JP3939949B2 - 撮影機能を有する観察装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、望遠鏡や双眼鏡等の観察光学系と、該観察光学系によって観察される対象を撮影する撮影光学系と有し、遠方の対象を観察すると同時に画像として記録することができる、撮影機能を有する観察装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
遠方の対象を目視にて観察する手段としては望遠鏡や双眼鏡等の観察用光学機器がある。しかし従来の観察用光学機器では観察像を画像として記録することはできない。このため、望遠鏡や双眼鏡等の観察用光学機器とカメラを組合わせて、観察像を画像として記録できるようにするというアイデアは古くから存在する。しかし、一般ユーザの使用に耐えるものは知られていない。その理由の一つは大型化にある。
【0003】
観察用光学機器として一般的に使用されている双眼鏡に好適な倍率は7倍程度とされており、この程度の倍率であれば遠方の対象を詳細に観察できる上、手持ちでの観察でも手ブレの影響は少ない。しかし7倍の双眼鏡で観察される視野範囲は35mmサイズのカメラに換算して300mm以上の望遠レンズの撮影範囲に匹敵する。つまり双眼鏡による観察物体を記録するという機能を、一般的な双眼鏡とカメラの組合せで実現するには、装置全体が大型化するという問題がある。
【0004】
さらにこのような構成で高画質な画像を記録するには撮影レンズに高い光学性能が要求されるため、構成枚数が増えてコストや重量がかさむといった問題がある。
【0005】
また、観察用光学機器としての操作性を保つためには、双眼鏡の合焦操作に対して撮影光学系の合焦機構が連動することが望ましいが、前述したように300mmもの長い焦点距離をもつ望遠レンズは高い合焦精度が要求されるため、双眼鏡の合焦操作との連動では十分な合焦精度が得られないという問題がある。
【0006】
さらに観察用光学機器の合焦操作では、肉眼による目視にて被写体像のコントラストが最大となる合焦位置を検出するのが普通であり、肉眼の視度は個人差が大きいため、観察者によって合焦位置が大きく異なるという問題がある。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、このような問題意識に基づき、観察機能と撮影機能とを有する観察装置を、大型化を招くことなく低コストで実現し、さらに合焦操作を容易にすることを目的とする。
【0008】
【発明の概要】
本発明の撮影機能を有する観察装置は、その第一の態様によると、正のパワーの対物光学系によって生じる観察対象の像を、正のパワーの接眼光学系を介して観察する観察光学系と;前記観察光学系とは独立した、該観察対象を撮影する撮影光学系と;を有し、前記撮影光学系は、2以上のレンズ群を有し、2つのレンズ群の光軸方向の絶対位置及び相対位置の双方を変化させる、独立して操作可能な2つの合焦機構を有することを特徴としている。
好ましくは前記撮影光学系は、物体側から順に、第1レンズ群と第2レンズ群よりなり、第1レンズ群と第2レンズ群のそれぞれを独立に光軸方向に移動させることによって、観察対象の像の結像位置を所定の位置に合わせる合焦機構を有し、次の条件式(1)、(2)を満足することを特徴としている。
(1)0.1<ft/fo <0.7
(2)0.4 <|TI /TII| <2.5
但し、
ft ;撮影光学系の焦点距離、
fo ;観察光学系の対物光学系の焦点距離、
TI ;無限遠からある有限撮影距離までの第1レンズ群単独で合焦させた場合の合焦に要する撮影光学系第1レンズ群の移動量、
TII ;無限遠から前記有限撮影距離までの第2レンズ群単独で合焦させた場合の合焦に要する撮影光学系第2レンズ群の移動量、
である。
態様は、更に次の条件式(3)を満足することが好ましい。
(3)5<fo/fe
但し、
fe ;観察光学系の接眼光学系の焦点距離、
である。
【0009】
このような条件を満足しても(特に撮影光学系の焦点距離を短くしても)、撮影光学系の記録機能を犠牲にすることなく大型化を防ぐことができるのは、従来の銀塩フィルムを使用するカメラに代えて、CCD撮像素子を使用するデジタルカメラが普及している事実による。CCD撮像素子は急速に高密度化が進んでおり、その一般的な画面サイズは35mmサイズの10分の1程度である。また、撮影光学系の焦点距離を観察光学系の対物光学系の焦点距離よりも短く設定することで、撮影光学系の合焦機構を観察光学系の合焦機構に連動させても十分に高い合焦精度を得ることができる。さらに、第1レンズ群と第2レンズ群のそれぞれを独立に光軸方向に移動させて観察対象の像の結像位置を所定の位置に合わせる合焦機構を設けることで、観察者による合焦位置の違いをオートフォーカス機構等の補助的手段によって補正可能とすることができる。
【0010】
観察光学系は、少なくとも一部の光学系を光軸方向に移動させることによって観察対象の像の結像位置を移動させる観察光学系合焦機構を有し、この観察光学系合焦機構と、撮影光学系の前記2つのレンズ群の合焦機構のいずれか一方が連動して作動するための合焦連動機構を有することが好ましい。
【0011】
観察光学系は、正のパワーの対物光学系と、該対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの接眼光学系とを有する望遠鏡から構成することができ、さらに一対の正のパワーの対物光学系と、該一対の対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの一対の接眼光学系とを有する双眼鏡から構成するのが実際的である。
