JP3937157B2 - 給湯ヘッダシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の床下にヘッダ工法により設置される給湯ヘッダと、この給湯ヘッダを設置するための給湯ヘッダ用施工部材と、を含めた給湯ヘッダシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、給湯ヘッダとして、例えば図1に示すような給湯システムにおいて用いられるものが知られている。このものでは、熱源機2において給水管21からの入水を加熱しこの湯を給湯ヘッダ3に入湯させる一方、上記給水管21から分岐した入水用供給配管25により上記給湯ヘッダ3に入水させ、給湯ヘッダ3の各混合弁33〜36で水と湯とを対応する給湯先7〜10で要求される設定給湯温度に基づいて所定の混合比で混合させることにより、各給湯先毎に互いに異なる温度での給湯を可能としている。上記の各混合弁33〜36での混合比を変更制御するためのコントローラは、図1に例示したように給湯ヘッダ3に内蔵される場合(図1の符号6参照)と、給湯ヘッダとは別に他の箇所に独立して設置される場合とに分かれる。
【0003】
そして、上記コントローラが独立設置される場合の給湯ヘッダであれば、例えば図5に一般住宅の場合を示すように給湯ヘッダ3aは熱源機の設置予定位置の下方の床下空間Cに設置され、この給湯ヘッダ3aから浴槽や各部屋の給湯カランへ延びる給湯用配管等の各種配管25,23,71〜101が床下空間に敷設されることになる。より詳細には、基礎コンクリートB等を打設する途中又は完了後であって床張りを行う前の段階、つまり床下空間Cがオープンスペースになっている基礎打ち段階において上記給湯ヘッダ3aを設置し、この設置した給湯ヘッダ3aの一側に入湯用及び入水用の供給用配管25,23の下流端を接続し他側に多数の給湯用配管71〜101の上流端を接続し、併せて、各給湯用配管7〜10の下流端を浴槽等の給湯先が設置される予定位置の床下まで敷設する作業が予め行われる。そして、柱P、梁Hを建て込んで棟木Mの上に屋根Rを設置した後の段階で壁等に対し上記の給湯用配管71〜101等が固定され、さらに浴槽、洗面台、台所及び上記熱源機2等の住宅設備機器が設置される段階になってそれら住宅設備機器と上記の供給用配管23,25や給湯用配管7〜101との接続が行われることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図1に例示した場合のように給湯ヘッダ3がコントローラ6等の電気制御機器を内蔵したものである場合には、その給湯ヘッダ3を上記の基礎打ち段階に設置することは上記電気制御機器の機能保全上の観点から不可能となり、少なくとも屋根を設置した後の段階でないと給湯ヘッダ3を設置し得ないことになる。しかも、その設置作業は極めて困難なものとなる。
【0005】
すなわち、基礎打ち段階では屋根が設置されていないため、この段階で床下に給湯ヘッダ3をもしも設置すると、その給湯ヘッダ3が雨に濡れるおそれがあり、上記コントローラ6等の電気制御機器の機能不全を招くおそれがある。このため、厳重な雨対策の保証がない限りは製品の品質保証上の観点からも基礎打ち段階での設置を許容することは不能となる。
【0006】
一方、屋根を設置した後の段階で上記給湯ヘッダ3を設置するようにした場合には、既に床張りが終了して床下空間Cが閉鎖されているため、たとえ設置場所だけの床を剥がしたとしても狭い床下空間Cにおいて入水用・入湯用の両供給用配管23,25や多数の給湯用配管71〜101との接続作業は極めて困難なものとなる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コントローラ等の電気制御機器を内蔵した給湯ヘッダであっても、容易にかつ確実に設置し得る給湯ヘッダシステムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、入湯及び入水をそれぞれ個別に受けて混合する2以上の混合弁を内蔵した給湯ヘッダと、この給湯ヘッダに対し各種配管を接続するための給湯ヘッダ用施工部材とを備えた給湯ヘッダシステムを対