JP3937112B2 - 画像形成方法および画像形成制御装置、画像形成装置 - Google Patents
画像形成方法および画像形成制御装置、画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の印字素子を備えるヘッドを備え、複数回の印字動作により画像を完成させるシリアルプリンタの画像形成方法と、そのシリアルプリンタの画像形成を制御する画像形成制御装置および画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は、一般的なシリアルプリンタの一例を示す概略構成図である。図中、1はキャリッジ駆動モータ、2はタイミングベルト、3は記録ヘッド、4はキャリッジ、5はインクタンク、6はキャリッジガイド、7はケーブル、8は記録用紙、9は紙送りモータ、10はフィードロールである。この例では、シリアルプリンタの一例としてインクジェットプリンタを示している。
【0003】
キャリッジ4は、記録ヘッド3を搭載し、キャリッジガイド6を摺動して、図示矢印Hの主走査方向に往復移動する。キャリッジ4の移動は、キャリッジ駆動モータ1によって駆動されるタイミングベルト2によって行なわれる。記録ヘッド3は、この例では2個がキャリッジ4の移動方向に配列されている。
【0004】
記録ヘッド3には、ケーブル7が導入されており、記録ヘッド3内のヒータへの給電や、駆動回路への信号の伝送等を行なう。また、それぞれの記録ヘッド3にインクタンク5が取り付けられ、各色のインクを供給する。各記録ヘッド3には、複数のノズルが配置されており、供給されたインクがノズルから吐出され、記録用紙8に記録が行なわれる。記録用紙8は、紙送りモータ9によって回転駆動されるフィードロール10により、図示矢印Pの方向に駆動され、副走査が行なわれる。副走査は、このように記録用紙8が移動する方式の他、キャリッジ4が副走査方向に移動する方式、あるいは両者が相対的に移動する方式などもある。
【0005】
シリアルプリンタにおける記録ヘッドの構成として図3に示したように、複数の印字素子を副走査方向に配列したカラーヘッドとブラックヘッドとをキャリッジ上に主走査方向に並べて配置した2ヘッド型のプリンタが開発されている。図3は、2ヘッド型のプリンタに用いられる記録ヘッドの一例を示す概略図である。図中、11はブラックヘッド、12はカラーヘッドである。それぞれの記録ヘッドには、例えば、インクジェット方式では、図中、縦方向にノズルが配列されている。ブラックヘッド11では、配列されているすべてのノズルあるいはその一部のノズルを用いてブラックの記録を行なう。
【0006】
カラーヘッド12では、配列されているノズルが、使用するインクの色数に応じてグループ分けされている。ここでは、シアン、マゼンタ、イエローの3色のインクを用いる場合を示しており、それぞれの色のインクを吐出するノズルが直線状に並んでいる。図中のBKはブラックを、Cはシアンを、Mはマゼンタを、Yはイエローをそれぞれ示している。異なる色のインクを吐出するノズルの間には、それぞれ間隔が設けられており、ヘッド面での混色などを防止している。もちろん、他の色のインクを用いる場合もある。
【0007】
このような記録ヘッドでは、上述のようにブラックを印字可能なノズル数と他の1色を印字可能なノズル数とが異なる。このような記録ヘッドを用いて印字を行なう場合、ブラックのみの画像ではブラックヘッドの幅を単位として印字を行なうことができるので、高速印字が可能である。しかし、カラー画像では最大でもカラーヘッドに配置されている1色分の幅を単位としてしか印字できない。通常、一旦カラーモードに設定されると、ブラックのみの領域でもカラー画像印字時の単位でしか印字を行なっていない。そのため、カラー領域とブラックのみの領域が混在した原稿では、高速印字が可能なブラックのみの領域が存在していても高速印字が行なわれず、相対的に印字速度が低下するという問題があった。
【0008】
このような問題を解決するため、例えば、特開平8−238805号公報に記載されているように、印字対象がカラーであるかブラックであるかの認識を行ない、印字対象画像がカラーの場合とブラックの場合で印字方式を変更するものがある。これによって、カラー領域とブラックのみの領域が混在した原稿では、ブラック領域はブラックヘッドの幅を活かして高速に印字するので、全体として高速な印字が可能となった。
【0009】
一方、記録方式の一つとして、同一の領域を複数回の主走査によって画像を形成する方式が用いられている。この時の主走査回数を印字分割数と呼ぶことにする。印字分割数が2の場合、1回の主走査によって50%の印字しか行なわない。2回の主走査によって100%の印字を行なう。また、1回目の主走査と2回目の主走査の間で、カラーヘッドの単色あるいはブラックヘッドの全体の印字幅の半分の紙送りを実施する。図4は、2回の主走査によって形成される印字画像の一例の説明図である。図4では、カラーあるいはブラックの1色のみを示し、また、数ドットのみを示している。まず、図4(A)に示す印字スキャンにおいて、画像データを50%間引いた印字データを作成し、印字を行なう。ここでは○印で示したドットが印字されたとする。印字後、当該色の印字幅の半分の副走査方向の相対移動を実施し、図4(B)に示す印字スキャンにおいて、図4(A)で印字したドットを補完するパターンの印字データを作成して印字を行なう。ここでは×印で示したドットが印字される。これによって、図4(C)に示した中段の領域のように、100%の印字が行なわれる。このような複数回の主走査によって100%の印字を行なう分割印字によって、紙送り誤差によって生ずる各印字スキャンのつなぎ目の不整合や、ノズルの方向性のばらつきによって生ずるドット位置の不整合を目立たなくし、また、同時に印字される隣接ドットを少なくしてブリーディングを減少させ、画質を向上させることができる。
【0010】
上述の特開平8−238805号公報には、カラーモードにおいてこのような分割印字を行なう記載はあるものの、ブラックモードにおいてこのような印字方法は用いていない。ブラックモードにおいてこのような分割印字を行なう場合、モードの切換時に次のような問題が生じる。
【0011】
図5は、分割印字を行なう場合におけるモードの切換時の問題点の説明図である。ここでは印字分割数を2とする。図中、左側に示した領域Aはブラックのみで印字可能な領域であり、領域Bはカラーで印字する領域である。いま、図中(1)で示した副走査方向の位置に記録ヘッドが存在しているものとする。次の主走査では、ヘッドの先端をラインbまで移動し、図中(2)の状態で主走査を行ない、ラインaからラインbまでの領域の1回目の主走査を行なう。この状態ではラインaからラインbまでの領域についてもう1回の主走査を必要とする。ブラックモードでそのまま印字を続行すると、図中(3)で示した副走査方向の位置に記録ヘッドを相対移動させ、ラインaからラインbまでの領域についての2回目の主走査を行なうことになる。
【0012】
しかし、図中(3)で示した位置では、カラーヘッドの図中最下段の色については領域Bの先頭を超してしまっている。そのため、この位置からカラーモードに移行してカラー印字を行なおうとしても、ラインbからラインcまでのカラー領域(領域C)については、カラーヘッドの図中最下段の色を印字することができない。そのため、ブラックモードからカラーモードへ移行する際には、この印字不能となる領域の分だけ空白領域を必要とする。
【0013】
カラーモードからブラックモードへ移行する場合も同様であり、カラーモードの終了ラインからブラックヘッドの幅の半分の領域では1回の主走査しか行なわれないことになり、所望の濃度を得ることができない。そのため、この領域の分だけの空白領域が必要であった。
【0014】
また、被記録媒体の上端および下端においては、印字分割数だけの主走査が行なえない領域が発生し、その領域の分だけの余白が上下に必要であった。
【0015】
このような問題を解決するため、例えばカラーモードとブラックモード間のモード切り替えには、次のような記録方法が考えられている。図6は、従来のブラックモードからカラーモードへの切換時の動作の具体例の説明図である。図6においては図3に示したヘッドを用い、印字分割数を2とした場合について示している。なお、各ヘッドにおいて印字に使用する部分についてはハッチングを施して示している。図6に示した例では、ブラックの文字と、ハッチングを施して示したカラー部分が混在している。
【0016】
記録すべき画像の上部にはカラー画像が存在しないので、まずブラックモードによって記録を行なう。図6(1)の位置で主走査を行ない、ブラックヘッドの下半分によってラインaからラインbの直前までの領域の1回目の印字を行なう。ブラックヘッドの1/2だけ副走査方向の移動を行なった後、図6(2)の位置でブラックヘッド全体を用いて主走査を行なう。これによって、ラインaからラインbの直前までの領域の2回目の印字と、ラインbからラインcの直前までの1回目の印字が行なわれる。
【0017】
ラインdにおいてカラーデータが存在する。このラインdをモード切換点とする。このモード切換点において、カラーモードへの切り替えを行なう。カラーモードに移行する前に、ラインdの直前までの領域について、ブラックモードで印字を行ない、画像を完成させる。ラインdの直前まで副走査方向の移動を行ない、図6(3)の位置でブラックヘッドを用いて主走査を行なう。これによって、ラインbからラインcの直前までの2回目の印字と、ラインcからラインdの直前までの1回目の印字が行なわれる。
【0018】
この状態では、まだラインcからラインdの直前までの2回目の印字が行なわれていない。そのため、図6(4)で示すように、副走査方向の位置を変えずに同じ位置で再度主走査を行なう。これによりラインcからラインdの直前までの2回目の印字が行なわれ、ブラックモードによる印字を終了する。この時点でモードをカラーモードに切り換え、ラインd以降の画像をカラーモードによってすればよい。
【0019】
カラーモードでは、カラーヘッドにおける単色の印字幅の1/2ごとに副走査方向の移動を行ないながら、同一の領域に対して2回の主走査を行ない、カラー画像を形成してゆく。例えばラインdからラインeの直前までのラインにおいては、カラーヘッドの図中下端(先頭)の色の印字が図6(5)および図6(6)における主走査で行なわれる。その後、他の色についても重ねて印字され、種々の色の画像を形成することができる。
【0020】
図7は、従来のカラーモードからブラックモードへの切換時の動作の具体例の説明図である。この例では、ラインfにおいてカラーデータがなくなり、以後は白黒データのみとなる。そのため、ラインfをモード切換点とし、ラインfの直前のラインまでをカラーモードで印字し、ラインfでカラーモードからブラックモードに切り換え、ラインf以降をブラックモードで印字する。
【0021】
上述のカラーモードの動作によって、図7(1)〜(10)によりラインfの直前のラインまでのカラー画像が形成される。図7(10)の位置での主走査後、ブラックヘッドの後端がラインfとなるように副走査方向の移動を行なう。カラーモードからブラックモードに切り換えて、以後、ブラックモードによる記録を行なう。しかしこのままブラックモードによる記録動作を行なってしまうと、ラインfからラインiの直前までの領域については1回しか印字されなくなってしまう。そのため、図7(11)の位置でラインfからラインiの直前までの領域について1回目の印字を行ない、同一位置である図7(12)の位置で今度はラインfからラインiの直前までの領域の2回目の印字とラインiからラインkの直前までの領域の1回目の印字を行なう。以後、通常のブラックモードによる印字を行なってゆけばよい。
【0022】
このように、ブラックモードからカラーモードへ切り換える際には、モードを切り換える前に同じ副走査位置で印字分割数の回数だけ主走査を行なって、ブラックモードによる記録領域の画像を完成させてからカラーモードへの切り替えを行なう。またカラーモードからブラックモードへ切り換える際には、カラーモードによる記録領域の画像を完成させてから、ブラックモードへ切り換え、最初のみ印字分割数の回数だけ同じ副走査位置で主走査を行なってから通常のブラックモードによる記録を行なう。このようなモード切換時の動作を行なうことによって、上述のようなモード切換点付近に空白領域をおく必要がなくなり、スムースなモード切り替えを行なうことができる。
【0023】
同様に、記録幅の異なるモード間での切り替え動作についても、例えば特開平7−237321号公報に記載されているように、モード切換点においてモードを切り換えた後、同一の副走査位置において複数回の主走査を行なうことで、スムースなモード切り替えを行なうことができる。
【0024】
一方、被記録媒体の端部に記録を行なう場合、被記録媒体端部のそり等によって被記録媒体が移動するヘッドに衝突したり、あるいはヘッドと被記録媒体間の距離が変化して画像が乱れることがある。これを回避するため、被記録媒体の端がヘッドによる記録幅内に存在している状態では記録を行なわず、記録幅の前後で被記録媒体を押さえた状態で記録を行なう。そのため、被記録媒体の上下端には記録不能の領域が発生するが、この記録不能の領域はなるべく小さい方が望ましい。特に複数回の主走査で画像を形成する場合には、通常の動作のまま被記録媒体の上下端付近の画像を形成しようとすると、100%の画像が得られない領域が発生し、この領域も記録不能領域となる。
【0025】
