JP3942453B2 - 加工部の耐高温酸化性に優れた溶融Al系めっき鋼板およびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車排ガス部材等に用いられる溶融Al系めっき鋼板であって、特に加工部の耐高温酸化性に優れた溶融Al系めっき鋼板、およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
普通鋼を母材としてその表面に溶融Alめっきを施した溶融Al系めっき鋼板は、本来的に良好な耐高温酸化性を有し、ステンレス鋼板よりも安価であることから種々のものが開発され、実用化されている。例えば、特開昭56−102523号には極低炭素Ti添加鋼を母材に用いることで酸化増量の低減を図った溶融Alめっき鋼板が開示されている。ただ、この鋼板は高温強度が低いという欠点を有している。そこで特開昭60−13053号には、母材のSi,Mnの含有量を高め、高温強度を向上させた溶融Alめっき鋼板が開示されている。また、最近では特開2001−81532号に、Mn,Ti,Al,Nbを積極的に添加した母材鋼板を用いることにより、特に高温強度を高レベルに高め、かつ常温での加工性を改善した溶融Al系めっき鋼板が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の溶融Al系めっき鋼板は、本来的にめっき面の耐高温酸化性は良好であり、500℃以上、場合によっては700℃以上の高温部材に適用することが可能である。しかしながら、「加工部」の耐高温酸化性に関しては必ずしも満足できる性能を有しているとは限らなかった。すなわち、加工部では平坦部と比べ耐高温酸化性が劣化し、同じ用途でも加工の程度によっては使用ができなくなるという問題があった。
【0004】
自動車排ガス部材をはじめとする昨今の耐熱部材用途においては、従来より一層複雑形状に加工することが要求されるようになってきた。このため、溶融Al系めっき鋼板の加工部での耐高温酸化特性を安定して高める技術の開発が強く望まれている。
【0005】
本発明は、500℃を超える高温域において自動車排ガス部材等の構造材として通常の使用に耐え得る高温強度を維持させながら、加工部での耐高温酸化性の劣化を大幅に軽減した溶融Al系めっき鋼板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、従来の溶融Al系めっき鋼板について、加工部での耐高温酸化性が劣化する原因およびその解決策を種々検討してきた。その結果、以下のことを見出した。
▲1▼Si,Mn等の酸素親和力の大きい元素を多量に添加した母材を使用した溶融Al系めっき鋼板では、加工歪の小さい領域では良好な耐高温酸化性を維持するが、加工歪が大きくなると500℃以上の温度域で耐高温酸化性が著しく劣化すること。
▲2▼母材への適量のTi添加は耐高温酸化性の向上だけでなく高温強度の向上にも寄与すること。
▲3▼Si,Mnを低減しすぎると高温強度が低下するが、Tiを適量添加したものにおいて、Siは0.10質量%以下に低減する一方、Mnは0.90質量%以下に制限しつつも0.05質量%以上を含有させることで、構造材として通常の使用に耐え得る高温強度が確保できること。
▲4▼Mn含有量を0.20質量%以上確保すると、Ti含有量が低い場合にも高温強度を高く維持することが容易になり、有利であること。
本発明は、以上のような知見に基づいて完成したものである。
【0007】
すなわち、前記目的は、質量%で、C:0.02%以下、Si:0.10%以下、Mn:0.05〜0.90%好ましくは0.20〜0.90%、P:0.005〜0.05%、S:0.015%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.010%以下、Ti:0.11〜0.50%、N b または、N b 及びM o の合計:0.01〜0.50%、B:0(無添加)〜0.0030%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板を母材として溶融Al系めっきを施した加工部の耐高温酸化性に優れた溶融Al系めっき鋼板によって達成される。
