JP3943508B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物の物理量(例えば、特定ガスの濃度や濃度変化など)を検出する検出素子であり、軸線方向に延びる板状形状をなす検出素子を用いたガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、軸線方向に延びる板状形状をなすと共に、測定対象となるガスに向けられる先端側に検出部が形成された検出素子(ガスセンサ素子等)が組み付けられたガスセンサが知られている。なお、ガスセンサとしては、λセンサ、全領域空燃比センサ、酸素センサ、NOxセンサなどが挙げられる。
【0003】
ここで、この種のセンサの一例として、測定対象となるガス(排ガス)中の酸素濃度を検出する検出素子(ガスセンサ素子)が組み付けられると共に、内燃機関の排気管に装着される酸素センサを、図8に示す。図8に示す酸素センサ100は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された略筒状の主体金具102と、主体金具102の筒内に挿入された検出素子4と、主体金具102の筒内先端側から順に積層されるパッキン104、セラミックホルダ106、タルク粉末108、セラミックスリーブ110とを備えている。
【0004】
セラミックスリーブ110は後端側(図中上方)が本体部113から突出することにより突出部111を形成し、検出素子4は、この突出部111の後端から更に後端側に突出した状態で保持される。そして、セラミックスリーブ110の突出部111周囲の端面上には、加締リング112が配置され、主体金具102の後端部を、加締リング112を介してセラミックスリーブ110側に加締めている。
【0005】
一方、検出素子4は、先端側(図中下方)に検出部5が形成された酸素濃淡電池素子と、通電により発熱するセラミックヒータを備えており、検出素子4の後端側(図中上方)の表面(両表面)には、検出部5にて生じた酸素濃淡電池起電力を外部に出力したり、セラミックヒータに通電するための複数の電極端子部30,31,33,34が形成されている。そして、各電極端子部30,31,33,34は、リードフレーム131を介してリード線116と電気的に接続されている。
【0006】
また、主体金具102の後端側外周には、外筒118が溶接等により固定されており、リード線116は、この外筒118の後端側内部に配置されたグロメット120を貫通して外部に引き出されている。
なお、酸素センサ100は、検出素子4とリードフレーム131とを接続すると共に、リードフレーム131どうしの絶縁を図るためのコンタクト部材130が備えられ、コンタクト部材130は、外筒118の内面とは接触することなく、検出素子4により支持される状態で、外筒118の内部に収容されている。
【0007】
コンタクト部材130は、一対の絶縁性ハウジング132、固定金具133、押圧バネ134およびカシメリング135を有しており、カシメリング135の加締めにより、絶縁性ハウジング132が検出素子4の電極端子部30,31,33,34に対してリードフレーム131を付勢することで、電極端子部とリードフレームとの電気的接続を図るよう構成されている。
【0008】
また、酸素センサ100の他にも、検出素子とリードフレーム(金属端子)との電気的接続を図るためのコンタクト部材を備える構造のガスセンサが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−343356号公報(図1、コネクタ部2)
【特許文献2】
特開2001−356109号公報(図1、第2絶縁碍子12、大気側カバー10、クリアランスd1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の酸素センサ100および上記特許文献に記載のガスセンサは、コンタクト部材が検出素子のみにより支持される構造であることから、振動が生じた際にコンタクト部材が慣性により大きく揺れ動くことが可能となるため、このようなコンタクト部材の移動に伴い検出素子の破損に至る虞がある。
【0011】
つまり、コンタクト部材は、比較的質量が大きいため、振動により生じる慣性力によって揺れ動き易く、振動発生時には、主体金具や外筒などに対する相対位置が変化し易いという特性がある。これに対して、検出素子は、主体金具を中心とする部材により支持固定されているため、主体金具や外筒との相対位置はほとんど変化しない。
【0012】
このため、振動発生時には、コンタクト部材の移動に伴い、コンタクト部材と検出素子との相対位置が変化することになり、これに伴い、検出素子に大きな応力が生じて、亀裂や折れなどの検出素子の破損に至る虞がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、コンタクト部材を備えるガスセンサであって、振動に伴う検出素子の破損を抑制できる構造のガスセンサを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象ガスにさらされる検出部を先端側に有し、少なくとも検出結果に応じた検出信号を出力する電極端子部を後端側に有する検出素子と、検出素子の径方向周囲を取り囲むと共に、検出素子を保持する素子保持部材と、自身の後端側から検出素子の電極端子部を突出させる状態で、素子保持部材の径方向周囲を取り囲む筒状形状に形成されると共に、自身の内面から素子保持部材を支持するための保持部材支持部が突出して形成された主体金具と、少なくとも検出信号を外部に出力する信号経路に電気的に接続される金属端子と、検出素子の後端部が挿通される挿通孔を有し、金属端子が検出素子の電極端子部に接続される状態で、挿通孔の内部で検出素子および金属端子を保持する絶縁性材料からなるコンタクト部材と、検出素子の後端部およびコンタクト部材を収容する内部空間を有すると共に、主体金具に後端側から連結される筒状形状の外筒と、を備えるガスセンサであって、コンタクト部材は、外筒の内面に当接する外筒当接支持部を少なくとも2箇所備え、外筒当接支持部が外筒の内面に当接することで自身の径方向への移動が制限されると共に、外筒の内面に対向する表面のうち外筒当接支持部以外の部分が前記外筒の内面とは当接しない形状であることを特徴とするガスセンサである。
