JP3939662B2 - データ圧縮方法、および、データ復元方法 - Google Patents

データ圧縮方法、および、データ復元方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の多量の圧縮した圧縮画像データを記録する、例えば画像データベース等の圧縮画像記録装置、およびそれに用いる圧縮画像記録方法に関するもので、JPEG等の圧縮画像ファイルをより少ない記録容量の圧縮画像記録再生装置で記録画像量を増加できる圧縮画像記録装置、および圧縮画像記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、静止画像圧縮符号化の国際標準で、画像の圧縮に用いられているJPEG(ISO/IEC 10918-1 Digital compression and coding of continuous-tone still images)フォーマットでは、圧縮のための符号化の時に用いられるハフマンテーブルおよび量子化テーブルは圧縮データと結合されていた。その場合の圧縮および復元の方法は、例えば図5にブロック図により示される圧縮画像記録装置により実行される。
【0003】
上記圧縮および復元の方法では、図5に示すように、元画像情報が元画像入力部1から入力され、上記の元画像情報に対しDCT(Discrete Cosine Transform)部2にてDCT変換を行い、続いて、量子化部3において量子化テーブルを用いた量子化を行った後、ハフマン符号化部4にてハフマンテーブルを用いたハフマン符号化をし、ヘッダー情報および量子化・ハフマンテーブルをヘッダーテーブル付加部5により付加して、JPEGフォーマットとした圧縮画像データ6を作成し、圧縮画像ファイルとして、記録部7に記録していた。
【0004】
圧縮画像データ6を復元するときは、ヘッダー等解析部8によりヘッダー等の解析をし、ハフマン復号化部9・逆量子化部10・逆DCT部11により復元画像データを得て、復元画像出力部12から出力していた。
【0005】
このとき、JPEGフォーマットの圧縮画像ファイルを取り出すだけであれば、記録部7から圧縮画像ファイルを再生画像出力部13から読み出せばよい。この方法では個々の圧縮画像ファイルにハフマンテーブルおよび量子化テーブルが付随しファイルサイズを大きくしていた。
【0006】
この問題を解決する手法として、日本国特許第3156468号公報に開示されているように、量子化テーブルとハフマンテーブルをパターン化しID番号を割り振り、それぞれの圧縮画像ファイルごとにID番号を保持させることにより符号化に用いられた量子化テーブルとハフマンテーブルを指定する方法が知られている。
【0007】
その場合の圧縮および復元の方法は、図6にブロック図にて示された圧縮画像記録装置により実行される。ここで、元画像入力部14からの元画像データに対してDCT変換部15によりDCT変換を行い、その変換結果に対して複数の量子化テーブルからなる量子化テーブル群を格納する量子化テーブル格納部16からIDで選択された量子化テーブルを用いて量子化部17によって量子化を行い画像データのデータサイズを縮小し、量子化されたデータを複数のハフマンテーブルからなるハフマンテーブル群を格納するハフマンテーブル格納部18からIDで選択されたハフマンテーブルで、ハフマン符号化部19により符号化して圧縮データを作成し、量子化・ハフマンテーブルのID値と圧縮データとをひとつの形式の圧縮画像データ20にまとめた上で、記録部21に記録していた。
【0008】
上記圧縮データを復元するときはハフマンテーブルのID値で指定されたハフマンテーブルをハフマンテーブル格納部18から呼び出し、用いて復号化部22によって復号化し、量子化テーブルのID値で指定された量子化テーブルを量子化テーブル格納部16から呼び出し、用いて逆量子化部23により逆量子化し、その後、IDCT部24によってDCT逆変換して、復元画像データが得られ、復元画像出力部25から出力される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、量子化テーブルにIDを割り振るため全ての量子化テーブルを画像ファイルとしての圧縮画像データとは別に管理する必要があった。そのため画像ファイルが増えると圧縮方法が多様になり、それら圧縮方法に対応して量子化テーブルが増えその量子化テーブルのデータサイズが増大して、大型化を招来している。