JP3939747B2 - 可溶性cr1誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリペプチドおよび種々の炎症および免疫障害を含む疾患の診断および治療における使用に関する。
正常な血清中に約10%のグロブリンを含むが、補体系は外来抗原に対する免疫系の応答において重要である多くの異なる蛋白質からなる。補体系は、その第一成分が開裂した場合に活性化され、生成物は単独でまたは他の蛋白質と共に別の補体蛋白質を活性化し、その結果蛋白分解カスケードとなる。補体系の活性化は、血管透過性の増加、食細胞の走化性、炎症細胞の活性化、外来粒子のオプソニン作用、細胞の直接的破壊および組織破壊などの種々の応答につながる。補体系の活性化は、抗原-抗体錯体(古典的経路)、または例えば、病原菌の細胞壁に存在するリポ多糖(別の経路)により引き起こされる。
I型補体受容体(CR1)は、赤血球、単核細胞/マクロファージ、顆粒球、B細胞、ある種のT細胞、脾臓小胞樹状細胞、および糸球足細胞の膜上に存在することが判明している。CR1は補体成分C3bおよびC4bと結合し、C3b/C4b受容体とも称する。CR1の1アロタイプの構造および一次配列は公知である(クリックスタイン(Klickstein)ら、1987,ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(J.Exp.Med.)165:1095−1112;クリックスタインら、1988,ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン168:1699−1717;アワーケイド(Hourcade)ら、1988,ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン168:1255−1270;WO89/09220;WO91/05047)。これは30個の短コンセンサス繰り返し配列(SCR)からなり、その各々は約60〜70個のアミノ酸を含有する。各SCRには、平均65個のアミノ酸のうち約29個が保存されている。各SCRはジスルフィド結合中第3および第1ならびに第4および第2のハーフシスチンとのジスルフィド結合により三次元三重ループ構造を形成するとされている。CR1はさらに各7個のSCRの4個の相同性繰り返し配列(LHR)として配列している。リーダー配列に続いて、CR1分子は、N末端LHR−A、続く2個の繰り返し配列、LHR−BおよびLHR−CならびにC末端LHR−Dとそれに続く2個の別のSCR、25残基の推定トランスメンブラン領域および43残基の細胞質テイルからなる。
予想されるN-末端グルタミン残基を有する成熟CR1分子(本明細書において、以後、残基1と称する)に基づいて、LHR−Aの初めの4個のSCR領域を、本明細書において、各々、2〜58、63〜120、125〜191および197〜252の成熟CR1からなると定義する。
アワーケイド(Hourcade)ら、1988,ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(J.Exp.Med.)168:1255−1270は、CR1の分泌形態を産生すると予想されるヒトCR1転写単位中に交互のポリアデニル化部位を観察した。この截形配列によりコードされるmRNAはCR1の初めの8.5SCRからなり、C4b結合領域を含むと考えられる約80kDaの蛋白質をコードする。この截形配列に対応するcDNAをCOS細胞中にトランスフェクションし、発現した場合、これは予想されるC4b結合活性を示すが、C3bと結合しない(クライチ(Krych)ら、1989,FASEB J.3:A368;クライチら,プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシス(Proc.Nat.Acad.Sci.)1991,88,4353−7)。クライチらは、またいくつかのヒト細胞系において予想されるものと類似したmRNAを観察し、このようなC4b結合活性を有するCR1の截形溶解形態はヒトにおいて合成できると仮定している。
加えて、マクライデス(Makrides)ら(1992、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)267(34)24754−61)は、CHO細胞中膜付着蛋白質としてLHR−AのSCR1+2および1+2+3+4を発現した。
数個のCR1の可溶性フラグメントも、DNAが発現されるトランスメンブラン領域を除去することにより組み換えDNA法により産生されている(WO89/09920号、WO91/05047号)。可溶性CR1フラグメントは機能的に活性で、C3bおよび/またはC4bと結合でき、それらが含む領域によってファクターIコファクター活性を示す。このような構造物は、好中球酸化破裂、補体媒介溶血現象、およびC3aおよびC5a産生などのin vitro補体関連機能を阻害する。特定の可溶性構造物、即ちプラスミドsCR1/pBSCR1cもまた逆受身的アルチュス反応においてin vivo活性を示し(WO89/09220号、WO91/05047号;イー(Yeh)ら、1991、ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)146:250)、局所貧血後心筋炎症および壊死を阻害し(WO89/09220号、WO91/05047号;ワイズマン(Weisman)ら、サイエンス(Science)1990,249:146−1511;デューペ・アール(Dupe,R.)ら、トロンボシス&ヘモンスタシス(Thrombosis & Haemostasis)(1991)65(6)695)、移植後の生存率をのばす(プルート&ボルリンガー(Pruitt & Bollinger)、1991,ジャーナル・オブ・サージカル・リサーチ(J.Surg.Res.)50:350;プルート(Puitt)ら、1991,トランスプランテーション(Transplantation)52;868。さらに、sCR1/pBSCR1cをP−アニソイル化ヒトプラスミノーゲン−ストレプトキナーゼ−活性化因子複合体(APSAC)と共に配合するとsCR1単独と類似した抗溶血活性が得られ、これにより補体阻害剤sCR1と血栓溶解物質とを組み合わせるのが可能であると示されている(WO91/05047号)。
CR1の一部に対応する可溶性ポリペプチドは、抗溶血活性を含む補体阻害機能を有することが判明している。
本発明によると、CR1の構造的および機能的に完全なSCR領域として、順番に並んだ、長相同性繰り返し配列A(LHR−A)のSCR1、2、3および4から選択された1〜4の短コンセンサス繰り返し配列(SCR)からなり、少なくともSCR3を含む可溶性ポリペプチドが得られる。
好ましい態様において、ポリペプチドは、CR1の構造的および機能的完全SCR領域として、順番に並んだ、LHR−AのSCR1、2、3および4またはLHR−AのSCR1、2および3からなる。
本発明のポリペプチドのアミノ酸配列における残基の添加、欠失または保存的置換による変化(アレリック変異を含む)では、ポリペプチドの生物活性が保持されるが、このような変形も本発明に含まれる。保存的置換は、アミノ酸側鎖の荷電およびサイズ特性を保持することを意味し、例えばアルギニンをヒスチジンで置換する。
一態様において、本発明のポリペプチドは以下のように表わされる:
NH2-V1-SCR1-W1-SCR2-X1-SCR3-Y1-OH (I)
[式中、SCR1は成熟CR1の2〜58残基を表わし、SCR2は成熟CR1の63〜120残基を表わし、SCR3は成熟CR1の125〜191残基を表わす。V1、W1、X1およびY1は結合または好ましくは1〜5残基の長さの好ましくはCR1中の天然のインタードメイン配列由来のアミノ酸の短結合配列を意味する]。
式(I)の好ましい具体例において、W1、X1およびY1は成熟CR1のそれぞれ59〜62、121〜124および192〜196残基を表わし、V1は所望によりそのN−末端でメチオニンと結合していてもよい成熟CR1の残基1を表わす。
別の態様において、本発明のポリペプチドは以下のように表わされる:
NH2-V2-SCR1-W2-SCR2-X2-SCR3-Y2-SCR4-Z2-OH (II)
[式中、SCR1、SCR2およびSCR3は前記定義のとおり、SCR4は成熟CR1の197〜252残基を表わし、V2、W2、X2、Y2およびZ2は結合または好ましくは1〜5残基の長さの好ましくはCR1中の天然のインタードメイン配列由来のアミノ酸の短結合配列を意味する]。
式(II)の好ましい具体例において、W2、X2、Y2およびZ2は成熟CR1のそれぞれ59〜62、121〜124、192〜196および253残基を表わし、V2は任意にそのN−末端でメチオニンと結合した成熟CR1の残基1を表わす。
式(II)の一の具体例において、アルギニン235はヒスチジンと置換している。
式(II)の好ましい具体例において、残基235はアルギニンである。
さらに別の態様において、本発明のポリペプチドは以下のように表わされる:
NH2−X3−SCR3−Y3−OH (III)
[式中、SCR3は前記定義のとおり、X3およびY3は結合または好ましくは1〜5残基の長さの好ましくはCR1中の天然のインタードメイン配列由来のアミノ酸の短結合配列を意味する]。
式(III)の好ましい具体例において、X3は所望によりそのN−末端でメチオニンに結合していてもよい成熟CR1の122〜124アミノ酸を表わし、Y4は成熟CR1の192〜196アミノ酸を表わす。
さらに別の態様において、本発明のポリペプチドは以下のように表わされる:
NH2-X4-SCR3-Y4-SCR4-Z4-OH (IV)
[式中、SCR3およびSCR4は前記定義のとおり、X4、Y4およびZ4は結合または好ましくは1〜5残基の長さの好ましくはCR1中の天然のインタードメイン配列由来のアミノ酸の短結合配列を意味する]。
式(IV)の好ましい具体例において、X4は所望によりそのN−末端でメチオニンに結合していてもよい成熟CR1の122〜124アミノ酸を表わし、Y4およびZ4はそれぞれ成熟CR1の192〜196および253アミノ酸を意味する。
別の態様において、本発明は本発明のCR1ポリペプチドの製法を提供する。該方法は組み換え体宿主細胞中に前記ポリペプチドをコードするDNAを発現し、生成物を回収することからなる。
特に、該方法は以下の工程からなる:
i) 宿主細胞中で、前記ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNAポリマーを発現できる複製可能な発現ベクターを調製し;
ii) 前記ベクターで宿主細胞を形質転換し;
iii) 前記形質転換された宿主細胞を前記DNAポリマーの発現ができる条件下で培養して前記ポリペプチドを産生し、
iv) 前記ポリペプチドを回収する。
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNAポリマーも本発明に含まれる。
本発明の方法は、例えば、サムブルック(Sambrook)ら、モレキュラ・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual.)第2版(コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)(1989)およびDNAクローニング,第I、IIおよびIII巻[ディー・エム・グローバー編(D.M.Glover ed.,IRLプレス社)]に記載されているような通常の組み換え技術により行うことができる。
本発明はまた適当なモノ−、ジ−またはオリゴマーヌクレオチド単位の縮合によりDNAポリマーを調製する方法を提供する。
調製法は化学的、酵素的、または2つの方法の組み合わせにより、in vitroまたはin vivoで適宜行われる。したがって、DNAポリマーは適当なDNAフラグメントを、ディー・エム・ロバーツ(D.M.Roberts)ら、バイオケミストリー(Biochemistry)1985,24,5090〜5098に記載されているような通常の方法により酵素で結紮することにより調製される。
DNAフラグメントは、必要なヌクレオチド配列を含有するDNAを適当な制限酵素で化学合成法、酵素重合法、またはこれらの方法の組み合わせにより消化することにより得られる。
制限酵素での消化は、適当な緩衝液中、20〜70℃の温度で、一般に50μl以下の容積で、0.1〜10μgのDNAを用いて行われる。
DNAの酵素重合は、in vitroでDNAポリメラーゼ1(クレノウ(Klenow)フラグメント)などのDNAポリメラーゼを用いて、必要に応じてヌクレオシド三リン酸dATP、dCTP、dGTPおよびdTTPを含む適当な緩衝液中で、10℃から37℃の温度で、一般に50μl以下の容積で行われる。
DNAフラグメントの酵素による結紮は、T4DNAリガーゼなどのDNAリガーゼを用いて、適当な緩衝液中、4℃から37℃の温度で、一般に50μl以下の容積で行われる。
DNAポリマーまたはフラグメントの化学合成は、通常のホスホトリエステル、ホスファイトまたはホスホルアミジト化学により、「ケミカル・アンド・エンザイマティック・シンセシス・オブ・ジーン・フラグメント−ア・ラボラトリー・マニュアル」(“Chemical and Enzymatic Synthesis of Gene Fragments−A Laboratory Manual”(エッチ・ジー・ガッセンおよびエイ・ラング(H.G.GassenおよびA.Lang)編,バーラグ・ケミー(Verlag Chemie),ウェインハイム(Weinheim)(1982)または他の科学出版物、例えば、エム・ジェイ・ガイト、エッチ・ダブリュ・ディー・マッテス、エム・シン、ビー・エス・スポロートおよびアール・シー・チトマス(M.J.Gait,H.W.D.Matthes M.Singh,B.S.SproatおよびR.C.Titmas),ヌクレイック・アシッド・リサーチ(Nucleic Acids Research),1982,10,6243;ビー・エス・スポロートおよびダブリュ・バンワース(B.S.SproatおよびW.Bannwarth),テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),1983,24,5771;エム・ディー・マッテウチおよびエム・エッチ・カルサー(M.D.MatteucciおよびM.H.Caruthers),テトラヘドロン・レターズ1980,21,719;エム・ディー・マッテウチおよびエム・エッチ・カルサー、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of the American Chemical Society),1981,103,3185;エス・ピー・アダムス(S.P.Adams)ら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー,1983,105,661;エヌ・ディー・シンハ・ジェイ・ビールナット・ジェイ・マックマンナスおよびエッチ・コエスター(N.D.Sinha,J.Biernat,J.McMannusおよびH.Koester),ヌクレイック・アシッド・リサーチ,12,4539;およびエッチ・ダブリュ・ディー・マッテスら、EMBOジャーナル,1984,3,801に記載されているような固相技術を用いて行われる。好ましくは、自動DNA合成器(例えば、アプライド・バイオシステム381Aシンセサイザー(Applied Biosystems 381 A Synthesiser))を用いる。
