JP3938566B2 - 漏水発生位置検知システムおよび漏水発生位置検知方法 - Google Patents

漏水発生位置検知システムおよび漏水発生位置検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、漏水発生位置検知システムおよび漏水発生位置検知方法に関する。
近年、シート状の遮水体が幅広い用途に用いられている。例えば、雨水貯留槽に適用される例(特許文献1参照)や管理型終末処理場に適用される例(特許文献2参照)などが知られている。特許文献2には、シート状の遮水体(遮水膜)を管理型終末処理場で使用するに際し、漏水発生位置を検知する技術についても記載されている。
また、最近では雨水貯留槽に貯留された雨水等を再利用すること(特許文献3参照)も検討されており、この技術は特許文献1に記載された技術にも適用され得る。
実開平5−87081号公報(請求項3、図6参照) 特公平7−72704号公報 特開2002−275951号公報
ところで、シート状の遮水体の漏水発生位置を検知する技術については、前述のように特許文献2に記載された技術が存在するが、この技術は複数の線状電極がほぼ平行に配列された2つの電極群を、電極群を構成する各線状電極が交差するように配置し、電極からの出力の位相検波出力値をそのまま測定値としているため、ノイズの影響などによる誤検知が発生するおそれがある。
一方、雨水貯留槽からの漏水対策については、管理型終末処理場からの漏水対策ほど厳しい要求はなく、例えば漏水が無視できなくなったときに雨水貯留槽を修理する程度の処置で十分であることが多い。
そこで、本発明は、厳密に漏水を検知する必要のない状況における漏水位置の検知を好適に実現し得る漏水発生位置検知システムおよび漏水発生位置検知方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、シート状遮水体と、前記シート状遮水体を挟んで配置された複数の線状電極が間隔をおいて配列された2つの電極群と、前記2つの電極群の一方に接続され、矩形波パルス信号を発生する信号発生手段と、前記2つの電極群の他方に接続された漏水発生位置検知手段とを備え、前記2つの電極群を構成する各線状電極が前記シート状遮水体を挟んだ状態で互いに交差している漏水発生位置検知システムにおいて、前記漏水発生位置検知手段は、前記他方の電極群からの信号を積分する積分手段と該積分手段からの出力信号を測定する信号測定手段を含んで構成されていて、前記他方の電極群からの信号を前記積分手段で積分し、その大きさから漏水発生位置を特定することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記シート状遮水体が水平面に対して角度を持って設置され、前記シート状遮水体の外側の電極群を構成する各線状電極が前記水平面に対してほぼ平行に配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、シート状遮水体の両面側に、複数の線状電極が間隔をおいて配列された2つの電極群を、一方の電極群を構成する各線状電極と他方の電極群を構成する各線状電極とが互いに交差するように配置し、前記一方の電極群への矩形波パルスからなる入力信号を用いて前記他方の電極群からの出力信号を測定する漏水発生位置検知方法において、前記出力信号を積分した値のpp値を用いて漏水発生位置を検知することを特徴とする。
本発明の漏水発生位置検知システムは、漏水発生位置検知手段の内部に、第2の電極群からの信号を積分する積分手段を設けているため、信号処理手段がノイズの影響などにより誤動作するおそれがなく、かつ漏水状態およびその発生位置を的確に検知することが可能な漏水発生位置検知システムとなる。
また、本発明の漏水発生位置検知システムは、シート状遮水体が水平面に対して角度を持って設置されている状況で、一方の電極群を構成する各線状電極であって、シート状遮水体の外側に設けられている各線状電極が前記水平面に対してほぼ平行に配置されるようにしているので、漏水発生個所から流れた液体が漏水発生個所より下側に配置された線状電極に接するため、漏水発生位置を確実に検知することができる。
