JP3942480B2 - プラズマ式溶融炉およびその起動方法 - Google Patents

プラズマ式溶融炉およびその起動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ式溶融炉およびその起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、廃棄物を焼却処理した焼却残滓や焼却灰などの被溶融物を加熱溶融して減容化、無害化する溶融炉において、加熱源にプラズマアークを使用したプラズマ式溶融炉がある。
【0003】
このプラズマ式溶融炉は、炉本体の溶融室の底部にベースメタルを収容し、ベースメタルの上方に単数または複数の電極を配置し、溶融室内にプラズマ作動ガスを供給し、電源装置から電極間または電極とベースメタルとの間に駆動電圧を印加して、電極とベースメタルとの間にプラズマアーク(トランスファアーク)を放電させ、ベースメタル上に投入された被溶融物を加熱溶融するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構成において、起動時に、アークを起動させる場合、電極を下降してベースメタルに接触させ、上昇離間とともにアーク放電させる接触点弧法が採用されている。
【0005】
ところで、溶融炉の運転を停止して所定時間経過後に起動する場合、ベースメタルの表面に導電性の低い固化スラグが固着しており、電極をベースメタルに接触させることができないためプラズマアークを起動することができない。
【0006】
このため、作業員が溶融室内に入って、電極下方近傍の固化スラグを除去する作業が行われている。このスラグ除去作業は、炉内の悪環境下で長時間を要するとともに、潜熱による火傷などの危険を伴い安全性の面でも好ましくないものであった。
【0007】
また初期起動時は、プラズマ電極とベースメタルとなる素材(母材)との間で接触点弧法によりアークを発生させ、トランスファアークによりベースメタルを溶融させるが、母材が固体から液体に変化してアーク長が変動するため、プラズマアークが不安定であり、このため電極の消耗が激しいという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決して、再起動時に、ベースメタル上のスラグの除去作業を不要として、スムーズに再起動可能で、かつ初期起動時にも安定したアークでベースメタル素材を溶融させることができ、かつ電極の消耗も低減できるプラズマ式溶融炉およびその起動方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載のプラズマ式溶融炉は、溶融室内底部のベースメタル上方に配置された複数のプラズマ電極に運転用の駆動電圧を印加して、ベースメタルとプラズマ電極との間でトランスファアーク放電させ、ベースメタル上に投入された被溶融物を溶融させるプラズマ式溶融炉であって、前記プラズマ電極に起動溶融手段を設け、前記起動溶融手段を、プラズマ電極の主電極に軸心方向に沿って貫通形成された中空部内の放電位置に後退自在に配置された起動電極と、前記中空部を介して溶融室にプラズマ作動ガスを供給するプラズマ作動ガス供給装置と、前記主電極と前記起動電極とに起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させる起動用電源と、起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出す起動電極挿脱装置とで構成し、少なくとも再起動時に放電位置の起動電極との間に形成されるノントランスファアーク放電と、運転時に前記起動電極挿脱装置により起動電極が放電位置から後退されるかまたは中空部から抜き出された状態でベースメタルとの間に形成されるトランスファアーク放電とを、それぞれ共通のプラズマ電極の主電極により行うように構成したものである。
【0010】
請求項2記載のプラズマ式溶融炉は、溶融室内底部に収容されたベースメタルに通電される炉底電極と、ベースメタルの上方に配置されたプラズマ電極と運転用の駆動電圧を印加して、ベースメタルとプラズマ電極との間でトランスファアーク放電させ、ベースメタル上に投入された被溶融物を溶融させるプラズマ式溶融炉であって、前記プラズマ電極に起動溶融手段を設け、前記起動溶融手段を、プラズマ電極の主電極に軸心方向に沿って貫通形成された中空部内の放電位置から後退自在に配置された起動電極と、前記中空部を介して溶融室にプラズマ作動ガスを供給するプラズマ作動ガス供給装置と、前記主電極と前記起動電極とに起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させる起動用電源と、起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出す起動電極挿脱装置とで構成し、少なくとも再起動時に放電位置の起動電極との間に形成されるノントランスファアーク放電と、運転時に前記起動電極挿脱装置により起動電極が放電位置から後退されるかまたは中空部から抜き出された状態でベースメタルとの間に形成されるトランスファアーク放電とを、それぞれ共通のプラズマ電極の主電極により行うように構成したものである。
