JP3935605B2 - マルチディスプレイビデオ表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、相互に接続された複数のビデオ表示装置によりビデオ映像を表示するマルチディスプレイビデオ表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、大型投射型ディスプレイをマトリクス状に配置し、その一つ一つにビデオ映像を表示する場合は、ビデオ入力装置で取り込まれた映像を、アナログの分割器によって分割し、その一つ一つにビデオ映像をアナログ入力により入力、表示を行なわなければならず、複数のディスプレイに表示させる場合には、その配線が複雑で、かつ遠隔地からの映像入力は困難であった。
【0003】
そこで、発明者らは、特願平9−190285号明細書において、ビデオ映像をディジタル符号化変換し、通信路を通して複数のビデオ表示装置に送信し、また、複数のビデオ表示装置では各々にCPUを持たせ、各々座標変換し、ビデオ表示を行なうことによって、全体としてマルチディスプレイのビデオ表示を実現するのみならず、画面数が増えた場合のビデオ映像入力手段を容易にし、また遠隔地からの映像入力も容易にしている。
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、それぞれのビデオ表示装置で、各々ビデオ表示を行なっているため、ビデオ表示装置間でのビデオ表示タイミングを同期させて実現する手段や方法については考慮されていない。
【0005】
図24は、特願平9−190285号明細書で出願した従来のマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図において、1は表示すべきビデオデータ、10はビデオデータ1を取り込んで符号化(圧縮)を行なうビデオデータ符号化手段、11は符号化されたビデオデータをマルチキャストにより送信するビデオデータ送信手段、20はビデオデータ符号化手段10、ビデオデータ送信手段11を備えたビデオ送信装置である。
【0006】
また、321から324は、符号化されたビデオデータを復号化(伸長)するビデオデータ復号化手段、331から334は、ビデオデータ1をマルチディスプレイ全体の座標系から自画面の座標系に変換する座標変換手段、311から314は、座標変換されたビデオデータ1をフレームメモリ(図示せず)に書き込むビデオ表示手段、301から304は、ビデオデータ復号化手段321から324、座標変換手段331から334、ビデオ表示手段311から314を備えたビデオ表示装置、171から174は、ビデオデータ1を実際に表示するディスプレイである。
【0007】
このマルチディスプレイビデオ表示装置では、2×2個のディスプレイで画面を構成し、各ディスプレイ171から174の画面サイズが1280×1024ピクセルとすると、画面全体のマルチディスプレイのサイズは2560×2048ピクセルとなる。また、各ディスプレイ171から174の座標系として、左上端を(0,0),右下端を(1279,1023)とし、画面全体のマルチディスプレイの座標系として、左上端を(0,0),右下端を(2559,2047)とする。
【0008】
従って、ディスプレイ171はマルチディスプレイ全体の(0,1024)から(1279,2047)の範囲、ディスプレイ172はマルチディスプレイ全体の(0,0)から(1279,1023)の範囲、ディスプレイ173はマルチディスプレイ全体の(1280,0)から(2559,1023)の範囲、ディスプレイ174はマルチディスプレイ全体の(1280,1024)から(2559,2047)の範囲をそれぞれ表示する。
【0009】
次に動作について説明する。
図25はマルチディスプレイ上のビデオデータの表示を説明する図である。ここでは、図25に示すように、元の画像サイズが(640×480)のビデオデータ1を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(640,240)、画像サイズを(1280×720)にして表示する例をとって説明する。
【0010】
図26は、ビデオ送信装置20及びビデオ表示装置301から304の処理を示すフローチャートである。図26のステップST211において、ビデオ送信装置20のビデオデータ符号化手段10は、ビデオデータ1を符号化し、ステップST212において、ビデオデータ送信手段11は、符号化されたビデオデータ1を、マルチキャストにより、すべてのビデオ表示装置301から304に対して送信する。
【0011】
