JP3942745B2 - ポリウレタンフォームの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンフォームの製造法に関する。更に詳しくは、靴底等に好適に使用しうるポリウレタンフォームの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンフォームには、寸法安定性を向上させる観点から、該フォームを構成している気泡の連通化が強く望まれている。気泡が連通化されたポリウレタンフォームを製造する際には、酸性リン酸エステル金属塩の粉末、飽和高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩、亜鉛塩等の高級脂肪酸の金属塩、ポリアミド等の熱可塑性樹脂の粉末等の気泡連通化剤を使用することが提案されている(特公平7-21035 号公報、特開平7-110097号公報、特開昭57-80436号公報)。
【0003】
しかしながら、これらの気泡連通化剤は、配合時に固体のままで使用するため、ポリオール成分中に均一に分散させることが困難であるばかりでなく、均一に分散させたとしても長期間貯蔵している間に沈降や分離が起きる。また、該気泡連通化剤は、ウレタンフォームを製造する際に、配管内等で詰まりを起こす等の不具合を招来するおそれがあるため、工業的な製造法に好ましいものではない。
【0004】
更に、該気泡連通化剤を用いてポリウレタンフォームを製造した場合、該気泡連通化剤の沈降や分離等によりポリオール成分の組成変化を引き起こすため、連通気泡を有し、寸法安定性に優れたポリウレタンフォームの安定生産が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、連通気泡を有し、寸法安定性に優れたポリウレタンフォームを製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
(1) ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、(A)触媒、(B)発泡剤、及び(C)オルガノポリシロキサンセグメントの末端または側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して式(I):
【0007】
【化3】
【0008】
〔式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基又は炭素数6〜22のアリール基、nは2又は3を示す〕で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合しているオキサゾリン変性オルガノポリシロキサンの存在下で、反応させるポリウレタンフォームの製造法、並びに
(2)前記製造法によって得られたポリウレタンフォーム、
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
ポリオール成分としては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール等が挙げられる。
【0012】
ポリエステル系ポリオールを構成するジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の飽和脂環属ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラブロモフタル酸等のハロゲン含有ジカルボン酸;これらのエステル形成性誘導体、これらの酸無水物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、該ジカルボン酸には、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能以上の多塩基酸が所望により含有されていてもよい。
【0013】
ポリエステル系ポリオールを構成するジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、メチルペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、ソルビトール等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0014】
ポリエーテル系ポリオールの代表例としては、ポリオキシプロピレン系ポリオール(以下、PPGという)、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGという)及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0015】
PPGは、2以上の活性水素原子を有する化合物を出発原料とし、これに通常のアルキレンオキシドの開環付加反応を行い、更にエチレンオキシドを分子末端にブロック的に付加する方法等によって製造することができる。
【0016】
2以上の活性水素を有する化合物としては、例えば、多価アルコール、多価フェノール、ポリアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。2以上の活性水素を有する化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、デキストロース、シュークロース、ビスフェノールA、エチレンジアミン、それらの変性物等が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は混合して用いることができる。
【0017】
アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。
【0018】
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート、それらの混合物、それらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。その具体例としては、トリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;水添メチレンジフェニルジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;それらの混合物;それらの変性体等が挙げられる。変性体としては、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物であるプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビュレット変性体等が挙げられる。