【0011】
上記請求項1または2記載の構成によれば、再起動時に、起動溶融手段によるノントランスファアークによりベースメタル上の固化スラグを溶融させて導電性を高めることにより、プラズマ電極とベースメタルとの間で溶融スラグを介してトランスファアークによる放電が可能となるので、従来のような固化スラグの除去作業が不要となり、スムーズに短時間で再起動することができる。また、ノントランスファアークは安定して放電することができるので、プラズマ電極の消耗を低減することができる。さらに、主電極の中空部に起動電極を配置して起動溶融手段を構成したので、プラズマ電極をコンパクトに構成できるとともに、起動電極の入れ替えやメンテナンスも容易に実施することができる。さらにまた、起動電極挿脱装置により、ノントランスファアーク放電の終了後に、起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出すことにより、運転時のトランスファアークにより、起動電極が溶損するのを防止することができ、また主電極が放電により消耗しても、追従して上昇させる必要もない。
【0012】
請求項3記載のプラズマ式溶融炉は、請求項1または2記載の構成において、溶融炉の初期起動時に、起動溶融手段により放電位置の起動電極と主電極との間でノントランスファアークを形成して、ベースメタル素材を溶融させるように構成したものである。
【0013】
上記請求項3記載の構成によれば、初期起動時に、起動溶融手段によるノントランスファアークで、固体状のベースメタル素材を安定して溶融させることができ、初期起動をスムーズに行うことができる。
【0014】
請求項4記載のプラズマ式溶融炉は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成において、主電極をプラズマの発生により消耗する消耗電極とするとともに、主電極をベースメタルに接近離間自在に支持する電極昇降装置を設け、起動電極をプラズマの発生により消耗しにくい非消耗電極としたものである。
【0015】
上記請求項4記載の構成によれば、起動電極挿脱装置により、ノントランスファアーク放電の終了後に、起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出すことにより、運転時のトランスファアークにより、起動電極が溶損するのを防止することができ、また主電極が放電により消耗しても、追従して上昇させる必要もない。
【0016】
請求項5記載のプラズマ式溶融炉は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成において、起動電極の先端部に外周側に突出する放電端部を形成するとともに、放電時に起動電極を軸心周りに回転させる電極回転装置を設けたものである。
【0017】
上記請求項5記載の構成によれば、放電端部を軸心周りに回転させることにより、主電極の放電部位を順次周方向に移動させることができるので、主電極を均一に消耗させることができるので、主電極を効率良く消耗させて寿命を延ばすことができる。
【0018】
請求項6記載のプラズマ式溶融炉の起動方法は、請求項1記載のプラズマ式溶融炉を再起動するに際し、プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極とに起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントランスファアークによりベースメタル上のスラグを溶融させ、ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、複数のプラズマ電極の主電極にそれぞれ運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアーク放電させて運転するものである。
【0019】
請求項7記載のプラズマ式溶融炉の起動方法は、請求項2記載のプラズマ式溶融炉を再起動するに際し、プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極との間に起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントランスファアークによりベースメタル上のスラグを溶融させ、ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、プラズマ電極の主電極と炉底電極に運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアーク放電させて運転するものである。
【0020】
上記請求項6または7記載の構成によれば、再起動時に、起動溶融手段によるノントランスファアークによりベースメタル上の固化スラグを溶融させて導電性を高めることにより、プラズマ電極とベースメタルとの間で溶融スラグを介して、トランスファアークの放電が可能となるので、従来のような固化スラグの除去作業を不要として、スムーズに短時間で再起動することができる。また、再起動時のノントランスファアークは安定しており、プラズマ電極の消耗も低減することができる。またノントランスファアークの終了後に、起動電極を放電位置から後退させることにより、運転時のトランスファアークにより、起動電極が溶損するのを防止することができる。また主電極が放電により消耗しても、追従して上昇させる必要もない。
