JP2002030309A - 冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法並びに銑鉄製造用の合成樹脂材燃料及びこれを用いた高炉における銑鉄製造方法 - Google Patents

冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法並びに銑鉄製造用の合成樹脂材燃料及びこれを用いた高炉における銑鉄製造方法

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JP2002030309A JP2000259695A JP2000259695A JP2002030309A JP 2002030309 A JP2002030309 A JP 2002030309A JP 2000259695 A JP2000259695 A JP 2000259695A JP 2000259695 A JP2000259695 A JP 2000259695A JP 2002030309 A JP2002030309 A JP 2002030309A
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冶金炉の炉況を安定に維持したまま合成樹脂
材燃料を吹込む方法を提供する。 【解決手段】 冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口か
ら合成樹脂材燃料を吹込む方法において、樹脂原料を溶
融工程に付した後に固化して製造された造粒物であり、
平均粒径の±20%以内に70質量%以上が含まれる合
成樹脂材燃料を吹込む。上記合成樹脂材燃料として、造
粒物であってその内部に水分を0.05質量%以上の割
合で含有するものや、ペレットであってその厚みをXm
m、直径をYmmとするとき、1.0≦X≦10,2≦
Y≦20,Y/X≧1.5の3式を満足するものを主体
とするものを吹込む方法を採用しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冶金炉における合
成樹脂材燃料の吹込み方法、並びに銑鉄製造用の合成樹
脂材燃料及びこれを用いた高炉における銑鉄製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】冶金炉において銑鉄を製造するにあたっ
ては、比較的高価なコークスの使用量を低減することを
目的として、天然ガス,ナフサ,重油,タール,微粉炭
等の各種燃料を羽口から吹込む方法が採用されている。
【0003】また近年では、廃物処理が問題となってお
り、廃プラスチック材料を再利用する技術の開発が望ま
れており、廃プラスチック材料を羽口から吹込む燃料と
して利用する技術が提案されている。例えば、特開平9
−143526号公報には、高炉内での高燃焼率を得る
ことを目的として、合成樹脂材の比表面積に下限を設定
して(例えば50m2/kg以上)吹込む方法が提案さ
れている。
【0004】しかし、この様な廃プラスチック材料等の
合成樹脂材を燃料として利用するにあたり、燃焼率の向
上や冶金炉の炉況の安定維持等を図るべく、その形状等
について更なる検討が重ねられているのが現状である。
【0005】冶金炉の炉況を安定に維持する上では、
羽口先燃焼帯の大きさが安定していること、燃焼帯か
らのガス流れ挙動が安定していること、羽口への長距
離搬送特性(対閉塞性)に優れていることが重要な要素
として挙げることができる。従来使用されている合成樹
脂材燃料の多くは、燃焼性の観点から、比表面積を大き
くとるべく集塊状の粒子であって、樹脂が半溶融状態で
あることから、輸送時や羽口への圧送時に崩壊し易く、
ホッパー下部での棚つり現象・配管閉塞現象の起因とな
っており、長距離搬送特性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、冶金炉の炉況を安定に維
持した上で銑鉄を製造するのに用いる合成樹脂材燃料、
並びにこれを用いた冶金炉への吹込み方法および高炉に
おける銑鉄の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明とは、冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口から合成
樹脂材燃料を吹込む方法において、上記合成樹脂材燃料
が樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して製造された
造粒物であり、平均粒径の±20%以内に70質量%以
上が含まれることを要旨とするものである。
【0008】また、冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽
口から合成樹脂材燃料を吹込む方法において、樹脂原料
を溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物であ
り、該造粒物の内部に水分を0.05質量%以上の割合
で含有する合成樹脂材燃料を吹込む方法を採用してもよ
く、この場合には、前記造粒物が、水分を0.5〜20
質量%含有する合成樹脂を原料として押出成形機で溶融
固化後切断により造粒されたものであり、切断面に微細
な脱気孔を有することが望ましい。
【0009】更に、冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽
口から合成樹脂材燃料を吹込む方法において、樹脂原料
を溶融工程に付した後に固化して製造されたペレットで
あり、該ペレットの厚みをXmm、直径をYmmとする
とき、1.0≦X≦10,2≦Y≦20,Y/X≧1.
