JP3938314B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の衝突等により運転者から操舵輪に加わる衝撃エネルギーを吸収することが可能とした衝撃エネルギー吸収式のステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
衝撃エネルギー吸収式のステアリング装置は、上端が操舵輪に繋がる操舵軸を転がり軸受を介して回転自在に支持する上部ハウジングと、該上部ハウジングに軸長方向への相対移動を可能に嵌合され車体に固定される下部ハウジングと、前記上部ハウジング及び下部ハウジングの嵌合部に有する衝撃エネルギー吸収体とを備えている。そして、自動車の前面衝突等により操舵輪に加わる二次衝突の衝撃エネルギーが前記転がり軸受及び上部ハウジングから衝撃エネルギー吸収体に伝達され、該衝撃エネルギー吸収体により衝撃エネルギーを吸収しつつ上部ハウジングが下部ハウジングに対し軸長方向へ移動するように構成されている。
【0003】
ところで、前記衝撃エネルギーのエネルギー吸収ストロークは前記上部ハウジング及び下部ハウジングの相対移動量により設定されており、エネルギー吸収ストロークを超えた時点で底付きとなり、衝撃エネルギーを吸収することができなくなる。また、エネルギー吸収ストロークは車両のレイアウトにより必然的に決まるため、この決められたエネルギー吸収ストロークで衝撃エネルギーを効果的に吸収し、底付き時に運転者に加わる負荷を低減する必要がある。
【0004】
そこで、従来は筒部材からなる衝撃エネルギー吸収体を前記嵌合部に嵌合したり、特開平10−16795号公報に記載されているように上部ハウジング又は下部ハウジングの嵌合部にラジアル方向へ突出する衝撃エネルギー吸収凸起を一体に成形したりすることにより底付き時の衝撃エネルギー吸収荷重の調整が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のように筒部材からなる衝撃エネルギー吸収体を用いた構成にあっては、上部ハウジング及び下部ハウジングとは別個に衝撃エネルギー吸収体を加工する必要があり、しかも、この衝撃エネルギー吸収体を前記嵌合部に組付けるための組付け工数が増加することになり、改善策が要望されていた。
また、上部ハウジング及び下部ハウジングの嵌合部に衝撃エネルギー吸収凸起が成形された構成にあっては、上部ハウジング及び下部ハウジングが相対移動を始める時点から相対移動が終わる間に亘って一定の衝撃エネルギー吸収荷重になるため、この衝撃エネルギー吸収荷重を比較的高く設定した場合、上部ハウジング及び下部ハウジングの相対移動抵抗が増大し、運転者に加わる負荷が大きくなる。
【0006】
この運転者に加わる負荷を低減するには、例えばエネルギー吸収ストローク内で上部ハウジングの前記嵌合部と軸長方向に離間した位置にテーパ部を介して前記嵌合部に連なり該嵌合部で相対移動した後の下部ハウジングの内周面と接触する拡径部を設け、前記嵌合部と拡径部との2箇所で衝撃エネルギーを吸収するように構成することが考えられる。しかしながら、拡径部を有する構成にあっては、上部ハウジングの全周を拡径するための加工が非常に難しく、加工コストが増加することになり、しかも、衝撃エネルギー吸収時にはテーパ部から拡径部の全周が縮径するように変形するため、底付き時の衝撃エネルギー吸収荷重の調整が行い難いと言う問題がある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的はエネルギー吸収ストローク内の2段階で衝撃エネルギーを吸収することができる構成を簡易に実現することができるステアリング装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るステアリング装置は、上端が操舵輪に繋がる上部操舵軸と、該上部操舵軸を取り囲み、該上部操舵軸を回転可能に支持する円筒形の上部ハウジングと、前記上部操舵軸の下端に軸長方向への相対移動を可能に嵌合された下部操舵軸と、該下部操舵軸を取り囲み、該下部操舵軸を回転可能に支持する円筒形であり、上部が前記上部ハウジングの下部に軸長方向への相対移動を可能に嵌合される下部ハウジングと、前記上部ハウジングの前記下部ハウジングへの嵌合部に一体にラジアル方向へ設けられ、軸長方向に離間した複数の位置で周方向に等配された複数の第1衝撃エネルギー吸収凸起とを備えたステアリング装置において、前記上部ハウジングは前記嵌合部から軸長方向に離間した相対移動前の位置に前記第1衝撃エネルギー吸収凸起と周方向の位置をほぼ等しくして、前記上部ハウジングと一体にラジアル方向へ成形され、相対移動した後の前記下部ハウジングの周面と接触する複数の第2衝撃エネルギー吸収凸起を有することを特徴とする。
【0009】
第1発明にあっては、操舵輪に加わる二次衝突の衝撃エネルギーによって上部ハウジングと下部ハウジングとが相対移動を始めるとき嵌合部の第1衝撃エネルギー吸収凸起によって衝撃エネルギーの一部を吸収することができ、さらに、前記嵌合部で相対移動した後の下部ハウジングの周面が第2衝撃エネルギー吸収凸起と接触し、該第2衝撃エネルギー吸収凸起によって衝撃エネルギーの一部を吸収することができる。このように2段階で衝撃エネルギーを吸収することができるため、運転者に加わる負荷を低減できる。また、2段階目に衝撃エネルギーを吸収する第2衝撃エネルギー吸収凸起は上部ハウジングの一部をラジアル方向へ押込むことにより成形することができるため、第2衝撃エネルギー吸収凸起の加工コストを低減できる。
しかも、周方向に離間した複数の第1衝撃エネルギー吸収凸起が成形される成形工具に第2衝撃エネルギー吸収凸起用の成形部を設けることにより、第1衝撃エネルギー吸収凸起が上部ハウジング及び下部ハウジングの嵌合部に成形されるとき、第2衝撃エネルギー吸収凸起を成形することができるため、第1衝撃エネルギー吸収凸起と第2衝撃エネルギー吸収凸起とを一工程で加工することができ、加工コストをより一層低減できる。
【0010】
第2発明に係るステアリング装置は、上端が操舵輪に繋がる上部操舵軸と、該上部操舵軸を取り囲み、該上部操舵軸を回転可能に支持する円筒形の上部ハウジングと、前記上部操舵軸の下端に軸長方向への相対移動を可能に嵌合された下部操舵軸と、該下部操舵軸を取り囲み、該下部操舵軸を回転可能に支持する円筒形であり、上部が前記上部ハウジングの下部に軸長方向への相対移動を可能に嵌合される下部ハウジングと、前記下部ハウジングの前記上部ハウジングへの嵌合部に一体に設けられ、軸長方向に離間した複数の位置で周方向に等配された複数の第1衝撃エネルギー吸収凸起とを備えたステアリング装置において、前記下部ハウジングは前記嵌合部から軸長方向に離間した相対移動前の位置に前記第1衝撃エネルギー吸収凸起と周方向の位置をほぼ等しくして、前記下部ハウジングと一体にラジアル方向へ成形され、相対移動した後の前記上部ハウジングの周面と接触する複数の第2衝撃エネルギー吸収凸起を有することを特徴とする。
【0011】