【0021】
請求項8記載のプラズマ式溶融炉の起動方法は、請求項1記載のプラズマ式溶融炉を初期起動するに際し、プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極の間に起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントランスファアークによりベースメタルを溶融させ、ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、複数のプラズマ電極の主電極にそれぞれ運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアーク放電させて運転するものである。
【0022】
請求項9記載のプラズマ式溶融炉の起動方法は、請求項2記載のプラズマ式溶融炉を初期起動するに際し、プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極の間に起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントランスファアークによりベースメタルを溶融させ、ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、プラズマ電極の主電極と炉底電極に運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアークを放電させて運転するものである。
【0023】
上記請求項8または9記載の構成によれば、初期起動時に起動溶融手段によるノントランスファアークにより、固体状のベースメタル素材を安定して加熱溶融することができ、初期起動をスムーズに行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係るプラズマ式溶融炉の第1の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。
【0028】
図に示すように、この溶融炉は、2本のプラズマ電極5A,5Bとベースメタル4との間にトランスファアークを放電させてベースメタル4上に投入された被溶融物を加熱用溶融する所謂ツイントーチ型(3本以上の電極も含む)で、炉本体1の一端側に、焼却灰や焼却残滓、産業廃棄物などの被溶融物を供給するホッパ2aやプッシャ装置2bからなる被溶融物供給装置2が設けられ、他端側に溶融スラグSを排出するスラグ排出口3が設けられている。
【0029】
また炉本体1の溶融室1aには、底部にベースメタル4が収容されるとともに、天井壁1bを貫通して複数(図では2本)のプラズマ電極5A,5Bが昇降自在に配設され、これらプラズマ電極5A,5Bは、電極昇降装置6によりベースメタル4上にそれぞれ接近離間自在に支持されるとともに、運転・起動兼用駆動電源(起動用電源)7に接続されている。またこれらプラズマ電極5A,5Bには、初期起動時および再起動時にノントランスファアークを発生する起動溶融手段8が設けられている。
【0030】
前記プラズマ電極5A,5Bは、プラズマアークの発生により消耗されるカーボン製の消耗電極である主電極(消耗電極)5aにより構成されるとともに、主電極5aは電極昇降装置6により昇降自在に支持され、主電極5aの軸心位置に中空部5bが貫通形成されている。
【0031】
起動溶融手段8は、円筒状の主電極5aと、主電極5aの中空部5bに単数または複数の絶縁スペーサ8bを介して出退自在に配置されたロッド状の起動電極8aと、主電極5aの中空部5bにプラズマ作動ガス(主電極の消耗を抑制する場合には窒素ガスなどの不活性ガスを使用する。または安価な水蒸気も使用可能)を供給して先端部から溶融室1aに吹き込むプラズマ作動ガス供給装置9と、主電極5aと起動電極8aとの間に起動用の駆動電圧を印加する運転・起動兼用駆動電源7と、運転時に起動電極8aを中空部5bから抜き出す起動電極挿脱装置10とで構成されている。
【0032】
前記起動電極8aは、耐熱性で放電により消耗の少ないたとえばタングステン製の非消耗電極により構成され、外周部の複数箇所に設けられた絶縁スペーサ8bにより、中空部5b内で主電極5aに一定距離をあけて保持されるとともに、中空部5b内で絶縁スペーサ8bがプラズマ作動ガスの流通を許容するように構成されている。
【0033】
ここで、前記主電極5aの先端部は基端部から連続する円筒状で、起動電極8aも円柱状に形成して放電部11を構成しているが、図3に示すように、中空部5bの内径を絞りガス孔5dが形成された面板部5cを設け、一方起動電極8aの先端部が錐状に形成されて、互いに接近する放電部12を構成してもよい。先の放電部11では、電流値が600〜700A以上でプラズマアークが発生されるのに対して、この放電部12では500A以下の低電流でプラズマアークを発生させることができる。