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のデータ圧縮方法は、前期の課題を解決するために、データ圧縮のためのテーブルデータを用いて、データを圧縮するデータ圧縮装置におけるデータ圧縮方法において、圧縮に用いるための基本テーブルデータを選択する基本テーブルデータ選択ステップと、上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された上記基本テーブルデータを加工するためのパラメータ値を設定するパラメータ値設定ステップと、上記パラメータ値設定ステップにより設定された上記パラメータ値に基づいて、上記基本テーブルデータを加工する基本テーブルデータ加工ステップと、上記基本テーブルデータ加工ステップにより加工された上記基本テーブルデータを用いて、データを圧縮するデータ圧縮ステップと、上記データ圧縮ステップにより圧縮されたデータに上記パラメータ値を結合するパラメータ結合ステップとを含むことを特徴としている。
【0011】
上記データ圧縮方法では、上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された上記基本テーブルデータが、量子化テーブルであってもよい。
【0012】
上記データ圧縮方法では、圧縮の対象とされるデータが、画像データであってもよい。
【0013】
本発明のデータ復元方法は、前期の課題を解決するために、圧縮データを復元するデータ復元装置におけるデータ復元方法において、上記圧縮データは、パラメータ値に基づいて加工された基本テーブルデータを用いて圧縮され、該パラメータ値と結合して記録されており、上記圧縮データに結合して記録されているパラメータ値に基づいて、復元に用いるための基本テーブルデータを選択する基本テーブルデータ選択ステップと、上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された上記基本テーブルデータを加工するためのパラメータ値を、上記圧縮データから分離するパラメータ値分離ステップと、上記パラメータ値分離ステップにより分離された上記パラメータ値に基づいて、上記基本デーブルデータを加工する基本デーブルデータ加工ステップと、上記基本デーブルデータ加工ステップにより加工された基本テーブルデータを用いて、圧縮データを復元するデータ復元ステップとを含むことを特徴としている。
【0014】
上記データ復元方法では、上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された基本テーブルデータが、逆量子化に用いる量子化テーブルであってもよい。
【0015】
上記方法によれば、圧縮データが増えても、パラメータを用いることにより、圧縮率等を変えてテーブルデータが増えてもテーブルデータを個々の圧縮データと共に記録する必要がないため、テーブルデータの増加を抑制でき、テーブルデータのデータサイズの増大化を軽減できて、大型化を抑制できるという効果を奏する。
【0016】
また、圧縮に用いるすべてのテーブルデータを記録する必要がないことからも、記録量を抑制できるという効果を奏する。
【0017】
【実施の形態】
本発明に係る、圧縮画像記録装置、およびそれに用いる圧縮画像記録方法に関する実施の各形態について、図1ないし図4に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0018】
(実施の第一形態)
本実施の第一形態は、図1に示すように、元画像入力部26を介して外部から入力された元の画像データを圧縮画像データに圧縮して記録部36に圧縮記録し、記録した圧縮画像データを復元画像データとして再生して復元画像出力部41を介して外部に出力するシステムの例である。なお、本実施の各形態での元の画像データおよび復元画像データはメタファイル等の圧縮されていない画像データを示す。
【0019】
元の画像データが与えられると、DCT部27で元の画像データの輝度Y,色差Cb,Crごとに8ピクセル×8ピクセルのブロックごとにDCT変換され、それらDCT係数が情報量を削減した変換データとして得られる。上記変換データは、上記のブロック単位にて、量子化部28で量子化され、さらに情報量を削減した量子化データとして得られる。この量子化に用いられる量子化テーブルは、量子化テーブル作成処理部(テーブルデータ作成処理部)31で作成される量子化テーブルである。また、上記量子化部28は、例えば8ピクセル×8ピクセルのブロックを用いた場合は、64個の各DCT係数に対応する、64個の量子化器を含んでいる。
【0020】