DNAポリマーは好ましくは2以上のDNA分子(両方一緒になってポリペプチドをコードするDNA配列を含む)を結紮することにより調製される。
DNA分子は適当な制限酵素での必要なコーディング配列を担うベクターの消化により得られる。
DNA分子の正確な構造およびこれを得る方法は所望の生成物の構造に依存する。ポリペプチドをコードするDNA分子の構築の適当な方法は当業者が常時行っていることである。
特に、特定の宿主細胞のコドン使用を考慮しなければならない。コドンをハイレベルのイー・コリにおける発現についてデベレックス(Devereux)ら、(1984)ヌクレイック・アシッド・リサーチ,387に示されている方法を用いて最適化する。
組み換え宿主細胞中でポリペプチドをコードするDNAポリマーの発現は、宿主細胞中DNAポリマーを発現できる複製可能な発現ベクターにより行うことができる。該発現ベクターは新規であり、本発明に含まれる。
複製可能な発現ベクターは本発明にしたがって、宿主細胞と適合するベクターを開裂させて完全レプリコンを有する直線状DNAセグメントを得、前記直線状セグメントを、結紮条件下で、前記直線状セグメントと共にポリペプチドをコードする1以上のDNA分子と結合することにより調製される。
直線状セグメントおよび1以上のDNA分子の結紮は、所望により同時にまたは順次行う。
このように、DNAポリマーを所望により前もって形成するかまたはベクターの構築中に形成する。ベクターの選択は、一部、大腸菌のような原核、またはマウスC127、マウス骨髄腫、チャイニーズハムスター卵巣細胞、カビ、例えば糸状菌または単細胞「酵母」またはショウジョウバエなどの昆虫細胞である宿主細胞により決定する。宿主細胞はトランスジェニック動物であってもよい。適当なベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、コスミッドおよび例えばバクロウイルスまたはワクシニア由来の組み換えウイルスを包含する。
DNAポリマーは例えばマウスC127細胞中のウシ乳頭腫ウイルスベクター等のフラグメントまたはチャイニーズハムスター卵巣細胞中の増幅されたベクターを発現する安定な形質転換哺乳類細胞系の単離用にデザインされたベクター中に組み立てられる(DNA・クローニング第II巻、ディー・エム・グローバー(D.M.Glover)編,IRL・プレス1985;カウフマン・アール・ジェイ(Kaufmann, R.J.),モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular and Cellular Biology)5,1750−1759,1985;パブラキス・ジー・エヌおよびハマー・ディー・エッチ(Pavlakis G.N.およびHamer, D.H.)プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシス(USA)80,397−401,1983;ゲッゼル・ディー・ヴイ(Goeddel,D.V.)ら、ヨーロッパ特許出願第0093619号,1983)。
複製可能な発現ベクターの調製は、通常どおり適当なDNAの制限用、重合用および結紮用酵素を用いて、例えば前記サムブルックらにより記載された方法により行われる。重合および結紮は、DNAポリマーの調製に関して既に記載したようにして行う。制限酵素での消化は適当な緩衝液中、20〜70℃の温度で、一般に50μl以下の容積で、0.1〜10μgのDNAを用いて行う。
組み換え宿主細胞は、本発明にしたがって、宿主細胞を本発明の複製可能な発現ベクターを用いて形質転換条件下で調製する。適当な形質転換条件は通常のものであり、例えば、前記サムブルックらまたは“DNAクローニング”第II巻,ディー・エム・グローバー編,IRLプレス社,1985に記載されているものである。
形質転換条件の選択は、宿主細胞により決定される。従って、イー・コリなどの細菌宿主をCaCl2の溶液(コエン(Cohen)ら,プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシス,1973,69,2110)またはRbCl、MnCl2、酢酸カリウムおよびグリセロールを含む溶液で処理し、つぎに3−[N−モルホリノ]−プロパンスルホン酸、RbClおよびグリセロールで処理するかまたは例えばバイオ−ラッド・ラボラトリース(Bio-Rad Laboratories),USA,カリフォルニア州,リッチモンド(エレクトロポレーターの製造業者)により記載されているようにエレクトロポーレーションにより処理する。培養物中の哺乳動物細胞をベクターDNAの細胞上へのカルシウム共沈およびカチオン性リポソームを用いることにより形質転換する。
本発明は本発明の複製可能な発現ベクターで形質転換された宿主細胞にもおよぶ。
形質転換された宿主細胞のDNAポリマーの発現を可能にする条件下での培養は、通常、例えば前記サムブルックら、および“DNAクローニング”に記載されているように行う。このように、好ましくは細胞に栄養分を供給し、45℃より低い温度で培養する。
蛋白質生成物を宿主細胞にしたがって通常の方法により回収する。このように、宿主細胞がイー・コリなどの細菌であり、蛋白質が細胞内に発現される場合、これは物理的、化学的または酵素的に溶解し、タンパク質生成物は得られたリゼートから単離される。宿主細胞が哺乳類である場合、生成物は通常栄養培地から単離される。
宿主細胞がイー・コリなどの細菌である場合、培養から得られる生成物は最適の機能活性のためにフォールディングが必要である。これは蛋白質が封入体として発現される場合に最も起こりやすい。重要と考えられる単離およびフォールディング法は多くある。特に、汚染蛋白質との凝集物の形成を最少にし、ポリペプチドのミスフォールディングを最少にするためにポリペプチドをフォールディング前に部分的に精製するのが好ましい。このように、特異的に封入体を単離し、続いてフォールディング前にさらに精製することによる汚染イー・コリ蛋白質の除去は該方法の重要な態様である。
フォールディング法は、ポリペプチドの中間体折畳み状態の凝集を最少にするように行われる。従って、とりわけ、塩の種類および濃度、温度、蛋白質濃度、酸化還元緩衝液濃度およびフォールディング期間を慎重に考慮する必要がある。特定のポリペプチドに関する厳密な条件は一般に予想できず、実験により決定しなければならない。
封入体からの蛋白質のフォールディングに利用できる方法は数多くあり、これらは当業者には周知である。該方法では一般に、たとえば50mM2−メルカプトエタノールで高濃度の変性剤、たとえば8M尿素または6Mグアニジン塩酸塩の存在下に封入体中の全てのジスルフィド結合を切断する。次の段階は、これらの試薬を除去して、蛋白質のフォールディングを行うことである。ジスルフィド結合の形成には、酸化的環境が必要であり、これは種々の方法、例えば、空気、または適当な酸化還元系、例えば還元および酸化グルタチオンの混合物を取り入れることにより得られる。
好ましくは、封入体は、メルカプトエタノールの存在下に8M尿素を用いて可溶化し、1回目の汚染蛋白質の除去の後、冷緩衝液を添加することにより、蛋白質をフォールディングする。好ましい緩衝液は、1mM還元グルタチオンおよび0.5mM酸化グルタチオンを含有する20mMエタノールアミンである。フォールディングは、1〜5℃の範囲の温度で1〜4日の期間行うのが好ましい。
沈殿または凝集が観察される場合、凝集蛋白質は種々の方法、例えば、遠心分離または硫酸アンモニウムなどの沈殿剤での処理などにより除去できる。これらの方法のいずれかを採用した場合、モノマーポリペプチドが主な可溶性生成物である。
細菌細胞が蛋白質を分泌する場合、フォールディングは通常必要でない。
本発明のポリペプチドは、以下に列挙する多くの補体媒介性または補体関連病(これに限定されない)および障害の治療または診断において有用である。
補体が関与する病気および障害
神経障害
多発性硬化症
卒中
ギラン・バレー症候群
外力性脳障害
パーキンソン病
アレルギー性脳炎
アルツハイマー病
不適当または望ましくない補体活性化の障害
血液透析合併症
超急性同種移植片拒絶反応
異種組織移植拒絶反応
角膜移植片拒絶反応
IL−2療法中のインターロイキン−2誘起性毒性
発作性夜間ヘモグロビン尿症
炎症性障害
自己免疫疾患の炎症
クローン病
成人呼吸窮迫症候群
火傷および凍傷を含む熱傷
ぶどう膜炎
乾癬
喘息
急性膵炎
虚血後再潅流
心筋梗塞
風船様血管形成
アテローム性動脈硬化症(コレステロール誘起性)および再発狭窄症
高血圧
心肺バイパスまたは腎血液透析におけるポストポンプ症候群
腎虚血
腸管虚血
感染症または敗血症
多器官不全
敗血症性ショック
免疫合併症および自己免疫疾患
慢性関節リウマチ
全身紅斑性狼瘡(SLE)
SLE腎炎
増殖性腎炎
糸球体腎炎
溶血性貧血
重症筋無力症
生殖障害
抗体または補体媒介性不妊症
傷の治癒
本発明はまた、治療上有効量の前記ポリペプチド、および医薬上許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明は治療を必要とする患者に治療上有効量の本発明のポリペプチドを投与することからなる炎症または不適切な補体活性化と関連した病気または障害の治療法も提供する。
前記方法において、患者は好ましくはヒトである。
病気または障害の治療に関するポリペプチドの有効量は、0.01〜100mg/kg、好ましくは0.1〜10mg/kgの範囲である。
投与用に、ポリペプチドは適当な医薬または治療組成物中に処方される。このような組成物は、典型的には治療上活性量の該ポリペプチドおよび食塩水、緩衝食塩水、デキストロースまたは水などの医薬上許容される賦形剤または担体を含有する。組成物はまた、特定の安定化剤、例えばマンノースおよびマンニトールを含む糖類、注射組成物用局所麻酔剤、例えばリドカインを含んでもよい。
さらに、本発明のポリペプチドの、炎症または不適切な補体活性化に付随する病気または障害の治療用医薬の製造における使用が提供される。
補体活性化を阻害し、同時に血栓融解療法を提供するために、本発明は、さらに治療上有効量の血栓融解剤を含む組成物を提供する。血栓融解剤の有効量は、0.01〜10mg/kg、好ましくは0.1〜5mg/kgである。好ましい血栓融解剤は、ストレプトキナーゼ、ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子およびウロキナーゼ分子およびその誘導体、フラグメントまたは接合体を包含する。血栓融解剤は、可逆的に他の試薬と融合してハイブリッド分子(EP−A−0297882およびEP155387)を形成する1またはそれ以上の鎖、例えばプラスミンに結合したウロキナーゼ(EP−A−0152736)、水溶性ポリマーに結合したフィブリン溶解性酵素(EP−A−0183503)からなっていてもよい。血栓融解剤は、またプラスミノーゲン活性化因子のムテイン(EP−A−0207589)からなっていてもよい。好ましい具体例において、血栓融解剤は、アメリカ合衆国特許第4,285,932号に記載されているようなin vivoで可逆的に遮断されたフィブリン溶解性酵素からなっていてもよい。最も好ましい酵素は、アメリカ合衆国特許第4,808,405号に記載のp−アニソイルプラスミノーゲン−ストレプトキナーゼ活性化因子錯体であり、スミスクライン・ビーチャム.ファーマシューティカルズ(SmithKline Beecham Pharmaceuticals)からエミナーゼ(EMINASE)(一般名;アニストレプラーゼ、APSACとも称せられる;。モンク(Monk)ら、1987,ドラッグズ(Drugs)34:25−49参照)の商標で市販されている。
本発明の治療組成物の単独または組み合わせの投与経路は、標準的経路、例えば静脈内注入または注射を包含する。活性補体阻害剤および血栓融解剤を一緒に、またはいかなる順序でも連続して投与してもよい。
本発明はまた、血栓症の治療、特にヒトまたはヒト以外の動物における急性心筋梗塞の治療法も提供する。この方法は、この治療を必要とするヒトまたは動物に、有効量の本発明のポリペプチドおよび有効量の血栓融解剤を投与することからなる。
本発明のポリペプチドおよび血栓融解剤の、ヒトまたは動物における血栓症の治療用医薬の製造における使用も提供される。このような方法および使用は、WO91/05047に記載されているようにして行われる。
本発明はさらにヒトまたはヒト以外の動物における成人呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療法を提供する。この方法は、有効量の本発明のポリペプチドを患者に投与することからなる。
本発明は、また、有効量の本発明のポリペプチドを投与することからなる、移植を受けたヒトまたはヒト以外の動物における超急性同種移植片または超急性異種移植片拒絶反応を遅らせる方法を提供する。このような投与は、患者に対してか、または埋込前に移植組織に適用することによる。
本発明は、さらに、局所的または非経口、例えば静脈内経路により、有効量の本発明のポリペプチドを投与することによる、ヒトまたはヒト以外の動物における傷の治療法を提供する。
実施例において用いた一般的方法
(i)DNA開裂
制限エンドヌクレアーゼによるDNAの開裂は、補足緩衝液を用いて製造業者の指示にしたがって行う。緩衝条件が両方の酵素に関して適当な場合、二重消化を同時に行う。そうでなければ、二重消化を連続して行う。この場合最低の塩濃度を必要とする酵素を消化物に最初に添加する。一旦消化が完了したら、塩濃度を変えて、第二の酵素を添加する。