【0014】
つまり、このガスセンサは、少なくとも2個の外筒当接支持部において、コンタクト部材が外筒に当接する構成であることから、コンタクト部材は、検出素子に加えて、外筒によっても支持される。このため、振動発生時にも、コンタクト部材が外筒の内面に当接されているので、コンタクト部材自身の移動(揺動)が制限され、コンタクト部材と外筒との相対位置が変化し難くなる。
【0015】
なお、検出素子および外筒は、それぞれ主体金具に対して固定されているため、振動発生時においても、検出素子と外筒との相対位置はほとんど変化しない。このことから、このガスセンサにおいては、振動発生時であっても、コンタクト部材と検出素子との相対位置が変化するのを抑制できる。
【0016】
また、コンタクト部材は、外筒の内面に対向する表面のうち外筒当接支持部以外の部分が外筒の内面に当接しない形状であることから、外筒の内面との間に間隙を有することとなる。コンタクト部材のうち、このように外筒の内面との間に間隙を有する部分については、外部からガスセンサ(詳細には、外筒)に対して、何らかの障害物(石など)が衝突した場合に、その衝撃がコンタクト部材に伝わる確率を低減することができる。
【0017】
よって、本発明によれば、振動が生じた場合であっても、コンタクト部材と検出素子との相対位置の変化を抑制できるため、振動発生に伴い検出素子が破損に至るのを抑制することができる。また、ガスセンサが飛石などによる外部からの衝撃を受けた場合であっても、その衝撃がコンタクト部材に伝わる確率を低減できるため、外部からの衝撃によるコンタクト部材および検出素子の破損を抑制することができる。
【0018】
なお、検出素子がヒータを備える場合には、電極端子部は、検出信号の出力の他に、外部からヒータ用電力を受電するために用いられることがある。その場合には、金属端子として、検出信号を外部に出力する信号経路に電気的に接続される検出信号用金属端子の他に、ヒータ用電力の通電経路に電気的に接続されるヒータ用金属端子が、ガスセンサに備えられる。
【0019】
また、外筒当接支持部は、コンタクト部材自身に一体成形されて設けられていても良いし、コンタクト部材とは別部材を外筒当接支持部として、該コンタクト部材の外面に固着させて形成しても良い。
次に、上記のガスセンサは、請求項2に記載のように、検出素子は、軸線方向に垂直な断面において、幅方向寸法が厚み方向寸法よりも長い形状をなすと共に、コンタクト部材は、軸線方向に垂直な断面において、検出素子の幅方向の中央位置を通ると共に前記検出素子の厚さ方向に延びる境界線により仕切られる2つの領域のそれぞれに、少なくとも1つの外筒当接支持部が形成されており、外筒は、外筒当接支持部において、コンタクト部材を検出素子の幅方向に挟むように支持するとよい。
【0020】
このように構成されるガスセンサでは、外筒からコンタクト部材に対して印加される力の方向が検出素子の幅方向となり、コンタクト部材から検出素子に対して印加される力の方向も検出素子の幅方向となる。
また、検出素子は、幅方向寸法が厚さ方向寸法よりも長い(大きい)ことから、厚さ方向の外力が印加される場合よりも、幅方向の外力が印加される場合の方が、破損し難いという特性がある。
【0021】
このことから、本発明のガスセンサにおいては、コンタクト部材を外筒により支持するにあたり、コンタクト部材から検出素子に対して印加される力の方向が、検出素子の破損が発生し難い方向となる。
よって、本発明(請求項2)によれば、飛石などによる外力がガスセンサ(詳細には、外筒)に印加されて、その外力が検出素子に及ぶ場合であっても、検出素子が破損するのを抑制することができる。
【0022】
なお、外筒当接支持部を有するコンタクト部材においては、検出素子の中心位置から検出素子の幅方向に延長した直線上に、外筒当接支持部を配置形成することで、外筒によるコンタクト部材の挟持方向を、確実に検出素子の幅方向とすることができ、検出素子の破損が発生し難くすることができる。
【0023】
ところで、素子保持部材と主体金具との相対位置に誤差が生じると、素子保持部材(主体金具)により保持される検出素子の中心軸線が設計位置(予定位置)からずれてしまう。すると、コンタクト部材の中心軸線と、素子保持部材(主体金具)により保持される検出素子の中心軸線とが異なる位置に設定されることになり、検出素子を適切に保持できないために、主体金具と外筒との組み付け作業が困難となる。また、組み付け作業が完了したとしても、中心軸線の位置誤差に伴い検出素子に応力が生じて、検出素子が破損(欠けや折れ)する可能性がある。
【0024】
そこで、上記のガスセンサは、請求項3に記載のように、保持部材支持部のうちで後端側に位置する保持部材支持面は、主体金具の中心軸線方向の先端側ほど径方向内側に位置するテーパ面をなし、保持部材支持面と中心軸線方向とのなす角度が10度から80度であるとよい。
【0025】
つまり、保持部材支持部の保持部材支持面が、主体金具の中心軸線方向の先端側ほど径方向内側に位置するテーパ面として形成されると、素子保持部材を主体金具に支持させる際には、素子保持部材がテーパ形状の保持部材支持面に沿って移動することになる。これにより、素子保持部材と主体金具との相対位置が、保持部材支持面によって位置決めされることとなり、素子保持部材の中心軸線と主体金具の中心軸線とを、容易に同一線上に設定することができる。
【0026】
このように、素子保持部材の中心軸線と主体金具の中心軸線とを容易に同一線上に設定できることにより、素子保持部材と主体金具との相対位置に誤差が生じ難くなり、主体金具(詳細には、素子保持部材)が保持する検出素子の中心軸線の位置を適切な位置に設定することができ、組み付け作業性を向上できる。
【0027】
また、外筒当接支持部を介してコンタクト部材と外筒とを当接させることに加えて、保持部材支持面をテーパ面とすることで、コンタクト部材の中心軸線と、素子保持部材(主体金具)により保持される検出素子の中心軸線とを、同一直線上に設定する際の設定精度を高めることができる、という有利な効果を得ることができる。
