JP3940257B2 - 冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法並びに銑鉄製造用の合成樹脂材燃料及びこれを用いた高炉における銑鉄製造方法 - Google Patents

冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法並びに銑鉄製造用の合成樹脂材燃料及びこれを用いた高炉における銑鉄製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法、並びに銑鉄製造用の合成樹脂材燃料及びこれを用いた高炉における銑鉄製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冶金炉において銑鉄を製造するにあたっては、比較的高価なコークスの使用量を低減することを目的として、天然ガス,ナフサ,重油,タール,微粉炭等の各種燃料を羽口から吹込む方法が採用されている。
【0003】
また近年では、廃物処理が問題となっており、廃プラスチック材料を再利用する技術の開発が望まれており、廃プラスチック材料を羽口から吹込む燃料として利用する技術が提案されている。例えば、特開平9−143526号公報には、高炉内での高燃焼率を得ることを目的として、合成樹脂材の比表面積に下限を設定して(例えば50m2/kg以上)吹込む方法が提案されている。
【0004】
しかし、この様な廃プラスチック材料等の合成樹脂材を燃料として利用するにあたり、燃焼率の向上や冶金炉の炉況の安定維持等を図るべく、その形状等について更なる検討が重ねられているのが現状である。
【0005】
冶金炉の炉況を安定に維持する上では、▲1▼羽口先燃焼帯の大きさが安定していること、▲2▼燃焼帯からのガス流れ挙動が安定していること、▲3▼羽口への長距離搬送特性(対閉塞性)に優れていることが重要な要素として挙げることができる。従来使用されている合成樹脂材燃料の多くは、燃焼性の観点から、比表面積を大きくとるべく集塊状の粒子であって、樹脂が半溶融状態であることから、輸送時や羽口への圧送時に崩壊し易く、ホッパー下部での棚つり現象・配管閉塞現象の起因となっており、長距離搬送特性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に着目してなされたものであって、冶金炉の炉況を安定に維持した上で銑鉄を製造するのに用いる合成樹脂材燃料、並びにこれを用いた冶金炉への吹込み方法および高炉における銑鉄の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明とは、冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口から合成樹脂材燃料を吹込む方法において、上記合成樹脂材燃料が樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物であり、平均粒径の±20%以内に70質量%以上が含まれることを要旨とするものである。
【0008】
また、冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口から合成樹脂材燃料を吹込む方法において、樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物であり、該造粒物の内部に水分を0.05質量%以上の割合で含有する合成樹脂材燃料を吹込む方法を採用してもよく、この場合には、前記造粒物が、水分を0.5〜20質量%含有する合成樹脂を原料として押出成形機で溶融固化後切断により造粒されたものであり、切断面に微細な脱気孔を有することが望ましい。
【0009】
更に、冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口から合成樹脂材燃料を吹込む方法において、樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造されたペレットであり、該ペレットの厚みをXmm、直径をYmmとするとき、1.0≦X≦10,2≦Y≦20,Y/X≧1.5の3式を満足するものを主体とする合成樹脂材燃料を吹込む方法を採用しても良い。尚、前記樹脂原料としてプラスチック廃材を用いることができる。
【0010】
また本発明は、冶金炉における銑鉄製造用の合成樹脂材燃料が、平均粒径の±20%以内に70質量%以上が含まれる造粒物であることを要旨とするものであるが、前記合成樹脂材燃料として、内部に水分を0.05質量%以上の割合で含有する造粒物、または厚みをXmm、直径をYmmとした場合に、1.0≦X≦10,2≦Y≦20,Y/X≧1.5の3式を満足するものを主体とするペレットを採用してもよい。上記造粒物またはペレットは、プラスチック廃材を溶融工程に付した後に押出成形し、更にこれを切断して製造することができる。
【0011】
更に本発明は、上記いずれかの合成樹脂材燃料を用い、高炉において銑鉄を製造する方法も含むものである。
【0012】
