JP3938137B2 - 文字や絵を食品に転写する方法、転写シートの製造法および文字や絵が転写された食品 - Google Patents

文字や絵を食品に転写する方法、転写シートの製造法および文字や絵が転写された食品 Download PDF

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Description

本発明は、レアチーズ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリーなどの食品の表面にもじや絵を転写する転写シートおよびその転写方法、並びに文字や絵が転写された食品に関する。
表面上に絵または文字あるいはその両者が食用色素を用いて描かれている可食フィルムが知られている(特許文献1)。
特許文献2には、可食性基材表面に可食性インキにて所望の模様を印刷し、該可食性インキが乾燥する前もしくは基材に吸収される前に可食性の粉体を被印刷表面に散布して印刷画線部に付着せしめセットする1もしくは2以上の工程(A)と、上記と異なる色を呈する可食性インキにて印刷する工程(B)とから選ばれる複数の印刷工程を含んでなる多色印刷方法が記載されている。
特許文献3には、透明な可塑性合成樹脂フィルムに、油脂を主材とする食用インキで模様を謄写印刷し、次いでこの印刷済みフィルムを陰圧成形して印刷領域を凹所内側にもつ菓子型を形成し、これに流動状の油性菓子生地を流しこみ、冷却・固化する印刷模様付固形菓子の製造法が記載されている。
特許文献4には、水飴、グルコース、デキストリン、砂糖、異性化糖、アラビアガム、カラメルの1種以上約20〜60%、レシチン約3〜50%と水からなる均質である可食性の印刷インクが記載されている。
特許文献5には、プラスチックフィルムの上にコンニャク粉を水等の液で溶いて作ったこんにゃく糊をスクリーン印刷またはコールコータ等で厚さ1〜3μ程度の水溶性可食フィルムをつくり、このプラスチックフィルム上の水溶性可食フィルムの上に可食インキを用いて絵または文字を描いて絵画被膜を有する転写シートを作り、この転写シートの絵画被膜をレアチーズケーキ、アイスクリーム等の食品の表面に密着させて転写シートと食品とを凍結し、凍結後食品からプラスチックフィルムを剥すことによって食品の表面に水溶性可食フィルムと絵画被膜とを転写する水溶性可食フィルムに描かれた文字や絵を食品に転写する転写方法が記載されている。また、コンニャクを使用することを開示するものとして特許文献6がある。
特許文献7には、可食フィルムを形成するために、ペースト状の原料液を剥離紙上にスプレーし、加熱し、剥離紙上に原料液の乾燥物を形成し、剥離紙を除去する工程が記載されている。
実開昭59−122087号公報 特開昭58−5285号公報 特公昭53−12589号公報 特公昭59−53814号公報 特開平6−113788号公報 特開平11−313619号公報 特開平10−201429号公報
従来から食品の表面に可食性インキにて模様等を印刷することが行われていた。
合成着色料やさまざまな着色料色素を、ミキシング等で定量を混合して作られた可食インキであったため、やわらかさ、かたさ、粘り度合いや、にじみやすさ、色むら等々、印刷適正上、いろいろな問題があった。同時に商品の完成度、見栄えも不充分なものが多く、特に今、最も重要視されなければならない、食品衛生上の安全性にも不安定な部分が見られた。
従来の可食シート(フィルム)と言われるものは、食べられない薄いセロファンフィルムに、まずデンプン素材のオブラートフィルムや、マンナン素材のコンニャクフィルムを作り出し、そのフィルムを下地のベースとして用い、その上に絵柄や文字をスクリーン印刷し、一体化した食べられるフィルムとして、商品等に添付加工している。当然フィルムベース製造過程(スクリーン印刷法やロールコーター法)と絵柄印刷工程は別のものであり、2工程ひとつのフィルムとして完成していた。特にベースフィルム製造に要する手間がかかり、工程管理も複雑であったため、素材、および製造コストが高く、また、フィルムの性質上、完全乾燥フィルムとするため、どうしても湿度に弱いという性質が発生、製造工程管理上も、製造の安定保管を含め大変複雑であった。