【0012】
観察光学系を双眼鏡から構成する場合、撮影光学系の光軸は、双眼鏡の一対の観察光学系がもつ光軸の中間に配置するのがバランス上好ましい。また、撮影光学系は、CCD撮像素子上に観察対象の画像を結像させて記録するデジタルカメラ用とすることが好ましい。
【0013】
また望遠レンズとして使用される光学系の例として、正レンズと負レンズの組合せからなる正のパワーの第1レンズ群と、同じく正レンズと負レンズの組合せからなる正のパワーの第2レンズ群との組合せによって構成されるペッツバールタイプが知られている。ペッツバールタイプの光学系は比較的少ない構成枚数で良好な性能が得られることから、望遠レンズ等に使用されている。
【0014】
撮影光学系には、このペッツバールタイプを利用することが好ましい。すなわち、撮影光学系は、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第1レンズ群と、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第2レンズ群とから構成し、さらに次の条件式(4)を満足させることが好ましい。
(4)0.15<DI-II /f <0.7
但し、
DI-II ;第1レンズ群と第2レンズ群との無限遠物点に合焦時の間隔、
f;全系の焦点距離、
である。
【0015】
撮影光学系は、次の条件式(5)、(6)を満足するとよい。
(5) 1<ACI /ACII
(6) 20 < νIp − νIn
但し、
ACI;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値 (|1/(fi*νi)|)の第1レンズ群中での総和、
ACII ;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値(|1/(fi*νi)|)の第2レンズ群中での総和、
νIp;第1レンズ群の正レンズのアッベ数、
νIn;第1レンズ群の負レンズのアッベ数、
である。
【0016】
撮影光学系の第1レンズ群を構成する正レンズと負レンズは、貼合せレンズとすることが好ましい。
【0017】
本発明による撮影機能を有する観察装置は、その第二の態様によると、正のパワーの対物光学系によって生じる観察対象の像を、正のパワーの接眼光学系を介して観察する観察光学系と;前記観察光学系とは独立した、該観察対象を撮影する撮影光学系と;を有し、撮影光学系は物体側から順に、第1レンズ群と第2レンズ群よりなり、全系を光軸方向に移動させる合焦機構と、第1レンズ群を独立に光軸方向に移動させる合焦機構とを有し、次の条件式(7)、(8)を満足することを特徴としている。
(7) 0.1 < ft/fo < 0.7
(8) 0.2 < |TA /TI |< 1.5
但し、
ft ; 撮影光学系の焦点距離、
fo ; 観察光学系の対物光学系の焦点距離、
TA ; 無限遠からある有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系全系の移動量、
TI ; 無限遠から前記有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系第1レンズ群の移動量、
である。
この第二の態様の上記以外の特徴は、前記第一の態様と同様である。
【0018】
本発明による撮影機能を有する観察装置は、その第三の態様によると、正のパワーの対物光学系によって生じる観察対象の像を、正のパワーの接眼光学系を介して観察する観察光学系と;前記観察光学系とは独立した、該観察対象を撮影する撮影光学系と;を有し、撮影光学系は物体側から順に、第1レンズ群と第2レンズ群よりなり、全系を光軸方向に移動させる合焦機構と、第2レンズ群を独立に光軸方向に移動させる合焦機構とを有し、次の条件式(13)、(14)、を満足することを特徴としている。
(13) 0.1 < ft/fo < 0.7
(14) 0.2 < |TA /TII |<1.5
但し、
ft ; 撮影光学系の焦点距離、
fo ; 観察光学系の対物光学系の焦点距離、
TA ; 無限遠からある有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系全系の移動量、
TII ; 無限遠から前記有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系第2レンズ群の移動量、
である。
この第三の態様の上記以外の特徴は、前記第一の態様と同様である。
【0019】
【発明の実施形態】
図1は、本発明による撮影機能を有する観察装置の一実施形態を示している。この観察装置は観察光学系としての双眼鏡と撮影光学系との組合せによって構成されている。
双眼鏡は、周知のように、複数枚のレンズの組合せにからなる正のパワーの対物光学系と、対物光学系によって形成される像の上下左右を反転させ、正立像として観察するための正立光学系と、該正立像を観察する正のパワーの接眼光学系とから構成される観察光学系1が、右目観察用と左目観察用に一対配置されている。図1では対物光学系の一部のみが観察光学系1として示されている。
複数枚のレンズの組み合わせによって構成される正のパワーの撮影光学系は、双眼鏡の一対の観察光学系の中間に配置されている。図1では、撮影光学系の一部のみが撮影光学系100として示されている。
【0020】