尚、以下においては、上記造粒物およびペレットを総称して樹脂粒子ということがある。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、銑鉄製造にあたり、冶金炉の炉況を安定に維持したまま燃焼することのできる合成樹脂材燃料の開発を目的として、鋭意研究を重ねた。その結果、下記の(1)〜(4)の方法を採用することが、炉況の安定に非常に効果的であることを突き止め、本発明に想到した。
【0014】
(1)樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された樹脂粒子を用いる方法。
【0015】
図1は、樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された樹脂粒子を用いた本発明例と、集塊状粒子(半溶融粒子を塊状に固化したもの)を用いた従来例と、樹脂を破砕した破砕物を用いた従来例について、合成樹脂材燃料供給用配管を閉塞させた頻度をグラフ化したものであり、縦軸は破砕物を用いた従来例を1とする相対値となっている。尚、図2は、各種粒子の粒度分布測定例を示すグラフであり、(A)は、本発明に係る粒子[平均粒子径:9.6mm,平均±20%(7.7〜11.6mm)の質量割合は85%]の測定例、(B)は、従来の集塊状粒子[平均粒子径:9.0mm,平均±20%(7.2〜10.9mm)の質量割合は57%]の測定例、(C)は従来の破砕物[平均粒子径:9.5mm,平均±20%(6.8〜10.2mm)の質量割合は43%]の測定例である。
【0016】
図1のグラフからも分かる様に、樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された粒子を使用することで、ハンドリング過程での粒子崩壊の影響が極めて小さく、配管閉塞を発生させることなく羽口までの長距離圧送が可能である。このことは同時に、炉内に吹き込まれた時点での粒度分布の粒子崩壊による拡がりを抑制することを意味しており、上述の理由から炉下部ガス流れが安定し、炉況の安定に寄与するものである。
【0017】
尚、前記樹脂原料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等を材質とするプラスチック廃材を使用することができる。
【0018】
以下、樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して樹脂粒子を製造する方法について具体的に例示する。まず、原料であるプラスチック廃材等の樹脂原料を破砕処理して直径30mm以下程度に減容した後、湿式選別工程で、破砕された樹脂原料中の鉄片、アルミナラミネート、土砂等の異材を除去する。前記湿式選別を行うことにより、例えば融点の高い異材が造粒機に混入した場合に、押出機の先端部のダイスが目詰まりを起こしたり、押出しのスクリューが摩耗するのを防ぐことができる。上記湿式選別は、特に融点の高い金属や土砂系異材の除去効率に優れている。
【0019】
樹脂原料の溶融および樹脂粒子の成形には、予備加熱・粉砕装置、押出機およびペレタイザー(ナイフカッター)から構成された溶融造粒機を使用することができる。前記溶融造粒機では一連の工程として、湿式選別後の含水樹脂材を前記予備加熱・粉砕装置で乾燥・粉砕した後、100℃以上に加熱した状態で押出機へ供給し(この場合の温度管理は装置内に設置された温度計で行うことが望ましい)、押出機内にて高温高圧下で樹脂材を溶融した後、温度が約280℃以上に保たれたダイス先端部から溶融樹脂を一定速度で押出し、押出された樹脂をペレタイザーで切断して成形すると同時に水流下で急冷固化させる方法が挙げられる。前記ダイスの穴の断面形状が円形であれば円形状の樹脂粒子が得られるが、その他、該断面形状が楕円、半円、四角等のものを使用することも可能である。またペレタイザーの回転速度を変化させて高さ(厚み)を変え、種々のサイズの樹脂粒子を成形することができる。この様に樹脂原料を溶融工程に付した後に成形することで、冶金炉への吹込みに適した所望の形状・サイズの樹脂粒子を得ることができるのである。
【0020】
(2)冶金炉の羽口から合成樹脂材燃料を吹込むにあたり、前記合成樹脂材燃料として樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物を用い、且つ前記造粒物の粒度を平均粒径の±20%以内に70質量%以上が含まれる様に制御する方法。
【0021】
樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された樹脂粒子を使用することで、ハンドリング過程での粒子崩壊の影響が極めて小さく、集塊物に比して配管閉塞を発生させることがなく、羽口までの長距離圧送が可能であることは前述の通りである(図1参照)。
【0022】
ところで、冶金炉内の羽口先に形成されるレースウェイ燃焼帯内では、衝風中の酸素が炉内の赤熱コークス及び吹込燃料により消費され、CO2ガスと燃焼熱を発生する。そして、特に吹込み燃料の粒度分布のバラツキが大きい場合には、レースウェイ内での酸素の消費位置が軸心方向に拡大し、CO2濃度分布はブロード化して、レースウェイからの高温ガス発生位置が不安定化されるものと推察される。逆に粒度分布が小さければ、レースウェイの高温ガス発生位置が安定し、炉下部温度変動が緩和される。
