JP3939204B2 - 有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥を代表とする各種の有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素、そして硫化水素を含むガスからのメタンを高効率で分離回収することを可能にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水汚泥あるいは家畜糞尿などの各種の有機性廃棄物の消化によって発生する通常の消化ガスは、多量のメタン、二酸化炭素、そして微量の硫化水素を含んでいる。社団法人日本下水協会が発行した「下水道施設計画・設計指針と解説、後編、2001年版」には、消化ガスの成分として、メタンが60〜65%、二酸化炭素が33〜35%、硫化水素が0.02〜0.08%、水素が0〜2%、そして窒素が0〜3%(何れも、体積/体積%)というデータが記載されている。
【0003】
上記のように、消化ガスは可燃性のメタンを多量含んでいるところから、従来は、消化ガスを、硫化水素を除く処理(脱硫処理)を施した後、燃料として使用する例が多かった。従来では、この脱硫処理は、酸化鉄粉とおがくずとの混合物を利用する乾式脱硫処理あるいはアルカリ洗浄液を利用する湿式脱硫処理により行なわれてきている。
【0004】
近年、上記の消化ガスのさらなる有効利用を目的として、そのメタンを高純度で回収して、これを燃料電池の燃料源とする研究が進んでいる。
【0005】
特開平9−29295号公報には、消化ガスをアルカリ水で洗浄することにより脱硫・脱炭酸処理を行なって精製した消化ガスを燃料電池に用いることが提案されている。
【0006】
特開2001−23677号公報には、消化ガス中の硫化水素などの酸化ガスを除去する前処理を行なった後、炭酸カリウム水溶液あるいはアルカノールアミン水溶液などのアルカリ水で洗浄することにより脱硫・脱炭酸処理を行なって精製した消化ガスを燃料電池発電システムに利用することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、消化ガス中のメタンの有効利用を目指して、多くの研究がなされているが、本願の発明者の見解によれば、これまでに知られている消化ガスの精製方法は、その工業規模での実施についてはいくつかの問題点がある。まず第一には、これまで知られている消化ガスの精製システムでは、消化ガスから二酸化炭素と硫化水素の両者を効率よく除去することが難しいという問題がある。前者の特開平9−29295号公報には、消化ガスをアルカリ水で洗浄することにより脱硫・脱炭酸処理を行なう旨の記載があるが、アルカリ水は殆ど硫化水素を吸収しないので、その硫化水素の除去は充分には行なえない。従って、後者の特開2001−23677号公報の精製方法では、硫化水素を予め前処理で除去した後、二酸化炭素をアルカリ水で吸収固定する方法を採用している。そして、第二には、炭酸カリウムやアルカノールアミンなどのアルカリは、人体への刺激が強いため、その取扱に細心の注意を必要とする点である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、二酸化炭素と硫化水素が水酸化カルシウム(消石灰)粉末と接触すると、該水酸化カルシウム粉末に効率良く固定されることを見出し、この水酸化カルシウム粉末を利用することにより、消化ガス中の二酸化炭素と硫化水素とを同時に吸収固定させて、メタンを高純度に精製することが可能になることを確認して、本発明に到達した。
【0009】
本発明は、有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを水酸化カルシウム粉末に接触させる処理を行なうことにより、二酸化炭素と硫化水素とを水酸化カルシウム粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収する操作、そして上記二酸化炭素と硫化水素とを固定した水酸化カルシウム粉末を消化有機性廃棄物の脱水物と共に焼成することにより酸化カルシウムを回収する操作を組合せたことを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法にある。
【0010】
上記の有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法において、水酸化カルシウム粉末は、該粉末中に0.5〜50質量%の水分を含有している水酸化カルシウム粉末を用いることが好ましい。
【0011】
本発明はまた、有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを、消化有機性廃棄物の脱水物と水酸化カルシウムとの混合物の粉末に接触させる処理を行なうことにより、二酸化炭素と硫化水素とを該混合物粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収することを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法にもある。
【0012】
