JP3938441B2 - 差動変圧器のプローブ構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、差動変圧器のプローブ構造に関し、特に、プローブ部とコアとの接続部もしくはその近傍位置に筒状リングを設け、コアガイドと筒状リングとにより、ボビンとコアとを同心状に維持できるようにするための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていた差動変圧器のプローブ構造としては、図6から図12で示される構成が採用されていた。
すなわち、図6において符号1で示されるものは、筒状ケースであり、この筒状ケース1内には、周知の励磁巻線と出力巻線とからなる巻線部2を有する筒状ボビン3が設けられている。前記筒状ボビン3の孔4内には、非磁性のプローブ部5aとこのプローブ部5aに直列接続されたコア5bとからなるプローブ5が出入自在に設けられており、このプローブ5の出入により巻線部2からの出力電圧が変化し、この変化によってプローブ5の直線変化位置を検出することができるように構成されている。
【0003】
前記プローブ5は、図7で示すように、メス・オス嵌合式の接続部6によって一体状に構成され、さらに、図8で示すように、コア5bの先端には、このコア5bの外径よりも大なる外径を有するコアガイド7が設けられている。また、他の従来例としては、図で示すプローブ5の表面全体に商品名テフロンからなるポリテトラフルオロエチレンコーティング膜8を形成した構成も採用されていた。また、図11で示すように、コア5bの先端にねじ9を用いて前記テフロンからなるリング10が取付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の差動変圧器のプローブ構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、プローブ5の先端のみに筒状ボビン3の内壁と摺動するリングが形成されているため、筒状ボビン3内を摺動する際に、プローブ5が図11のように傾斜する。この傾斜状態によりコア5bの長さをlとすると、l2=l1+Δlとなり、この傾斜した面に相当するΔl分が出力電圧に誤差として表れていた。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、プローブ部とコアとの接続部もしくはその近傍位置に筒状リングを設け、コアガイドと筒状リングとにより、筒状ボビンとコアとを同心状に維持できるようにした差動変圧器のプローブ構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による差動変圧器のプローブ構造は、巻線部を有する筒状ボビン内に出入自在に配設され、プローブ部とコアからなる差動変圧器のプローブ構造において、前記コアの先端に設けられ前記コアの外径より大なる外径を有するコアガイドと、前記プローブ部とコアの接続部もしくは前記接続部の近傍位置に設けられ前記プローブ部の外径より大なる外径を有する筒状リングを有する構成であり、また、前記筒状リングは、前記プローブ部の段部と前記コアガイドとの間に複数設けられている構成であり、さらに、前記筒状リングは、ポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレンを含む材料よりなる構成である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による差動変圧器のプローブ構造の好適な実施の形態について説明する。なお、従来例と同一又は同等部分には同一符号を付して説明する。
図1及び図2において符号5で示されるものは、前述の図6の筒状ボビン3内に出入自在に設けられたプローブであり、このプローブ5は、非磁性のプローブ部5aとこのプローブ部5aに直列接続されたコア5bとからなり、このコア5bの先端には図10と同じコアガイド10が取付ねじ9で取付けられている。
【0008】
前記プローブ部5aとコア5bの接続部6の近傍位置であるプローブ部5aの段部5Aには、このプローブ部5aの外径よりも大なる外径を有する筒状リング11が設けられている。この筒状リング11は、前述のポリテトラフルオロエチレン又はこれを一部含む材料で形成され、表面は低μ状態で筒状ボビン3の内壁と摺動できるように構成されている。
従って、図4及び図5で示すように、プローブ5は筒状ボビン3内で摺動する際に、コアガイド10と筒状リング11の作用により、筒状ボビン3と常に同心状に配設されている。
【0009】
また、図3は図1の他の形態を示すもので、前記プローブ部5aの段部5Aとコアガイド10との間には、4個の筒状リング11が設けられ、1個の筒状リング11は接続部6に対応した位置に設けられている。なお、筒状リング11の材質は、前述のテフロン(商品名)が好適であるが、テフロン以外の材質とすることも可能である。
【0010】
【発明の効果】
本発明による差動変圧器のプローブ構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、プローブの先端にコアガイドを設け、プローブのほぼ中央位置に筒状リングを有しているため、プローブ摺動時の傾きを防止し、円滑な摺動を確保し、出力電圧の誤差も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による差動変圧器のプローブ構造を示す構成図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】図1の他の形態を示す断面図である。
【図4】図1のプローブの使用状態を示す断面図である。
【図5】図4の要部の横断面図である。
【図6】従来構造を示す断面図である。
【図7】図6のプローブを示す断面図である。
【図8】図7の他の従来例を示す断面図である。
【図9】図8の他の従来例を示す断面図である。
【図10】図7の他の従来例を示す断面図である。
【図11】図10のプローブの使用状態を示す断面図である。
【図12】図11の状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
2 巻線部
3 筒状ボビン
5a プローブ部
5b コア
5A 段部
6 接続部
10 コアガイド
11 筒状リング

Claims (3)

  1. 巻線部(2)を有する筒状ボビン(3)内に出入自在に配設され、プローブ部(5a)とコア(5b)からなる差動変圧器のプローブ構造において、前記コア(5b)の先端に設けられ前記コア(5b)の外径より大なる外径を有するコアガイド(10)と、前記プローブ部(5a)とコア(5b)の接続部(6)もしくは前記接続部(6)の近傍位置に設けられ前記プローブ部(5a)の外径より大なる外径を有する筒状リング(11)を有することを特徴とする差動変圧器のプローブ構造。
  2. 前記筒状リング(11)は、前記プローブ部(5a)の段部(5A)と前記コアガイド(10)との間に複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の差動変圧器のプローブ構造。
  3. 前記筒状リング(11)は、ポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレンを含む材料よりなることを特徴とする請求項1記載の差動変圧器のプローブ構造。
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