【0023】
図3は、平均粒径±20%以内に含まれる樹脂粒子の質量割合と、炉下部の温度変動幅を調べたグラフであり、縦軸は、平均粒径±20%以内に含まれる樹脂粒子の質量割合が30%の場合の温度変動幅を1.00の基準とする相対的温度変動幅となっている。
【0024】
図3における実験では、樹脂原料として、容器包装プラスチック廃材であって、袋・ラップ等のフィルム系プラスチックとボトル主体の固系プラスチックが質量比でほぼ1:1の割合で混合し、主要3成分の構成が質量比で、ポリエチレン:ポリスチレン:ポリプロピレン=42:33:25のものを用いた。この様な組成のプラスチック廃材を用い、前記(1)で示した様な方法で樹脂粒子を成形した。また樹脂粒子の水分含有率はいずれも約0.1%であるが、これは溶融造粒機に投入前の樹脂原料を、遠心脱水機で機械的に脱水して水分含有率を約10%とした後、溶融造粒機を一定条件下で運転して調整したものである。
【0025】
尚、樹脂粒子の粒度分布は、溶融造粒機での成形時にペレタイザーの回転速度を変化させ、得られる樹脂粒子の厚みを変えることで調整した。具体的には、ペレタイザーの回転速度として低速・中速・高速の3水準を設け、各回転速度での運転時間比率を周期的に変更して粒度分布幅(即ち、平均粒径±20%以内の質量割合)を人為的に調整した。図3における実験では、粒子断面の直径が約5mmと一定で厚みが1〜10mmの間にある樹脂粒子を、1サイズにつき30分間として連続8時間の製造運転を行い約5トン得た。得られた樹脂粒子について成品ホッパーでサンプリングを行って粒度分布を測定し、上記平均粒径±20%以内の質量割合を求めた。そして上記粒度分布幅が既知の樹脂粒子5トンを1条件として実炉(高炉)に吹込み、炉下部の煉瓦温度計の指示変動量を測定して、炉下部の相対的温度変動幅を求めた。この様にして種々の粒度分布幅を有する樹脂粒子を製造し、実炉吹込みを繰り返し実施した。
【0026】
図3のグラフからも分かる様に、平均粒径の±20%以内に含まれる樹脂粒子の質量割合を変化させた場合、質量比70%以上が本粒度分布幅にある時、炉下部のガス流れ挙動が著しく改善された。尚、平均粒径の±20%以内に含まれる樹脂粒子の質量割合は80%以上であれば望ましく、90%以上であればより望ましい。
【0027】
(3)冶金炉の羽口から合成樹脂材燃料を吹込むにあたり、前記合成樹脂材燃料として樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物であって、その内部に水分を0.05質量%以上の割合で含有するものを用いる方法。
【0028】
樹脂を溶融工程に付した後に固化して製造された粒子を使用することで、ハンドリング過程での粒子崩壊の影響が極めて小さく、集塊物に比して配管閉塞を発生させることがなく、羽口までの長距離圧送が可能であることは前述の通りである(図1参照)。
【0029】
図4は、樹脂粒子内部に含有される水分の比率(質量%)と、燃焼効率の関係を示したグラフであり、縦軸は、従来例(集塊状粒子)を1とした場合の相対値となっている。
【0030】
図4における実験で使用した樹脂粒子の製造方法および樹脂原料は、図3の実験方法と同じである。試験燃焼炉には、後述する図5の実験で使用したものと同様の炉を用いた。また実験には、形状が円柱状であり、平均サイズが直径8mm、厚み5mmであって、平均粒径±20%以内の粒子質量割合が82〜83%に調整された樹脂粒子を使用した。樹脂粒子の水分含有率は、水分含有率の異なる樹脂原料を予備加熱・粉砕装置に投入し、予備加熱装置内で温度を変化させて調整した。尚、押出機内は高温高圧であるが、一部逃げ場のない水蒸気がダイス先端でペレタイジングされる際に樹脂表面から蒸発したり、また急冷固化した樹脂粒子内に包含されることがある。
【0031】
図4のグラフから分かる様に、樹脂粒子内部の水分含有率が0.05質量%以上であれば、羽口先のレースウェイ内で樹脂粒子が急速昇温し、急激に膨張して体積破壊が加速され、反応効率を集塊状粒子以上に高く維持することができるのである。尚、樹脂粒子内部の水分含有率は0.1質量%以上が望ましい。
【0032】
また実炉において、樹脂粒子内部に含有される水分の比率と吹込み時の炉下部の温度変動幅との関係を調べる実験を行った。図4の実験方法と同様にして水分含有率が0.02質量%、0.12質量%の樹脂粒子を各5トン製造し、これを実炉への1本羽口吹込み操業に供して、吹込み時の炉下部温度変動幅を測定した。その結果、吹込み時の炉下部温度変動幅は、水分含有率が0.02質量%の場合に±30℃であったのに対し、0.12質量%の場合には±18℃であったことから、合成樹脂材燃料の水分含有率を0.05質量%以上にすることで、燃焼効率のみならず燃焼挙動も安定化できることが分かった。
【0033】