【0034】
前記運転・起動兼用駆動電源7は、図2に示すように、直流電源部7aと2つの切替スイッチ7b,7cと、起動用電源回路に設けられた高周波自己点弧装置7dとで構成されている。そして起動時には、プラズマ電極5A,5Bの両主電極5aに正極を、起動電極8aに負極を(またはその逆極性でも可)接続するように切替スイッチ7b,7cが切り替えられ、高周波自己点弧装置7dにより駆動電圧を直流パルスとすることで、前記放電部11で主電極5aと起動電極8aとの間にノントランスファアークを発生するように構成される。なお、再起動時には、主電極5aの先端部は消耗して溶損しているため、先端部が加工されて整形される。
【0035】
また運転・起動兼用駆動電源7において、運転時には、プラズマ電極5A,5Bの一方の主電極5aに正極を、他方の主電極5aに負極を接続し、両起動電極8aはオフ状態とするように切替スイッチ7b,7cが切り替えられ、たとえば接触点弧法により両主電極5aとベースメタル4または溶融スラグSとの間にトランスファアークが起動される。なお、運転用電源回路に高周波自己点弧装置7eを設けて、駆動電圧を直流パルスとすることで、プラズマアークを発生させて起動することもできる。
【0036】
さらにトランスファアークによる運転時に、中空部5b内で起動電極8aが高温にさらされて溶融するおそれがあるため、アークの停止後に、起動電極挿脱装置10により中空部5b内で放電位置から後退されるか、中空部5bから抜き出されて待機または撤去してもよい。なお、主電極5aは運転とともに消耗するため、電極昇降装置6により順次下降させてプラズマ長を一定に保持するが、主電極5aが短くなると、その上部に新たな主電極5aを継ぎ足しする。この継ぎ足し作業時に起動電極8aが障害となる場合には、起動電極8aを撤去する必要がある。
【0037】
次にツイントーチ型のプラズマ溶融炉における起動方法および運転方法を説明する。
まず、初期起動する場合、炉本体1の底部に配置された板状やブロック状のベースメタル素材を加熱溶融する。この時従来では、接触点弧法によりトランスファアークを起動して固体状のベースメタル素材を溶融させていたが、アークが不安定な上、主電極5aの消耗が激しいため、本発明では、起動溶融手段8による安定したノントランスファアークを使用して固体状のベースメタル素材を溶融してベースメタル4を形成する。
【0038】
すなわち、電極昇降装置6によりプラズマ電極5A,5Bの主電極5aを下降して下方に配置されたベースメタル素材に接近させ、次いで起動電極挿脱装置10により起動電極8aを主電極5aの中空部5bに挿入して所定位置に位置決めする。そしてプラズマ作動ガス供給装置9からプラズマ電極5A,5Bの中空部5bにプラズマ作動ガスを供給するとともに、運転・起動兼用駆動電源7の切替スイッチ7b,7cを切り替えて、プラズマ電極5A,5Bの両主電極5aに正極を、起動電極8aに負極をそれぞれ接続し、起動用の駆動電圧を印加し、高周波自己点弧装置7dによりパルスを付加する。これにより、放電部11の主電極5aと起動電極8aとの間で放電させてノントランスファアークを発生させる。そしてプラズマ作動ガスによりプラズマアークを噴射してベースメタル素材を加熱し溶融する。ベースメタル素材の大部分が溶融すると、駆動電圧の印加を停止してノントランスファアークを停止する。
【0039】
通常運転に移行する時は、起動電極挿脱装置10により起動電極8aを中空部5bから抜き出す。そしてプラズマ作動ガス供給装置9によりプラズマ電極5A,5Bの中空部5bおよび他のガスノズルを介してプラズマ作動ガスを溶融室1aに供給してプラズマ作動ガス雰囲気にする。次いで運転・起動兼用駆動電源7の切替スイッチ7b,7cを切り替えて、プラズマ電極5A,5Bの一方の主電極5aに正極を、他方の主電極5aに負極をそれぞれ接続し、起動用の駆動電圧を印加して、プラズマ電極5A,5Bをベースメタル4に接触させる接触点弧法により、両主電極5aとベースメタル4の間にトランスファアークを発生させ起動する。さらに被溶融物供給装置2によりベースメタル4上に被溶融物を供給して加熱溶融し溶融スラグSを形成する。オーバーフローした溶融スラグSはスラグ排出口3から排出される。なお、高周波自己点弧装置7eにより駆動電圧を直流パルスとして点弧することもできる。
【0040】
運転中は、主電極5aが消耗すると、電極昇降装置6により主電極5aを下降してベースメタル4との間のアーク長を適正に維持し、アークを安定させる。
溶融作業が終了し、溶融炉が冷えた状態で再起動する場合には、電極昇降装置6によりプラズマ電極5A,5Bの主電極5aを溶融室1aから抜き出し、主電極5aの先端部を整形するか、または新たな主電極5aと交換する。そして電極昇降装置6によりプラズマ電極5A,5Bの主電極5aをそれぞれ挿入下降してベースメタル4上の固化スラグに接近させる。次いで起動電極挿脱装置10により起動電極8aを主電極5aの中空部5bにそれぞれ挿入して所定位置に位置決めする。そしてプラズマ作動ガス供給装置9からプラズマ電極5A,5Bの中空部5bにプラズマ作動ガスを供給し、運転・起動兼用駆動電源7の切替スイッチ7b,7cを切り替えて、プラズマ電極5A,5Bの両主電極5aに正極を、起動電極8aに負極をそれぞれ接続し、起動用の駆動電圧を印加するとともに高周波自己点弧装置7dによりパルスを付加する。これにより、放電部11の主電極5aと起動電極8aとの間で放電させてノントランスファアークを発生させる。