5の3式を満足するものを主体とする合成樹脂材燃料を
吹込む方法を採用しても良い。尚、前記樹脂原料として
プラスチック廃材を用いることができる。
【0010】また本発明は、冶金炉における銑鉄製造用
の合成樹脂材燃料が、平均粒径の±20%以内に70質
量%以上が含まれる造粒物であることを要旨とするもの
であるが、前記合成樹脂材燃料として、内部に水分を
0.05質量%以上の割合で含有する造粒物、または厚
みをXmm、直径をYmmとした場合に、1.0≦X≦
10,2≦Y≦20,Y/X≧1.5の3式を満足する
ものを主体とするペレットを採用してもよい。上記造粒
物またはペレットは、プラスチック廃材を溶融工程に付
した後に押出成形し、更にこれを切断して製造すること
ができる。
【0011】更に本発明は、上記いずれかの合成樹脂材
燃料を用い、高炉において銑鉄を製造する方法も含むも
のである。
【0012】尚、以下においては、上記造粒物およびペ
レットを総称して樹脂粒子ということがある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、銑鉄製造にあた
り、冶金炉の炉況を安定に維持したまま燃焼することの
できる合成樹脂材燃料の開発を目的として、鋭意研究を
重ねた。その結果、下記の(1)〜(4)の方法を採用
することが、炉況の安定に非常に効果的であることを突
き止め、本発明に想到した。
【0014】(1)樹脂原料を溶融工程に付した後に固
化して製造された樹脂粒子を用いる方法。
【0015】図1は、樹脂原料を溶融工程に付した後に
固化して製造された樹脂粒子を用いた本発明例と、集塊
状粒子(半溶融粒子を塊状に固化したもの)を用いた従
来例と、樹脂を破砕した破砕物を用いた従来例につい
て、合成樹脂材燃料供給用配管を閉塞させた頻度をグラ
フ化したものであり、縦軸は破砕物を用いた従来例を1
とする相対値となっている。尚、図2は、各種粒子の粒
度分布測定例を示すグラフであり、(A)は、本発明に
係る粒子[平均粒子径:9.6mm,平均±20%
(7.7〜11.6mm)の質量割合は85%]の測定
例、(B)は、従来の集塊状粒子[平均粒子径:9.0
mm,平均±20%(7.2〜10.9mm)の質量割
合は57%]の測定例、(C)は従来の破砕物[平均粒
子径:9.5mm,平均±20%(6.8〜10.2m
m)の質量割合は43%]の測定例である。
【0016】図1のグラフからも分かる様に、樹脂原料
を溶融工程に付した後に固化して製造された粒子を使用
することで、ハンドリング過程での粒子崩壊の影響が極
めて小さく、配管閉塞を発生させることなく羽口までの
長距離圧送が可能である。このことは同時に、炉内に吹
き込まれた時点での粒度分布の粒子崩壊による拡がりを
抑制することを意味しており、上述の理由から炉下部ガ
ス流れが安定し、炉況の安定に寄与するものである。
【0017】尚、前記樹脂原料としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等を材質とするプラ
スチック廃材を使用することができる。
【0018】以下、樹脂原料を溶融工程に付した後に固
化して樹脂粒子を製造する方法について具体的に例示す
る。まず、原料であるプラスチック廃材等の樹脂原料を
破砕処理して直径30mm以下程度に減容した後、湿式
選別工程で、破砕された樹脂原料中の鉄片、アルミナラ
ミネート、土砂等の異材を除去する。前記湿式選別を行
うことにより、例えば融点の高い異材が造粒機に混入し
た場合に、押出機の先端部のダイスが目詰まりを起こし
たり、押出しのスクリューが摩耗するのを防ぐことがで
きる。上記湿式選別は、特に融点の高い金属や土砂系異
材の除去効率に優れている。
【0019】樹脂原料の溶融および樹脂粒子の成形に
は、予備加熱・粉砕装置、押出機およびペレタイザー
(ナイフカッター)から構成された溶融造粒機を使用す
ることができる。前記溶融造粒機では一連の工程とし
て、湿式選別後の含水樹脂材を前記予備加熱・粉砕装置
で乾燥・粉砕した後、100℃以上に加熱した状態で押
出機へ供給し(この場合の温度管理は装置内に設置され
た温度計で行うことが望ましい)、押出機内にて高温高
圧下で樹脂材を溶融した後、温度が約280℃以上に保
たれたダイス先端部から溶融樹脂を一定速度で押出し、
押出された樹脂をペレタイザーで切断して成形すると同
時に水流下で急冷固化させる方法が挙げられる。前記ダ
