JP3941219B2 - プーリの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多条Vプーリのようなベルト伝動用のプーリを円板状の素材から転造成形によって製造する方法に係り、特に、このようなプーリの製造方法においてリムを転造成形する工程に使用する押圧ローラの形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
多条Vプーリは、断面V形の突条を複数条有する幅の広いポリVベルト(多条Vベルト)を巻き掛けて伝動装置を構成するためにリムの外周面に複数条の環状のV形溝を備えているので、リムの軸方向の幅が比較的広くなる。このようなリムの幅が広いプーリを円板状の素材から転造によって成形するプーリの製造方法において、外周面に複数条のV溝を形成する前のリムの概略形状の成形工程として従来から一般的に行われている方法としては、円板状の素材を一対の金型によって挟持して回転させながら、最初に、回転し得るV形断面の刃物を円板状の素材の外周面に半径方向に押しつけることによって、素材の周縁部をV形に切り開く、所謂すり割り作業を行い、次に、切り開いた部分に他の押圧ローラを押しつけることによって、外周に幅の広い環状の溝を有するリムの概略形状まで成形する作業を連続して行う方法(第1の従来技術)が良く知られている。
【0003】
しかしながら、すり割り工程を伴う第1の従来技術によれば、近年の傾向として軽量化や低コスト化の目的から円板状の素材に肉厚の薄いものが使用される場合には、その肉厚を所定の割合(例えば2分の1)に正確にすり割ることが難しくなるので、その問題を解消すると共に転造の工程数を減らすために、前述の従来技術を改良した第2の従来技術として、同様に円板状の素材を一対の金型によって挟持して回転させながら、段付きの円筒形或いは太鼓形の回転し得る押圧ローラを半径方向に素材の外周面に押しつけて、円板状の素材の周縁部を圧潰して金型の中へ押し出すことにより、プーリのリムとなる概ね円筒状の部分を一挙に成形する方法がある。第2の従来技術によるプーリの製造方法は、特公平2−29412号公報、特公平2−29413号公報、或いは特公平2−29407号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
第2の従来技術は、円板状の素材から一挙にリムの概形を成形することができるので転造の工程数を減らすことができるが、最近のように、プーリのウエブ部分の肉厚を非常に薄くしたり、リム部分のボリュームを増加させるという要求に対しては、これまでよりも一層薄肉で大径の円板状の素材を加工することが必要になるため、このような素材に第2の従来技術を適用して成形を行う場合には、段付きで中高の円筒形、或いは太鼓形の押圧ローラの押圧面が、円板状の素材の外周面に対して半径方向に押しつけられると、素材の周縁部が僅かに撓んで、押圧面に対する適正な接触位置から軸方向に逃げようとする。しかし、このような中高の押圧ローラの押圧面によっては素材の周縁部が軸方向に撓んで逃げるのを防止することができないので、素材の周縁部が撓んで素材の内部に曲げ応力が発生する。また、素材の周縁部が僅かでも撓んで第2の回転軸線に対して直角でなくなると、押圧ローラの押圧面と素材の外周面との接触面に押しつけ力が均一に作用しなくなるため、素材の周縁部が接触面において半径方向に均等に圧潰されないで、座屈して不規則な形に折り重なるようになる。
【0005】
肉厚の大きい素材を用いた場合は、素材の周縁部が座屈しないで押圧ローラの押圧面によって均等に圧潰されることにより、素材の分子が円滑に流動して金型の中へ均質に押し出されるので、成形欠陥のないプーリの製造が可能になるが、薄肉で大径の円板状の素材を第2の従来技術によって処理した場合には、前述のように素材の周縁部に曲げ応力が発生しやすく、それによって座屈して周縁部が不規則に折り重なるために、押圧ローラによって素材を金型の中へ均等に押し出すことが難しくなる。仮に均等に押し込むことができたとしても、素材が折れ曲がって元の表面同士が重なった部分では金属組織が融合していないので、成形されたプーリのその部分は、強度の低い欠陥部分となる。
【0006】
なお、押圧ローラの押圧面の面粗さを高めることによって、それを円板状の素材の外周面に向かって押しつけたときに、素材の外周面が押圧ローラの押圧面上を滑って軸方向へ逃げようとするのを防止することができるとも考えられるが、ローラの押圧面を粗面とすると、その粗面が、成形されたリムの概形の成形面である外周面に転写されるので好ましくない。