上記の作成された量子化テーブルは、複数のIDがそれぞれ割り当てられた各基本量子化テーブルから構成される基本量子化テーブル群を格納する基本量子化テーブル格納部(基本テーブルデータ格納部)30から選択された基本量子化テーブルと、量子化パラメータを格納する量子化パラメータ格納部(パラメータ格納部)29から選択された量子化パラメータとから求めることができる。
【0021】
上記量子化テーブルを求める方法を、図2のフローチャートに基づいて説明する。ステップ1(以下、ステップをSと記す)では、元の画像データの画像の空間周波数・輝度・コントラストより選択された画質ごとに最適な基本量子化テーブルを選択する。次に、基本量子化テーブルのメンバーの位置を示す横方向位置n・縦方向位置mについて、横方向位置nを0に初期化し(S2)、縦方向位置mを0に初期化する(S3)。なお、上記の初期化の順序は逆でもよい。
【0022】
続いて、基本量子化テーブルの横方向位置n・縦方向位置mのメンバー(量子化幅)の値Cbmnに量子化パラメータ格納部29からの量子化パラメータPを乗算し、圧縮に用いる量子化テーブルの横方向位置n・縦方向位置mのメンバーの値Cmnを求める(S4)。その後、S4で計算したCnmの値が量子化テーブルのメンバーとしてとることができる最大値255を超えているか否かを判断し(S5)、超えていればCnmの値を255に設定する(S6)。
【0023】
このようにCnmの値が、S4で計算されたCnmの値、またはS6にて設定された255に設定された後、mの値をインクリメントし(S7)、その値が、8×8ブロックの場合の縦方向の最大値8を超えていなければ、再びS4に処理を移し先ほど求めた下の位置のメンバーの値を求め、超えていれば、次にS8に処理を移す。
【0024】
S8ではnの値を、上記のmと同様に0から順次インクリメントし、その値が横方向の最大値8を超えていなければ、再びS3に処理を移し先ほど求めた列に対して右列の位置のメンバーの値をそれぞれ求め、nの値が、8×8ブロックの場合の縦方向の最大値8を超えていれば、作成する量子化テーブルの全てのメンバーの値を変換したことになるので、量子化テーブル作成処理を終了する。上記量子化テーブルの各メンバーは、前記の量子化部28の各量子化器の量子化幅に対応している。
【0025】
以上の処理により、図1の量子化テーブル作成処理部31での量子化テーブル作成処理が終了し、ここで求めた量子化テーブルを用いて量子化部28で、DCT変換された変換データを量子化してデータ量が削減された量子化データが得られる。
【0026】
続いて、上記量子化データは、ハフマン符号化部32でハフマンテーブルを用いてハフマン符号化により圧縮されて、さらにデータ量が削減された圧縮データが得られる。このときに用いるハフマンテーブルは、複数のIDで選択可能なハフマンテーブルを格納しているハフマンテーブル格納部33のハフマンテーブル群の中から圧縮に適することを基準として選択される。
【0027】
最後に、圧縮情報付加部34において、量子化部28で用いられた量子化パラメータPおよび基本量子化テーブルのIDと、ハフマン符号化部32で用いたハフマンテーブルのIDとその他画素数・解像度・画像名等の画像情報と圧縮データとが互いに結合されて、記録される圧縮画像データ35が完成し、その圧縮画像データ35は、ハードディスクやメモリ等の記録部36に記録される。
【0028】
圧縮画像データ35から復元画像を復元するときは次の手順となる。記録部36より圧縮画像データ35が選択された後、圧縮情報解析部37で記録時に画像データに結合した量子化パラメータ・基本量子化テーブルのID・ハフマンテーブルのIDとその他画素数・解像度・画像名等の画像情報を解析し、以降の処理ブロックの情報とする。ハフマン復号化部38ではハフマンテーブルのIDでハフマンテーブル格納部33のハフマンテーブル群から選ばれたハフマンテーブルを用いてハフマン復号する。
【0029】
次に、量子化パラメータと基本量子化テーブルのIDに基づき、基本量子化テーブル格納部30の基本量子化テーブル群から選ばれた基本量子化テーブルを用いて、記録時と同様に、量子化テーブル作成処理部31の処理を実行し記録時に用いた量子化テーブルを求め、その量子化テーブルを用いて逆量子化部39により逆量子化する。次に、IDCT部40で逆DCT変換することにより、元の画像データにほぼ同等な復元画像データを得ることができ、復元画像出力部41から外部へ出力できる。
【0030】
上記圧縮画像記録装置および圧縮画像記録方法は、元の画像データ(画像ファイル)が増えても、量子化テーブルを圧縮画像データと共に記録するのではなく、量子化パラメータのみを上記圧縮画像データと共に記録して用いることにより、基本量子化テーブルから種々な量子化テーブルを上記量子化パラメータによって作成できるから、量子化テーブル数の増加を抑制でき、量子化テーブルのデータサイズの増大化を軽減できる。
