JP3942344B2 - 切替式トラップ装置 - Google Patents
切替式トラップ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3942344B2 JP3942344B2 JP2000205634A JP2000205634A JP3942344B2 JP 3942344 B2 JP3942344 B2 JP 3942344B2 JP 2000205634 A JP2000205634 A JP 2000205634A JP 2000205634 A JP2000205634 A JP 2000205634A JP 3942344 B2 JP3942344 B2 JP 3942344B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- trap
- regeneration
- sealing material
- diameter
- path
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体製造装置等の真空チャンバを真空に排気するために用いる真空排気システムにおいて用いられるトラップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空排気システムを、図12を参照して説明する。ここにおいて、真空チャンバ101は、例えばエッチング装置や化学気相成長装置(CVD)等の半導体製造工程に用いるプロセスチャンバであり、この真空チャンバ101は、配管102を通じて真空ポンプ103に接続されている。真空ポンプ103は、真空チャンバ101からのプロセスの排ガスを大気圧まで昇圧するためのもので、従来は油回転式ポンプが、現在はドライポンプが主に使用されている。
【0003】
真空チャンバ101が必要とする真空度が真空ポンプ103の到達真空度よりも高い場合には、真空ポンプ103の上流側にさらにターボ分子ポンプ等の超高真空ポンプが配置される。真空ポンプ103の下流には排ガス処理装置104が配備されており、プロセスの種類により毒性や爆発性があってそのまま大気に放出できないガス成分は、ここで吸着、分解、吸収等の処理が行われて無害なガスのみが大気に放出される。なお、配管102には必要に応じて適所にバルブが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の真空排気システムにおいては、反応副生成物の中に昇華温度の高い物質がある場合、昇圧途中でガスが固形化し、真空ポンプ内に析出して真空ポンプの故障の原因になる欠点がある。
【0005】
例えば、アルミニウムのエッチングを行うために、代表的なプロセスガスであるBCl3,Cl2を使用すると、プロセスチャンバからは、BCl3,Cl2のプロセスガスの残ガスとAlCl3の反応副生成物が真空ポンプより排気される。
【0006】
このうち、AlCl3は、真空ポンプの吸気側では分圧が低いので析出しないが、加圧排気する途中で分圧が上昇し、真空ポンプ内で析出してポンプ内壁に付着し、真空ポンプの故障の原因となる。これは、SiNの成膜を行うCVD装置から生じる(NH4)2SiF6やNH4Cl等の反応副生成物の場合も同様である。
【0007】
従来、この問題に対して、真空ポンプを加熱して真空ポンプ内部で固形化物質が析出しないようにし、ガスの状態で真空ポンプを通過させる等の対策が施されてきた。しかしこの対策では、真空ポンプ内での析出に対しては効果があるが、その結果として、その真空ポンプの下流に配置される排ガス処理装置で固形化物が析出し、充填層の目詰まりを生じさせる問題があった。
【0008】
そこで、ポンプの上流、あるいは下流にトラップ装置を取り付け、このトラップ装置のトラップ部に生成物を付着させ、固形化物を生成する部分(成分)を先に除去して排気経路に設けられた各種機器を保護することが考えられる。しかし、従来のトラップ装置は、トラップ効率が一般に悪く、排気中の成分のおよそ60%がトラップ部に付着することなくそのまま流れ、下流の配管や各種機器に付着していた。これは、トラップ装置の容器内壁とトラップ部との間のトラップ効率の悪い部分に排気が流れて処理されずに通過してしまうこと等の理由によると考えられる。
【0009】
