JP3942567B2 - 塗膜の乾燥装置、乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両等に塗布した塗膜を短時間で乾燥させる塗膜の乾燥装置および乾燥方法に関する。
従来、車両に対する塗装作業において、車両に塗布された塗膜を乾燥させる工程がある。通常、この工程では塗膜に赤外線を照射して乾燥させる赤外線式乾燥装置や、灯油やガス等を燃焼させて温風を塗膜面に送り乾燥させる温風式乾燥装置等が使用されている。また、塗膜の乾燥装置として、一端面に開口部を有する筐体と、この筐体内に設けられた塗膜面に対し赤外線を放射する赤外線ランプと、筐体内の空気を開口部を介して塗膜面に送風する送風機と、この送風機により塗膜面に送風された空気のうちの少なくとも一部を、再度筐体内に流入させる循環路と、上記筐体内に外気を導く外気導入路と、上記循環路を経て筐体内に再流入する空気の流量を調節する流量調節機構とを備えた乾燥装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2002−243366号公報
従来の赤外線式乾燥装置においては、塗膜を乾燥させるために赤外線を大量に照射させると、塗膜温度が上昇し過ぎて塗膜が変質し、乾燥後の塗膜の品質が劣化する場合がある。また、温風式乾燥装置においては、塗膜を温風のみで暖めるか、温風に加えて灯油等の燃焼により発生する僅かな赤外線を照射して乾燥させるので、塗膜が乾燥するのに最も必要な遠赤外線が殆ど照射されず、従って塗膜の乾燥を効率よく行うことができない。
特許文献1による乾燥装置においては、温風を循環することで外気温度が変化しても一定の温風を送風することが可能であるが、塗膜の乾燥に最も重要な要素である遠赤外線を殆ど照射することができず、塗膜の効率的な乾燥を行うことができない。また、循環する温風を塗膜に与えるので、循環空気の温度が上昇し過ぎて塗膜が過熱状態になり変質する場合がある。また、循環する空気は塗膜から蒸発した溶剤を含んで塗膜に照射されるので、この照射される空気内の溶剤の蒸気圧は外気よりも高く、従って塗膜から溶剤が蒸発し難く、塗膜の乾燥が遅くなる場合がある。
塗料の性質から、乾燥という概念を考えると、
(1) 塗料中の溶剤が完全に蒸発すること、
(2) 塗料の中の樹脂結合が完全に行なわれること、
以上の2点となる。
上記(1)に関しては、溶剤が蒸発する際に効果的に影響が出る要因を溶剤の種類により
(ア) 風で蒸発する性質のもの
(イ) 熱量で蒸発するもの
(ウ) 吸収スペクトルで蒸発するもの
(エ) 風と熱量の相反作用で蒸発するもの

以上の4項目に大別することができる。
また、上記(2)に関しては、塗料の重合硬化は何により促進させられるかと言えば
(オ) 熱量によるラジカル運動の補完による分子量の活発な動きで乾燥する。
(カ) 樹脂の分子量が互いに結びつく状態での励起運動の促進、いわゆる分子量が好む吸収スペクトルと光が放つ放射スペクトルの最適な結びつきにより乾燥する。
(キ) 樹脂・顔料を希釈、分散させている溶剤の被塗膜上への蒸発状態のメカニズムにより、乾燥促進が左右される。

以上の様なことを根本にそれらの問題点を解決することが必要であり、更なる付加機能を持ったヒータの開発が要望される。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、塗膜を変質させることなく、塗膜をより効率よく、かつより短時間に乾燥させることができる塗膜の乾燥装置、乾燥方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、正面反射体および該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる反射区画体を有する筐体と、発熱部を前記筐体の前記正面反射体の前方側に配設し、前記発熱部の両端の各端子部を前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の通気空間乃至所要の送風用空間にそれぞれ突出させて配設してなり、前記発熱部をもって塗膜に遠赤外線を照射するヒータ管と、前記筐体の背後側より送風を与える送風手段を備え、前記送風手段が、前記ヒータ管の発熱により前記塗膜が達した温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つよう送風を行うと共に、前記筐体の前記通気空間または前記所要の送風用空間に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるように構成してなることを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる複数の反射区画体を所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙毎に区画して配列した筐体と、前記各々の反射区画体に対し、発熱部を前記正面反射体の前方側に配設し、両端の端子部を前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の前記所要の送風用空間乃至送風用間隙にそれぞれ突出させて配設してなり、前記発熱部をもって塗膜に遠赤外線を照射する複数のヒータ管と、前記筐体の背後側より送風を与える送風手段を備え、前記送風手段が、前記ヒータ管の発熱により前記塗膜が達した温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つよう送風を行うと共に、前記筐体の前記通気空間または前記所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるように構成してなることを特徴とする。
た、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記筐体の背後もしくは前記送風手段の背後の吸気側の位置に除塵用のフィルタを配設してなることを特徴とする
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記送風手段、前記各ヒータ管の発熱開始より所定時間の経過後に起動し前記塗膜に略1.0〜3.00m/s、望ましくは略1.2m/s以上の送風を与えることを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記各ヒータ管、発熱開始後に前記塗膜の温度を略100℃乃至は130℃程度に加熱することを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記筐体、アーム手段により上下方向に移動可能であるとともに、前記アーム手段の先端側付近において水平軸及び垂直軸を中心に回動可能に取付けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記各ヒータ管の発熱開始後の前記所定時間の経過を計時する計時部を備え、該計時部を介して前記送風手段を起動させることを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記筐体と前記塗膜との間の距離を入力する入力手段と、該入力手段に入力された前記距離の値に基づいて前記送風手段の送風能力を調整する調整手段とを備え、前記調整手段は、前記距離の入力に応じて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように調整することを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記筐体と前記塗膜との間の距離を測定する測定手段と、該測定手段の測定結果に基づいて前記送風手段の送風能力を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記測定手段の測定結果に応じて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように制御することを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記塗膜の成分名を選択入力する成分名選択部を備え、前記調整手段または前記制御手段は