JP3941969B2 - コントローラの自動運転機能を備えたミシン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ミシンのコントローラの制御にかかわり、特にコントローラ操作中の速度を制御して、能率化と安全性を備えたコントローラの自動運転機能を備えたミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータ駆動のミシンにおける速度制御は、指定速度を定めて駆動・停止させるタイプのものと、フット式のコントローラと呼ばれる足踏み操作によりミシンモータの速度を加速、減速させるタイプのものが存在している。
【0003】
一般に、縫製物の縫いにおいて、単に直線を縫うというものでなく、カーブの個所や短い部分を縫うことが多いため、頻繁に手操作を要求されることが多い。
【0004】
この点で足踏み操作でのコントローラによる縫製作業では、手を開放し、両手による縫い操作を可能としつつ、複雑な部分等の細かい箇所でも、その速度を自由に変更させ、その縫製箇所に最適の速度で足踏みの加減で調節していた。これによって優れた縫製作業ができるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのような優れた縫製作業ができるコントローラによる操作も、縫製物によっては、例えばカーテン、テーブルセンターなどの比較的長い距離を縫うものでは、縫う間中、コントローラを踏み続けなければならないものである。この点では、指定速度を定めて、手,指でON/OFFさせるタイプのものが有利であった。また、近年自動刺しゅうモードでミシンによる刺しゅう縫いをするミシンが普及しているが、これらは比較的多くの針数のものであり、その一模様を完成させるために数分から十数分もコントローラを操作しなければならなかった。このように、直線部分が続く場合など、略同じ速度で長い時間縫うときには、コントローラを踏み続けなければならなかった。
【0006】
さらに前記の長い距離を縫うものでもその距離に続いて短い部分を縫製するためにすぐまたコントローラの操作を行ないたいという要求がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意、研究を重ねた結果、その発明を、操作力によって変位して、操作力を解除することで自動復帰し、変位した操作量を電気信号に変換する足踏み式のコントローラの電気信号にてミシンモータを駆動させる駆動回路とにより速度制御するミシンであって、前記ミシンモータをコントローラ操作中の速度を一定に維持する速度制御である、自動運転速度で自動運転させるための自動運転指令手段と、運転中のミシンモータの速度を検出する速度検出手段と、足踏み式のコントローラ操作中の所定時間内における同一速度信号を検出する同一速度検出手段と、該同一速度検出手段で検出した速度を記憶する速度記憶手段と、前記同一速度検出手段による検出結果を始動信号として前記速度記憶手段に記憶された同一速度を維持する自動運転をすると共に、該自動運転中に該自動運転を解除して足踏み式のコントローラの速度制御信号に基づいてミシンモータを駆動させる通常の運転とする解除手段とを備えることにより課題を解決した。
また、本発明は、操作力によって変位して、操作力を解除することで自動復帰し、変位した操作量を電気信号に変換する足踏み式のコントローラの電気信号にてミシンモータを駆動させる駆動回路とにより速度制御するミシンであって、前記ミシンモータをコントローラ操作中の速度を一定に維持する速度制御である、自動運転速度で自動運転させるための自動運転指令手段と、運転中の足踏み式のコントローラ操作中の所定時間内における同一速度信号を検出する同一速度検出手段と、該同一速度検出手段による検出結果を始動信号として前記ミシンモータを任意の同一速度を維持する自動運転をすると共に、該自動運転中に該自動運転を解除して足踏み式のコントローラの速度制御信号に基づいてミシンモータを駆動させる通常の運転とする解除手段とを備えてなることにより課題を解決した。
【0008】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明すると、図3は本発明の略示図である。そのミシンは、予めコンピュータプログラムが組み込まれ、中央処理装置(CPU)2を含む制御装置により種々の刺しゅう縫いが可能に構成され、通常縫い及び刺しゅう縫いが可能な複合刺しゅうミシンや、刺しゅう縫いのみが可能な刺しゅうミシンが含まれる。
【0009】
ミシン機枠1には、各種内蔵模様を選択するための模様選択キー3aを備えた模様選択手段3が配設されている。ミシン機枠1内には公知の駆動モータとしてのミシンモータ4が内蔵されている。
【0010】
コントローラ5は、ミシンモータ4の速度を制御する足踏み式として構成されている。そのコントローラ5には、操作量を電気信号に変換する変換手段5aが内蔵されている。
【0011】
駆動回路6は、コントローラ5の速度制御信号に基づいてミシンモータ4を駆動させるように構成されている。
【0012】
