JP3937186B2 - シクロプロパンカルバルデヒドの精製方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、シクロプロパンカルバルデヒド中に含有されるクロトンアルデヒドを除去することを目的とするシクロプロパンカルバルデヒドの精製方法に関する。本発明により提供されるシクロプロパンカルバルデヒドは、各種医薬品、農薬、例えば除草剤として有用なN−(シクロプロピルメチル)−2,6−ジニトロ−N−プロピル−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンアミンの合成中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】
シクロプロパンカルバルデヒドは、2,3−ジヒドロフランを熱異性化させることにより合成できることが知られている[ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエテイ(Journal of the American Chemical Society)、69巻、3002頁(1947年)参照]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法で得られたシクロプロパンカルバルデヒドには反応に伴う副生成物であるクロトンアルデヒドが含まれており、製品化に際しては該不純物を除去する必要がある。工業的な方法において、最も実用的な精製方法は蒸留であるが、クロトンアルデヒドはシクロプロパンカルバルデヒドとの沸点差が約3度しかなく(シクロプロパンカルバルデヒド:98〜101℃、クロトンアルデヒド:104℃)、蒸留分離は困難である。
副生成物であるクロトンアルデヒドを除去する方法として、2,3−ジヒドロフランの1回あたりの転化率を抑え、反応を繰り返し行うことでクロトンアルデヒドの生成を抑制する方法が知られている(米国特許第4275238号明細書参照)が、クロトンアルデヒドの含有率は5%を超えており、十分とはいえない。
しかして、本発明の目的は、工業的に有利な方法でクロトンアルデヒドを除去することが可能な、シクロプロパンカルバルデヒドの精製方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的は、シクロプロパンカルバルデヒド中に含有されるクロトンアルデヒドを、接触水素化することによりブチルアルデヒドに変換したのち、蒸留分離することを特徴とするシクロプロパンカルバルデヒドの精製方法を提供することにより達成される。クロトンアルデヒドを沸点の低いブチルアルデヒド(沸点75℃)に変換することにより、シクロプロパンカルバルデヒドとの沸点差を利用して蒸留分離することができる。
【0005】
シクロプロパンカルバルデヒドの調製には公知の方法を採用できる。例えば、2,3−ジヒドロフランを温度400〜550℃、液空間速度0.01〜10/時間の範囲で熱異性化させることにより行う。該反応は常圧、加圧または減圧下に行うことができるが、常圧下で実施すると操作が容易である。得られた反応生成物中に2,3−ジヒドロフランが残存する場合には、反応液を冷却、凝縮し、2,3−ジヒドロフランを蒸留回収するのが経済的に有利である。
【0006】
かくして得られるシクロプロパンカルバルデヒド中にはクロトンアルデヒドが1〜50%程度含まれており、これをブチルアルデヒドに変換するために接触水素化を行う。水素化に使用する触媒としては、α,β−不飽和アルデヒドを飽和アルデヒドに変換する際に使用される触媒であれば特に制限はないが、例えば、周期表第8族金属のニッケル、コバルト、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム等を含有する触媒が好ましく、パラジウムを含有する触媒がより好ましい。これらは担体なしで、例えばラネーニッケルまたはラネーコバルト等として、または担持触媒として用いられる。非担持触媒は例えば酸化白金等の前記金属の酸化物;または例えばギ酸ニッケル等の前記金属の塩であってもよい。担体としては、例えば珪酸、珪酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、硫酸バリウム、炭末等が好ましい。さらに、添加物として、例えば酢酸鉛、硫酸鉄、水酸化リチウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム等を加えてもよい。
【0007】
回分式操作による場合には、シクロプロパンカルバルデヒド中に含有されるクロトンアルデヒドに対して0.01〜500重量%の触媒の存在下に水素化を行うのが好ましい。連続操作で水素化を行う場合には、導通式耐圧反応器中に触媒を固定配置する。
【0008】
水素化は、好ましくは0℃以上180℃以下の温度で、常圧〜50気圧の圧力で行われる。反応時間は温度、圧力等の条件によっても異なるが、通常0.001〜24時間である。
【0009】