イスの穴の断面形状が円形であれば円形状の樹脂粒子が
得られるが、その他、該断面形状が楕円、半円、四角等
のものを使用することも可能である。またペレタイザー
の回転速度を変化させて高さ(厚み)を変え、種々のサ
イズの樹脂粒子を成形することができる。この様に樹脂
原料を溶融工程に付した後に成形することで、冶金炉へ
の吹込みに適した所望の形状・サイズの樹脂粒子を得る
ことができるのである。
【0020】(2)冶金炉の羽口から合成樹脂材燃料を
吹込むにあたり、前記合成樹脂材燃料として樹脂原料を
溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物を用
い、且つ前記造粒物の粒度を平均粒径の±20%以内に
70質量%以上が含まれる様に制御する方法。
【0021】樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して
製造された樹脂粒子を使用することで、ハンドリング過
程での粒子崩壊の影響が極めて小さく、集塊物に比して
配管閉塞を発生させることがなく、羽口までの長距離圧
送が可能であることは前述の通りである(図1参照)。
【0022】ところで、冶金炉内の羽口先に形成される
レースウェイ燃焼帯内では、衝風中の酸素が炉内の赤熱
コークス及び吹込燃料により消費され、CO2ガスと燃
焼熱を発生する。そして、特に吹込み燃料の粒度分布の
バラツキが大きい場合には、レースウェイ内での酸素の
消費位置が軸心方向に拡大し、CO2濃度分布はブロー
ド化して、レースウェイからの高温ガス発生位置が不安
定化されるものと推察される。逆に粒度分布が小さけれ
ば、レースウェイの高温ガス発生位置が安定し、炉下部
温度変動が緩和される。
【0023】図3は、平均粒径±20%以内に含まれる
樹脂粒子の質量割合と、炉下部の温度変動幅を調べたグ
ラフであり、縦軸は、平均粒径±20%以内に含まれる
樹脂粒子の質量割合が30%の場合の温度変動幅を1.
00の基準とする相対的温度変動幅となっている。
【0024】図3における実験では、樹脂原料として、
容器包装プラスチック廃材であって、袋・ラップ等のフ
ィルム系プラスチックとボトル主体の固系プラスチック
が質量比でほぼ1:1の割合で混合し、主要3成分の構
成が質量比で、ポリエチレン:ポリスチレン:ポリプロ
ピレン=42:33:25のものを用いた。この様な組
成のプラスチック廃材を用い、前記(1)で示した様な
方法で樹脂粒子を成形した。また樹脂粒子の水分含有率
はいずれも約0.1%であるが、これは溶融造粒機に投
入前の樹脂原料を、遠心脱水機で機械的に脱水して水分
含有率を約10%とした後、溶融造粒機を一定条件下で
運転して調整したものである。
【0025】尚、樹脂粒子の粒度分布は、溶融造粒機で
の成形時にペレタイザーの回転速度を変化させ、得られ
る樹脂粒子の厚みを変えることで調整した。具体的に
は、ペレタイザーの回転速度として低速・中速・高速の
3水準を設け、各回転速度での運転時間比率を周期的に
変更して粒度分布幅(即ち、平均粒径±20%以内の質
量割合)を人為的に調整した。図3における実験では、
粒子断面の直径が約5mmと一定で厚みが1〜10mm
の間にある樹脂粒子を、1サイズにつき30分間として
連続8時間の製造運転を行い約5トン得た。得られた樹
脂粒子について成品ホッパーでサンプリングを行って粒
度分布を測定し、上記平均粒径±20%以内の質量割合
を求めた。そして上記粒度分布幅が既知の樹脂粒子5ト
ンを1条件として実炉(高炉)に吹込み、炉下部の煉瓦
温度計の指示変動量を測定して、炉下部の相対的温度変
動幅を求めた。この様にして種々の粒度分布幅を有する
樹脂粒子を製造し、実炉吹込みを繰り返し実施した。
【0026】図3のグラフからも分かる様に、平均粒径
の±20%以内に含まれる樹脂粒子の質量割合を変化さ
せた場合、質量比70%以上が本粒度分布幅にある時、
炉下部のガス流れ挙動が著しく改善された。尚、平均粒
径の±20%以内に含まれる樹脂粒子の質量割合は80
%以上であれば望ましく、90%以上であればより望ま
しい。
【0027】(3)冶金炉の羽口から合成樹脂材燃料を
吹込むにあたり、前記合成樹脂材燃料として樹脂原料を
溶融工程に付した後に固化して製造された造粒物であっ
て、その内部に水分を0.05質量%以上の割合で含有
するものを用いる方法。
【0028】樹脂を溶融工程に付した後に固化して製造
