JP3941831B1 - 断熱基礎 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断熱ブロックを迅速かつ強固に接続できる断熱基礎を提供すること。
【解決手段】 各断熱ブロック(11,21)を接続するためのブロック接続機構30を、接続される各断熱ブロック(11,11)を基礎構築長手方向にのみ移動可能に保持する支持レール(31,32)と、当該各断熱ブロック(11,21)に固定されかつ端部に貫通穴(44,44)が形成された接続板(41,41)と、当該各接続板(41,41)の貫通穴(44,44)の直径と同じ長さの横寸法を持ちかつ当該貫通穴(44,44)内に挿入された状態で軸線方向に移動可能な保持部分52および横寸法が当該保持部分52から離れるに従って小さくなる楔部分53を有する差し棒51とから構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発泡合成樹脂製の断熱材が基礎構築時においては型枠となり基礎構築後も断
熱のために残置させられる構成の断熱基礎に関する。
従来、コンクリートで住宅等の建築物の基礎を構築する際には、地面上に合板やスチー
ル製の型枠を組んだ後、当該型枠で形成された空き空間にコンクリートを打設し、コンク
リートの硬化後に型枠を取り外す工法が取られることが多かった。なお、このような工法
で構築される基礎の上に建てられる建築物が高気密高断熱住宅のように断熱性能が要求さ
れる場合には断熱材を後張りしていた。
しかし、上記した基礎の構築方法では、基礎構築後に型枠を取り外し、さらに断熱材を
後張りするため非常に手間がかかり、工期が長引くという問題があった。また、断熱材を
後張りするのでは、断熱材とコンクリートとの間に隙間ができやすく、剥がれやすく断熱
性能が低下してしまう。
このため、最近、断熱材を型枠として使用するとともにコンクリート打設後も残置する
という工法(断熱基礎構築方法)が次第に採用されるようになっている(例えば、特許文
献1参照)。この特許文献1に係わる断熱基礎71では、図32に示すように、捨てコン
クリート77上に、板状で発泡合成樹脂製の一対の断熱部材(73,74)を所定距離隔
てて立設させて型枠72を形成し、当該両断熱部材(73,74)の間の空き空間(S)
にコンクリートを打設するものである。通常、両断熱部材(73,74)の間にはセパレ
ータ85が設けられて、上記空き空間(S)の幅(w0)は一定になるように保持される
ここで、断熱基礎71のうち内側に配設される断熱部材(図32では断熱部材74)は
、浮かし金物150を介して捨てコンクリート7から浮かして配設されている。これは、
コンクリートの立ち上がり部と内方の土間コンクリートとを一緒に形成するためである。
ここで、断熱部材を浮かして断熱基礎を構築する方法は、例えば特許文献2に開示されて
いる。
特開平11−36587号公報 特開平9−88085号公報
ところで、上記断熱基礎71の場合、図33に示すように、両断熱部材(73,74)はそれぞれ弾性材で状発泡合成樹脂製の断熱ブロック(83,84)を複数個それらの端面(83a,84a)同士を接続して形成されている。なお、各断熱ブロック(83,84)の端面(83a,84a)には、接続強度を増すために互いに嵌合する凹凸が形成されており、接続時には接着剤が塗布される。しかし、このように手間を掛けても、各断熱ブロック(83,84)の接続部分には打設コンクリートの圧力が作用するので破壊されやすく、コンクリートの漏洩場所の一つとなっている。
また、断熱基礎71には、図34にしめすように、アンカーボルト78がコンクリート
の立ち上がり部76に設けられるが、当該立ち上がり部76より突出した部分が曲がって
いたり、設置場所が立ち上がり部76の中心軸線から外れている場合には、コンクリート
が固まらないうちに曲がりを直したり設置場所を大修正しなければならず、煩雑であった
本発明の目的は、断熱ブロックを迅速かつ強固に接続できる断熱基礎を提供することに
ある。また、加えて、アンカーボルトを正確な位置と姿勢に設けることができる断熱基礎
を提供することにある。