観察光学系の対物光学系の一部は対物枠10に固定されており、該一対の対物枠10はアーム43によって連結され、アーム43の中央部には可動部材42が固定されている。可動部材42には、光軸と平行な方向を向く雌ねじが形成されており、この雌ねじに雄ねじ軸41が螺合している。雄ねじ軸41には平ギア54と合焦ハンドル55が固定されている。
【0021】
合焦ハンドル55を回転させると、雄ねじ軸41が回転し、雄ねじ軸41に螺合した可動部材42が前後方向に移動する。このとき可動部材42に固定されたアーム43と、更にアーム43に固定された一対の対物枠10も同時に前後方向に移動するため、観察光学系1の対物光学系の一部が光軸方向に移動して合焦操作がなされる。
【0022】
撮影光学系100は、鏡筒とヘリコイド機構をもち、鏡筒を回転することでヘイコイド機構が作動し、撮影光学系が光軸方向に移動して合焦操作がなされるように設定されている。
撮影光学系100の鏡筒外周部には平ギア151が固定され、この平ギア151に平ギア51が螺合している。一方、雄ねじ軸41の平ギア54は、この平ギヤ51と同軸一体の平ギヤ53に螺合している。
【0023】
従って、合焦ハンドル55を回転させると、平ギヤ54、平ギア53、シャフト52、平ギア51を介して平ギア151が回転する。平ギア151が回転すると撮影光学系の鏡筒が回転されるため、ヘリコイド機構が作動して撮影光学系の合焦操作がなされる。つまり図1の構成によれば、観察光学系と撮影光学系の合焦操作が連動してなされる。
【0024】
図2は、本発明による撮影機能を有する観察装置のうち、撮影光学系合焦装置の第一の実施形態を示している。この装置の望遠レンズ系は、物体側から順に、正の第1レンズ111と負の第2レンズ112の貼り合せによって構成される第1レンズ群101と、正の第3レンズ121と負の第4レンズ122とで構成される第2レンズ群102より構成される。第4レンズ122より像側には、ローパスフィルターや赤外カットフィルターなどのフィルター103(1枚として図示)が位置し、更にCCD撮像素子105のパッケージ前面にはカバーガラス104が固定されている。
これらの部材は鏡筒140の内側に保持され、CCD撮像素子105は鏡筒140の像側端部に固定されている。
【0025】
第1レンズ群101は第1レンズ群枠120に保持され、第1レンズ群枠120はヘリコイド機構125によって鏡筒140に保持されている。従って第1レンズ群101(第1レンズ群枠120)は、回転させると光軸方向に移動する。また第2レンズ群102は第2レンズ群枠130に保持され、第2レンズ群枠130はヘリコイド機構135によって鏡筒140に保持されている。従って第2レンズ群102(第2レンズ群枠130)は回転させると光軸方向に移動する。
【0026】
第1レンズ群枠120の外周部には平ギア151が固定され、図1の平ギア51に螺合する。図1の合焦ハンドル55を回転させると、平ギヤ54、平ギア53、シャフト52、平ギア51を介して平ギア151が回転し、ヘリコイド機構125によって鏡筒140に保持された第1レンズ群枠120が光軸方向に移動し、第1レンズ群101が光軸方向に移動することで合焦操作がなされる。すなわち図2の第1レンズ群の合焦機構と図1の観察光学系合焦機構は連動する。
【0027】
第2レンズ群枠130の像側端部には平ギア161が設けられており、平ギア161にはピニオンギア162が螺合されている。このピニオンギア162は、モータ164の出力軸163によって回転駆動される。AFモジュールによって検出されたレンズ移動量を基にモータ164が回転すると、ヘリコイド機構135によって鏡筒に保持された第2レンズ群枠130が光軸方向に移動し、第2レンズ群102が光軸方向に移動することで合焦操作がなされる。つまり、2つの合焦機構によって、第1レンズ群101と第2レンズ群102の絶対位置及び相対位置が変化して合焦動作がなされる。
【0028】
無限遠から最短撮影距離までの撮影距離範囲が一定の場合、光学系の焦点距離が短くなるほど、最短撮影距離での横倍率が小さくなることによって、無限遠(横倍率=0)から最短撮影距離までの合焦操作に要する光学系の移動量が少なくなるため、要求される合焦精度が低くなる。
【0029】
条件式(1)は、撮影光学系の焦点距離を観察光学系の対物光学系の焦点距離よりも適度に短く設定することで、撮影光学系に要求される合焦精度を観察光学系よりも低くし、観察光学系の合焦機構に撮影光学系の合焦機構を連動させると共に、撮影光学系を構成するレンズや機械部品等の素子を加工しやすい大きさとするための条件である。
条件式(1)の上限を超えると、撮影光学系の焦点距離が長くなりすぎ、撮影光学系の合焦機構と観察光学系の合焦機構との連動が不可能になると共に、撮影光学系が大型化してしまう。
また条件式(1)の下限を超えると、撮影光学系の焦点距離が短くなりすぎ、撮影光学系を構成する素子が小さくなりすぎて加工が困難になり、コストが高くつく。
【0030】
条件式(2)は、合焦時の第1レンズ群と第2レンズ群の移動量を規定することで、第1レンズ群と第2レンズ群による合焦操作の操作性(オートフォーカスの精度と手動による合焦操作の操作性)を最適化するための条件である。
条件式(2)の下限を超えると、撮影光学系第1レンズ群の移動量に対する焦点外れ量の変動が大きくなりすぎ、図2の構成では第1レンズ群枠120の僅かな回転によって焦点外れ量が大きく変動するため、手動による合焦操作が困難になる。
また条件式(2)の上限を超えると、撮影光学系第2レンズ群の移動量に対する焦点外れ量の変動が大きくなりすぎ、図2の構成ではモータ164の僅かな回転によって焦点外れ量が大きく変動するため、オートフォーカス機構による合焦が困難になる。
【0031】