ビデオ表示装置301から304では、まず、ステップST213において、ビデオデータ復号化手段321から324が符号化されたビデオデータ1を各々復号化して、次のステップST214において、座標変換手段331から334が、送られてきたビデオデータ1を、自ディスプレイ171から174の座標系に変換する。
【0012】
ここで、座標変換処理について説明する。
マルチディスプレイ上での座標(gx,gy)を、マルチディスプレイを構成する個々の画面上でのローカルな座標(lx,ly)に変換する場合に、マルチディスプレイ座標系における個々の画面の左上端の座標を(offsetx,offsety)とすると、次式で表すことができる。
lx=gx−offsetx (1)
ly=gy−offsety (2)
【0013】
ステップST214において、マルチディスプレイ上での始点の座標が(640,240)、座標変換手段331に対応しているディスプレイ171の画面の左上端の座標が(0,1024)であるので、座標変換手段331は、上記(1),(2)式に、
gx=640,gy=240,
offsetx=0,offsety=1024
を代入して、
lx=640,ly=−784
を求めることにより、ビデオデータ1の始点座標(640,240)を(640,−784)に変換する。また、座標変換手段331は、元のビデオデータ1の画像サイズ(640×480)を表示する画像サイズ(1280×720)にするために、横2倍、縦1.5倍に拡大する。
【0014】
同様にして、ステップST214において、座標変換手段332は、対応しているディスプレイ172の画面の左上端の座標が(0,0)であるので、ビデオデータ1の始点座標(640,240)を(640,240)に変換すると共に、元のビデオデータ1の画像サイズを表示する画像サイズ(1280×720)にするために、横2倍、縦1.5倍に拡大する。
【0015】
また、ステップST214において、座標変換手段333は、対応しているディスプレイ173の画面の左上端の座標が(1280,0)であるので、始点座標を(−640,240)に変換し、画像サイズを横2倍、縦1.5倍に拡大する。さらに、ステップST214において、座標変換手段334は、対応しているディスプレイ174の画面の左上端の座標が(1280,1024)であるので、始点座標を(−640,−784)に変換し、画像サイズを横2倍、縦1.5倍に拡大する。
【0016】
次にステップST215において、ビデオ表示手段311は、座標変換手段331で変換された始点座標(640,−784)、画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1を、ディスプレイ171に表示しようとするが、図25に示すように、ディスプレイ171の表示領域外なので、ビデオデータ1を表示しない。
【0017】
また、ステップST215において、ビデオ表示手段312は、座標変換手段332で変換された始点座標(640,240)、画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1を、ディスプレイ172に表示しようとするが、ビデオデータ1の(1280,240),(1919,240),(1919,959),(1280,959)の範囲は表示領域外なので表示せずに、表示領域内の(640,240),(1279,240),(1279,959),(640,959)の範囲のみを表示する。
【0018】
同様にして、ステップST215において、ビデオ表示手段313は、座標変換手段333で変換された始点座標(−640,240)、画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1を、ディスプレイ173に表示しようとするが、ビデオデータ1の(−640,240),(−1,240),(−1,959),(−640,959)の範囲は表示領域外なので表示せずに、表示領域内の(0,240),(639,240),(639,959),(0,959)の範囲のみを表示する。
【0019】
また、ステップST215において、ビデオ表示手段314は、座標変換手段334で変換された始点座標(−640,−784)、画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1を、ディスプレイ174に表示しようとするが、ディスプレイ171の表示領域外なので、ビデオデータ1を表示しない。
【0020】