、前記選択入力された成分名に対応して前記計時部の計時時間、前記ヒータ管が発する発熱量、放射スペクトル波長および前記送風手段の送風能力を調整または制御することを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記調整手段または前記制御手段、前記ヒータ管を発熱させた後前記所定時間の経過時に、該ヒータ管を該ヒータ管が発する放射スペクトル波長が前記塗膜を乾燥させるのに最適な放射スペクトル波長となるように調整または制御することを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記調整手段または前記制御手段、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管及び前記送風手段を停止させることを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥装置は、前記ヒータ管と前記塗膜面との間の距離を40〜70cmに設定したことを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、筐体の正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる反射区画体に対し、発熱部の両端の端子部を、前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の通気空間にそれぞれ突出させて配設した遠赤外線を発し得るヒータ管を発熱させ、該発熱及び放射スペクトル波長を塗膜に照射し、
前記ヒータ管の発熱開始から所定時間の経過後に、送風手段から送風を行って、前記塗膜が前記発熱で達した所定温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つようにすると共に、前記筐体の前記通気空間に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、筐体の正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる一または複数の反射区画体を所要の通気空間乃至所要の送風用間隙毎に区画するとともに、前記各々の反射区画体に対し、発熱部の両端の端子部を、前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の所要の通気空間または所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙にそれぞれ突出させて配設した遠赤外線を発し得るヒータ管を発熱させ、該発熱及び放射スペクトル波長を塗膜に照射し、
前記所要数乃至全数の各ヒータ管の発熱開始後の所定時間の経過後に、送風手段から送風を行って、所要の通気空間または所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙を通して前記各ヒータ管の両端の各端子部を冷却しながら該筐体の前方の前記塗膜に、該塗膜が達した所定温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記各ヒータ管を、発熱開始後に前記塗膜の温度を100℃乃至は130℃程度に加熱するように駆動するようにしてもよい。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記筐体の背後もしくは前記送風手段の背後(吸気)側の位置の除塵用のフィルタにより前記乾燥処理中の前記塗膜の品質を保護するようにしてもよい。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記送風手段が、前記塗膜に1.2m/s以上の送風を行うようにしてもよい。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記筐体と前記塗膜との間の距離を入力し、該入力値に基づいて前記送風手段の送風能力を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように調整するようにしてもよい。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記筐体と前記塗膜との間の距離を電磁的乃至光学的に測定し、該測定結果に基づいて前記送風手段の送風能力を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように制御するようにしてもよい。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記塗膜の成分名を選択入力し、該成分名に対応して前記各ヒータ管が発する発熱量、放射スペクトル波長および前記送風手段の送風能力を制御するようにしてもよい。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記各ヒータ管を発熱させた後の前記所定時間の経過時に、該ヒータ管が発する放射スペクトル波長が前記塗膜を乾燥させるのに最適な放射スペクトル波長となるように該ヒータ管を制御するようにしてもよい。
また、本発明に係る塗膜の乾燥方法は、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管および前記送風手段を停止させるようにしてもよい。
本発明に係る塗膜乾燥プログラムは、遠赤外線を発生するヒータ管を最大能力で発熱させるステップと、前記ヒータ管の発熱開始後に所定時間を計測するステップと、前記所定時間の計測後に送風手段を起動し塗膜に略1.2m/s以上の送風を与え該塗膜の温度を略10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保たせるステップとを含む。
また、本発明に係る塗膜乾燥プログラムは、遠赤外線を発生するヒータ管を最大能力で発熱させるステップと、前記ヒータ管の発熱開始後に所定時間を計測するステップと、 前記所定時間の計測後に送風手段を起動し前記ヒータ管の各端子部を冷却しながら塗膜に1.2m/s以上の送風を与え該塗膜の温度を略10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保たせるステップとを含む。
また、本発明に係る塗膜乾燥プログラムは、前記筐体と前記塗膜との間の距離を入力するステップと、該距離の値に基づいて前記送風手段の送風能力を調整するステップとを含む。
また、本発明に係る塗膜乾燥プログラムは、前記筐体と前記塗膜との間の距離を電磁的乃至光学的に測定するステップと、該測定結果に基づいて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように制御するステップとを含む。
また、本発明に係る塗膜乾燥プログラムは、前記塗膜の成分名を選択入力するステップと、該選択入力された成分名に対応して前記計測時間、前記ヒータ管が発する熱量乃至吸収スペクトル波長および前記送風手段の送風能力を制御するステップとを含む。
また、本発明に係る塗膜乾燥プログラムは、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管および前記送風手段を停止させるステップを含む。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明によれば、正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる反射区画体を有する筐体と、
発熱部を前記筐体の前記正面反射体の前方側に配設し、両端の端子部を前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の通気空間乃至所要の送風用空間にそれぞれ突出させて配設してなり、前記発熱部をもって塗膜に遠赤外線を照射するヒータ管と、
前記筐体の背後側より送風を与える送風手段を備え、
前記送風手段が、前記ヒータ管の発熱により前記塗膜が達した温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つよう送風を行うと共に、