条件式(3)は、2つの合焦機構によって第1レンズ群と第2レンズ群を独立して移動させる態様において、観察光学系の倍率を比較的大きく規定することで観察される視野範囲を比較的狭く設定するための条件である。
観察光学系の視野範囲を狭く設定すると組み合わせる撮影光学系の撮影範囲も狭くできるため、画角の狭いペッツバールタイプを撮影光学系に使用することができる。
条件式(3)の下限を超えると、広い画角をもつ撮影光学系が必要になるため、撮影光学系のレンズ構成が複雑化してコストが高くつく。
【0032】
条件式(4)は、第1レンズ群と第2レンズ群との距離を最適化することで、第1レンズ群と第2レンズ群の移動空間を確保すると共に、望遠レンズ全長の大型化を避けるための条件である。
条件式(4)の下限を超えると、第1レンズ群と第2レンズ群との距離が小さくなりすぎ、双方のレンズ群が同時に移動するのに必要な空間を確保できなくなる。
また条件式(4)の上限を超えると、望遠レンズの全長が大きくなりすぎる。
【0033】
条件式(5)は、第1レンズ群に色収差補正作用を集中させることで、合焦操作による移動によって第1レンズ群と第2レンズ群との位置関係が変化しても色収差の変動を抑えるための条件である。
条件式(5)の下限を超えると、第1レンズ群と第2レンズ群とで色収差補正作用のバランスをとることによって色収差を補正することになり、合焦操作によって色収差が変動してしまう。
【0034】
条件式(6)は、条件式(5)で色補正作用を規定された第1レンズ群において、正レンズと負レンズのアッベ数の差を大きくすることで、正レンズと負レンズのパワーを大きくすることなく良好に色収差を補正するための条件である。
条件式(6)の下限を超えると、良好な色補正を得るためには第1レンズ群の正レンズと負レンズのパワーを大きくしなくてはならなくなり、高次の球面収差やコマ収差が過剰に発生して良好な性能が得られなくなる他、レンズの偏芯等による収差変動が大きくなるため高い加工精度が必要となってコスト高になる。
【0035】
図3は、本発明による撮影機能を有する観察装置のうち、撮影光学系合焦装置の第二の実施形態を示している。この装置の望遠レンズ系は、第一の実施形態のそれと同じである。この第二の実施形態では、固定鏡筒140の物体側に可動鏡筒110が可動鏡筒ヘリコイド機構115を介して支持されている。第2レンズ群102は、この可動鏡筒110に保持されている。
【0036】
第1レンズ群101は第1レンズ群枠120に保持され、この第1レンズ群枠120は第1レンズ群ヘリコイド機構125によって可動鏡筒110に支持されている。従って、固定鏡筒140に対して可動鏡筒110を回転させると、第1レンズ群101と第2レンズ群102の全体(全系)が光軸方向に移動し、可動鏡筒110に対して第1レンズ群枠120を回転させると、第1レンズ群101が単独で光軸方向に移動する。
【0037】
可動鏡筒110の外周部には平ギア151が固定され、図1の平ギア51に螺合する。図1の合焦ハンドル55を回転させると、平ギヤ54、平ギア53、シャフト52、平ギア51を介して平ギア151が回転し、可動鏡筒ヘリコイド機構115によって固定鏡筒に保持された可動鏡筒110が回転し、第1レンズ群101と第2レンズ群102とが同時に光軸方向に移動することで合焦操作がなされる。すなわち図3の全系の合焦機構と図1の観察光学系合焦機構は連動する。
【0038】
第1レンズ群枠120の像側端面には平ギア161が形成され、平ギア161にはピニオンギア162が螺合されている。、ピニオンギア162はモータ164の出力軸163によって回転駆動される。AFモジュールによって検出されたレンズ移動量を基にモータ164が回転すると、第1レンズ群ヘリコイド機構125によって可動鏡筒110に保持された第1レンズ群枠120が回転し、第1レンズ群101が光軸方向に移動することで合焦操作がなされる。つまり、2つの合焦機構によって、第1レンズ群101と第2レンズ群102の絶対位置及び相対位置が変化して合焦動作がなされる。
【0039】
条件式(8)は、2つの合焦機構により全系と第1レンズ群を独立に光軸方向に移動させる態様において、第1レンズ群の移動量を規定することで、オートフォーカスの精度と手動による合焦操作の操作性を最適化するためのものである。
条件式(8)の上限を超えると、撮影光学系第1レンズ群の移動量に対する焦点外れ量の変動が大きくなりすぎ、図3の構成ではモータ164の僅かな回転によって焦点外れ量が大きく変動するため、オートフォーカス機構による合焦が困難になる。
また条件式(8)の下限を超えると、撮影光学系全系の移動量に対する焦点外れ量の変動が大きくなりすぎ、図1の構成では合焦操作ハンドル55の僅かな回転によって焦点外れ量が大きく変動するため、手動による合焦操作が困難になる。
【0040】
条件式(7)、(9)ないし(12)は、条件式(1)、(3)ないし(6)に対応しているので、説明を省略する。
【0041】
図4は、本発明による撮影機能を有する観察装置のうち、撮影光学系合焦装置の第三の実施形態を示している。この装置の望遠レンズ系は、第一の実施形態のそれと同じである。この第三の実施形態では、固定鏡筒140の物体側に可動鏡筒110が可動鏡筒ヘリコイド機構115を介して支持されている。第1レンズ群101は、この可動鏡筒110に保持されている。
【0042】
第2レンズ群102は第2レンズ群枠130に保持され、この第2レンズ群枠130は第2レンズ群ヘリコイド機構135によって可動鏡筒110に支持されている。従って、固定鏡筒140に対して可動鏡筒110を回転させると、第1レンズ群101と第2レンズ群102の全体(全系)が光軸方向に移動し、可動鏡筒110に対して第2レンズ群枠130を回転させると、第2レンズ群102が単独で光軸方向に移動する。