このような100%の画像が得られない領域を減少させるため、例えば特開平7−68750号公報に記載されているように、被記録媒体の上端および下端において副走査方向の送りを行なわずに複数回の主走査を行なうことが考えられている。これによって、被記録媒体の上端部分および下端部分においても複数回の記録動作によって画像が形成され、被記録媒体の上端および下端の余白部分を少なくし、画像記録可能領域を広げることができる。
【0026】
しかし、このようなモード切換時や被記録媒体の上下端において同一の副走査位置で複数回の主走査を行なうと、各ラインの記録を同じノズルを使用して行なうことになる。ヘッドに形成されているノズルは、その製造バラツキによって液体の噴射方向などの特性にバラツキがある。上述のように同一領域を複数回の主走査で形成する利点は、各主走査で使用するノズルを異ならせ、ノズルの方向性バラツキによる不具合を目立たなくすることにあった。例えば印字分割数を4としたとき、1本のノズルが目詰まりを起こしても、そのノズルで印字するのは最大1ラインあたり約25%である。従って残り75%はほぼ正常に印字することができる。しかし従来の画像形成方法では、モード切換点付近や被記録媒体の上下端付近においては同一の副走査位置において複数回の主走査を行なっていたため、同じノズルで同じラインを記録することによって、濃淡のムラや白スジなどが発生する可能性があった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ブラックモードとカラーモードとの間でのモードの切り替えでの画質の劣化を低減した画像形成方法および画像形成制御装置、画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カラー印字モードでモード切換点までの画像を形成した後に、カラー印字モードよりも副走査方向の移動幅が大きいブラック印字モードに切り換えた直後に記録する際に、ブラック印字モードや画像を形成する印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら所定回数だけ主走査を行なって、モード切換点直後の画像を形成し、その後、ブラック印字モードでの画像形成を行なう。従来ではこのような場合には同じ副走査方向の位置で所定回数だけの主走査を行なっていたため、印字素子の製造バラツキなどによって濃淡ムラや白スジなどが発生していた。しかし本発明では微小移動幅ずつの副走査方向の移動を行ないながら所定回数だけの主走査を行なうため、ほとんどのラインで同じラインを同じ印字素子で印字することはなくなり、濃淡ムラや白スジの発生を抑え、画質の劣化を低減することができる。
【0029】
同様に、ブラック印字モードから、ブラック印字モードよりも副走査方向の移動幅が小さいカラー印字モードに切り換える直前の画像形成する際には、モード切換点近傍部分においては、モード切換点までの画像を、ブラック印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら所定回数だけの主走査を行なって、モード切換点までの画像を形成する。このように微小移動幅ずつの副走査方向の移動を行ないながら所定回数だけの主走査を行なうことにより、ほとんどのラインで同じラインを同じ印字素子で印字することはなくなり、濃淡ムラやスジの発生を抑え、画質の劣化を低減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示すブロック図である。図中、21はホスト装置、22は通信部、23は命令解析部、24はヘッド位置管理部、25はイメージ生成部、26はヘッド制御部、27はヘッド、28は画像メモリ、29はバンドバッファである。通信部22は、例えばホスト装置21などから送られてくる印字命令を受け取る。通信部22はホスト装置21と直接接続されていても、ネットワークなどを介して接続されていてもよい。あるいは、ディスクなどの記憶装置と接続され、記憶装置から印字命令を取り出す構成であってもよい。さらには、スキャナなどの画像読取装置と接続されていてもよい。
【0031】
命令解析部23は、通信部22で受け取った印字命令を解析し、印字命令に従って設定値の設定及び変更や、印字するためのビットマップ形式の画像データの生成を行なう。生成したビットマップ形式の画像データは画像メモリ28に格納される。また、生成したビットマップ形式の画像データに対して何らかの処理が設定されている場合には、その処理を施すように構成してもよい。もちろん、印字命令としてビットマップ画像が送られてきたときには、そのまま、あるいは所定の処理を施して、画像メモリ28に格納する。
【0032】
ヘッド位置管理部24は、画像メモリ28に格納されている画像データおよび印字モード等に基づき、次に印字する副走査方向の位置を少なくとも決定し、その位置に応じて副走査方向の位置制御を行なうとともに、その位置で印字する領域の画像データの転送をイメージ生成部25に指示する。印字モードとしては、例えばブラックヘッドのみを駆動して印字を行なうブラックモードと、ブラックヘッド及びカラーヘッドの両方を駆動して印字を行なうカラーモード等を備えておくことができる。また、フォトモードなどの特殊印字モードを備えていてもよい。これらの印字モードは、適宜切り替えられながら印字が行なわれる。ヘッド位置管理部24は、この印字モードの切り換え時の動作も制御する。さらに、後述するような被記録媒体の上下端における動作制御も行なわせることができる。
【0033】
イメージ生成部25は、ヘッド位置管理部24で決定されたヘッド27の副走査方向の位置に従って、ヘッド27中の各色のグループが印字する帯状領域(以下、バンドと呼ぶ)に対応した画像データを画像メモリ28から取り出し、バンドバッファ29に格納する。このとき、例えば図4に示したように、同じ領域を複数回の主走査に分けて印字する場合、その回の主走査に応じたフィルタを画像データに対して適用してから、バンドバッファ29に格納する。例えば図4では2回の主走査で画像を完成させる例を示しているが、図中(A)では○印の位置のドットを印字するフィルタを用い、図中(B)では×印の位置のドットを印字するフィルタを用いる。図中の中間の領域では先に○印の位置のドットが印字され、後で×印のドットが印字される。一方、図中の下段の領域では先に×印のドットが印字され、後で○印のドットが印字される。このように各主走査に応じてフィルタを切り換え、1回の主走査では同じフィルタを用いる。各領域の印字回数によってフィルタを切り換えることも考えられるが、例えば図4(B)では上半分が×印、下半分が○印のドットを印字するようにフィルタ処理を行なわなければならず、処理が煩雑になるとともに、つなぎ目では×印のドットと○印のドットが隣接し、ドットが連結して濃度が変化する場合がある。このように、図4に示す方式を採用することによって、各領域ではドットの形成順序が異なるものの、1回の主走査では1つのフィルタを用いるだけでよく、処理を効率化できるとともに、帯状領域のつなぎ目におけるドットの連結などの悪影響を防ぐことができる。
【0034】
ヘッド制御部26は、イメージ生成部25がバンドバッファ29へ画像データの転送を完了すると、バンドバッファ29内の画像データを順次読み出すとともに、ヘッド27の主走査方向に移動に対応して、ヘッド27に対して駆動パルスを与える。
【0035】
ヘッド27には、多数の印字素子が副走査方向に配列されている。ヘッド制御部26から与えられる駆動パルスと、バンドバッファ29から読み出される画像データに応じて被記録媒体上にドットを記録する。ヘッド27としては、例えば図3に示したようにカラーヘッド12とブラックヘッド11からなるヘッドを用いることができる。ここではカラー印字を行なう場合について説明するが、もちろん単色のヘッドでもよく、またカラーヘッドであっても図3に示した構成に限らず、各色とも濃色および淡色が混在したヘッドなど、任意の構成のものを用いることができる。
【0036】
なお、図1に示した例では、ホスト装置21から印字命令が送られてくる例を示したが、ビットマップ形式の画像データのみしか受け付けないプリンタにおいては、命令解析部23は不要である。また、イメージ生成部25までの機能をホスト側で実現し、ヘッド位置管理部24で位置が管理された印字用の画像データをプリンタ側のバンドバッファ29へ転送して印字させる構成であってもよい。さらに、画像メモリ28とバンドバッファ29は図1では別の構成として示しているが、同じ記憶装置内に別の領域として確保してもよい。
【0037】
さらに、ヘッド制御部26、ヘッド27、バンドバッファ29は別体の既存のシリアルプリンタで構成し、イメージ生成部25までの構成により画像形成制御装置としてもよい。この画像形成制御装置は図1に示すようにヘッド27などとともに画像形成装置内に設けるほか、プリンタドライバとしてホスト装置21側に設けることも可能である。
【0038】
次に、本発明の実施の一形態における動作の一例について説明する。ホスト装置21から印字命令が送られてくると、通信部22でこれを受け取り、命令解析部23に渡す。命令解析部23では、送られてきた印字命令を解析し、印字命令に従って各種の設定値の設定及び変更や、印字するためのビットマップ形式の画像データの生成を行なう。生成した画像データや、ビットマップ形式で送られてきた画像データは、画像メモリ28に書き込まれる。
【0039】
ヘッド位置管理部24は、画像メモリ28内の画像を先読みし、これから印字する画像に応じて、ヘッド27の少なくとも副走査方向の位置を決定する。例えば、現在のヘッド27の先端位置からある程度の空白領域が存在する場合、その空白領域については印字を必要としないのでヘッド27を移動させるホワイトスキップ動作を行なう。もちろん、ヘッド27の主走査方向の位置も決定するように構成し、主走査方向に空白領域が存在する場合にスキップするように制御してもよい。
【0040】
またヘッド位置管理部24は、印字位置および印字モードに応じた制御を行なう。例えば、ブラックのみの画像が連続する領域では、ブラックモードによる印字制御を行ない、ブラック以外の色が含まれる画像が連続する領域では、カラーモードによる印字制御を行なう。もちろん、他の印字モードにおいてはその印字モードに応じた印字制御を行なう。また、被記録媒体上の印字可能領域の上下端付近における印字を行なう場合にも、後述のような印字制御を行なうことができる。ヘッド位置管理部24は、各印字モードとその状態、および印字位置などに応じて、ヘッド27の少なくとも副走査方向の位置を決定し、イメージ生成部25に対してバンドバッファ29に転送する画像データの領域の指示などを行なう。各モードにおける処理については後述する。
【0041】
ヘッド位置管理部24においてヘッド27の少なくとも副走査方向の位置が決定されると、イメージ生成部25は、決定されたヘッド27の位置において主走査を行なった場合に印字されるバンドの画像データを画像メモリ28から取り出し、次の主走査に対応したフィルタを用いてフィルタ処理を行ない、バンドバッファ29に格納する。例えば図3に示したヘッドの構成の場合には、ヘッド27が同じ位置であっても、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロー(Y)とでは印字する領域が異なる。そのため、それぞれの色の印字領域に応じた画像データを画像メモリ28から取り出す。また、ブラックモードとカラーモードではブラックヘッド11における印字領域が異なるため、モードに応じた印字領域の画像データを画像メモリ28から取り出す。そして、フィルタ処理を行なった後、画像データを出力する。それとともに、イメージ生成部25はヘッド制御部26に対して印字の実行を指示する。
【0042】
イメージ生成部25から出力された画像データはバンドバッファ29に格納される。また、イメージ生成部25から印字の実行が指示されると、ヘッド制御部26は、ヘッド27の主走査方向の移動タイミングに合わせて、バンドバッファ29から画像データを読み出すとともに、ヘッド27に駆動パルスを送る。ヘッド27では、画像データと駆動パルスにより記録を行なう。例えばあるドットの画像データが「1」のとき、駆動パルスが与えられたタイミングでそのドットの記録を行なう。
【0043】
図8は、本発明の実施の一形態を実現する構成例を示すブロック図である。図中、31はCPU、32はI/Fドライバー、33はROM、34はRAM、35、36はモータドライバー、37は印字タイミング生成回路、38はセンサ部、39はコントロールパネル、40はヘッドドライバー、41はホスト装置、42はキャリッジモータ、43は紙送りモータ、44はヘッドである。CPU31は、ROM33に格納されている制御手順やデータ、あるいは用紙検出センサを含むセンサ部38による検出データ等に従い、RAM34を用いながら、記録装置各部を制御する。また、CPU31は、インターフェース32を介してコンピュータ等のホスト装置41に接続されており、ホスト装置41から送られてくる画像データなどの記録データをRAM34に格納し、ホスト装置41からのコマンドなどの指令信号や記録情報信号を解読しながら記録動作を制御する。RAM34は、CPU31の作業領域を有しているほか、各色ごとに記録すべき画像データがドット展開されて格納される画像メモリとしても機能する。モータドライバー35、36、ヘッドドライバー40は、CPU31の指示に従い、それぞれ、キャリッジモータ42、紙送りモータ43、ヘッド44を制御する。印字タイミング生成回路37は、CPU31からの指示に基づき、ヘッド44からインクを吐出するためのタイミング信号を生成し、ヘッドドライバー40へ供給する。センサ部38は、温度やインク量、用紙の有無など、装置各部の検知を行ない、CPU31に伝える。コントロールパネル39には、装置の状態を表示するとともに、利用者からの指示が入力される。