前記筐体の前記通気空間または前記所要の送風用空間に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるように構成してなるので、
前記端子部を冷却しながら前記発熱部を発熱させることが可能であり、塗膜を変質させることなく、これにより発熱体をより高温に発熱させることが可能で、最大限の有効波長域を生じさせ、しかもヒータ管の寿命が大幅に延長化されると共に、塗膜の乾燥時間を最も短縮する環境を提供することが可能となる。
また、請求項2に記載の本発明によれば、正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる複数の反射区画体を所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙毎に区画して配列した筐体と、
前記各々の反射区画体に対し、発熱部を前記正面反射体の前方側に配設し、両端の端子部を前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の前記所要の送風用空間乃至送風用間隙にそれぞれ突出させて配設してなり、前記発熱部をもって塗膜に遠赤外線を照射する複数のヒータ管と、
前記筐体の背後側より送風を与える送風手段を備え、
前記送風手段が、前記ヒータ管の発熱により前記塗膜が達した温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つよう送風を行うと共に、
前記筐体の前記通気空間または前記所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるように構成してなるため、各ヒータ管の端子部を冷却しながら複数のヒータ管の各発熱部のより高温の発熱をもって塗膜の広い面積をより短時間に乾燥させることが可能となると共に、温度を一定に保つよう送風を行うため、塗膜の乾燥時間を最も短くする環境を提供することができる
また、請求項に記載の本発明によれば、前記筐体の背後もしくは前記送風手段の背後の吸気側の位置に除塵用のフィルタを配設してなるため、送風により塗膜の品質を損なうことを有効に防止することが可能である。
また、請求項に記載の本発明によれば、前記送風手段は、前記各ヒータ管の発熱開始より所定時間の経過後に起動し前記塗膜に略1.0〜3.00m/s、望ましくは略1.2m/s以上の送風を与えるため、塗膜の温度を10℃〜20℃低下させることを効率よく行うことが可能である。
また、請求項に記載の本発明によれば、前記各ヒータ管は、発熱開始後に前記塗膜の温度を略100℃乃至は130℃程度に加熱するため、塗膜の乾燥時間を短くするのに好適であり、塗膜の劣化をも生じさせる虞がなく、使用に際し信頼性を確保することが可能である。
また、請求項に記載の本発明によれば、前記筐体は、アーム手段により上下方向に移動可能であるとともに、前記アーム手段の先端側付近において水平軸および垂直軸を中心に回動可能に取付けられているため、ヒータ管の発熱を所望の位置に向けることが可能である。
また、請求項に記載の本発明によれば、前記各ヒータ管の発熱開始後の前記所定時間の経過を計時する計時部を備え、該計時部を介して前記送風手段を起動させるようにしたため、乾燥処理の管理から離れていても自動的に送風を開始することが可能で、塗膜を加熱し過ぎることがなく、高い信頼性を確保することができる。
また、請求項に記載の本発明によれば、前記筐体と前記塗膜との間の距離を入力する入力手段と、該入力手段に入力された前記距離の値に基づいて前記送風手段の送風能力を調整する調整手段とを備え、前記調整手段は、前記距離の入力に応じて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように調整するため、常に安定した乾燥処理を行なうことができ、取り扱いが極めて容易になる。
また、請求項に記載の本発明によれば、前記筐体と前記塗膜との間の距離を測定する測定手段と、該測定手段の測定結果に基づいて前記送風手段の送風能力を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記測定手段の測定結果に応じて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように制御するため、同じく常に安定した乾燥処理を行なうことができ、取り扱いが極めて容易になる。
また、請求項10に記載の本発明によれば、前記塗膜の成分名を選択入力する成分名選択部を備え、前記調整手段または前記制御手段は、前記選択入力された成分名に対応して前記計時部の計時時間、前記ヒータ管が発する発熱量、放射スペクトル波長および前記送風手段の送風能力を調整または制御するため、乾燥処理の信頼性を高め、より扱い易くなり利便性に優れる利点がある。
また、請求項11に記載の本発明によれば、前記調整手段または前記制御手段は、前記ヒータ管を発熱させた後前記所定時間の経過時に、該ヒータ管を該ヒータ管が発する放射スペクトル波長が前記塗膜を乾燥させるのに最適な放射スペクトル波長となるように調整または制御するため、塗膜の乾燥時間をより短縮させることが可能である。
また、請求項12に記載の本発明によれば、前記調整手段または前記制御手段は、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管および前記送風手段を停止させるため、作業者は乾燥処理を管理し続ける必要がなく、乾燥処理中に他の処理に専念することが可能であり、より効率性を高めることが可能である。
また、請求項13に記載の本発明によれば、前記ヒータ管と前記塗膜面との間の距離を40〜70cmに設定するため、乾燥効率を高めより短時間に乾燥させることが可能である。
また、請求項14に記載の本発明の塗膜の乾燥方法によれば、筐体の正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる反射区画体に対し、発熱部の両端の端子部を、前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の通気空間にそれぞれ突出させて配設した遠赤外線を発し得るヒータ管を発熱させ、該発熱及び放射スペクトル波長を塗膜に照射し、
前記ヒータ管の発熱開始から所定時間の経過後に、送風手段から送風を行って、前記塗膜が前記発熱で達した所定温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つようにすると共に、前記筐体の前記通気空間に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるようにしたため、発熱部をより高温に発熱させても端子部分が熱で劣化することがなく、最大限の有効波長域をもったヒータ管が得られ、
延いては、最も効率よく、かつより短時間に塗膜を乾燥させることが可能となる。
また、請求項15に記載の本発明の塗膜の乾燥方法によれば、筐体の正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる一または複数の反射区画体を所要の通気空間乃至所要の送風用間隙毎に区画するとともに、前記各々の反射区画体に対し、発熱部の両端の端子部を、前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の所要の通気空間または所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙にそれぞれ突出させて配設した遠赤外線を発し得るヒータ管を発熱させ、該発熱及び放射スペクトル波長を塗膜に照射し、
前記所要数乃至全数の各ヒータ管の発熱開始後の所定時間の経過後に、送風手段から送風を行って、所要の通気空間または所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙を通して前記各ヒータ管の両端の各端子部を冷却しながら該筐体の前方の前記塗膜に、該塗膜が達した所定温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つようにしたため、発熱部をより高温に発熱させても端子部分が熱で劣化することがなく、最大限の有効波長域をもったヒータ管が得られ、