本発明の漏水発生位置検知方法は、出力信号を積分した値のpp値を用いて漏水発生位置を検知するため、検知結果がノイズの影響を受けることなく、かつ漏水状態およびその発生位置を的確に検知することが可能な漏水発生位置検知方法となる。
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態の漏水発生位置検知システムの一例を示す概略説明図である。図1において、本発明の漏水発生位置検知システム1は、シート状遮水体2と、このシート状遮水体2を挟んで配置され複数の線状電極が間隔をおいて配列された2つの電極群である第1の電極群Xおよび第2の電極群Yと、これら2つの電極群X、Yのうち一方(ここでは第1の電極群X)に接続された信号発生手段3と、これら2つの電極群の他方(ここでは第2の電極群Y)に接続された漏水発生位置検知手段4とを備えている。ここで、2つの電極群X、Yを構成する各線状電極は、ほぼ平行に配列されていることが、漏水発生位置検知システムの施工時の作業効率を高める観点から望ましい。
シート状遮水体2は、例えば合成樹脂などで構成される。信号発生手段3は、時間変化する信号、例えば矩形波パルスを発生する。漏水発生位置検知手段4は、信号測定手段4aと、第2の電極群Yからの信号を積分する積分手段4bとを含んで構成される。信号測定手段4aは、例えばオシロスコープなどの測定器、またはA/Dコンバータと演算装置とを含むディジタル信号処理装置などにより構成される。積分手段4bは、例えば抵抗やコンデンサを含む回路などで構成される。
第1の電極群Xを構成する各線状電極X1〜X3と第2の電極群Yを構成する各線状電極Y1〜Y3とは、シート状遮水体2を挟んだ状態で互いに交差している。この交差の角度はほぼ直角であることが、漏水発生位置検知システムの施工時の作業効率を高める観点から望ましい。また、第1の電極群Xを構成する複数の線状電極X1〜X3と信号発生手段3との間には配線端末部5aが配置され、第2の電極群Yを構成する複数の線状電極Y1〜Y3と漏水発生位置検知手段4との間には配線端末部5bが配置されている。なお、図1において、配線端末部5a、5bは、各線状電極X1〜X3、Y1〜Y3への配線作業を効率化するために必要に応じて設けられる構成であり、例えば内部に接続用の端子が設けられることがある。
信号発生手段3から出力された信号は、第1の電極群Xを構成する各線状電極X1〜X3のうち特定の線状電極に入力され、この信号がシート状遮水体2を介して第2の電極群Yを構成する各線状電極Y1〜Y3のうち特定の線状電極から出力される。この出力信号が漏水発生位置検知手段4に入力されることによりシート状遮水体2の漏水発生位置が特定される。
ここで、信号発生手段3および漏水発生位置検知手段4は、2つの電極群X、Yのいずれにも接続できるようにしてもよい。この場合、信号発生手段3を第1の電極群Xに接続したときには漏水発生位置検知手段4を第2の電極群Yに接続し、信号発生手段3を第2の電極群Yに接続したときには漏水発生位置検知手段4を第1の電極群Xに接続するように、信号発生手段3および漏水発生位置検知手段4と2つの電極群X、Yとの間に図示しない切替手段を設けておくことが望ましい。
また、漏水発生位置検知手段4に入力される信号と信号発生手段3から出力される信号との同期を図るため、漏水発生位置検知手段4には信号発生手段3から出力される信号を入力する手段が設けられることが望ましい。
ところで、本発明は、漏水発生位置検知手段4が積分手段4bを備えていることを特徴としている。以下、本発明の実施の形態における積分手段4bについて説明する。
図2は、本発明の実施の形態における積分手段4bの第1例を示す回路図である。図2は、積分手段4bの最も簡単な例であって、抵抗R1、コンデンサC1で構成される。この回路の時定数τ1は、τ1=R1・C1(単位:秒)であり、この時定数τ1を信号発生手段3が発生する矩形波パルス等の信号の周期に対して十分大きくとることにより、ノイズの影響を受けることなどを防止することができる。