【0028】
さらに、後述する測定結果より、保持部材支持面と主体金具の中心軸線方向とのなす角度を10度から80度の範囲内に設定することで、確実に組み付け作業性を向上できることが判る。
よって、本発明のガスセンサによれば、各部材の組み付け作業の煩雑さを解消することができると共に、また、中心軸線の誤差に伴う検出素子の破損を抑制することができる。
【0029】
なお、保持部材支持面と主体金具の中心軸線方向とのなす角度としては、鋭角部分と鈍角部分の両方が存在するが、本発明では、これらのうち鋭角部分の大きさを、保持部材支持面と主体金具の中心軸線方向とのなす角度として用いる。
次に、上記のガスセンサは、請求項4に記載のように、コンタクト部材および素子保持部材は、互いに接する当接部をそれぞれ有しており、当接部は、コンタクト部材の中心軸線と、素子保持部材が保持する検出素子の中心軸線とが同一線上となるように、コンタクト部材と素子保持部材との相対位置を位置決めする形状であるとよい。
【0030】
つまり、コンタクト部材および素子保持部材が当接部にて互いに接することにより、両者の相対位置が変化し難くなり、振動が生じた場合であっても、コンタクト部材と素子保持部材との相対位置が変化し難くなることで、検出素子での応力の発生を抑えることができる。
【0031】
また、当接部によりコンタクト部材と素子保持部材との相対位置が位置決めされて、コンタクト部材の中心軸線と、素子保持部材が保持する検出素子の中心軸線とが同一線上に設定されることから、主体金具と外筒との組み付け作業にあたり、組み付け作業者が特別な注意を払わなくとも、容易に中心軸線を同一線上に設定できる。これにより、組み付け作業時において、作業者の負担を軽減しつつ、中心軸線の誤差に伴う検出素子の破損が生じる確率を低減することができる。
【0032】
よって、本発明のガスセンサによれば、当接部を備えることで、検出素子での応力の発生を抑制でき、検出素子の破損を抑制することができる。また、当接部を設けることで、主体金具と外筒との組み付け作業の煩雑さを解消でき、さらに、中心軸線の誤差に伴う検出素子の破損を抑制することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のセンサの端子接続構造を適用したセンサの実施例を図面と共に説明する。なお、本実施例では、ガスセンサの一種であり、測定対象となるガス(排ガス)中の酸素濃度を検出する検出素子が組み付けられると共に、内燃機関の排気管に装着される酸素センサについて説明する。図1は、本実施例の酸素センサ2の全体構成を示す断面図である。
【0034】
図1に示すように、酸素センサ2は、軸線方向(図1では上下方向)に延びる板状形状の酸素イオン伝導性固体電解質体を主体に形成される検出素子4と、検出素子4の径方向周囲を取り囲み、検出素子4を封着材層55によって封止した状態で保持する素子保持用ホルダ52と、排気管に固定するためのネジ部21が外表面に形成された筒状の主体金具20と、主体金具20に後端側から連結される筒状形状の外筒118と、を備えて構成されている。
【0035】
主体金具20は、素子保持用ホルダ52により保持された検出素子4が挿通される貫通孔22を有し、貫通孔22の内面から内向きに突出して素子保持用ホルダ52を支持する保持部材支持面23が後端側に形成された保持部材支持部25を有する略筒状形状に形成されている。
【0036】
検出素子4は、排ガスに晒される検出部5を有する酸素イオン伝導性固体電解質体からなる酸素濃淡電池素子と、検出部5の早期活性化を目的としたセラミックヒータと、が積層されて構成される。また、検出素子4は、先端側(図中下方)の検出部5が測定対象となる排ガスに向けられる状態で、素子保持用ホルダ52および主体金具20により保持される。
【0037】
図2に、検出素子4の全体構成を表す斜視図を示す。
検出素子4は、図2に示すように、長方形状の軸断面を有した軸線方向(図2では左右方向)に延びる板状形状に形成されている。尚、図2では、検出素子4のうち軸線方向における中央位置を省略した模式図として、検出素子4を表している。
【0038】
検出素子4の軸線方向の先端側(図2における左方)のうち酸素濃淡電池素子(図示省略)には、検出部5が備えられており、検出部5は、一対の多孔質電極(図2では図示省略)とその間に挟まれる固体電解質体とで形成される。また、検出素子4の軸線方向の先端側のうちセラミックヒータ(図示省略)には、抵抗発熱体パターン(図2では図示省略)が内蔵されており、抵抗発熱体パターンは、通電されることにより発熱して検出部5を加熱することで、検出部5を活性化温度に維持するために備えられている。
【0039】
検出素子4の軸線方向の後端側(図2における右方)には、4個の電極端子部30,31,33,34が設けられており、この4個の電極端子部30,31,33,34は、酸素濃淡電池素子(検知部)を構成する一対の多孔質電極、セラミックヒータに対してそれぞれ導通するものである。なお、これらの電極端子部30,31,33,34と、検出素子4の内部に備えられる多孔質電極や抵抗発熱体パターンなどとの電気的接続は、検出素子4を厚さ方向に横切る貫通孔であるビア(図示省略)を介して実現されている。
【0040】
電極端子部30,31は、検出素子4における酸素濃淡電池素子が備えられる面の後端側に間隔をあけて形成されると共に、検出部5に接続されており、検出した酸素濃度に応じた検出信号を検出素子4の外部に出力する。電極端子部33,34は、検出素子4におけるセラミックヒータが備えられる面の後端側に間隔をあけて形成されると共に、セラミックヒータ(抵抗発熱体パターン)に接続されており、外部電源などからヒータ用電力を受電する。
【0041】
次に、素子保持用ホルダ52は、図1に示すように、軸線方向に貫通する素子挿通孔53を有する略筒状形状であり、外周側面から外向きに突出する鍔部58が形成されている。
検出素子4は、図1に示すように、主体金具20の貫通孔22の内側に配置される素子保持用ホルダ52の素子挿通孔53に挿通され、先端の検出部5が主体金具20の先端より排気管の内部に突出した状態で、素子保持用ホルダ52の素子挿通孔53の内部に保持固定される。