(ii)平滑末端DNAフラグメントの産生
DNAフラグメントの陥没した3'末端を、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを用いて、サムブルックら(1989))により記載されているようにして満たす。
(iii)DNA精製/濃縮および分析
蛋白質汚染物、ヌクレオシドの除去は、フェノール/CHCl3を用い、続いてエタノールで沈殿させることにより行う。DNAを水平アガロースゲル電気泳動により分析する。両方法はサムブルックら(1989))により記載されている。
(iv)DNAフラグメントの単離
1. DEAE NA45膜上でのDNA精製
必要なDNAフラグメントの上方およびすぐ下のアガロースに切れ込みを入れることによりDNAフラグメントをアガロースゲルから精製する。TE(10mM Tris pH8.0、1mM EDTA)に浸漬しておいた、シュライヒャーおよびシューエル(Schleicher&Schuell)(アンダーマン(Anderman),グレート・ブリテン)から入手したNA45膜を切り込みに挿入し、DNAフラグメントが下方の膜にトラップされ、分子量の大きなDNAが上方の膜にトラップされるまでゲルに電流を再びかける。下方の膜をゲルから除去し、DNAを0.05Mアルギニン/1M NaCl中に70℃で2時間溶出する。DNAを次に、サムブルックら(1989))により記載されているようにしてエタノール沈殿法により濃縮する。
2. 電気溶出
DNAフラグメントをアガロースゲルから切り取り、DNAを単方向性電気溶出器(IBIリミテッド,イングランド,ケンブリッジ)を用いて、製造業者の指示にしたがって電気溶出により抽出する。
3. ゲル精製
DNAフラグメントをアガロースゲルから切り取り、製造業者の指示に従って(キアゲン社(QIAGEN Inc.),USA)QIAEXゲル抽出キットを用いて抽出する。
(v)プラスミド調製
プラスミドDNAの大規模なプラスミド調製を、サムブルックら(1989)により記載されているようにしてCsClを用いて、またはMagic Maxipreps(プロメガ・コーポレーション(Promega Corporation),アメリカ合衆国,マジソン)を用いて製造業者の指示に従って行う。ミニプラスミド調製は、サムブルックら(1989))により記載されているようなアルカリ溶解法またはMagic Minipreps(プロメガ・コーポレーション,アメリカ合衆国,マジソン)を用いて製造業者の指示に従って行う。
(vi)プラスミドDNAのイー・コリ中への導入
1. プラスミドを、サムブルックら(1989)により記載されているようにして、塩化カルシウムを用いてコンピテントにしておいたイー・コリHB101またはイー・コリBL21(DE3)(スチューディアおよびモファット(StudierおよびMoffat),1986)中に形質転換する。
2. 別法として、プラスミドをジーン・パルサーおよびバイオラドのパルス・コントローラー(バイオ−ラッド・ラボラトリース,アメリカ合衆国,ケンブリッジ)を用いたエレクトロポレーションにより、イー.コリDH1(ロー(Low),1968)またはイー・コリBL21(DE3)中に導入する。
(vii)オリゴヌクレオチドのキナーゼ処理
5'突出部を有するオリゴヌクレオチドまたはアニールしたオリゴヌクレオチドを、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いてサムブルックら(1989)により記載されているようにしてキナーゼ処理する。
(viii)オリゴヌクレオチドのアニールおよび結紮
等モル濃度の相補オリゴヌクレオチドを10mMTris pH8.5,5mMのMgCl2中で混合し、100℃で5分間静置し、次に非常にゆっくり室温まで冷却することによりアニールする。接着末端を有するアニールしたオリゴヌクレオチドをベクターまたは他の相補的接着末端を有するオリゴヌクレオチドとT4DNAリガーゼを用いてサムブルックら(1989)により記載されているようにして結紮する。
(ix)DNAのPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)増幅
結紮反応から得たDNAフラグメントまたはアガロースゲルから切断し、精製したDNAフラグメントを、DNAフラグメントの5'末端と相補的な2つのプライマーからPCRにより増幅する。約0.1〜1μgの結紮反応物またはアガロースゲルからの精製DNAを10mM Tris pH8.3(25℃)、50mM KCl、0.1%ゼラチン中で混合し、MgCl2濃度を1.5mMから6mMに変えて、各反応に対して適した濃度を見つける。両方のプライマーを添加して最終濃度を2μMにし、各dNTPを添加して最終濃度を0.2mMにする。最終反応容積は、75μlまたは100μlのいずれかで、これを鉱油で覆い、蒸発を防ぐ。次に熱サイクルをサーマルサイクラー、例えばハイベイドサーマルリアクターで開始する。用いる条件の典型的例としては、94℃で7分、45℃で2分、45℃で5分未満保持し、次に5単位のTaq DNAポリメラーゼ(商業的に、例えばGibcoより購入)を添加する。DNAフラグメントを温度を72℃で2分、94℃で1分および45℃で2分、合計35回循環させることにより増幅する。
(x)二重鎖法を用いたDNA配列決定
配列決定は、「シーケナーゼTM(SequenaseTM)」(ユナイテッド・ステーツ・バイオケミカル・コーポレーション(United States Biochemical Corporation)を用いて、基本的に製造業者の注意書に記載のとおりに行う。
(xi)DNA配列分析および操作
配列の分析を、デベレックス(Devereux)ら(1984)により記載されているように、デジタルVAXコンピューターでGCGパッケージプログラムを用いて行う。
(xii)オリゴヌクレオチドの産生
1. オリゴヌクレオチドをジーン/アセンブラー・プラス(ファーマシア・エルケイビイ・バイオテクノロジー(Pharmacia LKB Biotechnology),イングランド,ミルトンキーンズ)または381Aシンセサイザー(アプライド・バイオシステム(Applied BioSystem))を用いて製造業者の指示にしたがって合成する
2. ファーマシア(Pharmacia)により推奨されるMonoQを用いるかまたは、合成オリゴヌクレオチドの回収を電気泳動により変性ポリアクリルアミドゲルを介して行う場合はUVシャドーイング法により行う。オリゴヌクレオチドを12%アクリルアミド/7M尿素ゲル上に負荷し、オリゴヌクレオチドがゲルのほぼ2/3の長さを移動するまで1500Vで動作させる。DNAを手提げ長波長紫外線ランプを用いて可視化し、DNAバンドを切り取る。オリゴヌクレオチドをSepPak C18逆相カラム(ウォーターズ(Waters))を用いてサムブルックら(1989)により記載されているように回収する。
(xiii)ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS PAGE)
通常、ノベックス・システム(Novex system)(ブリティッシュ・バイオテキノロジー(British Biotechnology)を用いて製造業者の指示にしたがってSDS PAGEを行う。アクリルアミド濃度が14%、16%、4〜20%または10〜27%のプレパックゲルは最も頻繁に用いられるものの一つである。蛋白質分子量標準(LMWキット、ファーマシア)を含む電気泳動用サンプルを通常1%(w/v)SDS含有緩衝液(5%(v/v)2−メルカプトエタノールを含むかまたは含まない)中で希釈し、ゲルに適用する前に室温にて約0.5から1時間放置する。
(xiv)コドン使用の変更
同じコドンのランダムでない使用は、イー・コリにおいて実証され、最適でないか又は微小コドンを(特に遺伝子の5'末端に)含有する遺伝子からの蛋白質産生は、そのようなコドンを有しない遺伝子からよりも有効でないという説を指示する証拠がある(例えばチェンおよびイノウエ(ChenおよびInouye),1990)。イー・コリ(GCG配列分析ソフトウェアパッケージの一部として供給、デベレックス(1984))において高度に発現された遺伝子から作成したコドン使用表を用いてイー・コリにおける発現に最適のコドンを決定する。全ての構築物の最初の30個のコドン全てを高レベルの発現に関して最適化する。7個のアミノ酸に関するコドン:arg、gly、ile、leu、pro、ser、alaを全コーディング配列にわたって最適化する(制限酵素部位と適合する場合)。
(xv)ベクターpBROC413の構築
プラスミドpT7−7(タボー(Tabor),1990)はpBR322などのヌクレオチド2065〜4362に対応するDNAを含有し、pBR322は第3のプラスミドColKの存在下に接合プラスミドにより移動できる。
ColKによりコードされる移動蛋白質はpBR322のヌクレオチド2254のnic部位で作用し、この地点から移動を開始する。pT7−7をLspIおよびBglIIで消化し、突出した5'末端をDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで埋める。プラスミドDNAフラグメントをアガロースゲル電気泳動により精製し、平滑末端を結紮し、エレクトロポレーションによりイー・コリDH1中に形質転換する。得られたプラスミドpBROC413(第1図)をプラスミドDNAの制限酵素分析により同定する。
pBROC413におけるφ10プロモーターのすぐ上流のLspI部位からpT7−7のヌクレオチド434のBglII部位の欠失によりpBR322のヌクレオチド2065〜2297に対応するDNAが除去される。nic部位および隣接する配列はしたがって除去されpBROC413が固定される。
(xvi)溶血検定
ポリペプチドの抗溶血活性をウサギ抗体(ダイメディックス・コーポレーション(Diamedix Corporation),アメリカ合衆国,マイアミより入手)で感作したヒツジ赤血球の補体媒介溶解の阻害を測定することにより評価する。0.1M Hepes/0.15M NaCl pH7.4緩衝液中で1:125に希釈したヒト血清は補体源であり、基本的にダシイーおよびルイス(Dacie&Lewis)(1975)に記載されたようにボランティアのプールから調製する。簡単には、血液を37℃に5分間加温し、血餅を除去し、残存する血清を遠心分離により清澄化する。血清フラクションを少量のアリコートに分割し、−196℃で貯蔵する。アリコートを必要ならば解凍し、使用直前にHepes緩衝液中で希釈する。
感作ヒツジ赤血球の補体媒介溶解の阻害を、以下のようにして、v字底マイクロタイタープレートフォーマットを用いた標準的溶血検定を用いて測定する。50μlのHepes緩衝液(濃度範囲0.01〜100μg/ml、典型的には0.01〜100μg/ml)中希釈した試験蛋白質を50μlの希釈した血清と共に37℃で15分間培養する。100μlの予め加温した感作ヒツジ赤血球を1時間37℃で添加し、最終反応容積を200μlにする。サンプルを300g、4℃で15分間スピンさせ、平底マイクロタイタープレートの上清150μlに移し、410nmでの吸光度を測定する。これは各試験用液中の溶解量を反映する。最大溶解を、赤血球と共に阻害物質の非存在下に血清を培養することにより測定し、これから基底溶解度(赤血球を緩衝液と共に培養することにより測定する)を引く。阻害物質による基底溶解を、阻害物質を赤血球と共に培養することにより評価し、これを試験サンプルから差し引く。阻害率を、全細胞溶解のフラクションとして表わし、IH50は、溶解の50%阻害を与えるのに必要な阻害物質の濃度を表わす。
(xvii)C3aRIA試験
補体経路の活性化の後、アナフィラトキシン、C3aおよびその分解生成物C3a des Argの放出を測定することができる。両方の生成物は、アメルシャム・インターナショナル・ピーエルシー(Amersham International plc)(U.K.)から購入した競合的放射免疫検定(ヒト補体C3a des Arg[125I]試験、コードRPA518)を用いて測定できる。
(a)チモサンAによる別の活性化
補体の別の経路を酵母からの複合炭水化物であるチモサンA(シグマ社(Sigma)、カタログ番号Z-4250)で活性化する。チモサンAをHepes緩衝液(0.1M Hepes/0.15M NaCl pH7.4)中またはPBS(50mMリン酸ナトリウム/0.1M NaCl pH7.4)中で50mg/mlにし、微細懸濁液が形成されるまで撹拌する。血清(溶血試験(方法(xvi))に関して記載したようにして調製)を、Hepes緩衝液中で15分間37℃で以下に示す容積を用いて希釈した種々の濃度の補体阻害物質と共に予備培養する。次にチモサンAをサンプルに添加する前に数秒間撹拌し、その後サンプルを更に30分間37℃で培養する。チモサンAを次に約11,000gで30秒間外界温度で撹拌させる。典型的には100μlの上清を等容積のキット中の沈殿溶液に添加して、得られた上清をアメルシャム(Amersham)より供給されている技術報告書に記載されているようにして、C3a des Arg RIAキットを用いて試験する。各サンプルを、2回ずつ試験し、サンプルの計数が標準曲線上にあるために有用な上清の希釈度は、1/50〜1/100である。EDTAまたはFuthanは、技術書において指示されているようにどの溶液または試験管中でも用いなかった。
各サンプルを、1分間、LKB−Wallac 1727 Clinigamma上で計測する。データをClinigammaに供給されているRIA検定用RiaCalcプログラムを用いて処理する。データーを基本的にアメルシャムの技術書に記載されているようにして、データに合う非直線回帰により得られる標準曲線を用いて計算する。
ミニチュア試験を基本的に前記のとおりにして行う;ただし血清の活性化のために合計容積を少なくして行う。
Figure 0003939747
ミニチュア試験においては、活性化の後、典型的には25μlのサンプルが沈殿する。試験キット試薬の添加を50μlから10μlに減らす。これにより、試験を個別の着脱可能な壁を有するU字底マイクロタイタープレート中で行うことができる。試験を技術書に記載されているようにして等張食塩水中最終希釈度まで調節した容積を用いて行う。この例においては、200μlの食塩水を添加して、プレートを約2500gで12分間4℃で回転させる。各ウェルからの上清を慎重に吸引により除去し、沈殿をさらに300μlの等張性食塩水で洗浄する。プレートを次に再び約2500gで5分間4℃で回転させ、上清を捨てる。ウェルを次にClinigamma上で各10分間計数する。データを前記のように処理する。