図3は、本発明の実施の形態における積分手段4bの第2例を示す回路図である。図3は、積分手段4bとして演算増幅器4cを用いた例であって、積分手段4bの入力と演算増幅器4cの非反転入力との間に抵抗R2が接続され、演算増幅器4cの非反転入力と出力との間にコンデンサC2が接続されて構成される。この回路の時定数τ2は、τ2=R2・C2(単位:秒)である。時定数τ2の設定は、図2における時定数τ1の設定と同様に行うことができる。また、図3において、コンデンサC2と並列に抵抗R3を接続してもよい。図3に示されるように、積分手段4bとして演算増幅器4cを用いると、演算増幅器4cの出力側のインピーダンスを低くすることができるため、積分手段4bが実質的に緩衝増幅器を含む構成となり、信号測定手段4aにおける測定精度を高くすることができる。
なお、図2および図3において、積分手段4bの入力および出力は、入力側に接続される線状電極の数と同数、すなわち複数となることがある。この場合は、積分手段4bを構成する回路および回路定数をそろえておくことが測定精度を高める観点から望ましい。
以上、本発明の漏水発生位置検知システムの構成の一例を概略的に説明したが、本発明の漏水発生位置検知システムは、漏水発生位置検知手段4が積分手段4bを備えていることにより、シート状遮水体2における漏水状態およびその発生位置を的確に検知することが可能となる。以下、図1に示された漏水発生位置検知システムによる漏水発生位置検知の詳細について説明する。
図4は、シート状遮水体2における漏水が発生していない場合の第1の電極群Xの特定の線状電極と第2の電極群Yの特定の線状電極との間の簡略化等価回路図である。ここで、第1の電極群Xは3本の線状電極X1〜X3を備え、第2の電極群Yは3本の線状電極Y1〜Y3を備えているものとして説明するが、実際の電極群を構成する電極の数は3本に限られず、複数であればよいことはいうまでもない。
第1の電極群Xを構成する線状電極X1〜X3と、第2の電極群Yを構成する線状電極Y1〜Y3とは、それぞれ静電結合Cおよび抵抗結合Rによって結合されている。このように静電結合Cで結合している一方の電極群を構成する線状電極(例えばX1)に注入された矩形波パルス信号を、他方の電極群を構成する線状電極(例えばY1)で検出した場合の波形の一例を図5に示す。図5は、上から入力信号波形、出力信号波形、積分波形(すなわち検出波形)を順に示している。
図5における出力信号波形は、入力信号波形である矩形波パルスを微分したような波形であり、出力信号が積分手段4bを通った後の検出波形の変化はほとんど無く、そのピーク・トゥ・ピーク値(以下、「pp値」とする)は0に近い値となる。この場合、抵抗結合Rの抵抗値は、シート状遮水体2の抵抗値となり、一般に1MΩ〜10MΩのオーダーであり、図5に示される出力信号波形においては静電結合Cの影響が支配的となるためである。
なお、静電結合Cの値は、線状電極間の誘電率、線状電極間距離および線状電極の交差部分の面積に依存する値であるため、電極群を構成する各線状電極の形状を変化させない限り、どのような線状電極の組み合わせを選択した場合においてもほぼ一定の値を示す。静電結合Cを求める式を下記に示す。
Figure 0003938566
一方、シート状遮水体2が破損するなどにより漏水が発生した場合、漏水発生点Pから液体が漏れ出し、線状電極Xmと線状電極Ynは液体を通して導通状態となる。この場合の等価回路を図6に示す。
線状電極Xmと線状電極Ynとの間には静電結合Cと抵抗結合Rの並列接続が発生する。この等価回路自体は図4と同様であるが、漏水発生点Pには液体が存在しているため、抵抗結合Rの抵抗値は、10kΩ〜100kΩのオーダーとなることが一般的である。したがって、線状電極Xmまたは線状電極Ynの一方に注入された矩形波パルスを、他方の線状電極で検出した場合には、図7に示すような波形が得られる。図7に示された出力信号波形は、矩形波パルス入力直後における静電結合Cの影響を示す過渡応答波形と、矩形波パルス入力継続中における抵抗結合Rの影響を示す定常応答波形とを加えたような波形となる。