【0042】
素子保持用ホルダ52には、その軸線方向において素子挿通孔53の後端に一端が連通し、他端が素子保持用ホルダ52の後端面にて開口するとともに、軸断面が素子挿通孔53よりも大径である空隙部54が形成されている。そして、その空隙部54の内面と検出素子4の外面との間は、ガラス(例えば結晶化亜鉛シリカホウ酸系ガラス)などを主体に構成される封着材層55により封着されている。
【0043】
図1に示すように、素子保持用ホルダ52と主体金具20との間には、軸線方向に積層されたタルクリング56と加締めリング57とがはめ込まれ、主体金具20の後端側外周部24を素子保持用ホルダ52に向けて加締めることにより、タルクリング56および加締めリング57を介して、素子保持用ホルダ52が主体金具20に保持される。このとき、素子保持用ホルダ52の鍔部58が、主体金具20の保持部材支持部25にパッキン26を介して支持されると共に、鍔部58と保持部材支持部25との間がパッキン26により気密封止される。
【0044】
主体金具20の先端側(図1における下方)外周には、検出素子4の突出部分を覆うと共に、複数の孔部を有する金属製の二重のプロテクタ42,43が溶接等によって取り付けられている。
外筒118は、検出素子4の後端部および後述するコンタクト用ホルダ45を収容する内部空間を有すると共に、主体金具20の後端部(図1における上方)に連結可能な略筒状形状に形成され、主体金具20の後端側外周に溶接等により固定されている。なお、外筒118の後端側開口部の内側には、弾性材料(シリコンゴムなど)や樹脂材料からなるグロメット120が配置されている。リード線116は、グロメット120を貫通して、外筒118(酸素センサ2)の外部に引き出されている。
【0045】
そして、酸素センサ2は、このリード線116、リードフレーム10を介して、検出素子4と外部との導通を図るよう構成されている。つまり、検出素子4の後端側(図1における上方)の表面に形成される電極端子部30,31,33,34は、リードフレーム10を介してリード線116と電気的に接続されている。なお、リードフレーム10は、加締め固定あるいはロー付け固定などによりリード線116と電気的に接続されており、特許請求の範囲に記載の「金属端子」に相当する。
【0046】
また、リード線116は、酸素濃度に応じた検出信号を外部に出力する信号経路と、セラミックヒータに対してヒータ用電力を供給する通電経路(電力供給経路)とを形成する。リード線116は、特許請求の範囲に記載の「信号経路」に相当する。
【0047】
リードフレーム10は、全体の外観が略L字状を呈すると共に、電極端子部30,31,33,34に当接する部分が波形形状となるように形成されており、高温に繰り返し晒されても、弾性(バネ弾性)を保持可能な材料(例えば、周知のインコネルやステンレス鋼等)にて形成されている。
【0048】
また、主体金具20の内部に固定された検出素子4の後端側(図1における上方)には、リードフレーム10と電極端子部30,31,33,34とを接続するためのコンタクト用ホルダ45が配置されている。
コンタクト用ホルダ45は、絶縁性材料(セラミックスなど)からなり、検出素子4の後端部が挿通される挿通孔46を有し、リードフレーム10が検出素子4の電極端子部30,31,33,34に接続される状態で、挿通孔46の内部で検出素子4の後端部およびリードフレーム10を保持するよう構成されている。
【0049】
このとき、リードフレーム10のうち波形形状部分は、検出素子4とコンタクト用ホルダ45との間で挟持されることで、波状形状の振幅方向に圧縮弾性変形することとなり、検出素子4の電極端子部30,31,33,34に確実に接触することになる。
【0050】
コンタクト用ホルダ45のうち、検出素子4の軸線方向に垂直な面における断面形状を説明するために、図1に示す酸素センサ2におけるA−A視断面図を、図3に示す。なお、図3では、検出素子4やリードフレーム10などの図示を省略し、コンタクト用ホルダ45および外筒118のみを表している。また、図1に示す酸素センサ2の断面図は、図3に示す酸素センサ2のうち、X−X視断面における断面図に相当する。
【0051】
図3に示すように、酸素センサ2の軸線方向に垂直な面におけるコンタクト用ホルダ45の断面形状は、長径寸法がR1、短径寸法がR2である楕円形状であり、中央部分に挿通孔46が形成されている。
コンタクト用ホルダ45は、長径寸法R1が外筒118の内径寸法と同一値となるよう形成されており、コンタクト用ホルダ45の外周面のうち長径寸法R1となる部分の外表面が、外筒118の内面に当接する外筒当接支持部47である。
【0052】
外筒当接支持部47は、図3に示すコンタクト用ホルダ45の断面のうち、境界線Sにより仕切られる2つの領域(境界線Sの右側および左側の各領域)のそれぞれに1つずつ形成されている。なお、境界線Sは、軸線方向に垂直なコンタクト用ホルダ45の断面のうち、検出素子4(図3では図示省略)の幅方向(図3における左右方向)の中央位置を通ると共に、検出素子4の厚さ方向(図3における上下方向)に延びる直線である。
【0053】
また、コンタクト用ホルダ45の外周面のうち外筒当接支持部47以外の部分は、外筒118の内面に当接せず、外筒118の内面との間に間隙を有している。
ここで、図3に示す酸素センサ2におけるX−X視断面図のうち、コンタクト用ホルダ45に相当する部分の拡大断面図を、図4に示し、図3に示す酸素センサ2におけるY−Y視断面図のうち、コンタクト用ホルダ45に相当する部分の拡大断面図を、図5に示す。なお、図5では、リードフレームの図示を省略している。
【0054】
図4から判るように、コンタクト用ホルダ45の外周面のうち短径寸法R2となる部分については、外筒118に当接しておらず、また、図5から判るように、コンタクト用ホルダ45の外周面のうち長径寸法R1となる部分については、外筒118に当接する。
【0055】