された粒子を使用することで、ハンドリング過程での粒
子崩壊の影響が極めて小さく、集塊物に比して配管閉塞
を発生させることがなく、羽口までの長距離圧送が可能
であることは前述の通りである(図1参照)。
【0029】図4は、樹脂粒子内部に含有される水分の
比率(質量%)と、燃焼効率の関係を示したグラフであ
り、縦軸は、従来例(集塊状粒子)を1とした場合の相
対値となっている。
【0030】図4における実験で使用した樹脂粒子の製
造方法および樹脂原料は、図3の実験方法と同じであ
る。試験燃焼炉には、後述する図5の実験で使用したも
のと同様の炉を用いた。また実験には、形状が円柱状で
あり、平均サイズが直径8mm、厚み5mmであって、
平均粒径±20%以内の粒子質量割合が82〜83%に
調整された樹脂粒子を使用した。樹脂粒子の水分含有率
は、水分含有率の異なる樹脂原料を予備加熱・粉砕装置
に投入し、予備加熱装置内で温度を変化させて調整し
た。尚、押出機内は高温高圧であるが、一部逃げ場のな
い水蒸気がダイス先端でペレタイジングされる際に樹脂
表面から蒸発したり、また急冷固化した樹脂粒子内に包
含されることがある。
【0031】図4のグラフから分かる様に、樹脂粒子内
部の水分含有率が0.05質量%以上であれば、羽口先
のレースウェイ内で樹脂粒子が急速昇温し、急激に膨張
して体積破壊が加速され、反応効率を集塊状粒子以上に
高く維持することができるのである。尚、樹脂粒子内部
の水分含有率は0.1質量%以上が望ましい。
【0032】また実炉において、樹脂粒子内部に含有さ
れる水分の比率と吹込み時の炉下部の温度変動幅との関
係を調べる実験を行った。図4の実験方法と同様にして
水分含有率が0.02質量%、0.12質量%の樹脂粒
子を各5トン製造し、これを実炉への1本羽口吹込み操
業に供して、吹込み時の炉下部温度変動幅を測定した。
その結果、吹込み時の炉下部温度変動幅は、水分含有率
が0.02質量%の場合に±30℃であったのに対し、
0.12質量%の場合には±18℃であったことから、
合成樹脂材燃料の水分含有率を0.05質量%以上にす
ることで、燃焼効率のみならず燃焼挙動も安定化できる
ことが分かった。
【0033】尚、前記樹脂粒子は、水分を0.5〜20
質量%含有する合成樹脂を原料として溶融造粒機で造粒
され、切断面に微細な脱気孔を有することが望ましい。
処理前の水分が0.5質量%未満では脱気孔による効果
があまり見られず、20質量%を超えると吸熱による押
出成形機の処理能力低下が顕著となるからである。
【0034】同時に表面の脱気孔は反応界面積を拡大す
ることにより集塊粒子と同等の効果を得ることが可能で
ある。
【0035】(4)冶金炉の羽口から合成樹脂材燃料を
吹込むにあたり、前記合成樹脂材燃料として樹脂原料を
溶融工程に付した後に固化して製造されたペレットであ
って、該ペレットの厚みをXmm、直径をYmmとする
とき、 1.0≦X≦10, 2≦Y≦20, Y/X≧1.5 の3式を満足するものを主体とするものを用いる方法。
【0036】樹脂原料を溶融工程に付した後に固化して
製造された樹脂粒子を使用することで、ハンドリング過
程での粒子崩壊の影響が極めて小さく、集塊物に比して
配管閉塞を発生させることがなく、羽口までの長距離圧
送が可能であることは前述の通りである(図1参照)。
【0037】また、円盤もしくは薄板状の粒子であるペ
レットは、集塊物ほど比表面積を大きくせずとも、レー
スウェイ内での全方向からの輻射伝熱が効果的に作用す
るため、レースウェイ前半での粒子昇温速度が高い。こ
の結果、樹脂のガス化燃焼が促進され、レースウェイ内
での燃料粒子の燃焼率を高く維持できる。
【0038】但し、ペレットの厚みXが10mmを超え
ると安定したカッティング面が得られにくくなるため、
Xは10mm以下、好ましくは6.0mm以下とする。
一方、Xが1.0mm未満では粒子平面が歪み、また強
度が低下するため、特に異材の混入比率が高い場合に
は、羽口のハンドリング過程で粒子崩壊にいたる場合が
多い。従って、ペレットの厚みXは1.0mm以上、好
ましくは3.0mm以上とする。
【0039】また一般的な廃合成樹脂を処理する場合、
該ペレットの直径Yが20mmを超えると、カッティン
グ時に安定した平面形成が困難となるため、20mm以
下、好ましくは12mm以下にする。一方、Yが2mm
未満では押出成形機の能力が極端に低下し、更に不溶性