請求項1の発明は、捨てコンクリート上に、一対の断熱部材を基礎構築長手方向に平行に立設させて型枠を形成し、当該両断熱部材はそれぞれ弾性材で状発泡合成樹脂製の断熱ブロックを複数個それらの端面同士をブロック接続機構を介して接続して形成され、当該両断熱部材の間に、複数個のセパレータを上下方向に離して設け、当該両断熱部材の空き空間にコンクリートを打設して構築される断熱基礎であって、前記ブロック接続機構は、接続される各断熱ブロックを基礎構築長手方向にのみ移動可能に支持する支持手段と、当該各断熱ブロックに固定されかつ端部に貫通穴が形成された接続板と、当該各接続板の貫通穴の直径と同じ長さの横寸法を持ちかつ当該貫通穴内に挿入された状態で軸線方向に移動可能な保持部分および横寸法が当該保持部分から離れるに従って小さくなる楔部分を有する差し棒とを備え、前記各接続板の貫通穴は、それぞれの中心が当該各接続板が固定された前記各断熱ブロックの端面よりも当該各ブロックの弾性変形可能な長さ範囲内の所定長さだけ引っ込みかつ当該両端面が接近された場合に同一の移動軸線に沿って移動して一部が重なり合って共通の開口部分を形成し、かつ、当該開口部分に差し棒の楔部分の先端部が差し入れられて押し込まれると当該両端面が更に接近し、そして当該差し棒の保持部分まで押し込まれた場合には当該両断熱ブロックはそれぞれの端面同士が弾性力で互いに押し合うような位置に設けられたものである。
上記請求項1の発明の場合、例えば、2つの断熱ブロックを接合する場合には、作業
者が当該両断熱ブロックを手で持って移動させて、それらの端面同士を接近させる。する
と、両断熱ブロックの接続板の端部は上下方向に重なり合って、それぞれの貫通穴も一部
が重なり合って共通する開口部分が形成される。その状態で、差し棒を両接続板の共通す
る開口部分に挿入すると、当該差し棒の楔部分が当該開口部分を通過する際に当該両接続
板に水平の移動力(すなわち、両貫通穴が整合する方向の力)を作用させる。そして、差
し棒が、その楔部分を経由して保持部分まで両接続板の貫通穴の共通開口部分に挿入され
ると、当該両接続板は両貫通穴が整合した位置まで移動し、その位置で静止する。両接続
板がこのような位置で静止すると、両断熱ブロックの端面は互いに弾性力で押し合って密着する。すなわち、 両断熱ブロックは、互いの端面を密着(所定の締まり代を持って当接)して確実に接合される。
請求項2の発明は、前記各セパレータの水平方向中央部分に、アンカーボルトの縦軸線方向の異なる部位を保持する保持部を設けたことを特徴とする請求項1の断熱基礎である。
上記請求項2の発明の場合、請求項1の発明と同様な作用・効果を奏するとともに、ア
ンカーボルトは複数個のセパレータの保持部によって両断熱部材の間の空き空間の幅中央
に垂直に保持された状態で、コンクリートが打設されて硬化される。したがって、アンカ
ーボルトは、固化されたコンクリートの立ち上がり部の伸延方向の中央軸線上に垂直に配
設されることになる。ここで、セパレータは断熱基礎を構築する場合は断熱部材をコンク
リートの圧力から守る部材で必需品ともいえるもので、かかる必需品を利用してアンカー
ボルトの保持をさせるので、格別なアンカーボルト保持装置も必要とせず、しかも従来例
のようにコンクリート硬化後にアンカーボルトの曲がり等を修正する必要もない。
請求項1の発明によれば、2つの断熱ブロックを接合する場合には、当該両断熱ブロ
ックを端面同士を接近させて、両接続板の貫通穴に共通した開口部分を形成する。その状
態で、両接続板の開口部分に差し棒を挿入すると、当該差し棒の楔部分と保持部分とによ
って、当該両断熱ブロックは互いの端面が密着(1つの貫通穴の端面から引っ込んだ長さ
の2倍の締まり代を持って当接)する位置まで移動してその位置を保持する。したがって
、差し棒を、両接続板の貫通穴の共通した開口部分に挿入するだけで、当該両断熱ブロッ
クを確実に接合できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の各セパレータにアンカーボルトの異なる部
位を保持する保持部を設け、当該アンカーボルトを両断熱部材の間の空き空間の幅中央に
垂直に保持するようにしたので、アンカーボルトをコンクリートの立ち上がり部の伸延方
向の中央軸線上に垂直に配設することができる。ここで、セパレータは断熱基礎を構築す
る場合は断熱部材をコンクリートの圧力から守る部材で必需品ともいえるもので、かかる
必需品を利用してアンカーボルトの保持をさせるので、格別なアンカーボルト保持装置も