つまり、コンタクト用ホルダ45は、2つの外筒当接支持部47において外筒118の内面に当接することで、外筒118により支持されている。これにより、振動が発生した場合であっても、コンタクト用ホルダ45と外筒118との相対位置が変化し難くなる。
【0056】
なお、検出素子4は、素子保持用ホルダ52を介して主体金具20に対して強固に固定されており、外筒118は、溶接などにより主体金具20に対して強固に固定されているため、振動発生時においても、検出素子4と外筒118との相対位置はほとんど変化することはない。
【0057】
このことから、酸素センサ2においては、振動発生時であっても、コンタクト用ホルダ45と外筒118との相対位置、および検出素子4と外筒118との相対位置は、ほとんど変化することはなく、この結果、コンタクト用ホルダ45と検出素子4との相対位置が変化するのを抑制できる。
【0058】
よって、酸素センサ2によれば、振動が生じた場合であっても、コンタクト用ホルダ45と検出素子4との相対位置の変化を抑制できるため、振動発生に伴い検出素子4に応力が発生するのを避けることができ、応力によって検出素子4が破損に至るのを抑制することができる。
【0059】
また、上述のように、コンタクト用ホルダ45における外筒118の内面に対向する表面のうち、外筒当接支持部47以外の部分は、外筒118の内面との間に間隙を有している。このことから、外部から酸素センサ2(詳細には、外筒118)に対して、障害物(石など)の衝突などにより外力が印加された場合には、外筒118が間隙の幅よりも大きく変形した場合に限り、コンタクト用ホルダ45に対して直接的に衝撃が加わることになる。
【0060】
つまり、外部から酸素センサ2に対して、外力が印加された場合であっても、外筒118が間隙幅よりも大きく変形しない限り、その外力がコンタクト用ホルダ45に対して直接伝わらないため、その衝撃がコンタクト用ホルダ45に直接伝わる確率を低減することができる。
【0061】
よって、酸素センサ2によれば、飛石などにより外部からの衝撃を受けた場合であっても、その衝撃がコンタクト用ホルダ45に直接伝わる確率を低減できるため、外部からの衝撃によるコンタクト用ホルダ45および検出素子4の破損を抑制することができる。
【0062】
次に、コンタクト用ホルダ45については、図3に示すコンタクト用ホルダ45の断面形状のうち、境界線Sにより仕切られる2つの領域(境界線Sの右側および左側の各領域)のそれぞれに、外筒当接支持部47が1箇所ずつ形成されている。このため、外筒118は、外筒当接支持部47において、コンタクト用ホルダ45を検出素子4の幅方向に挟みつつ支持する。このことから、外筒118からコンタクト用ホルダ45に印加される力の方向が検出素子4の幅方向となり、コンタクト用ホルダ45から検出素子4に印加される力の方向も検出素子4の幅方向となる。
【0063】
なお、検出素子4は、幅方向寸法が厚さ方向寸法よりも長い(大きい)ことから、厚さ方向の外力が印加される場合よりも、幅方向の外力が印加される場合の方が、破損し難いという特性がある。
つまり、酸素センサ2では、コンタクト用ホルダ45を外筒118により支持するにあたり、コンタクト用ホルダ45から検出素子4に対して印加される力の方向が、検出素子4の破損が発生し難い方向に設定される。このため、飛石などの外力が酸素センサ2(詳細には、外筒118)に印加されて、その外力が検出素子4に及ぶ場合であっても、検出素子4が破損するのを抑制することができる。
【0064】
次に、主体金具20のうち保持部材支持部25の後端側に位置する保持部材支持面23について、説明する。
この保持部材支持面23は、表面が主体金具20の中心軸線方向の先端側ほど径方向内側に位置するテーパ面として形成されており、保持部材支持面23と主体金具20の中心軸線方向とのなす角度(支持面テーパ角度α、図1参照)は、10度から80度の範囲内に設定されている。
【0065】
また、素子保持用ホルダ52の鍔部58は、保持部材支持面23に対向する先端側部分の表面形状が、保持部材支持面23の形状に対応したテーパ形状に形成されている。
このため、素子保持用ホルダ52を主体金具20の貫通孔22に配置する作業時には、素子保持用ホルダ52がテーパ形状の保持部材支持面23に沿って移動し、素子保持用ホルダ52と主体金具20との相対位置が位置決めされる。この結果、素子保持用ホルダ52の中心軸線と主体金具20の中心軸線とを、容易に同一線上に設定することが可能となる。
【0066】
このように、素子保持用ホルダ52の中心軸線と主体金具20の中心軸線とを容易に同一線上に設定できると、素子保持用ホルダ52と主体金具20との相対位置に誤差が生じ難くなり、主体金具20(詳細には、素子保持用ホルダ52)が保持する検出素子4の中心軸線の位置を、設計通りの適切な位置に設定することができる。
【0067】
また、主体金具20が保持する検出素子4の中心軸線の位置を適切な位置に設定できるため、コンタクト用ホルダ45の中心軸線と、素子保持用ホルダ52(主体金具20)により保持される検出素子4の中心軸線とが異なる位置に設定され難くなる。このため、酸素センサ2は、検出素子4の中心軸線の位置に誤差に伴う応力の発生を抑制できると共に、検出素子4の破損を抑制することが可能となる。
【0068】
以上、説明したように、本実施例の酸素センサ2によれば、振動発生に伴い検出素子4が破損に至るのを抑制することができると共に、外部からの衝撃によるコンタクト用ホルダ45および検出素子4の破損を抑制することができる。
また、酸素センサ2によれば、飛石などによる外力が外筒118に印加されて、その外力が検出素子4に及ぶ場合であっても、幅方向に外力が印加されるため、検出素子4が破損するのを抑制することができる。
【0069】
さらに、酸素センサ2によれば、外筒118と主体金具20との組み付け作業の煩雑さを解消することができ、また、中心軸線の誤差に伴う検出素子4の破損を抑制することができる。
なお、酸素センサ2においては、素子保持用ホルダ52が特許請求の範囲に記載の素子保持部材に相当し、コンタクト用ホルダ45がコンタクト部材に相当する。
【0070】