延いては、最も効率よく、かつより短時間に広い面積の塗膜を乾燥させることが可能となる。
また、本発明の方法によれば、前記各ヒータ管を、発熱開始後に前記塗膜の温度を100℃乃至は130℃程度の絶対的被塗面への熱量を与える能力により加熱するため、塗膜の乾燥時間を短くするのに好適であり、塗膜の劣化をも生じさせる虞がなく、使用に際し信頼性を確保することが可能である。
また、本発明の方法によれば、前記筐体の背後もしくは前記送風手段の背後(吸気)側の位置の除塵用のフィルタにより前記乾燥処理中の前記塗膜の品質を保護するようにしたため、乾燥処理に際し塗膜の品質が損なわれることがなく、信頼性を高めることができる。
また、本発明の方法によれば、前記送風手段が、前記塗膜に1.2m/s以上の送風を行うため、塗膜の温度を10℃〜20℃低下させるのに好適な送風が可能となり、最適な乾燥環境を提供することができる。
また、本発明の方法によれば、前記筐体と前記塗膜との間の距離を入力し、該入力値に基づいて前記送風手段の送風能力を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように調整するため、ヒータ管と塗膜の間の距離を設定する作業を不要とすることができ、利便性に優れる。
また、本発明の方法によれば、前記筐体と前記塗膜との間の距離を電磁的乃至光学的に測定し、該測定結果に基づいて前記送風手段の送風能力を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように制御するため、ヒータ管と塗膜との間の距離を測定する作業が不要であり更に利便性に優れる利点がある。
また、本発明の方法によれば、前記塗膜の成分名を選択入力し、該成分名に対応して前記各ヒータ管が発する発熱量、放射スペクトル波長および前記送風手段の送風能力を制御するため、塗膜の成分毎に最適な乾燥処理を行なうことができる。
また、本発明の方法によれば、前記各ヒータ管を発熱させた後の前記所定時間の経過時に、該ヒータ管を該ヒータ管が発する放射スペクトル波長が前記塗膜を乾燥させるのに最適な放射スペクトル波長となるように制御するため、最適な乾燥環境の下、最も短時間の乾燥処理を行なうことができる。
また、本発明の方法によれば、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管および前記送風手段を停止させるため、乾燥装置を常時監視する必要がなく、他の作業に専念しても安心して高品質の乾燥処理を行なうことができる。
また、本発明の方法によれば、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管および前記送風手段を停止させるため、常時管理する必要がなく、他の作業に安心して専念することができ、効率性を高めることができる。
また、本発明の塗膜乾燥プログラムによれば、遠赤外線を発生するヒータ管を最大能力で発熱させるステップと、前記ヒータ管の発熱開始後に所定時間を計測するステップと、前記所定時間の計測後に送風手段を起動し塗膜に略1.2m/s以上の送風を与え該塗膜の温度を略10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保たせるステップとを含むため、塗膜の乾燥時間を最も短くする環境を提供することができ、乾燥効率を大幅に向上させることが可能である。
また、本発明の塗膜乾燥プログラムによれば、遠赤外線を発生するヒータ管を最大能力で発熱させるステップと、前記ヒータ管の発熱開始後に所定時間を計測するステップと、 前記所定時間の計測後に送風手段を起動し前記ヒータ管の各端子部を冷却しながら塗膜に1.2m/s以上の送風を与え該塗膜の温度を略10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保たせるステップとを含むため、ヒータ管の端子部を送風で十分に冷却しヒータ管の発熱部を最大の能力で発熱させ、高効率で塗膜を加熱することが可能であり、かつ過熱後に塗膜の温度を10℃〜20℃に低下させ、最良の乾燥環境を提供することができる。
また、本発明の塗膜乾燥プログラムによれば、前記筐体と前記塗膜との間の距離を入力するステップと、該距離の値に基づいて前記送風手段の送風能力を調整するステップとを含むため、自動的に塗膜の温度を上述の温度に制御することが可能で、常時監視する必要がなく、利便性に優れる。
また、本発明の塗膜乾燥プログラムによれば、前記筐体と前記塗膜との間の距離を電磁的乃至光学的に測定するステップと、該測定結果に基づいて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように制御するステップとを含むため、より利便性に優れる効果がある。
また、本発明の塗膜乾燥プログラムによれば、前記塗膜の成分名を選択入力するステップと、該選択入力された成分名に対応して前記計測時間、前記ヒータ管が発する熱量乃至吸収スペクトル波長および前記送風手段の送風能力を制御するステップとを含むため、同じくより利便性に優れる効果がある。
また、本発明の塗膜乾燥プログラムによれば、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管および前記送風手段を停止させるステップを含むため、他の作業に専念しても安心して乾燥処理を行なうことができる。
以下、添付図面を参照し本発明の実施の形態に係る塗膜の乾燥装置を説明する。まず塗膜における最良な乾燥状態を得るためには、ただ単に熱量を無闇に与えればよいわけではなく、本発明者が鋭意解明したところによると、重合性塗料(即ちウレタン2液等)が必要とする最適温度は、60℃〜70℃(最高80℃)であり、この程度前後の熱量を規則的に与えることが好ましい。このためにどのような形態をとることが最善の方法なのか、他の理論では温度センサを使用し与える熱量を制御する方法はあるが、それは所詮乾燥のメカニズムから言えば放射スペクトル(波長)の重要性が検討されていない。なぜかと言えばヒータ管において放射スペクトル波長は、熱量が大きければ大きい程その相対照射密度が多くなり、センサによりその熱量を制限して一定の温度にすることは相対照射密度の減少となる。このことは塗料の分子の励起による活性エネルギ、熱エネルギ、運動エネルギの減少となり、即ち乾燥の時間が長くなることを意味する。本発明は、その温度を一定にして、ヒータ管の熱量を下げず最大の相対照射密度を得つつ一定の温度(例えば60℃〜70℃)に保つ。
表1を参照して、ヒータ管の波長域の有効活用と塗膜の一定温度を確保するための風速と経過時間毎の塗膜温度との関係について説明する。外気温18℃、塗膜温度105℃において、風速を2.2〜2.3m/sに設定した場合、75秒経過で塗膜温度が65℃になり135秒経過で60℃になった。風速を2.6〜2.7m/sに設定した場合、75秒経過で塗膜温度が61℃になった。風速を1.0〜1.1m/sに設定した場合、360秒経過で塗膜温度が64℃になった。
Figure 0003942567
上記の検証データより、塗膜温度を常に、例えば60℃〜70℃前後に保つためには、塗膜の温度を100℃〜130℃まで加熱する必要があり、この後、塗膜を冷却することにより60℃〜70℃前後の温度に一定に保つためには、塗膜を1.0〜3.0m/sの風速、望ましくは略1.2m/s以上の風速で冷却する必要がある。数値にある程度の幅を設けるのは、乾燥状態における外気温の温度差を想定することが必要であり、風速は外的環境により非常にシビアに反応するだけでなく、電気容量の増減により変動するからである。従って、数値的にある一定の数値を限定することは難しくその作業状況にあわせた余裕を有効的に活用することが必要である。塗料の樹脂の乾燥温度にもその余裕があり、溶剤においても同様である。このようなことから塗料の乾燥状態は、ある一定の余裕を設けることにより、その乾燥の形態が変化する。このため最大の有効幅をもった設定基準を決定することにより最大の効果範囲を指定することができる。
金属板面の塗膜面の乾燥とは異なるが、マニキュアも、樹脂と溶剤(酢酸ブチル)等からなっており、常温のマニキュアと冷却したマニキュアでは、冷却したマニキュアの方が乾燥時間が1/2〜1/3に短縮することが実験的に検証された。