【0031】
(実施の第二形態)
本発明の実施の第二形態を図3および図4に従って説明する。本実施の第二形態は、JPEG画像データを記録部54に記録し、記録したデータをJPEG画像データとして再生するシステムの例である。
【0032】
JPEG画像入力部42からJPEG画像データが外部から与えられると、量子化テーブル解析部(テーブルデータ解析部、圧縮画像データ作成部)43での量子化テーブル解析によりJPEG画像データの量子化テーブルを抽出して抽出量子化テーブルを得る。
【0033】
一方、基本量子化テーブル格納部45に格納された基本量子化テーブル群の各基本量子化テーブルと量子化パラメータ格納部44からの量子化パラメータとにより、比較量子化テーブルを量子化テーブル作成処理部46にて作成する。
【0034】
上記の比較量子化テーブルと、JPEG画像データからの抽出量子化テーブルとを互いに比較することにより、上記抽出量子化テーブルを解析する。その解析方法を図4のフローチャートで説明する。
【0035】
上記解析方法においては、JPEG画像データの抽出量子化テーブルと比較する基本量子化テーブル格納部45にある各基本量子化テーブルのIDを、例えば最初の0に初期化する(S9)。すなわち,以下のS10では、IDに示す基本量子化テーブルを用いることになる。続いて、横方向位置・縦方向位置とも0番目の基本量子化テーブルのCb00をJPEG画像データの量子化テーブルの値Cd00を割ることにより量子化パラメータPを求める(S10)。
【0036】
次に、比較する基本量子化テーブルのメンバーの位置を示す横方向位置n・縦方向位置mについて、まず、横方向位置nを、例えば0に初期化し(S11)、縦方向位置mを、例えば0に初期化する(S12)。上記初期化の順序は逆でもよい。
【0037】
その後、基本量子化テーブルの横方向位置n・縦方向位置mのメンバーの値Cbmnに量子化パラメータ格納部44からの量子化パラメータPを乗算し比較のために作成する比較量子化テーブルの横方向位置n・縦方向位置mのメンバーの値Cmnを求める(S13)。
【0038】
次に、上記メンバーの値Cmnが、量子化テーブルのメンバーとしてとることができる最大値255を超えているか判断し(S14)、超えていればCnmの値を255とする(S15)。S16はS14またはS15で求めた各CnmとJPEG画像データの抽出量子化テーブルの横方向位置n・縦方向位置mのメンバーの値Cdnmの値を比較し(S16)、一致すれば次の量子化テーブルメンバーと比較するためS17に処理を移し、一致しなければ別の基本量子化テーブルと比較するためS19に処理を移す。
【0039】
S17ではmの値をインクリメントしその値が縦方向の最大値8を超えていなければ、再びS13に処理を移し先ほど求めた下の位置のメンバーの値を求め、超えていればS18に処理を移す。S18ではnの値をインクリメントしその値が横方向の最大値8を超えていなければ、再びS12に処理を移し先ほど求めた右列の位置のメンバーの値を求め、超えていればすべてのメンバーの値が一致したことになるので今回比較した量子化パラメータと量子化テーブルのIDでJPEG画像データの量子化テーブルが作成可能としてこの処理を終了する。
【0040】
S16での比較結果が異なっていれば、S19で次の基本量子化テーブルと比較するためIDの値をインクリメントし、S20およびS19でインクリメントしたIDが基本量子化テーブルにあるかどうか判断し、もしあればS10に処理を戻し、インクリメントしたIDの値の基本量子化テーブルと再度比較し、なければすべての基本量子化テーブルを比較したことになるのでJPEG画像データの量子化テーブルは作成不可能としてこの処理を終了する。
【0041】
以上の処理で図3の量子化テーブル解析部43での量子化テーブル解析が終了し(S11からS18が量子化テーブル作成処理部46での各処理に当たる)、量子化パラメータと量子化テーブルのIDで、入力されたJPEG画像データの量子化テーブルが作成可能と判断したときはハフマン比較部(圧縮画像データ作成部)47に処理を移し、不可能な時(NG)はJPEG画像データを、そのままの状態で圧縮画像データ53として記録部54に記録する。
【0042】
ハフマン比較部47では、入力されたJPEG画像データから抽出されたハフマンテーブルと、ハフマンテーブル格納部48のハフマンテーブル群の各ハフマンテーブルとをそれぞれ互いに比較し同一のものがあるか調べる。同一のものがある場合はそのハフマンテーブルのID値を記録しヘッダー比較部(圧縮画像データ作成部)49に処理を移し、無い場合(NG)はJPEG画像データの状態で圧縮画像データ53として記録部54に記録する。
