JP3936649B2 - シーズヒータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理器具、暖房機器、液体加熱器などの電気熱源として使用されているシーズヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のシーズヒータは、安全性が高くかつ耐食性に優れていることから一般電気調理機器や暖房機器、液体加熱装置の熱源として幅広く使用されている。また、従来よりヒータ線をコイル状に加工し電極棒へ溶接したものをパイプに挿入し粉末絶縁材を内部に充填し、充填密度を上げるためパイプの外径をローラーで絞り加工を行い減径した後パイプ両端部を封口するシーズヒータは多数提案されている。例えば特開昭55−53890号公報参照。
【0003】
さらに、近年は製品のコンパクト化によりヒータの小型化が進んでいるが、シーズヒータの発熱長と消費電力すなわち抵抗値を決める条件にヒータ線コイルのコイル間の隙間と、ヒータ線コイルの巻内径(D)とヒータ線の線径(d)との関係があり、この必要条件を満たさないとヒータは製造できないものであった。そこで、コイルの隙間とコイル巻内径(D)とヒータ線径(d)との関係について、図2により説明する。
【0004】
ヒータ線コイル4にはコイル間に粉末絶縁材3が入り込む隙間が必要である。この隙間が小さい場合コイルの内部に粉末絶縁材3が入らず空洞状態のヒータになってしまい早期断線の原因となる。このため短い発熱長さ内でコイル間に隙間を確保するには単位長さ当たりの抵抗値を高くする、すなわち細いヒータ線を使用し短いヒータ線展開長でコイルにすることで隙間を確保していた。あるいはまた、巻内径を大きくすることでコイルの密着全長を短くし、所定の長さに引き伸ばした時にコイル間の隙間を確保していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したヒータ線コイルの巻内径(D)とヒータ線の線径(d)の関係は、一般的に使われるヒータ線の材質であるニッケル―クロム、または鉄―クロムではコイルのテンションを確保するため、ヒータ線メーカはD/d=10以下を推奨している。実際にD/d=10以上となるような細いヒータ線を使いシーズヒータを製造した場合、ヒータ線コイルのテンションが低く、パイプをローラーで絞り加工を行い、外径を減径する時にヒータ内部では図2の矢印に示すように、パイプの中心方向とパイプの軸方向へ力が加わるため図3のようにコイルが波状に変形(以下、座屈と言う)を起こしてしまうという問題があった。
【0006】
前記従来例の座屈が発生する箇所は減径開始側の電極棒の先端であり、その原因は、前記したように図2に示すように減径時に粉末絶縁材が電極側からパイプの軸方向へ移動するが電極の先端では急激に粉末絶縁材の層が広くなるため圧力が急激に低くなり減径によって押し出された粉末絶縁材の移動量が多くなるため電極先端から約5mmの位置は他の場所より密度が低くなる。この状態のヒータにD/d=10以上のテンションの低いヒータ線を使用した場合、密度が低い部分ではコイルが減径の圧力を受けやすく座屈が発生する。また、減径終了側の電極棒では、減径により粉末絶縁材が移動するため密度の低下は発生せず座屈は発生しないものである。
【0007】
座屈を発生したヒータ線コイルは座屈の曲げによるストレス、コイル隙間が均一でないための異常加熱、加熱、冷却のヒートサイクルの影響を受けやすい等の要因により早期断線の原因となっていた。そのためコイルの隙間とD/d=10以下の両方の条件を満たせない、細いヒータ線を使用して小型のヒータを製造するということは非常に困難となる問題があった。
【0008】
また、D/d=10以上の細いヒータ線でも十分なテンションを確保するには新しい材質の開発が必要でありコスト高となってしまうものであった。
【0009】
本発明は減径による電極先端の粉末絶縁材の密度を均一に保ちD/d=10以上の細いヒータ線を使用しても座屈の発生を防止し小型ヒータの製造を可能にするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のシーズヒータは、金属製のパイプと、このパイプ内に挿通されたヒータ線コイルと、このヒータ線コイルの両端にそれぞれ接続された電極棒と、前記パイプ内に充填した粉末絶縁材と、を有し、前記パイプの長手方向を絞り加工により減径したシーズヒータにおいて、前記ヒータ線コイルは、コイルの巻内径(D)とヒータ線の線径(d)との関係D/dが10を超えるものであり、減径開始側の前記パイプ内に配置された前記電極棒の先端に傾斜を設け、この傾斜と前記ヒータ線コイルとの間に前記粉末絶縁材を充填したものである。