【0044】
この図8に示した構成は、図1における通信部22ないしバンドバッファ29の構成を実現することができる。あるいは、図8に示した構成によって図1におけるヘッド制御部26、ヘッド27、バンドバッファ29を実現し、通信部22ないしイメージ生成部25および画像メモリ28はホスト装置41側に実現してもよい。
【0045】
次に、ヘッド位置管理部24の動作について説明する。図9は、本発明の実施の一形態におけるブラックモードからカラーモードへの切換時の動作の一例を示すフローチャートである。ここではまず、ブラックモードからカラーモードへの切換時の動作について説明する。
【0046】
ブラックモードでは、S101において、各色の画像データを、ブラックヘッドの印字ドット数を印字分割数で割った数分のラインだけ先読みする。そしてS102において、先読みした各色の画像データから、印字すべきデータがカラーデータかブラックデータかを判定し、先読みした範囲内にカラーデータが存在するか否かを判定する。もしカラーデータが存在しなければ、S103において、先読みしたブラックデータを用い、ブラックモードでの印字を継続する。すなわち、ブラックヘッドを駆動して主走査を行ない、その後、ブラックヘッドの印字ドット数を印字分割数で割ったライン数分の幅だけの副走査方向の相対移動を行なう。
【0047】
先読みした範囲内にカラーデータが存在している場合、そのカラーデータが存在しているラインの直前のラインをモード切換点とすることができる。このモード切換点は、カラーデータが存在しているラインの直前のラインである必要はなく、カラーデータが存在するラインよりも前であればよい。例えば、上述のように分割印字を行なう際にフィルタを使用する場合などでは、そのフィルタの大きさに合わせて印字位置の送り幅をnライン単位にした方が都合がよい。また、ブロック単位で画像処理を行なう場合には、その画像処理用のブロックに合わせて送り幅を制限することもある。さらには、副走査方向の送り機構の制限によってnライン単位にしか送り制御を行なえない場合には、その送り単位に合わせればよい。このほかにも、例えば印字するオブジェクトの変化点を命令解析部23で検出し、その変化点をモード切換点とするなど、他の方法によってモード切換点を設定してもよい。
【0048】
ここでは、先読みした範囲内で、カラーデータが存在するラインよりも前に空白ラインが存在する場合、その空白ラインをモード切換点とする。この印字制御においてはモード切換点においてはカラーモードで印字する領域とブラックモードで印字する領域との間を跨いで主走査し、印字することはない。そのため、モード切換点ではつなぎ目における白スジや濃度ムラが顕著となる可能性がある。そのため、ここではカラーデータが存在しているラインの直前のラインを仮のモード切換点として記憶しておき、直前に空白領域が存在しているときにはその空白領域にモード切換点を設定する。このようになるべく空白領域でモードの切り替えを行なうことによって、モード切換点における白スジや濃度ムラなどの発生を低減することができる。
【0049】
S104において、カラーデータが存在しているラインの直前のラインを仮のモード切換点として記憶しておく。そしてS105において、カラーデータが存在したラインから読み出した先頭ラインへ向けて空白のラインを検索する。空白ラインが検索された場合、S106からS107へ進み、空白ラインをモード切換点とする。空白ラインが検索されなかった場合には、S104で記憶した仮のモード切換点をそのままモード切換点とする。
【0050】
なお、モード切換点は最初に検索された空白ラインを設定するほか、例えば空白ラインが複数ライン存在する場合、モード切換点は空白ラインのいずれに設定してもよい。特に印字位置の送り幅をn(nは2以上の整数)ラインずつ制御する場合は、検索された最初の空白ラインよりも前の副走査方向に移動可能な空白ラインにモード切換点を設定するとよい。このようなnラインずつの制御を行なう場合には、空白ラインが存在していても空白ラインにモード切換点を設定できない場合があり、その場合には空白ラインが存在しなかった場合とともに、カラーデータが存在しているラインよりも前の制御可能な適当なラインにモード切換点を設定すればよい。
【0051】
S108において、モード切換点を新たなヘッド27の位置として決定し、ヘッド27の副走査方向の相対位置を制御する。そして、S109で先頭印字回数を1にセットしてS110で副走査方向の相対移動を微小移動幅としたブラックモードによる印字を行なう。このときの微小移動幅は、1ないし数画素分程度であり、ブラックモードにおける副走査方向の移動幅よりも格段に小さな幅である。また、S110におけるブラックモードの印字においては、S108およびS110における副走査方向の移動幅が通常の副走査方向の移動幅以下であるため、ブラックヘッド11の全印字幅を用いて印字するとは限らない。逆に、主走査の回数を重ねるごとに、印字幅を狭めて印字する。イメージ生成部25はヘッド位置管理部24の指示に従って、この時の印字幅分の画像データのみが印字されるようにバンドバッファ29へ画像データを転送する。
【0052】
S111において、先頭印字回数が印字分割数に達したか否かを判定し、印字分割数だけの主走査を行なっていない場合にはS112で先頭印字回数を1だけ増加させた後、S110に戻り、副走査方向に微小移動幅だけ相対移動を行なって、ブラックモードによる印字を繰り返して行なう。このとき、すでに100%の印字が完了している部分については印字を行なわないように、ブラックヘッド11の印字幅を狭めて印字してゆくことになる。
【0053】
このようにして、副走査方向に微小移動幅だけ相対移動を行ないながら印字分割数だけの主走査を行なって、モード切換点までの100%の印字を完了する。このとき先頭印字回数は印字分割数となっており、S111の条件を満足し、カラーモードへ移行する。
【0054】
カラーモードでは、カラーヘッドおよびブラックヘッドを駆動して印字を行なう。例えば印字分割数が4であれば、カラーヘッドの各色ごとに、それぞれ1/4ずつで25%の印字を行なう。またブラックヘッドはカラーヘッドの各色と同数のドット数で印字を行ない、その印字するドット列の各1/4ずつで25%の印字を行なう。
【0055】
カラーモードの通常動作では、まず、カラーヘッドにおける単色の印字幅を印字分割数で割った幅分の画像データを先読みする。このとき、カラーデータが存在していれば、カラーモードでの印字を継続する。また、各色毎の印字領域の先頭から印字データのないラインが存在する場合、それらのラインをスキップするように構成することもできる。
【0056】
先読みを実施した結果、カラーデータが存在していない場合には、さらにブラックヘッドの印字幅分まで先読みを実施する。このとき、カラーデータが存在した場合は、そのままカラーモードでの印字を継続する。ブラックヘッドの印字幅分までの先読みの結果、カラーデータが存在しなかった場合には、ヘッドの現在位置までの全データをカラーモードで印字し、印字後、ブラックモードに切り替え、印字を行なう。この時のモードの切換時の処理については後述する。
【0057】
図10は、本発明の実施の一形態におけるブラックモードからカラーモードへの切換時の動作の具体例の説明図である。以下の説明において、ヘッド27は図3に示した構成のものを用いることとする。カラーヘッドはシアン、マゼンタ、イエローの3色をそれぞれ等しいドット数ずつ印字する。図中、下からシアン、マゼンタ、イエローの順とする。また、ブラックヘッドは単色のドット数の4倍のドット数を有するものとする。ヘッドの現在位置は、ヘッドの印字領域の下端を示すものとする。さらに、印字分割数を4とし、同一領域を4回の主走査によって100%の画像を形成するように印字を行なうものとする。また、副走査方向の相対移動は、記録紙を移動させるものとして説明する。なお、各ヘッドにおいて印字に使用する部分についてはハッチングを施して示している。
【0058】
図10に示した例では、「ABCDE・・・」の行と、「12345・・・」の行と、「abcde・・・」の行を繰り返し印字する。これらはブラックによって印字する。また、5行目のハッチングを施した部分は、緑を印字する。緑は、シアンとイエローを重ねて印字することによって再現できる。この緑の部分は、文字「12345・・・」の下部にかかっている。
【0059】
画像の上部は空白が存在するので、この部分は記録紙が送られ、記録ヘッドの現在位置は1行目の「ABCDE・・・」の上端、すなわちラインaに合わせられる。この状態でブラックヘッドの印字幅の1/4の各色の画像データが先読みされる。ここでは、印字分割数が4であるので、印字幅の1/4となる。図10の例では、ラインaからラインbの直前までの画像データが先読みされる。この中にはブラックの画像は存在するが、ブラック以外のカラーデータは存在しない。そのため、ブラックモードによって印字が行なわれる。記録紙をラインbの直前まで送り、図10(1)の位置で主走査を行なって、ブラックヘッドの下1/4によってラインaからラインbの直前までの領域の1回目の印字を行なう。
【0060】
図10(1)の印字を行なった後も、ブラックモードのままである。そのため、さらにブラックヘッドの印字幅の1/4の各色の画像データを先読みする。この場合も先読みした範囲内にカラーデータは存在しないので、ブラックモードによる印字を行なう。すなわち、ラインcの直前まで記録紙を送り、図10(2)の位置でブラックヘッド全体を用いて主走査を行なう。これによって、ラインaからラインbの直前までの領域の2回目の印字と、ラインbからラインcの直前までの1回目の印字が行なわれる。
【0061】
さらにブラックヘッドの印字幅の1/4の各色の画像データを先読みする。この場合も先読みした範囲内にカラーデータは存在しないので、ラインdの直前まで記録紙を送り、図10(3)の位置でブラックヘッド全体を用いて主走査を行なう。これによって、ラインaからラインbの直前までの領域の3回目の印字と、ラインbからラインcの直前までの2回目の印字と、ラインcからラインdの直前までの1回目の印字が行なわれる。同様にして次のブラックヘッドの印字幅の1/4の各色の画像データを先読みし、先読みした範囲内にカラーデータが存在しないことを確認後、ラインeの直前まで記録紙を送り、図10(4)の位置でブラックヘッド全体を用いて主走査を行なう。これによって、ラインaからラインbの直前までの領域の4回目の印字と、ラインbからラインcの直前までの3回目の印字と、ラインcからラインdの直前までの2回目の印字と、ラインdからラインeの直前までの1回目の印字が行なわれる。
【0062】
さらに、ブラックヘッドの印字幅の1/4の各色の画像データ(ラインhの直前のラインまでの画像データ)を先読みする。この場合には、ラインgにおいてカラーデータが存在する。そのため、ラインgの直前のラインをモード切換点として一旦保持しておく。そして、ラインgからヘッド位置へ向けて空白のラインを検索する。この例では、ラインfの直前のラインが空白ラインである。そのため、検索されたラインfの直前のラインをモード切換点として設定する。
【0063】
そしてモード切換点までの領域について、ブラックモードによる印字を完成させる。この時点で、ラインbからラインcの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について3回目と4回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について2〜4回目の3回の主走査を行なうとともに、ラインeからラインfの直前までの領域の4回の主走査を行なう必要がある。そのため、モード切換点までの画像を完成させるには4回の主走査が必要となる。この4回の主走査を図10(5)〜(8)において示している。この4回の主走査は、本発明では微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら主走査を行なう。
【0064】
図11は、ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第1の例の説明図である。図10(5)〜(8)における主走査は、例えば図11(A)〜(D)に示す副走査位置において行なうことができる。すなわち、モード切換点よりも微小移動幅の3倍だけ手前の図11に示すライン▲1▼にヘッド位置が来るように記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行なうことによって、図10(5)および図11(A)に示すようにラインbからラインcの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について2回目の主走査が行なわれるとともに、ラインeから図11におけるライン▲1▼までの領域の1回目の主走査が行なわれる。
【0065】