第2発明にあっては、操舵輪に加わる二次衝突の衝撃エネルギーによって上部ハウジングと下部ハウジングとが相対移動を始めるとき嵌合部の第1衝撃エネルギー吸収凸起によって衝撃エネルギーの一部を吸収することができ、さらに、前記嵌合部で相対移動した後の上部ハウジングの周面が第2衝撃エネルギー吸収凸起と接触し、該第2衝撃エネルギー吸収凸起によって衝撃エネルギーの一部を吸収することができる。このように2段階で衝撃エネルギーを吸収することができるため、運転者に加わる負荷を低減できる。また、2段階に衝撃エネルギーを吸収する第2衝撃エネルギー吸収凸起は下部ハウジングの一部をラジアル方向へ押込むことにより成形することができるため、第2衝撃エネルギー吸収凸起の加工コストを低減できる。
しかも、周方向に離間した複数の第1衝撃エネルギー吸収凸起が成形される成形工具に第2衝撃エネルギー吸収凸起用の成形部を設けることにより、第1衝撃エネルギー吸収凸起が上部ハウジング及び下部ハウジングの嵌合部に成形されるとき、第2衝撃エネルギー吸収凸起を成形することができるため、第1衝撃エネルギー吸収凸起と第2衝撃エネルギー吸収凸起とを一工程で加工することができ、加工コストをより一層低減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係るステアリング装置の構成を示す断面図、図2は実施の形態1の衝撃エネルギー吸収部の構成を示す拡大断面図である。
ステアリング装置は、上端が舵取りのための操舵輪に繋がる上部操舵軸1と、該上部操舵軸1を取り囲み、転がり軸受を用いてなる軸受2を介して前記上部操舵軸1を回転可能に支持する筒形の上部ハウジング3と、前記上部操舵軸1の下端に軸長方向への相対移動を可能に嵌合された下部操舵軸4と、該下部操舵軸4を取り囲み、転がり軸受を用いてなる軸受5を介して前記下部操舵軸4を回転可能に支持する筒形であり、上部が前記上部ハウジング3の下部に嵌合される下部ハウジング6と、該上部ハウジング3の下部ハウジング6への嵌合部Bに一体に設けられた第1衝撃エネルギー吸収凸起(以下衝撃エネルギー吸収体という)7と、上部ハウジング3の前記嵌合部Bと軸長方向に離間した位置に一体に成形された第2衝撃エネルギー吸収凸起8と、前記上部ハウジング3を車体に取付ける上部取付体9と、前記下部ハウジング6を車体に取付ける下部取付体10とを備えている。
【0013】
上部操舵軸1の上部には前記軸受2の上端に当接して前記操舵輪Aから上部操舵軸1に加わった衝撃エネルギーを軸受2を介して上部ハウジング3に伝達する止め輪11が設けてあり、また、下部にはセレーション1a及びラジアル方向へ貫通する貫通孔1bが設けられている。
【0014】
下部操舵軸4の上部には前記セレーション1aに嵌合されるセレーション4a及び前記貫通孔1bが臨むように設けられた環状溝4bを有しており、前記セレーション1a,4a同志の嵌合によって上部操舵軸1及び下部操舵軸4の相対回転を阻止してある。これら上部操舵軸1及び下部操舵軸4の嵌合部B間には運転者から前記操舵輪Aに加わる衝撃エネルギーを吸収する合成樹脂製の吸収部材12が設けてある。
【0015】
下部ハウジング6の内径は上部ハウジング3の外径よりも小径に形成されており、該上部ハウジング3の下部内側に下部ハウジング6の上部が嵌合されている。そして、上部ハウジング3の嵌合部Bに複数の凸起からなる前記衝撃エネルギー吸収体7が一体に成形されており、さらに、前記嵌合部Bよりも上側に複数の前記衝撃エネルギー吸収凸起8が一体に成形されている。
【0016】
衝撃エネルギー吸収体7は軸長方向に離間した2つの位置で周方向に等配された例えば4個、合計で8個の凸起からなる。また、衝撃エネルギー吸収凸起8は前記衝撃エネルギー吸収体7と周方向の位置をほぼ等しくしてあり、例えば4個設けられている。そして、衝撃エネルギー吸収体7及び衝撃エネルギー吸収凸起8は、衝撃エネルギー吸収体7用の2つの第1成形部と、衝撃エネルギー吸収凸起8用の1つの第2成形部とが1列に設けられた1つの成形工具を油圧シリンダのピストンロッドに装着し、成形工具の第1成形部及び第2成形部によって下部ハウジング6の嵌合部B及び該嵌合部Bよりも下側をラジアル方向内側へ押込むことにより、一工程で全ての衝撃エネルギー吸収体7及び衝撃エネルギー吸収凸起8を加工する。