プラズマ作動ガスによりプラズマアークの熱を固化スラグに送って加熱し溶融する。固化スラグが溶融する場合、深さ方向より周辺方向に速く広がって溶融する傾向が見られるが、プラズマ電極5A,5B下方の溶融スラグ池が互いにつながるか、またはそれぞれの溶融スラグ池ベースメタル4まで達すると、ノントランスファアークを停止する。そして上記と同様に通常運転に移行する。
【0041】
上記実施の形態によれば、溶融炉を再起動する場合、主電極5aの先端部を整形するか、または新たな主電極5aと交換し、起動電極8aを中空部5bに挿入配置するだけで、駆動溶融手段8によりノントランスファアークを発生してベースメタル4上の固化スラグを溶融し、スラグの導電性を高めることで、引き続いてプラズマ電極5A,5Bとベースメタル4との間で溶融スラグSを介してトランスファアークを形成して運転を再開することができる。したがって、従来のようにベースメタル4上の固化スラグの剥離除去作業が不要となり、短時間で安定した再起動が可能となる。
【0042】
また初期起動に際しても、駆動溶融手段8によるノントランスファアークでベースメタル素材を溶融させることで、安定したアークを確保できるとともに、起動電極8aの消耗を減少させることができ、スムーズな初期起動が可能となる。
【0043】
次にプラズマ式溶融炉の第2の実施の形態を図4および図5に基づいて説明する。なお、第1の実施の形態と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
この溶融炉は、炉本体1の底部に設置されてベースメタル4に給電する炉底電極21を具備し、この炉底電極21とプラズマ電極22との間に駆動電圧を印加してプラズマ電極22とベースメタル4との間にトランスファアークを形成する所謂シングルトーチ式(プラズマ電極22が複数も含む)に構成されている。そしてプラズマ電極22は、主電極5aの中空部5b内に起動電極8aを具備している。
【0044】
運転・起動兼用駆動電源23は、直流電源部23aから運転用電源回路を介して炉底電極21に正極が接続され、主電極5aに負極が接続され、また直流電源部23aと炉底電極21との間の運転用電源回路23bに第1切替スイッチ24Aが介在され、また直流電源部23aと第1切替スイッチ24Aの間の運転用電源回路23bから分岐されて起動電極8aに接続された起動用電源回路23cに、第2切替スイッチ24Bが介在されている。これにより、第1切替スイッチ24Aをオフ、第2切替スイッチ24Bをオンすることで、直流電源部23aからプラズマ電極22の主電極5aと起動電極8aに起動用の駆動電圧を印加し、また第1切替スイッチ24Aをオン、第2切替スイッチ24Bをオフすることで、直流電源部23aからプラズマ電極22の主電極5aと炉底電極21に運転用の駆動電圧を印加することができる。
【0045】
次にシングルトーチ式溶融炉の起動および運転方法を説明する。
初期起動する場合、起動溶融手段8による安定したノントランスファアークを使用して板状素材を溶融しベースメタル4を形成する。まず、電極昇降装置6によりプラズマ電極22の主電極5aを下降してベースメタル素材に接近させ、起動電極挿入装置10により起動電極8aを主電極5aの中空部5bにれ挿入して下降し所定位置に位置決めする。そしてプラズマ作動ガス供給装置9からプラズマ電極22の中空部5bにプラズマ作動ガスを供給し、運転・起動兼用駆動電源23の第1切替スイッチ24Aをオフ、第2切替スイッチ24Bをオンとして、プラズマ電極22の主電極5aに負極を、起動電極8aに正極をそれぞれ接続して、起動用の駆動電圧を印加するとともに高周波自己点弧装置7dによりパルスを付加する。これにより、放電部11の主電極5aと起動電極8aとの間で放電させてノントランスファアークを発生させる。そしてプラズマ作動ガスによりプラズマアークを噴射してベースメタル素材を加熱し溶融する。ベースメタル素材の大部分が溶融すると、駆動電圧の印加を停止してノントランスファアークを停止する。
【0046】
通常運転に移行する時は、起動電極挿脱装置10により起動電極8aを中空部5bから抜き出す。そして、プラズマ作動ガス供給装置9によりプラズマ電極22の中空部5bおよび他のガスノズルを介してプラズマ作動ガスを供給して溶融室1aをプラズマ作動ガス雰囲気にとし、運転・起動兼用駆動電源23の第1切替スイッチ24Aをオン、第2切替スイッチ24Bをオフとして、直流電源部23aの負極をプラズマ電極22の主電極5aに接続するとともに、正極を炉底電極21に接続し、起動用の駆動電圧を電極5a,21に印加して、プラズマ電極22をベースメタル4に接触させる接触点弧法により主電極5aとベースメタル4の間にトランスファアークを発生させ起動する。そして、被溶融物供給装置2からベースメタル4上に被溶融物を供給し、加熱溶融して溶融スラグSを形成し、オーバーフローした溶融スラグSをスラグ排出口3から排出する。なお、高周波自己点弧装置7dにより駆動電圧を直流パルスとして点弧することもできる。