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記給湯ヘッダに対し、湯の供給を受ける入湯用接続口と、水の供給を受ける入水用接続口と、上記各混合弁により混合された後の湯を出湯させる2以上の出湯用接続口とを含む全ての接続口を互いに平行にかつ各先端を同一方向に向けて配設する一方、上記給湯ヘッダ用施工部材に対し、上記入湯用接続口に湯を供給するための湯供給用配管の下流端と、上記入水用接続口に水を供給するための水供給用配管の下流端と、上記各出湯用接続口からの湯を対応する給湯先に給湯するための2以上の給湯用配管の各上流端とにそれぞれ結合される接続部材の全てを互いに平行にかつ各先端を同一方向に向けた状態で各接続部材の取付固定位置が隣接する他の接続部材に対し相対変位可能とされて上記給湯ヘッダの各接続口と同様配置に配設する。少なくとも上記入湯用及び入水用の両接続口をそれぞれ温水プラグにより構成する一方、上記湯供給用配管及び水供給用配管の両下流端にそれぞれ結合される接続部材を、常時は閉止状態に維持し上記温水プラグの内嵌によって通水可能となる逆止弁付きの温水コンセントにより構成する。そして、上記給湯ヘッダ用施工部材を必要数の上記接続部材が予め取り付けられた状態で住宅の床下の所定位置に設置し、上記給湯ヘッダを、その各接続口を上記設置した給湯ヘッダ用施工部材の対応する接続部材と相対向させた状態でその給湯ヘッダ用施工部材側に押し込むことにより上記各接続口を対応する接続部材に内嵌させて接続されるようにすることとした。
【0015】
この請求項の場合、全ての接続部材が配設された施工部材を住宅等の基礎打ち段階に予め設置しておけば、屋根設置後の段階において上記給湯ヘッダを後付けする場合であっても、給湯ヘッダの各接続口を施工部材の各接続部材に相対向させて両者を接続するだけという容易な作業で給湯ヘッダを設置することが可能になる。このため、床下空間のようにたとえ狭い空間であっても、予め敷設された各種配管に対し給湯ヘッダを確実に後付けすることが可能になる。又、住宅等の基礎打ち段階において施工部材を設置したとしても、湯供給用及び水供給用の両配管の下流端に温水コンセントが結合され、この温水コンセントは温水プラグが内嵌されない状態では自動的に閉止されているため、上記湯供給用及び水供給用の両配管の上流側が例えば水道管等の上水道に接続されていたとしても特別の対策を施さなくても後の給湯ヘッダ側の温水プラグとの接続まで閉栓状態に保持し得る。しかも、給湯ヘッダ側の接続口である温水プラグを上記温水コンセントに内嵌させるだけという極めて容易な作業により接続作業が完了し通水可能にし得る。一方、全ての接続口を温水プラグにより構成し、全ての接続部材を温水コンセントにより構成することにより、給湯ヘッダの各接続口を施工部材の各接続部材に相対向させた状態で全体を押し込んで内嵌させるという一動作で全ての接続作業が完了することになる。更に、上記施工部材に対する上記各接続部材の配設は本来は給湯ヘッダ側の各接続口と同様配列になるように行うものの、その配設位置に若干のずれ等が生じていても接続部材側を相対変位可能にすることで接続口との位置調整が可能となり、より容易に確実な接続及び給湯ヘッダの設置を実現し得る。
【0018】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の給湯ヘッダシステムによれば、全ての接続部材が配設された施工部材を住宅等の基礎打ち段階に予め設置しておくので、屋根設置後の段階において上記給湯ヘッダを後付けする場合であっても、給湯ヘッダの各接続口を施工部材の各接続部材に相対向させて給湯ヘッダを押し込んで両者を接続するだけという容易な作業で給湯ヘッダを設置することができる。このため、床下空間のようにたとえ狭い空間であっても、予め敷設された各種配管に対し給湯ヘッダを確実に後付けすることができるようになる。又、住宅等の基礎打ち段階において施工部材を設置したとしても、湯供給用及び水供給用の両配管の下流端に温水コンセントが結合されているため、上記湯供給用及び水供給用の両配管の上流側が例えば水道管等の上水道に接続されていたとしても特別の対策を施さなくても後の給湯ヘッダ側の温水プラグとの接続まで閉栓状態に保持することができる。