スプレー方式によっては、文字あるいは絵などの絵柄を厳密に描くことは難しく、これらの絵柄を転写したときに繊細さを欠くことになる。
本発明は、食品の表面への文字あるいは絵などの模様を転写工程を簡単にして手間を要することなく繊細に転写することができ、食品衛生上安全が確保され、製造コストの小さな転写方法およびこの方法に用いる転写シートを提供することを目的とする。
更に、本発明は、上述の転写方法によって製品される新規にして商品の完成度、見栄えが充分な商品、すなわち食品を提供することを目的とする。
本発明は、可食転写部分を有するプリントシート、すなわち転写シートを米粉と水とを1:1〜5の割合で混合して炊飯ジャーで炊き込み、米粉おかゆペーストに、水と野菜乾燥粉末とを加えた混合体を炊飯ジャーで炊き込んでペースト状に形成された可食インキが使われ、湿度70%以上の多湿の環境下で平坦なプラスチックの上に直接にスクリーン印刷によって可食インキ部分からなる文字あるいは絵の絵柄被膜が多湿の環境化で乾燥させることで、製造させることに1つの特徴を有する。もち米は、羽二重粉が望ましく使用されるが、他のもち米であってもよい。
本発明は、米粉と水とを1:1〜5の割合で混合して炊飯ジャーで炊き込み、米粉おかゆペーストを形成し、該ペーストに水と野菜乾燥粉末とを加えて混合体を形成し、該混合体を炊飯ジャーで炊き込んで可食インキを形成し、多湿の環境下で平坦なプラスチックフィルムの上に前記可食インキを用いてスクリーン印刷によって直接形成された可食インキ部分からなる文字あるいは絵の絵柄被膜を有する転写シートを形成し、多湿の環境下で乾燥させ、前記転写シートをレアチーズケーキ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリー等の食品の表面に可食インキ部分が接触するようにして密着させ、食品の水分を利用して転写シート上の可食インキ部分をペースト状態にし、急速冷凍を行って可食インキ部分を食品の表面に融合させ、しかる後にプラスチックフィルムを取りはずすことを行う文字あるいは絵を食品に転写する転写方法を提供する。
異なる野菜乾燥粉末によってそれぞれの混合体を形成して複数の可食インキを形成し、スクリーン印刷によって順次複数の可食インキを使用してそれぞれの転写シートを形成し、これらの転写シートを方向性を揃えて順次スクリーン印刷に使用する文字あるいは絵を食品に転写する転写方法を提供する。
転写シートを食品の表面に密着させるに際し、転写シートの可食インキ部分を表側にして食品の容器の表面に配設しておく文字あるいは絵を食品に転写する転写方法を提供する。
本発明は、更に一層が平坦なプラスチックフィルムであり、この平坦なプラスチックフィルム上に直接に自身が糊性状を示す可食インキを用いてスクリーン印刷によって2層目のインキ部分からなる文字あるいは絵の絵柄被膜を有する2層構成の転写シートを形成し、多湿の環境下で乾燥させ、前記転写シートをレアチーズケーキ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリー等の食品の表面に可食インキ部分が接触するようにして密着させ、食品の水分を利用して転写シート上の可食インキ部分をペースト状態にし、急速冷凍を行って可食インキ部分を食品の表面に融合させ、しかる後にプラスチックフィルムを取りはずすことを行う文字あるいは絵を食品に転写する転写方法を提供する。
本発明によれば、従来の転写方法の持つ問題点を一掃することが可能となった。合成着色料から完全に離れ、天然野菜粉末の持っている色素を使用、同時に、そのもの本体を粉末(50〜100μ粒子)にすることで、栄養素までもそのまま取り込むことが、可能となった。また、液体色素でなく野菜乾燥粉末が持つ微粒子色素を使用できるため、印刷時も、また、食品に転写したときも、色が流れ出にくくなり、スクリーン印刷独自の厚みを十分に確保することが可能となり、着色の部分で隠ぺい性を高め、商品の安定性を持たせることが可能となった。