【0007】
本発明は、従来技術における前述のような問題に対処して、薄肉で大径の円板状の素材からプーリを製造する場合でも、リムの原形を成形する際に、簡単な形状の押圧ローラを使用することができると共に、そのような押圧ローラによっても素材の周縁部が座屈しないようにしてそれを均等に圧潰することができ、製品としてのプーリに強度の低い成形欠陥が残る恐れのない信頼性の高い製品が得られるような、また、プーリの低コスト化及び軽量化を図ることができる、新規なプーリの製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載されたプーリの製造方法を提供する。
【0009】
請求項1に記載されたプーリの製造方法においては、円板状の素材の外周面に押圧ローラを半径方向に押しつけて、素材の周縁部を圧潰させることにより概ね円筒形のリムの原形を転造成形する工程における押圧ローラとして、その押圧面が半径方向外方に向かって凹形に開く中凹形状で上下対称形状の押圧ローラを使用押圧ローラの中央の最も凹んだ押圧面に素材の外周面を接触させ、押圧ローラを半径方向に押し付けることで、素材の周縁部を上下均等に圧潰してリムの原形を転造成形する。したがって、素材の外周面が軸方向に逃げ難くなって素材に曲げ応力が発生しないので、薄肉で大径の円板状の素材でも座屈して折り重なることが避けられる。その結果、素材の周縁部は半径方向に正常に圧潰されて金型の成形凹部内へ押し出され、均質で成形欠陥のないリムの原形が成形される。
【0010】
請求項2に記載されたプーリの製造方法においては、押圧ローラの押圧面の中凹形状の断面形を実質的に単一の円弧とすることができる。また、請求項3に記載されたプーリの製造方法においては、それを複数の円弧が滑らかに接続した形状とすることができる。また、請求項4に記載されたプーリの製造方法においては、それを円弧と直線が滑らかに接続した形状とすることができる。また、請求項5に記載されたプーリの製造方法においては、それを円弧とその両側に直線が接続した形状とすることができる。更に、請求項6に記載されたプーリの製造方法においては、底面部分の断面形を直線状とすることができる。いずれの場合も、押圧ローラの押圧面が鼓形となって、そのくびれた底部に接触する素材の外周面が軸方向に逃げ難くなるので、素材が座屈するのを防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の第1実施形態を示す。本発明はプーリの製造方法において、特にリムの原形を成形する工程に特徴があるので、図1はその工程の転造の開始状態を示している。図1において、1は薄肉で且つ大径の円板状(環状)の金属素材であって、上下の金型2,3によって挟持されて、一体として第1の回転軸線4上の図示しない回転軸によって支持され、所定の回転速度で回転駆動されるようになっている。また、金型2,3にはプーリのリムの原形を成形するための環状の成形凹部5,6が形成されている。円板状の素材1の外周面7の一部に向かって半径方向に押しつけられる押圧ローラ8が、第1の回転軸線4と平行な第2の回転軸線9によって回転可能に支持されている。第2の回転軸線9は第1の回転軸線4に対して平行な関係を維持しながら、図示しない支持機構によって半径方向に移動可能に支持されており、それによって第1の回転軸線4と第2の回転軸線9の間の距離を自由に変化させることができる。
【0012】
第1実施形態の特徴として、押圧ローラ8は、その外周の押圧面10が、第1の回転軸線4と第2の回転軸線9を共に含む仮想の平面内にある、第2の回転軸線9の側から見て半径方向外方に向かって凹形に開いている円弧状の曲線を、第2の回転軸線9の回りに回転させたときにできる回転体の表面としての、図示のような中凹状の形状を備えている。
【0013】
従って、円板状の素材1を金型2,3と共に第1の回転軸線4の回りに所定の回転速度で回転させている状態で、押圧ローラ8の押圧面10を円板状の素材1の外周面7に対して半径方向に押しつけると、押圧ローラ8も連れ回りをしながら素材1の周縁部11に食い込むので、外周面7に比較的近い周縁部11の一部が圧潰され、その部分で周縁部11の肉厚が増大して金型の成形凹部5,6の中へ押し出される(この点については後に説明する図6をも参照)。この時は、素材1の周縁部11が圧潰されることによって金属分子が流動して外形が変形するだけであるから、成形凹部5,6内へ押し出された環状のリムの原形14は均質であって、内部に成形欠陥のようなものは発生しない。
【0014】