【0043】
可動鏡筒110の外周部には平ギア151が固定され、図1の平ギア51に螺合する。図1の合焦ハンドル55を回転させると、平ギヤ54、平ギア53、シャフト52、平ギア51を介して平ギア151が回転し、可動鏡筒ヘリコイド機構115によって固定鏡筒140に保持された可動鏡筒110が回転し、第1レンズ群101と第2レンズ群102とが同時に光軸方向に移動することで合焦操作がなされる。すなわち図4の全系の合焦機構と図1の観察光学系合焦機構は連動する。
【0044】
第2レンズ群枠130の物体側端面には平ギア161が形成され、平ギア161にはピニオンギア162が螺合されている。ピニオンギア162はモータ164の出力軸163によって回転駆動される。AFモジュールによって検出されたレンズ移動量を基にモータ164が回転すると、第2レンズ群ヘリコイド機構135によって可動鏡筒110に保持された第2レンズ群枠130が回転し、第2レンズ群102が光軸方向に移動することで合焦操作がなされる。つまり、2つの合焦機構によって、第1レンズ群101と第2レンズ群102の絶対位置及び相対位置が変化して合焦動作がなされる。
【0045】
条件式(14)は、2つの合焦機構により全系と第2レンズ群をそれぞれ移動させる態様において、合焦時の撮影光学系全系と撮影光学系第2レンズ群の移動量を規定することで、オートフォーカスの精度と手動による合焦操作の操作性を最適化するためのものである。
条件式(14)の下限を超えると撮影光学系全系の移動量に対する焦点外れ量の変動が大きくなりすぎ、図1の構成では合焦操作ハンドル55の僅かな回転によって焦点外れ量が大きく変動するため、手動による合焦操作が困難になる。
また条件式(14)の上限を超えると撮影光学系第2レンズ群の移動量に対する焦点外れ量の変動が大きくなりすぎ、図4の構成ではモータ164の僅かな回転によって焦点外れ量が大きく変動するため、オートフォーカス機構による合焦が困難になる。
【0046】
条件式(13)、(15)ないし(18)は、条件式(1)、(3)ないし(6)に対応しているので、説明を省略する。
【0047】
次に以上の観察装置についての具体的な実施例を示す。以下の実施例は、観察光学系の実施例1例と、撮影光学系の実施例1ないし5からなっている。諸収差図中、d線、g線、c線は球面収差により示される色収差と倍率色収差であり、Sはサジタル、Mはメリディオナル、ER.は射出瞳半径、Bは見掛け視界(半量、°)Wは入射角(半量、°)である。また、数値データ中のFNo.はFナンバー、fは焦点距離、FBはバックフォーカス、DPは無限遠の観察対象に対する視度(1/m)、Rは曲率半径、Dはレンズ厚またはレンズ間隔、Ndはd線の屈折率、νdはアッベ数を示す。
また、回転対称非球面は次式で定義される。
X=cy2/[1+[1-(1+K)c2y2]1/2]+A4y4+A6y6+A8y8 +A10y10+A12y12・・・
(但し、cは曲率(1/r)、yは光軸からの高さ、Kは円錐係数、A4、A6、A8、・・・・・は各次数の非球面係数))
【0048】
「観察光学系実施例1」
図5は、観察光学系として双眼鏡を用いた実施形態のプリズムを展開して示すレンズ構成図、表1はその数値データ、図6はこの観察光学系実施例1の諸収差図である。
【0049】
【表1】
*は回転対称非球面。
非球面データ(表示していない非球面係数は0.00である。):
面No. K A4 A6 A8
8 0.00000 -1.825E-03 5.027E-05 -1.303E-06
【0050】
以下の撮影光学系実施例1ないし5は、2つの合焦機構で、第1レンズ群と第2レンズ群をそれぞれ光軸方向に移動させる態様、全系と第1レンズ群を光軸方向に移動させる態様、及び全系と第2レンズ群を光軸方向に移動させる態様のいずれも可能である。
【0051】
「撮影光学系実施例1」
図7は、観察装置に組み合わされる撮影光学系の実施例1のレンズ構成図、表2はその数値データ、図8は撮影光学系実施例1の無限遠撮影状態での諸収差図である。
【0052】
【表2】
( 無限遠合焦時 全系移動時 第1群移動時 第2群移動時 )
M 0.00 -0.02 -0.02 -0.02
D3 10.000 10.000 11.397 8.435
D7 12.572 13.314 12.572 14.137
FB 0.50 0.50 0.50 0.50
【0053】
「撮影光学系実施例2」
表3は、撮影光学系の実施例2の数値データ、図9は同実施例2の無限遠撮影状態での諸収差図である。レンズ構成は、図7と同様である。
【0054】
【表3】
( 無限遠合焦時 全系移動時 第1群移動時 第2群移動時 )
M 0.00 -0.02 -0.02 -0.02
D3 10.000 10.000 11.338 8.352
D7 14.496 15.239 14.496 16.144
FB 0.50 0.50 0.50 0.50
【0055】
「撮影光学系実施例3」
表4は、撮影光学系の実施例3の数値データ、図10は同実施例3の無限遠撮影状態での諸収差図である。レンズ構成は、図7と同様である。
【0056】
【表4】
( 無限遠合焦時 全系移動時 第1群移動時 第2群移動時 )
M 0.00 -0.02 -0.02 -0.02
D3 9.133 9.133 10.648 7.693
D7 13.110 13.853 13.110 14.550
FB 0.50 0.50 0.50 0.50
【0057】
「撮影光学系実施例4」