本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、真空チャンバ側で必要とするコンダクタンスを維持しながらトラップ効率を上げることができ、真空ポンプの長寿命化、除害装置の保護等を図って真空処理装置を安定に稼動させることができる切替式トラップ装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、気密チャンバから真空ポンプにより排気する排気経路と、該排気経路に隣接して配置された再生経路に跨って配置された略筒状の気密なトラップ・再生容器と、該トラップ・再生容器の内部に前記排気経路と前記再生経路との間を切替え可能に配置されたトラップ部とを備え、前記トラップ部の両側に、外周端面にシール材を装着した弁体が該トラップ部と一体に前記トラップ・再生容器の内周面を摺動するように配置されていることを特徴とする切替式トラップ装置である。
【0011】
これにより、トラップ部の外径をトラップ・再生容器の内径に近い値に設定することができ、トラップ・再生容器内に流入した排ガスのトラップ部への接触効率を向上させることができる。従って、気密チャンバ内におけるプロセス及び真空ポンプの性能に影響のない排ガスのコンダクタンスを維持して所定の排気能力を確保しつつ、排ガス中の生成物のトラップ効率を高めることができる。また、トラップ部を排気経路から再生経路に切替える構造であるので、トラップの再生処理をインラインで行うことができ、トラップ再生のための作業が簡略化される。
【0012】
チャンバは、例えば、半導体装置のプロセスチャンバであり、必要に応じて、プロセスガスを除害化する排ガス処理装置を設ける。真空ポンプとしては、油による逆拡散によるチャンバの汚染を防ぐために排気経路に潤滑油を用いないドライポンプを用いるのが好ましい。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記トラップ・再生容器の内部に、少なくとも2つのトラップ部が配置されて、前記排気経路におけるトラップ動作と前記再生経路における再生動作を並行して行なうことができることを特徴とする請求項1に記載の切替式トラップ装置である。
【0014】
これにより、長時間の稼働においてもトラップの再生処理のために装置を止めたり、交換のトラップを用意する必要がなく、気密チャンバにおいて連続的に安定した処理を行なうことができる。また、適当な切替タイミング判定手段を用いて完全な自動化を図ることも容易である。
【0015】
トラップ部を温度トラップとして構成する場合、外部から温度媒体をトラップ部に流通させる方法があり、温度媒体としては、液化ガスの気化熱(例えば液体窒素)、あるいは冷却水、冷媒などがある。また、熱電素子(ペルチェ素子)や、パルスチューブ冷凍機などを用いて温度媒体そのものを流さずにトラップ部で低温を発生させる方法もある。
【0016】
一方、再生部においても同様に、熱媒体を用いる場合と、ヒータ、熱電素子、自然昇温などを用いる場合がある。再生においては、再生用の熱媒体(通常ガス)に再生したガス等を同伴させる場合と別々に回収する場合があり、後者の場合は再生媒体経路を別に設ける。
【0017】
トラップ部の切替駆動は、エアーシリンダで行なうようにしてもよい。その場合は、ソレノイドバルブ、スピードコントローラで構成されたエアー駆動制御機器により制御するようにしてもよく、さらに、エアー駆動制御機器を、シーケンサあるいは、リレーによる制御信号により、制御するようにしてもよい。
【0018】
トラップ部の切替を人手を介することなく完全に自動的に行なう方法としては、例えば、トラップ部の前後の差圧を検出するセンサを設けてこれの検出値が所定値になったときに切替を行なう方法、あるいはより実用的な方法として予め適当な切替時間を設定しておく方法がある。排気経路と再生経路が1対1である場合には、トラップと再生の時間は同一となるので、再生終了時間の方が短くなるように再生能力をトラップ能力よりも高めておくのが好ましい。
【0019】
請求項3に記載の発明は、前記シール材は、前記弁体の外周端面に前記トラップ・再生容器の内周面に向けて拡径自在に装着されていることを特徴とする請求項1または2記載の切替式トラップ装置である。これにより、シール材を拡径させトラップ・再生容器の内周面に密接させることで、弁体の停止時(シール時)における十分な気密性を確保し、弁体の移動時にはシール材を縮径させ弁体の外周端面からの突出量を少なくすることで、シール材の弁体移動時における摺動による負荷を減らしてシール材の耐久性を上げることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記シール材は、拡径した時にのみ前記トラップ・再生用容器の内周面に圧接し、それ以外は潰し量がゼロとなるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の切替式トラップ装置である。