各阻害物質濃度での最大活性化の阻害率(%)を測定するために、各実験に関して多くの対照実験を行う。対照実験としては以下のものが挙げられる:最大活性化(A)即ち、血清+チモサンAのみ、基底活性化(B)即ち、血清+緩衝液のみ、および阻害物質の存在下での基底活性化(C)即ち、血清+阻害物質のみ。活性化基底値を、一般に最大活性化から引く。同様に、阻害物質の存在下での活性化基底値を阻害物質の存在下での活性化血清の値から引く。これらの値を次に、以下の式を用いて、各阻害物質濃度での阻害率(%)を決定するために用いる:
Figure 0003939747
[式中、Dは、阻害物質およびチモサンAの存在下での活性化の値を意味する]IC50を最大活性化を50%減少させるのに要する阻害物質濃度と定義する。
(b)熱凝集IgGによる古典的経路活性化法
IgGによる古典的活性化法を以下のようにして行う。ヒトγ−グロブリン(シグマ社、カタログ番号G−4386)を0.1M Hepes/0.15M NaCl pH7.4中で14mg/mlにし、60℃で1時間加熱する。熱凝集IgGのサンプルを少量のアリコートとして、必要になるまで−80℃で貯蔵する。熱凝集IgGを用いてチモサンAの標準またはミニチュア試験に関して記載したように同容積を用いて血清を活性化する。阻害物質の血清を用いた予備培養を15分間37℃で行い、続いて、熱凝集IgGを添加する。培養をさらに37℃で45分間続ける。サンプルを次に通常またはミニチュア試験を用いて直接C3aレベルに関して試験する。
(xviii)C5aRIA試験
補体経路の活性化に続いて、アナフィラアトキシンC5aおよびその分解生成物C5a des Argの放出を測定する。両方の生成物は、アメルシャム・インターナショナル・ピーエルシー(U.K.)から購入した競合的放射免疫検定(ヒト補体C3a des Arg[125I]試験、コードRPA520)を用いて測定できる。
補体の別の経路をC3aRIA試験(方法(xvii))に関して記載したようにしてチモサンAで活性化する。試験は、C3a試験に関して記載したようにして、C5a des−Arg RIAキット中に装備されている試薬を用いてミニチュア化した形態で行う。
実施例中のアミノ酸のナンバリングは、対応する成熟CR1蛋白質に関連する。
実施例1 SCR1+2をコードするプラスミドpDB1010−D11の構築
一般論
成熟ヒト補体受容体1のアミノ酸1に対応し、アミノ酸124で終わるSCR1+2に関するDNA配列を、遺伝子の5'末端がNdeI部位を含有するようにデザインする。この部位は、ATGコドンを含み、mRNAの翻訳の開始に必要な開始メチオニンを与え、これにより遺伝子はpBROC413のShine−Dalgarnoリボソーム結合配列から最適な距離を置いた場所に位置する。遺伝子の3'末端は、HindIII部位の前の2個の停止コドン上で完結する。
pBROC413を切断することなく、商業上入手可能な制限エンドヌクレアーゼを同定する。エンドヌクレアーゼにより認識される制限部位の配列を、全ての3つの解読フレーム中に翻訳する。イー・コリ発現に関してほとんど用いられないコドンを含有する部位を捨てる。残る部位をSCR1+2をコードするDNAと適合させる。制限部位がDNA中に適合してコーディング配列を保存し、ほとんど用いられないコドンを添加しない場合、DNA配列を変更してこの制限部位を含むようにする。10個のユニークな制限部位をこのように同定して組み込む。イー・コリ中の蛋白質の細胞内発現を可能にするために、ATGコドンを成熟CR−1の1番目のアミノ酸に対するコドンのすぐ前の遺伝子の5'末端に添加する。コドンATGはpBROC413等のベクター中へのクローニングに用いることができるNdeI制限部位の一部である。成熟CR−1のプロリン124に対応するコドンをグルタミンをコードするものに変更し、これもまたEcoRIを含む。
(a)プラスミドの構築
SCR1+2をコードするオリゴヌクレオチド(第1表1〜8)をオリゴヌクレオチドの対間の相補的8bp突出部により独特の方法で結紮できる4つの相補的塩基対87〜101merとして合成する。オリゴヌクレオチドの4つの相補対を、A対(oligos1+2)、B対(oligos3+4)、C対(oligos5+6)、D対(oligos7+8)と表わす。遺伝子の5'末端に対応するA対はNdeI制限部位突出部を含有し、D対は3'末端にHindIII制限部位突出部を含有する。1および2以外のオリゴヌクレオチドを使用前にファーマシア・モノQカラム上で精製する。A対のオリゴヌクレオチド2およびD対のオリゴヌクレオチド7を、キナーゼ処理していない相補オリゴヌクレオチド1および8でそれぞれアニールする前にキナーゼ処理する。オリゴヌクレオチド対BおよびCをまずアニールし、キナーゼ処理する。キナーゼ処理したオリゴヌクレオチド対を(A対(約0.1μg)をB対(約0.2μg)に、C対(約2μg)をD対(約4μg)に)結紮する。結紮したオリゴヌクレオチド(A+B)を、順次、(C+D)と結紮してSCR1+2をコードする遺伝子を形成する。
SCR1+2をコードするDNAを、DNAの2本鎖と相補的な2個のオリゴヌクレオチド(第1表;15および16)を用いるPCRにより増幅する。両方のオリゴヌクレオチドは6bpのランダム配列とそれに続くNdeIまたはHindIIIのいずれかの制限部位配列、それに続く遺伝子に対して相補的な18bpを含む適合していない5'末端を含む。PCRに続いて、約400bpのバンドを水平アガロースゲル電気泳動で可視化し、切断し、DAEA NA45膜上で精製する。DNAを次にNdeIまたはHindIIIで切断し、同じ酵素で切断しておいたpBROC413中に結紮する。ベクターを塩化カルシウムでコンピテントにしたイー・コリHB101中に形質転換する。ミニプラスミド調製物を調製し、プラスミドDNAをNdeIまたはHindIIIで消化することにより分析する。正しい大きさの挿入物を含有するプラスミドをさらにEcoRI、HpaI、KpnIおよびSmaIを用いた制限マッピングに付す。正しい制限地図を示すプラスミドを、SCR1+2をコードする遺伝子中の両鎖のDNA配列決定により分析する。プラスミドpDB1010−D11はSCR1+2をコードする遺伝子中に正しい配列を有することが確認された。
実施例2 CR−1のMQ1→K196(SCR1+2+3)構築、発現、精製、フォールディングおよび形成
一般論
SCR1+2をコードするDNA(実施例1a)をSCR3をコードするDNAと結紮することにより、SCR1+2+3をコードするDNAを構築する。
SCR3に関する一般論は実施例9に示す。
成熟CR1のアミノ酸122に対応し、アミノ酸196で終結するSCR3コーディング単位を、該単位の5'末端がSCR2および3ならびにNdeI部位5'とEcoRI部位との結合点にEcoRI部位を含むようにデザインする。該単位の3'末端はHindIII部位の前の2個の停止コドンで終わる。SCR3コーディング単位およびSCR1+2コーディング単位を含有するプラスミドをEcoRIおよびHindIIIで消化する。SCR3コーディング単位を単離し、EcoRI/HindIII切断SCR1+2含有プラスミド中のSCR1+2コーディング単位の下流に挿入して、成熟CR1のアミノ酸1〜96に対応する、SCR1+2+3コーディング単位を含有するプラスミドを得る。SCR3コーディング単位をEcoRI部位に添加することによりCR1においてみられるアミノ酸(プロリン)の後の124位のグルタミンに対応するコドンを変換する。
(a)SCR1+2+3をコードするプラスミドpDB1013−5−4の構築
SCR3コーディング配列を含む3対のオリゴヌクレオチド(第1表;9〜14)を合成する。オリゴヌクレオチドをまず対(9,10;11,12;13,14)としてアニールし、真ん中の対をキナーゼ処理して3対が8塩基対の重複配列により互いに結紮されるようにする。この三量体分子の5'末端を、NdeI消化したDNAと相補的になるようにし、HindIII消化したDNAと相補的に、3'末端をHindIII消化したDNAと相補的になるようにする。これにより、該三量体が、NdeI/HindIII消化pBROC413中にクローンされてpBROC435(第2図)を生成する。pBROC435の同一性は、制限酵素分析により調べ、DNA配列決定により確認する。
pBROC435およびpDB1010−D11(実施例1)由来のプラスミドDNAを、両方ともEcoRIおよびHindIIIで切断し、SCR3をコードするpBROC435のEcoRI/HindIIIバンドをカットベクターpDB1010−D11と同様にDEAE NA45上で精製する。SCRコーディング単位を次にpDB1010−D11中で結紮して、pDB1013−5を得、これを次に塩化カルシウムコンピテントイー・コリHB101中で形質転換する。得られたコロニーをDNAのミニプラスミド調製物により分析し、続いて、制限マッピングを行う。pDB1013−5−4(第2図)と称するコロニーの1つはSCR1+2+3コーディング単位を含有する。このプラスミドを次に遺伝子産物の発現に関して分析する。
(b)SCR1+2+3の発現
pDB1013−5−4を塩化カルシウムコンピテントイー・コリBL21(DE3)中で形質転換し、得られたコロニーをミニプラスミドDNA調製物の制限消化により分析する。1つのコロニーを10mlのLブロスまたはNCYZM培地および50μg/mlアンピシリンを含有する万能緩衝液中に接種し、一夜37℃、220rpmで増殖させる。一夜培養したもの(典型的には5ml)を用いて、各2Lの、500mlのNCYZM培地、150μg/mlアンピシリンを入れたコニカルフラスコに接種し、培養物を次に37℃、220rpmでA600が0.5吸光単位になるまで増殖させる。培養物を1mMイソプロピルチオβ−D−ガラクトシド(IPTG)で誘起し、同じ条件下で更に3時間増殖させる。培養物を遠心分離し(約8000g/10分)、上清を捨てる。細胞ペレットを−40℃で貯蔵する。Lブロスは1%(w/v)バクトトリプトン、0.5%(w/v)バクトイーストエキス、0.5%(w/v)NaClである。NCYZM培地は、0.1%(w/v)カザミノ酸および0.2%(w/v)MgSO4・7H2O、pH7.0を含有するL−ブロスである。
(c)可溶化封入体の単離
実施例2bに記載したのと同様の方法で調製したイー・コリBL21 DE3(pDB1013−5−4)(1リットル培養物)凍結細胞ペレットを4℃で2時間解凍し、つぎに50mM Tris/50mM NaCl/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.0(33ml)中に懸濁させる。懸濁液を100mlガラス製ビーカーに移し、超音波処理する(ヒートシステムズ−ウルトラソニックス(Heat Systems−Ultrasonics)W380;70ワット、50×50%パルス、パルス時間=5秒)。超音波処理物を直ちに遠心分離し(6000g/4℃/10分)、上清を捨てる。封入体を含有するペレットをに20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノール/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.5(100ml)中に再懸濁させ、室温(約23℃)で1時間静置する。溶解しなかった物質を全て除去するために、得られた溶液を遠心分離する(約2000g、4℃、10分)。この回転上清を除去し、可溶化封入体生成物として、−40℃で保持する。
(d)可溶化封入体からのSCR1+2+3の精製
S−セファロースファーストフローのカラム(内径16mm、高さ10mm)を調製し、FPLC(ファーマシア)システム中に連結する。カラムを20mM Tris/8M尿素/1mM EDTA/50mM 2−メルカプトエタノールpH8.5で平衡させる。実施例2cに記載したようにして調製した10mlの解凍、可溶化封入体をカラムにかけ、平衡化緩衝液でよく洗浄する。カラムを次に1M NaCl(平衡緩衝液中)への直線的勾配で展開し、続いて、1M NaClおよび2M NaCl(これも平衡緩衝液中)ですすぐ。全てのクロマトグラフィーは1.0ml/分、室温である。
クロマトグラフィー中に回収したフラクションのSDS PAGE/蛋白質染色による分析より、実質的に全てのSCR1+2+3ポリペプチドがカラムに吸収され、1M NaCl含有緩衝液により解離することがわかる。適当なフラクションを−40℃で貯蔵する。
続くブラッドフォード(Bradford)蛋白質検定およびウシ血清アルブミン標準を用いたピークフラクションの蛋白質含量試験により、これは2.8mgの蛋白質を含有することがわかる。
(e)フォールディング
実施例2dに記載したのと同様の方法で精製し、−40℃で貯蔵したたS−セファロース精製SCR1+2+3を解凍し、セファデックス(Sephadex)G25(P10)を用いて0.05M蟻酸中へ0.4mlを緩衝液交換する。緩衝液交換溶液の280nmでの吸光度は0.52と測定され、ε=34000および適当な希釈に関する補正因子を用いて、元の調製物(緩衝液交換前)蛋白質濃度を計算すると0.6mg/mlである。
この図に基づいて、1.7ml S−セファロース精製蛋白質を0.85mlの20mM Tris/8M尿素/50mM2−メルカプトエタノール/1M NaCl pH8.5で希釈して、0.4mg/mlの溶液を得、これに関してフォールディングを行う。
フォールディングは、いずれのときも冷希釈液を用いて連続希釈により行う。
t=0時において、SCR1+2+3(0.4mg/ml)を30mlポリスチレンユニバーサルコンテナ中0.8mlの20mM Tris/1M尿素/5mM EDTA/3mM 2−メルカプトエタノールpH8.0(「希釈液」)に添加する。溶液を穏やかに撹拌してよく混合し、冷所(約2〜3℃)中で蓋をして静置する。
1時間目に、1.6mlの希釈液を添加して混合する。
2時間目に、3.2mlの希釈液を添加して混合する。
4時間目に、6.4mlの希釈液を添加して混合する。
溶液を更に20時間冷所に静置し、限外濾過(YM5、アミコン・リミテッド(Amicon Ltd)により約1.4mlにする。これをセファデクスG25(PD10)を用いて冷所中0.1M NH4HCO3(2.5ml)中に緩衝液交換する。溶出液を分割し、−40℃で保存するか、凍結乾燥する。