水素化は溶媒の存在下または非存在下に行われる。使用する溶媒としては、例えば酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン等のケトン系溶媒;ヘキサン等の炭化水素系溶媒;メタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上の組合せで使用することができる。
【0010】
接触水素化後の蒸留は、一般的な方法で行えばよく、特別な操作は何等必要ではない。代表的な方法としては、クロトンアルデヒドが水素添加されて生成するブチルアルデヒドとシクロプロパンカルバルデヒドを分離するのに十分な段塔式、充填塔式などの蒸留塔を使用し、常圧にて連続的または非連続的に行うが、加圧、減圧下に実施してもさしつかえない。蒸留は、まずブチルアルデヒドを留去し、そののち目的物を留出させるか、または釜に残存する目的物をそのまま取得することにより、シクロプロパンカルバルデヒドを得ることができる。かくして得られるシクロプロパンカルバルデヒドは、極めて純度が高いものが得られるので、その工業的意義は大きい。
【0011】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0012】
実施例1
2,3−ジヒドロフランを温度500℃、液空間速度0.27/時間で19時間反応させた。得られた反応液805gから常圧で2,3−ジヒドロフラン650gを蒸留回収後、シクロプロパンカルバルデヒドおよびクロトンアルデヒドを含む留分107gを得た。このうち50g(純度94.6%で、クロトンアルデヒドを2.7%含む)に、5%パラジウム(炭酸カルシウムに担持/Pb処理)2.5g、酢酸メチル30mLを加え、室温、水素1気圧で7時間反応させた。得られた反応液の組成は、シクロプロパンカルバルデヒド91.4%、ブチルアルデヒド5.7%でクロトンアルデヒドは検出されなかった。これを、マクマホンを充填した高さ35cmの充填塔を用いて常圧で蒸留した。沸点89℃以下の留分を除いたのち、沸点98〜101℃の留分を取得することにより、純度99.1%のシクロプロパンカルバルデヒド36.9gを得た。
【0013】
実施例2
シクロプロパンカルバルデヒドとクロトンアルデヒドの混合物(84:16)10gに、5%パラジウム(炭末に担持)0.1g、メタノール20mLを加え、室温、水素1気圧で4時間反応させた。得られた反応液の組成は、シクロプロパンカルバルデヒド80.5%、ブチルアルデヒド18.4%でクロトンアルデヒドは検出されなかった。
【0014】
実施例3
シクロプロパンカルバルデヒドとクロトンアルデヒドの混合物(84:16)10gに、5%パラジウム(酸化アルミニウムに担持)0.12g、酢酸カリウム5mgを加え、100℃、水素4気圧で3時間反応させた。得られた反応液の組成は、シクロプロパンカルバルデヒド81.2%、ブチルアルデヒド16.5%でクロトンアルデヒドは0.1%であった。
【0015】
実施例4
シクロプロパンカルバルデヒドとクロトンアルデヒドの混合物(84:16)10gに、0.2%パラジウム(酸化マグネシウムに担持)0.5gを加え、140℃、水素5気圧で2時間反応させた。得られた反応液の組成は、シクロプロパンカルバルデヒド79.1%、ブチルアルデヒド17.7%でクロトンアルデヒドは検出されなかった。
【0016】
実施例5
酢酸ニッケル0.24gと1.0規定水素化ホウ素ナトリウム1.0mL(エタノール溶液)から調製した触媒に、シクロプロパンカルバルデヒドとクロトンアルデヒドの混合物(84:16)10gを加え、室温、水素2気圧で8時間反応させた。得られた反応液の組成は、シクロプロパンカルバルデヒド80.2%、ブチルアルデヒド18.9%でクロトンアルデヒドは検出されなかった。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、シクロプロパンカルバルデヒドが工業的に有利に精製される。
Claims (1)
- シクロプロパンカルバルデヒド中に含有されるクロトンアルデヒドを、接触水素化することによりブチルアルデヒドに変換したのち、蒸留分離することを特徴とするシクロプロパンカルバルデヒドの精製方法。
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JP06605595A JP3937186B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | シクロプロパンカルバルデヒドの精製方法 |
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JP06605595A Expired - Fee Related JP3937186B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | シクロプロパンカルバルデヒドの精製方法 |
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- 1995-03-24 JP JP06605595A patent/JP3937186B2/ja not_active Expired - Fee Related
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