これにより、弁体の停止時(シール時)における十分な気密性を確保しつつ、弁体の移動時におけるシール部の負担を可能な限り減らすことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、前記弁体の内部に、前記シール材を外方に押圧することで該シール材を拡径させる手段が備えられていることを特徴とする請求項3または4記載の切替式トラップ装置である。これにより、弁体の内部を有効に利用して、装置としてのコンパクト化を図ることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、前記シール材を拡径する手段は、互いに対向して配置された一対の部材、または外周部に互いに対向して外方に向けて横断面V字状に拡がるテーパ面を有する一対の部材を互いに接離する方向に相対的に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の切替式トラップ装置である。これにより、一対の部材をメカ的に互いに近づけることで、鉛直面またはテーパ面を介してシール材を拡径させ、遠ざけることでシール材をその弾性力で縮径させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態の切替式トラップ装置を示すもので、このトラップ装置10は、気密チャンバ12を真空ポンプ14により排気する排気経路16と、この排気経路16に隣接して配置された再生経路18に跨って配置されている。真空ポンプ14は、この例では一段であるが多段としてもよい。真空ポンプ14の後段には、排ガスを除害するための排ガス処理装置20が設けられている。再生経路18は、洗浄液ライン22と乾燥ガスライン24とを有し、洗浄液ライン22の注入側及び排出側に制御バルブ26a,26bが、乾燥ガスライン24の吸気側及び排気側に制御バルブ28a,28bがそれぞれ設けられている。
【0024】
切替式トラップ装置10は、図2(a)に示すように、両端を塞板30で気密的に閉塞した略円筒状のトラップ・再生容器32と、トラップ・再生容器32の軸線に沿ってこれを貫通する軸体36と、トラップ・再生容器32の内部に軸体36に取り付けられて配置されたトラップ部34と、この軸体36を軸線に沿って往復移動させる駆動手段であるエアシリンダ(図示せず)を備えている。トラップ・再生容器32には、排気経路16に連なる吸気口38と排気口40、洗浄液ライン22に連なる洗浄液注入ポート42と排出ポート44、乾燥ガスライン24に連なるパージポート46と排気ポート48が設けられている。
【0025】
軸体36には、トラップ部34の両側に位置して外径がトラップ・再生容器32の内径よりわずかに小さく設定された一対の円板状の弁体50,50が固着されている。図2(b)に示すように、この各弁体50の外周端面には全周にわたるシール装着溝51が形成され、これにシール材52が装着されている。このシール材52は、例えばOリングあるいはキャップシール等が良い。この各シール材52は、装着された時にシール装着溝51とトラップ・再生容器32の内周面によって圧縮されるような太さに設定され、シール材52がトラップ・再生容器32の内周面に密着することによって、トラップ・再生容器32の内周面と弁体50の外周面の間の隙間がシールされるようになっている。トラップ・再生容器32の内周面をテフロン等でコーティングすることによって、より摺動し易くする事ができ、又耐薬品性を高くすることができる。
【0026】
このような構造により、トラップ・再生容器32の内部の一対の弁体50,50の間に、内部にトラップ部34を有する気密なトラップ・再生室54が区画形成される。トラップ・再生室54は、トラップ部34が排気経路16に対応する排気位置にある時にはトラップ室としての役割を、トラップ部34が再生経路18に対応する再生位置にある時は再生室としての役割を果たすようになっている。
【0027】
このように、シール材52を弁体50の外周端面に設けることで、トラップ・再生容器32の側にトラップ位置と再生位置を区画するための部材を内周面から突出させて設ける必要が無い。従って、トラップ部34の外径d1をトラップ・再生容器32の内径d2にほぼ等しく設定しても、その移動を妨げられることがない。このように、トラップ部34とトラップ・再生容器32の間の隙間が小さいので、内部に導入された排ガスの内、トラップ部34に接触せずにこれを迂回して流れてしまうものの割合を減少させることができ、トラップ効率を高めることができる。
【0028】
トラップ部34は、例えば軸体36に溶接等によって取り付けられた複数のバッフル板で構成され、軸体36の内部に導入された液体窒素のような液体、冷却された空気又は水等の冷却用熱媒体によって冷却されるようになっている。なお、トラップ部34の所定位置に温度センサ(図示せず)が、また、排気経路16のトラップ部34の前後に圧力センサ(図示せず)が設けられ、これにより温度や差圧を検知することができるようになっている。