SCR1+2+3を含有する生成物をSDS PAGE、続いて蛋白質染色により分析する。非還元および還元(2-メルカプトエタノール5%(v/v))サンプルの両方において、1つの主要なバンドが存在する。還元バンドの分子量は、Mrとして知られる非還元蛋白質標準体と比較すると、約24,000である。非還元蛋白質(バンド)は還元蛋白質(バンド)より若干速い移動度を有する。
生成物を機能的溶血試験で抗体感作ヒツジ赤血球を用いて分析する(方法(xvi))。生成物は、IH50が約0.4μg/mlで赤血球の補体媒介融解の濃度に依存した阻害を示す。
(f)フォールディング
調製、フォールディング、処理および分析を以下の事項を除いて実施例2eと全く同様に行う:
(1) フォールディングの希釈剤は20mMメタノールアミン(PH10.0)である。
(2) フォールディングした溶液を限外濾過して最終容積を1.55mlにする。
(3) IH50値を約0.6とする。
(4) 生成物の回収率は約100パーセントである。
(g)SCR1+2+3N末端配列の決定
プラスミドPDB1013−5−4を含有する成長イー・コリBL21(DE3)のサンプル1mlを、実施例2bに記載したようにして1mM IPTGで誘起した3時間後に除去する。これらのサンプルをエッペンドルフ遠心管中でスピンさせ、得られたペレットをそれぞれ200μlの還元緩衝液(100mM Tris pH6.8/200mMジチオトレイトール/4%(w/v)SDS/2%(w/v)ブロモフェノールブルーおよび20%(v/v)グリセロール中に再懸濁し、5分間煮沸する。25μlのサンプルを14%ポリアクリルアミドゲルにかける。電気泳動が完了したら、サートブロット・エレクトロブロティング(Sartoblot electroblotting)装置(サートリウス(Sartorius))を用いて、0.8mA/cm2で1時間40分、CAPS(3−[シクロヘキシルアミノ]−1−プロパンスルホン酸)トランスファー緩衝液を用いて蛋白質をProBlott膜(アプライド・バイオシステム)に移す。トランスファー後、ProBlott膜を20秒間染色し(0.1%(w/v)クーマシーブルー(Coomassie Blue)R−250/40%(v/v)メタノール/1%(v/v)酢酸)、50%(v/v)メタノールを用いて脱色する。Mr約23,000蛋白質に対応するバンドを切断し、N−末端配列を、アプライド・バイオシステム477A・プロテイン・シーケンサー(Protein Sequencer)中ブロットカートリッジを用いて、決定する。
最初の20個のアミノ酸の配列は、残基3が用いた配列決定法では同定できない以外は、予想される配列と一致することが見いだされた。
実施例3 発酵容器からのSCR1+2+3の発現および精製
(a) プラスミドpDB1013−5−4を有するイー・コリの発酵
イー・コリBL21(DE3):pDB1013−5−4を、1mlの培養物を含有するバイアルを解凍することにより、液体窒素中の貯蔵物から回収し、これを用いて75μg/mlのアンピシリンを含有する100mlの種培地(NC−YZM)を接種する。第一および第二シード段階発酵を500mlシェークフラスコ中で、NCYZM培地の100mlを用いて行う。第一および第二シード発酵条件は以下のとおりである:37℃、偏心距離50mmのオービタルシェーカー上230rpm。第一シード培養時間は2時間である。第一シード培養物を用いて第二シード発酵培地に0.1%(v/v)で接種する。第二シードを14.5時間培養する。
15リットルのバイオラフィット(Biolafitte)発酵槽2個を、それぞれ、10リットルのNCYZM培地および0.01%(v/v)ダウ・コーニングDC1510消泡剤を用いてバッチ処理をを行う。容器+培地を、121℃までの蒸気を用いて45分間滅菌する。マイクロフィルトレーション(0.2μm)により滅菌したアンピシリンを無菌的に最終濃度が150μg/mlになるように容器の培地に添加する。発酵槽に3%(v/v)のレベルでプールした第二種培養から接種する。最終段階の培養条件は、37℃、撹拌400rpm、空気流5l/分(0.5vvm)である。接種前、0時間目およびそれ以降30分ごとに無菌的に最終段階の発酵のサンプルをとる。サンプルを、光学密度(600nm)の増加に関してモニターする。OD600が≧0.5になったら、IPTGを添加して最終濃度を1mMにする。発酵物をさらに3時間培養する。
細胞を7000gを用いた遠心分離を25分行うことにより回収する。総細胞収率(湿潤重量)は49.8グラムであった。
(b)封入体単離
基本的に実施例2に記載したようにして、23g(湿潤重量)の細胞ペレットからの封入体を単離し、可溶化する。
(c)変性SCR1+2+3の精製
実施例3bからの可溶化封入体の容積は約800mlである。この粘稠溶液に、SP−セファロースFF(100mlゲルベッド、水洗し、吸引乾燥する)を添加する。混合物を激しく撹拌し、1時間室温で静置する。上清を傾瀉し、−40℃で貯蔵する。残ったスラリーを再懸濁して均質な懸濁液を得、ガラスジャケット(内径41.5mm)中に注ぎ、充填したベッド中に沈殿させる。この充填したベッドを4℃で低圧クロマトグラフィーシステムに連結し、0.02M Tris/8M尿素/0.05M 2−メルカプトエタノール/0.001M EDTA pH8.5で平衡化する。溶出液のA280が最低になったら、緩衝液を1M NaClを追加した平衡緩衝液に交換する(段階的に)。単一のA280ピークが90mlの容積(約1Vtに等しい)で溶出される。溶液は無色透明で、緩衝液交換したサンプルのA280測定(ε=25,000を用いる)により約300mgの目的蛋白質が含まれていることがわかる。SDS PAGE、続いて蛋白質染色により、目的蛋白質は存在する主要なバンドであることがわかる。90mlの生成物を−40℃で貯蔵する。
(d)フォールディングおよび精製
18mlの前記生成物(表示値60mg)を12mlの0.02M Tris/8M尿素/1M NaCl/0.05M 2−メルカプトエタノールpH8.5で希釈する。生成物(30ml)を5mlのアリコートにして1分間隔で930mlの新たに調製した、冷0.02Mエタノールアミン/0.001M EDTAに撹拌しながら添加し、1時間、4℃で静置する。次に還元グルタチオンを1mMになるように添加し(9.6mlの0.1M GSHを添加することによる)、酸化グルタチオンを0.5mMになるように添加する(9.6mlの0.05M GSSGを添加することによる)。溶液は透明で、冷所に約70時間静置する。溶液を次にYM10膜を用いて限外濾過して最終残存容積を約10mlとする。この残存物は白濁している。これを90mlの0.1M NaH2PO4/1M(NH42SO4 pH7.0(緩衝液A)と室温で混合し、4000rpmで20分間遠心分離する。上清を傾瀉し、SCR1+2+3蛋白質を上清のブチルトーヨーパール650S(Butyl Toyopearl 650S)上でのクロマトグラフィーにより単離する。
ブチルトーヨーパール650Sのカラム(Vt〜12ml)を緩衝液Aで平衡させる。100mlの上清をカラムに適用し、カラムを緩衝液Aで洗浄する。これを次に100%緩衝液Aから100%0.1M NaH2PO4 pH7.0の直線的勾配を用いて展開させる。全てのクロマトグラフィーは室温、30cm/時で行う。
主要なA280ピークが勾配中に溶出される。ピークのフラクションを、SDS PAGE、続いて蛋白質染色により分析する。ピークの最も濃縮されたフラクションは基本的に純粋なSCR1=2+3を含有し、溶血試験において活性であった(方法(xvi))IH50〜0.3μg/ml)。これを−40℃で貯蔵する。
実施例4 ブチルトーヨーパールで精製したSCR1+2+3の処方
実施例2および3に記載したバッチと同様の方法で発現し、フォールドし、精製し、基本的に実施例3dに記載したようにして硫酸アンモニウム処理およびブチルトーヨーパールクロマトグラフィーによりさらに精製したSCR1+2+3を以下のようにして使用可能な生成物に処方する。
3つのこのようなブチルトーヨーパール生成物をプールして、最終容積を約31mlにする。31mlを全てセファデクスG25カラムを用いて0.05M蟻酸(0.2μm濾過「ミリ(Milli)Q」水を用いて調製)中に緩衝液液交換する。すべてのクロマトグラフィーは50cm/時、4℃で行う。カラムからの溶出液を280nmでモニターし、Voフラクションを単一のフラクションとして集める。このフラクションを分割して凍結乾燥する。
SDS PAGE/染色およびC8逆相HPLCの両方による凍結乾燥前のVoプールの分析により、これが基本的に純粋な目的蛋白質であることがわかる。プールは、抗溶血活性(IH50約0.3μg/ml)を示し、エンドトキシン含量は低い(<1ng/mg)。
凍結乾燥したアリコートの1つは10mg/mlでリン酸緩衝塩溶液中に可溶性で、溶血試験において補体阻害活性を示す(方法(xvi));IH50=0.3μg/ml。
別の凍結乾燥したアリコートを試験して、ジスルフィド結合パターンを決める。6個の正しい(コンセンサスSCRモチーフにより予想されるような)ジスルフィドが検出される。
実施例5 C3a放出により測定される補体の古典的経路のIgG媒介活性化に関するSCR1+2+3の効果
熱凝集IgG活性化血清の阻害を、方法(xvii)に記載したようにして行う。熱凝集IgGは補体の古典的経路を活性化する。異なる濃度(典型的には4〜1000μg/ml)の阻害剤を血清と共に熱凝集IgGの存在下に培養し、各濃度での活性化の阻害率(%)を測定する。SCR1+2+3のIC50は約22μg/mlと測定され、これはSCR1+2+3が補体の古典的経路を阻害できることを示す。
実施例6 C3a放出にしたがって測定される補体の別の経路のチモサンA媒介活性化に関するSCR1+2+3の効果
チモサンA活性化血清の阻害を、方法(xvii)に記載したようにして行う。異なる濃度(典型的には1〜1000μg/mlの範囲)のSCR1+2+3を血清と共にチモサンAの存在下に培養し、各濃度での活性化の阻害率(%)を測定する。数回の異なる実験からIC50は20〜40μg/mlと測定され、これはSCR1+2+3が補体の別の経路を阻害できることを示す。
実施例7 C5a放出にしたがって測定される補体の別の経路のチモサンA媒介活性化に関するSCR1+2+3の効果
チモサンA活性化血清の阻害を、方法(xvii)に記載したようにして行い、方法(xviii)に記載されているようにして分析する。異なる濃度(典型的には4〜700μg/mlの範囲)のSCR1+2+3を血清と共にチモサンAの存在下に培養し、各濃度での活性化の阻害率(%)を測定する。数回の異なる実験からIC50は約20〜30μg/mlと測定され、これはSCR1+2+3が補体の別の経路を阻害できることを示す。
実施例8 精製し、フォールドし、処方したSCR1+2+3のエンドトキシン含量測定
最終生成物SCR1+2+3のバッチを基本的に前記実施例4に記載したとおりにして調製し、カブトガニ変形細胞溶解物(LAL)(アトラス・バイオスキャン・リミテッド(Atlas Bioscan Ltd.)のゲル−クロット反応に基づいた方法を用いてエンドトキシン含量について測定する。試験の感度は0.125EU/mlで、これをLALキットに付いている標準イー・コリエンドトキシンから調製した二倍希釈シリーズに対する滴定によりチェックする。
10倍希釈の〜1.3mg/mlのSCR1+2+3蛋白質ストックを、10μlのLALに10μlのサンプルを添加することにより、LALに関するその効果に関して4回試験する。37℃で1時間後、混合物をクロッティングまたは残存する液体のいずれかに関して試験する。(少なくとも0.125EUのエンドトキシンを含有する液はこのLAL調製物を凝結させる)。干渉に関する試験のための同時に行う試験の結果も考慮して、SCR1+2+3蛋白質調製物のエンドトキシン含量は<12.5EU/mlであり、約<1ng/mg蛋白質に等しい。
実施例9 CR−1のMR122→K196(SCR3)の発現、フォールディング、精製および処方
一般論
成熟ヒト補体受容体1のアミノ酸122に対応し、アミノ酸196で終結するSCR3に関する配列を該遺伝子の5'末端がNdeI制限エンドヌクレアーゼ部位を含むようにデザインする。この部位は、mRNA翻訳の開始に必要なメチオニンを誘導するATG開始コドンを含み、遺伝子をpBROC413のシン−ダルガルノ(Shine-Dalgarno)リボソーム結合部位から最適の距離を置いた位置におく。このコドンのすぐ後には成熟ヒト補体受容体のアルギニン122で始まるSCR3をコードする遺伝子が続く。遺伝子の3'末端はHindIII部位の前の2個の停止コドンの前のリシン196をコードするコドンで終わる。
SCR3をコードするDNAを方法において記載したようにイー・コリにおける最適のコドンの使用のために修飾する。また、遺伝子を変更して、ユニークな制限エンドヌクレアーゼ部位が取り込まれるように変更する。これは以下の様にして行う。pBROC413を切断しない市販の制限エンドヌクレアーゼを同定する。これらの制限エンドヌクレアーゼ部位のDNA配列を次に全部で3個の解読フレーム中に翻訳し、コドンの使用を調べる。イー・コリによりほとんど使用されないコドンを含む部位を捨てる。残った部位をその翻訳された配列に関して調べ、該配列がSCR3と合えば、制限部位は該配列中に取り込まれている。
(a) SCR3をコードするプラスミドpBROC435の構築
プラスミドpBROC435の構築は実施例2aに記載したとおりである。
(b) pBROC435からのSCR3の発現
pBROC435をイー・コリBL21(DE3)中にエレクトロポレーションにより形質転換し、得られたコロニーをミニプラスミドDNA調製物の制限消化により分析する。1つのコロニーを10mlのLブロスまたはNCYZM培地および50〜75μg/mlアンピシリンを含有する万能緩衝液中に接種し、一夜37℃、220rpmで増殖させる。典型的には4mlの一夜培養物を各2Lの、500mlのNCYZM培地、150μg/mlアンピシリンを入れたコニカルフラスコに接種するのに用い、培養物を次に37℃、230rpmでA600が0.5吸光単位になるまで増殖させる。培養物を1mM IPTGで誘起し、同じ条件下で更に3時間増殖させる。培養物を遠心分離(約8000g/10分)に付し、上清を捨てる。細胞ペレットを−40℃で貯蔵する。
(c) 可溶化封入体の単離