次に、第2実施例として、コンタクト部材と素子保持部材とが互いに当接する構成のガスセンサ(第2酸素センサ3)について説明する。第2酸素センサ3の全体構成を示す断面図を、図7に示す。
第2酸素センサ3は、上述した実施例(以下、第1実施例という)の酸素センサ2と比較した場合、コンタクト部材および素子保持部材が異なり、その他の部材については同一の部材で構成されている。このことから、第2酸素センサ3に備えられる第2コンタクト用ホルダ61および第2素子保持用ホルダ71を中心に説明する。なお、図7では、第2酸素センサ3を構成する部材のうち、酸素センサ2に備えられる部材と同一の部分については、同一符号を付して表している。
【0071】
図7に示すように、第2コンタクト用ホルダ61は、第1実施例のコンタクト用ホルダ45に対して、先端側(図1における下側)から先端方向に延設されるコンタクト側延設部62が付加された構成のコンタクト部材である。コンタクト側延設部62の先端面は、表面が第2コンタクト用ホルダ61の中心軸線方向の先端側ほど径方向外側に位置するテーパ形状のコンタクト側当接面63として形成されている。
【0072】
第2素子保持用ホルダ71は、図7に示すように、第1実施例の素子保持用ホルダ52に対して、後端側(図1における上側)から後端方向に延設される保持部側延設部72が付加された素子保持部材である。保持部側延設部72の後端面は、コンタクト側当接面63に当接可能となるように、コンタクト側当接面63の形状に対応した形状に形成されており、具体的には、表面が第2素子保持用ホルダ71の中心軸線方向の先端側ほど径方向外側に位置するテーパ形状の保持部側当接面73として形成される。なお、第2素子保持用ホルダ71は、第1実施例の素子保持用ホルダ52と同様に、素子挿通孔53および鍔部58を備えている。
【0073】
また、コンタクト側当接面63と第2コンタクト用ホルダ61の中心軸線方向とのなす角度(当接面テーパ角度β、図1参照)は、10度から80度の範囲内に設定されている。同様に、保持部側当接面73と主体金具20の中心軸線方向とのなす角度は、当接面テーパ角度βと略同等の角度に調整され、10度から80度の範囲内に設定されている。
【0074】
この第2酸素センサ3においては、コンタクト側当接面63および保持部側当接面73が互いに当接することから、第2コンタクト用ホルダ61と第2素子保持用ホルダ71との両者の相対位置が変化し難くなる。つまり、振動が生じた場合であっても、第2コンタクト用ホルダ61と第2素子保持用ホルダ71との相対位置が変化し難くなるため、検出素子4での応力の発生を抑えることができる。
【0075】
また、コンタクト側当接面63および保持部側当接面73がテーパ形状に形成されているため、第2コンタクト用ホルダ61の中心軸線と、第2素子保持用ホルダ71が保持する検出素子4の中心軸線とが同一線上に設定されるように、第2コンタクト用ホルダ61と第2素子保持用ホルダ71との相対位置が設定される。このことから、主体金具20と外筒118との組み付け作業にあたり、検出素子4の破損が生じないように特別な注意を払うことなく、容易に作業を実行することができる。
【0076】
よって、第2酸素センサ3のように、第2コンタクト用ホルダ61と第2素子保持用ホルダ71とを当接させて、第2コンタクト用ホルダ61と第2素子保持用ホルダ71との相対位置が変化し難くすることで、検出素子4での応力の発生を抑制でき、検出素子4の破損を抑制することができる。また、第2コンタクト用ホルダ61と第2素子保持用ホルダ71との当接部分(コンタクト側当接面63および保持部側当接面73)をテーパ形状に形成することで、主体金具20と外筒118との組み付け作業の煩雑さを解消でき、さらに、中心軸線の誤差に伴う検出素子4の破損を抑制することができる。
【0077】
なお、第2酸素センサ3においては、第2コンタクト用ホルダ61が特許請求の範囲に記載のコンタクト部材に相当し、第2素子保持用ホルダ71が素子保持部材に相当し、コンタクト側当接面63がコンタクト部材の当接部に相当し、保持部側当接面73が素子保持部材の当接部に相当する。
【0078】
次に、他の実施例として、コンタクト部材の断面形状が楕円形状ではなく、長方形形状に形成された第3コンタクト部材65を備えるガスセンサ(第3酸素センサ6)について説明する。第3酸素センサ6は、第1実施例の酸素センサ2に対して、コンタクト用ホルダ45に代えて、第3コンタクト部材65を備えることで構成されている。第3酸素センサ6のうち、図1のA−A視断面に相当する部分の断面図を、図6に示す。なお、図6では、検出素子4やリードフレーム10などを省略し、第3コンタクト部材65および外筒118のみを表している。
【0079】
第3コンタクト部材65は、第1実施例のコンタクト用ホルダ45における挿通孔46と同様に、絶縁性材料(セラミックスなど)からなり、検出素子4(図6では、図示省略)の後端部が挿通される挿通孔46を有し、リードフレーム10(図6では、図示省略)が検出素子4の電極端子部30,31,33,34(図6では、図示省略)に接続される状態で、挿通孔46の内部で検出素子4の後端部およびリードフレーム10を保持する形状である。
【0080】
なお、第3コンタクト部材65は、第1実施例のコンタクト用ホルダ45と比較すると、断面形状のうち外周部分の形状が異なっており、長辺の方向が検出素子4の幅方向と同一方向であり、短辺の方向が検出素子4の厚さ方向と同一方向である長方形形状の断面となるように形成されている。
【0081】
第3コンタクト部材65は、長方形断面の4つの頂点部分が外筒118の内面に当接するように、長辺寸法R3および短辺寸法R4が設定されている。第3コンタクト部材65の断面のうち4つの頂点部分は、外筒118の内面に当接する第3外筒当接支持部67である。また、第3コンタクト部材65の外周面のうち第3外筒当接支持部67以外の部分については、外筒118の内面に当接せず、外筒118の内面との間に間隙を有することとなる。
【0082】
つまり、第3コンタクト部材65は、4つの第3外筒当接支持部67において外筒118の内面に当接することで、外筒118により支持されている。これにより、振動が発生した場合であっても、第3コンタクト部材65と外筒118との相対位置が変化し難くなる。