【0029】
次に、前記のような構成の切替式トラップ装置の作用を説明する。図2に示すトラップ部34が排気経路16内に位置し、トラップ・再生室54がトラップ室としての役割を果たす位置において、軸体36内に液体窒素等の冷却用熱媒体を流すことによりトラップ部34を冷却する。トラップ・再生室54内に流入した排ガス中の特定の成分は、トラップ部34に接触し、ここで析出し付着してトラップされる。
【0030】
この時、トラップ部34の外径d1はトラップ・再生容器32の内径d2に近い値に設定されているので、内部に導入された排ガスの内、トラップ部34を迂回して未接触のまま流出する量は少ない。従って、気密チャンバ12内におけるプロセス及び真空ポンプ14の性能に影響のない排ガスのコンダクタンスを維持しながら、排ガス中の生成物に対するトラップ効率を高めることができる。発明者等がNH4Clのトラップを試験した結果、98%のトラップ効率が得られ、しかもコンダクタンスは半導体製造装置の運用に問題のない値であることが確かめられている。
【0031】
トラップ作業が完了すると、トラップ部34の冷却を停止し、エアシリンダを作動させて、軸体36を移動させ、トラップ部34を再生経路18側に移動させる。このようにしてトラップ・再生室54に洗浄液ライン22と乾燥ガスライン24を連通させた状態で、洗浄液注入ポート42から洗浄液をトラップ・再生室54内に注入する。トラップされた生成物は、洗浄液に溶解したり、その物理作用により剥離し、さらにこれに同伴して除去され、排出ポート44から排出される。洗浄完了後、乾燥ガスパージポート46から乾燥用ガス、例えばN2ガスをトラップ・再生室54内に供給し、トラップ部34及びトラップ・再生室54の内部を乾燥させ、乾燥ガスは排気ポート48から排気される。乾燥が終了すると、トラップ部34を排気経路16側に戻し、次のトラップ処理を行なう。
【0032】
もちろん、トラップ・再生室54は、弁体50に装着したシール材52を介して気密に保たれており、トラップや再生の際に外部からの汚染要素が排気経路16や再生経路18に侵入することが防止される。
【0033】
図3は、本発明の第2の実施の形態の切替式トラップ装置を示すもので、このトラップ装置10は、トラップ・再生容器32の内部の排気位置の両側に再生位置を設けたものである。排気位置には排気経路16が、2つの再生位置にはそれぞれ再生経路18が接続されている。軸体36には2つのトラップ部34,34が設けられ、このトラップ部34,34の両側及び間に3個の弁体50,50,50を配置している。弁体50の外周面に形成されたシール装着溝51(図2参照)にシール材52が装着されている。これにより3つの弁体50,50,50とトラップ・再生容器32の内壁により、それぞれシール材52によって気密にシールされた2つのトラップ・再生室54,54が区画形成されている。
【0034】
この例では、制御バルブ26a,26bを備えた洗浄液ライン22と制御バルブ28a,28bを備えた乾燥ガスライン24とが合流した後、2つの再生経路18,18に分岐してトラップ装置10内に流入し、更にこれらの2つの再生経路18,18がトラップ装置10の下流側で合流した後、洗浄液ライン22と乾燥ガスライン24に分岐するようになっている。各再生経路18,18のトラップ装置10の上流側及び下流側には、制御バルブ56a,56b、58a,58bがそれぞれ設けられている。
【0035】
この実施の形態によれば、図3に示す状態では、左側のトラップ部34が左側の再生経路18内に位置して再生を受け、右側のトラップ部34が排気経路16内に位置してトラップ動作を行なう。次に、軸体36を移動させて、左側のトラップ部34を排気経路16内に位置させ、右側のトラップ部34を右側の再生経路18内に位置させて、それぞれトラップと再生動作を行なう。このように、再生とトラップ動作を切替えて行なうことにより、トラップの連続動作が可能となり、長時間の稼働においてもトラップの再生処理のために装置を止めたり、交換用のトラップを用意することなく、気密チャンバ12の連続した処理を行うことができる。
【0036】
図4乃至図7は、本発明の第3の実施の形態の切替式トラップ装置を示すもので、このトラップ装置10は、図3に示すトラップ装置と基本的に同じである。すなわち、トラップ・再生容器32の内部の排気位置の両側に再生位置が設けられ、排気位置には排気経路16が、2つの再生位置にはそれぞれ再生経路18が接続されている。軸体36には2つのトラップ部34,34が設けられ、このトラップ部34,34の両側及び間に3個の弁体50,50,50が配置され、この各弁体50の外周端面にシール材52が装着されている。これにより、3つの弁体50,50,50とトラップ・再生容器32の内壁により、それぞれシール材52によって気密にシールされた2つのトラップ・再生室54,54が区画形成されている。