次に、図11(B)に示すライン▲2▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行ない、図10(6)および図11(B)に示すように、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインeからライン▲1▼までの領域の2回目の主走査、ライン▲1▼の次のラインからライン▲2▼までの1回目の主走査が行なわれる。
【0066】
同様にして図11(C)に示すライン▲3▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。これにより、図10(7)および図11(C)に示すように、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインeからライン▲1▼までの領域について3回目の主走査、ライン▲1▼の次のラインからライン▲2▼までの領域の2回目の主走査、ライン▲2▼の次のラインからライン▲3▼までの1回目の主走査が行なわれる。
【0067】
さらに、図11(D)に示すようにモード切換点にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行なう。この主走査では、モード切換点までの画像を完成させるために、図10(8)および図11(D)に示すようにラインeからライン▲1▼までの領域について25%で4回目の主走査を行ない、ライン▲1▼の次のラインからライン▲2▼までの領域について50%で3回目の主走査を行ない、ライン▲2▼の次のラインからライン▲3▼までの領域について75%で2回目の主走査を行ない、ライン▲3▼の次のラインからモード切換点までの領域について100%で主走査を行なう。
【0068】
このようにして、モード切換点までの画像について100%の印字を行なうことができる。このとき、ライン▲3▼までは異なった印字素子を使用して2回以上の主走査で画像を形成しているため、従来のように同じ印字素子を用いて同一ラインを形成する場合に比べて濃淡ムラや白スジの発生を抑えることができる。ライン▲3▼の次のラインからモード切換点までの領域については1回の主走査のみで画像を形成するため、印字素子のバラツキの影響を受けやすいが、非常に微小な領域であり、使用する印字素子も1ないし数個であるため、大きなバラツキを有している確率も全体に比べて低く、印字画像に対する影響は小さい。
【0069】
図12は、ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第2の例の説明図である。第1の例と同様に、モード切換点よりも微小移動幅の3倍だけ手前の図12に示すライン▲1▼にヘッド位置が来るように記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行なうことによって、図10(5)および図12(A)に示すようにラインbからラインcの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について2回目の主走査が行なわれるとともに、ラインeから図12におけるライン▲1▼までの領域の1回目の主走査が行なわれる。
【0070】
次に、図12(B)に示すライン▲2▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行ない、図10(6)および図12(B)に示すように、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインeからライン▲1▼までの領域の2回目の主走査が行なわれる。さらに、ライン▲1▼の次のラインからライン▲2▼までの領域について、50%で1回目の主走査が行なわれる。
【0071】
同様にして図12(C)に示すライン▲3▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。これにより、図10(7)および図12(C)に示すように、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインeからライン▲1▼までの領域について3回目の主走査が行なわれるとともに、ライン▲1▼の次のラインからライン▲2▼までの領域について25%で2回目の主走査、ライン▲2▼の次のラインからライン▲3▼までの領域について75%で1回目の主走査が行なわれる。
【0072】
さらに、図12(D)に示すようにモード切換点にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行なう。これにより、図10(8)および図12(D)に示すようにラインeからライン▲1▼までの領域について4回目の主走査が行なわれるとともに、ライン▲1▼の次のラインからライン▲2▼までの領域について25%で3回目の主走査、ライン▲2▼の次のラインからライン▲3▼までの領域について25%で2回目の主走査が行なわれて、それぞれ100%の画像が完成する。さらに、ライン▲3▼の次のラインからモード切換点までの領域について100%で主走査を行なって、モード切換点までの画像を完成させる。
【0073】
このようにして、モード切換点までの画像について100%の印字を行なうことができる。この例においても、ライン▲3▼までは異なった印字素子を使用して2回以上の主走査で画像を形成しているため、従来のように同じ印字素子を用いて同一ラインを形成する場合に比べて濃淡ムラや白スジの発生を抑えることができる。ライン▲3▼の次のラインからモード切換点までの領域については1回の主走査のみで画像を形成するため、印字素子のバラツキの影響を受けやすいが、非常に微小な領域であり、使用する印字素子も1ないし数個であるため、大きなバラツキを有している確率も全体に比べて低く、印字画像に対する影響は小さい。
【0074】
図13は、ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第3の例の説明図である。第1、第2の例と同様に、モード切換点よりも微小移動幅の3倍だけ手前の図13に示すライン▲1▼にヘッド位置が来るように記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行なうことによって、図10(5)および図13(A)に示すようにラインbからラインcの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について2回目の主走査が行なわれるとともに、ラインeから図13におけるライン▲1▼までの領域の1回目の主走査が行なわれる。
【0075】
次に、図13(B)に示すライン▲2▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行ない、図10(6)および図13(B)に示すように、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインeからライン▲1▼までの領域の2回目の主走査が行なわれる。さらに、ライン▲1▼の次のラインからライン▲2▼までの領域について、100%で主走査を行なってこの領域の画像を完成させる。
【0076】
同様にして図13(C)に示すライン▲3▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。これにより、図10(7)および図13(C)に示すように、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインeからライン▲1▼までの領域について3回目の主走査が行なわれる。さらに、ライン▲2▼の次のラインからライン▲3▼までの領域について100%で主走査を行なって、この領域の画像を完成させる。
【0077】
さらに、図13(D)に示すようにモード切換点にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行なう。これにより、図10(8)および図13(D)に示すようにラインeからライン▲1▼までの領域について4回目の主走査が行なわれる。さらに、ライン▲3▼の次のラインからモード切換点までの領域について100%で主走査を行なって、モード切換点までの画像を完成させる。
【0078】
このようにして、モード切換点までの画像について100%の印字を行なうことができる。この例では、ライン▲1▼の次のラインからモード切換点までは1回の主走査のみで画像を形成するため、印字素子のバラツキの影響を受けやすいが、従来に比べて印字素子のバラツキの影響を受ける領域は格段に少なくなっており、濃淡ムラや白スジの発生を抑えた画像を得ることができる。
【0079】
図14は、ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第4の例の説明図である。この例では、まずモード切換点にヘッド位置が来るように記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行なうことによって、図10(5)に示すようにラインbからラインcの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について2回目の主走査が行なわれるとともに、ラインeからモード切換点までの領域の1回目の主走査が行なわれる。
【0080】
次に、図14(B)に示すライン▲1▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行ない、図10(6)に示すように、ラインcからラインdの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインeからモード切換点までの領域の2回目の主走査が行なわれる。モード切換点より先のラインについては印字しない。
【0081】
同様にして図14(C)に示すライン▲2▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。これにより、図10(7)に示すように、ラインdからラインeの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインeからモード切換点までの領域について3回目の主走査が行なわれる。この場合もモード切換点より先のラインについては印字しない。
【0082】
さらに、図14(D)に示すライン▲3▼にヘッド位置が来るように微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。これにより、図10(8)に示すようにラインeからモード切換点までの領域について4回目の主走査が行なわれる。この場合もモード切換点より先のラインについては印字しない。
【0083】
このようにして、モード切換点までの画像について100%の印字を行なうことができる。この例では、モード切換点よりも先にヘッドの先頭が突出してしまうが、この幅(この例では微小移動幅の3倍の幅)がカラーヘッドの単色の印字幅の1/4以下であれば、カラーモードに移行しても問題なく印字を続行することができる。
【0084】
このようにして印字分割数(ここでは4)だけ微小移動幅だけの副走査方向の移動を行ないながら主走査を行ない、モード切換点までの領域についての画像を形成した後、カラーモードに切り換える。
【0085】
カラーモードでは、まず、カラーヘッドにおける単色の印字幅の1/4の画像データの先読みを実施する。この領域にはカラーデータは存在しないが、ブラックヘッドの印字幅分の各色の画像データを先読みするとラインgにカラーデータが存在するので、通常のカラーモードで印字する。なお、カラーモードにおいてはブラックヘッドの後端の1/4を用いて印字するものとする。
【0086】
このとき、ヘッド位置をラインgの直前としても印字すべきデータがない。ヘッド位置がラインgの直前の時にラインfの次のラインからラインgの直前までの領域を印字できるのは、カラーヘッドのシアンだけである。しかしこの領域にはシアンのデータはない。また、この領域にはブラックの印字データがあるが、この例ではカラーモードでブラックはブラックヘッドの後端の1/4を用いて印字を行なうので、この位置では印字しない。そのため、ヘッド位置をラインgの直前としても印字すべきデータはなく、ホワイトスキップ動作の対象となる。
【0087】
さらにヘッド位置をラインgの直前として先読みを行なうと、カラーデータが存在するので、ラインgからシアンの印字幅の1/4だけ先のラインiの直前のラインをヘッド位置として決定し、ラインfからラインiの直前のラインまでの記録紙の送り制御を行なう。このようなホワイトスキップ動作を行なうことによって高速な印字を行なう。そして、イメージ生成部25にラインgからラインiの直前までのシアンの画像データを転送させる。このとき、カラーヘッドの他の色およびブラックについては、ヘッドの印字に用いる部分がモード切換点より前にあるため、画像データの転送は行なわない。そして、図10(9)の位置で主走査を行なうことにより、カラーヘッドのシアンの先端部分の1/4を用いたラインgからラインiの直前までの領域にシアンの1回目の印字が行なわれる。
【0088】
次に、ラインiからラインjの直前のラインまでの、カラーヘッドにおける単色の印字幅の1/4の画像データを先読みする。この領域にもカラーデータが含まれているので、ヘッド位置をラインjの直前のラインに設定し、記録紙の送り制御を行なう。またイメージ生成部25にラインiからラインjの直前までの画像データを転送させる。図10(10)の位置で主走査を行なうことにより、カラーヘッドのシアンの印字幅全体を用いて、ラインgからラインiの直前までの領域の2回目の印字と、ラインiからラインjの直前までの1回目の印字が行なわれる。