必要とせず、しかも従来例のようにコンクリート硬化後にアンカーボルトの曲がり等を修
正する必要もない。したがって、請求項1の発明と同様な効果を奏する他、アンカーボル
トを正確な位置と姿勢に設けることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る断熱基礎1は、図1に示すように、捨てコンクリート7上に、一対の断熱
部材(3,4)を基礎構築長手方向(図1では紙面と直交方向)に平行に立設させて型枠
2を形成し、当該両断熱部材(3,4)の空き空間Sにコンクリートを打設して構築され
るものとされている。なお、両断熱部材(3,4)の間には、複数個のセパレータ62が
上下方向に離して設けられている。そして、各断熱部材(3,4)は、それぞれ弾性材で状発泡合成樹脂製の断熱ブロック(11,21)を複数個それらの端面(12,22)同士をブロック接続機構30を介して接続して形成されている。なお、この第1の実施形態では、内側の断熱部材4は、浮かし機構30を介して捨てコンクリート7から浮かして配設しているが、後述する第4実施形態で述べるように、内側の各断熱ブロック21を接続するための差し棒51を高さ調節機能を有する浮かし機構として使用してもよい。
以下、本発明に係る断熱基礎1の要部であるブロック接続機構30について詳しく説明
する。
ブロック接続機構30は、図3に示すように、接続すべき各断熱ブロック(11,21
)を基礎構築長手方向(矢印E,F方向)にのみ移動可能に支持する支持手段(31,3
2)と、当該各断熱ブロック(11,21)に固定されかつその端部に貫通穴(44,4
4)が形成された接続板(41,41)と、両接続板(41,41)を挿通する差し棒5
1とから構成されている。
詳しくは、支持手段は、捨てコンクリート7上に配設される支持レール(31,32)
から構成されている。この第1の実施形態では、支持レール(31,32)は、プラスチ
ック製で横断面コの字状とされ、上向きに開口されて各断熱ブロック(11,21)の底
面部(13,23)を基礎構築長手方向にのみ移動可能に支持する構成とされている。
次に、各接続板41は、金属製(この実施形態では、鉄鋼製)とされており、図4に示
すように、その端部42および内側部43以外の部分は断熱ブロック(11,21)に埋
設されている。図4では、断熱ブロック11に埋設される接続板41のみを図示し、断熱
ブロック21に埋設される接続板41は同一構成で埋設方法も同一なので図示を省略する
。なお、図18に、接続板41の埋設位置を符号18で示す。なお、各埋設位置は、各断
熱ブロックの接続作業を行う際に干渉しあわないように、上下方向位置を調整してある。
各接続板41の端部42は、各断熱ブロック(11,21)の端面(12,22)から
突出するように形成されている。接続板41の端部42には、図8に示すように、円形状
の貫通穴44がその中心を断熱ブロック(11)の端面(12)より所定長さDだけ引っ
込ませた位置に開けられている。この長さDは、発泡樹脂製で弾性体である断熱ブロック
(11)の弾性圧縮限界内の長さが選定されている。
次に、差し棒51は、図7に示すように、保持部分52と楔部分53とを有している。
詳しくは、差し棒51の保持部分52は、各接続板41の貫通穴44の直径と同じ長さの
横寸法を持ち、かつ、当該貫通穴44内に挿入された状態で軸線方向に移動可能に形成さ
れている。また、差し棒51の楔部分53は、保持部分52よりも先の部分に形成され、
かつ、横寸法が当該保持部分52から離れるに従って小さくなるように形成されている。
この実施形態では、差し棒51は、全体が丸棒状に形成されており、その楔部分53は先
細りするテーパー形状とされ、その保持部分52は直径が一定で各接続板41の貫通穴4
4より若干細くなるように形成されている。
上記した構成の本断熱基礎1では、図3に示すように、例えば2つの断熱ブロック(
11,11)を接続する場合には、作業者は当該両断熱ブロック(11,11)を支持レ
ール31に沿って互いに近づく方向に移動させる。すると、図10および図11に示すよ
うに、両断熱ブロック(11,11)のそれぞれに固定された接続板(41,41)の先
端部(42,42)は一部が重なり合って、したがって、それぞれの貫通穴(44,44
)の一部も重なり合って、共通する開口部分が形成される。
その状態で、図12に示すように、差し棒51を両接続板の(41,41)の貫通穴(
