。
クロストリップ線路で構成されるフィルタ回路において
は、小型化のために共振素子をずらすことなく並列配置
すると、通過帯域のスカート特性が急峻で且つ対称的な
特性を得ることは困難であった。
ので、その目的とするところは、共振素子の並列配置に
より小型化をはかることができ、且つ通過帯域のスカー
ト特性が急峻で且つ対称的な特性を得ることのできるフ
ィルタ回路を提供することにある。
するために本発明は次のような構成を採用している。
はストリップ線路で構成され、複数の共振素子を高周波
的に結合したフィルタ回路であって、前記複数の共振素
子は、2つ以上のコ字形共振素子と、互いにずらすこと
なく並列配置された2つ以上の直線形の共振素子とを組
み合わせてなることを特徴とする。
は次のものが挙げられる。 (1) マイクロストリップ線路の導体が超伝導特性を有す
ること。 (2) コ字形共振素子及び直線形共振素子は、それぞれ3
つ以上であること。 (3) 各共振素子は全体として左右対称に配置されている
こと。 (4) 中央部に直線形共振素子を配置し、入出力端子に近
い部分にコ字形共振素子を配置すること。 (5) 隣接する共振器間の結合と共に、1つ飛ばして隣接
する共振素子間の飛び越し結合を利用すること。
と直線形共振素子をそれぞれ複数個配置することによ
り、各々の共振素子における飛び越し結合により発生す
る極を利用して、通過帯域のスカート特性を飛躍的に急
峻にすることが可能となる。より具体的には、直線形共
振素子における飛び越し結合(誘導性結合)により高周
波側のスカート特性を急峻にでき、コ字形共振素子にお
ける飛び越し結合(容量性結合)により低周波側のスカ
ート特性を急峻にできる。さらに、コ字形共振素子と直
線形共振素子の間の飛び越し結合により、両側のスカー
ト特性を急峻にできる。また、通過帯域のスカート特性
は対称的であり、周波数利用に無駄が生じないという利
点もある。
ことなく並列配置しているので、フィルタ回路が一方向
に長くなるのを防止することができ、小型化をはかるこ
とが可能である。またフィルタ回路の中央部に直線形共
振素子を配置し、入出力端子に近い部分に、コ字形共振
素子を配置することにより、円形基板への効率的な収容
が可能となり、全体として小型化されるという利点もあ
る。
形態によって説明する。
の実施形態に係わるフィルタ回路の構成を示す平面図で
ある。
体(図示せず)が設けられ、表面には、入出力線路10
1及び102に隣接してコ字型共振素子121,122
が配設され、さらにこれらの間に直線形共振素子11
1,112が配設されており、マイクロストリップ線路
型4段フィルタ回路となっている。また、直線形共振素
子111,112はずらすことなく並列配置されてい
る。
を、図2に実線201で示した。通過帯域の両側が急峻
で且つ対称的なスカート特性が得られている。なお、こ
のフィルタ特性は共振素子111,〜,122の大きさ
や材料等によって変化するが、一例として中心周波数が
2GHz、ピークより3dB低下した帯域幅が10MH
zを実現することができた。
板100の表面に直線形共振素子111,112とコ字
型共振素子121,122を配置してマイクロストリッ
プ線路型4段フィルタ回路を構成することにより、通過
帯域の両側が急峻で且つ対称的なスカート特性を得るこ
とができる。そしてこの場合、直線形共振素子111,
112をずらすことなく並列配置しているので、フィル
タ回路が一方向に長くなるのを防止することができ、小
型化をはかることが可能である。また、フィルタ回路の
中央部に直線形共振素子111,112を配置し、その
両側にコ字形共振素子121,122を配置しているの
で、円形基板への効率的な収容が可能となる。
lO3 ,MgO,Al2 O3 等の誘電体材料を用いるこ
とができる。誘電体材料の誘電損失は、小さいことが望
ましい。また、マイクロストリップ線路としては、A
l,Cu等の導電率の高い材料を用いることができる。
子)の材質として、レーザー蒸着法により成膜されたY
BCO(イットリウム,バリウム,銅,及び酸素の合
金)超伝導膜を用いれば、超伝導特性の利用により、常
伝導体と比較して導体損による損失を飛躍的に低減する
ことができ、挿入損失の小さな回路を実現することがで
きる。
クロストリップ線路に限るものではなく、共振素子を挟
んで両側に接地導体を設けたストリップ線路でも構成す