しかも、後の段階で給湯ヘッダを設置する際には、給湯ヘッダ側の接続口である温水プラグを上記温水コンセントに内嵌させるだけという極めて容易な作業により接続作業を完了させることができ、両者を通水可能にすることができる。なお、全ての接続口を温水プラグにより構成し、全ての接続部材を温水コンセントにより構成することにより、給湯ヘッダの各接続口を施工部材の各接続部材に相対向させた状態で全体を押し込んで内嵌させるという一動作で全ての接続作業を完了させることができる。更に、上記施工部材に対する上記各接続部材の配設は本来は給湯ヘッダ側の各接続口と同様配列になるように行うものの、その配設位置に若干のずれ等が生じていても接続部材側を相対変位させて接続口との位置調整を行うことができ、より容易に確実な接続及び給湯ヘッダの設置を実現し得る。以上により、給湯ヘッダがコントローラ等の電気制御機器を内蔵したものであっても、その電気制御機器の雨濡れからの保護と、設置の容易さとの両立を図ることができる。加えて、以上の設置段階での効果のみならず、請求項によれば、給湯ヘッダの使用段階でのメンテナンス時に給湯ヘッダを各種配管から外して取り出したとしても、各接続部材を構成する温水コンセントが自動的に閉止状態に復帰するため、湯や水の供給源側での閉栓操作等を不要にすることができる。つまり、供給源側等での閉栓操作をすることなく、給湯ヘッダの取り外しや再度の設置を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の給湯ヘッダを用いた給湯システムの例を示す。この給湯システムは、共通の熱源機2により加熱された湯を、給湯ヘッダ3を経由させることにより2以上(図例では第1〜第4の4箇所)の給湯先7〜10に対し給湯先毎に異なる設定給湯温度で分配して分岐給湯し得るようにしたものである。なお、図1は配管等の接続関係のみを示すものである。
【0021】
上記熱源機2は水道管等の給水元管21からの水の給水を受けて燃焼バーナ及び熱交換器等からなる加熱手段22により所定の高温度(例えば60〜75℃)まで加熱し、加熱した湯を湯供給用配管23を通して上記給湯ヘッダ3に供給するようになっている。なお、上記加熱手段22の加熱作動は内蔵された熱源機側コントローラ24により制御されるようになっている。
【0022】
上記給湯ヘッダ3は入湯路31と、入水路32と、上記給湯先7〜10に対応する第1〜第4の混合弁33〜36と、上記給湯先7〜10に個別に給湯するための第1〜第4の出湯路37〜40と、上記各混合弁33〜36による湯と水との混合比を制御するコントローラ6とを含む各種機器がハウジング41内に内蔵されたものである。
【0023】
上記入湯路31は、その上流端(後述の入湯用接続口311)が上記熱源機2からの湯供給用配管23の下流端(後述の接続部材231)に接続され、下流側がそれぞれ分岐して上記各混合弁33〜36に対し個別に湯を供給するように接続されている。そして、上記入湯路31には、万一の断水発生時等における逆流を防止するための逆止弁42aと、入湯温度を検出する入湯温度センサ43とが介装されている。
【0024】
上記入水路32は、その上流端(後述の入水用接続口321)が上記給水元管21から分岐した水供給用配管25の下流端(後述の接続部材251)に接続され、下流側がそれぞれ分岐して上記各混合弁33〜36に対し個別に水を供給するように接続されると共に、洗濯機,トイレット及び庭先等の各給水先(各給水カラン)11〜13に水のみを供給する給水路44とされている。そして、上記入水路32には逆流を防止するための逆止弁42bと、入水温度を検出する入水温度センサ45とが介装され、上記給水路44には上記各給水先11〜13への給水流量を検出する給水流量センサ46が介装されている。
【0025】
上記各出湯路37〜40は対応する混合弁33〜36で混合された後の湯が出湯されるようになっており、各出湯路37〜40にはそれぞれ給湯温度を検出する第1〜第4の温度センサ47,50,53,56と、第1〜第4の過流出防止弁48,51,54,57と、給湯流量を検出する第1〜第4の流量センサ49,52,55,58とがそれぞれ介装されている。なお、上記各過流出防止弁48,51,54,57は熱源機2での加熱能力との関係で最大流量を所定値に規制するためのものであり、各流量センサ49,52,55,58からの検出流量に基づいてコントローラ6により制御されるようになっている。