【0008】
ここで、Bの下限を0%(無添加)としたのは、これらの元素はC,Si,N等とは異なり、通常の製鋼プロセスにおいては添加しない限り含有量はゼロ(測定限界以下)となるので、無添加の場合を含む点を明確にするためである。
溶融Al系めっきとは、めっき層中のAl含有量が50質量%以上のものをいう。
【0009】
また本発明では、上記めっき鋼板において、特に母材の鋼板が、B:0.00003〜0.0030質量%を含有するものを提供する。
また、溶融Al系めっきが、特に、Si:5〜11質量%を含有するAl−Si系合金めっきであるものを提供する。
【0010】
さらに、これらのめっき鋼板の製造法として、熱延仕上温度:Ar3変態点以上、巻取温度:700℃以下の条件で熱間圧延を行ったのち、酸洗の前および後のうち一方または双方で冷間圧延を行ってトータルの冷間圧延率を40%以上とし、次いで、インライン焼鈍型の連続溶融めっきラインにて材温:800〜880℃で40秒以上保持する焼鈍を行ったのち溶融Al系めっきを施す方法を提供する。
ここで、熱延仕上温度とは、熱延最終パスのスタンド出側での鋼板表面温度をいう。「材温:800〜880℃で40秒以上保持する」とは、母材鋼板の材料温度が800〜880℃になった状態で40秒以上保持することをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
前述のように、Si,Mn等の酸素親和力の大きい元素を添加した母材を用いた溶融Al系めっき鋼板では、加工部において耐高温酸化性が大きく劣化する現象が見られた。発明者らは、そのメカニズムについても詳細に調査し、以下のことが考えられた。
【0012】
すなわち、溶融Al系めっき鋼板にある程度以上の厳しい加工が付与されると、めっき層の下に形成しているFe−Al合金層にクラックが生じる。そのようなめっき鋼板を700℃以上の高温域に曝したとき、高Si,Mn含有鋼では粒界に偏析したSi,Mn等の酸素親和力の大きい元素の存在によって、Fe−Al合金層のクラックを通じて母材部への粒界酸化が促進される。こうなると母材部へのAlの拡散が阻害され、その結果、本来の耐高温酸化性が十分に発揮されなくなる。
【0013】
一方、加熱温度が500〜600℃と比較的低い場合、高Si,Mn含有鋼ではFe−Al合金層のクラック部分においてSiやMnの濃化した保護的な酸化皮膜が形成され、母材部の酸化がゆっくり進行するため、クラック部分がFe酸化物で埋め尽くされることがなく、クラック部分には空隙が長時間残存する。さらに、原因は必ずしも明らかではないが、めっき層表面へ向かってFe−Al合金層が成長するのに伴い、クラックに起因した空隙もめっき層表面に向かって成長し、最終的にはめっき層表面にまで到達する。こうなると、この温度域では母材部へのAlの拡散も僅かしか起こらないため、母材の酸化が進行することになる。
【0014】
本発明では、母材鋼板においてSi,Mnの含有量を厳しく規制するとともに、Ti等の元素を適量添加することで、加工部での耐高温酸化性を大幅に強化し、かつ高温強度の劣化も最小限に抑止している。以下、本発明を特定するための事項について説明する。
【0015】
〔母材の成分元素〕
Cは、室温での加工性と、溶融Al系めっき鋼板の耐高温酸化性に悪影響を及ぼす。0.02質量%までは許容されるが、製鋼での負荷が許す範囲でできるだけ低減することが望ましい。
【0016】
Siは、本来、高温強度の向上に寄与し、また、めっきしていない裸の鋼板の耐高温酸化性を向上させる元素である。しかし、溶融Alめっき鋼板の母材に含まれるSiは、前述のように500℃以上の温度域で加工部の耐高温酸化性を著しく劣化させる。本発明においては母材中のSiは0.10質量%以下に抑える必要がある。