本発明はまた、有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを、消化有機性廃棄物の脱水物と水酸化カルシウムとの混合物の粉末に接触させる処理を行なうことにより、二酸化炭素と硫化水素とを該混合物粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収する操作、そして上記二酸化炭素と硫化水素とを固定した消化有機性廃棄物と水酸化カルシウムとの混合物の粉末を焼成することにより酸化カルシウムを回収する操作を組合せたことを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法にもある。
【0013】
本発明はまた、有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを水酸化カルシウム粉末を含む懸濁液に接触させる処理を行なうことにより、二酸化炭素と硫化水素とを水酸化カルシウム粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収する操作、二酸化炭素と硫化水素とを固定した水酸化カルシウム粉末を懸濁液から回収する操作、そして上記二酸化炭素と硫化水素とを固定した水酸化カルシウム粉末を消化有機性廃棄物の脱水物と共に焼成することにより酸化カルシウムを回収する操作を組合せたことを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法にもある。
【0014】
上記の有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法において、懸濁液は、水酸化カルシウム粉末を0.5〜50質量%の範囲にて含むことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、消化ガスの原料となる有機性廃棄物には特に制限はなく、その例としては、下水汚泥あるいは家畜糞尿などの汚泥、及び食品製造工場(例:ビール製造工場)や家庭などから発生する食物類の廃棄物を挙げることができる。以下、本発明の消化ガスからのメタンの分離回収方法について、有機性廃棄物に汚泥を用いた場合を例にとり、添付図面を参照しながら、詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明の汚泥の消化ガスからのメタンの分離回収方法、そして更に、このメタンの分離回収方法の実施に伴って生成する二酸化炭素と硫化水素とが固定された消石灰[CaCO3と微量のCa(HS)2との混合物]の回収処理を行なうシステムを説明するフローチャートである。
【0017】
図1において、下水汚泥や家畜糞尿などを濃縮した濃縮汚泥が消化槽11に送り込まれ、公知の方法で消化が行なわれる。消化により発生する消化ガスは、消石灰粉末が充填された脱炭酸・脱硫化水素装置12に送られ、次いで、ガスホルダ13に一旦貯蔵される。脱炭酸・脱硫化水素装置12において、消化ガスは、例えば、攪拌状態にある消石灰粉末と強制的に接触させられ、その構成気体成分中の二酸化炭素と硫化水素とが消石灰と反応して、CaCO3と微量のCa(HS)2との混合物を生成することにより、固定される。二酸化炭素と硫化水素とが除去されることにより、高度に精製されて、メタン含量が高められた消化ガス(精製ガス)は、その後、例えば、燃料電池の製造あるいは消化ガス発電のために有効に利用される。
【0018】
用いる消石灰粉末は、若干量の水分(例、0.5〜50質量%、好ましくは、1〜20質量%)を含んでいることが、二酸化炭素と硫化水素とを固定するためには有利である。また、消化ガスと消石灰粉末との接触に際しては、消石灰粉末の充分な攪拌を行なうことが望ましい。そして、消石灰粉末の量と消化ガスの供給速度とは、消石灰粉末の活性と消化ガスの構成ガス成分の割合を考慮して決定する。
【0019】
一方、消化処理後に発生する消化汚泥は、消化槽11から脱水機14に送られて、脱水処理される。脱水機14での脱水処理により分離された濾液は、水処理装置に返送される。脱水処理によって発生した消化汚泥の脱水ケーキ(脱水物)は、次いで混練機15に送られる。この混練機15には、脱炭酸・脱硫化水素装置12から排出される微量のCa(HS)2を含むCaCO3が送り込まれ、混練機15内で充分に混練されたのち、焼成炉16に送られ、その焼成炉内で、焼成されて生石灰を生成する。なお、この焼成の際の燃料として、ガスホルダ13に貯蔵された精製消化ガスの一部を用いることもできる。
【0020】
焼成炉16において生成した生石灰は通常、純度は高いとは云えないが、土壌の固化処理などの通常の用途に用いるのには充分な活性を示す。
【0021】
図2は、本発明の汚泥の消化ガスからのメタンの分離回収方法、そして、消化汚泥の脱水ケーキの有効利用を図り、さらに必要により、このメタンの分離回収方法の実施に伴って生成する二酸化炭素と硫化水素とが固定された消石灰[CaCO3と微量のCa(HS)2との混合物]の回収処理を行なうシステムを説明するフローチャートである。
【0022】
図2において、下水汚泥や家畜糞尿などを濃縮した濃縮汚泥は、図1の場合と同様に、消化槽21に送り込まれ、公知の方法で消化が行なわれる。消化により発生する消化ガスは、消石灰粉末が充填された脱炭酸・脱硫化水素装置22に送られ、次いで、ガスホルダ23に一旦貯蔵される。脱炭酸・脱硫化水素装置22において、消化ガスは、例えば、攪拌状態にある消石灰粉末と強制的に接触させられ、その構成気体成分中の二酸化炭素と硫化水素とが消石灰と反応して、CaCO3と微量のCa(HS)2との混合物を生成することにより、固定される。二酸化炭素と硫化水素とが除去されることにより、高度に精製されて、メタン含量が高められた消化ガス(精製ガス)は、その後、例えば、燃料電池の製造あるいは消化ガス発電のために有効に利用される。