今までのように、常温で、ただミキシング等でインキを混ぜ合わせ作るだけではないため、製造工程上で、もち米(例えば、羽二重粉)と水を1:1〜5の割合にしたものを、炊飯ジャーで一定時間(例えば、10〜60分)炊き込み、この工程を2回続けて高温熱で炊き込むことで、大腸菌をはじめ、さまざまな細菌を確実に滅菌することが可能となり、ミキシング不足の色むらも無くなり、もち米をベースに炊き込むことで、適度な粘りとやわらかさのあるペーストを作ることが可能となり、印刷適性に富んだ安全性の高い優れた可食インキと言える。また、この方法を用いることで、単色の可食インキのみでなく、均等に混じりあった、複合ブレンド色も形成することが、容易に可能となった。また、本発明は、プラスチックフィルム上に文字あるいは絵部が形成される2層構造のため、プラスチックフィルムを取り外すと文字あるいは絵部の一面のみが食品の表面に残ることになって、食品のつやが阻害されず、かつ可食インキの持つ色彩がくっきりと写し出され、きれいな仕上りの食品を提供することができる。
(1)少なくとも、もち米(羽二重粉)と水を1:1〜5の割合にしたものを、炊飯ジャ
ーで一定時間(10〜60分)炊き込み、その炊き上がったもち米おかゆペーストに
、さらに、先程と同量の水をいれ、天然の多色多彩な野菜乾燥粉末色素(例えば赤は
赤ピーマン、黄色はカボチャ、緑色はホウレン草、等々)を、定量(5〜30%)混
合したものを、再度炊飯ジャーで一定時間(10〜60分)炊き込むことにより、可
食インキを形成する。
この方法を用いることで、単色の可食インキのみでなく、均等に混じりあった複合
ブレンド色も形成することが容易に行うことができる。同時に高温殺菌された粘性の
高い、色むらのない適度なやわらかさを特徴とする可食インキが提供される。
(2)上記の可食インキを用いて、まず、室内を常温多湿(例えば、湿度70%以上で1
00%度以下)の状態に環境管理すると共に、少なくとも食用アルコールによって、
表面を殺菌された厚さ100μ程度平坦なプラスチックフィルム(ポリエステルフィ
ルムが最適)の上に、150メッシュ程度のスクリーン印刷版(テトロン版)を用い
て、スクリーン印刷技法により、5〜6μ程度のインキの厚みに、絵や文字を直接印
刷した後、常温多湿(湿度70%以上)環境を保ち、乾燥させる作業を少なくとも1
回以上を行って、絵や文字を可食インキで形成したことを特徴とする転写シートが形
成される。
(3)上記(1)の可食インキを用いた、(2)の転写シートを水分性のあるレアチーズ
ケーキ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリー等の食品加工製造工程途中(容器に
液体または、半液体を充填しただけの状態)のものに置くように乗せたり、または側
面に巻くようにおいたり、または始めに底面に転写シートをおいて後から液体を流し
込んで、それぞれの転写シートの可食インキ部分と、食品本体の一部(液体状態)を
密着させて、その商品の水分を利用して、乾燥された転写シートの可食インキ部分(
絵や文字部分)をやわらかなもとのペースト状態に戻すことで、急速冷凍庫を用い、
瞬間的に冷却(−0℃以下)することで、可食インキ部と食品本体の一部が密接に接
触融合し一体化されるため、密着後プラスチックフィルム(台紙部分)を取り外すだ
けで、食品の表面部分や側面部分や底面部分に、絵や文字のみがきれいにプリントさ
れる方法を提供する。
従来の可食シートといわれるものは、食べられない薄いセロファンフィルムに、まずデンプン素材のオブラートフィルムや、マンナン素材のコンニャクフィルムを作り出し、そのフィルムを下地のベースとして用い、その上に絵柄や文字をスクリーン印刷し、一体化した食べられるフィルムとして、商品等に添付加工している。当然フィルムベース製造過程(スクリーン印刷法やロールコーター法)と絵柄印刷工程は別のものであり、2工程ひとつのフィルムとして完成していた。特にベースフィルムの製造に要する手間がかかり工程管理も複雑であったため、素材、および製造コストが高く、また、フィルムの性質上、完全乾燥フィルムとするため、どうしても湿度に弱いという性質が発生、製造工程管理上も、製品の安定保管を含め大変複雑であったが、本実施例によれば、その複雑な部分を完全に削除することができる。