【0017】
Mnは、高温強度の改善に非常に有利な元素である。しかし、過剰の添加は加工部の耐高温酸化性を劣化させるため、本発明では規制が必要である。ただし、発明者らの研究の結果、Mnの耐高温酸化性に及ぼす悪影響は、Siと比べるとマイルドであることがわかった。そこで本発明では、Siを極力低減する一方で、Mnはある程度含有させることにより高温強度の低下を防止する。種々検討の結果、Siを0.10質量%以下に低減した場合、耐高温酸化性の観点からMnの含有は0.90質量%まで許容されるとの結論を得た。また、Mnの高温強度向上作用は0.05質量%以上で発揮されることが確かめられた。したがって本発明では、母材のMnを0.05〜0.90質量%の範囲に厳密にコントロールする。なお、後述のように本発明ではTiを高温強度向上元素として利用している。Ti含有量が低い場合にも高温強度を高レベルに維持するには、Mnを0.20〜0.90質量%の狭い範囲に厳密にコントロールすることが望ましい。
【0018】
Pは、高温強度の改善に有効であり、本発明ではその作用を利用する。0.005質量%以上でその作用が発揮される。しかし、Pが0.05質量%を超えると粒界への偏析が顕著になり、室温および低温での靱性が大きく劣化するとともに加工部の耐高温酸化性も劣化する。
【0019】
Sは、耐高温酸化性および室温での加工性を劣化させる。0.015質量%までは許容されるが、製鋼での負荷が許す範囲でできるだけ低減することが望ましい。
【0020】
Alは、溶鋼の脱酸のために添加される。その含有量範囲は、T.Al(トータルAl)として0.001〜0.01質量%の範囲とすることが効果的である。
【0021】
Nは、耐高温酸化性および加工性を劣化させるので、できるだけ低減することが望ましい。本発明における許容上限は0.010質量%である。
【0022】
Tiは、本来、約0.01質量%以上の添加で溶融Al系めっき鋼板の平坦部(加工部以外)における600℃を超える温度域での耐高温酸化性を改善する作用を呈するが、発明者らの検討の結果、母材の高温強度を向上させる上でも有効であることが確認された。一方、溶融Al系めっき鋼板の加工部の耐高温酸化性に関しては、Ti添加量が適量であれば改善効果が生じるものの、0.50質量%を超える過剰の添加は却ってマイナス効果をもたらすことが明らかになった。本発明では、母材のTi含有量を0.11〜0.50質量%の範囲に限定する。
【0023】
Nb,Moは、母材の高温強度を高めるうえで有効である。その効果を十分に得るには、N b 含有量または、N b 及びM o の合計含有量を0.01質量%以上とすることが望ましい。ただし、その含有量が0.50質量%を超えても更なる特性向上は期待できず、コスト増を招く。したがって、N b 含有量または、N b 及びM oの合計含有量を0.01〜0.50質量%の範囲とする。
【0026】
Bは、極微量の添加で母材鋼板の粒界強度を向上させる作用がある。本発明の対象母材は極低炭素鋼であるから、粒界に偏析するC量が少なく、粒界強度はあまり高くない。このため、プレス加工等により強加工を施した場合には、いわゆる「二次加工割れ」と呼ばれる粒界割れを生じることが懸念される。Bは粒界強度を向上させ、耐二次加工割れ性を改善するので、特に本発明の母材においてはB添加が有効である。また、Bは高温強度の向上にも有効である。これらの効果は0.00003質量%という極微量のB添加で発現することが確認された。しかし、0.0030質量%を超えるとその効果は飽和し、却って室温での加工性を劣化させる。したがって、母材にBを含有させる場合は、0.00003〜0.0030質量%の範囲とすることが望ましい。
【0027】
〔溶融Al系めっき〕
母材鋼板表面に施す溶融Al系めっきとして、純Alめっきを適用することもできるが、より優れた耐熱性を得るために、めっき層中にSi:5〜11質量%を含有するAl−Si系合金めっきを採用することが好ましい。めっき浴組成を調整することで種々の組成の合金めっきが可能である。