このようにして、図25に示すように、ビデオ表示手段312,313は、ビデオデータ1を、マルチディスプレイ上で、始点座標(640,240),画像サイズ(1280×720)のビデオ画像として表示する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来のマルチディスプレイビデオ表示装置は、以上のように構成されているので、各ビデオ画像の表示は、各々のビデオ表示装置が勝手に行なっていた。しかし、上記のように各ディスプレイに跨った映像を表示する場合、各ビデオ表示装置の負荷によって処理速度が異なることがあり、実際に表示するタイミングがずれるという課題があった。
【0022】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、各ビデオ表示装置の同期を取ることによって、ディスプレイに跨った映像を表示する場合も、実際に表示されるタイミングがずれることなく、違和感のないマルチディスプレイビデオ表示装置を得ることを目的とする。
【0023】
上記課題を解決する先行技術として、特開平6−214534号公報に示されるものがある。これは、画像データが書き込まれる第1のフレームメモリと第2のフレームメモリを備え、システムコントローラからのトリガ信号により、第1のフレームメモリに書き込まれている画像データの表示を、第2のフレームメモリに書き込まれている画像データの表示に切り替えて、複数の表示ユニットの同期を取るものである。しかし、この先行技術は、複数のビデオデータを、マルチディスプレイに同時に表示させるものではない。
【0024】
また、上記課題を解決する他の先行技術として、特開平8−221042号公報に示されるものがある。これは、各表示装置に与えられる制御信号に、各表示装置の表示切換の時間差を付加し、各表示装置では、この時間差によりタイマをセットし、タイミングをあわせて表示させるものである。しかし、この先行技術は、この時間差を実際の表示時間にあわせて調整できるものではない。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るマルチディスプレイビデオ表示装置は、複数のディスプレイに表示される複数のビデオデータの位置により各ディスプレイのグループを決定するグループ決定手段と、上記グループ決定手段により決定された各グループ内のディスプレイに表示されるビデオデータの中で、各ビデオデータの優先度と各ビデオデータの解像度又は圧縮率に基づき、所定の間隔内に復号化可能な複数のビデオデータを決定するビデオ群決定手段と、上記ビデオ群決定手段により決定された複数のビデオデータを、上記グループ決定手段により決定されたグループごとにそれぞれ符号化し送信する複数のビデオ送信装置と、上記複数のビデオ送信装置により送信された複数のビデオデータを上記グループ決定手段により決定されたグループごとにそれぞれ復号化し、各ディスプレイに表示する複数のビデオ表示装置とを備え、上記各ビデオ表示装置が、送信された複数のビデオデータを復号化するビデオデータ復号化手段と、復号化された上記ビデオデータが書き込まれる第1及び第2のフレームバッファと、上記第1及び第2のフレームバッファの書込位置を決定する書込位置決定手段と、上記ビデオデータ復号化手段により復号化されたビデオデータを、上記第1及び第2のフレームバッファの上記書込位置決定手段により決定された書込位置に書き込むビデオ書込手段と、上記所定の間隔ごとに、上記第1及び第2のフレームバッファを、上記ビデオ書込手段による書込用と、書き込まれたビデオデータを表示する表示用に交互に切り替えるバッファ切替手段とを備え、上記第1及び第2のフレームバッファに書き込まれた複数のビデオデータを、上記所定の間隔ごとに切り替えて上記複数のディスプレイに表示するものである。
【0029】
この発明に係るマルチディスプレイビデオ表示装置は、ビデオ群決定手段により通知された優先度の低いビデオデータに対して、解像度又は圧縮率を調整するビデオ調整手段を備えたものである。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図において、1,2はマルチディスプレイに表示すべきビデオデータ、21,22はビデオデータ1,2をそれぞれ符号化(圧縮)してマルチキャストにより送信するビデオ送信装置、141から144は、ビデオデータ1,2を各ディスプレイ171から174に表示するビデオ表示装置である。
【0039】