表5は、撮影光学系の実施例4の数値データ、図11は同実施例4の無限遠撮影状態での諸収差図である。レンズ構成は、第2面と第3面とが分離されている点(第1レンズ群の正レンズと負レンズが接合されていない点)以外は図7と同様である。
【0058】
【表5】
( 無限遠合焦時 全系移動時 第1群移動時 第2群移動時 )
M 0.00 -0.02 -0.02 -0.02
D3 10.000 10.000 11.864 8.781
D7 13.088 13.830 13.088 14.307
FB 0.50 0.50 0.50 0.50
【0059】
「撮影光学系実施例5」
表6は、撮影光学系の実施例5の数値データ、図12は同実施例5の無限遠撮影状態での諸収差図である。レンズ構成は、第2面と第3面とが分離されている点(第1レンズ群の正レンズと負レンズが接合されていない点)以外は図7と同様である。
【0060】
【表6】
( 無限遠合焦時 全系移動時 第1群移動時 第2群移動時 )
M 0.00 -0.02 -0.02 -0.02
D3 14.581 14.581 15.695 12.397
D7 9.175 9.916 9.175 11.359
FB 0.50 0.50 0.50 0.50
【0061】
各実施例の各条件式に対する値を表7に示す。
【表7】
観察光学系 実施例1
条件式(3) 7.0
撮影光学系 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
条件式(1) 0.560 0.561 0.561 0.561 0.560
条件式(2) 0.893 0.812 1.052 1.528 0.510
条件式(4) 0.270 0.269 0.246 0.269 0.393
条件式(5) 1.156 1.142 1.386 1.103 1.267
条件式(6) 27.8 24.4 34.4 34.4 34.4
条件式(8) 0.531 0.556 0.490 0.398 0.665
条件式(14) 0.474 0.451 0.516 0.609 0.339
観察光学系 実施例1
fo = 66.19
fe = 9.43
撮影光学系 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
ft = 37.09 37.16 37.13 37.11 37.06
TI = 1.397 1.338 1.515 1.864 1.114
TII = -1.565 -1.648 -1.440 -1.219 -2.184
TA = 0.742 0.743 0.743 0.742 0.741
ACI = 0.0016 0.0016 0.0014 0.0014 0.0014
ACII = 0.0014 0.0014 0.0010 0.0013 0.0011
各実施例は、各条件式を満足し、諸収差も比較的良好に補正されている。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、観察機能と撮影機能とを有する観察装置を、大型化を招くことなく低コストで実現することができ、さらに合焦操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による撮影機構を有する観察装置の一実施形態を示す外観構成図である。
【図2】図1の観察装置の撮影光学系の鏡筒構造の一実施形態を示す断面図である。
【図3】図1の観察装置の撮影光学系の鏡筒構造の別の実施形態を示す断面図である。
【図4】図1の観察装置の撮影光学系の鏡筒構造のさらに別の実施形態を示す断面図である。
【図5】図1の観察装置の観察光学系の一実施形態を示すレンズ構成図である。
【図6】図5のレンズ構成の諸収差図である。
【図7】図1の観察装置の撮影光学系の実施例1のレンズ構成図である。
【図8】図7のレンズ構成の無限遠撮影状態での諸収差図である。
【図9】図1の観察装置の撮影光学系の実施例2の無限遠撮影状態での諸収差図である。
【図10】図1の観察装置の撮影光学系の実施例3の無限遠撮影状態での諸収差図である。
【図11】図1の観察装置の撮影光学系の実施例4の無限遠撮影状態での諸収差図である。
【図12】図1の観察装置の撮影光学系の実施例5の無限遠撮影状態での諸収差図である。
Claims (31)
- 正のパワーの対物光学系によって生じる観察対象の像を、接眼光学系を介して観察する観察光学系と;
前記観察光学系とは独立した、該観察対象を撮影する撮影光学系と;
を有し、
前記撮影光学系は、2以上のレンズ群を有し、2つのレンズ群の光軸方向の絶対位置及び相対位置の双方を変化させる、独立して操作可能な2つの合焦機構を有することを特徴とする撮影機能を有する観察装置。 - 前記撮影光学系は、物体側から順に、第1レンズ群と第2レンズ群よりなり、第1レンズ群と第2レンズ群のそれぞれを独立に光軸方向に移動させることによって、観察対象の像の結像位置を所定の位置に合わせる合焦機構を有し、
次の条件式(1)、(2)を満足する請求項1に記載の撮影機能を有する観察装置。
(1)0.1<ft/fo <0.7
(2)0.4 <|TI /TII| <2.5
但し、
ft ;撮影光学系の焦点距離、
fo ;観察光学系の対物光学系の焦点距離、
TI ;無限遠からある有限撮影距離までの第1レンズ群単独で合焦させた場合の合焦に要する撮影光学系第1レンズ群の移動量、
TII ;無限遠から前記有限撮影距離までの第2レンズ群単独で合焦させた場合の合焦に要する撮影光学系第2レンズ群の移動量。 - 前記接眼光学系は正のパワーを有し、次の条件式(3)を満足する請求項1または2に記載の撮影機能を有する観察装置。