【0028】
〔製造法〕
以上説明した本発明の溶融Alめっき鋼板は、溶製後、「熱間圧延→冷間圧延→焼鈍→溶融Al系めっき」を基本とした単純なプロセスにより製造することができる。ただし、目的とする諸特性を満たす鋼板を大量生産現場で安定して製造するために、本発明では以下の製造法を提供する。
【0029】
熱間圧延では、熱延仕上温度をAr3変態点以上とし、かつ、巻取温度を700℃以下とする。熱延仕上温度がAr3変態点未満になると、冷延、焼鈍後の延性が低下する恐れがある。巻取温度が700℃を超えると、Ti,Nbを主体とする析出物が粗大に析出し高温強度の低下を招く。また、スケール厚さが厚くなり酸洗性の劣化を招く。なお、本発明で規定する化学組成の母材鋼における具体的な熱延仕上温度としては850℃以上とすることが好ましい。
【0030】
熱間圧延後、熱延ままの鋼板(すなわち熱処理を受けていない状態)について、合計40%以上の圧下率となるように冷間圧延を施す。冷間圧延は酸洗前または後に行うことができ、また、酸洗の前と後の両方で行ってもよい。冷延ミルは、冷間圧延ラインの他、酸洗ラインなどに付属しているインライン・ミルを使用することもできる。合計の冷延率が40%未満では後の焼鈍において加工性の改善に有効な集合組織の発達が不十分となり、室温での延性が劣化する場合がある。冷延率の上限は特に規定しないが、製造コストの上昇を抑える観点などから概ね合計85%以下とすることが望ましい。
【0031】
焼鈍および溶融Al系めっきは、本発明ではインライン焼鈍型の連続溶融めっきラインを用いて行う。すなわち、還元性雰囲気ガス中で焼鈍を行った後、そのまま大気に曝すことなくめっき浴温より少し高めの温度に母材温度をコントロールして、溶融Alめっき浴中に浸漬する。母材が本発明で対象とするようなTiあるいはさらにNb等を含有するものである場合、焼鈍において材料温度が800℃未満では再結晶が不十分となり、室温での加工性が劣化する場合がある。880℃を超える高温で焼鈍しても再結晶促進による延性改善効果は飽和するとともに、製造コストの上昇を招く。また、材温:800〜880℃での保持時間が40秒未満では再結晶が不十分となる場合がある。したがって、溶融めっきに先立つ焼鈍は材温:800〜880℃で40秒以上保持することとした。溶融Al系めっきは、母材鋼板をめっき浴中に浸漬後、引き上げ、気体絞り装置等によりめっき付着量を制御する一般的な手法により行うことができる。溶融Al系めっき付着量は、鋼板片面あたり20〜100g/m2とするのが望ましい。
【0032】
【実施例】
表1に示す化学組成の鋼塊を1250℃に加熱して抽出し、熱延仕上温度:910℃、巻取温度:680℃となるように熱間圧延を行い、板厚3.2mmの熱延コイルを得た。酸洗により熱延コイル表面のスケールを除去したのち、冷間圧延を施し、板厚1.0mmの冷延鋼板とした。冷間圧延率は約68%である。連続式溶融めっきラインを用い、還元性雰囲気ガス中において材温:850℃で60秒保持する焼鈍を施し、次いで、680℃に加熱したAl−10質量%Si合金溶融めっき浴中に浸漬して、溶融Al系めっき鋼板を製造した。めっき付着量は気体絞り装置を用いて、鋼板片面あたり約40g/m2とした。得られためっき鋼板の断面を顕微鏡で観察したところ、いずれのサンプルにも母材鋼板めっき層の下には厚さ約4μmのFe−Al合金層が形成されていた。
【0033】
【表1】
得られた溶融Alめっき鋼板について、室温での引張特性,高温強度,加工部の耐高温酸化性および耐二次加工割れ性を調べた。
室温での引張特性は、圧延方向と平行に切り出したJIS 5号引張試験片を用いてYS(0.2%耐力),TS(引張強さ)およびEL(伸び)を測定した。
高温強度は、圧延方向と平行に切り出した平行部:10mm,標点間距離:50mmの高温引張試験片を用い、600℃および700℃の2水準についてJIS G 0567に準じてYSおよびTSを測定した。