これに対して、前掲の刊行物に記載された第2の従来技術によってリムの原形或いは概形を成形する場合は、図2に示すように第1実施形態の場合と同じ円板状の素材1を同じ金型2,3によって挟持して回転させているが、素材1の外周面7に向かって押しつけられる押圧ローラ12の押圧面13の形状は、第2の回転軸線9の側から見て半径方向外方に向かって凸形に突出している円弧状の曲線か、或いは破線で示したように回転軸線9と平行な直線を、第2の回転軸線9の回りに回転させたときにできる回転体の表面としての太鼓形、或いは円筒形の表面形状を備えている。
【0015】
従って、図2に示す第2の従来技術の場合は、円板状の素材1の肉厚が薄くて直径が大きい場合には、押圧ローラ12を素材1の外周面7に向かって半径方向に押しつけると、素材1の周縁部11が押圧面13との接触面において圧潰される前に、図2に破線で示すように周縁部11が僅かに撓んで第2の回転軸線9の軸方向に逃げ易い。その結果、素材1の周縁部11には曲げ応力が発生すると共に、素材1と押圧面13との接触面における半径方向の押しつけ力の分布が不均一となるので、素材1は座屈して不規則に折れ曲がって金型2,3の凹部5,6の中へ押しこまれることになる。そのため、プーリのリムの原形或いは概形の内部には元の表面が重なり合っているだけで金属組織の融合していない部分ができるために、その部分が強度の低い成形欠陥となる可能性が高い。
【0016】
第2の従来技術におけるこの問題は、押圧ローラ8の製作における押圧面13の形状の精度が低い場合とか、円板状の素材1や押圧ローラ12が、それぞれの回転軸線4,9の回りに回転するときに、心振れを起こしているような場合には特に起こりやすい。
【0017】
図1に示す本発明の第1実施形態の場合と、図2に示す第2の従来技術の場合を比較して見ると、両者は押圧ローラ8,12の押圧面10,13の表面形状を異にするだけであるが、前述のように円板状の素材1が順調に半径方向に圧潰されるか、或いは座屈するかという大きな相違、従って、リムの原形或いは概形の内部に成形欠陥が生じないか、或いは成形欠陥が生じるかという大きな相違を生む原因は、先にも目視可能な現象によって簡単に説明したが、更に詳細に図3と図4を比較対照して、次のように解析して説明をすることができる。
【0018】
まず、本発明の第1実施形態の場合は、図3に示すように、円板状の素材1の外周面7の一部に押圧ローラ8の押圧面10が押しつけられるときに、接触面には矢印で示したような力F1 が作用するものと考えられる。即ち、第1の回転軸線4と同じ方向の縦軸をY−Y軸とすると共に、Y−Y軸と直交して未だ撓んでいない円板状の素材1の中心面上に沿って延びて、外周面7の一部に形成される接触面を通過する横軸をX−X軸とすれば、押圧面10が中凹形状の回転体の表面であるために、押圧面10が素材1の外周面7を押しつける力F1 は、接触面の上下において僅かに方向が異なる力の束として発生するものと考えられ、更に、それらの力F1 の合力は、X−X軸に収斂するものとなる。
【0019】
力F1 は求心的な力の束を形成するが、接触面のうちでX−X軸が通過している点以外の部分に作用する力F1 の成分はX−X軸の方向に対して傾斜していて、常にX−X軸とY−Y軸の交点Oの方向に向かっているために、力F1 は円板状の素材1の中心面を常にX−X軸に合致させようとする作用をする。従って、押圧ローラ8が素材1に押しつけられるときに、素材1が薄肉で大径であっても、素材1の周縁部11が撓んだり座屈する可能性が少ないので、円板状の素材1の周縁部11が接触面に作用する押しつけ力によって圧潰されることにより、金型2,3によってクランプされていない周縁部11の部分の肉厚が増大し、図6のように金型の凹部5,6の中へ均質なものとして押し出され、成形欠陥のないリムの原形14が形成される。
【0020】
これに対して、第2の従来技術の場合は、図4に示すように、押圧ローラ12の押圧面13が半径方向外方に、即ちY−Y軸とX−X軸の交点Oに向かって半径方向に凸形に突出している円弧状の曲線(或いは直線)を回転させたときにできる回転体の表面としての、太鼓形(或いは円筒形)の表面形状を備えているので、素材1の外周面7の一部が押圧面13と接触する接触面の上下から求心的な力が作用することはなく、一部X−X軸方向の力が含まれているにしても、殆どが力F3 として示すように放射方向に発散する力として発生するので、放射方向の力F3 の合力がX−X軸の方向に向かうのは、円板状の素材1の中心面がX−X軸に完全に一致して、上下の力F3 が釣り合っているときだけであって、何らかの原因で中心面がX−X軸から僅かでも逸れると、力F3 の合力が周縁部11の上又は下方向への撓みを増大させる方向の分力F4 を発生させる。