【0043】
ヘッダー比較部49ではJPEG画像データのヘッダーと、ヘッダー格納部50のヘッダー群の各ヘッダーとをそれぞれ互いに比較し同一のものがあるか調べる。同一のものがある場合はそのヘッダーのID値を記録し圧縮データ付加部51に処理を移し、無い場合(NG)はJPEG画像データの状態で圧縮画像データ53として記録部54に記録する。
【0044】
圧縮データ付加部51ではJPEG画像データの圧縮画像データを抽出し、それに量子化テーブル解析部43で求めた量子化パラメータと量子化基本テーブルのID・ハフマン比較部47で求めたハフマンテーブルID・ヘッダー比較部49で求めたヘッダーIDとその他画素数・解像度・画像名等の画像情報をひとつにまとめ圧縮画像データ52にまとめる。圧縮画像データ52は記録部54に記録される。
【0045】
以上の処理で量子化テーブル等が除かれた圧縮画像データ52とJPEG画像の状態の圧縮画像データ53とが記録部54に混在してそれぞれ記録されることになる。画像を復元するときは次の手順となる。
【0046】
記録部54より、各圧縮画像データ52・53が選択された後、圧縮情報解析部55で選択された圧縮画像データは解析され、選択された圧縮画像データがJPEG画像の状態で保存された圧縮画像データ53の時はその圧縮画像データ53をJPEG画像データとしてJPEG画像出力部59を介して出力する。
【0047】
一方、量子化テーブル等が除かれた圧縮画像データ52で保存されたデータの時は量子化パラメータ・量子化基本テーブルのID・ハフマンテーブルID・ヘッダーID・その他画素数・解像度・画像名等を抽出し、ハフマン付加部56、量子化テーブル付加部57、ヘッダー付加部58での各処理にその情報を順次付加して渡す。
【0048】
すなわち、ハフマン付加部56ではハフマンテーブルのIDでハフマンテーブル格納部48からのハフマンテーブル群からハフマンテーブルを選び圧縮画像データに結合させる。
【0049】
次に、量子化パラメータと基本量子化テーブルのIDで基本量子化テーブル群から選ばれた基本量子化テーブルを用いて記録時で比較した手法を用いて量子化テーブル作成処理部46の処理を実行し量子化テーブルを求め、量子化テーブル付加部57で圧縮画像データに結合させる。
【0050】
最後に、ヘッダー付加部58でヘッダー格納部50のヘッダー群からヘッダーを選び画像データに結合させその他他画素数・解像度・画像名等も結合すると、JPEG画像データを復元して得ることができる。
【0051】
このように本実施の第二形態においても、量子化テーブルを上記圧縮画像データと共に記録するのではなく、量子化パラメータのみを上記圧縮画像データと共に記録して用いることにより、基本量子化テーブルから種々な量子化テーブルを上記量子化パラメータによって作成できるから、量子化テーブル数の増加を抑制でき、量子化テーブルのデータサイズの増大化を軽減できる。
【0052】
表1にJPEGデータに対して本発明を実施すると画像サイズを示す。本方式を実施することにより600バイト以上削減されていることがわかる。表1の場合約8%削減されているが、この比率はJPEG画像のサイズが小さくなれば大きくなり、JPEG画像のサイズが大きくなれば小さくなる。そのため、画像サイズが小さいファイルを多く含むデータに本発明を適用すれば、効果は大きくなる。
【0053】
【表1】
Figure 0003939662
【0054】
本発明の圧縮画像記録方法に用いた方法や手順は、例えば、コンピュータにて読み取り、実行可能なソフトウェア(プログラム)として実現可能であることは明らかである。また、上記ソフトウェアを、それが記録された記録媒体(例えば、フレキシブルディスクや、CD、DVD等)として、市場に流通可能なことは容易に理解されるであろう。
【0055】
本発明の圧縮画像記録方法は、複数の画像データを圧縮のためのテーブルデータを用い圧縮した圧縮データの状態で記録し、記録した圧縮データから圧縮のためのテーブルデータを用いて画像データを生成する圧縮画像記録方法において、パラメータ値から算出可能な圧縮のためのテーブルデータを用いて画像の圧縮データを作成し、記録する時は個々の画像の圧縮データと圧縮のテーブルデータを作成したパラメータ値を記録し、記録された圧縮データを再生する時は、記録されているパラメータ値から圧縮のためのテーブルデータを作成し、作成された圧縮のためのテーブルデータと記録されている圧縮データを用いて画像を復元することを特徴としている。
【0056】