【0017】
以上のように構成されたステアリング装置は、下部ハウジング6の上端を上部ハウジング3の下端に挿入した状態で下部ハウジング6を軸長方向へ押圧することにより該下部ハウジング6の上部を上部ハウジング3の下部に嵌合し、嵌合部Bの軸長方向長さを設定する。このとき、衝撃エネルギー吸収体7が下部ハウジング6の外周面と接触し摩擦力が発生する。
【0018】
図3は上部ハウジング及び下部ハウジングが相対移動した状態を示す拡大断面図、図4は衝撃エネルギー吸収部の衝撃エネルギー吸収特性図である。
自動車の前面衝突等により運転者が操舵輪Aに当ったときの衝撃エネルギーは、上部操舵軸1、軸受2及び上部ハウジング3を介して衝撃エネルギー吸収体7に加わり、該衝撃エネルギー吸収体7により衝撃エネルギーの一部が吸収され、衝撃エネルギー吸収荷重は図4の0からaに増加する。また、前記衝撃エネルギーは上部操舵軸1から吸収部材12に加わり、該吸収部材12が破断し、上部操舵軸1の軸長方向への移動が許容される。そして、衝撃エネルギー吸収荷重がaの状態で上部ハウジング3が下部ハウジング6に対し嵌合部Bの長さの接触状態で軸長方向(図2の矢印X方向)へ移動する。このように衝撃エネルギー吸収体7によって衝撃エネルギーの一部を吸収しつつ上部ハウジング3が嵌合部Bの長さの接触状態で移動した後、下部ハウジング6の上端が衝撃エネルギー吸収凸起8に接触するとともに、下部ハウジング6の外周面が衝撃エネルギー吸収凸起8の頂面と接触し、この接触量が増加するに従って、衝撃エネルギー吸収荷重は図4のbからcに増加し衝撃エネルギーの一部がさらに吸収される。下部ハウジング6の外周面が衝撃エネルギー吸収凸起8と全面接触したとき衝撃エネルギー吸収荷重は図4のcとなり、このcの衝撃エネルギー吸収荷重でエネルギー吸収ストロークがなくなる図4のdまで軸長方向へ移動し、底付きとなる。
【0019】
このように衝撃エネルギー吸収体7と衝撃エネルギー吸収凸起8とにより2段階で衝撃エネルギーを吸収することができるため、運転者に加わる負荷を低減できる。
【0020】
また、周方向位置がほぼ等しい衝撃エネルギー吸収体7と衝撃エネルギー吸収凸起8とは1つの成形工具を用い、一工程で加工することができるため、衝撃エネルギー吸収凸起8を設ける割に加工コストを低減できる。しかも、衝撃エネルギー吸収体7及び衝撃エネルギー吸収凸起8による衝撃エネルギー吸収荷重は、成形工具が有する第1成形部及び第2成形部の大きさと、第1成形部及び第2成形部による上部ハウジング3の押込み深さとを決めることにより調整することができるため、底付き時の衝撃エネルギー吸収荷重の調整を簡易にできる。
【0021】
実施の形態2
図5は実施の形態2の衝撃エネルギー吸収部の構成を示す拡大断面図である。
実施の形態2のステアリング装置は、上部ハウジング3の下部外側に嵌合された下部ハウジング6の嵌合部Bに複数の凸起からなる前記衝撃エネルギー吸収体7をラジアル方向内側が凸となるように一体に成形し、さらに、下部ハウジング6の前記嵌合部Bよりも下側に複数の衝撃エネルギー吸収凸起8をラジアル方向内側が凸となるように一体に成形し、嵌合部Bでは上部ハウジング3の外周面が衝撃エネルギー吸収体7と接触し、嵌合部Bで上部ハウジング3及び下部ハウジング6が相対移動した後、上部ハウジング3の外周面が衝撃エネルギー吸収凸起8と接触するようにしたものである。