表2に、上述したマニキュアの乾燥試験を行った結果を示す。即ちマニキュアの温度が、常温状態(20℃〜22℃前後)、冷却保管(13℃前後)、冷蔵保管(3℃前後)、高温状態(41℃前後)の4形態、マニキュアの色が、グレイ系(5)、ピンク系(6)、イエロー系(7)、濃いピンク系(8)、グリーングレイ系(9)の5形態である場合の乾燥試験を行った結果が示されている。
Figure 0003942567
上記検証の結果、マニキュア液の温度が13℃である場合が最も速く乾燥することが確認された。また、マニキュア液温度が常温(21〜22℃)である場合、7分〜11分経たないと乾燥しないことが確認された。この検証の結果から塗膜の乾燥状態において、樹脂と溶剤の混合物であるマニキュアの乾燥に関し、液温の温度差がどのように乾燥速度に関与しているのかを考察すると、自動車補修に使用される塗料の乾燥の仕組みを推量することができる。
ヒータ管の表面(放射面)における温度の活用および送風の活用により塗膜の温度がどれだけ低下するかを測定した結果、ヒータ管の有効波長(放射スペクトル波長による温度分布)を広くすることにより二つの有効特性が得られることがわかった。即ち、一つには、有効波長の広さにより塗膜に対する温度・波長効果(乾燥効果)を最大限にすることが可能であること、もう一つには、ヒータ管そのものの熱量的な容量のアップが可能であることである。本来、従来タイプでも有効波長域を伸ばすことは可能であったが、ハード的問題により商品の耐用年数が短くなるという問題があり、本来5年前後であるものが1年〜2年と極端に短くなってしまうという問題である。
この点に関し、本発明者は、ヒータ管の端子部分が熱で劣化するという新たな原因を究明した。本発明は、この新たな原因の究明に基きヒータの端子部分を冷却することにより上記の問題を解決し、最大限の有効波長域をもったヒータ管を製作することを実現したのである。このことにより、熱量の容量向上が可能となり、例えば現状ではMAX容量が1.4Kw〜1.6Kwのものを更に1.7Kw〜1.8Kwに容量のアップが可能となり、かつヒータ管の有効波長域(有効発熱域)が800mmであるものが850mm〜900mmまで長くすることができた。また、ヒータ管の表面温度が500℃前後であったものが100℃前後アップして600℃前後にすることが可能となった。そのため、ヒータ管の相対放射密度のアップにより相対放射照度密度を大きく増大させることを可能とした。以上の結果として、ヒータ管のスペックを、容量1.7Kw〜1.8Kw、表面温度550℃〜600℃、有効長(有効発熱長)850mm〜900mm、ヒータ密度5.5前後にそれぞれすることを可能にする。このため乾燥装置として最大限の機能をもったヒータ管を製作することが可能となる。
本発明は、塗膜の最適な乾燥条件をデータリングすることにより優れた塗膜の乾燥装置を構成する。即ち、(1)最適な送風の機能を持たせた軸流ファンを構成する。(2)熱量と最適な放射スペクトルを持ったヒータ管を構成する。この2点の活用法・特質を説明する前に、現在においても熱風乾燥装置等の類似装置は、種々存在するが、各塗料に対応して最適な乾燥効果を発揮するような乾燥装置は存在しない。従来の問題点を解決する本発明の実施の形態に係る乾燥装置を説明すると、図1に模式的に示すように、照射器のバンク(熱源の大きさ)より放出される風が、塗膜に均一に送られること、風量の大きさ、風圧等の距離による違いを考察し、ヒータ管の熱量の大きさが塗膜に対して有効に働くよう構成する必要がある。
送風の効果として、溶剤の蒸発促進(風である程度蒸発促進する)、被塗面の温度を下げる効果(冷却効果)の2点が上げられる。この2点の効果がなぜヒータに必要不可欠かというと、ヒータ管の熱量・放射スペクトルの照度密度(被塗物に対する放射スペクトルの量)と被塗面の温度(絶対的な熱量)との整合、つまり乾燥というメカニズムにおいて相互補完の関係を成立させるためである。図1に示すように、被塗面(物)とバンク本体Bとの距離Rと、バンク(筐体)Bより放出される風と熱量の放射スペクトルの三間相関の構造が塗膜の乾燥において重要な要因なのである。仮に、温度を100℃〜120℃まで上昇させられるヒータ管を使用するならば、通常の乾燥装置より速いスピードで乾燥を行うことができるが、熱乾燥樹脂タイプでないものに過度の熱量を投射することは塗膜上の品質の問題(本来の性能を持った塗膜ではなくなるという問題)が懸念される。また、塗膜単体での乾燥作業であって、下地の生成が無ければ過度の熱量を与えても支障がない場合もあるが、現実問題として補修現場には適さないと考えられる。
以上の諸要因により、熱量は最高80℃以内とすることがベストであり、塗膜温度が80℃以内で最大の効力を発揮するヒータ管の選定と送風手段(ファン)の選定が必要となってくる。この相互機能の最大のマッチング性を生かしたのが、本発明の実施の形態に係るヒータであり、バンクB自体にセッティングされている熱管(ヒータ管H:図2参照)とファンが最大の効果を生み出す。要約すると、ヒータ管Hと塗膜との間の一定的距離で、風の風圧の均斉度、熱量の均斉度、放射スペクトルの照度密度の絶対量の増大、そして、熱量による塗膜温度が所定の温度、例えば80℃以下にさらされる機構となっているのである。
次に、ヒータ管Hの構造についても、塗料自体が吸収する波長域のスペクトルを備えたヒータ管が最善である。本発明に係るヒータには、吸収スペクトルとヒータ管Hが放出するスペクトルとのマッチング性を最大限(有効的)に生かす構造となっている。
図2に示すように、アルミナセラミックでコーティングされた発熱部の高熱温度が500℃〜600℃であり、放射スペクトルの波長域が塗料に最適な吸収域の波長を多く含むものである。また、アルミナセラミックのコーティング部分の厚みにより最大の放射スペクトルを生み出す効果も兼ね備えている。
最大表面温度550℃〜560℃の遠赤外線ヒータ(ヒータ管H)および最大表面温度500℃〜520℃の石英ランプを用い、風量40〜43m/min、風速180〜190m/minの送風手段(ファン)を用い、ヒータバンク(筐体)Bと送風手段との距離をパラメータとして、ヒータ部の風速と温度を実測した結果を、表3に示す。尚、風速については、風速計を用いて計測した。
Figure 0003942567
風量40〜43mのファンを使用した場合、ヒータ部における風速が距離15cm〜35cmまたは距離15cm〜40cmによって変化するが、その風速の変化によって、ヒータ部の温度も変化する。例えば、遠赤外ヒータは、その表面温度が550〜600℃であるが、例えば、表3を参照してみると、1.5m/分の風速を当てると、遠赤外ヒータは、268℃であるが、2.4m/分の風速を当てると遠赤外ヒータは、224℃に低下する。ヒータ管の端子部の冷却効果に対する役割は大きく、ヒータ管Hそのもののスペック設計において十分な根拠となり、使用における最大の効果をもたせることが可能であり、最大の耐用年数をもった高品質のヒータ管Hを製作できることが判明した。
塗膜の材料には、メタクリル酸メタル(熱硬化性アクリル樹脂塗料、非黄変性アクリルラッカーに使用、重合物にはポリメタクリル酸メチルがある)、エポキシ樹脂(エポキシレジン:分子中に2個以上のエポキシ基を含む樹脂状物質、分子の主鎖結合はエーテル結合(エステル結合を含まずエポキシ基や水酸性を含む)、フェノール樹脂(石炭酸:C6H50H:コールタール中に含まれる一種のアルコール合成樹脂(絶縁塗料、耐酸塗料))、尿素樹脂(白色正方結晶状粉末:尿素をホルムアルデヒドでメチロール化)、メラミン等があるが、この他、任意の材料を用いてもよい。
次に、図1〜図6を参照して、本発明の一実施の形態に係る塗膜の乾燥装置について説明する。
10は、正面形状が長方形状を呈する筐体で、側方より見て、前方に拡大する台形部10aと長方形状を呈する矩形部10bとからなる。この筐体10の内部には、複数(3つ)の反射区画体12を収容するための前方に拡開した奥行きを有するカバー部材14と、カバー部材14内の所定位置に対し図示しない固定片により互いに所定間隔を空けて通気空間(所要の送風用空間乃至送風用間隙)18を構成しつつ固定された複数の反射区画体12とを備える。16は、この通気空間18の出口近傍に設けられた整流板であり、吹出し空気の流れを整流する機能を果たす。