加工部の耐高温酸化性は、圧延方向と平行に切り出したJIS 5号引張試験片を用い、50mmの標点間に20%の引張歪を付与した後、伸びた標点間の中から長さ50mmの酸化試験片を切り出し、これを用いて「大気雰囲気700℃に加熱したマッフル炉内に20時間挿入→炉外に取り出し室温まで放冷」の熱サイクルを10サイクル繰り返した後の酸化増量を測定することにより評価した。
耐二次加工割れ性は、めっき鋼板を絞り比が2.0となるようにカップに成形し、これをドライアイスあるいは液体窒素を使用して冷却した冷媒中に15分間保持した後ただちに60°円錐ポンチで押拡げ試験を行い、粒界割れが生じない最低温度を耐二次加工割れ限界温度として評価した。
結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
母材のSi,Mn,P含有量が本発明規定範囲より多い比較例の鋼No.12〜15は、高温強度や平板での耐高温酸化性は良好であるものの、20%加工材の耐高温酸化性は大幅に劣化した。平板と20%加工材の酸化増量の差は24.4〜40.0g/mと大きい。20%加工材は試料全体が加工部であるから、これらの比較例は加工部において耐高温酸化性が著しく低下するものである。また、母材のTi含有量が本発明の規定より少ない比較例の鋼No.16,17は、耐高温酸化性が基本的に劣っているだけでなく、高温強度も低いことがわかる。
【0036】
これに対し、本発明で規定する成分組成範囲の母材を用いた本発明例の鋼は、平板と20%加工材の酸化増量の差が4.8〜10.2g/m2と小さい。すなわち加工部での耐高温酸化性の低下は比較例のものより大幅に改善していることがわかる。また、室温での伸びが40%以上であり加工性は良好である。600℃での高温引張強さは100N/mm2以上、700℃でも60N/mm2以上を維持していることから、500℃を超える高温域において構造材として通常の使用に耐え得る高温強度を有している。さらに、母材にBを添加した鋼No.8〜10は、特に優れた耐二次加工割れ性を示した。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、溶融Al系めっき鋼板に関し、500℃を超える高温域において構造材として通常の使用に耐え得る高温強度を維持しながら、加工部での耐高温酸化性を安定して大幅に改善する技術を提供した。したがって、本発明は、溶融Al系めっき鋼板を一層厳しい加工用途に供することを可能にしたものである。
Claims (5)
- 質量%で、C:0.02%以下、Si:0.10%以下、Mn:0.05〜0.90%、P:0.005〜0.05%、S:0.015%以下、Al:0.001〜0.10%、N:0.010%以下、Ti:0.11〜0.50%、N b または、N b 及びM o の合計:0.01〜0.50%、B:0(無添加)〜0.0030%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板を母材として溶融Al系めっきを施した加工部の耐高温酸化性に優れた溶融Al系めっき鋼板。
- 母材の鋼板が、B:0.00003〜0.0030質量%を含有するものである請求項1に記載の溶融Al系めっき鋼板。
- Mn含有量が0.20〜0.90質量%である請求項1または2に記載の溶融Al系めっき鋼板。
- 溶融Al系めっきが、Si:5〜11質量%を含有するAl−Si系合金めっきである請求項1〜3のいずれかに記載の溶融Al系めっき鋼板。
- 熱延仕上温度:Ar3変態点以上、巻取温度:700℃以下の条件で熱間圧延を行ったのち、酸洗の前および後のうち一方または双方で冷間圧延を行ってトータルの冷間圧延率を40%以上とし、次いで、インライン焼鈍型の連続溶融めっきラインにて材温:800〜880℃で40秒以上保持する焼鈍を行ったのち溶融Al系めっきを施す請求項1〜4のいずれかに記載の溶融Al系めっき鋼板の製造法。
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