【0022】
実施の形態2においては、実施の形態1と同様、衝撃エネルギー吸収体7及び衝撃エネルギー吸収凸起8の周方向位置をほぼ等しくしてある。
【0023】
この実施の形態2にあっても実施の形態1のように衝撃エネルギー吸収体7と衝撃エネルギー吸収凸起8とにより2段階で衝撃エネルギーを吸収することができるため、運転者に加わる負荷を低減できる。
【0024】
また、周方向位置がほぼ等しい衝撃エネルギー吸収体7と衝撃エネルギー吸収凸起8とは1つの成形工具を用い、一工程で加工することができるため、衝撃エネルギー吸収凸起8を設ける割に加工コストを低減でき、また、衝撃エネルギー吸収体7及び衝撃エネルギー吸収凸起8による衝撃エネルギー吸収荷重は、成形工具が有する第1成形部及び第2成形部の大きさと、第1成形部及び第2成形部による下部ハウジング6の押込み深さとを決めることにより調整することができるため、底付き時の衝撃エネルギー吸収荷重の調整を簡易にできる。
【0025】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0026】
実施の形態3
図6は実施の形態3の衝撃エネルギー吸収部の構成を示す拡大断面図である。
実施の形態3のステアリング装置は、上部ハウジング3の下部内側に嵌合された下部ハウジング6の嵌合部Bに複数の凸起からなる前記衝撃エネルギー吸収体7をラジアル方向外側が凸となるように一体に成形し、さらに、下部ハウジング6の前記嵌合部Bよりも下側に複数の衝撃エネルギー吸収凸起8をラジアル方向外側が凸となるように一体に成形し、嵌合部Bでは上部ハウジング3の内周面が衝撃エネルギー吸収体7と接触し、嵌合部Bで上部ハウジング3及び下部ハウジング6が相対移動した後、上部ハウジング3の内周面が衝撃エネルギー吸収凸起8と接触するようにしたものである。
【0027】
実施の形態3においては、実施の形態1と同様、衝撃エネルギー吸収体7及び衝撃エネルギー吸収凸起8の周方向位置をほぼ等しくしてある。
【0028】
この実施の形態3にあっても実施の形態1のように衝撃エネルギー吸収体7と衝撃エネルギー吸収凸起8とにより2段階で衝撃エネルギーを吸収することができるため、運転者に加わる負荷を低減できる。
【0029】
また、周方向位置がほぼ等しい衝撃エネルギー吸収体7と衝撃エネルギー吸収凸起8とは1つの成形工具を用い、一工程で加工することができるため、衝撃エネルギー吸収凸起8を設ける割に加工コストを低減でき、また、衝撃エネルギー吸収体7及び衝撃エネルギー吸収凸起8による衝撃エネルギー吸収荷重は、成形工具が有する第1成形部及び第2成形部の大きさを決めることにより調整することができるため、底付き時の衝撃エネルギー吸収荷重の調整を簡易にできる。
【0030】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0031】
尚、以上説明した実施の形態では嵌合部Bと軸長方向に離間した1つの位置に前記衝撃エネルギー吸収凸起8を一体に成形したが、その他、この衝撃エネルギー吸収凸起8は軸長方向に離間した複数の位置に設けてもよい。また、衝撃エネルギー吸収凸起8は周方向に離間して4個設けたが、該衝撃エネルギー吸収凸起8の個数は特に制限されない。
【0032】
また、以上説明した実施の形態では、凸起からなる衝撃エネルギー吸収体7を上部ハウジング3、下部ハウジング6と一体に成形したが、この衝撃エネルギー吸収体7の凸起の個数は特に制限されない。また、衝撃エネルギー吸収体7は例えば筒部材からなる構成とし、この筒部材を前記嵌合部Bに嵌合してもよいのであり、衝撃エネルギー吸収体7の構成は特に制限されない。