【0019】
(A)触媒としては、例えば、TEDA〔1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン〕、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ビス(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、ビス(N,N−ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N−ジメチル−β−フェニルエチルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等の3級アミン、ジブチル錫ジラウレート、オレイン酸第1錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛等の有機金属化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
触媒の使用量は、ポリオール成分100部〔重量部、以下同様〕に対して、脱型性の観点から、0.3部以上、好ましくは0.5部以上であることが望ましく、また充填性及び成形性の観点から、2.0部以下、好ましくは1.6部以下であることが望ましい。
【0021】
(B)発泡剤としては、例えば、水、炭化水素化合物、クロロフルオロカーボン、水素化フルオロカーボン等が挙げられる。これらの中では、水単独が好ましいが、必要により、水とハロゲン化炭化水素や炭化水素等の低沸点化合物とを併用してもよい。
【0022】
発泡剤の使用量は、ポリオール成分100部に対して、成形密度を低下させる観点から、0.3部以上、好ましくは0.5部以上であることが望ましく、また樹脂化及び泡化の反応バランス並びに成形性の観点から、2.0部以下、好ましくは1.8部以下であることが望ましい。
【0023】
本発明においては、気泡連通化剤として、(C)オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンが用いられている点に、1つの大きな特徴がある。該オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンは、常温常圧で固体であるが、従来の気泡連通化剤とは異なり、水や低級アルコール等と均一に混合、分散する性質を有し、配合時には液状を保っており、ポリオール成分中に容易に分散させることが可能である。したがって、該オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンを用いた場合には、均一な連通気泡を有するポリウレタンフォームを得ることができる。
【0024】
オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンとしては、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して式(I)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントが結合しているものが用いられる。
【0025】
オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンの例としては、例えば、特開平7-133352号公報の7欄16行〜9欄50行及び18欄22行〜20欄40行に記載のものが挙げられる。
【0026】
オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を有する変性オルガノポリシロキサンとしては、例えば、式(II) :
【0027】
【化5】
【0028】
〔式中、各R2 はそれぞれ独立して炭素数1〜22の飽和アルキル基又はフェニル基、R3 及びR4 はそれぞれR2 と同一の基を示すか又は式(III) :
【0029】
【化6】
【0030】
で表される基、R5 は式(III) で表される基、p1 は100〜4000の整数、q1 は1〜300の整数を示す〕で表される変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0031】
ヘテロ原子を含むアルキレン基としては、窒素原子、酸素原子及びイオウ原子から選ばれた1種以上を1〜3個有する炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられる。その具体例としては、
【0032】
【化7】
【0033】
〔式中、X- は4級アンモニウム塩の対イオンを示す〕で表されるものが挙げられる。
【0034】
式(I)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)において、好ましいR1 は、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数3〜22のシクロアルキル基;フェニルアルキル基、ナフチルアルキル基等の炭素数7〜22のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、アルキル置換フェニル基等の炭素数6〜22のアリール基等である。
【0035】
ポリ(N−アシルアルキレンイミン)は、式:
【0036】
【化8】
【0037】
〔式中、R1 及びnは前記と同じ〕
で表される環状イミノエーテルを開環重合させることにより得られる。
【0038】
環状イミノエーテルの開環重合は、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硫酸等の強酸のメチル、エチル、3−プロペニル、ベンジルエステル等の求電子反応性の強い化合物を開始剤として用いることによって行うことができる。
【0039】
環状イミノエーテルとして、2−置換−2オキサゾリンを用いた場合、ポリ(N−アシルエチレンイミン)〔式(I)中、nが2〕が得られ、2−置換−2オキサゾリンを用いた場合、ポリ(N−アシルプロピレンイミン)〔式(I)中、nが3〕が得られる。
【0040】
オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、変性オルガノポリシロキサンと、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)とを反応させることにより、製造することができる。
【0041】
変性オルガノポリシロキサンと、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)との反応は、例えば、カルボキシル基と水酸基との縮合によるエステルの形成反応、カルボキシル基とアミノ基との縮合によるアミドの形成反応、ハロゲン化アルキル基と1級、2級又は3級アミノ基とによる2級、3級又は4級アンモニウムの形成反応、Si−H基のビニル基への付加反応、エポキシ基とアミノ基とによるβ−ヒドロキシアミン形成反応等の種々の方法によって行なうことができる。これらの方法の中では、例えば、特開平2-276824号公報、特開平4-85334 号公報、特開平4-85335 号公報、特開平4-96933 号公報等に開示されているように、環状イミノエーテルをカチオン開環重合させて得られた末端反応性ポリ(N−アシルアルキレンイミン)と、式(II)で表わされるオルガノポリシロキサン、即ち側鎖に前記置換基を有する変性オルガノポリシロキサンとを反応させる方法が簡便かつ有効である。
【0042】
オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンにおいて、変性オルガノポリシロキサンセグメント/ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント〔重量比〕は、連通化作用発現の観点から、60/40〜98/2、好ましくは80/20〜98/2、特に好ましくは80/20〜96/4とすることが望ましい。
【0043】
オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、連通化作用発現の観点から、10000以上、好ましくは50000以上とすることが望ましく、また該オキサゾリン変性オルガノポリシロキサン自体の製造を容易にする観点から、1000000以下、好ましくは300000以下であることが望ましい。
【0044】
オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンの使用量は、ポリオール成分100部に対して、連通化作用発現の観点から、0.01部以上、好ましくは0.05部以上であることが望ましく、また破断強度保持及び表面の外観性の観点から、5部以下、好ましくは3部以下であることが望ましい。
【0045】
本発明においては、必要により、例えば、整泡剤、架橋剤、顔料、酸化防止剤、黄変防止剤等の添加剤を適量で用いることができる。
【0046】
整泡剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジメチルポリシロキサン、アルキレングリコール変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、脂肪酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩、スルホン酸塩等の陰イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0047】
架橋剤としては、水酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、その他のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を2個以上有する低分子化合物等が挙げられる。その具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等の多価アルコール、ジエチルトルエンジアミン、クロロジアミノベンゼン、エチレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等のポリアミン等が挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。これらの架橋剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0048】
ポリウレタンフォームを製造する方法としては、例えば、触媒、発泡剤、オキサゾリン変性オルガノポリシロキサン及びその他の添加剤をあらかじめ混合、攪拌したポリオール溶液と、ポリイソシアネート成分とを成形機により、混合、攪拌し、成形型内に注入し、発泡させる方法等が挙げられる。より具体的には、ポリオール成分をタンク等を用いて混合、攪拌し、通常、40℃程度に調温した後、自動混合注入型発泡機、自動混合型射出発泡機等の発泡機を用いてポリイソシアネート化合物と反応、発泡させる方法等が挙げられる。
【0049】
ポリオール成分とポリイソシアネート成分との割合は、通常、イソシアネートインデックスが95〜110となるように調整することが好ましい。
【0050】
本発明の製造法によって得られたポリウレタンフォームは、連通気泡性を有し、寸法安定性に優れているので、靴底等に好適に使用しうるものである。
【0051】
【実施例】
製造例1
硫酸ジエチル2.97g(0.0192モル)と2−エチル−2−オキサゾリン51.4g(0.518モル)を脱水した酢酸エチル60gに溶解し、窒素雰囲気下で4時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を調製した。
【0052】
次に、得られた末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)に、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量110000、アミン当量20800)400g(アミノ基にして0.0192モル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、8時間加熱還流した。
【0053】
得られた反応混合物を減圧濃縮し、淡黄色ゴム状固体としてN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体〔以下、オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンAという〕445gを得た(収率98%)。その重量平均分子量は115000であった。また、溶媒としてメタノールを使用した塩酸により中和滴定の結果、アミノ基は残存していないことがわかった。