実施例9bに記載したイー・コリ(NCYZM中3リットル培養物)凍結細胞ペレットを室温で2時間で解凍し、つぎに50mM Tris/50mM NaCl/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.0(90ml)中に再懸濁させる。懸濁液を200mlガラス製ビーカーに移し、超音波処理する(ヒート・システム-ウルトラソニックW380(Heat Systems-Ultrasonics W380);70ワット、50×50%パルス、パルス時間=5秒)。超音波処理物をただちに遠心分離し(6000g/4℃/10分)、上清を捨てる。封入体を含有するペレットをに20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノール/1mM EDTA/1.0mM PMSF pH8.5(300ml)中に静かに混合物にピペットで移して再懸濁させる。混合後、溶液を、室温(約23℃)で1時間静置する。溶解しなかった物質を全て除去するために、得られた溶液を遠心分離する(約2000g、4℃、10分)。このスピンの上清を除去し、可溶化封入体生成物として、−40℃で貯蔵する。
(d) 可溶化封入体からのSCR3の精製
S−セファロースファーストフローのカラム(ファーマシア)(内径32mm、高さ32mm)を調製し、20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノールpH9.0で平衡させる。実施例9cと同様にして調製した、200mlの解凍し、可溶化した封入体をカラムにかけ、平衡化緩衝液でよく洗浄する。カラムをFPLCシステムに連結し、段階的に0.1、1.0、2.0MのNaCl勾配(平衡緩衝液中)で展開する。全てのクロマトグラフィーは2.0ml/分、室温である。
クロマトグラフィー中に回収したフラクションのSDS PAGE分析/蛋白質染色により、実質的に全てのSCR3ポリペプチドがカラムに結合しないことがわかる。他の多くの蛋白質はカラムに吸収されるが、0.1Mおよび1.0M NaCl含有緩衝液により解離されない。未吸着フラクション中のSCRの純度は約80%である。
(e) SCR3のフォールディング
実施例9dに記載したのと同様の方法で精製し、−40℃で貯蔵したたQ−セファロース精製SCR3を解凍し、冷溶液を用いて。連続希釈によりフォールドする。t=0で、100mlの20mM Tris/1M尿素/5mM EDTA/3mM 2−メルカプトエタノールpH8.0(希釈液)を100mlのSCRに添加する。この段階で、溶液は濁る。溶液を穏やかに撹拌してよく混合し、冷所(約2〜3℃)中で蓋をして静置する。1時間目に、200mlの希釈液を添加して混合し、最終溶積を400mlにする。2時間目に、400mlの希釈液を添加して混合し、最終溶積を800mlにする。4時間目に、800mlの希釈液を添加して混合し、最終溶積を1.61にする。溶液をさらに20時間冷所に静置する。溶液は透明になり、これを分割して−40℃で貯蔵する。
(f) SCR3のフォールディング
実施例9eと同様にして調製した50mlのSCR3を解凍し、2000Daカットオフ膜(アミコン(Amicon))を用いて限外濾過して3.5mlにする。2.5mlの濃縮物をセファデクスG25(PD10)を用いて0.1M NH4HCO3(3.0ml)中に緩衝液交換する。続くモル消衰係数11000を用いた蛋白質含量の分析によると、このサンプルは約0.24mg/mlを含有する。
SDS PAGE/蛋白質染色によるこの物質の分析によると、蛋白質の純度は約80%である。2−メルカプトエタノールで還元したサンプルは低い電気泳動移動度を有し、これはSCR3中にジスルフィド結合が存在することを示すものである。
このサンプルの溶血試験(方法(xvi))における分析によると、IH50は約10〜20μg/mlである。
(g) 発現されたSCR3のN末端配列の決定
実施例9fのようにして調製し、0.1M NH4HCO3中に配合した200μlのSCR3をドライアイス/エタノール浴中60分間、800μlの冷アセトンで沈殿させる。サンプルを次にエッペンドルフ遠心管中で回転させ(約10000g/20分)、得られたペレットを加熱しながら、5%(v/v)2−メルカプトエタノールを含有するサンプル緩衝液中に再懸濁する。30μlのサンプルを4から20%SDS−含有ポリアクリルアミド勾配ゲル上で電気泳動に付す。電気泳動が完了したら、エレクトロブロッティング装置を用いて、200mAで2時間、10%メタノール/90%H2O(v/v)トランスファー緩衝液中CAPSを用いて蛋白質をProBlott膜(アプライド・バイオシステム)に移す。トランスファー後、製造業者の指示にしたがって、ProBlott膜を染色し(0.1%(w/v)クーマシーブルー)、脱色し、すすぎ、風乾する。膜の断片を切り取り、N−末端配列決定に用いる。
主なバンドの最初の20個のアミノ酸の配列は、残基5(同定されず)以外はSCRに関して予想されるものと一致する。
(h) CR3の調製、フォールディングおよび配合
調製およびフォールディングは、実施例9a〜eに記載したのと全く同様に行う。400mlのフォールドしたSCR3を4℃で30KDaカットオフフィルター(アミコン)を通して限外濾過する。限外濾液のサンプルを2通りの方法で処理する。
1. 50mlを2KDaカットオフ膜を用いて限外濾過して最終容積を3.5mlにし、セファデクスG25(PD10)カラムを用いて0.05M蟻酸(6.7ml)中に緩衝液交換する。280nmでの吸光度により測定されたSCR3の合計量は0.6mgである。SDS PAGE/蛋白質染色による分析によると、この蛋白質の純度は約95%である。サンプルを凍結乾燥し、−40℃で貯蔵する。
2. 100mlの限外瀘液をHClでpH5.5に調節する。サンプルを1.5ml/分でMono Sカラム(1ml)に適用し、平衡緩衝液(20mM Tris HCl pH5.5)でよく洗浄する。カラムを次に段階的勾配(0.1、1.0および2.0M NaCl(平衡化緩衝液中))で展開する。全てのクロマトグラフィーは1.0ml/分、室温である。
SDS PAGE/蛋白質染色による、クロマトグラフィー中に集められたフラクションの分析によると、1M NaClで解離する主要なバンドは、約95%の純度のSCR3を含有する。
実施例10 CR−1のMR122−S253(SCR3+4)の発現、フォールディング、精製および配合
(a) SCR3+4をコードするプラスミドpDB1019の構築
SCR3+4をコードするDNAをプラスミドpBROC435(実施例2)およびpDB1018−1(実施例11)(それぞれ、SCR3およびSCR1+2+3+4をコードする遺伝子を担う)から構築する。SCR4コーディング単位をpDB1018−1から切断し、pBROC435中のSCR3コーディング単位の末端に結紮する。
pDB1018−1をSpeIおよびHindIIIで消化し、1%アガロースゲル上で分離する。SCR4(〜245bp)をコードするバンドをゲルから切断し、QIAEX抽出キットを用いて精製する。プラスミドpBROC435もSpeIおよびHindIIIで消化し、1%アガロースゲル上で分離し、アガロースから切断し、QIAEX抽出キットを用いて精製する。DNAをコードするSCR4を次にカットpBROC435プラスミド中に結紮して、pDB1019を得る。このDNAをCaCl2でコンピテントにしたイー・コリHB101を形質転換するのに用いる。形質転換体をEcoRIおよびHindIIIを用いた制限分析により分析する。正しい大きさの挿入物を有するクローンを発現の研究に用いる。
(b) pDB1019−1CからのSCR3+4の発現
CaCl2でコンピテントにしたイー・コリBL21(DE3)中にpDB1019を形質転換し、得られたコロニーをミニプラスミドDNA調製物の制限消化により分析する。プラスミドpDB1019−1Cは正しい大きさの挿入物を担うと同定される。pDB1019−1Cをになうイー・コリBL21(DE3)の1つのコロニーを10mlのNCYZM培地および75μg/mlアンピシリンを含有する10の万能緩衝液中に接種し、一夜37℃、240rpmで増殖させる。次に一夜培養物を用いて、500mlのNCYZM培地、150μg/mlアンピシリンを入れた8個の2Lコニカルフラスコに接種する(各フラスコにつき5ml)。培養物を37℃、240rpmでA600が0.5吸光単位になるまで増殖させる。この時点で培物を1mMIPTGで誘起し、同じ条件下でさらに3時間増殖させる。培養物を遠心分離し(約8000g/10分)、上清を捨てる。細胞ペレットを−40℃で貯蔵する。
(c) SCR3+4の単離、精製、フォールディングおよび配合
用いた方法は一般的にSCR1+2+3+の調製に関して既に記載した方法に従う。
21個の培養物由来の細胞ペレットからの可溶化封入体の単離は、実施例2cに記載したように行う。可溶化しつのようせきは200mlである。
汚染(宿主)イー・コリ蛋白質のいくつかを、バッチプロセスまたはカラムクロマトグラフィーのいずれかにおいて、実施例2dに記載したのと同様のシステムを用いて、S−セファロース上に吸着させることにより調製物から除去する。未吸着フラクション中に存在する蛋白質は、SDS PAGE/染色により、著しい量のSCR3+4蛋白質を含有することが示される。これらのフラクションの約半分をYM1(アミコン)膜を用いて限外濾過して約35〜40mlにする。この残存物を測定すると、約0.3mg蛋白質/ml(β=21,000を用いた緩衝液交換サンプルのA280測定に基づく)を含有する。10.5mlのこの残存物を325mlの冷20mMエタノールアミンと混合し、4℃で1時間静置する。次に還元グルタチオンを1mMになるように添加し(3.4mlの100mM GSHの添加による)、酸化グルタチオンを0.5mMになるように添加する(3.4mlの50mM GSSGの添加による)。溶液を混合し、4℃で〜72時間静置する。溶液は透明である。溶液を次にYM1膜を用いて限外濾過して残存物を5mlとする。この残存物を2分割し、セファデクスG25(PD10カラム)を用いて20mMエタノールアミンまたは50mM蟻酸中に緩衝液交換する。
蟻酸SCR3+4生成物を逆相HPLCおよびSDS PAGE、続いて蛋白質染色により分析すると、主要な1種の蛋白質しか示さない(純度>90%)。A280測定を用いて蛋白質濃度を測定すると、0.3mg/mlである。生成物は溶血試験において(方法(16))活性であり、IH50値は約30μg/mlである。
実施例11 CR−1のMQ1−S253の構築、発現、精製、フォールディングおよび形成(SCR1+2+3+4)
一般論
SCR1+2をコードするプラスミドを作り、SCR3を取り込み、最後にSCR4を添加することにより2個の構築物を調製する。この2個の構築物はコンセンサスSCR1〜4およびSCR1〜4のR235H突然変異をコードする(実施例12)。
SCR4をコードするDNAをSCR1+2+3をコードする構築物(実施例2)上に添加することにより、SCR1+2+3+4コーディング単位を含有するプラスミドを構築する。DNA操作の便宜のために、SCR4の前のリンカー領域をコードするDNAの前のSCR3の最後の17個のアミノ酸をコードするDNAを合成することにより、SCR4DNAコーディング単位を形成する。このDNAはSCR4の前のリンカー領域をコードするDNAの前の成熟CR−1のT175に対応するSCR1+2+3コーディング構築物のSpeI部位で始まり、2個の停止コドンおよびHindIII部位の前のS253に対応するコドンで終わる。前の構築物に関して、SCR4をコードするDNAを、実施例1において既に記載したように最適化したコドンの使用および制限部位に関して変更する。DNAのこの単位を、SCR1+2+3+4をコードする構築物を得るためにあらかじめSpeIおよびHindIIIで切断したSCR1+2+3をコードするプラスミドと結紮する。
(a) SCR1+2+3+4をコードするプラスミドpDB1018の構築
独特の方法で、オリゴヌクレオチドの対間の相補的な8bp突出部を介して結紮できる68〜90merの3個の相補的対としてオリゴヌクレオチド(第1表;SCR4をコードするoligo21〜26)を合成する。オリゴヌクレオチドの3個の相補的対をペアE(oligo21、22)、ペアF(oligo23、24)およびペアG(oligo25、26)で表わす。遺伝子の5'末端に対応するペアEは、SpeI制限部位突出部を含有し、ペアGは、3'末端にHindIII制限部位突出部を含有する。22および24以外の全てのオリゴヌクレオチドを変性ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動と、それに続く逆相クロマトグラフィー(C18)により精製する。オリゴヌクレオチド22、23、24および25を、その相補的オリゴヌクレオチドとアニールする前に、キナーゼ処理する。オリゴヌクレオチドをペアEをペアFとペアGと結紮して、SCR4の一部およびSCR4の全部をコードする遺伝子(本明細書において以下簡便のためにSCR4遺伝子と称する)を形成する。
SCR4をコードするDNAを、まず2本鎖DNAと相補的な2個のオリゴヌクレオチド(第1表;oligo17および18)を用いてPCRにより増幅する。オリゴヌクレオチドは両方とも遺伝子に相補的な18bpの前のSpeI(oligo17)またはHindIII(oligo18)制限部位のいずれかの配列の前の6bpのランダム配列を含有するを含有する5'アンマッチ末端を含有する。PCR後、約250bpのバンドを水平アガロースゲル電気泳動で視覚化し、切断し、DEAE NA45膜上で精製する。このDNAを、その5'末端(第1表;oligo19、oligo20)で4個のヌクレオチドにより内側に予め移動させたプライマーを用いた第二のPCR増幅に用いる。これらのoligoはSpeIおよびHindIII制限部位を含有するが、各制限部位の末端以降には2個のヌクレオチドしか含まない。PCRの後、約250bpのバンドを水平アガロースゲル電気泳動で視覚化する。このバンドを切断し、QIAEXアガロースゲル抽出キットを用いて精製する。
SCR4に関するDNAをキナーゼ処理の後それ自身と平滑末端で結紮する。形成されたマルチマーを水平アガロースゲル電気泳動で視覚化し、バンドを切断し、QIAEXアガロースゲル抽出キットを用いて精製する。DNAを次にSpeIおよびHindIIIで切断し、予め同じ酵素で切断したpDB1013−5−4中に結紮して、pDB1018を得る(第3図)。ベクターを塩化カルシウムでコンピテントとしたイー・コリHB101中に形質転換する。ミニプラスミド調製物を得、プラスミドDNAを、NdeI、HindIII、StuI、SpeIおよびKpnIでの消化により分析する。正しい制限地図を有するプラスミドをSCR4をコードする遺伝子中の両鎖のDNA配列決定により分析する。2つのプラスミドをさらに研究するために選択する。MQ1−S253(コンセンサスSCR1〜4)をコードするpDB1018−1およびMQ1−S253のR235H突然変異をコードするpDB1018−6である。pDB1018−1およびpDB1018−6によりコードされる2個のポリペプチドのアミノ酸配列を第2表に示す。