【0033】
【発明の効果】
第1発明によれば、エネルギー吸収ストローク内の2段階で衝撃エネルギーを吸収することができる構成を簡易に実現することができる。しかも、嵌合部に設ける第1衝撃エネルギー吸収凸起と、嵌合部と軸長方向へ離間した位置に設ける第2衝撃エネルギー吸収凸起とを一工程で加工することができ、加工コストをより一層低減できる。
【0034】
第2発明によれば、エネルギー吸収ストローク内の2段階で衝撃エネルギーを吸収することができる構成を簡易に実現することができる。しかも、嵌合部に設ける第1衝撃エネルギー吸収凸起と、嵌合部と軸長方向へ離間した位置に設ける第2衝撃エネルギー吸収凸起とを一工程で加工することができ、加工コストをより一層低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係るステアリング装置の実施の形態1の衝撃エネルギー吸収部の構成を示す拡大断面図である。
【図3】上部ハウジング及び下部ハウジングが相対移動した状態を示す拡大断面図である。
【図4】衝撃エネルギー吸収部の衝撃エネルギー吸収特性図である。
【図5】本発明に係るステアリング装置の実施の形態2の衝撃エネルギー吸収部の構成を示す拡大断面図である。
【図6】本発明に係るステアリング装置の実施の形態3の衝撃エネルギー吸収部の構成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
3 上部ハウジング
6 下部ハウジング
7 衝撃エネルギー吸収体
8 衝撃エネルギー吸収凸起
B 嵌合部
Claims (2)
- 上端が操舵輪に繋がる上部操舵軸と、該上部操舵軸を取り囲み、該上部操舵軸を回転可能に支持する円筒形の上部ハウジングと、前記上部操舵軸の下端に軸長方向への相対移動を可能に嵌合された下部操舵軸と、該下部操舵軸を取り囲み、該下部操舵軸を回転可能に支持する円筒形であり、上部が前記上部ハウジングの下部に軸長方向への相対移動を可能に嵌合される下部ハウジングと、前記上部ハウジングの前記下部ハウジングへの嵌合部に一体にラジアル方向へ設けられ、軸長方向に離間した複数の位置で周方向に等配された複数の第1衝撃エネルギー吸収凸起とを備えたステアリング装置において、
前記上部ハウジングは前記嵌合部から軸長方向に離間した相対移動前の位置に前記第1衝撃エネルギー吸収凸起と周方向の位置をほぼ等しくして、前記上部ハウジングと一体にラジアル方向へ成形され、相対移動した後の前記下部ハウジングの周面と接触する複数の第2衝撃エネルギー吸収凸起を有することを特徴とするステアリング装置。 - 上端が操舵輪に繋がる上部操舵軸と、該上部操舵軸を取り囲み、該上部操舵軸を回転可能に支持する円筒形の上部ハウジングと、前記上部操舵軸の下端に軸長方向への相対移動を可能に嵌合された下部操舵軸と、該下部操舵軸を取り囲み、該下部操舵軸を回転可能に支持する円筒形であり、上部が前記上部ハウジングの下部に軸長方向への相対移動を可能に嵌合される下部ハウジングと、前記下部ハウジングの前記上部ハウジングへの嵌合部に一体に設けられ、軸長方向に離間した複数の位置で周方向に等配された複数の第1衝撃エネルギー吸収凸起とを備えたステアリング装置において、
前記下部ハウジングは前記嵌合部から軸長方向に離間した相対移動前の位置に前記第1衝撃エネルギー吸収凸起と周方向の位置をほぼ等しくして、前記下部ハウジングと一体にラジアル方向へ成形され、相対移動した後の前記上部ハウジングの周面と接触する複数の第2衝撃エネルギー吸収凸起を有することを特徴とするステアリング装置。
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