【0026】
そして、上記第1出湯路37の下流端(後述の出湯用接続口371)に対し第1給湯先である浴槽(浴槽カラン)7への第1給湯用配管71の上流端(後述の接続部材711)が接続され、第2出湯路38の下流端(後述の出湯用接続口381)に対し第2給湯先であるシャワー(シャワーカラン)8への第2給湯用配管81の上流端(後述の接続部材811)が接続され、第3出湯路39の下流端(後述の出湯用接続口391)に対し第3給湯先である洗面台(洗面カラン)9への第3給湯用配管91の上流端(後述の接続部材911)が接続され、第4出湯路40の下流端(後述の接続口401)に対し第4給湯先である台所(台所カラン)10への第4給湯用配管101の上流端(後述の接続部材100)が接続されている。また、上記給水路44の下流端(後述の給水用接続口441)に対し各給水先11〜13への給水用配管111の上流端(後述の接続部材110)が接続されている。
【0027】
また、上記各給湯先7〜10にはそれぞれリモコン72,92,102が設置され、この各リモコン72,92,102にユーザが入力設定した設定給湯温度等の情報を上記コントローラ6に出力するようになっている。なお、本来は給湯先毎にリモコンが設置されるが、図例の給湯システムでは第1給湯先が浴槽7であり、第2給湯先がシャワー8であるため、両給湯先7,8でのリモコンが1つの風呂リモコン72により兼用されている。
【0028】
図2及び図3は以上の給湯ヘッダ3と、各種配管(入湯用の湯供給用配管23、入水用の水供給用配管25、4つの給湯用配管71,81,91,101及び給水用配管111)との具体的な接続部位の状況を示している。同図において、符号Bは住宅等の基礎コンクリート(図5も併せて参照)、符号14は床下空間Cの地面上に捨てコンクリート等を敷き均して形成したベース部、符号15,16は上記ベース部14に固定された台座、符号17は台座15,15上に固定された施工部材である。
【0029】
給湯ヘッダ3のハウジング41の一つの側壁411には、温水プラグにより構成された接続口311,321,371,381,391,401,441が一直線上に等間隔のピッチ毎に並ぶ各位置からそれぞれ外向きにかつ互いに平行に突出した状態で固定されている。上記接続口311は入湯路31(図3参照)の上流端に、上記接続口321は入水路32の上流端に、上記接続口371は第1出湯路37の下流端に、上記接続口381は第2出湯路38の下流端に、上記接続口391は第3出湯路39の下流端に、上記接続口401は第4出湯路40の下流端に、上記接続口441は給水路44の下流端にそれぞれ結合されている。
【0030】
上記施工部材17は断面形状がLの字状のアングル材を用いたものであり、その水平方向に延びる縦向き片171には上記接続口311,321,371,381,391,401,441と同数の7つの取付孔172,172,…(図4参照)が上記各接続口311,321,…と同じ配置で貫通して形成されている。これらの7つの取付孔172,172,…には、温水コンセントにより構成された接続部材251,231,711,811,911,100,110が個別に挿通されて各先端開口を一側方に向けてかつ互いに平行に取り付けられている。上記各取付孔172は横に長い長円形とされ、上記各接続部材251,231,…の取付固定位置を隣接する他の接続部材に対し相対変位可能とされている。つまり、上記各接続部材251,231,…の取付ピッチを多少変更し得るようになっている。
【0031】
そして、水供給用配管25の下流端が上記接続部材251に、湯供給用配管23の下流端が上記接続部材231に、第1給湯用配管71の上流端が上記接続部材711に、第2給湯用配管81の上流端が上記接続部材811に、第3給湯用配管91の上流端が上記接続部材911に、第4給湯用配管101の上流端が上記接続部材100に、給水用配管111の上流端が上記接続部材110にそれぞれ結合されている。
【0032】