つまり、コンニャクやオブラートのような下地ベースフィルムを利用しないで、製造工程環境条件を管理(湿度70%以上)するだけで、2工程から1工程に大きく改良される。つまり、食用アルコールによって表面を殺菌された厚さ100μ程度の平坦なプラスチックフィルム(ペットフィルムが最適)フィルムの上に、150メッシュ程度のスクリーン印刷版(テトロン版)を用いて、スクリーン印刷技法により、5〜6μ程度のインキの厚みに絵や文字を直接印刷した後も、常温多湿(湿度70%以上)環境条件にて、乾燥加工することにより、形成された転写(プリント)シートは、従来の可食シートと違って大きくコストを下げることができた。また、印刷加工上並びに製品取り付け加工上もベースフィルムがないため、簡単に取り扱うことが可能となる。
従来の可食転写シートは、コンニャクやオブラートフィルム自体を、プラスチックから剥がして、商品に付けるのが主流であった。方法としては常温、または冷凍で転写され商品に絵付けされるというものである。手で剥がしたり、冷凍で、低い温度で長い時間かけて付けたりしていた。本発明の実施例は、(1)のインキと(2)のシート製造法を用いた転写シートを直接水分性のあるレアチーズケーキ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリー等の食品加工工程途中(容器に液体または半液体状態を充填しただけのもの)の食品表面に置くように乗せたり、または側面に巻くように置いたり、または始めに底面にシートを置きあとから液体を流し込んでそれぞれの転写シートの可食インキ部分と、食品本体の一部(液体部分)を密着させてその商品の水分を利用して、乾燥された転写シートの可食インキ部分(絵や文字部分)をやわらかくもとのペースト状態に戻すことで、急速冷凍庫を用い、瞬間的に冷却(−0℃以下)することで、可食インキ部と、食品本体の一部が、密接に接触融合し一体化するため、プラスチックフィルム(台紙部分)を取りはずすだけで、食品の表面や側面に絵や文字のみがきれいにプリントされる。また、複数回のプリントが複数枚の転写プリントを揃えることによって容易に可能になる。本実施例になる転写シートと取付け方法で、今まで長時間かけて−25℃前後のような低い温度を使用しなくとも、短時間で部分的に冷却(−0℃以下)するだけという、製造加工上、大きな時間短縮と経費削減が同時に可能となる。この実施例によって食べて味わうだけでなく、目で見て楽しんでから食べて味わえるといったように、2重の味わいができることで、食品の新しい分野として法事や祭典、イベントやオリジナル土産として大きな需要が見込めることとなった。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例である転写の方法を示す工程図である。この転写方法は、第1ステップから第4ステップからなる。第1ステップは可食インキ形成工程であり、第2ステップは転写シート形成工程であり、第3ステップは食品への転写形成工程であり、第4ステップは文字あるいは絵が転写された食品の完成工程である。第1ステップおよび第2ステップによって転写シートが製造される。第2ステップおよび第3ステップによって転写の方法が構成され、第4ステップによって完成された特徴ある食品が提供される。以下、それぞれのステップについて詳述する。
図2および図3は、可食インキを形成する第1ステップを示す。これらの図において、羽二重粉であるもち米1と水を1:5(1:2〜3付近が最も望ましい。)の割合にして混合体3を形成し、炊飯ジャー(全ての炊飯器を含めてここでは炊飯ジャーという。)で一定時間、例えば10〜60分炊き込みを行う。これによってもち米おかゆペースト5を作る。
炊き上がったもち米おかゆペースト5に先程と同量の水6を入れ、更に天然の多色多彩な野菜乾燥粉末色素7を定量、例えば体積比で5〜30%混合して他の混合体8を形成し、再度炊飯ジャー4で一定時間、例えば10〜60分炊き込み、粘り気のある可食インキ9を作る。羽二重粉に代えて食用米(うるち米)の粉、上新粉が実用可能であり、米粉が使用され得る。ねばりを呈する材料が使用される。