尚、前記樹脂粒子は、水分を0.5〜20質量%含有する合成樹脂を原料として溶融造粒機で造粒され、切断面に微細な脱気孔を有することが望ましい。処理前の水分が0.5質量%未満では脱気孔による効果があまり見られず、20質量%を超えると吸熱による押出成形機の処理能力低下が顕著となるからである。
【0034】
同時に表面の脱気孔は反応界面積を拡大することにより集塊粒子と同等の効果を得ることが可能である。
【0035】
(4)冶金炉の羽口から合成樹脂材燃料を吹込むにあたり、前記合成樹脂材燃料として樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造されたペレットであって、該ペレットの厚みをXmm、直径をYmmとするとき、
1.0≦X≦10,
2≦Y≦20,
Y/X≧1.5
の3式を満足するものを主体とするものを用いる方法。
【0036】
樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された樹脂粒子を使用することで、ハンドリング過程での粒子崩壊の影響が極めて小さく、集塊物に比して配管閉塞を発生させることがなく、羽口までの長距離圧送が可能であることは前述の通りである(図1参照)。
【0037】
また、円盤もしくは薄板状の粒子であるペレットは、集塊物ほど比表面積を大きくせずとも、レースウェイ内での全方向からの輻射伝熱が効果的に作用するため、レースウェイ前半での粒子昇温速度が高い。この結果、樹脂のガス化燃焼が促進され、レースウェイ内での燃料粒子の燃焼率を高く維持できる。
【0038】
但し、ペレットの厚みXが10mmを超えると安定したカッティング面が得られにくくなるため、Xは10mm以下、好ましくは6.0mm以下とする。一方、Xが1.0mm未満では粒子平面が歪み、また強度が低下するため、特に異材の混入比率が高い場合には、羽口のハンドリング過程で粒子崩壊にいたる場合が多い。従って、ペレットの厚みXは1.0mm以上、好ましくは3.0mm以上とする。
【0039】
また一般的な廃合成樹脂を処理する場合、該ペレットの直径Yが20mmを超えると、カッティング時に安定した平面形成が困難となるため、20mm以下、好ましくは12mm以下にする。一方、Yが2mm未満では押出成形機の能力が極端に低下し、更に不溶性異物によるダイス目詰りが顕著となることから、ペレットの直径Yは2mm以上、好ましくは5mm以上とする。
【0040】
尚、本発明におけるペレットは、成形時のカッティング断面形状が円形のものに限らず楕円、半円、四角等のものも含まれるが、これらの場合の上記直径Yは、外接円の直径をいうものとする。
【0041】
図5は、Y/Xの値と燃焼効率の関係を示すグラフであり、縦軸は、従来例(集塊状粒子)の燃焼効率を1とした場合の相対値である。
【0042】
図5における実験で使用した樹脂原料、樹脂粒子の製造方法および樹脂粒子の水分含有率の調整方法は、図3の実験方法と同じである。実験には、直径Yを一定(8.0mm)とし、厚みXを図3の実験方法と同様に変化させた樹脂粒子を用いた。各試料における平均粒径の±20%以内の粒子質量割合は、Xの値を粒径とみなすと、いずれの場合も約80%であった。また図5における実験では、上記試料の燃焼効率を精度よく測定するため、1本羽口を備えたコークス充填型の試験燃焼炉(内容積3.3m3)を用いて燃焼を行った。前記燃焼効率は、前記試料の吹込み速度に対するコークス層降下速度から推算した。
【0043】
図5より、燃焼効率向上の観点からは、Y/Xの値を1.5以上、好ましくは1.8以上とすればよいことが分かる。
【0044】
更に実炉にて、Y/Xの値と、炉下部煉瓦の温度変動幅またはその平均温度との関係を調べた。図5の実験方法と同様にして表1に示すY/X値の樹脂粒子を各12トン製造し、実炉に吹込んで、吹込み時の炉下部煉瓦の温度変動幅およびその平均温度を測定した。その結果を表1に併記する。
【0045】
【表1】
Figure 0003940257
【0046】
表1より、Y/Xが1.5以上で吹込み時の炉下部煉瓦の温度変動幅が小さくなっており、上記試験燃焼炉の傾向が実炉においても実証されていることが分かる。また炉下部煉瓦の平均温度は、Y/X=1.0の場合と2.0の場合とを比較すると、後者の方が約20℃高い結果が得られた。これは、後者の条件では羽口前レースウェイでの燃焼性が向上して、レースウェイへのコークス流下速度(荷下がり速度)が低下し、炉下部の温度レベル上昇(炉下部熱流比の低下現象)を招いた結果と推測される。
【0047】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0048】
実施例
一般的な合成樹脂原料を用い、その形状がフィルム状と固形状のものをそれぞれ次の方法で処理して各造粒物を得た。即ち、本発明に係る粒子は、上記2形状の合成樹脂原料をそれぞれ溶融工程に付した後に固化させ、更に切断して得たものである。また集塊状粒子は、特表平8−507105号公報に開示のプラスチック粒子と同形状のものを製造して得た。更に破砕物として高速破砕機で破砕したものを用いた。得られた粒子をそれぞれふるいにかけ、スクリーンサイズ別の質量割合を求めた結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0003940257