44,44)の共通する開口部分に挿入すると、当該差し棒51の楔部分53が当該共通
開口部分を通過する際に当該両接続板(41,41)に水平の移動力(すなわち、両貫通
穴(44,44)が整合する方向の力)を作用させる。そして、差し棒51が、図14お
よび図15に示すように、その楔部分53を経由して保持部分52まで当該共通開口部分
に挿入されると、当該両接続板(41,41)は両貫通穴(44,44)が整合した位置
まで移動し、その位置を保持する。
両接続板(41,41)がこのような位置で保持されると、両断熱ブロック(11,1
1)の端面(12,12)は互いに弾性圧縮(1つの端面の圧縮量は上記した長さDと等
しい)しながら押し合って密着する。すなわち、 両断熱ブロック(11,11)は、互
いの端面(12,12)を密着(所定の締まり代2×Dを持って当接)して確実に接合さ
れる。このように、差し棒51で両接続板(41,41)の貫通穴(44,44)を挿通
するだけで、接続すべき断熱ブロック(11,11)同士を確実にかつ強固に接続できる
(第2の実施形態)
上記した各セパレータ62に、アンカーボルト8の異なる部位を保持する保持部(64
)を設け、当該アンカーボルト8を前記両断熱部材(3,4)の間の空き空間Sの幅(w
0)中央に垂直に保持するようにした構成である。この実施形態では、図1に示すように
、上段と中段の2個のセパレータ(62,62)に保持部を設けている。
詳しくは、両セパレータ(62,62)は、図16に示すように、短冊状の金属製の板
の両端部(63,63)を直角に折り曲げられて作られている。両セパレータ(62,6
2)は、平行配設される断熱ブロック(11,21)の間に配設されるわけであるが、当
該断熱ブロック(11,21)の内側面には第1の実施形態で述べたように接続板41の
一部が埋設されているので、図4に示すように、当該接続板41の露出した部分(内側部
43)にセット穴45を穿設し、当該セット穴45に各セパレータ62の直角に屈曲した
両端部(63,63)を差し入れて当該セパレータ62をセットすることにしている。な
お、図4では、セット穴45は長穴としたが、図6に示すように円形穴でもよい。
この実施形態では、加工コストが低減するように、各セパレータ62に設けられる保持
部を同一構成としている。すなわち、各セパレータ62の中央部分に、図16にしめすよ
うに、それぞれアンカーボルト8が通過可能な長穴64を設けて、当該長穴64を保持部
としている。アンカーボルト8は、その下方の先端曲げ部9を下段のセパレータ62の長
穴64の縁部分に引っ掛け、その上方部分を上段のセパレータ62の長穴64に嵌挿させ
て保持するように構成されている。このように、セパレータ62およびアンカーボルト8
がセットされた後に、両断熱部材(3,4)間の空き空間Sにコンクリートが打設される
。打設したコンクリートが硬化しきらないうちに、アンカーボルト8の姿勢等を上段のセ
パレータ62の長穴64の範囲内で微調整をすることは可能である。ここで、セパレータ
62は、断熱基礎1を構築する場合は断熱ブロック(11,21)をコンクリートの圧力
から保護する部材で必需品ともいえるもので、かかる必需品を利用してアンカーボルト8
の保持をさせるので、格別なアンカーボルト保持装置も必要とせず、しかも従来例のよう
にコンクリート硬化後にアンカーボルト8の姿勢や配設位置などを大きく修正する必要も
ない。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、断熱部材(3,4)を形成するのに必要な断熱ブロック(11,
21)を規格化して、何種類かの断熱ブロックを現場に持っていけば済むようにして、断
熱基礎の施工を簡単化するようにしたものである。現場で断熱ブロックの切断作業をせず
に断熱基礎を構築することができ、その分施工期間の短縮を図ことを目的とする。
すなわち、第3の実施形態では、前記各ブロック(11,21)は、図17および図1
8に示すように、断熱基礎のコーナー部を形成するためのアングル状ブロック(11C)
と、直線部を形成するためのストレート状ブロック(11S)とのいずれかから成ってい
る。なお、図17では、断熱部材3形成用のアングル状ブロックのみを示す。断熱部材4
形成用のアングル状ブロックも高さH1が短縮されているだけで他は同様構成である。