【0047】
運転中は、主電極5aが消耗すると、電極昇降装置6により主電極5aを下降してベースメタル4との距離を一定に制御してアーク長を適正に維持し、アークを安定させる。
【0048】
溶融作業が終了し、溶融炉が冷えた状態で再起動する場合には、電極昇降装置6によりプラズマ電極22を溶融室1aから抜き出し、主電極5aの先端部を整形するか、または新たな主電極5aと交換する。そして電極昇降装置6によりプラズマ電極22の主電極5aを挿入して下降し、ベースメタル4上の固化スラグに接近させる。さらに起動電極挿入装置10により起動電極8aを主電極5aの中空部5bにれ挿入して下降し所定位置に位置決めする。そしてプラズマ作動ガス供給装置9からプラズマ電極22の中空部5bにプラズマ作動ガスを供給し、運転・起動兼用駆動電源23の切替スイッチ24A,24Bを切り替えて、プラズマ電極22の主電極5aに負極を、起動電極8aに正極をそれぞれ接続し、起動用の駆動電圧を印加するとともに高周波自己点弧装置7dによりパルスを付加する。これにより、放電部11に放電させてノントランスファアークを発生させてプラズマ作動ガスにより噴射させ、固化スラグを加熱溶融する。固化スラグが溶融する場合、深さ方向に溶融スラグ池が広がってベースメタル4近傍まで達すると、駆動電圧の印加を停止してノントランスファアークを停止し、上記と同様に通常運転に移行する。
【0049】
上記第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
次にノントランスファアークを発生させるための放電部11の変形例を図6を参照して説明する。
【0050】
上述の各実施の形態の放電部11,12では、主電極5aの先端部を円筒状にするか、またはガス孔5cを形成した面板部5dを設け、起動電極8aの先端部を錐状に形成したが、この放電部30では、主電極5aの中空部5bの先端部を円筒状に形成して開口させるとともに、起動電極8aの先端部を所定角度折り曲げられた放電端部31に形成し、さらに起動電極8aを軸心周りに回転させる電極回転装置32を設けている。放電端部31を外周側に突出するように形成してもよい。
【0051】
これにより、主電極5aと、主電極5aに最も接近する放電端部31との間でノントランスファアークを発生させ、放電電極8aの回転により主電極5aの放電部位を周方向に移動させて、主電極5aの消耗を周方向に均一にすることができる。これにより、主電極5aの長寿命化を図ることができる。
【0052】
なお、上記実施の形態では、消耗電極であるたとえばカーボン製の主電極5aを使用したが、冷却手段(冷却媒体通路など)を内蔵した非消耗電極であるたとえばタングステン製の電極を使用することもできる。ノントランスファアークを発生中に起動電極8aが必要以上に加熱される場合には、冷却手段(冷却媒体通路など)を内装させることもできる。
【0053】
【発明の効果】
以上に述べたごとく請求項1または2記載のプラズマ式溶融炉によれば、再起動時に、起動溶融手段によるノントランスファアークによりベースメタル上の固化スラグを溶融させて導電性を高めることにより、プラズマ電極とベースメタルとの間で溶融スラグを介してトランスファアークによる放電が可能となるので、従来のような固化スラグの除去作業が不要となり、スムーズに短時間で再起動することができる。また、ノントランスファアークは安定して放電することができるので、プラズマ電極の消耗を低減することができる。さらに、主電極の中空部に起動電極を配置して起動溶融手段を構成したので、プラズマ電極をコンパクトに構成できるとともに、起動電極の入れ替えやメンテナンスも容易に実施することができる。さらにまた、起動電極挿脱装置により、ノントランスファアーク放電の終了後に、起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出すことにより、運転時のトランスファアークにより、起動電極が溶損するのを防止することができ、また主電極が放電により消耗しても、追従して上昇させる必要もない。
【0054】
上記請求項3記載のプラズマ式溶融炉によれば、初期起動時に、起動溶融手段によるノントランスファアークで、固体状のベースメタル素材を安定して溶融させることができ、初期起動をスムーズに行うことができる。
【0055】
上記請求項4記載のプラズマ式溶融炉によれば、起動電極挿脱装置により、ノントランスファアーク放電の終了後に、起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出すことにより、運転時のトランスファアークにより、起動電極が溶損するのを防止することができ、また主電極が放電により消耗しても、追従して上昇させる必要もない。
【0056】
上記請求項5記載のプラズマ式溶融炉によれば、放電端部を軸心周りに回転させることにより、主電極の放電部位を順次周方向に移動させることができるので、主電極を均一に消耗させることができるので、主電極を効率良く消耗させて寿命を延ばすことができる。