上記接続部材251,231,711,811,911,100,110を構成する温水コンセントは内部に逆止弁を備え、常時は先端開口を閉止状態に維持する一方、上記各接続口321,311,371,381,391,401,441を構成する温水プラグが内嵌されることにより上記逆止弁が押し開かれて互いに連通接続させるようになっている。すなわち、上記温水コンセントと温水プラグとは互いに着脱可能に構成され、かつ、内嵌操作により温水プラグが温水コンセントに装着されると両者を連通接続させた状態で互いに係止させる一方、上記温水プラグを抜くと上記逆止弁が温水コンセントの先端開口を閉止状態に自動復帰させるようになっている。
【0033】
なお、上記給湯ヘッダ3側の各接続口321,311,…は必ずしも等間隔に配置する必要はない。すなわち、各接続口321,311,…が等間隔配置であれば、施工部材17側の各接続部材251,231,…も等間隔に配置すればよく、また、上記各接続口321,311,…が所定の間隔毎に配置されていれば、施工部材17側の各接続部材251,231,…も上記各接続口321,311,…と同様配置にすればよいのである。
【0034】
以上の構成の場合、住宅建設途上で床下空間が未だオープンスペースの状態にある基礎打ち段階で各種配管25,23,71,81,91,101,111を床下に先行して敷設する敷設作業が行われ、雨がかからない状態となる屋根が設置された後の段階で給湯ヘッダ3を上記各種配管25,23,…と接続して設置する給湯ヘッダ3の設置作業が行われる。すなわち、上記敷設作業では、上記ベース部14及び各台座15,16を床下の所定位置に設置し、この台座15,15に対し必要数の接続部材251,231,711,811,911,100,110が予め取り付けられた施工部材17を固定する。そして、上記各種配管25,23,…を床下に敷設してその下流端又は上流端を対応する接続部材251,231,…に結合させる。以上で敷設作業が終了するが、この状態では各接続部材251,231,…の先端開口は上記の逆止弁により閉止状態に維持される。
【0035】
そして、上記給湯ヘッダ3の設置作業では、側壁411から突出した各接続口321,311,…を施工部材17の各接続部材251,231,…の先端開口と相対向させた状態で、給湯ヘッダ3を施工部材17側に押し込むことにより上記各接続口321,311,…を対応する各接続部材251,231,…の先端開口に内嵌させる。この押し込み動作により接続口31,311,…と、接続部材251,231,…との全ての接続作業が完了する。この際、接続口31,311,…の配置間隔と、接続部材251,231,…の配置間隔とを予めチェックし、合致しない場合には合致しない接続部材の取付位置を変更して合致するようにしておく。最後に給湯ヘッダ3を台座16,16に対し適宜のブラケット等により固定する。
【0036】
以上によれば、給湯ヘッダ3の設置作業がたとえ上棟後(屋根設置後)で床張りを終えた段階に行われるとしても、ごく一部の床を剥がしてあるいは一部の床張りを残した状態の狭い開口部分からでも給湯ヘッダ3を床下に下ろして施工部材17の各接続部材251,231,…に対し容易に接続作業及び固定作業を行うことができる。このため、給湯ヘッダ3がコントローラ6等の電気制御機器を内蔵して雨に濡らしてはならないものであっても、各種配管25,23,…を敷設作業のやり易い基礎打ち段階で先行して敷設することができ、かつ、給湯ヘッダ3を雨がかからなくなる屋根設置後の段階に容易に設置することができるようになる。これにより、コントローラ6等の電気制御機器を内蔵した場合の給湯ヘッダ3をその性能品質を確実に保証した状態で住宅等に容易に設置することができるようになる。
【0037】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、給湯ヘッダ3の各接続口321,311,…と、施工部材17の各接続部材251,231,…とを水平方向に相対向させて接続する場合を示しているが、上下方向に接続するようにしてもよい。この場合には、上記各接続部材251,231,…が上向きになるように施工部材17を台座15,15等に設置しておき、給湯ヘッダ3を各接続口321,311,…が下向きになるようにした状態で下方の各接続部材251,231,…に対し押し込んで接続させるようにすればよい。