【0023】
図2のシステムで用いる消石灰粉末は、図1で説明した消化汚泥の脱水ケーキに生石灰(CaO)を加えて得た消石灰であり、未反応の消化汚泥をも含有するもの(消石灰と消化汚泥との混合物)である。この消石灰混合物の場合も、若干量の水分(例、0.5〜50質量%、好ましくは、1〜20質量%)を含んでいることが、二酸化炭素と硫化水素とを固定するためには有利である。
【0024】
消化処理後に発生する消化汚泥は、消化槽21から脱水機24に送られて、脱水処理される。脱水機24での脱水処理により分離された濾液は、水処理装置に返送される。脱水処理により発生した消化汚泥の脱水ケーキは、次いで混練機25に送られる。そして、この混練機25において、別に供給される生石灰と混合されて、前述の消石灰と消化汚泥との混合物に変換され、脱炭酸・脱硫化水素装置22に送り込まれ、消化ガスの脱炭酸・脱硫化水素処理に利用される。
【0025】
一方、脱炭酸・脱硫化水素装置22で、消化ガスの脱炭酸・脱硫化水素処理に用いられた消石灰と消化汚泥との混合物は、微量のCa(HS)2を含むCaCO3と汚泥の混合物となり、焼成炉26に送られ、その焼成炉内で、焼成されて生石灰を生成する。なお、この焼成の際の燃料として、ガスホルダ23に貯蔵された精製消化ガスの一部を用いることもできる。
【0026】
焼成炉26において生成した生石灰もまた、純度は高いとは云えないが、土壌の固化処理などの通常の用途に用いるのには充分な活性を示す。あるいは、上記の混練機25に導入して、脱水ケーキと混合して、消石灰と消化汚泥との混合物を調製するための原料として利用することもできる。
【0027】
図3は、水酸化カルシウム粉末を含む懸濁液を用いる本発明の汚泥の消化ガスからのメタンの分離回収方法、そして更に、このメタンの分離回収方法の実施に伴って生成する二酸化炭素と硫化水素とが固定された消石灰[CaCO3と微量のCa(HS)2との混合物]の回収処理を行なうシステムを説明するフローチャートである。
【0028】
図3において、下水汚泥や家畜糞尿などを濃縮した濃縮汚泥は、図1の場合と同様に、消化槽31に送り込まれ、公知の方法で消化が行なわれる。消化により発生する消化ガスは、消石灰粉末を含む懸濁液が充填された脱炭酸・脱硫化水素装置32に送られ、次いで、ガスホルダ33に一旦貯蔵される。脱炭酸・脱硫化水素装置32において、消化ガスは、例えば、攪拌状態にある消石灰粉末と強制的に接触させられ、その構成気体成分中の二酸化炭素と硫化水素とが消石灰と反応して、CaCO3と微量のCa(HS)2との混合物を生成することにより、固定される。二酸化炭素と硫化水素とが除去されることにより、高度に精製されて、メタン含量が高められた消化ガス(精製ガス)は、その後、例えば、燃料電池の製造あるいは消化ガス発電のために有効に利用される。
【0029】
図3のシステムでは、消石灰粉末は水に分散された懸濁液として用いられる。この懸濁液は、消石灰粉末を0.5〜50質量%の範囲で含むことが好ましく、1〜20質量%の範囲で含むことがより好ましい。
【0030】
消化処理後に発生する消化汚泥は、消化槽31から脱水機34に送られて、脱水処理される。脱水機34での脱水処理により分離された濾液は、水処理装置に返送される。脱水処理によって発生した消化汚泥の脱水ケーキ(脱水物)は、図1の場合と同様に、混練機35に送られたのち、焼成炉36に送られる。
【0031】
一方、脱炭酸・脱硫化水素装置32にて生成したCaCO3と微量のCa(HS)2との混合物は、脱水機37に送られて脱水処理される。脱水機37での脱水処理により分離された濾液は、上記消化汚泥の濾液と共に水処理装置に送ってもよいし、消石灰粉末を含む懸濁液を調製するための水として用いることもできる。脱水処理された微量のCa(HS)2を含むCaCO3は、混練機35に送り込まれ、上記脱水汚泥と共に混練機35内で充分に混練されたのち、焼成炉36に送られ、その焼成炉内で、焼成されて生石灰を生成する。なお、この焼成の際の燃料としてガスホルダ33に貯蔵された精製消化ガスの一部を用いることもできる。
【0032】
焼成炉36において生成した生石灰もまた、純度は高いとは云えないが、土壌の固化処理などの通常の用途に用いるのには充分な活性を示す。あるいは、水に分散して、消石灰粉末を含む懸濁液を調製するための原料として利用することもできる。
【0033】
【実施例】
[実施例1]二酸化炭素ガスの固定実験
撹拌羽根付きステンレス製容器(容量:5L)に消石灰(含水率:10質量%)を1000g充填した。次に、消石灰を撹拌羽根(回転速度:110rpm)にて撹拌しながら、その容器内に二酸化炭素量として1モルの二酸化炭素ガスを5L/分の速度にて吹き込み、消石灰と二酸化炭素ガスとを接触させた。その後、消石灰を容器から取り出し、二酸化炭素含有量を測定したところ、その量は40.8g(約0.93モル)であった。
【0034】
[実施例2]硫化水素ガスの固定実験