【0083】
このことから、第3コンタクト部材65を備えて構成される第3酸素センサ6においては、振動発生時であっても、第3コンタクト部材65と外筒118との相対位置はほとんど変化せず、第3コンタクト部材65と検出素子4との相対位置が変化するのを抑制できる。この結果、第3酸素センサ6は、第1実施例の酸素センサ2と同様に、振動発生に伴い検出素子4に応力が発生するのを避けることができ、応力によって検出素子4が破損に至るのを抑制することができる。
【0084】
また、第3コンタクト部材65の表面のうち、第3外筒当接支持部67以外の部分は、外筒118の内面との間に間隙を有している。このことから、第1実施例の酸素センサ2と同様に、飛石などにより外部からの衝撃を受けた場合であっても、その衝撃が第3コンタクト部材65に直接伝わる確率を低減できるため、外部からの衝撃による第3コンタクト部材65および検出素子4の破損を抑制することができる。
【0085】
次に、本発明を適用したガスセンサ(酸素センサ)について、コンタクト部材の断面形状の異なるコンタクト部材を用いた場合、および保持部材支持面23の支持面テーパ角度αを変化させた場合において、耐衝撃性を測定した第1測定の測定結果を[表1]に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
なお、第1測定では、本発明の実施例として、断面形状が楕円形状および長方形形状であるコンタクト部材を用い、比較例として、断面形状が円形で全周にわたり外筒に当接する比較用コンタクト部材を用い、従来例として、断面形状が円形で外筒とは接触しない従来型コンタクト部材を用いて、測定を実施した。
【0088】
本発明の実施例、比較例、従来例の各ガスセンサは、それぞれ、内径寸法が13[mm]の断面形状にて内面および外面が円形の外筒で構成されている。
本発明の実施例のガスセンサにおいては、断面形状が楕円形状であるコンタクト部材として、長径寸法R1が13[mm]で、短径寸法R2が5[mm]および9[mm]である2種類のコンタクト部材を用いた。また、断面形状が長方形形状であるコンタクト部材としては、長辺寸法R3が11[mm]で、短辺寸法R4が7[mm]のコンタクト部材を用いた。
【0089】
比較例のガスセンサにおいては、コンタクト部材として、外径寸法が共に13[mm]であるコンタクト部材を用いた。従来例のガスセンサにおいては、コンタクト部材として、図8に示すコンタクト部材130を用いた。
また、主体金具および素子保持部材(素子保持用ホルダ)としては、保持部材支持面の支持面テーパ角度αが30度および60度となる2種類の主体金具および素子保持部材を用いて、測定を実施した。
【0090】
第1測定では、鋼球落下衝撃試験(飛石衝撃試験)により測定を行い、ガスセンサへの衝撃印加方法として、鋼球(質量17[g])を2mの高さからガスセンサに向けて落下させる方法を用いている。そして、衝撃印加後の検出素子に欠損(欠けおよび折れ)が有る場合に不良と判定する測定を、各種類のコンタクト部材について、それぞれ100個のガスセンサを用いて実施した。
【0091】
[表1]に示す測定結果によれば、本発明の実施例であるガスセンサ(No1〜No6)は、不良判定された試料数は0本(不良率0%)であるが、比較例のガスセンサ(No7,8)は、不良判定された試料数が3本および5本(不良率3%および5%)であり、従来例のガスセンサ(No9,10)は、不良判定された試料数が3本および4本(不良率3%および4%)であることが判る。
【0092】
このことから、本発明のガスセンサ(No1〜No6)は、比較例および従来例のガスセンサに比べて、耐衝撃性に優れると判断することができる。
次に、第2測定として、ガスセンサ(酸素センサ)について、保持部材支持面23の支持面テーパ角度αを変化させた場合において、組み付け性および耐衝撃性を測定した第2測定の測定結果を[表2]に示す。
【0093】
【表2】
【0094】
第2測定に使用したガスセンサは、内径寸法が13[mm]の断面形状にて内縁および外面が円形の外筒を用いており、長径寸法R1が13[mm]で、短径寸法R2が9[mm]の楕円形状の断面形状であるコンタクト部材を用いて構成されている。
【0095】
また、第2測定に使用したガスセンサのうち、No11〜16のガスセンサは、コンタクト部材と素子保持部材とが当接しない構造のガスセンサであり、No17,18のガスセンサは、コンタクト部材と素子保持部材とが当接する構造のガスセンサである。コンタクト部材と素子保持部材とが当接する構造のガスセンサについては、当接面テーパ角度β(図7参照)を変化させて、組み付け性および耐衝撃性を測定した。
【0096】
組み付け性の判定は、ガスセンサを完成させた後に、内部の検出素子に欠損(欠けおよび折れ)があるか否かを確認して、検出素子に欠損(欠けおよび折れ)がある場合に不良と判定する判定手法を用いた。耐衝撃性の判定方法は、第1測定と同様である。各種類(No11〜18)のガスセンサについて、それぞれ100個を用いて測定を実施した。
【0097】
[表2]に示す測定結果によれば、支持面テーパ角度αが10度から80度の範囲内となるガスセンサ(No12〜、15,17,18)は、組み付け後の不良率、および衝撃後の不良率が共に0%であり、支持面テーパ角度αが5度および85度となるガスセンサ(No11、16)は、組み付け後の不良率が1%および2%であることが判る。
【0098】
このことから、支持面テーパ角度αが10度から80度の範囲内となるガスセンサは、組み付け性に優れると判断することができる。なお、耐衝撃性については、全てのガスセンサにおいて不良率が0%であり、これは、コンタクト部材として、断面形状が楕円形状のコンタクト部材を用いているためと考えられる。
【0099】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記の第2実施例においては、第2コンタクト用ホルダ61のコンタクト側当接面63が内向きのテーパ形状となるガスセンサについて説明したが、コンタクト側当接面が外向きのテーパ形状に形成されたコンタクト部材を用いても良い。この場合、素子保持用部材の保持部側当接面は、コンタクト側当接面の形状に応じて、外向きのテーパ形状となるように構成することになる。