最初の残基をATG開始コドンのAとすると、DNA配列決定により、pDB1018−6の残基600がGからAに変わっていることがわかる。これはサイレント突然変異であり、この位置でのアミノ酸を変更しない。
(b) pDB1018−1からのMQ1−S253の発現
実施例11aに記載したようにして構築したpDB1018−1を塩化カルシウムコンピテントイー・コリBL21(DE3)中に形質転換する。1つのコロニーを10mlのNCYZM培地および75μg/mlアンピシリンを含有する万能緩衝液中に接種し、一夜37℃、230rpmで増殖させる。3mlの一夜培養物用いて500mlのNCYZM培地、150μg/mlアンピシリンを入れた8個の各2Lのコニカルフラスコに接種し、培養物を37℃、230rpmでA600が0.5吸光単位になるまで増殖させる。培養物を1mM IPTGで誘起し、同じ条件下で更に3時間増殖させる。培養物を遠心分離し(約7000g/10分/4℃)、上清を捨てる。細胞ペレットを−40℃で貯蔵する。
(c) 可溶化封入体の単離
実施例11bに記載したようにして調製したイー・コリBL21(DE3)(pDB1018−1)(1リットル培養物に等しい)凍結細胞ペレットを0〜4℃で2時間かけて凍結させる。ペレットを50mM Tris/50mM NaCl/1mM EDTA/1.0mM PMSF pH8.0中に懸濁させる(ペレット1リットルにつき30ml)。各懸濁液を100mlガラス製ビーカーに移し、超音波処理する(ヒート・システム−ウルトラソニックW380;70ワット、50×50%パルス、パルス時間=5秒)。超音波処理物をプールし、ただちに遠心分離し(6,000g/4℃/10分)、上清を捨てる。封入体を含有するペレットを20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノール/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.5(400ml)中に再懸濁させ、室温(約23℃)で1時間静置する。
(d) 可溶化封入体からのMQ1−S253の精製
脱イオン化水で洗浄し、吸引乾燥した30mlのS−セファロースFFを実施例11cに記載した封入体溶液に添加し、30秒間激しく震盪する。S−セファロース混合物を室温(23℃)で1.5時間静置し、次に上清を捨てる。残存するスラリーをカラム(内径4.1cm)に充填する。カラムを20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノール/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.5を用いて60cm/時、4℃で平衡化する。MQ1−S253蛋白質を1M NaClを含有する平衡緩衝液を用いて溶出する。クロマトグラフィー中に集めたフラクションのSDS PAGE/蛋白質染色による分析から、実質的にすべての目的蛋白質がカラムに吸着され、1M NaCl洗浄により解離されることがわかる。適切なフラクションを−40℃で貯蔵する。
(e) フォールディングおよび配合
モル消衰係数25000および50mM蟻酸中で測定したA280値に基づいて、実施例11dに記載したようにしてS−セファロース精製したフォールドしていない蛋白質60mgを以下のようにしてフォールドし、配合する:
8.0mlの溶液(蛋白質60mgに相当)を22mlの冷20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノール/1M NaCl/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.5で希釈して、30mlの2.0mg/ml溶液を得る。30mlを一定速度で撹拌しながら930mlの新たに調製した冷(0〜4℃)20mMエタノールアミン中に速やかに希釈する。溶液を0〜4℃で1時間静置する。還元グルタチオンを1mMになるように添加し(9.6mlの100mMストックの添加による)、酸化グルタチオンを0.5mMになるように添加する(9.6mlの50mMストックの添加による)。溶液を0〜4℃でさらに48時間静置し、次に撹拌細胞(アミコン)およびYM10膜(アミコン、表示値10,000Da分子量カットオフ)を用いて限外濾過して約29mlとする。この限外濾過残存物をセファデクスG25(内径26mm;高さ245nm Vt123ml)および流速50cm/時を用いて緩衝液交換して、最終容積を40mlにする。蛋白質に関するモル消衰係数25,000を用いて、51mgの蛋白質を回収する。精製した蛋白質のIH50値(方法(xvi)参照)は約2μg/mlである。
(f) SCR1+2+3+4の精製および配合
基本的に実施例11eに記載したようにして調製した50mM蟻酸中フォールドしたSCR1+2+3+4(表示値25mg)を凍結乾燥する。凍結乾燥物を20mMエタノールアミン(10ml)中に再溶解して、白濁溶液を得る。10mlを次に90mlの0.1mM NaH2PO4/1M(NH42SO4 pH7.0に添加し、よく混合し、遠心分離(4000rpm/20分)により清澄化する。上清(100ml)を傾瀉し、ブチルトーヨーパール上でクロマトグラフィーに付す(実施例3dにおいてSCR1+2+3に関して記載したのと全く同じ)。100%の1M NaCl含有緩衝液で溶出するピークA280フラクションをプールし、セファデクスG25をもちいて50mM蟻酸中に緩衝液交換する。Voプール(29.5ml)を分割して凍結乾燥する。
蛋白質の純度をSDS PAGE、続いて蛋白質染色およびC8逆相HPLCにより調べると、蛋白質の純度は>95%と測定される。凍結乾燥したアリコートの一つを0.1M Hepes/0.15M NaCl pH7.4中4mg蛋白質/mlとなるように再溶解する。生成物は、溶血試験(方法(xvi))において活性を示し、IH50の計算値は0.3μg/mlである。
他の凍結乾燥したアリコートを調べてジスルフィドブリッジパターンを蛋白溶解消化およびアミノ酸配列決定によるペプチド同定を用いて決定する。8個の正しいジスルフィド結合(コンセンサスSCRモチーフに基づいて予想される)が全て検出される。
実施例12 精製MQ1−S253(R235H)の発現、単離、フォールディングおよび処方
(a) MQ1−S253(R235H)の発現
pDB1018−6(実施例11aに記載したとおりに調製)を塩化カルシウムコンピテントイー・コリBL21(DE3)中に形質転換する。1つのコロニーを10mlのNCYZM培地および50μg/mlアンピシリンを含有する万能緩衝液中に接種し、一夜37℃、220rpmで増殖させる。一夜培養物(約3ml)を500mlのNCYZM培地、150μg/mlのアンピシリンを入れた各2Lのコニカルフラスコに接種するのに用い、培養物を37℃、220rpmでA600が0.5吸光単位になるまで増殖させる。培養物を1mM IPTGで誘起し、同じ条件下で更に3時間増殖させる。培養物を遠心分離し(約8000g/10分/4℃)、上清を捨てる。細胞ペレットを−40℃で貯蔵する。
(b) 可溶化封入体の単離および未フォールドMQ1−S253(R235H)の精製
実施例12aに記載したイー・コリBL21(DE3)(pDB1018−6)(2リットル培養物)凍結細胞ペレットを4℃で2時間解凍し、次に50mM Tris/50mM NaCl/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.0(66ml)中に再懸濁させる。懸濁液を250mlガラス製ビーカーに移し、超音波処理する(ヒート・システム−ウルトラソニックW380;70ワット、30×50%パルス、パルス時間=5秒)。超音波処理物をただちに遠心分離し(6000g/4℃/10分)、上清を捨てる。封入体を含有するペレットを20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノール/1mM EDTA/0.1mM PMSF pH8.5(200ml)中に激しく撹拌しながら再懸濁させ、室温(約23℃)で1.5時間静置する。水洗し、吸引乾燥したS−セファロース(約25mlの充填したゲルベッドに相当)を200mlの可溶化封入体に添加し、混合物を激しく撹拌してセファロースビーズをよく湿らせる。混合物を室温で1.5時間静置する。上清(約150ml)を傾瀉して捨てる。残存するスラリーを撹拌により再懸濁させて均質な懸濁液にし、32mm(内径)のガラスジャケット中に注ぎ、沈殿させる。ゲルベッドを低圧クロマトグラフィーシステムに結合し、20mM Tris/8M尿素/1mM EDTA/50mM 2−メルカプトエタノールpH8.5を用いて4℃でA280ベースラインが安定化するまで平衡化する。カラムを次に1M NaClを含有する平衡緩衝液で展開する。全てのクロマトフィーは約1ml/分である。クロマトグラフィー中に集めたフラクションのSDS PAGE/蛋白質染色による分析から、大部分のMQ1−S253(R235H)ポリペプチドがカラムに吸着され、1M NaCl含有緩衝液での洗浄により解離され、物質の純度は約90%である。
サンプルのプールを50mM蟻酸中にセファデクスG25カラムを用いて緩衝液交換して、いくつかの検定を行う。
MQ1−S253(R235H)含有フラクションのプールのアミノ酸分析によると、総蛋白質含量は約120mgである。
(c) SCR1+2+3(R235H)のフォールディングおよび配合
50mM蟻酸中の蛋白質に関するA280値およびモル消衰係数25,000に基づいて、実施例12bに記載したS−セファロースで精製したフォールドしていない蛋白質20mgを以下のようにしてフォールドし、処方する:
5.2mlの蛋白質溶液(20mgに相当)を4.8mlの冷20mM Tris/8M尿素/50mM 2−メルカプトエタノール/1M NaCl pH8.5で希釈して、10mlの2.0mg/ml溶液を得る。
10mlを一定速度で撹拌しながら310mlの新たに調製した冷(0〜4℃)20mMエタノールアミン中に速やかに希釈する。溶液を0〜4℃で1時間静置する。還元グルタチオンを1mMになるように添加する(2.56mlの125mM GSHの添加による)。つぎに酸化グルタチオンを0.5mMになるように添加する(3.2mlの50mM GSSGの添加による)。溶液を冷所(2〜3℃まで)でさらに48時間静置する。溶液を次に、撹拌細胞およびYM10膜(表示値10,000Da分子量カットオフ)を用いて限外濾過して約2mlとする。溶液は透明である。限外濾過細胞を約2mlの20mMエタノールアミンで洗浄し、洗浄液および限外濾過残存物をプールして最終溶液を3.7mlとする。
2.2mlのこの溶液ををセファデクスG25(PD10)を用いて3.2mlの50mM蟻酸中に緩衝液交換する。緩衝液交換した物質を生成物とみなし、−40℃で貯蔵する。生成物のアリコートの分析によると、これは1.6mg/mlの蛋白質を含有し、非還元条件下でのSDS PAGEによる分析からMr〜28,000の1本の主なバンドが存在し、バンド(MQXNAPE)のN−末端配列決定は予想される配列と一致する。さらに、調製物のIH50値(方法(xvi)参照)は約1μg/mlである。
図面の説明
第1図プラスミドpBROC413。blaはアンピシリン耐性遺伝子を表わし、φ10はT7 RNAポリメラーゼプロモーターおよびrbsはリボソーム結合部位を表わす。φ10およびblaに関する矢印は翻訳の方向を示す。ポリリンカー部位を示す。プラスミドは一定比率に合わせて描かれておらず寸法はおよそである。
第2図は、pDB1010−D11およびpBROC435からのSCR1+2+3をコードするプラスミドpDB1013−5−4の構築を示す。プラスミドの大きさはおよそであり、一定比率に合わせて描かれていない。
第3図は、SCR1+2+3をコードするpDB1018のpDB1013−5−4からの構築を示す。プラスミドの大きさはおよそであり、一定比率にに合わせて描かれていない。
実施例または一般的方法における引例
1. チェン.ジイ・エフおよびイノウエ・エム(Chen G-FおよびInouye M.(1990).Suppression of the negative effect of minor arginine codons on gene expression;preferential usage of minor codons within the first 25codons of the E.coli genes.ヌクレイック・アシッド・リサーチ(Nuc. Acids. Res.)18(6):1465-1473.
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第1表
OLIGO 1=配列番号:1
OLIGO 2=配列番号:2
OLIGO 3=配列番号:3
OLIGO 4=配列番号:4
OLIGO 5=配列番号:5
OLIGO 6=配列番号:6
OLIGO 7=配列番号:7
OLIGO 8=配列番号:8
OLIGO 9=配列番号:9
OLIGO 10=配列番号:10
OLIGO 11=配列番号:11
OLIGO 12=配列番号:12
OLIGO 13=配列番号:13
OLIGO 14=配列番号:14
OLIGO 15=配列番号:15
OLIGO 16=配列番号:16
OLIGO 17=配列番号:17
OLIGO 18=配列番号:18
OLIGO 19=配列番号:19
OLIGO 20=配列番号:20
OLIGO 21=配列番号:21
OLIGO 22=配列番号:22
OLIGO 23=配列番号:23
OLIGO 24=配列番号:24
OLIGO 25=配列番号:25
OLIGO 26=配列番号:26
第2表 cDNA構築物から得られるアミノ酸配列
実施例の蛋白質から得られる全配列は以下のとおりである:
CR1のMQ→K196は配列番号:27
CR1のMR122→K196は配列番号:28
CR1のMQ1−S253は配列番号:29
CR1のMQ1−S253のR235H突然変異体は配列番号:30
CR1のMR122−S253は配列番号:31
配列表
(1)一般情報