【0089】
以下、同様にしてカラーヘッドにおける単色の印字幅の1/4の画像データの先読みと、記録紙の単色の印字幅の1/4だけの送り制御と、主走査とを繰り返し行なうことになる。ラインf以降の領域がブラックヘッドの図中の上端1/4に含まれるようになると、ブラックのみのラインfからラインgまでの領域も順次印字されてゆくことになる。また、ラインg以降の領域がカラーヘッドのイエローの印字領域に含まれるようになると、先にシアンが印字されている上からイエローが記録され、緑となる。
【0090】
図15は、本発明の実施の一形態におけるカラーモードからブラックモードへの切換時の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは上述の動作とは逆に、カラーモードにおいて動作しているものとし、ブラックモードに切り換える際の動作について説明する。カラーモードでは、ブラックヘッドとカラーヘッドの両方を用いて印字を行なうものとし、このときブラックヘッドはカラーヘッドの単色のドット数と同じドット数のみ用いる。ブラックを含め、各色ごとに、例えば印字分割数が4の場合には、各色の1/4ずつでそれぞれ25%の印字を行ない、4回の主走査で100%の印字を実現する。
【0091】
カラーモードでは、S121において、ブラック画像の検知を行なう。まず各色の画像データを、単色のドット数を印字分割数で割った数分のラインだけ先読みする。そしてその中にカラーデータがあるか否かを判定する。もしカラーデータがあれば、カラーデータ有りとしてS122からS123へ進む。また、カラーデータがない場合、さらにブラックヘッドの印字幅分の各色の画像データを先読みする。そしてその中にカラーデータが存在するか否かを判定する。この中にカラーデータが存在する場合、S122において十分なブラック画像ではないものとしてS123へ進む。S123では、カラーモードでの印字を行なう。カラーモードの通常動作では、カラーヘッドの単色の印字幅を印字分割数で割った幅分だけ副走査方向の相対移動を行ない、カラーヘッドおよびブラックヘッドを駆動して主走査を行なって印字する。
【0092】
ブラックヘッドの印字幅分だけ先読みした画像データ中にカラーデータが存在しない場合、ブラックモードへの切換処理に移る。このとき、先読みした画像データの先頭のラインをモード切換点とすることができる。ブラックモードからカラーモードへの切り換えの時と同様に、この場合も先読みした画像データの先頭にモード切換点を設定する必要はない。カラーモードからブラックモードへ切り換える場合には、先読みしたデータの最初のライン以降のラインであれば、いずれのラインにモード切換点を設定してもよい。例えば、命令解析部23においてオブジェクトの変化点を検出した場合に、その変化点をモード切換点として設定してもよい。
【0093】
ここでは、先読みした画像データ中の空白ラインを検索し、空白ラインが検索された場合にはそのラインにモード切換点を設定する例を示す。もちろん、上述のブラックモードからカラーモードへのモード切換点と同様に、検索された最初の空白ラインにモード切換点を設定するほか、空白ラインが複数ラインにわたり存在する場合には、その中のいずれのラインにモード切換点を設定してもよい。また、空白ラインが存在しない場合や、例えばn(nは2以上の整数)ラインごとの制御によって空白ラインに福走査方向の移動制御を行なわない場合には、先読みした画像データの先頭のラインの直前のライン以降のラインにモード切換点を設定すればよい。
【0094】
まずS124において先読みした画像データの先頭のラインを仮のモード切換点として記憶する。そしてS125において、空白のラインを先頭ラインから検索する。空白ラインが検索された場合、S126からS127へ進み、検索された空白ラインをモード切換点とする。空白ラインが検索されなかった場合には、仮のモード切換点をそのままモード切換点とする。以後、このモード切換点までの画像をカラーモードによって印字する。
【0095】
S128においてカラーヘッドの単色の印字幅を印字分割数で割った幅分だけ副走査方向に移動した位置を新たなヘッド27の位置として決定し、ヘッド27の副走査方向の相対位置を制御する。このとき、新たなヘッド27の位置に副走査方向の移動を行なうと、ブラックヘッド11の後端がモード切換点を越えてしまう場合がある。このような場合には、ブラックヘッド11の後端がモード切換点となる位置を新たなヘッド27の位置として決定する。
【0096】
S129において、ブラックヘッド11の後端がモード切換点か否かを判定し、そうでない場合にはS130において、イメージ生成部25に対して、モード切換点以降の画像を転送しないように指示し、モード切換点以降の画像が印字されないようにマスクしたカラーモードによる印字を行なう。そしてS128へ戻る。S128〜S130によって、カラー領域、および、空白領域までのカラー領域に隣接するブラック領域については、それぞれ印字分割数ずつの主走査が行なわれ、画像が完成する。
【0097】
S129でブラックヘッドの後端がモード切換点となったことが判定された場合には、ここから以降はブラックモードによって印字を行なう。しかしそのまま主走査と副走査方向の移動を行なうと、例えばカラーモードで印字した領域の直下の部分では印字分割数だけの主走査が行なわれず、1回の主走査が行なわれた状態でヘッド27が移動してしまうため、印字濃度が低下してしまう。そのため、副走査方向に微小移動幅ずつ移動させながら、徐々にブラックヘッド11の印字幅を増加させ、印字分割数だけの主走査を行なう。そしてその後に通常のブラックモードの動作に移行する。
【0098】
まずS131において、先頭印字回数を1にセットする。S132において副走査方向に微小移動幅ずつ移動させながら、ブラックヘッド11を用いた印字を行なう。このときの微小移動幅は、1ないし数画素分程度であり、ブラックモードにおける副走査方向の移動幅よりも格段に小さな幅である。S133において先頭印字回数が印字分割数に達したか否かを判定し、まだ印字分割数だけの主走査を行なっていない場合にはS134で先頭印字回数を1だけ増やし、S132に戻り、主走査を行なう。
【0099】
このようにして副走査方向の移動を微小移動幅のみとしてブラックヘッド11による印字を印字分割数だけ行なうことにより、カラーモードで印字した領域の直下の領域では印字分割数だけの主走査が行なわれる。また、微小移動幅の副走査方向の移動を行なうことにより、同一ラインを異なる印字素子で印字することができ、濃淡ムラや白抜けなどを低減することができる。その後、通常のブラックモードの印字を行なえばよい。通常のブラックモードの印字動作についてはすでに述べたのでここでは説明を省略する。
【0100】
図16は、本発明の実施の一形態におけるカラーモードからブラックモードへの切換時の動作の一例における具体例の説明図である。以下の説明における前提条件は上述の図10の場合と同様とする。なお、カラーモードにおいてブラックヘッドは図中最も上の1/4を用いて印字を行なうものとする。図16に示した例では、「12345・・・」の行と、「abcde・・・」の行と、「ABCDE・・・」の行を繰り返しブラックによって印字する。また、1行目にハッチングを施した部分は、イエローで印字することとする。
【0101】
図16に示す例では、ラインaが画像の先頭であり、単色の印字幅の1/4の領域の各色の画像データが先読みされる。すなわちラインaからラインbの直前までの画像データが先読みされる。この中にカラーデータが存在する。しかしこの位置で印字すべきデータはイエローとブラックである。そのため、図16(1)に示すようにブラックの印字領域の先頭がラインbの直前のラインとなるまで記録紙が送られる。図16(1)の位置で主走査を行なって、カラーヘッドのうち、イエローの印字部分によって、ラインaからラインbの直前までの領域の一部について1回目の印字を行なう。また、ブラックヘッドの後端の1/4によって、ラインaからラインbの直前までの領域の1回目の印字を行なう。
【0102】
さらにカラーヘッドの単色の印字幅の1/4の各色の画像データを先読みする。この場合も先読みした範囲内にカラーデータが存在するので、カラーモードによる印字を行なう。すなわち、カラーヘッドの単色の印字幅の1/4だけ記録紙を送り、図16(2)の位置でカラーヘッドのイエローの印字幅、および、ブラックの後端の1/4の印字幅を用いて主走査を行なう。これによって、ラインaからラインbの直前までの領域のブラックの2回目の印字と、その領域の一部のイエローの2回目の印字と、その領域の他の部分のイエローの1回目の印字と、ラインbからラインcの直前までのブラックの1回目の印字と、その領域の一部のイエローの1回目の印字が行なわれる。
【0103】
さらに単色の印字幅の1/4の各色の画像データを先読みする。この場合には、ラインdにおいてカラーデータがなくなる。しかしこの先読みした画像データ中にはカラーデータが存在するので、そのままカラーモードによる印字を続ける。カラーヘッドの単色の印字幅の1/4だけ記録紙を送り、図16(3)の位置でイエローおよびブラックの記録を行なう。
【0104】
さらに単色の印字幅の1/4の各色の画像データを先読みする。今度は先読みした範囲内にカラーデータが存在しない。そのため、ブラックヘッドの印字幅分だけの各色の画像データを先読みするが、この中にもカラーデータは存在しない。このような場合に、カラーモードからブラックモードに切り換える。カラーモードからブラックモードへ切り換える場合には、まず現在位置であるラインeをモード切換点として保持し、空白のラインを検索する。すると、ラインfに空白のラインが存在する。そのため、ラインfをモード切換点として再設定する。そして、モード切換点であるラインfの直前のラインまでの領域についてカラーモードで印字し、画像を完成させる。その後にブラックモードにおける初期印字を行なって、通常のブラックモードの動作に移る。
【0105】
まずラインfより前のカラーモードの領域について印字を終了させる。この処理では、ラインf以降の画像データが印字されないように、ラインf以降の画像データをマスクし、それ以前の画像データについて、通常のカラーモードと同様の印字動作を行なう。すなわち、図16(4)〜(7)において、カラーヘッドの単色の印字幅の1/4の記録紙の送り動作と主走査を繰り返し、ラインfの直前までの領域で4回ずつの主走査により画像が形成される。このとき、ラインdからラインfの直前のラインまでの領域はブラックのみの印字領域であるが、空白のライン(ラインf)の直前まではカラーモードによって印字する。
【0106】
図16(7)の位置での主走査を行なった後、ブラックモードにおける初期動作を行なう。この初期動作では、ラインfからラインgの直前までの領域の画像を完成させ、ラインgからラインhの直前のラインまでの領域については75%、ラインhからラインiの直前のラインまでの領域については50%、ラインiからラインjの直前のラインまでの領域については25%の印字が行なわれている状態とする。そのため、副走査方向に微小移動幅だけ送りながら4回の主走査を行なう。この4回の主走査を図16(8)〜(11)において示している。この4回の主走査は、図16ではいずれも同じ副走査位置で行なわれるかのように示しているが、本発明では微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら主走査を行なっている。
【0107】
図17は、カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第1の例の説明図である。図16(8)〜(11)における主走査は、例えば図17(A)〜(D)に示す副走査位置において行なうことができる。すなわち、モード切換点にブラックヘッドの後端が来るように記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行なうことによって、図16(8)および図17(A)に示すようにラインf(モード切換点)からラインgの直前のラインまでの領域について1回目の主走査を行なう。このとき、以降の微小移動幅ずつの副走査方向の移動に対応するため、図17(A)に示すようにラインf(モード切換点)からライン▲1▼の直前までの微小移動幅の領域について100%で主走査を行なって画像を完成させ、ライン▲1▼からライン▲2▼の直前までの微小移動幅の領域について75%で主走査を行ない、ライン▲2▼からライン▲3▼の直前までの微小移動幅の領域について50%で主走査を行なう。
【0108】
次に微小移動幅だけの記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(9)および図17(B)に示すように、ライン▲1▼からラインgの直前のラインまでの領域について2回目の主走査、ラインgからラインhの直前のラインまでの領域について1回目の主走査が行なわれる。ライン▲1▼からライン▲2▼の直前までの領域は、先の主走査で75%の印字が行なわれているので、この主走査によって画像が完成する。
【0109】