硫化鉄に塩酸を加えて発生させた硫化水素ガスをビニール袋(容量:2.5L)に捕集し、これを空気にて希釈して、硫化水素ガス濃度700mg/Lの硫化水素含有ガスを調製した。次に、そのビニール袋に消石灰(含水率:10質量%)を1000g入れ、袋ごと5分間振奮撹拌した。その後、袋内の硫化水素ガス濃度を検知管(検出限界:1mg/L)を用いて測定したところ、硫化水素ガスは検出されなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明の消化ガスからのメタンの分離回収方法では、消化ガス中に含まれる二酸化炭素と硫化水素とを単一の装置で固定除去することができるため、構成が比較的単純な装置を用いて消化ガスから高純度の精製メタンガスを分離回収することが可能となる。消石灰(水酸化カルシウム)は、従来技術において二酸化炭素の固定に利用されてきた炭酸カリウムやアルカノールアミンなどのアルカリ物質に比べると刺激性が低いため、工業的な取扱が容易であると云う利点がある。また、二酸化炭素と硫化水素との固定に利用された消石灰は、焼成して容易にそのほとんどを生石灰に変換することができる。このようにして得た生石灰は、土壌の固化剤として利用することができるほか、本発明で用いる消石灰の原料としても利用できる。従って、本発明の消化ガスからのメタンの分離回収方法は、リサイクルシステムとしても有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消化ガスからのメタンの分離回収方法の工業的な実施を想定したシステム図の例である。
【図2】本発明の消化ガスからのメタンの分離回収方法の工業的な実施を想定したシステム図の別の例である。
【図3】本発明の消化ガスからのメタンの分離回収方法の工業的な実施を想定したシステム図のさらに別の例である。
【符号の説明】
11、21、31 消化槽
12、22、32 脱炭酸・脱硫化水素装置
13、23、33 ガスホルダ
14、24、34 脱水機
15、25、35 混練機
16、26、36 焼成炉
37 脱水機
Claims (7)
- 有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを水酸化カルシウム粉末に接触させる処理を行なうことにより、二酸化炭素と硫化水素とを水酸化カルシウム粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収する操作、そして上記二酸化炭素と硫化水素とを固定した水酸化カルシウム粉末を消化有機性廃棄物の脱水物と共に焼成することにより酸化カルシウムを回収する操作を組合せたことを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法。
- 水酸化カルシウム粉末として、該粉末中に0.5〜50質量%の水分を含有している水酸化カルシウム粉末を用いる、請求項1に記載の有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法。
- 有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを、消化有機性廃棄物の脱水物と水酸化カルシウムとの混合物の粉末に接触させる処理を行うことにより、二酸化炭素と硫化水素とを該混合物粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収することを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法。
- 有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを、消化有機性廃棄物の脱水物と水酸化カルシウムとの混合物の粉末に接触させる処理を行なうことにより、二酸化炭素と硫化水素とを該混合物粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収する操作、そして上記二酸化炭素と硫化水素とを固定した消化有機性廃棄物と水酸化カルシウムとの混合物の粉末を焼成することにより酸化カルシウムを回収する操作を組合せたことを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法。
- 消化有機性廃棄物の脱水物と水酸化カルシウムとの混合物の粉末として、該粉末中に0.5〜50質量%の水分を含有している混合物粉末を用いる、請求項3もしくは4に記載の有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法。
- 有機性廃棄物の消化により発生する、メタン、二酸化炭素そして硫化水素を含むガスを水酸化カルシウム粉末を含む懸濁液に接触させる処理を行なうことにより、二酸化炭素と硫化水素とを水酸化カルシウム粉末に固定させ、次いで該処理を経てメタン含有量が増加したガスを回収する操作、二酸化炭素と硫化水素とを固定した水酸化カルシウム粉末を懸濁液から回収する操作、そして上記二酸化炭素と硫化水素とを固定した水酸化カルシウム粉末を消化有機性廃棄物の脱水物と共に焼成することにより酸化カルシウムを回収する操作を組合せたことを特徴とする、有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法。
- 懸濁液が、水酸化カルシウム粉末を0.5〜50質量%の範囲にて含む請求項6に記載の有機性廃棄物の消化ガスからのメタンの分離回収方法。
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