(3)5<fo/fe
但し、
fe ;観察光学系の接眼光学系の焦点距離。 - 前記観察光学系は、少なくとも一部の光学系を光軸方向に移動させることによって観察対象の像の結像位置を所定の位置に合わせる観察光学系合焦機構を有し、該観察光学系合焦機構と撮影光学系の前記2つのレンズ群の合焦機構のいずれか一方が連動して作動するための合焦連動機構を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、正のパワーの対物光学系と、該対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの接眼光学系とから構成されている望遠鏡である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、一対の正のパワーの対物光学系と、該一対の対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの一対の接眼光学系とを有する双眼鏡である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記双眼鏡の一対の観察光学系がもつ光軸の中間に前記撮影光学系の光軸が配置されている請求項6に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は、CCD撮像素子上に観察対象の画像を結像させて記録する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第1レンズ群と、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第2レンズ群とから構成され、次の条件式(4)を満足する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
(4) 0.15 < DI-II /f < 0.7
但し、
DI-II ;第1レンズ群と第2レンズ群との無限遠物点に合焦時の間隔、
f;全系の焦点距離。 - 前記撮影光学系が次の条件式(5)、(6)を満足する請求項9に記載の撮影機能を有する観察装置。
(5)1<ACI /ACII
(6)20<νIp − νIn
但し、
ACI;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値 (|1/(fi*νi)|)の第1レンズ群中での総和、
ACII ;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値(|1/(fi*νi)|)の第2レンズ群中での総和、
νIp;第1レンズ群の正レンズのアッベ数、
νIn;第1レンズ群の負レンズのアッベ数。 - 前記撮影光学系の第1レンズ群の正レンズと負レンズは貼り合わされている請求項10に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は、物体側から順に、第1レンズ群と第2レンズ群よりなり、全系を光軸方向に移動させる合焦機構と、第1レンズ群を独立に光軸方向に移動させる合焦機構とを有し、
次の条件式(7)、(8)を満足する請求項1に記載の撮影機能を有する観察装置。
(7) 0.1 < ft/fo < 0.7
(8) 0.2 < |TA /TI |< 1.5
但し、
ft ; 撮影光学系の焦点距離、
fo ; 観察光学系の対物光学系の焦点距離、
TA ; 無限遠からある有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系全系の移動量、
TI ; 無限遠から前記有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系第1レンズ群の移動量。 - 前記接眼光学系は正のパワーを有し、次の条件式(9)を満足する請求項12に記載の撮影機能を有する観察装置。
(9) 5 < fo/fe
但し、
fe ; 観察光学系の接眼光学系の焦点距離。 - 前記観察光学系は、観察対象まで距離の変化に応じて対物光学系の少なくとも一部の光学系を光軸方向に移動させることによって観察対象の像の結像位置を所定の位置に合わせる観察光学系合焦機構を有し、該観察光学系合焦機構と、撮影光学系の全系の合焦機構と第1レンズ群の合焦機構のいずれか一方とを連動して作動させる合焦連動機構を有する請求項12または13に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、正のパワーの対物光学系と、該対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの接眼光学系とから構成されている望遠鏡である請求項12ないし14のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、一対の正のパワーの対物光学系と、該一対の対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの一対の接眼光学系とを有する双眼鏡である請求項12ないし14のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、前記双眼鏡の一対の観察光学系がもつ光軸の中間に前記撮影光学系の光軸が配置されている請求項16に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は、CCD撮像素子上に観察対象の画像を結像させて記録する請求項12ないし17のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第1レンズ群と、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第2レンズ群とから構成され、次の条件式(10)を満足する請求項12ないし18のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