【0057】
上記請求項6または7記載のプラズマ式溶融炉の起動方法によれば、再起動時に、起動溶融手段によるノントランスファアークによりベースメタル上の固化スラグを溶融させて導電性を高めることにより、プラズマ電極とベースメタルとの間で溶融スラグを介して、トランスファアークの放電が可能となるので、従来のような固化スラグの除去作業を不要として、スムーズに短時間で再起動することができる。また、再起動時のノントランスファアークは安定しており、プラズマ電極の消耗も低減することができる。またノントランスファアークの終了後に、起動電極を放電位置から後退させることにより、運転時のトランスファアークにより、起動電極が溶損するのを防止することができる。また主電極が放電により消耗しても、追従して上昇させる必要もない。
【0058】
上記請求項8または9記載のプラズマ式溶融炉の起動方法によれば、初期起動時に起動溶融手段によるノントランスファアークにより、固体状のベースメタル素材を安定して加熱溶融することができ、初期起動をスムーズに行うことができる。
【0059】
請求項9記載のプラズマ式溶融炉の起動方法によれば、初期起動時に起動溶融手段によるノントランスファアークにより、固体状のベースメタル素材を安定して加熱溶融することができ、初期起動をスムーズに行うことができる。
【0060】
請求項10記載のプラズマ式溶融炉の起動方法によれば、ノントランスファアークの終了後に、起動電極を放電位置から後退させることにより、運転時のトランスファアークにより、起動電極が溶損するのを防止することができる。また主電極が放電により消耗しても、追従して上昇させる必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ式溶融炉の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】同運転・起動兼用電源を示す構成図である。
【図3】放電部の変形例を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係るプラズマ式溶融炉の第2の実施の形態を示す構成図である。
【図5】同運転・起動兼用電源を示す構成図である。
【図6】プラズマ式溶融炉の放電部の変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 炉本体
1a 溶融室
4 ベースメタル
5A,5B プラズマ電極
5a 主電極
5b 中空部
5c ガス孔
5d 面板部
6 電極昇降装置
7 運転・起動兼用駆動電源
8 起動溶融手段
8a 起動電極
9 プラズマガス供給装置
10 起動電極挿脱装置
11 放電部
12 放電部
21 炉底電極
22 プラズマ電極
23 運転・起動兼用駆動電源
30 放電部
31 放電端部
32 電極回転装置

Claims (9)

  1. 溶融室内底部のベースメタル上方に配置された複数のプラズマ電極に運転用の駆動電圧を印加して、ベースメタルとプラズマ電極との間でトランスファアーク放電させ、ベースメタル上に投入された被溶融物を溶融させるプラズマ式溶融炉であって、
    前記プラズマ電極に起動溶融手段を設け、
    前記起動溶融手段を、プラズマ電極の主電極に軸心方向に沿って貫通形成された中空部内の放電位置に後退自在に配置された起動電極と、前記中空部を介して溶融室にプラズマ作動ガスを供給するプラズマ作動ガス供給装置と、前記主電極と前記起動電極とに起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させる起動用電源と、前記起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出す起動電極挿脱装置とで構成し、
    少なくとも再起動時に放電位置の起動電極との間に形成されるノントランスファアーク放電と、運転時に前記起動電極挿脱装置により起動電極が放電位置から後退されるかまたは中空部から抜き出された状態でベースメタルとの間に形成されるトランスファアーク放電とを、それぞれ共通のプラズマ電極の主電極により行うように構成した
    ことを特徴とするプラズマ式溶融炉。
  2. 溶融室内底部に収容されたベースメタルに通電される炉底電極と、ベースメタルの上方に配置されたプラズマ電極と運転用の駆動電圧を印加して、ベースメタルとプラズマ電極との間でトランスファアーク放電させ、ベースメタル上に投入された被溶融物を溶融させるプラズマ式溶融炉であって、
    前記プラズマ電極に起動溶融手段を設け、
    前記起動溶融手段を、プラズマ電極の主電極に軸心方向に沿って貫通形成された中空部内の放電位置から後退自在に配置された起動電極と、前記中空部を介して溶融室にプラズマ作動ガスを供給するプラズマ作動ガス供給装置と、前記主電極と前記起動電極とに起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させる起動用電源と、前記起動電極を放電位置から後退させるか、または中空部から抜き出す起動電極挿脱装置とで構成し、