【0050】
また図6〜8は、表2に示すデータを用いて上記造粒物別の粒度分布をグラフにしたものである。
【0051】
図6〜8に示される様に、造粒物が破砕物及び集塊状粒子の場合には粒度分布が幅広く粒子径のばらつきが大きい結果となり、均一な形状の合成樹脂材燃料が得られ難い。これに対し、本発明に係る粒子は形状が均一であるため、配管閉塞を発生させることなく羽口まで長距離搬送することができ、且つ冶金炉の炉況を安定に維持したまま燃焼させることができた。
【0052】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、冶金炉の炉況を安定に維持したまま燃焼させることのできる合成樹脂材燃料を提供できることとなり、この様な合成樹脂材燃料を冶金炉での銑鉄製造に適用することで、プラスチック廃材等の廃物を燃料として有効に活用できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例と従来例の配管閉塞頻度を相対的に示すグラフである。
【図2】各種樹脂粒子の粒度分布測定例を示すグラフであり、(A)は本発明に係る粒子の測定例、(B)は従来の集塊状粒子の測定例、(C)は従来の破砕物の測定例である。
【図3】平均粒径±20%以内に含まれる合成樹脂粒子の質量割合と、炉下部の温度変動幅の関係を示すグラフである。
【図4】樹脂粒子内部に含有される水分の比率(質量%)と、燃焼効率の関係を示すグラフである。
【図5】Y/Xの値と燃焼効率の関係を示すグラフである。
【図6】実施例における本発明に係る粒子の粒度分布測定結果を示すグラフである。
【図7】実施例における集塊状粒子の粒度分布測定結果を示すグラフである。
【図8】実施例における破砕物の粒度分布測定結果を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口から合成樹脂材燃料を吹込む方法において、上記合成樹脂材燃料として、樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物であって、平均粒径の±20%以内に70質量%以上が含まれるものを用いることを特徴とする冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法。
  2. 前記造粒物は、内部に水分を0.05質量%以上の割合で含有するものである請求項1に記載の吹込み方法。
  3. 前記造粒物は、水分を0.5〜20質量%含有する合成樹脂を原料として押出成形機で溶融固化後切断により造粒されたものであり、切断面に微細な脱気孔を有するものである請求項2に記載の吹込み方法。
  4. 冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口から合成樹脂材燃料を吹込む方法において、上記合成樹脂材燃料として、樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造されたペレットであって、該ペレットの厚みをXmm、直径をYmmとするとき、
    1.0≦X≦10,
    2≦Y≦20,
    Y/X≧1.5
    の3式を満足するものを用いることを特徴とする冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法。
  5. 前記樹脂原料としてプラスチック廃材を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の吹込み方法。
  6. 冶金炉における銑鉄製造用の合成樹脂材燃料であって、前記合成樹脂材燃料は樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物であり、該造粒物の平均粒径の±20%以内に70質量%以上が含まれることを特徴とする銑鉄製造用の合成樹脂材燃料。
  7. 前記造粒物は、内部に水分を0.05質量%以上の割合で含有するものである請求項6に記載の合成樹脂材燃料。
  8. 冶金炉における銑鉄製造用の合成樹脂材燃料であって、前記合成樹脂燃料は樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造されたペレットであり、該ペレットの厚みをXmm、直径をYmmとするとき、
    1.0≦X≦10,
    2≦Y≦20,
    Y/X≧1.5
    の3式を満足するものであることを特徴とする銑鉄製造用の合成樹脂材燃料。
  9. 前記造粒物またはペレットは、プラスチック廃材を溶融工程に付した後に押出成形し、更にこれを切断することにより製造されるものである請求項6〜8のいずれかに記載の銑鉄製造用の合成樹脂材燃料。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の合成樹脂材燃料を用いることを特徴とする高炉における銑鉄製造方法。
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