JP3941018B2 - エアバッグの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の乗員を衝突時の衝撃から保護するためのエアバッグの製造方法に関し、特に、エアバッグの展開初期に乗員に向かって膨出し、乗員に衝突する衝撃を緩衝する機能を有する二段式エアバッグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の運転者を、衝突時の衝撃から保護するための運転席用エアバッグ装置は既に標準装備化されており、最近は助手席乗員を保護するための助手席用エアバッグ装置についても、広く普及しつつある。係る流れの中で、エアバッグの普及に連れて低価格化が要求されており、エアバッグ製造業者としては、低価格化への対応は急務である。
【0003】
又、エアバッグの展開時に、エアバッグが乗員に向かって急速に膨出し、乗員の顔面に衝突して、その衝撃力により乗員に傷害を与える危険性(パンチング現象)が指摘されている。その対策として、エアバッグを内袋と外袋とを有する二重袋構造となし、展開時には、先ず内袋を膨張させ、続いて内袋から外袋にガスを放出して外袋を膨張させる事により、エアバッグ展開初期におけるエアバッグが乗員に与える衝撃力を緩和する方式が提案されている。
【0004】
この二重袋方式のエアバッグは、主として運転席用エアバッグとして開発されたものであるが、助手席用エアバッグの普及と共に、助手席用エアバッグにもこの方式を適用する事が提案されいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この様な、内袋を備えたエアバッグにおいては、運転席用エアバッグの場合には、円形の表側基布,裏側基布に加えて内側基布の3枚の基布を用意し、これら基布の周縁部を順次縫合して円形のエアバッグを形成する必要があり、これら3枚の円形基布は、長尺の基布から切り取られるものであるので、基布の歩留りが低下する問題があった。
【0006】
又、助手席用エアバッグの場合には、単純な円形の基布の周縁部を縫製する運転席用エアバッグと異なり、複雑な基布形状と縫製線を有しているため、これに更に内袋を縫製する事は、縫製作業が複雑化し、製造に際して多くの工程が必要となり、生産性が悪いという欠点があった。
【0007】
本発明は、前記内袋方式のエアバッグに代わって、エアバッグ展開初期におけるエアバッグの前方への異常膨出を防止する機能を備えた二段構造のエアバッグとなし、且つ縫製作業が容易で、更に基布歩留りの高いエアバッグの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その特徴とするところは、次の(a)〜(e)工程を有するエアバッグの製造方法にある。
(a)略矩形の基布の適所に、インフレータ取付口とガス放出孔とを形成する工程
(b)前記基布を、その表面が表側になる様に、その中心線で折り返し、該折り返し体の前記中心線側の一端角部を縫合する工程
(c)前記(b)工程で得られた縫製体の前記縫合した一端角部が前記中心線の他端角部と重なる様に、前記縫合した角部を内側に折り込む工程
(d)前記(c)工程で得られた折り込み体の前記縫合角部に連接する開放端部及び前記中心線の他端角部の前記縫合角部に隣接する部分を、夫々縫合する工程
(e)前記中心線の前記縫合端部と前記他端角部とを引っ張って前記インフレータ取付口が略中央に位置する様に整形し、しかる後に、未縫製の開放部を縫合する工程
【0009】
本発明は、この様に、矩形の基布を原布となす事により、基布の歩留りを高め且つ単純な表側からの直線縫製のみによって2段構造の袋体を構成できる様にして、縫製作業の容易化とコスト低減を達成する様にしている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は、本発明の実施例に係る助手席用エアバッグの製造工程を示すもので、図(イ)〜(ヘ)は各工程の概要を示しており、夫々各工程における中間製品の平面図と断面図とを示している。先ず図(イ)は、エアバッグ縫製のための基布1の形状と構造を示しており、基布1は、所定寸法の矩形体であって、インフレータ取付口2とガス放出孔5とが適所に穿孔して形成されている。該インフレータ取付口2及びガス放出孔5の周縁部には、補強のために基布1と同一材質の補強布2a,5aが、夫々所要枚数縫着されている。尚、ガス放出孔の補強布5aは、省略してもよい。又、後工程のために中心線Xの一方の端部(図中上端部)の両側対称位置には、小孔10a,10bが穿孔されている。
【0011】
次に、図(ロ)に示す様に、図(イ)に示した矩形の基布1を、中心線Xに沿って2つに折り重ねて、先ず、この折り返し体の中心線Xの一方の端部(図中上端部)の角部3を斜めに縫合4する。尚、このときに、エアバッグの表側が表面になる様に折り返し、前記小孔10a,10bが重なり合う様になし、後述する作業を容易にするために両小孔10a,10bに紐16を通しておく。
【0012】
次に、図(ハ)に示す様に、この縫製体を、前記縫合4した一端角部3が前記中心線Xの他端の角部6と重なる様に、前記縫合した角部3を内側に折り込んで図(ニ)に示す様に、図(イ)に示した元の基布1の四分の一に折り畳んだ形状となし、続いて、同図(ニ)に示す様に、前記縫合角部3に連接する開放端部7及び前記中心線Xの他端角部6の前記縫合角部3に隣接する部分6aを、夫々縫合8,9する。このときに、前記中心線Xの一端角部3と他端角部6とは縫着されない様に該他端部6の縫合9を行う必要がある。
【0013】
次に、この縫製体の開放端部11より一方の手を挿入して、内側に位置している前記一端部3の小孔10に取り付けられた紐16を持ち、他方の手で外側に位置している前記他端角部6を持って両者を引っ張ると、図(ホ)に示す様に、インフレータ取付口2が縫製体の略中央となり、前記縫製線8が中央に位置し、該縫製線8によって縫合された布部を境にして上下に空間14,15が形成され、両空間は、前記2つの角部3,6の縫製線4,9の間に形成された空間13で連通された構造となる。尚、この引っ張り作業を容易にするために前記角部3の小孔10に紐16を取り付けているが、引っ張り作業終了後は引き抜いておく。