【0100】
さらに、保持部側当接面およびコンタクト側当接面は、テーパ形状に限られず、一方の当接面に凹部を設け、主体金具と素子保持部材との中心軸線が同一直線上となるように、凹部に対応した凸部を他方の当接面に形成しても良い。
また、断面形状が長方形形状であるホルダは、外筒当接支持部となる角部分をR形状あるいは面取り形状に形成することで、組み付け作業時などに損傷(欠けや割れなど)が生じ難くすることができる。
【0101】
また、断面形状が長方形形状であるホルダは、外筒当接支持部となる角部分が組み付け作業時などに損傷(欠けや割れなど)すると、外筒内部におけるコンタクト部材の位置決め精度が低下する。そこで、断面形状が長方形形状であるホルダは、外筒当接支持部となる角部分をR形状あるいは面取り形状に形成することで、組み付け作業時などにおける損傷の発生を抑制でき、位置決め精度の低下を防ぐことが出来る。
【0102】
更に、上記の第1実施例においては、検出素子4の径方向周囲を取り囲んで検出素子4を保持する素子保持部材として素子保持用ホルダ52を用いた構成を説明したが、この素子保持部材はこのような形態に限定されるものではない。例えば、図8を援用して示すように、タルク粉末108といった粉末充填層を検出素子の径方向周囲を取り囲む素子保持部材として形成し、図1に示す主体金具20の保持部材支持部25に他部材(パッキン26など)を介して支持させるように、ガスセンサを構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸素センサの全体構成を示す断面図である。
【図2】 検出素子の全体構成を表す斜視図である。
【図3】 図1に示す酸素センサにおけるA−A視断面図である。
【図4】 図3に示す酸素センサにおけるX−X視断面図のうち、コンタクト部材に相当する部分の拡大断面図である。
【図5】 図3に示す酸素センサにおけるY−Y視断面図のうち、コンタクト部材に相当する部分の拡大断面図である。
【図6】 第3酸素センサのうち、図1のA−A視断面に相当する部分の断面図である。
【図7】 第2酸素センサの全体構成を示す断面図である。
【図8】 従来の酸素センサの全体構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2…酸素センサ、3…第2酸素センサ、4…検出素子、5…検出部、6…第3酸素センサ、10…リードフレーム、20…主体金具、22…貫通孔、23…保持部材支持面、30,31,33,34…電極端子部、45…コンタクト用ホルダ、46…挿通孔、47…外筒当接支持部、52…素子保持用ホルダ、53…素子挿通孔、61…第2コンタクト用ホルダ、63…コンタクト側当接面、65…第3コンタクト部材、67…第3外筒当接支持部、71…第2素子保持用ホルダ、73…保持部側当接面、116…リード線、118…外筒、120…グロメット。
Claims (4)
- 軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象ガスにさらされる検出部を先端側に有し、少なくとも検出結果に応じた検出信号を出力する電極端子部を後端側に有する検出素子と、
前記検出素子の径方向周囲を取り囲むと共に、前記検出素子を保持する素子保持部材と、
自身の後端側から前記検出素子の前記電極端子部を突出させる状態で、前記素子保持部材の径方向周囲を取り囲む筒状形状に形成されると共に、自身の内面から前記素子保持部材を支持するための保持部材支持部が突出して形成された主体金具と、
少なくとも前記検出信号を外部に出力する信号経路に電気的に接続される金属端子と、
前記検出素子の後端部が挿通される挿通孔を有し、前記金属端子が前記検出素子の前記電極端子部に接続される状態で、前記挿通孔の内部で前記検出素子および前記金属端子を保持する絶縁性材料からなるコンタクト部材と、
前記検出素子の後端部および前記コンタクト部材を収容する内部空間を有すると共に、前記主体金具に後端側から連結される筒状形状の外筒と、
を備えるガスセンサであって、
前記コンタクト部材は、前記外筒の内面に当接する外筒当接支持部を少なくとも2箇所備え、前記外筒当接支持部が前記外筒の内面に当接することで自身の径方向への移動が制限されると共に、前記外筒の内面に対向する表面のうち前記外筒当接支持部以外の部分が前記外筒の内面とは当接しない形状であること、
を特徴とするガスセンサ。 - 前記検出素子は、前記軸線方向に垂直な断面において、幅方向寸法が厚み方向寸法よりも長い形状をなすと共に、
前記コンタクト部材は、前記軸線方向に垂直な断面において、前記検出素子の幅方向の中央位置を通ると共に前記検出素子の厚さ方向に延びる境界線により仕切られる2つの領域のそれぞれに、少なくとも1つの前記外筒当接支持部が形成されており、
前記外筒は、前記外筒当接支持部において、前記コンタクト部材を前記検出素子の幅方向に挟むように支持すること、
を特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記保持部材支持部のうちで後端側に位置する保持部材支持面は、前記主体金具の中心軸線方向の先端側ほど径方向内側に位置するテーパ面をなし、前記保持部材支持面と前記中心軸線方向とのなす角度が10度から80度であること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。 - 前記コンタクト部材および前記素子保持部材は、互いに接する当接部をそれぞれ有しており、
前記当接部は、前記コンタクト部材の中心軸線と、前記素子保持部材が保持する前記検出素子の中心軸線とが同一線上となるように、前記コンタクト部材と前記素子保持部材との相対位置を位置決めする形状であること、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスセンサ。
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