この工程で使用される野菜乾燥粉末としては、カボチャ、赤ピーマン、ホウレン草などがあり、この工程で重要なことは、2回の炊き込みによって完全殺菌された可食インキが形成されることである。図4および図5は、転写シート形成する第1ステップを示す。この工程において、第1ステップで作成された可食インキ9が使用される。この可食インキ9は、もち米おかゆペーストから作成しており、糊性状を有する。この糊性状のために可食インキを他の糊性状のあるシート状に印刷することなく、プラスチックシートに印刷できるという特徴を発揮することになる。
この糊性状を維持するために転写シート工程は多湿状態でなされる。図4に示すように、作業雰囲気、すなわち作業室11の内部の作業環境は常温多湿、例えば湿度70〜100%とされる。多湿状態は糊の湿り状態を維持すればよい。このような多湿の環境下でプラスチックフィルム12上に可食インキ9を使用し、スクリーン印刷技術を使用して転写シートを形成する。スクリーン印刷技術は公知のスクリーン印刷技術を採用することができる。
図5は、スクリーン印刷法によって転写シートを作成する方法を示す。
図5(a)は印刷前の状況を示し、プラスチックフィルム12の上方にスクリーン印刷版15を準備する。スクリーン印刷版15は、テトロン版18を外枠16でしっかりと固定したもので、下面に非画線部(版被覆)31と画線部32とが形成してある。
テトロン版18には前述した方法によって作られた可食インキ9が載置され、可食インキ9を作動方向に移動させ、すり込む手段としてのステージ17が準備される。
図5(b)は印刷中の状況を示し、ステージ17を使用し、スクリーン印刷版15に文字あるいは絵などの原形体をスクリーン技術によって作る。すなわり、食用アルコールによって表面を殺菌された厚み100μ程度の平坦なプラスチックフィルム(ポリエステルフィルム)12の上に、例えば150メッシュ程度のスクリーン印刷技法により、5〜6μ程度のインキ厚みに文字あるいは絵を直接印刷する。作成された転写シート21は、一層が平坦なプラスチックフィルム12であり、この平坦なプラスチックフィルム上にそれ自身が糊性状を示す可食インキを用いてスクリーン印刷によって直接形成された2層目の可食インキ部分19からなる絵画(文字あるいは絵)被膜を有する2層構成とされるために使用されることに特徴を有する。
すなわち、インキ部分とプラスチックフィルム間に粘着のために第3の層である下地ベースフィルムを持たない構成とすることができることである。
そして、図5(c)は印刷終了後の状況を示し、印刷後は、そのままの常温多湿の環境下で、自然乾燥、例えば10〜30分程度の乾燥を行う。このような文字や絵の印刷と乾燥を文字あるいは絵を形成するに必要な回数行う。このような工程を複数個行うことによって転写シート2が完成する。
図6は、図5に示す工程を色数に対応して複数回1色ずつ印刷を繰り返す工程を示す。図において、転写シートは図において左辺および底辺に置かれたツキアテ35によって位置決めがされ、例えば、工程1では緑色が、工程2では黄色が、工程3では赤色が、そして工程4では紫色が印刷され、完成される。
このような方法で製造された転写シート21は、剥離するための一体化した下地ベースフィルムを使用してないため、直接文字や絵の可食インキ9がプラスチックフィルム12の表面に印刷されてできる。このために、通常では簡単にプラスチックフィルム12と可食インキ部分9を剥がすことが容易である。
また逆に言えば、商品(チーズケーキ等食品)にプリント添付するまでに、従来のフィルムのように取り扱い工程で、はがれたり、浮き上がったり、しわになったり、とけたりすることがないという特徴を有する。
図7は、第3ステップの食品への転写形成工程を2例示す。この工程の形成に当たっては、第2ステップで形成された転写シート21が使用される(図7(a))。尚、図7において、説明のために転写シートに厚みを表示してあるが、シート状であり、極めて薄いものである。
水分性のあるレアチーズケーキ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリーなどの食品22の製造加工工程途中(容器23に食品の液体または半液体状のものを充填したもの)のものの表面に置いたり(図7(b−1))、あるいはまず、容器23内の内側あるいは底面に転写シート21の可食インキ部分が表側になるようにして配設し、次いで食品の製造加工工程途中のものを容器23内に流し込み、次いで食品22の表面にも置く(図7(b−2))。