【0037】
この例では、制御バルブ26a,26bを備えた洗浄液ライン22と制御バルブ28a,28bを備えた乾燥ガスライン24が個別にトラップ装置10に接続されている。なお、この例にあっても、トラップ部34の外径をトラップ・再生容器32の内径に近づけることができるので、図6に示すように、そのクリアランスdをより少なくして、トラップ効率を高めることができる。
【0038】
ここで、弁体50は、図7に詳細に示すように、一対の円板60,62を備え、この円板60,62は、軸体36(図4乃至図6参照)を移動往復させる駆動手段であるシリンダ(図示せず)の駆動に伴って相対的に接離する方向に移動するように構成されている。そして、この一方の円板60には、他方の円板62に向かって延出する円筒部64が設けられ、この円筒部64の外周面に横断面尖塔状の移動リング66が遊嵌され、更に弁体60,62間には円筒部64の内周面に位置してパッキン68が介装されている。
【0039】
更に、円板60の移動リング66の一方のテーパ面66aと対向する位置には、該テーパ面66aと横断面V字状に外方に拡がるようにテーパ面60aが形成され、円板62の他方のテーパ面66bと対向する位置には、該テーパ面66bと横断面V字状に外方に拡がるようにテーパ面62aが形成されている。そして、互いに対向するテーパ面60a,66a、62a,66bに当接するように、2個のシール材52,52がそれぞれ配置されている。
【0040】
これにより、図7(a)に示すように、一対の円板60,62が互いに離れる方向に移動した位置にいた時には、各シール材52がテーパ面60a,66a、62a,66bに囲まれた領域に、その外周端部が僅かに外方に突出するように収納され、この状態から一対の円板60,62が互いに近づく方向に移動すると、図7(b)に示すように、各シール材52がテーパ面60a,66a、62a,66bで押圧されて拡径し、これによって、各シール材52がテーパ面60a,66a、62a,66b及びトラップ・再生容器32の内周面の3面で、いわゆる三角溝と同じような状態で密接して、ここを確実にシールし、しかも、2重シール構造が構成されるようになっている。
【0041】
この実施の形態によるトラップ及び再生動作は、前記第2の実施の形態と同じであるが、シリンダ(図示せず)を駆動させて軸体36を移動させる際に、この移動に先立って、各弁体50の円板60,62を互いに離れる方向に移動させ、これによって、各シール材52をテーパ面60a,66a、62a,66bに囲まれた領域に収納する。そして、軸体36の移動が完了した後、一対の円板60,62を互いに近づく方向に移動させ、これによって、各シール材52をテーパ面60a,66a、62a,66bで押圧して拡径し、各シール材52をテーパ面60a,66a、62a,66b及びトラップ・再生容器32の内周面の3面に密接させてシールする。
【0042】
これにより、シール材52を拡径させトラップ・再生容器32の内周面に密接させることで、弁体50の停止時(シール時)における十分な気密性を確保し、弁体50の移動時にはシール材52を縮径させ弁体50の外周端面からの突出量を少なくすることで、シール材52の弁体移動時における摺動による摩擦や、吸気口38、排気口40、洗浄液注入ポート42及び排出ポート44、乾燥ガスパージポート46及び排気ポート48等の段差部を通過する際の衝撃等の負荷を減らしてシール材52の耐久性を上げることができる。
【0043】
なお、この例では、2重シール構造を構成するようにした例を示しているが、この例における移動リングを省略し、一対の円板のテーパ面間に1個のシール材を挟み込んだ1重シール構造を採用しても良いことは勿論である。
【0044】
図8は、シール材52を拡径するようにした第2の例を示すもので、これは、弁体50の内部にガスが流れるガス流通溝50aを設けるとともに、このガス流通溝50aと弁体50の外周端面に設けたシール装着溝51とを貫通孔50bを介して連通させたものである。この例にあっては、停止時(シール時)にガス流通溝50aの内部に加圧ガスを導入し、このガス圧でシール材52を外方に押圧し拡径させてトラップ・再生容器32の内周面に密接させる。そして、弁体50の移動時には、ガスの導入を解き、シール材52をその弾性力で縮径させ、その外方への突出量を少なくすることで、摺動によるシール材52への負担を減らすことができる。
【0045】