上記方法によれば、画像データを復元する時の逆量子化などの時に用いる量子化テーブルといった、圧縮のためのテーブルデータを個々の画像ファイルである圧縮データと共に記録されているパラメータ値より求め、そのテーブルデータを用いて画像データを復元できる。
【0057】
これにより、上記方法は、圧縮データとしての画像ファイルが増えても、パラメータを用いることにより、圧縮率等を変えて量子化テーブル等のテーブルデータが増えてもテーブルデータを個々の画像データに対応する各圧縮データと共に記録する必要がないため、テーブルデータの増加を抑制でき、テーブルデータのデータサイズの増大化を軽減できて、大型化を抑制できる。
【0058】
また、上記構成では、圧縮に用いるすべての量子化テーブル等のテーブルデータを記録する必要がないことからも、記録量を抑制できる。
【0059】
本発明の他の圧縮画像記録方法は、画像データを圧縮のためのテーブルデータを用い圧縮した圧縮データと圧縮のためのテーブルデータとを備えた圧縮画像データを記録し、上記圧縮画像データを再生する圧縮画像記録方法において、パラメータ値から算出可能な圧 縮のためのテーブルデータを用いて画像データの圧縮データが作成されている場合、記録する時は個々の画像の圧縮データと圧縮のためのテーブルデータを作成したパラメータ値とを記録し、記録された圧縮データを再生する時は、記録されているパラメータ値から圧縮のためのテーブルデータを作成し、作成された圧縮のためのテーブルデータと記録されている圧縮データとを互いに結合して圧縮画像データを作成することを特徴としている。
【0060】
上記方法によれば、パラメータ値から算出可能な圧縮のためのテーブルデータを用いて画像データの圧縮データが作成されている場合、パラメータ値を圧縮データと共に記録すればよいので、圧縮画像データの記録量を低減できて、大型化を抑制できる。
【0061】
上記圧縮画像記録方法では、パラメータ値から算出可能な圧縮のためのテーブルデータが画像データ圧縮のための量子化および画像データ復元のための逆量子化に用いる量子化テーブルであることが好ましい。
【0062】
上記圧縮画像記録方法においては、基本量子化テーブルをパラメータ値により変換することにより、画像データ圧縮の量子化および画像データ復元の逆量子化に用いる量子化テーブルを決定することが望ましい。
【0063】
上記圧縮画像記録方法では、基本量子化テーブルをパラメータ値により量子化テーブルに変換する方法が、基本量子化テーブルの個々のメンバーにパラメータ値を乗算または除算し、演算結果があらかじめ決めておいた閾値を超えないとき演算結果を、演算結果が閾値を超えたときはその閾値を、量子化テーブルの個々のメンバーの値とすることにより、量子化または逆量子化に用いる量子化テーブルを決定することが好ましい。
【0064】
上記方法によれば、画像データの輝度、各色成分、さらに記録再生条件毎に種々な各量子化テーブルが必要とされているので、パラメータ値を用いることで、記録量の削減効果をさらに高めることができる。
【0065】
上記圧縮画像記録方法においては、基本量子化テーブルを複数個設定し、それぞれの基本量子化テーブルを識別する識別番号を割り振り、個々の画像ファイルごとに基本量子化テーブルの識別番号およびパラメータ値を記録し、前記の逆量子化または前記の結合データに用いる量子化テーブルを、上記識別番号より指定した基本量子化テーブルとパラメータ値とから求めてもよい。
【0066】
上記方法によれば、基本量子化テーブルを複数持たせて、種々な圧縮に対応可能な量子化テーブルの種類を増やしても、量子化テーブルの識別番号およびパラメータ値を記録することにより、記録量の大型化を抑制することが可能となる。
【0067】
上記圧縮画像記録方法では、画像データの圧縮の符号化に用いたハフマンテーブルを識別するユニークなハフマンテーブル番号を割り振り、量子化テーブルのパラメータ値およびハフマンテーブル番号と画像データの圧縮データとを記録し、前記の画像データを復元するとき、ハフマンテーブル番号から定義されたハフマンテーブルを用い、かつ、パラメータ値から算出された量子化テーブルを用いてもよい。
【0068】
上記圧縮画像記録方法においては、画像データの圧縮に用いたハフマンテーブルを識別するユニークなハフマンテーブル番号を割り振り、基本量子化テーブルの識別番号、量子化テーブルのパラメータ値およびハフマンテーブル番号と圧縮データとを記録し、前記の画像データを復元するとき、ハフマンテーブル番号から定義されたハフマンテーブルを用い、かつ、基本量子化テーブルの識別番号およびパラメータ値から算出された量子化テーブルを用いてもよい。
【0069】