【0014】
次に、図(ヘ)に示す様に、前記開放端部11を縫合12してエアバッグの製造を終了する。以上の作業により、前記縫製線8によって縫合された布部を中央の境界面にして、上側空間14と下側空間15との2室が形成され、両空間は、前記2つの角部3,6の縫製線4,9の間に形成された空間13で連通された構造の二段式エアバッグが得られる事になる。
【0015】
次に、このエアバッグの展開形態について説明する。図2は、このエアバッグの展開状態を示した概略断面図であり、図3は、図2のA−A断面図である。これら図2,3に示す様に、インフレータ21が作動すると、該インフレータから放出される高圧ガスは、先ずインフレータ側の下部空間15内に流入して、該下部空間を横方向に展開させ、続いて高圧ガスは、前記角部3,6によって形成された空間13を通って下部空間15から乗員側の上部空間14に流入して該上部空間14を膨張させ、ガス放出孔5から外部に放出される。
【0016】
この様に、インフレータ21から供給されるガスは、先ずインフレータ側の下部空間15を展開させる結果、エアバッグは乗員に向かって飛び出す様に展開するのではなく、横方向に展開し、その後に、上部空間14が乗員側に膨張する様になっているので、従来問題とされていた、エアバッグ展開初期におけるパンチング現象は回避される事になる。
【0017】
尚、以上の実施例は、助手席用エアバッグについて説明したが、図2,3からも伺える様に、本発明は運転席用のエアバッグの製造方法にも適用可能である事はいうまでもない。
【0018】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、エアバッグの構造は、下側空間15と上側空間14との2段構造となっており、展開時には、先ず下部空間が展開し、しかる後に上部空間が膨張する様になっているので、従来の様に、展開初期にエアバッグが乗員の顔面に向かって急速に膨張して乗員に障害を与える様な懸念は全くなくなり、エアバッグの安全性が一層向上する事になる。
【0019】
又、本発明によると、1枚の矩形の基布1から運転席用エアバッグ或いは助手席用エアバッグを製造する事が可能であるので、従来の様に、複数枚の円形基布からエアバッグを製造する方法に比して、原布からの基布の歩留りは著しく高くなり、エアバッグのコストを大幅に低下させる事が可能となる。
【0020】
更に、縫製線は、全て単純な直線縫製であり、従来の円形基布を用いる曲線縫製に比して極めて容易であり、しかも重ね合わされた基布を上から縫製するものであるので、従来の様に、基布を裏返して内側から縫製する様な煩雑な縫製工程が不要であるので、エアバッグの生産性が向上する。この意味からも、エアバッグの一層のコスト低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグ製造方法の工程を示す平面図と側面図である。
【図2】本発明によって製造されたエアバッグの展開状態を示す断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 基布
2 インフレータ取付口
3 角部
4 縫製線
5 ガス放出孔
6 角部
7 開放端部
8 縫製線
9 縫製線
10 小孔
11 開放端部
12 縫製線
13 ガス通路
14 上部空間
15 下部空間
16 紐
20 エアバッグ
21 インフレータ
Claims (6)
- 次の各工程を有する事を特徴とするエアバッグの製造方法
(a)略矩形の基布(1)の適所に、インフレータ取付口(2)とガス放出孔(5)とを形成する工程
(b)前記基布(1)を、その表面(A)が表側になる様に、その中心線(X)で折り返し、該折り返し体の前記中心線(X)側の一端角部(3)を縫合(4)する工程
(c)前記(b)工程で得られた縫製体の前記縫合(4)した一端角部(3)が前記中心線(X)の他端角部(6)と重なる様に、前記縫合した角部(3)を内側に折り込む工程
(d)前記(c)工程で得られた折り込み体の前記縫合角部(3)に連接する開放端部(7)及び前記中心線(X)の他端角部(6)の前記縫合角部(3)に隣接する部分(6a)を、夫々縫合(8,9)する工程
(e)前記中心線(X)の前記縫合端部(3)と前記他端角部(6)とを引っ張って前記インフレータ取付口(2)が略中央に位置する様に整形し、しかる後に、未縫製の開放部を縫合(12)する工程 - 前記(a)工程は、前記基布(1)の中心線(X)の一端部で該中心線の両側対称位置に、小孔(10a,10b)を穿孔する工程を含むものである請求項1に記載のエアバッグの製造方法
- 前記(b)工程において、前記小孔(10a,10b)に紐(16)を通しておく工程を含むものである請求項2に記載のエアバッグの製造方法
- 前記(e)工程において、前記小孔(10a,10b)を通した紐(16)を引っ張る様にしてなる請求項3に記載のエアバッグの製造方法
- 前記(a)工程は、前記インフレータ取付口(2)の周縁に補強布(2a)を縫着して補強する工程を含むものである請求項1乃至4のいずれかに記載のエアバッグの製造方法
- 前記(a)工程は、前記ガス放出孔(5)の周縁を、補強布(5a)を縫着して補強する工程を含むものである請求項1乃至5のいずれかに記載のエアバッグの製造方法
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US6224101B1 (en) | 1997-11-28 | 2001-05-01 | Nihon Plast Co., Ltd. | Air bag, air bag apparatus, and steering wheel |
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1997
- 1997-09-11 JP JP26293197A patent/JP3941018B2/ja not_active Expired - Fee Related
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