同様にして微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。これにより、図16(10)および図17(C)に示すように、ライン▲2▼からラインgの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインgからラインhの直前までの領域について2回目の主走査、ラインhからラインiの直前までの領域の1回目の主走査が行なわれる。ライン▲2▼からライン▲3▼の直前までの領域は、図17(A)の主走査で50%、図17(B)の主走査で25%の印字が行なわれているので、この主走査によって画像が完成する。
【0110】
さらに、微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。これにより、図16(11)および図17(D)に示すように、ライン▲3▼からラインgの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインgからラインhの直前までの領域について3回目の主走査、ラインhからラインiの直前までの領域について2回目の主走査、ラインiからラインjの直前まで領域の1回目の主走査が行なわれる。これによってラインgの直前までの領域について画像が完成し、通常のブラックモードにおける印字制御に移行することができる。
【0111】
このような印字制御では、ライン▲1▼以降では異なった印字素子を使用して2回以上の主走査で画像を形成しているため、従来のように同じ印字素子を用いて同一ラインを形成する場合に比べて濃淡ムラや白スジの発生を抑えることができる。モード切換点からライン▲1▼までの領域については1回の主走査のみで画像を形成するため、印字素子のバラツキの影響を受けやすいが、非常に微小な領域であり、使用する印字素子も1ないし数個であるため、大きなバラツキを有している確率も全体に比べて低く、印字画像に対する影響は小さい。
【0112】
図18は、カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第2の例の説明図である。モード切換点にブラックヘッドの後端が来るように記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行なうが、図16(8)および図18(A)に示すように、モード切換点から微小移動幅の4倍の距離にあるライン▲4▼からラインgの直前のラインまでの領域について1回目の主走査を行なうとともに、モード切換点からライン▲1▼の直前までの領域について100%の印字を行なう。
【0113】
次に微小移動幅だけの記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(9)および図18(B)に示すように、ライン▲4▼からラインgの直前のラインまでの領域について2回目の主走査、ラインgからラインhの直前のラインまでの領域について1回目の主走査が行なわれる。また、ライン▲1▼からライン▲2▼の直前までの領域について、100%の印字を行なう。
【0114】
同様にして微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(10)および図18(C)に示すように、ライン▲4▼からラインgの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインgからラインhの直前までの領域について2回目の主走査、ラインhからラインiの直前までの領域の1回目の主走査が行なわれる。また、ライン▲2▼からライン▲3▼の直前までの領域について、100%の印字を行なう。
【0115】
さらに、微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(11)および図18(D)に示すように、ライン▲4▼からラインgの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインgからラインhの直前までの領域について3回目の主走査、ラインhからラインiの直前までの領域について2回目の主走査、ラインiからラインjの直前まで領域の1回目の主走査が行なわれる。また、ライン▲3▼からライン▲4▼の直前までの領域について、100%の印字を行なう。
【0116】
このような印字制御では、ライン▲4▼以降では異なった印字素子を使用して2回以上の主走査で画像を形成しているため、従来のように同じ印字素子を用いて同一ラインを形成する場合に比べて濃淡ムラや白スジの発生を抑えることができる。モード切換点からライン▲4▼までの領域については1回の主走査のみで画像を形成するため、印字素子のバラツキの影響を受けやすいが、従来に比べてその領域は小さく、印字画像に対する影響は小さい。なお、ライン▲3▼からライン▲4▼の直前までの領域については、各主走査において25%の印字を行なって画像を完成させてもよい。
【0117】
図19は、カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第3の例の説明図である。この例においてもモード切換点にブラックヘッドの後端が来るように記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(8)および図19(A)に示すように、モード切換点から微小移動幅分のライン▲1▼の直前のラインまでの領域については100%の印字を行ない、ライン▲1▼からラインgの直前までの領域については25%で1回目の主走査を行なう。
【0118】
次に微小移動幅だけの記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(9)および図19(B)に示すように、ライン▲1▼からライン▲2▼の直前のラインまでの領域について75%で2回目の主走査を行なってこの領域の画像を完成させ、ライン▲2▼からラインgの直前のラインまでの領域について2回目の主走査を、また、ラインgからラインhの直前のラインまでの領域について1回目の主走査を行なう。
【0119】
同様にして微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(10)および図19(C)に示すように、ライン▲2▼からライン▲3▼の直前のラインまでの領域について50%で3回目の主走査を行なってこの領域の画像を完成させ、ライン▲3▼からラインgの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインgからラインhの直前までの領域について2回目の主走査、ラインhからラインiの直前までの領域の1回目の主走査を行なう。
【0120】
さらに、微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(11)および図19(D)に示すように、ライン▲3▼からラインgの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインgからラインhの直前までの領域について3回目の主走査、ラインhからラインiの直前までの領域について2回目の主走査、ラインiからラインjの直前まで領域の1回目の主走査を行なう。これによってモード切換点からラインgの直前までの領域について、画像が完成する。
【0121】
このような印字制御においても、ライン▲1▼以降では異なった印字素子を使用して2回以上の主走査で画像を形成しているため、濃淡ムラや白スジの発生を抑えることができる。また、モード切換点からライン▲1▼までの領域については1回の主走査のみで画像を形成するため、印字素子のバラツキの影響を受けやすいが、この領域は微小であり、この領域中の印字素子にバラツキが発生する確率は低い。そのため、印字画像に対する影響は小さく、モード切換点付近での画質の劣化を抑えることができる。
【0122】
図20は、カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第4の例の説明図である。この例では、モード切換点よりも微小移動幅の3倍だけ手前にブラックヘッドの後端が来るように、記録紙の送り制御を行なう。そして主走査を行ない、図16(8)に示すようにモード切換点からラインgの直前のラインまでの領域について1回目の主走査を行なう。このとき、図20(A)に示すように、モード切換点よりも前の領域については印字しない。
【0123】
次に、微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(9)に示すように、モード切換点からラインgの直前のラインまでの領域について2回目の主走査、ラインgからラインhの直前のラインまでの領域について2回目の主走査が行なわれる。図20(B)に示すようにモード切換点よりも前の領域については印字しない。
【0124】
同様にして微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、主走査を行なう。図16(10)に示すように、モード切換点からラインgの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインgからラインhの直前のラインまでの領域について2回目の主走査、ラインhからラインiの直前のラインまでの領域の1回目の主走査が行なわれる。この場合も図20(C)に示すようにモード切換点よりも前のラインについては印字しない。
【0125】
さらに微小移動幅だけ記録紙の送り制御を行ない、ブラックヘッドの後端をモード切換点に合わせて主走査を行なう。図16(11)に示すように、モード切換点からラインgの直前のラインまでの領域について4回目の主走査、ラインgからラインhの直前のラインまでの領域について3回目の主走査、ラインhからラインiの直前のラインまでの領域について2回目の主走査、ラインiからラインjの直前のラインまでの領域の1回目の主走査が行なわれる。
【0126】
この例では、モード切換点以降のすべての領域について2回以上の主走査によって画像を形成することができるので、印字素子のバラツキによる影響はほぼ排除することができる。しかし、モード切換点を跨いでから領域にヘッドの後端が残ることになるため、カラーモードにおける最後の主走査においてモード切換点からブラックヘッドの後端までの距離が、この例では微小移動幅の3倍の幅以上必要となる。モード切換点からブラックヘッドの後端までの距離がこの幅よりも小さくなる場合には、例えばもう1回カラーモードによる主走査を繰り返したり、モード切換点を再設定するなどの処理が必要となる。
【0127】
このようにして印字分割数(ここでは4)だけ微小移動幅だけの副走査方向の移動を行ないながら主走査を行ない、ブラックモードにおける初期動作を行なった後、通常のブラックモードにおける印字動作を行なえばよい。ブラックモードの初期動作においても、ほとんどの領域で同じラインを同一の印字素子を用いて印字しないので、モード切換点付近における印字素子のバラツキによる濃淡ムラや白スジなどの発生を低減することができる。
【0128】
なお、上述の各具体例においては、カラーモードにおけるブラックデータの印字をイエローとともに行なったが、これに限らず、シアンとともに行なったり、あるいはマゼンタとともに行なうように構成してもよい。特にシアンとともにブラックを印字することによって、色にじみを目立たなくさせ、画質の向上が期待できる。
【0129】
また、上述の各具体例では印字分割数が4の場合について示したが、これに限らず、任意の印字分割数について、同様に制御可能である。モードの切換の際には、副走査方向に微小移動幅ずつ移動させながら印字分割数の回数だけ主走査を繰り返せばよい。
【0131】
図21は、本発明の実施の一形態における被記録媒体の上端における印字動作の一例における具体例の説明図である。上述のように、印字分割数の回数だけの主走査で画像を形成する場合に、通常の動作のまま画像を形成しようとすると、100%の画像が得られない領域が発生する。従来では、被記録媒体の上端および下端において、副走査方向の送りを行なわずに印字分割数の回数だけの主走査を行なっていたが、本発明では、副走査方向に微小移動幅ずつ移動させながら主走査を行なう。
【0132】
図21では印字分割数を4とした場合について示している。被記録媒体の上端部分を図示しない押さえ機構で押さえた状態で、印字動作を開始する。図21(1)〜(4)は、被記録媒体の画像形成可能領域の上端付近に100%の画像を形成するための主走査である。この4回の主走査では、図21(1)〜(4)に示すように次第に記録する領域が増加するように制御を行なう。また、この4回の主走査は、図21ではいずれも同じ副走査位置で行なわれるかのように示しているが、本発明では微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら主走査を行なっている。この微小移動幅ずつ移動させながら行なう主走査は、ヘッド後端部において例えば図17〜図19に示したように印字制御を行なうことができる。また、多少の印字不能領域の増加が許容されるなら、図20に示したような印字制御を行なってもよい。なお、図17〜図20におけるモード切換点は、この場合には画像形成可能領域の上端である。
【0133】