複数の反射区画体12は、各々中央正面反射体23と、上面反射体24と、下面反射体26と、(以下、これら3つの反射体を総称して「正面反射体22」という)正面反射体22の両端に位置する一対の側面反射体28から構成されている。上面反射体24、下面反射体26および一対の側面反射体28は、前方に向けて広がる方向に傾斜し、ヒータ管Hが発する熱および放射スペクトル波長を前方側に反射し得るように構成されている。一対の側面反射体28には、詳しく図示しないが互いに対照的に同位置となる位置に挿通開口が穿設されている。そして、この一対の側面反射体28の一対の挿通開口(図示省略)には、ヒータ管Hの両端の端子部Cが挿通され、一対の挿通開口の外側の通気空間(所要の送風用空間乃至送風用間隙)18に突出されている。
ヒータ管Hの端子部Cは、図4に示すように、外側の通気空間(所要の送風用空間乃至送風用間隙)18に突出することで、後述する軸流ファン(送風手段)34からの送風を受けて冷却されるものである。ヒータ管Hは、両端の端子部Cが冷却されることで最大能力の発熱を継続することが可能であり、その発熱温度を例えば遠赤外線を発する600℃以上に高めることができる。
また、各反射区画体(この例の場合、3つ)12の背面側に、各反射区画体12の外側面側の通気空間(所要の送風用空間乃至送風用間隙)18に送風を供給し、各ヒータ管Hの端子部Cを冷却しながら筐体10の前方の塗膜(図示省略:例えば車両に塗布された塗膜)に送風を与えるための送風基点域となる各反射区画体12の背面面積を含むとともに所定の奥行きを有する広面積の送風用空間36が形成されている。送風基点域である広面積の送風用空間36の後側、即ち背面側には、図4および図5に示すように、複数の軸流ファン34がモータ38とともに固定されている。各モータ38の後側には、複数の吸気孔42が形成されたフィルタ抑え板44が設けられており、フィルタ受け46により除塵用のフィルタ(図4および図5参照)52が固定されている。各モータ38と除塵用のフィルタ52との間にも吸気空間54が形成されている。
筐体10の背面には、図8に示すように、図示しない水平軸に対し回動可能である第1回動体62が取付けられており、この第1回動体62は、取手64の一方向の回動により固定状態が解除され筐体10が水平軸回りに回動自在となり、取手64の逆方向の回動により筐体10の水平軸回りの向きが固定される。また、筐体10の背面には、図示しない垂直軸に対し回動可能である第2回動体66が取り付けられており、この第2回動体66は、取手68の一方向の回動により固定状態が解除され筐体10が垂直軸回りに回動自在となり、取手68の逆方向の回動により筐体10の垂直軸回りの向きが固定される。
図8に示すように、第2回動体66は、筐体10の背面に固定された支軸と嵌合して回動可能に連結され、この第2の回動体66には、平行な二つのアーム72の一端側が連結固定されている。各アーム72の他方の先端側は、後述する移動スタンド74の支柱76の回動軸に連結されている。また、各アーム72の中間位置には、支持アーム73の上端が回動可能な状態で連結されており、その支持アーム73の下端が支柱76に形成された摺動溝に沿って、上下摺動可能なように嵌合されている。これにより、筐体10が上下可能な状態となり、所要の高さ位置に設定する場合は、支持アーム73の下端部が摺動しないように、例えばロックねじで固定するように構成されている。上述の支柱76は、その下端が、移動スタンド74のベース部材75に固定されている。
ベース部材75の下側には、4つのキャスタ77が設けられ、移動スタンド74全体を床上に移動自在となるよう構成されている。このキャスタ77には、ブレーキ機能が設けられており、乾燥装置の位置を決定した後に、ブレーキを掛け、当該位置を保持し得るようになっている。
尚、上述したように、筐体10は、第1,第2回動体62,66、アーム72、支持アーム73を任意に回動させることで、図8および図9に示す姿勢の他、図11〜図13に示すように、様々な向きに設定することが可能である。その上、移動スタンド74には、キャスタ77が備えられているので、例えば、塗装工場の床面上を、自由に移動させることができ、キャスタ77にブレーキを掛けることで、塗膜に対する位置を固定させることができる。
ところで、次に、塗膜に適する条件を効率よく設定し得る乾燥装置について、説明する。図10に示すように、CPU(中央演算処理装置)よりなる制御部100を有し、この制御部100には、ヒータ管Hの発熱開始後の所定時間(例えば塗膜が100℃〜130℃程度の温度に達する時間)の経過を計時する計時部92と、筐体10と塗膜との間の距離を入力する入力手段としてのテンキー(デジタルスイッチまたはボリュームでもよい)94と、軸流ファン34の単位時間あたりの回転数を調整する回転数調整部96が接続されている。
特に回転数調整部96は、制御部100の演算結果を受けて軸流ファン34の回転数を制御し筐体10前方の塗膜位置(例えば、40〜70cm離れた位置)において1.0〜3.0m/s、望ましくは1.2m/s以上の風速となる送風が得られるように軸流ファン34の回転数を調整すべくモータ38に最適な電力を供給する。
制御部100は、筐体10と塗膜との間の距離の入力値およびヒータ管Hの発熱部32の温度(設定温度)に応じて、塗膜が例えば100℃〜130℃に達する時間を、制御部100に備えられたROMのテーブル等に記録された距離と塗膜温度との関係を記録した一覧データの中から対応するデータに基づいて軸流ファン34の回転開始の計時時間を設定するとともに、その計時時間を計時する。また、制御部100は、軸流ファン34を回転駆動するモータ38を起動させた後、計時部92が塗膜の乾燥時間を計時し乾燥時間に至るとヒータ管Hの発熱を終了させる。
次に、本実施の形態の塗膜の乾燥装置の動作について説明する。まず作業者が筐体10の前面と塗膜(例えば車両に塗布した塗膜)との間の距離をあらかじめ指定された距離、例えば冬場であれば40cm、夏場であれば70cmの距離に設定するか、もしくは適宜の距離をスケール等を用いて測定して設定し、この測定値をテンキー94により入力する。続いて、各ヒータ管Hの電源入力のスイッチ(図示省略)を操作してヒータ管Hを発熱させる。ヒータ管Hの発熱においては、例えば最大能力の600℃の温度が得られるように最大の電力を供給する。また、同時に計時部92が計時を開始する。かくて、ヒータ管Hの発熱で塗膜に最適な放射スペクトル波長を与えながら塗膜の温度が、例えば100℃に達する時間が経過すると、計時部92が制御部100にカウントアップ信号を与え、制御部100が回転数調整部96に対し起動開始を告げる出力を与える。この結果、回転数調整部96が軸流ファン34を駆動するモータ38に対し、塗膜位置において例えば1.2m/s以上の風速の送風を与え得る電力の供給をするよう指令し、モータ38を起動させる。モータ38の起動で軸流ファン34の回転に伴って所定の風速の風が図4に示すように、各反射区画体12の外側の通気空間(所要の送風用空間乃至送風用間隙)18を通りヒータ管Hの端子部Cを冷却しながら塗膜に、例えば1.2m/s以上の送風が与えられる。
このため塗膜は、例えば60℃〜70℃程度の温度に低下しかつ当該温度に保たれ、塗膜には最適な乾燥条件が整い、より短時間の乾燥が可能となる。そして、塗膜が乾燥に至る時間経過を計時部92が計時すると、制御部100の制御により、回転数調整部96に起動終了を告げる出力が与えられる。この結果、回転数調整部96は、ヒータ管Hへの電力供給を停止し、その後モータ38に対する電力供給を停止し軸流ファン34の回転を停止させる。
尚、本実施の形態においては、ヒータ管Hと塗膜との間の距離を入力手段としてのテンキー94の操作で入力しているが、本装置には、必ずしも入力手段としてのテンキー94を備える必要はなく、この距離は作業者が移動スタンド74とともに筐体(ヒータ管Hを含む)10を移動させることで随時任意に設定してもよい。
本実施の形態においては、ヒータ管Hの両端の端子部Cを、通気空間(所要の送風用空間乃至送風用間隙)18内に突出させ、軸流ファン34からの送風で冷却するようにしたため、ヒータ管Hの発熱部32は最大能力で発熱を継続し、かつ最適な放射スペクトル波長の遠赤外線の照射を継続することが可能となり塗膜の乾燥時間をより一層短縮することが可能となる。