ることができる。
の実施形態に係わるフィルタ回路の構成を示す平面図で
ある。
に接地導体(図示せず)を設け、表面に入出力線路30
1及び302に隣接してコ字型共振素子321,322
及び323,324を配設し、これらの間に直線形共振
素子311,312,313,314,315,316
を配設したマイクロストリップ型10段フィルタであ
る。直線形共振素子311,〜,316は、第1の実施
形態と同様に、相互にずらすことなく並列配置されてい
る。また、共振素子323,324はU字形であるが、
ここではコ字形の一種と見なしている。
を、図4に実線401で示した。通過帯域の両側が急峻
で且つ対称的なスカート特性が得られている。また、第
1の実施形態と比較して段数が増加したため、より急峻
なスカート特性が得られている。
は、第1の実施形態で述べたように各種材料を適宜選択
して用いればよい。さらに、マイクロストリップ線路の
材質として、第1の実施形態で述べたのと同様な超伝導
膜を用いれば、常伝導体と比較して導体損による損失を
飛躍的に低減することができ、挿入損失の小さな回路を
実現することができる。また、同様のフィルタ回路はス
トリップ線路でも構成することができる。
の実施形態に係わるフィルタ回路の構成を示す平面図で
ある。
に接地導体(図示せず)を設け、表面に入出力線路50
1及び502に隣接してコ字形共振素子521,52
3,525及び522,524,526を配設し、これ
らの間に直線形共振素子511,512,513,51
4,515,516を配設したマイクロストリップ型1
2段フィルタである。直線形共振素子511,〜,51
6は、第1の実施形態と同様に、相互にずらすことなく
並列配置されている。
図6に実線601で示した。通過帯域の両側が急峻で且
つ対称的なスカート特性が得られている。また、第1,
第2の実施形態と比較して段数が増加したため、より急
峻なスカート特性が得られている。
は、第1の実施形態で述べたように各種材料を適宜選択
して用いればよい。さらに、マイクロストリップ線路の
材質として、第1の実施形態で述べたのと同様な超伝導
膜を用いれば、常伝導体と比較して導体損による損失を
飛躍的に低減することができ、挿入損失の小さな回路を
実現することができる。また、同様のフィルタ回路はス
トリップ線路でも構成することができる。
スカート特性が得られるのは、次のような理由によると
推察される。図5の構成では、直線形共振素子及びコ字
形共振素子は共に3つ以上配置されているため、直線形
共振素子同士及びコ字形共振素子同士で飛び越し結合が
生じている。一般に、直線形共振素子における飛び越し
結合(誘導性結合)は高周波側のスカート特性を急峻に
し、コ字形共振素子における飛び越し結合(容量性結
合)は低周波側のスカート特性を急峻にする。本実施形
態ではこれらの相乗効果により、高周波側,低周波側の
スカート特性が共に急峻となり、その結果として、対称
なスカート特性が得られていると推察される。
線形共振素子及びコ字形共振素子を共に2つしか設けて
おらず、直線形共振素子同士やコ字形共振素子同士では
飛び越し結合は生じない。このため、上記した理由から
は、急峻で且つ対称的なスカート特性が得られることを
説明できない。しかし、直線形共振素子とコ字形共振素
子との間では飛び越し結合が生じており、これがスカー
ト特性の向上に寄与しているものと推察される。
の実施形態に係わるフィルタ回路の構成を示す平面図で
ある。
素子を上下2段に配置したものである。即ち、誘電体基
板700の裏面に接地導体(図示せず)を設け、表面に
入出力線路701及び702に隣接してコ字形共振素子
721a,723a,725a及び721b,723
b,725bを配設し、これらに隣接して直線形共振素
子711a,712a,713a,714a,715
a,716a及び711b,712b,713b,71
4b,715b,716bをそれぞれ配設し、これらに
隣接してコ字形共振素子722a,724a,726a
及び722b,724b,726bをそれぞれ配設し、
これらに隣接して直線形共振素子740を配設したマイ
クロストリップ型25段フィルタとなっている。
図8に実線801で示した。通過帯域の両側が急峻で対
称的なスカート特性が得られており、第1〜第3の実施
形態と比較して段数が増加したため、より急峻なスカー