また、図7において、出力信号が積分回路を通った後の積分波形には、ピークを持つ検出波形が得られる。この波形のpp値を測定することにより、少なくともシート状遮水体2が破損するなどにより漏水が発生していることを検知することができる。
ここで、抵抗結合Rの抵抗値は漏水発生点Pからの距離に比例して増大する性質を持つため、漏水発生点Pにそれぞれ最も近い線状電極Xmと線状電極Ynとの組み合わせを選択した場合に積分手段4bを通過した後の検出波形のpp値が最大となり、線状電極Xm、Ynがそれぞれ漏水発生点Pから遠ざかるにつれて検出波形のpp値は小さくなる。
そして、検出波形のpp値が最大となる線状電極Xmと線状電極Ynとの組み合わせを中心として、線状電極Xmおよび線状電極Ynとの組み合わせを一方を固定して他方を変化させることにより得られる検出波形のpp値の2番目に大きな値をとる線状電極Xmおよび線状電極Ynの組み合わせを用いて、漏水発生点Pが存在する位置を領域として確定することができ、また、検出波形のpp値の変化の状況から漏水発生点Pの位置自体を推定することができる。この様子を説明する。
図8は、シート状遮水体2のP点に漏水が発生した場合の漏水発生位置検知の第1例を示す説明図である。図8は、2つの測定結果を示しており、その1つは線状電極Y2に注入された矩形波パルスを、線状電極X1〜X3にそれぞれ図示しない積分手段を取り付けることにより検出波形のピーク値を測定した場合のpp値の結果であり、他の1つは線状電極X2に注入された矩形波パルスを、線状電極Y1〜Y3にそれぞれ図示しない積分手段を取り付けることにより検出波形のピーク値を測定した場合のpp値の結果である。
図8に示された検出波形のpp値を比較すると、線状電極のX1〜X2間および線状電極Y2〜Y3間で形成されるエリア内、すなわち漏水発生エリア内に漏水発生点Pが存在すると特定することが可能である。
このように、シート状遮水体2に漏水が発生した場合、各線状電極で検出した波形のpp値を比較することで漏水発生位置の特定が可能である。
なお、図8に示された例は、線状電極X1〜X3および線状電極Y1〜Y3の両方から矩形波パルスを注入することができる場合を示しているが、例えば線状電極X1〜X3からのみ矩形波パルスを注入することができる場合についても、漏水発生位置の特定が可能である。
図9は、シート状遮水体2のP点に漏水が発生した場合の漏水発生位置検知の第2例を示す説明図である。図9において、線状電極X1〜X3のいずれか1つに矩形波パルスを注入し、線状電極Y1〜Y3にそれぞれ図示しない積分手段を取り付けることにより検出波形のピーク値を測定した場合のpp値の結果がグラフとして示されている。
図9に示されるように、線状電極Y2により検出されたpp値が最も大きく、以下線状電極Y3、Y1の順となっている。また、線状電極X2に矩形波パルスが注入されたときのpp値が最も大きく、以下線状電極X1、X3の順となっている。
このようにして、図9に示された例は、図8に示された例と同様に、漏水発生位置の特定が可能である。
以上、本発明の原理を説明したが、本発明の漏水発生位置検知システムおよび漏水発生位置検知方法は、シート状遮水体2を用いた雨水貯留槽などに適用可能である。
図10は、本発明の実施の形態を雨水貯留槽に適用した例を示す説明図であり、貯留槽のシート状遮水体2には11本の線状電極X1〜X11により構成された第1の電極群Xと、9本の線状電極Y1〜Y9により構成された第2の電極群Yとが配置されている。ここで、前述の図1と同様、第1の電極群Xを構成する線状電極X1〜X11と第2の電極群Yを構成する線状電極Y1〜Y9とは、シート状遮水体2を挟んだ状態で互いにほぼ直交している。なお、図8および図9を用いて説明した事項は、そのまま図10の雨水貯留槽の底面における漏水発生位置の検知に適用することができる。
次に、本発明における貯留槽側面の漏水発生位置の検知方法について説明する。図11は、図10における側面のうち線状電極X6、X7が設置された面、すなわち雨水貯留槽の外側に向けて漏水が発生した場合の一例を示す説明図である。また、図11には、線状電極Y4〜Y6に矩形波パルスが注入されたときの線状電極X6、X7における検出波形のpp値を示すグラフもあわせて示す。