【0054】
製造例2
硫酸ジエチルの使用量を3.56g(0.0230モル)に、2−エチル−2−オキサゾリンの使用量を27.5g(0.277モル)に変更した以外は、製造例1と同様に反応を行い、淡黄色ゴム状固体としてN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体〔以下、オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンBという〕428gを得た(収率99%)。その重量平均分子量は115000であった。また、溶媒としてメタノールを使用し、塩酸により中和滴定の結果、アミノ基が残存していないことがわかった。
【0055】
実施例1〜8及び比較例1〜2
各実施例及び比較例で使用した成分は、以下のとおりである。
【0056】
〔ポリオール成分〕
ポリオールA:ポリエステルポリオール(ポリエチレン−1,4−ブタンジオールアジペート、数平均分子量2200)40部及びポリエステルポリオール(ポリエチレン−1,4−ブタンジオールアジペート、数平均分子量1300)60部を60℃に調温し、混合したもの〔酸価:0.21KOHmg/g、水酸基価:72.3KOHmg/g、水分量:0.82重量%〕
ポリオールB:保土谷化学工業(株)製、商品名:PTG−2000SNW
【0057】
〔ポリイソシアネート成分〕
ポリイソシアネート化合物A:花王(株)製、商品名:エディフォームB−2009
ポリイソシアネート化合物B:花王(株)製、商品名:エディフォームB−6106M
【0058】
〔触媒〕
TEDA〔1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン〕
【0059】
〔架橋剤〕
エチレングリコール
【0060】
〔整泡剤〕
ポリアルキルシロキサン〔東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:SRX253〕
【0061】
〔発泡剤〕
水
【0062】
表1に示したポリオール成分、触媒、架橋剤、整泡剤、発泡剤及びオキサゾリン変性オルガノポリシロキサンA又はBを所定量秤量し、混合、攪拌してポリオール成分を含有するポリオール溶液を調製した。
【0063】
ポリオール溶液とポリイソシアネート化合物の配合割合を表わすイソシアネートインデックスは、式:
〔イソシアネートインデックス〕
=100×〔〔実際に使用されたイソシアネート量(重量部)〕
÷〔化学量論的にポリオール量と等当量とされるイソシアネート量(重量部)〕〕
に従って求めた。
【0064】
次に、ポアリング型の低圧発泡機の一方のタンクに、表1に示す配合量のポリオール溶液を入れ、その液温を35〜45℃に調整した。
【0065】
もう一方のタンクにポリイソシアネート成分を入れ、その液温を35〜40℃に調整した。
【0066】
前記発泡機を用い、ポリオール溶液とポリイソシアネート化合物とを混合、攪拌し、カップに一定量注入し、発泡させ、フリーフォームのポリウレタンフォームを得た。
【0067】
得られたポリウレタンフォームの物性を以下の方法に従って求めた。
〔フリーフォーム密度〕
ポリウレタンフォームの成形品を作製後、カップよりはみ出している部分を除き、内容物を取り出し、その重量を測定した。この重量をカップの体積で除して密度を算出した。
【0068】
〔寸法安定性〕
得られた当初のポリウレタンフォームの体積(X1 )と、−30℃の低温槽、25℃の恒温槽(相対湿度95%)又は70℃の恒温槽(相対湿度95%)に24時間放置した後のポリウレタンフォームの体積(X2 )とを調べた後、体積変化率を式:
〔体積変化率(%)〕=100×〔1−X2 /X1 〕
に従って求め、以下の判定基準に基づいて評価した。
【0069】
(判定基準)
○:体積変化率2%未満
△:体積変化率2%以上5%未満
×:体積変化率5%以上
【0070】
〔連通気泡化率〕
寸法安定性に用いたポリウレタンフォームを成形後24時間放置してポリウレタンフォーム中心部分を切断し、その切断面の一定面積(10mm×10mm)について35倍でSEM(走査型電子顕微鏡)画像を撮影した。連通気泡化率を式:
〔連通気泡化率(%)〕=100×(断面の一定面積中の連通化している気泡数/断面の一定面積中の気泡数)に従って求めた。
【0071】
【表1】
【0072】
表1に示された結果から、実施例1〜8で得られたポリウレタンフォームは、オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンが用いられているので、ポリオールA〔エステル系〕及びポリオールB〔エーテル系〕のいずれのポリオールを用いた場合であっても、ポリウレタンフォームの体積変化率が非常に小さく、寸法安定性に優れ、連通気泡を有することがわかる。
【0073】
一方、比較例1〜2で得られたポリウレタンフォームは、オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンが用いられていないので、ポリウレタンフォームに連通気泡がなく、寸法安定性に劣るものであることがわかる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、連通気泡を有し、寸法安定性に優れたポリウレタンフォームを製造することができるという効果が奏される。
Claims (4)
- (C)オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンにおいて、オルガノポリシロキサンセグメント/ポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメント〔重量比〕が60/40〜98/2である請求項1記載の製造法。
- (C)オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量が10000〜1000000である請求項1又は2記載の製造法。
- 請求項1〜3いずれか記載の製造法によって得られたポリウレタンフォーム。
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JP2000086739A (ja) | 2000-03-28 |
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