図22は、本発明の実施の一形態における被記録媒体の下端における印字動作の一例における具体例の説明図である。図21と同様に、印字分割数を4とした場合について示している。被記録媒体の下端部分が図示しない押さえ機構で押さえられている状態で、被記録媒体の下端部分の画像を完成させる。図22(1)における主走査後、画像を先読みした時点で次の主走査が画像形成可能領域の下端にかかることが検出される。そのため、図22(2)〜(5)の4回の主走査によって、画像形成可能領域の下端付近に100%の画像を形成する。この4回の主走査では、図22(2)〜(5)に示すように次第に記録する領域が減少するように制御を行なう。また、この4回の主走査は、図22ではいずれも同じ副走査位置で行なわれるかのように示しているが、本発明では微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら主走査を行なっている。この微小移動幅ずつ移動させながら行なう主走査は、ヘッド先端部において例えば図11〜図13に示したように印字制御を行なうことができる。また、多少の印字不能領域の増加が許容されるなら、図14に示したような印字制御を行なってもよい。なお、図11〜図14におけるモード切換点は、この場合には画像形成可能領域の下端である。
【0134】
このようにして、被記録媒体の上端部分および下端部分においても複数回の記録動作によって画像の形成を行なうことで、被記録媒体の上端および下端の余白部分を少なくし、画像形成可能領域を広げることができる。また、この部分の記録を行なう主走査を、微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら行なうことによって、印字素子のバラツキなどによる影響を排除し、画像形成可能領域全体にわたり良好な画質で画像を形成することができる。
【0136】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、複数回の主走査によって100%の画像を形成する場合に、印字モードの切換時や被記録媒体の上下端部など、従来では同じ副走査位置において行なっていた複数回の主走査を、微小移動幅ずつ副走査方向に送りながら行なうようにしたので、印字素子のバラツキなどによる濃淡ムラや白スジの発生を抑え、画質の劣化を低減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】 一般的なシリアルプリンタの一例を示す概略構成図である。
【図3】 2ヘッド型のプリンタに用いられる記録ヘッドの一例を示す概略図である。
【図4】 2回の主走査によって形成される印字画像の一例の説明図である。
【図5】 分割印字を行なう場合におけるモードの切換時の問題点の説明図である。
【図6】 従来のブラックモードからカラーモードへの切換時の動作の具体例の説明図である。
【図7】 従来のカラーモードからブラックモードへの切換時の動作の具体例の説明図である。
【図8】 本発明の実施の一形態を実現する構成例を示すブロック図である。
【図9】 本発明の実施の一形態におけるブラックモードからカラーモードへの切換時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の一形態におけるブラックモードからカラーモードへの切換時の動作の具体例の説明図である。
【図11】 ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第1の例の説明図である。
【図12】 ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第2の例の説明図である。
【図13】 ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第3の例の説明図である。
【図14】 ブラックモードからカラーモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第4の例の説明図である。
【図15】 本発明の実施の一形態におけるカラーモードからブラックモードへの切換時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】 本発明の実施の一形態におけるカラーモードからブラックモードへの切換時の動作の一例における具体例の説明図である。
【図17】 カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第1の例の説明図である。
【図18】 カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第2の例の説明図である。
【図19】 カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第3の例の説明図である。
【図20】 カラーモードからブラックモードへのモード切換時におけるモード切換点付近の動作の第4の例の説明図である。
【図21】 本発明の実施の一形態における被記録媒体の上端における印字動作の一例における具体例の説明図である。
【図22】 本発明の実施の一形態における被記録媒体の下端における印字動作の一例における具体例の説明図である。
【符号の説明】
1…キャリッジ駆動モータ、2…タイミングベルト、3…記録ヘッド、4…キャリッジ、5…インクタンク、6…キャリッジガイド、7…ケーブル、8…記録用紙、9…紙送りモータ、10…フィードロール、11…ブラックヘッド、12…カラーヘッド、21…ホスト装置、22…通信部、23…命令解析部、24…ヘッド位置管理部、25…イメージ生成部、26…ヘッド制御部、27…ヘッド、28…画像メモリ、29…バンドバッファ、31…CPU、32…I/Fドライバー、33…ROM、34…RAM、35、36…モータドライバー、37…印字タイミング生成回路、38…センサ部、39…コントロールパネル、40…ヘッドドライバー、41…ホスト装置、42…キャリッジモータ、43…紙送りモータ、44…ヘッド。
Claims (32)
- キャリッジ上に複数の印字素子を副走査方向に配列してなるヘッドを有し、画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成方法において、画像を形成する複数の印字モードを切り換えて印字する際にカラー印字モードから該カラー印字モードよりも副走査方向の印字幅が大きいブラック印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点までの画像を前記カラー印字モードで形成した後、前記ブラック印字モードに切り換え、前記ヘッドの後端が前記モード切換点に一致する位置から前記ブラック印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点直後の画像を形成し、その後、通常の前記ブラック印字モードで画像形成を行なうことを特徴とする画像形成方法。
- キャリッジ上に各色の複数の印字素子が順に副走査方向に配列されたカラーヘッドとブラックの複数の印字素子が副走査方向に配列されたブラックヘッドとが並置されてなるヘッドを有し、画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成方法において、画像を形成する複数の印字モードを切り換えて印字する際にカラー印字モードから該カラー印字モードよりも副走査方向の印字幅が大きいブラック印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、前記モード切換点までの画像を前記カラー印字モードで形成し、前記ヘッドが前記モード切換点を跨ぐ位置とした後、前記ブラック印字モードに切り換え、前記カラーヘッドの単色の印字幅の前記所定回数分の1以下の微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点直後の画像を形成し、該所定回数だけの主走査終了後は前記ヘッドに配列されている前記印字素子の後端が前記モード切換点となるように制御し、その後、通常の前記ブラック印字モードで画像形成を行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 前記モード切換点は前記カラー印字モードにおける副走査方向の移動幅よりもカラーデータの存在しないラインが連続して存在する場合に該カラーデータの存在しないライン以降の空白ラインに設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記モード切換点は、画像を形成すべきオブジェクトの変化点に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
- 前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で行なう画像形成時には、初回の主走査において前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数ごとに画像の形成に用いる印字素子数を漸減させて画像の形成を行なうことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で行なう画像形成時には、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数についてはすべての印字素子を用いて画像の形成を行なうことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で行なう画像形成時には、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数については主走査ごとに使用する印字素子の割合を漸減して画像の形成を行なうことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- キャリッジ上に複数の印字素子を副走査方向に配列してなるヘッドを有し、画像メモリから読み出された画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成方法において、画像を形成する複数の印字モードを切り換えて印字する際にブラック印字モードから該ブラック印字モードよりも副走査方向の印字幅が小さいカラー印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点近傍においては該モード切換点に前記ヘッドの先端が来るまでの画像を前記ブラック印字モードで該ブラック印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点までの画像を形成し、その後前記カラー印字モードに切り換えて前記モード切換点以降の画像形成を行なうことを特徴とする画像形成方法。
- キャリッジ上に各色の複数の印字素子が順に副走査方向に配列されたカラーヘッドとブラックの複数の印字素子が副走査方向に配列されたブラックヘッドとが並置されてなるヘッドを有し、画像メモリから読み出された画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成方法において、画像を形成する複数の印字モードを切り換えて印字する際にブラック印字モードから該ブラック印字モードよりも副走査方向の印字幅が小さいカラー印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点近傍においては前記ヘッドに配列されている前記印字素子の先端が前記モード切換点となる位置から前記カラーヘッドの単色の印字幅の前記所定回数分の1以下の微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点までの画像を前記ブラック印字モードで形成し、前記ヘッドが前記モード切換点を跨ぐように制御し、その後前記カラー印字モードに切り換えて前記モード切換点以降の画像形成を行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 前記モード切換点はカラーデータの存在するラインよりも前の空白ラインに設定することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記モード切換点は、画像を形成すべきオブジェクトの変化点に設定することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で行なう画像形成時には、最終回の主走査において前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数ごとに画像の形成に用いる印字素子数を漸減させて画像の形成を行なうことを特徴とする請求項8ないし請求項11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で行なう画像形成時には、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数についてはすべての印字素子を用いて画像の形成を行なうことを特徴とする請求項8ないし請求項11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で行なう画像形成時には、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数については主走査ごとに使用する印字素子の割合を漸増して画像の形成を行なうことを特徴とする請求項8ないし請求項11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- キャリッジ上に複数の印字素子を副走査方向に配列してなるヘッドを用い画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成を制御する画像形成制御装置において、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、カラー印字モードから該カラー印字モードよりも副走査方向の印字幅が大きいブラック印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点までの画像を前記カラー印字モードで形成した後、前記ブラック印字モードに切り換え、
前記ヘッドの後端が前記モード切換点に一致する位置から前記ブラック印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点直後の画像を形成し、その後、通常の前記ブラック印字モードでの画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成制御装置。 - キャリッジ上に各色の複数の印字素子が順に副走査方向に配列されたカラーヘッドとブラックの複数の印字素子が副走査方向に配列されたブラックヘッドとが並置されてなるヘッドを用い画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成を制御する画像形成制御装置において、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、カラー印字モードから該カラー印字モードよりも副走査方向の印字幅が大きいブラック印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、前記モード切換点までの画像を前記カラー印字モードで形成し、前記ヘッドが前記モード切換点を跨ぐ位置とした後、前記ブラック印字モードに切り換え、前記カラーヘッドの単色の印字幅の前記所定回数分の1以下の微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点直後の画像を形成し、前記所定回数だけの主走査終了後は前記ヘッドに配列されている前記印字素子の後端が前記モード切換点となるように制御し、その後、通常の前記ブラック印字モードでの画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、前記カラー印字モードにおける副走査方向の移動幅よりもカラーデータの存在しないラインが連続して存在する場合に該カラーデータの存在しないライン以降の空白ラインに前記モード切換点を設定することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、画像を形成すべきオブジェクトの変化点に前記モード切換点を設定することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で画像を形成する際に、初回の主走査において前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数ごとに画像の形成に用いる印字素子数を漸減させて画像の形成を行なうように制御することを特徴とする請求項15ないし請求項18のいずれか1項に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で画像を形成する際に、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数についてはすべての印字素子を用いて画像の形成を行なうように制御することを特徴とする請求項15ないし請求項18のいずれか1項に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で画像を形成する際に、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数については主走査ごとに使用する印字素子の割合を漸減して画像の形成を行なうように制御することを特徴とする請求項15ないし請求項18のいずれか1項に記載の画像形成制御装置。
- キャリッジ上に複数の印字素子を副走査方向に配列してなるヘッドを用い画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成を制御する画像形成制御装置において、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、ブラック印字モードから該ブラック印字モードよりも副走査方向の印字幅が小さいカラー印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点近傍においては該モード切換点に前記ヘッドの先端が来るまでの画像を前記ブラック印字モードで該ブラック印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点までの画像を形成し、その後前記カラー印字モードに切り換えて前記モード切換点以降の画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成制御装置。
- キャリッジ上に各色の複数の印字素子が順に副走査方向に配列されたカラーヘッドとブラックの複数の印字素子が副走査方向に配列されたブラックヘッドとが並置されてなるヘッドを用い画像データに基づいて前記ヘッドを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成するシリアルプリンタの画像形成を制御する画像形成制御装置において、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、ブラック印字モードから該ブラック印字モードよりも副走査方向の印字幅が小さいカラー印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点近傍においては前記ヘッドに配列されている前記印字素子の先端が前記モード切換点となる位置から前記カラーヘッドの単色の印字幅の前記所定回数分の1以下の微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点までの画像を前記ブラック印字モードで形成し、前記所定回数だけの主走査終了後は前記ヘッドが前記モード切換点を跨ぐように制御し、その後前記カラー印字モードに切り換えて前記モード切換点以降の画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、カラーデータの存在するラインよりも前の空白ラインに前記モード切換点を設定することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、画像を形成すべきオブジェクトの変化点に前記モード切換点を設定することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で画像を形成する際に、最終回の主走査において前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数ごとに画像の形成に用いる印字素子数を漸減させて画像の形成を行なうように制御することを特徴とする請求項22ないし請求項25のいずれか1項に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で画像を形成する際に、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数についてはすべての印字素子を用いて画像の形成を行なうように制御することを特徴とする請求項22ないし請求項25のいずれか1項に記載の画像形成制御装置。
- 前記ヘッド位置管理手段は、前記微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数の主走査で画像を形成する際に、前記ヘッドに配列されている前記印字素子のうち端から前記微小移動幅に対応する印字素子数については主走査ごとに使用する印字素子の割合を漸増して画像の形成を行なうように制御することを特徴とする請求項22ないし請求項25のいずれか1項に記載の画像形成制御装置。
- 複数の印字素子を副走査方向に配列してなるヘッドと、該ヘッドが搭載されたキャリッジと、画像データに基づいて前記ヘッドおよび前記キャリッジを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成する駆動手段を有する画像形成装置において、前記駆動手段は、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、カラー印字モードから該カラー印字モードよりも副走査方向の印字幅が大きいブラック印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点までの画像を前記カラー印字モードで形成した後、前記ブラック印字モードに切り換え、前記ヘッドの後端が前記モード切換点に一致する位置から前記ブラック印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点直後の画像を形成し、その後、通常の前記ブラック印字モードでの画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成装置。
- 各色の複数の印字素子を副走査方向に配列してなるカラーヘッドとブラックの複数の印字素子を副走査方向に配列してなるブラックヘッドとが並置されてなるヘッドと、該ヘッドが搭載されたキャリッジと、画像データに基づいて前記ヘッドおよび前記キャリッジを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成する駆動手段を有する画像形成装置において、前記駆動手段は、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、カラー印字モードから該カラー印字モードよりも副走査方向の印字幅が大きいブラック印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、前記モード切換点までの画像を前記カラー印字モードで形成し、前記ヘッドが前記モード切換点を跨ぐ位置とした後、前記ブラック印字モードに切り換え、前記カラーヘッドの単色の印字幅の前記所定回数分の1以下の微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点直後の画像を形成し、前記所定回数だけの主走査終了後は前記ヘッドに配列されている前記印字素子の後端が前記モード切換点となるように制御し、その後、通常の前記ブラック印字モードでの画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成装置。
- 複数の印字素子を副走査方向に配列してなるヘッドと、該ヘッドが搭載されたキャリッジと、画像データに基づいて前記ヘッドおよび前記キャリッジを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成する駆動手段を有する画像形成装置において、前記駆動手段は、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、ブラック印字モードから該ブラック印字モードよりも副走査方向の印字幅が小さいカラー印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点近傍においては該モード切換点に前記ヘッドの先端が来るまでの画像を前記ブラック印字モードで該ブラック印字モードにおける副走査方向の移動幅よりも小さい微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点までの画像を形成し、その後前記カラー印字モードに切り換えて前記モード切換点以降の画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成装置。
- 各色の複数の印字素子を副走査方向に配列してなるカラーヘッドとブラックの複数の印字素子を副走査方向に配列してなるブラックヘッドとが並置されてなるヘッドと、該ヘッドが搭載されたキャリッジと、画像データに基づいて前記ヘッドおよび前記キャリッジを駆動して同一ラインを複数の所定回数の主走査によって画像を形成する駆動手段を有する画像形成装置において、前記駆動手段は、印字モードに応じて画像を形成するための前記ヘッドの位置や印字幅を少なくとも管理するヘッド位置管理手段と、該ヘッド位置管理手段によって決定されるヘッド位置および印字幅に従って画像を前記ヘッドに転送する画像転送手段を有し、前記ヘッド位置管理手段は、ブラック印字モードから該ブラック印字モードよりも副走査方向の印字幅が小さいカラー印字モードに切り換えるラインであるモード切換点を設定し、該モード切換点近傍においては前記ヘッドに配列されている前記印字素子の先端が前記モード切換点となる位置から前記カラーヘッドの単色の印字幅の前記所定回数分の1以下の微小移動幅ずつ副走査方向に移動させながら前記所定回数だけ主走査を行なって前記モード切換点までの画像を前記ブラック印字モードで形成し、前記所定回数だけの主走査終了後は前記ヘッドが前記モード切換点を跨ぐように制御し、その後前記カラー印字モードに切り換えて前記モード切換点以降の画像形成を行なうように制御することを特徴とする画像形成装置。
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