同一速度検出手段7は、タイマー手段8による所定時間内において、ミシンモータ4の同一速度(回転数)又は該速度に応じた電流値(電流量)信号の増減が一定領域内にある場合には、その検出直後の値を同一速度として検出するように構成され、前記中央処理装置(CPU)2に接続されている。すなわち、自動運転する前段階として、コントローラ5を操作して、例えば、所定時間内において略一定速度となった場合には、同一速度として検出されるものである。
【0013】
具体的には、タイマー手段8による所定時間の最初の測定値と、タイマー手段8による所定時間の最後の測定値とにおいて、速度振れ比較手段9によって所定範囲内の速度振れの場合にのみに出力される出力信号に対し、同一速度検出手段7による同一速度として測定できるように構成されている。
【0014】
始動操作手段10は、ミシンモータ4を任意の所定速度で自動運転させるためにスタートするためのものであり、前記コントローラ5に内蔵され、前記同一速度検出手段7による検出結果に基づいて自動運転される。始動操作手段10はコントローラ5の操作にて動作するように構成されている。
【0015】
速度検出手段11は、ミシンモータ4の速度(回転数)又は該速度に応じた電流値(電流量)を検出するように構成され、前記中央処理装置(CPU)2に接続されている。
【0016】
速度記憶手段12(回転数を記憶する手段であったり、或いは電流量を記憶する手段である。)は、自動運転が始動された直後の自動運転速度を記憶する手段であり、ミシンモータ4を任意の速度で自動運転させるためにミシン機枠1に内蔵されている。
【0017】
自動運転指令手段13は、自動運転されて記憶された速度を指令するためのものであり、中央処理装置(CPU)2に接続されている。
【0018】
その自動運転しているときに速度検出手段11にて検出した自動運転速度と、自動運転されたときに速度記憶手段12に記憶された記憶速度とが比較され、両者が同じ速度である場合のみ自動運転指令手段13にて判断されて自動運転が続けられるように構成されている。すなわち、自動運転速度が記憶速度と一致するように構成されている。これは、何等かの原因にて、自動運転速度が変化した場合でもその記憶された自動運転速度を保持するためのものであり、帰還回路が構成されている。
【0019】
このような動作をする速度検出手段11と速度記憶手段12と自動運転指令手段13とで自動運転が自己保持される。この構成では、自動運転速度を正確且つ安全にできる。
【0020】
また、自動運転が始動された直後に、速度記憶手段12にて記憶された自動運転速度を、自動運転指令手段13にて一定の出力として保持する構成とすることもあり、その速度記憶手段12と自動運転指令手段13とで自動運転が自己保持されることもある。
【0021】
解除手段14は、ミシンモータ4の自動運転を解除し、通常の運転に変更する手段であり、前記ミシン機枠1の適宜の箇所(例えば、ミシン機枠1の顎部1a箇所等)に設けられている。この場合には、目視にて確実で且つ極めて操作しやすい利点がある。
【0022】
また、非常停止の場合には、ミシン機枠1の顎部1a箇所に設けた停止スイッチ15にて操作する。該停止スイッチ15と前記解除手段14とを、図3に示すように同一のボタンで兼ねることもあるし、図示しないが別々に設けることもある。
【0023】
次に、その作用について図2に示すフローチャートに基づいて説明すると、まず、電源を入れて、ミシン運転をONとし(S1参照)、コントローラ5を操作し(S2参照)、ミシンモータ4を駆動させる(S3参照)。そして、一定領域内の速度であるか否かを判断し(S4参照)、一定領域内の速度である場合、これが所定時間経過したか否かを判断し(S5参照)、これを同一速度(自動運転速度)として検出し、該検出結果に基づいて自動運転を始動させるための始動操作手段10が動作して任意の所定速度で自動運転させる。これによって、通常縫い又は刺しゅう縫い等を自動的に所定速度にてできる。すなわち、所謂、オートクルーズ操作ができる。
【0024】
このときに、その自動運転中のミシンモータ4の速度(回転数)又は該速度に応じた電流値(電流量)を記憶する(S6参照)。さらには、そのミシンモータ4の速度(回転数)又は該速度に応じた電流値(電流量)を検出し(S7参照)、運転速度が記憶速度と同じである場合には自動運転が続けられる(S8参照)。すなわち、運転速度が記憶速度と一致するように帰還するようにしている。
【0025】
次に、その自動運転の解除を行うか否かを検討し(S9参照)、自動運転を解除したい場合には、前記解除手段14を操作してミシンモータ4の自動運転を解除し、通常の運転に変更する(S10参照)。そして、運転終了するか否かを検討し(S11参照)、終了したい場合には、運転を終了する。
【0026】
これらの操作の一部又は全部を繰り返してミシン縫製作業を完了するものである。勿論、自動運転を行わない場合もある。
【0027】
請求項1の発明においては、第1に同じ速度で長い時間を縫う場合や、種々の場合に対応して極めて能率的な縫製作業ができ、第2に運転中の足踏み式のコントローラ制御の運転から自動運転の始動を足踏み式のコントローラの踏込みを検出することで行えるようにしたことにより、極めて操作しやすく、しかも能率的に操作でき、解除は目視しつつ確実にできる等の効果を奏する。