また、計時部92の計時により塗膜の温度が、例えば100℃に達した時点で軸流ファン34を回転させ、塗膜に1.2m/s以上の送風を行うことで、塗膜の温度を60℃〜70℃に低下させ、かつ当該温度を10°以内の範囲に保つように構成したため、この点からも最適な環境条件を提供することができ、より一層乾燥時間を短縮させることが可能となる。
次に、図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る塗膜の乾燥装置について説明する。第2の実施の形態の塗膜の乾燥装置は、塗膜の乾燥理論上の適用は第1の実施の形態の場合と同様であり、かつ筐体10、アーム72、支持アーム73、移動スタンド74等の構成も第1の実施の形態の場合と同様であるため、これらの詳しい説明は省略する。
この第2の実施の形態の塗膜の乾燥装置に係る移動スタンド74の背面側には、電気系モジュール110が配設されている。この電気系モジュール110には、各ヒータ管Hの発熱開始後の所定時間(例えば塗膜が100℃〜130℃程度の温度に達する時間)の経過を計時する計時部92と、筐体10と塗膜(例えば車両に塗布された被乾燥塗膜)との間の距離を測定(例えば電磁的もしくは光学的に測定)する測定手段としての測距部102と、測距部102の測定距離の値により軸流ファン34の単位時間あたりの回転数を調整する回転数調整部96と、塗膜の成分名を選択入力する成分名選択部104と、測定された距離の値および選択入力された成分名に対応して計時部の計時時間、ヒータ管Hの発熱量、放射スペクトル波長、更に軸流ファン34を回転させるモータ38の能力(送風能力)を制御するための塗膜乾燥プログラムを記録した、例えばEPROM(消去可能なリードオンリメモリ)またはEEPROM(書き換え可能なリードオンメモリ)106と、塗膜乾燥プログラムに基づく制御動作および全体の動作管理を行う制御手段としての制御部(CPU:中央演算処理装置)108とが配設されている。
この電気系モジュール110には、ヒータ管Hおよび/または塗膜面の温度を測定する測温部を設けるようにしてもよい。
さらに、電気系モジュール110には、例えば液晶ディスプレイ等の表示部112が備えられており、その表示部112には、測距部102が測定した距離の値を数値表示する距離表示フィールド、成分名選択部104の一部をなす成分名入力フィールド(乃至は成分名選択フィールド)、ヒータ管H(および/または塗膜)の現在温度を数値表示する温度表示フィールド、軸流ファン34の回転による送風速度(例えば塗膜位置における送風速度)を数値表示する風速表示フィールド、本装置の動作のオン・オフ等を操作する各種スイッチボタンフィールド等が制御部108の動作とともに表示される。
次に、塗膜乾燥プログラムに基づく制御部(CPU)108の制御動作について説明する。
ステップ1.電源投入を検出する。
ステップ2.表示部112に、距離表示フィールド、成分名入力フィールド(乃至は成分名選択フィールド)、温度表示フィールド、風速表示フィールド、スイッチボタンフィールド等を表示する。
ステップ3.成分名入力フィールドから塗料(塗膜)の成分名が選択される成分名選択部104をタッチ操作して塗布された塗料の成分名を選択する。
ステップ4.測距部102の出力に基づきヒータ管Hと塗膜(例えば車両に塗布された非乾燥塗膜)との間の距離を測定し、測定結果を記憶するとともに表示部112の距離表示フィールドに表示する。
ステップ5.塗膜に与える風速が塗膜位置で1.0〜2.0m/s、望ましくは1.2m/s以上となる軸流ファン34の単位時間あたりの回転数を求め、モータ38に与える電力の値を設定する。
ステップ6.スイッチボタンフィールド中の本装置の動作開始を指示するスイッチボタンがタッチ操作されたことを検出する。
ステップ7.ヒータ管Hを最大能力で発熱させ、最適な放射スペクトル波長の遠赤外線を発生させる。ヒータ管Hの発熱および放射スペクトル波長を塗膜に照射する。
ステップ8.ヒータ管Hの発熱開始後に計時部92を起動し所定時間を計時(計測)する。
ステップ9.計時部92の所定時間の計測後に軸流ファン34のモータ38を起動してヒータ管Hの端子部Cを冷却しながら塗膜に1.0m/s以上の送風を与え、該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保たせるようモータ38の駆動を制御する。
ステップ10.制御部108は、モータ38の起動とともに計時部92を起動させ、塗膜の乾燥に至る時間を計時させる。
ステップ11.制御部108は、塗膜の乾燥時間の経過時にヒータHへの通電を停止し、その後回転数調整部96に対し駆動終了を告げる出力を与え、モータ38の駆動を停止(終了)させて、乾燥作業を終了させる。
上述の塗膜乾燥プログラムは、EPROM106の他、HDDや、CD−ROM等の記録媒体に記録し一般に提供することが可能である。
この第2の実施の形態においては、例えば筐体10の前方中央側等に装着された距離センサを介し筐体(ヒータ管H)10と塗膜(例えば車両に塗布された非乾燥塗膜)との間の距離を測定する測距部102と、塗膜の成分名を選択入力する成分名選択部104と、測定された距離の値および選択入力された成分名に対応して計時部92の計時時間、ヒータ管Hの発熱量、放射スペクトル波長、更に軸流ファン34を回転させるモータ38の能力(送風能力)を制御するための塗膜乾燥プログラムを用いて塗膜の乾燥処理を行なうようにしたため、軸流ファン34の送風でヒータ管Hの発熱部32を冷却する一方で、ヒータ管Hの最大能力での発熱を継続し、かつ最適な放射スペクトル波長の遠赤外線の照射を継続することが可能となるとともに、乾燥処理に際し塗膜の温度を最も短時間に乾燥させる温度(例えば60℃〜70℃)に自動的に制御することが可能となり塗膜の乾燥時間をより一層短縮することが可能となる。また、塗膜の乾燥時間が到来した場合、制御部108が自動的にヒータ管Hの発熱およびモータ38の駆動を停止(終了)させるようにしたため、作業者は塗膜の乾燥処理に際し常に本装置の駆動および塗膜の乾燥状態を監視する必要がなく、他の作業に専念することが可能となり、より利便性が向上する利点がある。
本発明に係る塗膜の乾燥装置は、塗膜の乾燥に際し最適な乾燥条件を提供することが可能であり、例えば車両に塗布した塗膜の乾燥工程の他、あらゆる機器乃至部材において塗膜を塗布した場合の乾燥処理に利用することが可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る塗膜の乾燥装置の概略的構成を説明する説明図である。 第1の実施の形態に係るヒータ管の構成を説明する説明図である。 第1の実施の形態に係る筐体、反射区画体およびヒータ管等主要部の構成を示す正面図である。 第1の実施の形態に係る筐体、反射区画体およびヒータ管等主要部の構成を上方より見た模式的断面図である。 第1の実施の形態に係る筐体、反射区画体およびヒータ管の等主要部の構成を側方より見た模式的断面図である。 第1の実施の形態に係る筐体のフィルタ抑え板の構成を示す背面図である。 第1の実施の形態に係る筐体を移動スタンドに取付けた状態を示す正面図である。 第1の実施の形態に係る筐体を移動スタンドに取付けた状態を示す背面図である。 第1の実施の形態に係る筐体を移動スタンドに取付けた状態を示す平面図である。 第1の実施の形態に係る塗膜の乾燥装置に備えられた電気系の構成を説明するブロック図である。 第1の実施の形態に係る筐体を移動スタンドに取付け、筐体の姿勢を変えた状態を示す説明図である。 第1の実施の形態に係る筐体を移動スタンドに取付け、筐体の高さをほぼ最大限に上げた状態を示す説明図である。 第1の実施の形態に係る筐体を移動スタンドに取付け、筐体の高さを中間位置まで下げた状態を示す説明図である。 第2の実施の形態に係る塗膜の乾燥装置の制御系を説明するブロック図である。
符号の説明
H…ヒータ管
C…端子部
10…筐体
12…反射区画体
14…カバー部材
16…整流板
18…通気空間(所要の送風用空間乃至送風送風用間隙用間
22…正面反射体
23…正面中央反射体
24…上面反射体
26…下面反射体
28…側面反射体
32…発熱部
34…軸流ファン
36…送風用空間
38…モータ
42…吸気孔
44…フィルタ抑え板