    少なくとも再起動時に放電位置の起動電極との間に形成されるノントランスファアーク放電と、運転時に前記起動電極挿脱装置により起動電極が放電位置から後退されるかまたは中空部から抜き出された状態でベースメタルとの間に形成されるトランスファアーク放電とを、それぞれ共通のプラズマ電極の主電極により行うように構成した
    ことを特徴とするプラズマ式溶融炉。
  3. 溶融炉の初期起動時に、起動溶融手段により放電位置の起動電極と主電極との間でノントランスファアークを形成して、ベースメタル素材を溶融させるように構成した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマ式溶融炉。
  4. 主電極をプラズマの発生により消耗する消耗電極とするとともに、主電極をベースメタルに接近離間自在に支持する電極昇降装置を設け、
    起動電極をプラズマの発生により消耗しにくい非消耗電極とした
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ式溶融炉。
  5. 起動電極の先端部に外周側に突出する放電端部を形成するとともに、放電時に起動電極を軸心周りに回転させる電極回転装置を設けた
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ式溶融炉。
  6. 請求項1記載のプラズマ式溶融炉を再起動するに際し、
    プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極とに起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントラン スファアークによりベースメタル上のスラグを溶融させ、
    ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、
    プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、複数のプラズマ電極の主電極にそれぞれ運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアーク放電させて運転する
    ことを特徴とするプラズマ式溶融炉の起動方法。
  7. 請求項2記載のプラズマ式溶融炉を再起動するに際し、
    プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極との間に起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントランスファアークによりベースメタル上のスラグを溶融させ、
    ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、
    プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、プラズマ電極の主電極と炉底電極に運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアーク放電させて運転する
    ことを特徴とするプラズマ式溶融炉の起動方法。
  8. 請求項1記載のプラズマ式溶融炉を初期起動するに際し、
    プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極の間に起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントランスファアークによりベースメタルを溶融させ、
    ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、
    プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、複数のプラズマ電極の主電極にそれぞれ運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアーク放電させて運転する
    ことを特徴とするプラズマ式溶融炉の起動方法。
  9. 請求項2記載のプラズマ式溶融炉を初期起動するに際し、
    プラズマ作動ガス供給装置によりプラズマ電極の主電極の中空部から溶融室にプラズマ作動ガスを供給するとともに、起動用電源によりプラズマ電極の主電極と放電位置の起動電極の間に起動用の駆動電圧を印加してノントランスファアーク放電させ、このノントランスファアークによりベースメタルを溶融させ、
    ノントランスファアークを停止後、起動電極挿脱装置により起動電極を中空部内で放電位置から後退させるかまたは中空部から抜き出し、
    プラズマ作動ガス供給装置により中空部から溶融室内にプラズマ作動ガスを供給するとともに、プラズマ電極の主電極と炉底電極に運転用の駆動電圧を印加して、主電極とベースメタルとの間でトランスファアークを放電させて運転する
    ことを特徴とするプラズマ式溶融炉の起動方法。
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