図9は、シール材52を拡径するようにした第3の例を示すもので、これは、円板状の本体70の外周端面にリング状の円周溝70aを設け、この円周溝70aの内部に半割状のバイメタル72を遊嵌して弁体50を構成したものである。このバイメタル72は、例えば加熱するか、或いは電気を流すことで外方に開くように構成されている。この例にあっては、停止時(シール時)にバイメタル72を加熱するか、或いは電気を供給し、この外方へ開く力Fでシール材52を外方に押圧し拡径させてトラップ・再生容器32の内周面に密接させる。そして、弁体50の移動時には、加熱或いは電気を供給を解き、シール材52をその弾性力で縮径させ、その外方への突出量を少なくすることで、摺動によるシール材52への負担を減らすことができる。
【0046】
図10は、シール材52を拡径するようにした第4の例を示すものである。なお、同図は、図5における3個の弁体50を全て示している。この各弁体50は、一対の円板80,82を備えており、左右に位置する弁体50にあっては、一対の円板80,82を互いに離れる方向に付勢するばね84が介装されて、このばね84の弾性力及び軸体36(図5等参照)を往復動させる駆動手段であるシリンダの駆動に伴って、円板80,82が相対的に接離する方向に移動するように構成されている。
【0047】
そして、円板80,82に挟まれた位置にリング状体86が配置され、このリング状体86の両側の各円板80,82に挟まれた位置にシール材52がそれぞれ配置されている。更に、円板80,82の間には、パッキン88が介装されている。
【0048】
これにより、図10(a)に示すように、一対の円板80,82が互いに離れる方向に移動した位置にある時には、各シール材52がリング状体86の両側の各円板80,82に囲まれた領域に潰れることなく、すなわちトラップ・再生容器32の内周面に接触せず、かつフリーな状態で収納され、この状態から一対の円板80,82が互いに近づく方向に移動すると、図10(b)に示すように、各シール材52がリング状体86と各円板80,82で押圧されて拡径し、これによって、各シール材52の外周端部がトラップ・再生容器32の内周面に密接して、ここを確実にシールし、しかも、2重シール構造が構成されるようになっている。
【0049】
この例にあっては、シリンダ(図示せず)を駆動させて軸体36(図5等参照)を移動させる際に、この移動に先立って、各弁体50の円板80,82を互いに離れる方向に移動させ、これによって、各シール材52をフリーな状態でリング状体86の両側の各円板80,82に挟まれた位置に収納する。そして、軸体36の移動が完了した後、一対の円板80,82を互いに近づく方向に移動させ、これによって、各シール材52をリング状体86と各円板80,82で押圧して拡径し、各シール材52の外周端部をトラップ・再生容器32の内周面の密接させてシールする。
【0050】
このように、シール材52を拡径させトラップ・再生容器32の内周面に密接させることで、弁体50の停止時(シール時)における十分な気密性を確保し、しかも、弁体50の移動時にシール材52にかかる負担を可能な限り減らして、シール材52の耐久性を更に向上させることができる。
【0051】
図11は、シール材52を拡径するようにした第5の例を示すもので、これは、シール材52をOリング90と該Oリング90の外周部を覆って保護する被覆材92で構成した、いわゆるキャップタイプのものを使用し、これによって、シールの耐久性を更に向上させたものである。他の構成は、図10に示すものと同様である。
【0052】
この例にあっても、図11(a)に示すように、一対の円板80,82が互いに離れる方向に移動した位置にある時には、各シール材52がリング状体86の両側の各円板80,82に囲まれた領域に潰れることなく収納され、この状態から一対の円板80,82が互いに近づく方向に移動すると、図11(b)に示すように、各シール材52がリング状体86と各円板80,82で押圧されて拡径し、これによって、各シール材52の外周端部がトラップ・再生容器32の内周面に密接して、ここを確実にシールし、しかも、2重シール構造が構成されるようになっている。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、トラップ部の外径をトラップ・再生容器の内径に近い値に設定することができ、トラップ・再生容器内に流入した排ガスのトラップ部への接触効率を向上させることができる。従って、トラップ装置のコンダクタンスを維持して所定の排気能力を確保しつつ、排ガス中の生成物のトラップ効率を高めることができ、真空ポンプの長寿命化、除害装置の保護等を図りつつ、真空処理装置を安定に稼動させることができる。
【0054】
しかも、シール材をトラップ・再生容器の内周面に向けて拡径自在に構成することで、弁体の停止時(シール時)における十分な気密性を確保するとともに、シール材の弁体移動時における摺動による負荷を減らしてシール材の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のトラップ装置の全体の構成を示す模式図である。