異物によるダイス目詰りが顕著となることから、ペレッ
トの直径Yは2mm以上、好ましくは5mm以上とす
る。
【0040】尚、本発明におけるペレットは、成形時の
カッティング断面形状が円形のものに限らず楕円、半
円、四角等のものも含まれるが、これらの場合の上記直
径Yは、外接円の直径をいうものとする。
【0041】図5は、Y/Xの値と燃焼効率の関係を示
すグラフであり、縦軸は、従来例(集塊状粒子)の燃焼
効率を1とした場合の相対値である。
【0042】図5における実験で使用した樹脂原料、樹
脂粒子の製造方法および樹脂粒子の水分含有率の調整方
法は、図3の実験方法と同じである。実験には、直径Y
を一定(8.0mm)とし、厚みXを図3の実験方法と
同様に変化させた樹脂粒子を用いた。各試料における平
均粒径の±20%以内の粒子質量割合は、Xの値を粒径
とみなすと、いずれの場合も約80%であった。また図
5における実験では、上記試料の燃焼効率を精度よく測
定するため、1本羽口を備えたコークス充填型の試験燃
焼炉(内容積3.3m3)を用いて燃焼を行った。前記
燃焼効率は、前記試料の吹込み速度に対するコークス層
降下速度から推算した。
【0043】図5より、燃焼効率向上の観点からは、Y
/Xの値を1.5以上、好ましくは1.8以上とすれば
よいことが分かる。
【0044】更に実炉にて、Y/Xの値と、炉下部煉瓦
の温度変動幅またはその平均温度との関係を調べた。図
5の実験方法と同様にして表1に示すY/X値の樹脂粒
子を各12トン製造し、実炉に吹込んで、吹込み時の炉
下部煉瓦の温度変動幅およびその平均温度を測定した。
その結果を表1に併記する。
【0045】
【表1】
【0046】表1より、Y/Xが1.5以上で吹込み時
の炉下部煉瓦の温度変動幅が小さくなっており、上記試
験燃焼炉の傾向が実炉においても実証されていることが
分かる。また炉下部煉瓦の平均温度は、Y/X=1.0
の場合と2.0の場合とを比較すると、後者の方が約2
0℃高い結果が得られた。これは、後者の条件では羽口
前レースウェイでの燃焼性が向上して、レースウェイへ
のコークス流下速度(荷下がり速度)が低下し、炉下部
の温度レベル上昇(炉下部熱流比の低下現象)を招いた
結果と推測される。
【0047】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0048】実施例 一般的な合成樹脂原料を用い、その形状がフィルム状と
固形状のものをそれぞれ次の方法で処理して各造粒物を
得た。即ち、本発明に係る粒子は、上記2形状の合成樹
脂原料をそれぞれ溶融工程に付した後に固化させ、更に
切断して得たものである。また集塊状粒子は、特表平8
−507105号公報に開示のプラスチック粒子と同形
状のものを製造して得た。更に破砕物として高速破砕機
で破砕したものを用いた。得られた粒子をそれぞれふる
いにかけ、スクリーンサイズ別の質量割合を求めた結果
を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】また図6〜8は、表2に示すデータを用い
て上記造粒物別の粒度分布をグラフにしたものである。
【0051】図6〜8に示される様に、造粒物が破砕物
及び集塊状粒子の場合には粒度分布が幅広く粒子径のば
らつきが大きい結果となり、均一な形状の合成樹脂材燃
料が得られ難い。これに対し、本発明に係る粒子は形状
が均一であるため、配管閉塞を発生させることなく羽口
まで長距離搬送することができ、且つ冶金炉の炉況を安
定に維持したまま燃焼させることができた。
【0052】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、冶金炉の炉況を安定に維持したまま燃焼させること
のできる合成樹脂材燃料を提供できることとなり、この
様な合成樹脂材燃料を冶金炉での銑鉄製造に適用するこ
とで、プラスチック廃材等の廃物を燃料として有効に活
用できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明例と従来例の配管閉塞頻度を相対的に示
すグラフである。
【図2】各種樹脂粒子の粒度分布測定例を示すグラフで
あり、(A)は本発明に係る粒子の測定例、(B)は従
来の集塊状粒子の測定例、(C)は従来の破砕物の測定
例である。
【図3】平均粒径±20%以内に含まれる合成樹脂粒子