(i)出願人:スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー
(ii)発明の名称:新規化合物
(iii)配列の数:31
(iv)連絡先
(A)受取人:スミスクライン・ビーチャム・コーポレート・パテンツ(SmithKline Beecham Corporate Patents)
(B)通り名:グレートバーグ,ユー・トリー・ボトム・ロード
(C)都市名:エプソン
(D)州名:サリー州
(E)国名:英国
(F)郵便番号:KT18 5XQ
(v)コンピューター・リーダブル・フォーム
(A)媒体型:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC コンパティブル
(C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウェアー:パテントイン・リリース#1.0、バージョン#1.25
(vi)現出願データ
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類:
(viii)代理人情報
(A)名称:バレンチノ,ジル・ビー
(B)登録番号:G.A.26758
(C)レファレンス番号:P30423
(ix)電話連絡情報:
(A)電話:0737364158
(2)配列番号:1についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:87塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:1:
Figure 0003939747
(2)配列番号:2についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:93塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:2:
Figure 0003939747
(2)配列番号:3についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:101塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:3:
Figure 0003939747
(2)配列番号:4についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:101塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:4:
Figure 0003939747
(2)配列番号:5についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:101塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:5:
Figure 0003939747
(2)配列番号:6についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:101塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:6:
Figure 0003939747
(2)配列番号:7についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:94塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:7:
Figure 0003939747
(2)配列番号:8についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:90塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:8:
Figure 0003939747
(2)配列番号:9についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:72塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:9:
Figure 0003939747
(2)配列番号:10についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:78塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:10:
Figure 0003939747
(2)配列番号:11についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:85塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:11:
Figure 0003939747
(2)配列番号:12についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:85塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:12:
Figure 0003939747
(2)配列番号:13についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:79塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:13
Figure 0003939747
(2)配列番号:14についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:75塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:14:
Figure 0003939747
(2)配列番号:15についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:30塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:15:
Figure 0003939747
(2)配列番号:16についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:30塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:16:
Figure 0003939747
(2)配列番号:17についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:30塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:17:
Figure 0003939747
(2)配列番号:18についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:30塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:18:
Figure 0003939747
(2)配列番号:19についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:32塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:19:
Figure 0003939747
(2)配列番号:20についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:33塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:20:
Figure 0003939747
(2)配列番号:21についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:81塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:21:
Figure 0003939747
(2)配列番号:22についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:85塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:22:
Figure 0003939747
(2)配列番号:23についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:90塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:23:
Figure 0003939747
(2)配列番号:24についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:90塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:24:
Figure 0003939747
(2)配列番号:25についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:72塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:25:
Figure 0003939747
(2)配列番号:26についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:68塩基対
(B)配列の型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:DNA
(xi)配列の記載:配列番号:26:
Figure 0003939747
(2)配列番号:27についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:197アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(v)フラグメントの型:N−末端
(xi)配列の記載:配列番号:27:
Figure 0003939747
Figure 0003939747
(2)配列番号:28についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:76アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(v)フラグメントの型:内部
(xi)配列の記載:配列番号:28:
Figure 0003939747
(2)配列番号:29についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:254アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(v)フラグメントの型:N−末端
(xi)配列の記載:配列番号:29:
Figure 0003939747
Figure 0003939747
(2)配列番号:30についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:254アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(v)フラグメントの型:N−末端
(xi)配列の記載:配列番号:30:
Figure 0003939747
Figure 0003939747
(2)配列番号:31についての情報
(i)配列の特徴:
(A)配列の長さ:133アミノ酸
(B)配列の型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)分子の型:ペプチド
(xi)配列の記載:配列番号:31:
Figure 0003939747

Claims (10)

  1. CR1の唯一の構造的および機能的に完全なSCR領域として、順番に並んだ、長相同性繰り返し配列A(LHR−A)のSCR1、2および3から選択される1〜3個の短コンセンサス繰り返し配列(SCR)からなり、少なくともSCR3を含み、ここに、SCR1、2および3は、各々、成熟CR1の残基2〜58、63〜120および125〜191から成る、ことを特徴とする可溶性ポリペプチド。
  2. CR1の唯一の構造的および機能的に完全なSCR領域として、順番に並んだ、LHR−AのSCR1、2および3からなる請求項1記載のポリペプチド。
  3. 式(I):
    NH2-V1-SCR1-W1-SCR2-X1-SCR3-Y1-OH (I)
    [式中、SCR1は成熟CR1の2〜58残基を表わし、SCR2は成熟CR1の63〜120残基を表わし、SCR3は成熟CR1の125〜191残基を表わし、V1、W1、X1およびY1は結合または長さが1〜5残基であってCR1中の天然のインタードメイン配列由来のアミノ酸の短結合配列を意味する]
    で示される請求項2記載のポリペプチド。
  4. 式(III):
    NH2-X3-SCR3-Y3-OH (III)
    [式中、SCR3は請求項3で定義したとおり、X3およびY3は結合または長さが1〜5残基のCR1中の天然のインタードメイン配列由来のアミノ酸の短結合配列を意味する]
    で示される請求項1記載のポリペプチド。
  5. 配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番号:30または配列番号:31で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチド。
  6. 請求項1に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列からなるDNAポリマー。
  7. 宿主細胞中、請求項6のDNAポリマーの発現能を有する複製可能な発現ベクター。
  8. 請求項7の複製可能な発現ベクターで形質転換した宿主細胞。
  9. 組換え型宿主細胞中、該ポリペプチドをコードするDNAを発現し、生成物を回収することからなる請求項1に記載のCR1ポリペプチドの製法。
  10. 有効な治療物質として用いるための請求項1記載のポリペプチド。
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