ト特性が得られている。
は、第1の実施形態で述べたように各種材料を適宜選択
して用いればよい。さらに、マイクロストリップ線路の
材質として、第1の実施形態で述べたのと同様な超伝導
膜を用いれば、常伝導体と比較して導体損による損失を
飛躍的に低減することができ、挿入損失の小さな回路を
実現することができる。また、同様のフィルタ回路はス
トリップ線路でも構成することができる。
されるものではない。誘電体基板の材料は、LaAlO
3 ,MgO,Al2 O3 等に限るものではなく、誘電損
失の小さいものであれば使用できる。同様に、共振器の
材料はAl,Cuに限るものではなく、導電率の高いも
のであれば使用できる。また、直線形共振器及びコア型
共振器の段数は、実施形態に何ら限定されるものではな
く、仕様に応じて適宜変更可能である。
で、種々変形して実施することができる。
イクロストリップ線路又はストリップ線路で構成される
フィルタ回路において、2つ以上のコ字形共振素子と、
2つ以上の並列する直線形共振素子を設けることによ
り、通過帯域のスカート特性を急峻で且つ対称にするこ
とができ、しかも直線形共振素子を並列配置することに
より、全体構成の小型化をはかることができる。
示す平面図。
性を示す図。
示す平面図。
性を示す図。
示す平面図。
性を示す図。
示す平面図。
性を示す図。
タ回路の構成を示す平面図。
図。
図。
タ回路の構成を示す平面図。
す図。
の構成を示す平面図。
す図。
40…直線形共振素子 721a,〜,726a,721b,〜,726b…コ
字形共振素子
Claims (3)
- 【請求項1】マイクロストリップ線路又はストリップ線
路で構成され、複数の共振素子を結合したフィルタ回路
であって、 前記複数の共振素子は、2つ以上のコ字形共振素子と、
互いにずらすことなく並列配置された2つ以上の直線形
共振素子とを組み合わせてなることを特徴とするフィル
タ回路。 - 【請求項2】前記共振素子を形成する導体が超伝導特性
を有することを特徴とする請求項1記載のフィルタ回
路。 - 【請求項3】前記直線形共振素子は中央部に配置され、
前記コ字型共振素子は入出力端子に近い部分に配置さ
れ、各々の共振素子が全体として左右対称に配置されて
いることを特徴とする請求項1記載のフィルタ回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000267530A JP2002076706A (ja) | 2000-09-04 | 2000-09-04 | フィルタ回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000267530A JP2002076706A (ja) | 2000-09-04 | 2000-09-04 | フィルタ回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002076706A true JP2002076706A (ja) | 2002-03-15 |
Family
ID=18754442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000267530A Pending JP2002076706A (ja) | 2000-09-04 | 2000-09-04 | フィルタ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002076706A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100953408B1 (ko) * | 2009-04-22 | 2010-04-19 | 주식회사 서남 | 초전도 마이크로파 필터 |
-
2000
- 2000-09-04 JP JP2000267530A patent/JP2002076706A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100953408B1 (ko) * | 2009-04-22 | 2010-04-19 | 주식회사 서남 | 초전도 마이크로파 필터 |
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