詳しくは、アングル状ブロック11Cは、図17に示すように、断熱基礎のコーナー部
分を形成するための発泡樹脂製部材でおり、横断面がアングル状に形成されている。アン
グル状ブロック11Cは、その二つの外面(15,15)のうちの一つの外面(図中左方
の外面15)と当該外面と平行な一つの端面(図中右側の端面16)までの長さ(L1)
を当該外面(15)と平行なコンクリートの立ち上がり部(図20で符号6で示す)の幅
w0(例えば150mm)の半分とした構成とされている。なお、断熱基礎1では、通常
、立ち上がり部(6)の幅(w0)は同一とされている。
一方、ストレート状ブロック(11S,21S)は、図18に示すように、その横寸法
L3を1間(=1820mm)の3/4,1/2とされている。ストレート状ブロックと
して、横寸法が1間(1820mm)の3/4であるブロック、1間の1/2であるブロ
ックを用意しておけば、現場で手間の掛かるブロック切断作業等をしないで済み、一般住
宅の断熱基礎を構築する際に段取りが迅速になって十分役立つ。なお、図18で、高さH
2は例えば720mm、H3は370mmである。上記ストレート状ブロック(11S,
21S)は、横寸法が長いので、接続作業を少なくて済み、この点も施工の短縮に貢献す
る。
さらに、この実施形態では、図19に示すように、横寸法L3が1間の1/4であるブ
ロック(同図中(A))、横寸法が1間の1/6であるブロック(同図中(B))、横寸
法が1間の1/12であるブロック(同図中(D))、横寸法が255mmであるブロッ
ク(同図中(C))をストレート状ブロックとして用意しておけば、一段と迅速に一般住
宅の断熱基礎の断熱部材の形成ができる。
このように、断熱ブロック(11,21)の規格化をしたのは以下の理由による。
我が国の木造住宅の場合、基本的構成は明治・大正時代から殆ど変わっておらず、例え
ば住宅の大きさを表現するには、従来の尺貫法で使われた1間(メートル換算では182
0mm)を単位にすることが普通である。例えば、縦が4間で横が5間の家というように
。現在では、メートル法で寸法を表わすことになっているので、上記した家の場合は、縦
が7280mmで横が9100mmというような表現となるわけであるが、1間(けん)
が単位になって家ができていることに変わりはない。しかも、上記したように、4間、5
間というように、切が良い数字(1間の整数倍)が用いられるのが圧倒的である。また、
4間半などというように(1間の整数倍+1間の半分)も少ないが用いられることはある
。しかし、半端は数字〔例えば、4.2間(7644mm)とか5.1間(9282mm
〕は用いられない。断熱基礎を構築する際の基になる施工図も同様に1間(=1820m
m)が単位になっており、半端は数字は用いられない。
ここで、例えば、図20に示す断熱基礎の施工図では、寸法はコンクリートの立ち上が
り部6の伸延方向の中心軸線上で計ることとされているが、例えは、図20に示す一般木
造住宅の基礎の外周(四角枠状)部分を断熱基礎で構築する場合、当該断熱基礎1の断熱
部材3は複数個の断熱ブロック11を接続して形成される。なお、詳しく説明しないが、
同様にして断熱部材4は複数個の断熱ブロック21を接続して形成される。
各断熱ブロック11のうちアングル状ブロック11Cは、図17および図21に示すよ
うに、その一つの端面16がコンクリートの立ち上がり部6の伸延方向の中心軸線の始点
ST(終点ED)を表わしているので、2つのアングル状ブロック(11C,11C)の
間の距離が断熱基礎の1つの寸法L01(普通、1間の整数倍か1間の整数倍+半間、こ
こでは5間(9100mm))となる。ここで、上記5間の外回りの断熱部材3を形成す
る場合は、両アングル状ブロック11Cの間にストレート状ブロック11Sを接続して5
間(9100mm))の長さにすればよいので、横寸法が1間の3/4のブロック11S
を6個と、1間の1/2のブロック11Sを1個接続すればよいことが、ただちにわかる
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、上記した第1〜第3の実施形態と同様に各断熱ブロック(11,
21)のうち内側に配設される各断熱ブロック21用の上記接続板(41−1,41−2
,41−3)をそれぞれの上記貫通穴44が上下方向に整合するように複数個設けている