図9に示されるように、漏水発生点P’に最も近い線状電極Y5に矩形波パルスが注入されたときのpp値が最大であり、次に近い線状電極Y4に矩形波パルスが注入されたときのpp値が2番目に大きくなっていることがわかる。
このように、第1の電極群Xを構成する各線状電極X6、X7においてpp値が最大となった線状電極(ここではX6)に着目し、第2の電極群Yを構成する各線状電極Y4〜Y6に矩形波パルスを注入したときの線状電極X6、X7で検出した波形のpp値を比較することで漏水発生位置の特定が可能である。
また、貯留槽側面の漏水発生位置の検知方法においては、例えば2つの電極群X、Yのうち一方の電極群を構成する各線状電極が水平面に対してほぼ平行に配置されるようにすることで、漏水発生箇所から流れた液体を漏水発生箇所より下側に配置された線状電極に接するようにして確実に漏水発生箇所を検知することができる。図12は第1の電極群Xを構成する各線状電極が水平面に対してほぼ平行に配置されている状態を示す説明図、図13は第2の電極群Yを構成する各線状電極が水平面に対してほぼ平行に配置されている状態を示す説明図である。
すなわち、図10において、図12に示すように各線状電極を配置した場合は、シート状遮水体2の少なくとも内側、すなわち第2の電極群Yが配置される側に液体が存在する場合に好適に用いられる。また、図13に示すように各線状電極を配置した場合は、シート状遮水体2の両側に液体が存在する場合に好適に用いられる。
なお、2つの電極群X、Yを構成する各線状電極の配置は、図12および図13に例示された配置に限られない。例えば、第1の電極群Xおよび第2の電極群Yを構成する各線状電極が水平面に対してほぼ同じ角度をなすように配置することなども可能である。
次に、線状電極を図12に示されるように配置した場合の線状電極X6、X7における漏水発生位置の特定について述べる。図11においてシート状遮水体2が破損して漏水が発生した場合、漏水発生点P’から下側に向けて水などの貯留槽に貯留されている液体が漏れることになる。この場合、漏水発生点P’よりも下側に位置する線状電極X6は貯留槽底面に対してほぼ水平に設置されているため、漏水発生点P’から漏れてくる液体に必ず接触するので、線状電極X6と線状電極Y4〜Y6は漏水発生点P’を介して導通状態となり、その等価回路は図6と同様となる。一方、漏水発生点P’よりも上側に位置する線状電極X7は漏水発生点P’から漏れ出す液体に接触しないため、抵抗結合Rの抵抗値はきわめて高くなり、その等価回路は図4と同様となる。
したがって、図8および図9を用いて説明した貯留槽底面での漏水発生位置検知方法と同様に、線状電極Y4〜Y6のうち1本に矩形波パルスを注入し、線状電極X6、X7にそれぞれ図示しない積分回路を設置して検出波形のpp値を比較した場合、線状電極X7ではpp値がほぼ0であるが、線状電極X6では検出可能なpp値が検出されることになる。
また、検出波形のpp値は漏水発生点P’からの距離に依存する性質があるため、漏水発生点P’よりも下側でかつ漏水発生点P’に最も近い線状電極X6のpp値が最大となる。よって、漏水発生点P’は、検出波形のpp値が最大となる線状電極とその線状電極の1つ上に配置される線状電極との間に存在することがわかる。ここで、貯留槽側面において、最も下側に配置されている線状電極(図12においては線状電極X6)は、極力底面に近いところに配置されることが、漏水発生位置を検知できる範囲を拡大する観点から望ましい。
したがって、漏水発生点P’に最も近い線状電極Y5に矩形波パルスが注入されたときのpp値が最大であり、次に近い線状電極Y4に矩形波パルスが注入されたときのpp値が2番目に大きくなっていることから、漏水発生点P’は4本の線状電極X6、X7、Y4、Y5で囲まれた領域(漏水発生エリア)に存在することがわかる。
ところで、図8〜図13の説明において、第2の電極群Yを構成する各線状電極は常に液体と接触していることが多く、また、第1の電極群Xを構成する各線状電極は貯留槽を地中埋設した場合に地中に含まれる水分と接触することがある。このようにシート状遮水体2を布設して構成された貯留槽の漏水発生位置検出に使用される線状電極は常に液体と接触していることが多く、これにより腐食などの劣化が生じることがある。