【図2】図1のトラップ装置の要部を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のトラップ装置の全体の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態のトラップ装置の全体の構成を示す模式図である。
【図5】図4のトラップ装置の要部を示す断面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図4のトラップ装置に備えられているシール材拡径手段の要部を示す断面図で、(a)は弁体移動時を、(b)は停止時(シール時)を示す。
【図8】本発明の第2のシール材拡張手段の要部を示す断面図である。
【図9】本発明の第3のシール材拡張手段を示し、(a)は断面図、(b)は(a)のB−B線矢視図である。
【図10】本発明の第4のシール材拡径手段を示す断面図で、(a)は弁体移動時を、(b)は停止時(シール時)を示す。
【図11】本発明の第5のシール材拡径手段を示す断面図で、(a)は弁体移動時を、(b)は停止時(シール時)を示す。
【図12】従来の真空排気システムの構造を示す図である。
【符号の説明】
10 トラップ装置
12 気密チャンバ
14 真空ポンプ
16 排気経路
18 再生経路
20 排ガス処理装置
22 洗浄液ライン
24 乾燥ガスライン
32 トラップ・再生容器
34 トラップ部
36 軸体
38 吸気口
40 排気口
42 洗浄液注入ポート
44 排出ポート
46 乾燥ガスパージポート
48 排気ポート
50 弁体
50a ガス流通溝
50b 貫通孔
51 シール装着溝
52 シール材
54 トラップ・再生室
60 円板
60a 同、テーパ面
62 円板
62a 同、テーパ面
66 移動リング
66a,66b 同、テーパ面
72 バイメタル
80,82 円板
86 リング状体
Claims (6)
- 気密チャンバから真空ポンプにより排気する排気経路と、
該排気経路に隣接して配置された再生経路に跨って配置された略筒状の気密なトラップ・再生容器と、
該トラップ・再生容器の内部に前記排気経路と前記再生経路との間を切替え可能に配置されたトラップ部とを備え、
前記トラップ部の両側に、外周端面にシール材を装着した弁体が該トラップ部と一体に前記トラップ・再生容器の内周面を摺動するように配置されていることを特徴とする切替式トラップ装置。 - 前記トラップ・再生容器の内部に、少なくとも2つのトラップ部が配置されて、前記排気経路におけるトラップ動作と前記再生経路における再生動作を並行して行なうことができることを特徴とする請求項1に記載の切替式トラップ装置。
- 前記シール材は、前記弁体の外周端面に前記トラップ・再生容器の内周面に向けて拡径自在に装着されていることを特徴とする請求項1または2記載の切替式トラップ装置。
- 前記シール材は、拡径した時にのみ前記トラップ・再生用容器の内周面に圧接し、それ以外は潰し量がゼロとなるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の切替式トラップ装置。
- 前記弁体の内部には、前記シール材を外方に押圧することで該シール材を拡径させる手段が備えられていることを特徴とする請求項3または4記載の切替式トラップ装置。
- 前記シール材を拡径する手段は、互いに対向して配置された一対の部材、または外周部に互いに対向して外方に向けて横断面V字状に拡がるテーパ面を有する一対の部材を互いに接離する方向に相対的に移動させるように構成されていることを特徴とする請求項5記載の切替式トラップ装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000205634A JP3942344B2 (ja) | 1999-09-08 | 2000-07-06 | 切替式トラップ装置 |
US09/630,639 US6554879B1 (en) | 1999-08-03 | 2000-08-01 | Trap apparatus |
TW089115470A TW499546B (en) | 1999-08-03 | 2000-08-02 | Trap apparatus |
KR1020000045108A KR100665385B1 (ko) | 1999-08-03 | 2000-08-03 | 트랩 장치 |
EP00116812A EP1074287A3 (en) | 1999-08-03 | 2000-08-03 | Trap apparatus |