ことは共通するが、当該内側の各ブロック21接続用の差し棒51の最上段の貫通穴44
と係合する部位に当該接続板41−1を係止可能な雄ねじ101を形成するとともに、当
該差し棒51の先端部55を受け入れて捨てコンクリート7上に固定する受け部111を
設け、当該差し棒51と当該受け部111との協働により当該内側の断熱ブロック21を
捨てコンクリート7から設定距離だけ浮かして保持するように構成したものである。
なお、各段の接続板(41−1,41−2,41−3)の形態および断熱ブロック(1
1,21)に対する設置態様については、上記した第1〜第3の実施形態と同様であるの
で、その説明を省略する。
上記受け部111は、捨てコンクリート7上に設けられており、差し棒51の先端部5
5の上方からの差し込みを許容し、当該先端部55の水平位置を規制するが、当該差し棒
51の軸心回りの回転は許容するように構成されている。
図23において、内側の断熱ブロック21の中段および最下段の接続板(41−2,4
1−3)の貫通穴44(直径d1)は、上記した第1〜第3の実施形態と同様に前記差し
棒51の保持部分52(直径D2)相当の直径を有しているが、最上段の接続板41−1
の貫通穴44は当該中段および最下段の接続板(41−2,41−3)の貫通穴44より
も相当程度大きく(すなわち、d1>d2(=d3),この第4の実施形態では4mmほ
ど大きく)形成されている。この実施の形態では、上記直径d1を直径d2(=d3)よ
り大きくしたが、総ての段の接続板(41−1,41−2,41−3)の貫通穴44を同
じ直径としてもよい。すなわち、直径d1=d2=d3としてもよい。このようにすれば
、接続板(41−1,41−2,41−3)の形状が同一となり、加工や保守がし易い。
この第4の実施形態で使用する差し棒51は、図22に示すように、その楔部分53お
よび保持部分52の形態は上記した第1〜第3の実施形態(図7)と同様であるが、断熱
ブロック21を接続する際に最上段の両接続板(41−1,41−1)の貫通穴(44,
44)と係合する部位に、中段および最下段の接続板(41−2,41−3)の貫通穴4
4よりも直径が大きい雄ねじ101が形成されている。この差し棒51の雄ねじ101は
、2つの断熱ブロック21を接続する際に最上段の両接続板(41−1,41−1)の貫
通穴44の内周部分と係合して当該接続板(41−1,41−1)の上下方向の位置を規
制可能に形成されている。詳しくは、差し棒51の雄ねじ101の外径D1は、図23に
示す最上段の接続板41−1の貫通穴44の内径d1相当とされている。なお、差し棒5
1の雄ねじ101の長さは、高さ調節作業を完了すると、断熱ブロック21の上端面から
下方に位置するように選定されている。
ここで、図23〜図28を用いて差し棒51による内側の断熱ブロック21の接続と捨
てコンクリート7からの高さ位置の調整とを説明する。
図23に示すように、同図中左の断熱ブロック21を図中右方向に動かし、同図中右の
断熱ブロック21を図中左方向に動かして、両者(21,21)の端面(22,22)同
士を接近させて、図25に示すように、最上段の接続板(41−1,41−1)同士、中
段の接続板(41−2,41−2)同士および下段の接続板(41−3,41−3)同士
を重ねあわせる。この状態では、各段の両接続板(41−1と41−1,41−2と41
−2,41−3と41−3)の一部は重なり合っているものの、それらの貫通穴44同士
は同心にはなっておらず一部に共通する開口部分が形成された状態である。
その状態で、上記差し棒51を、図24および図25に示すように、その雄ねじ101
の形成部分が最上段の両接続板(41−1,41−1)の貫通穴(44,44)に入る手
前まで各段の接続板(41−1と41−1,41−2と41−2,41−3と41−3)
の各貫通穴44の共通部分に挿入する。すると、差し棒51の保持部分52が、総ての段
で両接続板(41-1,41−2,41−3)の各貫通穴(44,44)の共通する開口
部分へ挿入して、当該各貫通穴(44,44)が上下方向に同心となる位置まで当該両断
熱ブロック(21,21)を動かして、端面(22,22)同士を密着させる。こうして
、両断熱ブロック(21,21)は、互いの端面(22,22)同士が密着した状態で接
続される。