【0011】
本発明はこのような構成としたことにより、減径による電極先端の粉末絶縁材の密度を均一に保ち、ヒータ線コイルの巻内径(D)とヒータ線の線径(d)の関係が、D/d=10以上の細いヒータ線を使用しても座屈の発生を防止し、小型ヒータの製造を可能にするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属製のパイプと、パイプ内に挿通されたヒータ線コイルと、ヒータ線コイルの両端にそれぞれ設けた電極棒と、パイプ内周面とヒータ線コイルとの間に充填した粉末絶縁材と、充填密度を上げるためにパイプの外径をローラーにより絞り加工を行い減径してなるシーズヒータにおいて、減径開始側の電極棒の先端にヒータ線コイルの内径に対して十分隙間を有する円筒状の突起を設け、かつ、突起の先端部と根元部に傾斜部を設けて構成したシーズヒータとしたものである。
【0013】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示すシーズヒータの断面図である。
【0014】
図において、1は金属製のパイプであり、このパイプ1内にヒータ線コイル4が挿通され、粉末絶縁材3が充填されている。ヒータ線コイル4の両端にはそれぞれ電極棒2、7が接続されている。
【0015】
このシーズヒータは充填密度を上げるためにパイプ1の外径をローラー5により絞り加工を行い減径するものである。この減径する時の減径開始側の電極棒が2であり、減径終了側の電極棒を7とする。6は減径開始側の電極棒2の先端に設けた突起であり、ヒータ線コイル4の内径に対して十分隙間を有する外径で円筒状に形成されている。また、突起6の先端部分と根元部分には傾斜部6a、6bを設けたものである。
【0016】
次に、本実施例の具体的な構成について説明する。直径φ2.4の減径開始側の電極棒2先端のヒータ線コイル4の取り付け部先端に、切削加工で先端部と根元部には傾斜部6a、6bを形成した直径φ1.2、長さ5mmの円筒状の突起6を設ける。この減径開始側の電極棒2の先端に線径φ0.16のヒータ線を巻内径φ2.4の大きさのヒータ線コイル4に加工したものを溶接し取り付ける。この場合、巻内径(D)とヒータ線の線径(d)はD/d=15でありメーカ推奨値のD/d=10を超えている。
【0017】
次に、パイプ1中央に減径開始側の電極棒2とヒータ線コイル4を配置し粉末絶縁材3を充填し、充填密度を高めるためパイプ1の外径をローラー5により絞り加工で減径する。この時、円筒状の突起6により急激な圧力の低下がなく減径の絞りにより内部の粉末絶縁材3はパイプ1端面から円筒状の突起6、ヒータ線コイル4と円筒状の突起6の隙間を通り突起6の先端へと順次移動するため密度は均一となりヒータ線コイル4は減径時の圧力を均等に受けるため座屈の発生を防止することができ、発熱長の短い小型ヒータを製造できるものである。
【0018】
【発明の効果】
以上、本発明はこのような構成としたことにより、細いヒータ線を使用してシーズヒータを製造するうえで問題となる座屈の発生を、減径開始側の電極棒の形状を一部変更するという最小限の改造で防止でき、発熱長の短い小型ヒータの製造を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すシーズヒータの断面図である。
【図2】従来例のシーズヒータを示す断面図である。
【図3】従来例のシーズヒータの減径時にヒータの座屈が生じる時の説明図である。
【符号の説明】
1:パイプ
2:減径開始側の電極棒
3:粉末絶縁材
4:ヒータ線コイル
5:ローラー
6:突起
7:減径終了側の電極棒
Claims (1)
- 金属製のパイプと、このパイプ内に挿通されたヒータ線コイルと、このヒータ線コイルの両端にそれぞれ接続された電極棒と、前記パイプ内に充填した粉末絶縁材と、を有し、前記パイプの長手方向を絞り加工により減径したシーズヒータにおいて、前記ヒータ線コイルは、コイルの巻内径(D)とヒータ線の線径(d)との関係D/dが10を超えるものであり、減径開始側の前記パイプ内に配置された前記電極棒の先端に傾斜を設け、この傾斜と前記ヒータ線コイルとの間に前記粉末絶縁材を充填したシーズヒータ。
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2002
- 2002-09-30 JP JP2002284679A patent/JP3936649B2/ja not_active Expired - Lifetime
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