の質量割合と、炉下部の温度変動幅の関係を示すグラフ
である。
【図4】樹脂粒子内部に含有される水分の比率(質量
%)と、燃焼効率の関係を示すグラフである。
【図5】Y/Xの値と燃焼効率の関係を示すグラフであ
る。
【図6】実施例における本発明に係る粒子の粒度分布測
定結果を示すグラフである。
【図7】実施例における集塊状粒子の粒度分布測定結果
を示すグラフである。
【図8】実施例における破砕物の粒度分布測定結果を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F301 AA13 AA14 AA15 BC13 BD09 BD29 BD33 BD36 BD42 BD43 BD47 BF09 BF12 BF16 BF26 BF31 4H015 AA01 AA17 AA27 AB01 BA13 BB06 CA03 CB01 4K012 BE01 BE05 BE09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口か
    ら合成樹脂材燃料を吹込む方法において、 上記合成樹脂材燃料が樹脂原料を溶融工程に付した後に
    固化して製造された造粒物であり、平均粒径の±20%
    以内に70質量%以上が含まれることを特徴とする冶金
    炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法。
  2. 【請求項2】 冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口か
    ら合成樹脂材燃料を吹込む方法において、 上記合成樹脂材燃料が樹脂原料を溶融工程に付した後に
    固化して製造された造粒物であり、該造粒物の内部に水
    分を0.05質量%以上の割合で含有することを特徴と
    する冶金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法。
  3. 【請求項3】 前記造粒物は、水分を0.5〜20質量
    %含有する合成樹脂を原料として押出成形機で溶融固化
    後切断により造粒されたものであり、切断面に微細な脱
    気孔を有する請求項2に記載の吹込み方法。
  4. 【請求項4】 冶金炉で銑鉄を製造するにあたり羽口か
    ら合成樹脂材燃料を吹込む方法において、 上記合成樹脂材燃料が樹脂原料を溶融工程に付した後に
    固化して製造されたペレットであり、該ペレットの厚み
    をXmm、直径をYmmとするとき、 1.0≦X≦10, 2≦Y≦20, Y/X≧1.5 の3式を満足するものを主体とすることを特徴とする冶
    金炉における合成樹脂材燃料の吹込み方法。
  5. 【請求項5】 前記樹脂原料としてプラスチック廃材を
    用いる請求項1〜4のいずれかに記載の吹込み方法。
  6. 【請求項6】 冶金炉における銑鉄製造用の合成樹脂材
    燃料であって、前記合成樹脂材燃料は造粒物であり、該
    造粒物の平均粒径の±20%以内に70質量%以上が含
    まれることを特徴とする銑鉄製造用の合成樹脂材燃料。
  7. 【請求項7】 冶金炉における銑鉄製造用の合成樹脂材
    燃料であって、前記合成樹脂材燃料は造粒物であり、該
    造粒物の内部に水分を0.05質量%以上の割合で含有
    することを特徴とする銑鉄製造用の合成樹脂材燃料。
  8. 【請求項8】 冶金炉における銑鉄製造用の合成樹脂材
    燃料であって、前記合成樹脂燃料はペレットであり、該
    ペレットの厚みをXmm、直径をYmmとするとき、 1.0≦X≦10, 2≦Y≦20, Y/X≧1.5 の3式を満足するものを主体とすることを特徴とする銑
    鉄製造用の合成樹脂材燃料。
  9. 【請求項9】 前記造粒物またはペレットは、プラスチ
    ック廃材を溶融工程に付した後に押出成形し、更にこれ
    を切断することにより製造されるものである請求項6〜
    8のいずれかに記載の銑鉄製造用の合成樹脂材燃料。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載の合成
    樹脂材燃料を用いることを特徴とする高炉における銑鉄
    製造方法。
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