【0038】
上記実施形態では、4つの混合弁33〜36で4つの給湯先7〜10に給湯し、加えて1つの給水路44を有する場合として合計7つの接続口321,311,…を設けた給湯ヘッダ3と、7つの接続部材251,231,…を設けた施工部材17とを示したが、これに限らず、上記の接続口及び接続部材としては2以上の任意の数を採用することができる。
【0039】
また、上記実施形態では施工部材17に取り付けられる全ての接続部材251,231,…を温水コンセントにより構成しているが、これに限らず、水供給用配管25と、湯供給用配管23との少なくとも2つの下流端に結合する接続部材を温水コンセントで構成すればよく、他の給湯用配管71等の上流端は自動閉止機能のないもので構成してもよい。水供給用配管25等の上流端からの水道水等を閉止することができる一方、給湯用配管71等はその下流端のカランを閉止しておけば済むからである。
【0040】
さらに、施工部材17及び給湯ヘッダ3を固定するためのベース部14、台座15,16等はそれぞれ例示であり、施工部材17及び給湯ヘッダ3を設置できるものであれば、いずれの形態のものを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とする給湯ヘッダを用いた給湯システムの例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態の給湯ヘッダと、給湯ヘッダ用施工部材を示す分解斜視図である。
【図3】図2の給湯ヘッダと、給湯ヘッダ用施工部材との接続過程の状態を示す一部を切欠いて一部を省略した平面図である。
【図4】図2及び図3で示した施工部材の斜視図である。
【図5】一般住宅を例にした敷設及び設置手順を説明するための説明図である。
【符号の説明】
3 給湯ヘッダ
7〜10 給湯先
17 施工部材
23 湯供給用配管
25 水供給用配管
33〜36 混合弁
71,81,91,101 給湯用配管
231,251,711,811,911,100,110 接続部材
311 入湯用接続口
321 入水用接続口
371,381,391,401 出湯用接続口
441 接続口

Claims (1)

  1. 入湯及び入水をそれぞれ個別に受けて混合する2以上の混合弁を内蔵した給湯ヘッダと、この給湯ヘッダに対し各種配管を接続するための給湯ヘッダ用施工部材とを備えた給湯ヘッダシステムであって、
    上記給湯ヘッダには、湯の供給を受ける入湯用接続口と、水の供給を受ける入水用接続口と、上記各混合弁により混合された後の湯を出湯させる2以上の出湯用接続口とを含む全ての接続口が互いに平行にかつ各先端を同一方向に向けて配設され、
    上記給湯ヘッダ用施工部材には、上記入湯用接続口に湯を供給するための湯供給用配管の下流端と、上記入水用接続口に水を供給するための水供給用配管の下流端と、上記各出湯用接続口からの湯を対応する給湯先に給湯するための2以上の給湯用配管の各上流端とに対しそれぞれ結合される接続部材の全てが互いに平行にかつ各先端を同一方向に向けた状態で各接続部材の取付固定位置を隣接する他の接続部材に対し相対変位可能とされて上記給湯ヘッダの各接続口と同様配置に配設されており、
    少なくとも上記入湯用及び入水用の両接続口がそれぞれ温水プラグにより構成される一方、上記湯供給用配管及び水供給用配管の両下流端にそれぞれ結合される接続部材が、常時は閉止状態に維持し上記温水プラグの内嵌によって通水可能となる逆止弁付きの温水コンセントにより構成され、
    上記給湯ヘッダ用施工部材は必要数の上記接続部材が予め取り付けられた状態で住宅の床下の所定位置に設置され、上記給湯ヘッダはその各接続口を上記設置された給湯ヘッダ用施工部材の対応する接続部材と相対向させた状態でその給湯ヘッダ用施工部材側に押し込むことにより上記各接続口を対応する接続部材に内嵌させて接続される
    ことを特徴とする給湯ヘッダシステム。
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