このようにして、食品23の表面に置くように乗せたり、側面に巻くように置いたり、底面に敷くようにして置いたりして、付着したいと思う箇所に付けたい文字あるいは絵のある転写シート21の可食インキ部分19を食品22の本体の液体状態の部分に密着させることを行う。乾燥していた可食インキ部分19は、食品22の水分を吸収し、柔らかな元のペースト状態に戻る。
このような状態にした食品22を急速冷凍室31に入れる(図7(c))。急速冷凍室31を用い、食品22を瞬間的に冷却(例えば−0℃以下の温度にする。)することで、可食インキ部分19と食品本体の一部とを密接融合させ、一体化させる。これによって可食インキ部分19が食品22の表面に一体化、密着した食品が形成される。
このようにして密着化を行った後に、プラスチックフィルム12を食品自体から取りはずすことを行う(図7(d))。
プラスチックフィルム12を食品から取りはずすと、食品22の表面部、側面部、底面部に可食インキ部分19がプリントされ、文字や絵が転写された食品が完成する。このようにして第4ステップが完了する。食品22の表面部には一層の可食インキ部のみが形成されている。
第4ステップ後における完成した食品、すなわち文字あるいは絵の転写された商品の構成上、構造上の特徴を示せば次のようである。
図8は、チーズケーキ、アイスクリーム、ゼリー等の食品で容器内に食品部が収納されたものであって、本実施例に示す方法によって製造完成された食品を示す。図8において、食品部81(図7の食品22に相当)は容器23の内側に収納され、容器23の上部には蓋82が設けられている。(図8(a))。図8(b)に示すように、食品部81の表面84には文字あるいは絵などからなる絵部(すなわち絵柄部)85(図7の可食インキ部19に相当)が転写されて設けてある。図8(a)において、文字あるいは絵部85は、食品部81の表面部の食品に融合し、一体化し、文字あるいは絵部85の表面86と食品部81の表面84とはほぼ一致した平面を形成している(画一平面)。
そして、食品部81の表面84および文字あるいは絵部85の表面86の双方が外部に対して直接的に露出しているという特徴が形成される。この状態にあっては、食品部81の有するつやはだがそのままの状態で露出し、かつ文字あるいは絵部85を構成する可食インキ9の有する色彩がそのままの状態で露出することになるという特徴を呈する。
図9は、可食インキ部と可食インキを載置し、コンニャクあるいはオブラートからなる被膜とこの被膜が載せられる薄いフィルムから文字あるいは絵部を形成する従来例を示す。食品部81が容器23の内部に収納され、食品部81の表面部に文字あるいは絵部85が形成される。この製造方法によれば、文字あるいは絵部85は可食性の被覆91の上に載置されており、被覆は図9(a)もしくは図9(b)に示すように食品部81の最上部の表面に形成されることになる。
可食インキ部である文字あるいは絵部85を直接的に露出させることで、コンニャクやオブラートといった薄い被覆をなくすことができ、食品の表面の水分が乾いても白くにごったり、異物のようなものが見えたりすることがなく、商品価値が極めて高いものとなった。また、転写された文字あるいは絵部85も被覆がないので、色彩がくっきりと鮮やかな状態を呈する。
横から見ても食品部81の表面84と文字あるいは絵部85の表面86とをフラットに仕上げることが可能となり、食品部81と文字あるいは絵部85を一体化した商品を提供することが可能になった。
図10はチョコレート(板)上に文字あるいは絵部を形成した例を示す。基本的には図8に示す例と同じである。
従来の技法であっては、油性質の高いチョコレートに水性質の高いコンニャクあるいはオブラートなどの被覆を使用しての転写は不可能であったが、本実施例によれば、直接可食インキ部101をチョコレート102に融合させる方法を採るので、簡単にチョコレートベースのペーストと可食インキペーストとの融合、一体化が可能になった。この実施例の方法によれば、チョコレートの有する油と可食インキ部の有する水とは大きく反発することがなく(被撥水性)、チョコレートペーストの粒子の中に可食インキペーストの粒子が混合し、融合した。