こうして、両断熱ブロック(21,21)が差し棒51によって接続されたところで、
図27に示すように、当該差し棒51の先端部分55を捨てコンクリート7上の受け部1
11に差し込む。
そして、その状態で、図25の差し棒51の後端部のレンチ係合部102にレンチ(図
示省略)を係合させて回転させる。すると、差し棒51の雄ねじ101が、図26に示す
ように、最上段の両接続板(41−1,41−1)の貫通穴(44,44)と係合するよ
うになり(具体的には、当該雄ねじ101の谷部内に当該各貫通穴(44,44)の内周
部分が局部的又は全体的に入り込むなどするようになり)、当該差し棒51は回転量に応
じた位置で当該両接続板(41−1,41−1)を位置規制するようになる。これにより
、両断熱ブロック(21,21)は、差し棒51と受け部111との協働によって捨てコ
ンクリート7から離れた位置に位置決めされる。
ここで、図28に示す差し棒51を適宜回転させれば、両断熱ブロック(21,21)
の捨てコンクリート7上面からの離隔距離L10を任意に変えることができる。この際、
差し棒51には接続板(41−1,41−1)を介して断熱ブロック(21,21)の重
量が掛かることになるが、当該断熱ブロック(21,21)は発泡樹脂製で軽量であるの
で、当該差し棒51を円滑に回転させて高さ調節ができる。なお、受け部111は、差し
棒51の軸心回りの回転を自由に許容するので、この点でも高さ調節が円滑にできる。
このように、内側の断熱部材4を形成するための各断熱ブロック21の各段の接続板(
41−1,41−2,41−3)の貫通穴44を貫くように差し棒51を差し込み適宜回
転させれば、ブロック接続作業と高さ調節とを連続的に行うことができる。この際、各断
熱ブロック21は、図29にしめすように、両端面22を差し棒51によって支持されて
いるので、曲がりやすい当該端面22部分が補強されることになり、当該各断熱ブロック
21の姿勢が安定する。
したがって、各断熱ブロック21を、図29に示すように、捨てコンクリート7から浮
かした(離れた)状の上端部が水平で高さが揃った位置に迅速かつ容易に配設できる。こ
のように、内側の断熱部材4の上端部を完全に水平に配設できるので、図30に示すよう
に、当該上端部と面位置にコンクリートを打設することができる。そのため、従来例で指
摘したようなコンクリート打設用の墨だし作業(釘うち作業も含む)や打設後の内側断熱
部材4の一部カット作業を行う必要がない。なお、図30および図31に示すように、各
差し棒51の雄ねじ101は、高さ調節作業を完了すると、各断熱ブロック21の上端面
から下方に位置するように構成されているので、土台等の設置に邪魔にならない。また、
このように内側の断熱ブロック21同士を接続する差し棒51が浮かし機構(例えば図3
2に示す浮かし金物150)を兼用しているので、浮かし機構が不要になる。
本発明に係る断熱基礎を説明するための図である。 本発明に係る断熱基礎の要部を説明するための図である。 複数の断熱ブロックを接続して断熱部材を形成する仕方を説明するための図である。 断熱ブロックおよび接続板を説明するための図である。 接続板の断熱ブロックにおける配設位置を示す図である。 接続板の変形例を示す図である。 差し棒を説明するための図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための平面図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための要部縦断面図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための要部縦断面図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための平面図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための要部縦断面図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための平面図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための要縦平面図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための平面図である。 