JP3940947B2 - 零相変流器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、送配電路において地絡事故や感電が生じた場合に流れる零相電流(地絡電流)を検出する零相変流器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の零相変流器を示す構成図である。図5において、13は環状鉄心、14は出力巻線(二次導体)、1a,1b,1cはR相,S相,T相の一次導体である。環状鉄心13にはパーマロイなどの高透磁率材料が使用され、この環状鉄心13の全周にわたって出力巻線14が巻かれている。また、一次導体1a,1b,1cは環状鉄心13の中空部を貫通するように配置されている。
【0003】
次に、図5の零相変流器の地絡検出原理について説明する。三相平衡状態(地絡が発生していない状態)では、R相導体1a,S相導体1b,T相導体1cに流れるR相電流Ir,S相電流Is,T相電流Itの総和は常に零であり、環状鉄心13内に発生する各相電流Ir,Is,Itの磁束は互いに打ち消し合い、出力巻線14に電圧は誘起されない。一方、地絡が発生した場合には、各相電流の総和は零ではなくなり、環状鉄心13内に地絡電流に応じた磁束が発生し、出力巻線14に電圧が誘起される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような零相変流器は通常、漏電遮断器に搭載されるが、漏電遮断器に要求される機能としては、地絡検出の他に各相の過電流検出がある。ところが、従来の零相変流器は上記した原理による地絡検出のみで、過電流検出は不可能であった。そのため、過電流検出には別途、電流変成器やバイメタルを用いた過電流検出機構を必要とした。
【0005】
そこで、この発明の課題は、零相変流器により地絡電流と過電流の両方を検出できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、同心配置した内側及び外側の2つの環状鉄心と、この環状鉄心を貫通させ、かつその中心に対して互いに対称配置した複数の一次導体と、この一次導体に対応する複数の磁気センサとを設け、前記内側鉄心を前記一次導体に合わせて周方向に複数に等分割するとともに、この内側鉄心の隣り合う2つの分割位置の中央に合わせて前記外側鉄心の周方向位置に切欠部を形成し、この切欠部に前記磁気センサをそれぞれ配置するものである(請求項1)。
【0007】
この請求項1の零相変流器においては、外側鉄心の各切欠部に発生する磁束は、直近の一次導体の電流に比例する。そこで、この切欠部の磁束を磁気センサで検出することにより、各相の電流値を検出することができる。また、三相平衡時には各相の電流の総和は零であることから、直近導体の電流に比例して発生する各切欠部の磁束の総和も零になるが、地絡発生時には零にならない。そこで、各磁気センサの出力の総和をとることにより、地絡発生を検出することができる。その場合、磁気センサを配置した外側鉄心と同心に内側鉄心を配置した二重鉄心構成とすることにより、三相平衡時の磁束は内側鉄心を主に通るため、外側鉄心を通る磁束を少なくして、電流検知出力を小さくすることができるとともに、地絡発生時には磁束はほぼ外側鉄心を通るため、地絡検出出力を大きくすることができる。
【0008】
請求項1において、三相電路用には、3本の前記一次導体と3個の前記磁気センサとを設け、前記内側鉄心を3分割するとともに、前記外側鉄心に3個の切欠部を形成する(請求項2)。また、単相電路用には、2本の前記一次導体と2個の前記磁気センサとを設け、前記内側鉄心を2分割するとともに、前記外側鉄心に2個の切欠部を形成する(請求項3)。一方、前記磁気センサとしては、磁気インピーダンス素子が好適である(請求項4)。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、三相電路用零相変流器におけるこの発明の実施の形態を示す構成図である。図1において、1(1a,1b,1c)は一次導体(R相,S相,T相)、2は内側鉄心、3は外側鉄心、4(4a,4b,4c)は磁気センサとしての小型高感度の磁気インピーダンス素子(以下、「MI素子」と記す。)である。内側鉄心2と外側鉄心3とは同心配置され、この環状鉄心2,3を貫通する3本の一次導体1a,1b,1cは、環状鉄心2,3の中心に対して互いに対称配置されている。内側鉄心2は、3本の一次導体1a,1b,1cに合わせて周方向に3つに等分(120°ごと)に分割されている。また、外側鉄心3には、内側鉄心2の隣り合う2つの分割位置の中央に合わせて、つまり内側鉄心2の分割位置より60°ずれた周方向位置に3個の切欠部3a,3b,3cが形成され、この切欠部3a,3b,3cにMI素子4a,4b,4cがそれぞれ配置されている。
【0010】
まず、この零相変流器の各相の電流検知機能について説明する。図1において、外側鉄心3の各切欠部3a,3b,3cとこれに近い側の一次導体(直近導体)1a,1b,1c(例えば、切欠部3aに対して一次導体1a)との間のパーミアンス(磁気抵抗の逆数)をαn、各切欠部3a,3b,3cとこれから遠い側の一次導体(遠方導体)1a,1b,1c(例えば、切欠部3aに対して一次導体1b,1c)との間のパーミアンスをαfとし、R相,S相,T相の電流をIr,Is,Itとすると、各切欠部3a,3b,3cの磁束φa, φb, φcは以下の通りとなる。
【0011】
【数1】
【0012】
上記より、各切欠部3a,3b,3cに発生する磁束φa, φb, φcは、直近導体1a,1b,1cの電流Ir,Is,Itに比例する。従って、各切欠部3a,3b,3cの磁束φa, φb, φcをMI素子4a,4b,4cで検出することにより、各相の電流値を検出することができる。