【0021】
従って、第2の従来技術においては、円板状の素材1の肉厚が薄くて大径の場合には、素材1の周縁部11の位置が安定せず、押圧面13との接触面において常に上又は下の方向へ逃げようとするので、周縁部11が逃げて僅かでもそれに撓みが発生すると、後は撓みが抑制されることなく却って増大する。その結果、押圧面13に作用する押しつけ力によって素材1の周縁部11は不規則に折り重なるように座屈し、金型2,3の凹部5,6へ押しこまれても成形欠陥のある、強度の低いリムの原形或いは概形が形成される可能性が高くなる。
【0022】
図5〜図8は、前述のようにリムの原形を転造成形する工程に特徴がある第1実施形態について、それ以外の工程をも含むプーリの製造方法としての全工程を順に示したものである。まず、図5は、先に説明した図1或いは図3の状態になる前の状態、即ち、円板状の素材1を金型2,3の間にセットし、押圧ローラ8の押圧面10を素材1の外周面7に近づけた状態を示している。
【0023】
図6は、図1或いは図3の状態から、円板状の素材1の周縁部11を押圧ローラ8の押圧面10が半径方向に圧潰して金型の成形凹部5,6の中へ押し出すことにより、押圧面10によってリムの原形14を形成したのちに、押圧ローラ8が後退した状態を示している。この状態では、リムの原形の外周面15は押圧面10の中凹形状の回転体表面が転写されて中高の回転体の表面形状を呈する。
【0024】
続いて図7は予備成形工程の終了後の状態を示すもので、この場合の予備成形工程は、リムの原形の外周面15に対して外周面が平坦な回転体表面を有する予備成形ローラ16を押しつけて、リムの原形14を完全に金型の成形凹部5,6に合わせて成形すると共に、断面が円錐台形の予備成形ローラ16の外周面17によって幅の広い環状のV形溝18を成形するものである。それによってリムの概形19が形成される。なお、V形溝18の上下の斜面20は、プーリが完成した後にも残っていて、プーリに巻き掛けられるベルトがプーリの外周の溝から外れるのを防止する側壁となる。
【0025】
最後の仕上転造工程においては、図8に示すように、リムの概形19に形成された幅の広い環状のV形溝18の平坦な底面22に対してV溝成形ローラ21を押しつけて、複数条のV形溝23を転造成形して目的の多条Vプーリ24を完成する。そのために、V溝成形ローラ21は複数条のV形突条25を備えている。ただし、このような仕上転造工程、或いはその前の予備成形工程そのものは従来から一般的に行われているものと実質的に同じであるから、これらの工程は本発明における新規な特徴を有するものではない。従って、これらの工程についての更に詳細な説明は省略する。
【0026】
図9は本発明の第2実施形態を示すもので、第1実施形態の場合と同様に、プーリの製造方法におけるリムの原形の転造成形工程に特徴がある。従って、図9は、図1、図3、或いは図5に対応している。図9をこれらの図面と比較対照すれば明らかなように、第2実施形態の特徴は押圧ローラ26の押圧面27の形状にある。この中凹形状の押圧面27は、その表面形状を規定する曲線が、押圧面の環状の底面部分に対応する円弧部分28と、円弧部分28の両側に接続する直線部分29からなっており、この曲線を第2の回転軸線9(図1参照)の回りに回転させたときに、中央の部分がくびれた鼓形の押圧面27が得られる。
【0027】
第2実施形態の特徴とする押圧ローラ26は、このような鼓形の押圧面27を有するため、その押圧面27の中央の環状の底面部分30に対して、円板状の素材1の外周面7が接触することになるので、素材1の周縁部11が環状の底面部分30から軸方向に逃げ難くなり、第1実施形態の場合に比べても更に素材1の周縁部11の座屈防止効果が高くなる。なお、第2実施形態の押圧面27における傾斜した直線部分29に代えて、例えば半径の大きい円弧形状等を使用することもできる。
【0028】
また、図10は本発明の第3実施形態を示すもので、第3実施形態の特徴とする押圧ローラ31は、その鼓形の押圧面32の表面形状を規定する曲線が、第2実施形態の場合と同様に両側に傾斜した直線部分29を有するが、押圧面の環状の底面部分33は、平坦な底面を形成する直線部分34と、それを両端において傾斜した直線部分29に滑らかに接続するための小径の円弧部分35とからなっている。第3実施形態の場合は、押圧ローラ31の押圧面32における環状の底面部分33が、一部直線部分34を有する点を除いて第2実施形態の押圧ローラ26と同様な形状を有しているから、概ね同様な作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態において、プーリのリムの原形を転造成形する工程を示す縦断正面図である。