断熱ブロックのアングル状ブロックを説明するための図である。 断熱ブロックの接続方法を説明するための平面図である。 断熱ブロックのストレート状ブロックを説明するための図である。 横寸法の異なる各種ストレート状ブロックを示す図である。 断熱基礎施工図を説明するための平面図である。 第4の実施形態の差し棒を説明するための図である。 第4の実施形態の内側の断熱ブロックを説明するための図である。 第4の実施形態における内側の断熱ブロックの接続を説明するための図(1)である。 第4の実施形態における内側の断熱ブロックの接続を説明するための図(2)である。 第4の実施形態における内側の断熱ブロックの高さ調節を説明するための図(1)である。 第4の実施形態における内側の断熱ブロックの高さ調節を説明するための図(2)である。 第4の実施形態における内側の断熱ブロックの接続を説明するための図(3)である。 第4の実施形態における内側の断熱ブロックの高さ調節を説明するための図(3)である。 第4の実施形態における内側の断熱ブロックの高さ調節を説明するための図(4)である。 第4の実施形態におけるコンクリート打設後の差し棒の内側の断熱ブロックに対する位置関係を説明するための図である。 第4の実施形態においてコンクリート打設後の状態を示す図である。 従来の断熱基礎の構築方法を説明するための図である。 従来の断熱基礎における断熱部材形成方法を説明するための平面図である。 従来の断熱基礎において生じるアンカーボルトの設置の不都合を説明するための図である。 捨てコンクリートが不陸の場合に生じる不都合を調節を説明するための図である。 コンクリート打設用の墨だし作業を説明するための図である。 コンクリート打設後の内側の断熱ブロックとコンクリート立ち上がり部との位置関係を説明するための図である。 断熱部材カット作業を説明するための図である。 高さ調節可能な浮かし金物を用いての断熱部材を浮かしで生じる不都合を説明するための図である。
符号の説明
1 断熱基礎
2 型枠
3 断熱部材
4 断熱部材
6 立ち上がり部
7 捨てコンクリート
8 アンカーボルト
9 先端曲げ部
11 断熱部ブロック
11C アングル状ブロック
11S ストレート状ブロック
12 端面
21 断熱ブロック
21S ストレート状ブロック
22 端面
30 ブロック接続機構
31,32 支持レール
41 接続板
42 接続板の端部
44 貫通穴
51 差し棒
52 保持部分
53 楔部分
62 セパレータ
64 長穴(保持部)
101 雄ねじ
111 受け部

Claims (2)

  1. 捨てコンクリート上に、一対の断熱部材を基礎構築長手方向に平行に立設させて型枠を形成し、当該両断熱部材はそれぞれ弾性材で状発泡合成樹脂製の断熱ブロックを複数個それらの端面同士をブロック接続機構を介して接続して形成され、当該両断熱部材の間に、複数個のセパレータを上下方向に離して設け、当該両断熱部材の空き空間にコンクリートを打設して構築される断熱基礎であって、
    前記ブロック接続機構は、接続される各断熱ブロックを基礎構築長手方向にのみ移動可能に支持する支持手段と、当該各断熱ブロックに固定されかつ端部に貫通穴が形成された接続板と、当該各接続板の貫通穴の直径と同じ長さの横寸法を持ちかつ当該貫通穴内に挿入された状態で軸線方向に移動可能な保持部分および横寸法が当該保持部分から離れるに従って小さくなる楔部分を有する差し棒とを備え、
    前記各接続板の貫通穴は、それぞれの中心が当該各接続板が固定された前記各断熱ブロックの端面よりも当該各ブロックの弾性変形可能な長さ範囲内の所定長さだけ引っ込みかつ当該両端面が接近された場合に同一の移動軸線に沿って移動して一部が重なり合って共通の開口部分を形成し、かつ、当該開口部分に差し棒の楔部分の先端部が差し入れられて押し込まれると当該両端面が更に接近し、そして当該差し棒の保持部分まで押し込まれた場合には当該両断熱ブロックはそれぞれの端面同士が互いに弾性力で押し合うような位置に設けられたことを特徴とする断熱基礎。
  2. 前記各セパレータの水平方向中央部分に、アンカーボルトの縦軸線方向の異なる部位を保持する保持部を設けたことを特徴とする請求項1の断熱基礎。
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