(10) 0.15 < DI-II /f < 0.7
但し、
DI-II ; 第1レンズ群と第2レンズ群との無限遠物点に合焦時の間隔、
f; 全系の焦点距離。 - 前記撮影光学系が、次の条件式(11)、(12)を満足する請求項19に記載の撮影機能を有する観察装置。
(11) 1<ACI /ACII
(12) 20 < νIp − νIn
但し、
ACI;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値 (|1/(fi*νi)|)の第1レンズ群中での総和、
ACII ;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値(|1/(fi*νi)|)の第2レンズ群中での総和、
νIp;第1レンズ群の正レンズのアッベ数、
νIn;第1レンズ群の負レンズのアッベ数。 - 前記撮影光学系の第1レンズ群の正レンズと負レンズは貼り合わされている請求項20に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は物体側から順に、第1レンズ群と第2レンズ群よりなり、全系を光軸方向に移動させる合焦機構と、第2レンズ群を独立に光軸方向に移動させる合焦機構とを有し、
次の条件式(13)、(14)を満足する請求項1に記載の撮影機能を有する観察装置。
(13) 0.1 < ft/fo < 0.7
(14) 0.2 < |TA /TII |<1.5
但し、
ft ; 撮影光学系の焦点距離、
fo ; 観察光学系の対物光学系の焦点距離、
TA ; 無限遠からある有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系全系の移動量、
TII ; 無限遠から前記有限撮影距離までの合焦に要する撮影光学系第2レンズ群の移動量。 - 前記接眼光学系は正のパワーを有し、次の条件式(15)を満足する請求項22に記載の撮影機能を有する観察装置。
(15) 5 < fo/fe
但し、
fe ; 観察光学系の接眼光学系の焦点距離、 - 前記観察光学系は、観察対象まで距離の変化に応じて対物光学系の少なくとも一部の光学系を光軸方向に移動させることによって観察対象の像の結像位置を所定の位置に合わせる観察光学系合焦機構を有し、該観察光学系合焦機構と、撮影光学系の全系の合焦機構と第2レンズ群の合焦機構のいずれか一方とを連動して作動させる合焦連動機構を有する請求項22または23に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、正のパワーの対物光学系と、該対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの接眼光学系とから構成されている望遠鏡である請求項22ないし24のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、一対の正のパワーの対物光学系と、該一対の対物光学系によって生じる像を観察する正のパワーの一対の接眼光学系とを有する双眼鏡である請求項22ないし24のいずれかに記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記観察光学系は、前記双眼鏡の一対の観察光学系がもつ光軸の中間に前記撮影光学系の光軸が配置されている請求項26に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は、CCD撮像素子上に観察対象の画像を結像させて記録する請求項22ないし27のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
- 前記撮影光学系は、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第1レンズ群と、正レンズと負レンズの組合せからなる全体として正の第2レンズ群とから構成され、次の条件式(16)を満足する請求項22ないし28のいずれか1項に記載の撮影機能を有する観察装置。
(16) 0.15 < DI-II /f < 0.7
但し、
DI-II ; 第1レンズ群と第2レンズ群との無限遠物点に合焦時の間隔、
f; 全系の焦点距離。 - 前記撮影光学系が、次の条件式(17)、(18)を満足する請求項29に記載の撮影機能を有する観察装置。
(17) 1<ACI /ACII
(18) 20 < νIp − νIn
但し、
ACI;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値 (|1/(fi*νi)|)の第1レンズ群中での総和、
ACII ;各レンズの焦点距離とアッベ数の積の逆数の絶対値(|1/(fi*νi)|)の第2レンズ群中での総和、
νIp;第1レンズ群の正レンズのアッベ数、
νIn;第1レンズ群の負レンズのアッベ数。 - 前記撮影光学系の第1レンズ群の正レンズと負レンズは貼り合わされている請求項30に記載の撮影機能を有する観察装置。
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