46…フィルタ受け
52…フィルタ
54…吸気空間
62…第1回
64…取手
66…第2回動体
68…取手
72…アーム
73…支持アーム
74…移動スタンド
76…支柱
77…キャスタ
92…計時部
94…テンキー
96…回転数調整部
100…制御部
102…測距部
104…成分名選択部
106…EPROM
108…制御部(CPU)
110…電気系モジュール
112…ディスプレイ

Claims (15)

  1. 正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる反射区画体を有する筐体と、
    発熱部を前記筐体の前記正面反射体の前方側に配設し、両端の端子部を前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の通気空間乃至所要の送風用空間にそれぞれ突出させて配設してなり、前記発熱部をもって塗膜に遠赤外線を照射するヒータ管と、
    前記筐体の背後側より送風を与える送風手段を備え、
    前記送風手段が、前記ヒータ管の発熱により前記塗膜が達した温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つよう送風を行うと共に、
    前記筐体の前記通気空間または前記所要の送風用空間に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるように構成してなることを特徴とする塗膜の乾燥装置。
  2. 正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる複数の反射区画体を所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙毎に区画して配列した筐体と、
    前記各々の反射区画体に対し、発熱部を前記正面反射体の前方側に配設し、両端の端子部を前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の前記所要の送風用空間乃至送風用間隙にそれぞれ突出させて配設してなり、前記発熱部をもって塗膜に遠赤外線を照射する複数のヒータ管と、
    前記筐体の背後側より送風を与える送風手段を備え、
    前記送風手段が、前記ヒータ管の発熱により前記塗膜が達した温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つよう送風を行うと共に、
    前記筐体の前記通気空間または前記所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるように構成してなることを特徴とする塗膜の乾燥装置。
  3. 前記筐体の背後もしくは前記送風手段の背後の吸気側の位置に除塵用のフィルタを配設してなることを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜の乾燥装置。
  4. 前記送風手段は、前記各ヒータ管の発熱開始より所定時間の経過後に起動し前記塗膜に略1.0〜3.00m/s、望ましくは略1.2m/s以上の送風を与えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の塗膜の乾燥装置。
  5. 前記各ヒータ管は、発熱開始後に前記塗膜の温度を略100℃乃至は130℃程度に加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜の乾燥装置。
  6. 前記筐体は、アーム手段により上下方向に移動可能であるとともに、前記アーム手段の先端側付近において水平軸及び垂直軸を中心に回動可能に取付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜の乾燥装置。
  7. 前記各ヒータ管の発熱開始後の前記所定時間の経過を計時する計時部を備え、該計時部を介して前記送風手段を起動させることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の塗膜の乾燥装置。
  8. 前記筐体と前記塗膜との間の距離を入力する入力手段と、該入力手段に入力された前記距離の値に基づいて前記送風手段の送風能力を調整する調整手段とを備え、
    前記調整手段は、前記距離の入力に応じて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように調整することを特徴とする請求項に記載の塗膜の乾燥装置。
  9. 前記筐体と前記塗膜との間の距離を測定する測定手段と、該測定手段の測定結果に基づいて前記送風手段の送風能力を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記測定手段の測定結果に応じて前記送風手段の送風速度を前記塗膜位置において1.2m/s以上となるように制御することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の塗膜の乾燥装置。
  10. 前記塗膜の成分名を選択入力する成分名選択部を備え、
    前記調整手段または前記制御手段は、前記選択入力された成分名に対応して前記計時部の計時時間、前記ヒータ管が発する発熱量、放射スペクトル波長、及び前記送風手段の送風能力を調整または制御することを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の塗膜の乾燥装置。
  11. 前記調整手段または前記制御手段は、前記ヒータ管を発熱させた後前記所定時間の経過時に、該ヒータ管を該ヒータ管が発する放射スペクトル波長が前記塗膜を乾燥させるのに最適な放射スペクトル波長となるように調整または制御することを特徴とする請求項乃至10の何れか1項に記載の塗膜の乾燥装置。
  12. 前記調整手段または前記制御手段は、前記送風手段の起動後における前記塗膜の乾燥時間の経過時に前記ヒータ管及び前記送風手段を停止させることを特徴とする請求項乃至11の何れか1項に記載の塗膜の乾燥装置。
  13. 前記ヒータ管と前記塗膜面との間の距離を40〜70cmに設定したことを特徴とする請求項またはに記載の塗膜の乾燥装置。
  14. 筐体の正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる反射区画体に対し、発熱部の両端の端子部を、前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の通気空間にそれぞれ突出させて配設した遠赤外線を発し得るヒータ管を発熱させ、該発熱及び放射スペクトル波長を塗膜に照射し、
    前記ヒータ管の発熱開始から所定時間の経過後に、送風手段から送風を行って、前記塗膜が前記発熱で達した所定温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つようにすると共に、前記筐体の前記通気空間に突出する前記ヒータ管の両端の端子部を冷却しながら前記塗膜に送風を与えるようにしたことを特徴とする塗膜の乾燥方法。
  15. 筐体の正面反射体及び該正面反射体の両端に位置する一対の側面反射体からなる一または複数の反射区画体を所要の通気空間乃至所要の送風用間隙毎に区画するとともに、前記各々の反射区画体に対し、発熱部の両端の端子部を、前記双方の側面反射体に穿設された挿通開口より外側の所要の通気空間または所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙にそれぞれ突出させて配設した遠赤外線を発し得るヒータ管を発熱させ、該発熱及び放射スペクトル波長を塗膜に照射し、
    前記所要数乃至全数の各ヒータ管の発熱開始後の所定時間の経過後に、送風手段から送風を行って、所要の通気空間または所要の送風用空間乃至所要の送風用間隙を通して前記各ヒータ管の両端の各端子部を冷却しながら該筐体の前方の前記塗膜に、該塗膜が達した所定温度よりも該塗膜の温度を10℃から20℃程度冷却し、かつ当該低下温度を一定に保つようにしたことを特徴とする塗膜の乾燥方法。
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