【0013】
次に、地絡検知機能について、R相に地絡電流IΔが発生した場合を例にとって以下に説明する。地絡発生時の各切欠部3a,3b,3cの磁束φa, φb, φcは次の通りである。
【0014】
【数2】
【0015】
上記より、各切欠部3a,3b,3cに発生する磁束の和φtotal(=φa+φb+φc)は、地絡電流IΔに比例する。従って、各切欠部3a,3b,3cの磁束φa, φb, φcをMI素子4a,4b,4cで検出し、それらの和をとることにより地絡検出を行なうことができる。
【0016】
図2は図1の零相変流器を用いたシステムの構成例を示した図である。図2において、4a,4b,4cはMI素子、5a,5b,5cはMI素子4a,4b,4cに交流バイアス磁界を印加するためのバイアスコイル、6a,6b,6cは抵抗、7a,7b,7cはコンデンサ、8はMI素子4a,4b,4cに高周波電流を印可するための発振回路、9はバイアスコイル5を駆動する発振コイルである。各相の電流値及び地絡発生の検出回路は、検波回路15a,15b,15c、サンプルホールド回路10a〜10f、差動増幅回路11a,11b,11c、加算回路12により構成される。
【0017】
切欠部3a,3b,3cに配置されたMI素子4a,4b,4cに外部磁界が加わると、MI素子4a,4b,4cのインピーダンスが変化する。この変化を検波回路15a,15b,15cにより検波した後、サンプルホールド回路10a,10c,10eで検波波形の+側を保持し、サンプルホールド回路10b,10d,10fで検波波形の−側を保持し、それらを差動増幅回路11a,11b,11cにより増幅し、R相,S相,T相の電流値検出出力を得る。また、各相の電流値検出出力を加算回路12で加算し、地絡検出出力を得る。
【0018】
ここで、内側鉄心の作用について説明する。この発明のように、各相の電流を検出し、その加算和から地絡検出を行なう場合、電流検知出力に対して地絡検出出力をできるだけ大きくすることが望ましい。図3は、この発明の二重鉄心構成における磁束線図である。図3(A)は三相平衡時(電流比R:S:T=1:-0.5:-0.5)の磁束分布であり、磁束は内側鉄心2を主に通るため、外側鉄心3の切欠部3a,3b,3cを通る磁束は少なく、電流検知出力を小さくすることができる。また、図3(B)は地絡電流分による磁束分布を示した図であり、磁束はほぼ外側鉄心3のみを通るため、地絡検出出力が大きくなる。
【0019】
上記実施の形態は三相用のものであるが、図4に単相用の実施の形態を示す。図4において、内側鉄心2と外側鉄心3とは同心配置され、この環状鉄心2,3を貫通する2本の一次導体1は、環状鉄心2,3の中心に対して互いに対称配置されている。内側鉄心2は、2本の一次導体1に合わせて周方向に2つに等分(180°ごと)に分割されている。また、外側鉄心3には、内側鉄心2の隣り合う分割位置の中央に合わせて、つまり内側鉄心2の分割位置より90°ずれた周方向位置に2個の切欠部3a,3bが形成され、この切欠部3a,3bにMI素子4a,4bがそれぞれ配置されている。この単相用の動作原理も三相用と同じなので、その説明は省略する。なお、図示実施の形態では、一次導体1とMI素子4を同一半径上に配置したが、一次導体1と内側鉄心2の分割位置を同一半径上に配置した構成、つまり図1では内側鉄心2に対する一次導体1の相対位置を60°回転し、図4では同じく90°回転した構成とすることも可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上の通り、この発明によれば、零相変流器に地絡検出機能のみならず過電流検出機能も持たせ、過電流検出機能付きの漏電遮断器を過電流検出機構を別途設けることなく構成することが可能になり、漏電遮断器の小型化及び低コストを容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す零相変流器の構成図である。
【図2】図1の零相変流器を用いた検出回路のシステム構成図である。
【図3】図1の零相変流器の磁束線図で、(A)は三相交流の平衡時、(B)は同じく不平衡時を示す。
【図4】この発明の異なる実施の形態を示す零相変流器の構成図である。
【図5】従来の零相変流器を示す構成図である。
【符号の説明】
1 一次導体
2 内側鉄心
3 外側鉄心
3a〜3b 切欠部
4 磁気センサ
Claims (4)
- 同心配置した内側及び外側の2つの環状鉄心と、この環状鉄心を貫通させ、かつその中心に対して互いに対称配置した複数の一次導体と、この一次導体に対応する複数の磁気センサとを設け、前記内側鉄心を前記一次導体に合わせて周方向に複数に等分割するとともに、この内側鉄心の隣り合う2つの分割位置の中央に合わせて前記外側鉄心の周方向位置に切欠部を形成し、この切欠部に前記磁気センサをそれぞれ配置したことを特徴とする零相変流器。
- 3本の前記一次導体と3個の前記磁気センサとを設け、前記内側鉄心を3分割するとともに、前記外側鉄心に3個の前記切欠部を形成したことを特徴とする請求項1記載の零相変流器。
- 2本の前記一次導体と2個の前記磁気センサとを設け、前記内側鉄心を2分割するとともに、前記外側鉄心に2個の前記切欠部を形成したことを特徴とする請求項1記載の零相変流器。
- 前記磁気センサとして磁気インピーダンス素子を用いたことを特徴とする請求項1記載の零相変流器。
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