上記方法によれば、ハフマンテーブルに関しても量子化テーブルと同様に、ハフマンテーブル番号をハフマンテーブルに代えて記録するため、記録量を抑制できる。
【0070】
上記圧縮画像記録方法では、記録する圧縮データに付随する付随情報の内、共通な部分に関してはデータ記録の時に記録せずに、復元の時に必要な付随情報を付加してもよい。
【0071】
上記圧縮画像記録方法においては、記録する圧縮データに付随する付随情報が複数個ある場合、付随情報を識別するユニークな付随情報識別番号を割り振り、付随情報識別番号を圧縮データと記録し、画像データを復元するときに付随識別識別番号により付随情報を付加してもよい。
【0072】
上記方法によれば、ヘッダー情報等の付随する情報についても、量子化テーブル等と同様に、付随識別情報を記録することにより、記録量を抑制できる。
【0073】
上記圧縮画像記録方法では、テーブルデータと圧縮データとを含む複数の圧縮画像データの一部の圧縮画像データにパラメータ値から算出可能なテーブルデータを用いることができない圧縮画像データがある場合、一部の圧縮画像データの記録は上記テーブルデータと圧縮データとを結合した状態で記録してもよい。
【0074】
上記方法によれば、量子化テーブル等のテーブルデータをパラメータ値で表現できない、圧縮画像データの場合にも、上記圧縮データを記録できて、対応範囲を広げることが可能となる。
【0075】
本発明の圧縮画像記録装置は、複数の画像データを圧縮のためのテーブルデータを用い圧縮した圧縮データの状態で記録し、記録した圧縮データから圧縮のためのテーブルデータを用いて画像データを生成する圧縮画像記録装置において、テーブルデータのためのパラメータ値を格納するパラメータ格納部と、上記テーブルデータをパラメータ値により算出するための基本テーブルデータを格納する基本テーブルデータ格納部と、上記パラメータ値と基本テーブルデータとを用いて、上記テーブルデータを作成するためのテーブルデータ作成処理部とを有していることを特徴としている。
【0076】
上記構成によれば、画像データの圧縮データを記録するとき、逆量子化の時に用いる量子化テーブル等のテーブルデータのパラメータ値のみ記録するので、圧縮率等を変えて量子化テーブル等のテーブルデータが増えてもテーブルデータを個々の画像データに対応する各圧縮データと共に記録する必要がないため記録量(サイズ)を縮小することが可能となり、また、圧縮に用いるすべての量子化テーブル等のテーブルデータを記録する必要がないことからも、記録量を抑制できる。
【0077】
本発明の他の圧縮画像記録装置は、複数の画像データを圧縮のためのテーブルデータを用い圧縮した圧縮データと圧縮のためのテーブルデータのパラメータとを備えた画像データを記録し、上記圧縮データを再生する圧縮画像記録装置において、パラメータ値から算出可能な圧縮のためのテーブルデータを用いて画像データの圧縮データが作成されているか否かを解析するテーブルデータ解析部と、パラメータ値から算出可能な圧縮のためのテーブルデータを用いて画像データの圧縮データが作成されているとき、圧縮データと圧縮のためのテーブルデータを作成したときのパラメータ値を記録する圧縮画像データ作成部とを有していることを特徴としている。
【0078】
上記構成によれば、圧縮のためのテーブルデータに代えてパラメータ値と圧縮データとを記録するので、記録量を抑制できる。
【0079】
【発明の効果】
本発明のデータ圧縮方法は、以上のように、圧縮に用いるための基本テーブルデータを選択する基本テーブルデータ選択ステップと、上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された上記基本テーブルデータを加工するためのパラメータ値を設定するパラメータ値設定ステップと、上記パラメータ値設定ステップにより設定された上記パラメータ値に基づいて、上記基本テーブルデータを加工する基本テーブルデータ加工ステップと、上記基本テーブルデータ加工ステップにより加工された上記基本テーブルデータを用いて、データを圧縮するデータ圧縮ステップと、上記データ圧縮ステップにより圧縮されたデータに上記パラメータ値を結合するパラメータ結合ステップとを含む方法である。
【0080】
また、本発明のデータ復元方法は、以上のように、上記圧縮データに結合して記録されているパラメータ値に基づいて、復元に用いるための基本テーブルデータを選択する基本テーブルデータ選択ステップと、上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された上記基本テーブルデータを加工するためのパラメータ値を、上記圧縮データから分離するパラメータ値分離ステップと、上記パラメータ値分離ステップにより分離された上記パラメータ値に基づいて、上記基本デーブルデータを加工する基本デーブルデータ加工ステップと、上記基本デーブルデータ加工ステップにより加工された基本テーブルデータを用いて、圧縮データを復元するデータ復元ステップとを含む方法である。