CNB001262874A CN1208114C (zh) | 1999-08-03 | 2000-08-03 | 收集装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25407099 | 1999-09-08 | ||
JP11-254070 | 1999-09-08 | ||
JP2000062588 | 2000-03-07 | ||
JP2000-62588 | 2000-03-07 | ||
JP2000205634A JP3942344B2 (ja) | 1999-09-08 | 2000-07-06 | 切替式トラップ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001323875A JP2001323875A (ja) | 2001-11-22 |
JP3942344B2 true JP3942344B2 (ja) | 2007-07-11 |
Family
ID=27334289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000205634A Expired - Lifetime JP3942344B2 (ja) | 1999-08-03 | 2000-07-06 | 切替式トラップ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3942344B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004111834A (ja) * | 2002-09-20 | 2004-04-08 | Tokyo Electron Ltd | 真空排気系及び切替式トラップ装置 |
-
2000
- 2000-07-06 JP JP2000205634A patent/JP3942344B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001323875A (ja) | 2001-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4046474B2 (ja) | 連続処理型トラップ装置及び該トラップ装置の運転方法 | |
EP0829667B1 (en) | Moulded rubber valve seal for a valve | |
JP3544604B2 (ja) | 切替式トラップ装置 | |
US6554879B1 (en) | Trap apparatus | |
JP2015532407A (ja) | 腐食及び堆積から保護された弁装置及び方法 | |
JP5296811B2 (ja) | クライオポンプ及び真空バルブ装置 | |
JP2002206480A5 (ja) | ||
JP3942344B2 (ja) | 切替式トラップ装置 | |
JP3227105B2 (ja) | 真空排気システム | |
JP3162647B2 (ja) | トラップ装置 | |
JP3979458B2 (ja) | トラップ装置 | |
JP3630518B2 (ja) | トラップ装置 | |
JPH10266957A (ja) | トラップ装置 | |
JP3129980B2 (ja) | トラップ装置及びその再生方法 | |
JPH10266961A (ja) | 真空排気システム | |
JP3227104B2 (ja) | 真空排気システム | |
JP3162650B2 (ja) | トラップ装置及びその再生方法 | |
JP2001107858A (ja) | トラップ装置 | |
JP3162649B2 (ja) | トラップ装置及びその再生方法 | |
JP2001132638A (ja) | トラップ装置 | |
JPH10176664A (ja) | シランの回収方法及び装置 | |
JP2001342950A (ja) | 真空ドライポンプ及びトラップ方法 | |
JPH11210621A (ja) | トラップ装置 | |
JPH0460291A (ja) | 遮断バルブ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070327 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070403 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070403 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |