JP3936826B2 - 防滴構造を有する電子機器を備えた防犯機器 - Google Patents
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Description
【0002】
本発明は、壁面や窓枠など(以下、「壁面等」とも呼ぶ。)の屋内の取付面に取付けて使用される電子機器に、上記取付面を伝わって垂れ落ちてきた結露水等の水滴(以下、「水滴」とも呼ぶ。)が溜まることを防止する防滴構造を有する電子機器を備えた防犯機器に関する。
【従来の技術】
【0003】
図9は、従来の電子機器における取付構造を示す斜視図である。
この電子機器における取付構造は、壁面等100の屋内の取付面101に、防犯センサーの警報器である電子機器102を図のように密着させて固定し、この電子機器102のスイッチ103を入れて防犯警報状態にする。
【0004】
この防犯警報状態のときに、外部からの侵入者が壁面等100を開けようとすれば、上記電子機器102に設けた検知部104が反応して、警報音を鳴動し、侵入者の警報を行なうものである。
【0005】
なお、ここでは窓枠100の取付面101に防犯センサーの警報器である電子機器102を固定した場合を例示したが、防犯センサーの警報器以外、例えばガラス破壊センサーや窓,扉開閉センサーの電子機器102でも同様である。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この電子機器102は、壁面等100の屋内の取付面101に密着して固定されており、また、水の掛からない場所に固定されるものであるため、防水処理は成されていない。
【0007】
しかし、季節、場所によっては、電子機器102を固定した屋内の取付面101には、水滴Sが生じることがある。
【0008】
この水滴Sは、図9の矢印Aに示すように、上記電子機器102の上方から、取付面101を伝わって垂れ落ち、やがて上記電子機器102が取付面101と接合する上端縁部105に達する。
【0009】
そして、この上端縁部105に達した水滴Sは、その一部が表面張力によって、図中Bで示すように上記電子機器102が取付面101と接合する側端縁部106に沿って下方へと垂れ落ちる。
【0010】
ところが、上端縁部105に達した水滴Sの他の一部は、表面張力によって、図中Cで示すように上記電子機器102の上面107に流れて溜まり、さらに電子機器102の外表面に沿って下方へと垂れ落ちる。
【0011】
このとき、電子機器102の上面107に設けたスイッチ103の隙間や孔108などから電子機器102内部に水滴Sが浸入して、電子部品の腐蝕や漏電等を誘発し、電子機器102を破壊するという問題がある。
【0012】
また、上記電子機器102に既存の防水処理を施せば、製造上の手間を要し、高コストとなる問題がある。
【0013】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするもので、壁面や窓枠などの屋内の取付面に取付けて使用される電子機器に、結露水などの水滴が浸入することを簡易に防止できる電子機器における防滴構造および該電子機器を有する防犯機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1係る防犯機器は、壁面や窓枠などの屋内の取付面に取付けて使用される電子機器を有し、上記取付面に接合する上端縁部に、結露水等の水滴を誘落させる樋部を形成し、且つ、上記電子機器は、防犯センサーの警報器であって、取付板に規制片を起立自在に重合させて成る補助錠を、一方の引き違い戸に固着するとともに、この補助錠の接触を感知する検知部を設けた警報器を、他方の引き違い戸に取り付けて成り、上記補助錠の規制片を起立させているときに、いずれか一方の引き違い戸を開ける動作をすれば、上記警報器は補助錠の接触を感知して警報音を出力させるとともに、上記起立させた規制片によって、引き違い戸のそれ以上の開き動作を阻止する構造にしている。
【0015】
請求項1では、壁面や窓枠等の取付面に取付けた電子機器の上方に、取付面を伝わって結露水等の水滴が垂れ落ちてきても、樋部に落ち込むので、電子機器の上面に溜まることがなく、電子機器の内部に水滴が浸入することを防止できる。
【0016】
また、上記電子機器は防犯センサーの警報器であって、この警報器に水滴が浸入することを防止できることに加え、いずれか一方の引き違い戸を開けたときに、一方の引き違い戸に固着された補助錠の起立された規制片が、他方の引き違い戸に取り付けた電子機器である警報器の検知片に接触して感知され、この警報器から警報音が出力されるとともに、引き違い戸のそれ以上の開き動作が阻止されるので、屋外からの侵入者等が窓部の引き違い戸を開けようとするときに、警報音を発して侵入者等を知らせることができると共に、引き違い戸をそれ以上開けることを阻止し、侵入者等の侵入を防止することができるという機能を同時に達成できる。
【0017】
請求項2係る防犯機器は、壁面や窓枠などの屋内の取付面に取付けて使用される電子機器を有し、上記取付面に接合する上端縁部に、結露水等の水滴を誘落させる樋部を形成し、且つ、上記電子機器は、防犯センサーの警報器であって、取付板に規制片を起立自在に重合させて成る補助錠を、一方の引き違い戸に固着するとともに、この補助錠の起立した規制片の接近を感知する検知部を設けた警報器を、他方の引き違い戸に取り付けて成り、上記補助錠の規制片を起立させているときに、いずれか一方の引き違い戸を開ける動作をすれば、上記警報器は補助錠の起立した規制片の接近を感知して警報音を出力させるとともに、上記起立させた規制片によって、引き違い戸のそれ以上の開き動作を阻止する構造にしている。
【0018】
請求項2では、上記電子機器は防犯センサーの警報器であって、この警報器に水滴が浸入することを防止できることに加え、補助錠の規制片を起立させた状態で、いずれか一方の引き違い戸を開けたときに、一方の引き違い戸の補助錠の規制片の接近を、他方の引き違い戸の電子機器である警報器の検知部で感知して警報音が出力されるとともに、規制片によって引き違い戸のそれ以上の開き動作が阻止されるので、屋外からの侵入者等が窓部の引き違い戸を開けようとするときに、警報音を発して侵入者等を知らせることができると共に、引き違い戸をそれ以上開けることを阻止し、侵入者等の侵入を防止することができるという機能を同時に達成できる。
【0019】
請求項3に係る防犯機器は、請求項1又は2の何れかにおいて、上記樋部は、電子機器の上面を、直接面取り、又は段落ちに形成した構造にしている。
【0020】
請求項3では、電子機器の上端を、面取り又は段落ちに形成するだけで、樋部を形成でき、構造が簡易である。
【0021】
請求項4に係る防犯機器は、請求項1〜3の何れかにおいて、上記樋部は、電子機器に台座、突起、両面テープなどの介在物を介在させて、壁面等に取付けることによって、上記電子機器の上面と介在物との間に隙間を形成して構成されている。
【0022】
請求項4では、電子機器の形状をそのままにして、介在物の形状を加工するだけでよいので、樋部をより簡単に形成でき、既存の電子機器をそのまま利用できる。
【0023】
請求項5に係る防犯機器は、請求項1〜4の何れかにおいて、上記樋部は、少なくとも一側端に向けて降下する傾斜面部を形成した構造にしている。
【0024】
請求項5では、樋部に傾斜面部を設けることで、水滴がスムーズに側方に流れ落ちる。
【0025】
請求項6に係る防犯機器は、請求項1〜5の何れかにおいて、上記取付面に接合する側端縁部に、前記樋部と連通し結露水等の水滴を誘落させる溝部を形成したことを特徴とする。
【0026】
請求項6では、壁面や窓枠等の取付面に取付けた電子機器の上方に、取付面を伝わって水滴が垂れ落ちてきても、樋部を介して溝部に流れ落ちるので、電子機器の側面から水滴が浸入することを防止できる。
【0027】
請求項7に係る防犯機器は、請求項6において、上記溝部は、電子機器の側端縁部を、直接面取り、又は段落ちに形成した構造にしている。
【0028】
請求項7では、電子機器が取付面と接合する側端縁部を、面取り又は段落ちに形成するだけで、溝部を形成でき、構造が簡単である。
【0029】
請求項8に係る防犯機器は、請求項6において、上記溝部は、電子機器に台座、突起、両面テープなどの介在物を介在させて、壁面等に取付けることによって、上記電子機器の側部と介在物との間に隙間を形成して構成されている。
【0030】
請求項8では、電子機器の形状をそのままにして、介在物の形状を加工するだけでよいので、溝部をより簡単に形成でき、既存の電子機器をそのまま利用できる。
【0031】
請求項9に係る防犯機器は、請求項1〜8において、上記電子機器は、窓や戸に取り付ける防犯センサーである。
【0032】
請求項9では、窓や戸などの屋外と屋内に接している取付物に取り付ける防犯センサーを採用することにより、窓や戸で結露等が起こっても、結露水等の水滴により防犯センサーの機能が破壊される可能性が少なく、信頼性の高い防犯センサーが提供できる。
【0033】
ここで、上記防犯センサーは、従来から提供されている機能の防犯センサー、例えばガラス破壊センサーや窓,戸開閉センサー等でもよい。
【0034】
請求項10に係る防犯機器は、請求項1〜9の何れかにおいて、上記規制片は、2枚の平板材を途中部分で折曲可能に互いに枢着したものであって、起立させるときには、平面視略L字形に折曲させる規制折片から成る。
【0035】
請求項10では、上記規制片は、平面視略L字形に折曲させた規制折片から成るため、引き違い戸の開放を規制折片で確実に規制できる。
【発明の実施の形態】
【0036】
以下、本発明に係る防滴構造を有する電子機器を備えた防犯機器を図面に基づき説明する。図1は、本発明に係る防犯機器における電子機器の第一実施例を示す斜視図である。この図は、アルミサッシなどの引き違い窓における窓枠1の屋内の取付面2に、電子機器3を固定した場合を例示している。
【0037】
ここでは、窓や戸に取り付ける防犯センサーである電子機器3を取付けた場合を示しており、このような窓や戸などの屋外と屋内に接している取付物に取り付ける防犯センサーを採用することにより、窓や戸で結露等が起こっても、結露水等の水滴により防犯センサーの機能が破壊される可能性が少なく、信頼性の高い防犯センサーが提供できる。
ここで、上記防犯センサーは、従来から提供されている機能の防犯センサー、例えばガラス破壊センサーや窓,戸開閉センサー等でもよい。
【0038】
また、取付面2は、アルミサッシなどの引き違い窓における窓枠1の屋内側に設けているが、これに限定されるものではなく、室内の壁面、ガラス面、アルミサッシ、窓枠、金属面、結露する可能性のある面、等を含む。
なお、結露しにくい取付面2に取り付けた場合でも、取付面2を伝って垂れ落ちてくる水滴に関して同様の効果がある。
【0039】
上記電子機器3は、壁面や窓枠など(以下、「壁面等」とも呼ぶ。)1の屋内の取付面2に、粘着テープ、ネジ(不図示)などで固定されており、電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4に、上記電子機器3の上方から取付面2を伝わって垂れ落ちてくる結露水等の水滴(以下「水滴」とも呼ぶ。)Sを誘落させる樋部5を形成している。
【0040】
具体的には、上記電子機器3が取付面2に接合する上端を、図1で示すように斜めに面取り成形して上記樋部5を形成している。
なお、6は、防犯センサーの警報器を鳴動するための検知部である。
【0041】
図2(a),(b)は、樋部の他の実施例を示す側面図である。
図2(a)では、上記電子機器3が取付面2に接合する上端を、図で示すようにR状に面取り成形して樋部5を形成している。
【0042】
図2(b)では、上記電子機器3が取付面2に接合する上端を、図で示すように階段状に段落ちに成形して樋部5を形成している。
このように、上記電子機器3が取付面2に接合する上端を、面取り又は段落ちに成形するだけで樋部5を形成でき、構造を簡単にできる。
【0043】
ところで、図1のように電子機器3を固定した壁面1等には、季節、場所によって、結露水などの水滴(以下「水滴」とも呼ぶ。)Sが生じる。
この水滴Sは、図1の矢印Aに示すように、上記電子機器3の上方から、取付面2を伝わって垂れ落ち、やがて上記電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4に達する。
【0044】
ところが、この上端縁部4には上記樋部5を形成しているので、垂れ落ちた水滴Sは、この樋部5に誘落し、その全部が図中矢印Bで示すように上記電子機器3が取付面2と接合する側端縁部7へと誘導されて下方に垂れ落ちる。したがって、上記水滴Sは、上記電子機器3の上面31に溜まることがない。そのため、電子機器3の上面31に孔が形成してあったり、スイッチ32などを設けてあっても、その孔やスイッチ32との隙間32aなどから電子機器3の内部に水滴Sが浸入することがないので、部品の腐蝕や漏電等を誘発することがない。
【0045】
図3は、本発明に係る防犯機器における電子機器の第二実施例を示す斜視図である。なお、図1と共通する部位には、共通の番号を付しており、その説明を省略している。
図3では、上記電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4から段落ちさせて、略厚みのある両面テープである介在物8を介在させて貼着し、上記電子機器3の上面31と介在物8との間に隙間を形成することによって上記樋部5を形成している。
【0046】
また、図4(a),(b)は、上記介在物の他の実施例を示す側面図である。
図4(a)では、上記電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4から段落ちさせて、上記電子機器3に突設した介在物8を一体成形し、この介在物8を取付面2に固定して、上記電子機器3の上面31と介在物8との間に隙間を形成することによって上記樋部5を形成している。
【0047】
図4(b)では、上記電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4から段落ちさせて、上記電子機器3と別体に成形した介在物8を取付面2に固定して、上記電子機器3の上面31と介在物8との間に隙間を形成することによって上記樋部5を形成している。
【0048】
このような介在物8を形成すれば、上記電子機器3と取付面2との間に介在物8を介在して取付けるだけで隙間を形成でき、この隙間が樋部5の機能を成すため、図1同様の効果を成すと共に、既存の電子機器3をそのまま利用することもできる。
【0049】
図5は、樋部の他の実施例を背面側から見た斜視図である。
この樋部5は、少なくとも一側端に向けて降下する傾斜面部51を形成した構造にしており、図5では、上記電子機器3が取付面2と接合する上端中央から両側方に降下する傾斜面部51、51を形成している。
【0050】
このような傾斜面部51を設けた樋部5を形成すれば、樋部5に落ち込んだ水滴Sを電子機器3の側方へスムーズに誘落することができ、水滴Sが多くても樋部5に溜まることがない。
【0051】
図6(a)〜(c)は、本発明に係る防犯機器における電子機器の第三実施例を示す概略平面図である。
なお、図1、2と共通する部位には、共通の番号を付しており、その説明を省略する。
【0052】
図6(a)は、図1で示した電子機器3が上記取付面2と接合する側端縁部7に、前記樋部5と連通し結露水等の水滴Sを電子機器3の下端へと誘落させる溝部9を更に形成している。
【0053】
このような溝部9を形成すれば、上記樋部5の効果に加えて、壁面や窓枠等1の取付面2に取付けた電子機器3の上方にから取付面2を伝わって水滴Sが垂れ落ちてきても、樋部5を介して溝部9に誘落するので、電子機器3の側面から水滴Sが浸入することをも防止できる。
【0054】
また、図6(b)では、上記電子機器3が上記取付面2と接合する側端縁部7を直接面取りした溝部9を示し、図6(c)では上記電子機器3が上記取付面2と接合する側端縁部7を段落ちに形成した溝部9を示している。
このように、上記溝部9は、電子機器3が取付面2と接合する側端縁部7を、面取り又は段落ちに成形するだけで形成でき、構造が簡単である。
【0055】
図7(a)〜(c)は、本発明に係る防犯機器における電子機器の第四実施例を示す概略平面図である。なお、図3,4と共通する部位には、共通の番号を付しており、その説明を省略している。
【0056】
図7(a)は、図3で示した上記電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4から段落ちさせると共に、その側端縁部7からも段落ちさせて、略厚みのある両面テープである介在物8を介在させて貼着し、上記電子機器3の上面31と介在物8との間だけでなく、電子機器3の側部33と介在物8との間にも隙間を形成することによって上記樋部5に連通する溝部9を形成している。
【0057】
また、図7(b)では、図4(a)で示した上記電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4から段落ちさせると共に、その側端縁部7からも段落ちさせて、上記電子機器3に突設した介在物8を一体成形し、この介在物8を取付面2に固定して、上記電子機器3の上面31と介在物8との間だけでなく、電子機器3の側部33と介在物8との間にも隙間を形成することによって上記樋部5に連通する溝部9を形成している。
【0058】
図7(c)では、、図4(b)で示した上記電子機器3が取付面2と接合する上端縁部4から段落ちさせると共に、その側端縁部7からも段落ちさせて、上記電子機器3と別体に成形した介在物8を取付面2に固定して、上記電子機器3の上面31と介在物8との間だけでなく、電子機器3の側部33と介在物8との間にも隙間を形成することによって上記樋部5に連通する溝部9を形成している。
【0059】
このような溝部9を形成すれば、電子機器3の形状をそのままにして、介在物8の形状を加工するだけでよいので、溝部9をより簡単に形成でき、既存の電子機器3をそのまま利用することも可能である。
【0060】
図8は、本発明に係る防犯機器の実施例を示す斜視図である。
なお、図1〜図4と共通する部位には、共通の番号を付しており、その説明を省略する。
図8では、上記電子機器3は、防犯センサーの警報器であって、取付板11に規制片12を起立自在に重合させて成る補助錠10を、壁面等1である一方の引き違い戸1aに固着するとともに、この補助錠10の接触を感知する検知部6を設けた上記警報器3を、他方の引き違い戸1bに取り付けて成り、上記補助錠10の規制片12を起立させているときに、いずれか一方の引き違い戸1a,1bを開ける動作をすれば、上記警報器3は補助錠10の接触を感知して警報音を出力させるとともに、上記起立させた規制片12によって、引き違い戸1a,1bのそれ以上の開き動作を阻止する構造にしている。
【0061】
また、上記警報器3の検知部6は、補助錠10との接触を感知するものに限定されず、例えば上記補助錠10の規制片12の接近を感知して警報音を出力させるものであっても可能である。
【0062】
上記補助錠10は、図8に示すように、1枚の取付板11と、この取付板11に起立・重合自在に設けた規制片12と、取付板11の表面に突設され、規制片11の先端が係止して起立状態に保持するための係止爪11aとで構成されている。
また、上記規制片12は、2枚の平板材を途中部分で折曲可能に互いに枢着したものであって、起立させるときには、平面視略L字形に折曲させる規制折片12a,12aに形成すれば、上記引き違い戸1a,1bの開き動作を確実に規制できる。
更に、上記補助錠10は、これを直列に複数並べて一方の引き違い戸1aに固着することもでき、上記規制片12を起立させる補助錠1を選択すれば、規制ストロークを任意に調整できる。
【0063】
このような電子機器3を有する防犯機器によれば、いずれか一方の引き違い戸1a,1bを開けたときに、一方の引き違い戸1aに固着された補助錠10の起立された規制片12が、他方の引き違い戸1bに取り付けた警報器3の検知部6に接触して感知され、この警報器3から警報音が出力されるとともに、引き違い戸1a,1bのそれ以上の開き動作が阻止されるので、屋外からの侵入者等が引き違い戸1a,1bを開けようとするときに、警報音を発して知らせることができると共に、引き違い戸1a,1bをそれ以上開けることを確実に阻止し、侵入者等の侵入を防止することができるという機能を同時に達成できる。
【0064】
しかも、他方の引き違い戸1bに固定した上記警報器3には、上記樋部5(及び溝部9)が形成されているので、図1〜図7で説明したように、この警報器3の上面31(及び側部33)に結露水等の水滴Sが溜まることを同時に防止できるのである。
【発明の効果】
【0065】
本発明によれば、次のような効果がある。
【0066】
請求項1に係る防犯機器によれば、壁面や窓枠等の取付面に取付けた電子機器の上方に、取付面を伝わって結露水等の水滴が垂れ落ちてきても、樋部に落ち込むので、電子機器の上面に溜まることがなく、電子機器の内部に水滴が浸入することを防止できる。
【0067】
また、上記電子機器は防犯センサーの警報器であって、この警報器に水滴が浸入することを防止できることに加え、いずれか一方の引き違い戸を開けたときに、一方の引き違い戸に固着された補助錠の起立された規制片が、他方の引き違い戸に取り付けた電子機器である警報器の検知片に接触して感知され、この警報器から警報音が出力されるとともに、引き違い戸のそれ以上の開き動作が阻止されるので、屋外からの侵入者等が窓部の引き違い戸を開けようとするときに、警報音を発して侵入者等を知らせることができると共に、引き違い戸をそれ以上開けることを阻止し、侵入者等の侵入を防止することができるという機能を同時に達成できる。
【0068】
請求項2に係る防犯機器によれば、上記電子機器は防犯センサーの警報器であって、この警報器に水滴が浸入することを防止できることに加え、補助錠の規制片を起立させた状態で、いずれか一方の引き違い戸を開けたときに、一方の引き違い戸の補助錠の規制片の接近を、他方の引き違い戸の電子機器である警報器の検知部で感知して警報音が出力されるとともに、規制片によって引き違い戸のそれ以上の開き動作が阻止されるので、屋外からの侵入者等が窓部の引き違い戸を開けようとするときに、警報音を発して侵入者等を知らせることができると共に、引き違い戸をそれ以上開けることを阻止し、侵入者等の侵入を防止することができるという機能を同時に達成できる。
【0069】
請求項3に係る防犯機器によれば、電子機器の上端を、面取り又は段落ちに形成するだけで、樋部を形成でき、構造が簡易である。
【0070】
請求項4に係る防犯機器によれば、電子機器の形状をそのままにして、介在物の形状を加工するだけでよいので、樋部をより簡単に形成でき、既存の電子機器をそのまま利用できる。
【0071】
請求項5に係る防犯機器によれば、樋部に傾斜面部を設けることで、水滴がスムーズに側方に流れ落ちる。
【0072】
請求項6に係る防犯機器によれば、壁面や窓枠等の取付面に取付けた電子機器の上方に、取付面を伝わって水滴が垂れ落ちてきても、樋部を介して溝部に流れ落ちるので、電子機器の側面から水滴が浸入することを防止できる。
【0073】
請求項7に係る防犯機器によれば、電子機器が取付面と接合する側端縁部を、面取り又は段落ちに形成するだけで、溝部を形成でき、構造が簡単である。
【0074】
請求項8に係る防犯機器によれば、電子機器の形状をそのままにして、介在物の形状を加工するだけでよいので、溝部をより簡単に形成でき、既存の電子機器をそのまま利用できる。
【0075】
請求項9に係る防犯機器によれば、窓や戸などの屋外と屋内に接している取付物に取り付ける防犯センサーを採用することにより、窓や戸で結露等が起こっても、結露水等の水滴により防犯センサーの機能が破壊される可能性が少なく、信頼性の高い防犯センサーが提供できる。
【0076】
請求項10に係る防犯機器によれば、上記規制片は、平面視略L字形に折曲させた規制折片から成るため、引き違い戸の開放を規制折片で確実に規制できる。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明に係る防犯機器における電子機器の第一実施例を示す斜視図で
【図 2】(a),(b)は、樋部の他の実施例を示す側面図
【図 3】本発明に係る防犯機器における電子機器の第二実施例を示す斜視図
【図 4】(a),(b)は、介在物の他の実施例を示す側面図
【図 5】樋部の他の実施例を背面側から見た斜視図
【図 6】(a)〜(c)は、本発明に係る防犯機器における電子機器の第三実施例を示す概略平面図
【図 7】(a)〜(c)は、本発明に係る防犯機器における電子機器の第四実施例を示す概略平面図
【図 8】本発明に係る電子機器を有する防犯機器の実施例を示す斜視図
【図 9】従来の電子機器における取付構造を示す斜視図
【符号の説明】
S 結露水等の水滴
A、B,C 水滴の流路
1 壁面等(引き違い戸)
2 取付面
3 電子機器
31 上面
4 上端縁部
5 樋部
51 傾斜面部
6 検知部
7 側端縁部
8 介在物
9 溝部
10 補助錠
11 取付板
12 規制片
12a 規制折片
Claims (10)
- 壁面や窓枠などの屋内の取付面に取付けて使用される電子機器を有し、上記取付面に接合する上端縁部に、結露水等の水滴を誘落させる樋部を形成し、且つ、上記電子機器は、防犯センサーの警報器であって、取付板に規制片を起立自在に重合させて成る補助錠を、一方の引き違い戸に固着するとともに、この補助錠の接触を感知する検知部を設けた警報器を、他方の引き違い戸に取り付けて成り、上記補助錠の規制片を起立させているときに、いずれか一方の引き違い戸を開ける動作をすれば、上記警報器は補助錠の接触を感知して警報音を出力させるとともに、上記起立させた規制片によって、引き違い戸のそれ以上の開き動作を阻止する構造にしている防犯機器。
- 壁面や窓枠などの屋内の取付面に取付けて使用される電子機器を有し、上記取付面に接合する上端縁部に、結露水等の水滴を誘落させる樋部を形成し、且つ、上記電子機器は、防犯センサーの警報器であって、取付板に規制片を起立自在に重合させて成る補助錠を、一方の引き違い戸に固着するとともに、この補助錠の起立した規制片の接近を感知する検知部を設けた警報器を、他方の引き違い戸に取り付けて成り、上記補助錠の規制片を起立させているときに、いずれか一方の引き違い戸を開ける動作をすれば、上記警報器は補助錠の起立した規制片の接近を感知して警報音を出力させるとともに、上記起立させた規制片によって、引き違い戸のそれ以上の開き動作を阻止する構造にしている防犯機器。
- 請求項1又は2の何れかにおいて、上記樋部は、電子機器の上面を、直接面取り、又は段落ちに形成した構造にしている防犯機器。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、上記樋部は、電子機器に台座、突起、両面テープなどの介在物を介在させて、壁面等に取付けることによって、上記電子機器の上面と介在物との間に隙間を形成して構成している防犯機器。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、上記樋部は、少なくとも一側端に向けて降下する傾斜面部を形成した構造にしている防犯機器。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、上記取付面に接合する側端縁部に、前記樋部と連通し結露水等の水滴を誘落させる溝部を形成したことを特徴とする防犯機器。
- 請求項6において、上記溝部は、電子機器の側端縁部を、直接面取り、又は段落ちに形成した構造にしている防犯機器。
- 請求項6において、上記溝部は、電子機器に台座、突起、両面テープなどの介在物を介在させて、壁面等に取付けることによって、上記電子機器の側部と介在物との間に隙間を形成して構成されている防犯機器。
- 請求項1〜8において、上記電子機器は、窓や戸に取り付ける防犯センサーである防犯機器。
- 請求項1〜9の何れかにおいて、上記規制片は、2枚の平板材を途中部分で折曲可能に互いに枢着したものであって、起立させるときには、平面視略L字形に折曲させる規制折片から成る防犯機器。
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