【0028】
これらの効果を詳述すると、近年自動刺しゅうモードでミシンによる刺しゅう縫いをするミシンが普及しているが、これらは比較的多くの針数のものであり、その一模様を完成させるために数分から十数分もコントローラを踏み続けなければならなかった場合や、直線部分が続く場合など、略同じ速度で長い時間縫う場合があったが、本発明では、自動運転を始動させるための始動操作手段10を備えているために、手又は足による操作はしなくとも、一定の運転速度で自動運転としての縫製作業ができ、従来のように、コントローラを踏み続けなければならない面倒な点をなくし、極めて能率的な縫製作業ができる。ひいては、作業者の疲労度を最小限度にできる利点もある。
【0029】
また、縫製によっては、前記のように長い距離を縫うものでも、その距離に続いて短い部分を縫製するために直ぐまたコントローラ5を自動運転にしたり、手作業したい場合が存在するが、本発明では、自動運転を行った後に、手動にしたい場合には、ミシンモータ4の自動運転を解除して通常の運転にする解除手段14を設けてあるため、直ちに自動を解除でき、その短い部分を縫製し、次いで長い場合には、再び自動運転にて縫製でき、このような場合でも、極めて能率的な縫製作業ができる効果がある。
【0030】
また、同一速度を検出して同一速度を維持する自動運転と、自動運転を解除する解除手段とは足踏み式のコントローラ5の操作にて動作するように備えているため、自動運転及びその解除の双方を踏込みにて極めて操作しやすく、しかも能率的に操作できる利点がある。
【0031】
また、請求項1の発明又は請求項2の発明でも、請求項1の発明と略同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック図
【図2】本発明のフローチャート図
【図3】本発明の略示図
【符号の説明】
1…ミシン機枠
1a…顎部
2…中央処理装置
4…ミシンモータ
5…コントローラ
5a…変換手段
6…駆動回路
7…同一速度検出手段
10…始動操作手段
11…速度検出手段
12…速度記憶手段
13…自動運転指令手段
14…解除手段
Claims (2)
- 操作力によって変位して、操作力を解除することで自動復帰し、変位した操作量を電気信号に変換する足踏み式のコントローラの電気信号にてミシンモータを駆動させる駆動回路とにより速度制御するミシンであって、
前記ミシンモータをコントローラ操作中の速度を一定に維持する速度制御である、自動運転速度で自動運転させるための自動運転指令手段と、
運転中のミシンモータの速度を検出する速度検出手段と、
足踏み式のコントローラ操作中の所定時間内における同一速度信号を検出する同一速度検出手段と、
該同一速度検出手段で検出した速度を記憶する速度記憶手段と、
前記同一速度検出手段による検出結果を始動信号として前記速度記憶手段に記憶された同一速度を維持する自動運転をすると共に、
該自動運転中に該自動運転を解除して足踏み式のコントローラの速度制御信号に基づいてミシンモータを駆動させる通常の運転とする解除手段とを備えたこと、
を特徴とするコントローラの自動運転機能を備えたミシン。 - 操作力によって変位して、操作力を解除することで自動復帰し、変位した操作量を電気信号に変換する足踏み式のコントローラの電気信号にてミシンモータを駆動させる駆動回路とにより速度制御するミシンであって、
前記ミシンモータをコントローラ操作中の速度を一定に維持する速度制御である、自動運転速度で自動運転させるための自動運転指令手段と、
運転中の足踏み式のコントローラ操作中の所定時間内における同一速度信号を検出する同一速度検出手段と、
該同一速度検出手段による検出結果を始動信号として前記ミシンモータを任意の同一速度を維持する自動運転をすると共に、該自動運転中に該自動運転を解除して足踏み式のコントローラの速度制御信号に基づいてミシンモータを駆動させる通常の運転とする解除手段とを備えてなること
を特徴とするコントローラの自動運転機能を備えたミシン。
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JP10588993A JP3941969B2 (ja) | 1993-04-09 | 1993-04-09 | コントローラの自動運転機能を備えたミシン |
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JPH06292787A JPH06292787A (ja) | 1994-10-21 |
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1993
- 1993-04-09 JP JP10588993A patent/JP3941969B2/ja not_active Expired - Fee Related
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