【0081】
上記方法によれば、圧縮データが増えても、パラメータを用いることにより、圧縮率等を変えてテーブルデータが増えてもテーブルデータを個々の圧縮データと共に記録する必要がないため、テーブルデータの増加を抑制でき、テーブルデータのデータサイズの増大化を軽減できて、大型化を抑制できるという効果を奏する。
【0082】
また、圧縮に用いるすべてのテーブルデータを記録する必要がないことからも、記録量を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の第一形態の圧縮画像記録装置のブロック図である。
【図2】 本発明に係る実施の第一形態における圧縮画像記録装置の圧縮画像記録方法を示すフローチャートである。
【図3】 本発明に係る実施の第二形態の圧縮画像記録装置のブロック図である。
【図4】 本発明に係る実施の第二形態における圧縮画像記録装置の圧縮画像記録方法を示すフローチャートである。
【図5】 従来の圧縮画像記録装置のブロック図である。
【図6】 従来の他の圧縮画像記録装置のブロック図である。
【符号の説明】
29 量子化パラメータ格納部(パラメータ格納部)
30 基本量子化テーブル格納部(基本テーブルデータ格納部)
31 量子化テーブル作成処理部(テーブルデータ作成処理部)
43 量子化テーブル解析部(テーブルデータ解析部、圧縮画像データ作成部)
47 ハフマン比較部(圧縮画像データ作成部)
49 ヘッダー比較部(圧縮画像データ作成部)

Claims (5)

  1. データ圧縮のためのテーブルデータを用いて、データを圧縮するデータ圧縮装置におけるデータ圧縮方法において、
    圧縮に用いるための基本テーブルデータを選択する基本テーブルデータ選択ステップと、
    上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された上記基本テーブルデータを加工するためのパラメータ値を設定するパラメータ値設定ステップと、
    上記パラメータ値設定ステップにより設定された上記パラメータ値に基づいて、上記基本テーブルデータを加工する基本テーブルデータ加工ステップと、
    上記基本テーブルデータ加工ステップにより加工された上記基本テーブルデータを用いて、データを圧縮するデータ圧縮ステップと
    上記データ圧縮ステップにより圧縮されたデータに上記パラメータ値を結合するパラメータ結合ステップとを含むことを特徴とするデータ圧縮方法。
  2. 上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された基本テーブルデータが、量子化テーブルであることを特徴とする請求項1に記載のデータ圧縮方法。
  3. 圧縮の対象とされるデータが、画像データであることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ圧縮方法。
  4. 圧縮データを復元するデータ復元装置におけるデータ復元方法において、
    上記圧縮データは、パラメータ値に基づいて加工された基本テーブルデータを用いて圧縮され、該パラメータ値と結合して記録されており、
    上記圧縮データに結合して記録されているパラメータ値に基づいて、復元に用いるための基本テーブルデータを選択する基本テーブルデータ選択ステップと、
    上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された上記基本テーブルデータを加工するためのパラメータ値を、上記圧縮データから分離するパラメータ値分離ステップと、
    上記パラメータ値分離ステップにより分離された上記パラメータ値に基づいて、上記基本デーブルデータを加工する基本デーブルデータ加工ステップと、
    上記基本デーブルデータ加工ステップにより加工された基本テーブルデータを用いて、圧縮データを復元するデータ復元ステップとを含むことを特徴とするデータ復元方法。
  5. 上記基本テーブルデータ選択ステップにより選択された基本テーブルデータが、逆量子化に用いる量子化テーブルであることを特徴とする請求項4に記載のデータ復元方法。
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