この現象を回避する方法としては、電極群を構成する各線状電極として絶縁被覆を施した電線などを使用すること、カーボンなどの導電性物質を含有した導電性樹脂を被覆として使用した導電性被覆電線を使用すること、各線状電極を導電性樹脂などが考えられ、これらの技術を適用することで各線状電極の液体による劣化を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明の実施の形態は上記の事項に限られることはなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において、適宜変更が可能である。
本発明の実施の形態の漏水発生位置検知システムの一例を示す概略説明図である。 本発明の実施の形態における積分手段4bの第1例を示す回路図である。 本発明の実施の形態における積分手段4bの第2例を示す回路図である。 シート状遮水体2における漏水が発生していない場合の第1の電極群Xの特定の線状電極と第2の電極群Yの特定の線状電極との間の簡略化等価回路図である。 図4の等価回路における信号波形の一例を示す説明図である。 シート状遮水体2における漏水が発生している場合の第1の電極群Xの特定の線状電極と第2の電極群Yの特定の線状電極との間の簡略化等価回路図である。 図6の等価回路における信号波形の一例を示す説明図である。 シート状遮水体2のP点に漏水が発生した場合の漏水発生位置検知の第1例を示す説明図である。 シート状遮水体2のP点に漏水が発生した場合の漏水発生位置検知の第2例を示す説明図である。 本発明の実施の形態を雨水貯留槽に適用した例を示す説明図である。 図10における線状電極X6、X7が設置された面(雨水貯留槽の外側)に向けて漏水が発生した場合の一例を示す説明図である。 第1の電極群Xを構成する各線状電極が水平面に対してほぼ平行に配置されている状態を示す説明図である。 第2の電極群Yを構成する各線状電極が水平面に対してほぼ平行に配置されている状態を示す説明図である。
符号の説明
1 漏水発生位置検知システム
2 シート状遮水体
3 信号発生手段
4 漏水発生位置検知手段
4a 信号測定手段
4b 積分手段
5、5a、5b 配線端末部
X 第1の電極群
Y 第2の電極群
X1〜X11、Y1〜Y9 線状電極

Claims (3)

  1. シート状遮水体と、前記シート状遮水体を挟んで配置され複数の線状電極が間隔をおいて配列された2つの電極群と、前記2つの電極群の一方に接続され、矩形波パルス信号を発生する信号発生手段と、前記2つの電極群の他方に接続された漏水発生位置検知手段とを備え、前記2つの電極群を構成する各線状電極が前記シート状遮水体を挟んだ状態で互いに交差している漏水発生位置検知システムにおいて、前記漏水発生位置検知手段は、前記他方の電極群からの信号を積分する積分手段と該積分手段からの出力信号を測定する信号測定手段を含んで構成されていて、前記他方の電極群からの信号を前記積分手段で積分し、その大きさから漏水発生位置を特定することを特徴とする漏水発生位置検知システム。
  2. 前記シート状遮水体が水平面に対して角度を持って設置され、前記シート状遮水体の外側の電極群を構成する各線状電極が前記水平面に対してほぼ平行に配置されていることを特徴とする請求項1記載の漏水発生位置検知システム。
  3. シート状遮水体の両面側に、複数の線状電極が間隔をおいて配列された2つの電極群を、一方の電極群を構成する各線状電極と他方の電極群を構成する各線状電極とが互いに交差するように配置し、前記一方の電極群への矩形波パルスからなる入力信号を用いて前記他方の電極群からの出力信号を測定する漏水発生位置検知方法において、前記出力信号を積分した値のpp値を用いて漏水発生位置を検知することを特徴とする漏水発生位置検知方法。
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