このようにベースがチョコレートの場合にあっても、文字あるいは絵部である可食インキ部101は、チョコレート102の表面部のチョコレートに融合し、一体化し、文字あるいは絵部の表面103とチョコレート102の表面104とはほぼ画一平面を形成する。そして、チョコレート102の表面104および文字あるいは絵部の表面103の双方が外部に対して直接的に露出しているという特徴が形成される。この状態にあっては、チョコレート102の有するつやはだがそのままの状態で露出し、かつ文字あるいは絵部を構成する可食インキ部101の有する色彩がそのままの状態で露出することになるという特徴を呈する。
本発明の実施例の転写方法を示す図。 図1の第1ステップの前半を表す図。 図1の第1ステップの後半を表す図。 図1の第2ステップの環境を示す図。 本実施例で採用されたスクリーン印刷技法を示す図。 複数回刷りの工程を示す図。 図1の第3ステップの詳細を示す図。 完成された食品(商品)の詳細を示す図。 比較のための従来例を示す図。 チョコレート(板)上に文字あるいは絵部を形成した例を示す図。
符号の説明
1…もち米(羽二重粉)、2、6…水、3、8…混合体、4…炊飯ジャー、5…もち米おかゆペースト、7…野菜乾燥粉末色素、9…可食インキ、11…作業室、12…プラスチックフィルム、19…可食インキ部、21…転写シート、22…食品、23…容器。

Claims (4)

  1. 米粉と水とを1:1〜5の割合で混合して炊飯ジャーで炊き込み、米粉おかゆペーストを形成し、該ペーストに水と野菜乾燥粉末とを加えて混合体を形成し、該混合体を炊飯ジャーで炊き込んで可食インキを形成し、多湿の環境下で平坦なプラスチックフィルムの上に直接に前記可食インキを用いてスクリーン印刷によって可食インキ部分からなる文字あるいは絵の絵柄被膜を有する転写シートを形成し、多湿の環境下で乾燥させ、前記転写シートをレアチーズケーキ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリー等の食品の表面に可食インキ部分が接触するようにして密着させ、食品の水分を利用して転写シート上の可食インキ部分をペースト状態にし、急速冷凍を行って可食インキ部分を食品の表面に融合させ、しかる後にプラスチックフィルムを取りはずすことを行うことを特徴とする文字あるいは絵を食品に転写する転写方法。
  2. 請求項1において、異なる野菜乾燥粉末によってそれぞれの混合体を形成して複数の可食インキを形成し、スクリーン印刷によって順次複数の可食インキを使用してそれぞれの転写シートを形成し、これらの転写シートを方向性を揃えて順次スクリーン印刷に使用することを特徴とする文字あるいは絵を食品に転写する転写方法。
  3. 請求項1において、転写シートを食品の表面に密着させるに際し、転写シートの可食インキ部分を表側にして食品の容器の表面に配設しておくことを特徴とする文字あるいは絵を食品に転写する転写方法。
  4. 請求項1から3のいずれに記載する文字あるいは絵を食品に転写する方法によって製造されたレアチーズ、アイスクリーム、チョコレート、ゼリー等の食品部の表面に転写された文字あるいは絵部を備えた食品において、
    前記文字あるいは絵部は、前記食品部に融合し、前記文字あるいは絵部の表面と食品部の表面とはほぼ一致した平面を形成し、
    前記食品部の表面および文字あるいは絵部の表面の双方が外部に直接的に露出することによって、前記食品部のつやはだがそのままの状態で露出し、かつ前記文字あるいは絵部の色彩がそのままの状態で露出していること
    を特徴とする食品。
JP2003377828A 2003-11-07 2003-11-07 文字や絵を食品に転写する方法、転写シートの製造法および文字や絵が転写された食品 Expired - Fee Related JP3938137B2 (ja)

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