【図2】第2の従来技術において、プーリのリムの概形を転造成形する工程を示す縦断正面図である。
【図3】第1実施形態の作用を示す縦断正面図である。
【図4】第2の従来技術の作用を示す縦断正面図である。
【図5】第1実施形態において、プーリのリムの原形を転造成形する工程に入る前の状態を示す縦断正面図である。
【図6】第1実施形態において、プーリのリムの原形を転造成形する工程が終わった後の状態を示す縦断正面図である。
【図7】第1実施形態において、プーリのリムの概形を転造成形する予備成形工程が終わった後の状態を示す縦断正面図である。
【図8】第1実施形態において、多条Vプーリを転造成形する全ての工程が終わった後の状態を示す縦断正面図である。
【図9】本発明の第2実施形態において、プーリのリムの原形を転造成形する工程に入る前の状態を示す縦断正面図である。
【図10】本発明の第3実施形態において、プーリのリムの原形を転造成形する工程に入る前の状態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1…円板状の素材
2,3…回転する金型
4…第1の回転軸線
5,6…金型の成形凹部
7…素材の外周面
8…押圧ローラ(第1実施形態)
9…第2の回転軸線
10…押圧面(第1実施形態)
11…素材の周縁部
12…押圧ローラ(第2の従来技術)
13…押圧面(第2の従来技術)
14…プーリのリムの原形
15…リムの原形の外周面
16…予備成形ローラ
17…予備成形ローラの外周面
18…幅の広い環状のV形溝
19…プーリのリムの概形
21…V溝成形ローラ
24…多条Vプーリ
26…押圧ローラ(第2実施形態)
27…鼓形の押圧面(第2実施形態)
28…底面の円弧部分
29…傾斜した直線部分
30,33…環状の底面部分
31…押圧ローラ(第3実施形態)
32…鼓形の押圧面(第3実施形態)
34…底面の直線部分

Claims (6)

  1. 円板状の素材を第1の回転軸線の回りに回転させると共に、前記円板状の素材の外周面に対して、前記回転軸線と平行な状態を維持しながら半径方向に移動可能な第2の回転軸線の回りに回転し得る押圧ローラを半径方向に押しつけることによって、前記円板状の素材の周縁部を圧潰して前記第1の回転軸線を中心とする概ね円筒形のリムの原形を転造成形する工程において、
    前記押圧ローラとして、その外周の押圧面が、前記第1の回転軸線と前記第2の回転軸線を共に含む平面内において前記第2の回転軸線側から見て半径方向外方に向かって凹形に開く曲線によって規定される前記第2の回転軸線の回りの回転体の表面としての中凹形状を備えている上下対称形状の押圧ローラを使用し、
    前記押圧ローラの中央の最も凹んだ押圧面に前記素材の外周面を接触させ、前記押圧ローラを半径方向に押し付けることで、前記素材の周縁部を上下均等に圧潰して前記リムの原形を転造成形することを特徴とするプーリの製造方法。
  2. 前記押圧ローラの中凹形状の押圧面の表面形状を規定する前記曲線が、実質的に単一の円弧から形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたプーリの製造方法。
  3. 前記押圧ローラの中凹形状の押圧面の表面形状を規定する前記曲線が、実質的に複数の円弧が滑らかに接続することによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたプーリの製造方法。
  4. 前記押圧ローラの中凹形状の押圧面の表面形状を規定する前記曲線が、実質的に円弧と直線が滑らかに接続することによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたプーリの製造方法。
  5. 前記押圧ローラの中凹形状の押圧面の表面形状を規定する前記曲線が、前記押圧面の底面部分に対応する円弧と、前記円弧の両側に接続する直線からなることを特徴とする請求項4に記載されたプーリの製造方法。
  6. 前記押圧ローラの中凹形状の押圧面の表面形状を規定する前記曲線が、前記押圧面の底面部分に対応する前記第2の回転軸線と平行な短い直線と、前記直線の両側に接続する円弧と、前記両側の円弧に更に接続する直線からなることを特徴とする請求項4に記載されたプーリの製造方法。
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