また、31はグループ決定手段であり、マルチディスプレイを構成する全ディスプレイをグループとしたり、又はマルチディスプレイ内でビデオウィンドウが跨る隣接ディスプレイをグループとして決定する。41は、グループ決定手段31により決定された各グループのディスプレイの表示対象となるビデオデータの中で一定の間隔内に復号可能な組合せを決めるビデオ群決定手段、61は、ビデオ表示装置141から144における復号で、もっとも時間のかかる復号時間を決定するビデオ復号時間決定手段、51は、グループ決定手段31、ビデオ群決定手段41、ビデオ復号時間決定手段61を備えたビデオ群決定装置である。
【0040】
図2は、図1におけるビデオ表示装置141を示す構成図である。図2において、111は符号化されたビデオデータを復号化(伸長)するビデオデータ復号化手段、121はビデオデータをフレームバッファ161,162のどの位置に書き込むかを決定する書込位置決定手段、131は、どちらか一方のフレームバッファに、ビデオデータを書き込むビデオ書込手段、151は所定の間隔で2系統のフレームバッファ161,162を切替えるバッファ切替手段、161,162はビデオデータを書き込むための2系統のフレームバッファ、181は、ビデオデータの復号化と書き込みにかかる復号時間を見積もるビデオ復号時間見積手段である。
【0041】
図2はビデオ表示装置141の構成として示したが、ビデオ表示装置142から144も同一の構成であり、各ビデオ表示装置142から144における符号は、ビデオデータ復号化手段が112から114、書込位置決定手段が122から124、ビデオ書込手段が132から134、バッファ切替手段が152から154、ビデオ復号時間見積手段が182から184であり、フレームバッファについては、ビデオ表示装置142で163,164,ビデオ表示装置143で165,166,ビデオ表示装置144で167,168である。
【0042】
この実施の形態におけるマルチディスプレイは、2×2個のディスプレイ171から174で画面を構成し、各ディスプレイ171から174及び画面全体のマルチディスプレイの画面サイズ、座標系、表示範囲は、従来の技術と同様である。
【0043】
次に動作について説明する。
図3はマルチディスプレイ上のビデオデータの表示を説明する図である。ここでは、図3に示すように、元の画像サイズが(640×480)のビデオデータ1を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(960,240)、画像サイズを(1280×720)にし、元の画像サイズが(320×240)のビデオデータ2を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(1600,904)、画像サイズを(640×480)にして、2画面表示をする例をとって説明する。
【0044】
図4は、ビデオ群決定装置、ビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。図4のステップST111において、図1におけるビデオ群決定装置51のグループ決定手段31は、図3の各ディスプレイ171から174に表示されるビデオデータ1,2の位置を考慮し、全ディスプレイを1つのグループとして決定する。
【0045】
図5は各ディスプレイ171から174に表示されるビデオデータの位置により、ステップST111における各ディスプレイのグループの決定を説明する図である。図5(a)に示すように、ビデオデータ1,2がディスプレイ172から174に跨って表示され、ビデオデータ3,4がディスプレイ171にのみ表示される場合には、ディスプレイ172から174をグループ1とし、ディスプレイ171をグループ2として、2つのグループに分けることができる。
【0046】
一方、図5(b)に示すように、ビデオデータ1,2,3,4が、ディスプレイ171から174に表示される場合には、ディスプレイ171から174を分割することができず、1つのグループとして決定する。
【0047】
そして図4のステップST112において、ビデオ群決定手段41は、各グループについて、ディスプレイに表示対象となるビデオデータの中で一定の間隔内に復号可能なビデオ群を決める。この場合は、グループが1つであり、ビデオデータ1,2を一定の間隔内に復号可能なビデオ群として決定する。
【0048】
次にステップST113において、ビデオ送信装置21,22は、ビデオデータ1,2をそれぞれ符号化(圧縮)し、マルチキャストにより全てのビデオ表示装置141から144に対して送信する。この場合、ビデオデータ1,2は、ビデオ送信装置21,22の都合により非同期で送信される。
【0049】
ステップST114において、ビデオ表示装置141から144におけるビデオデータ復号化手段111から114は、符号化(圧縮)されたビデオデータ1を各々復号化(伸長)し、ステップST115において、書込位置決定手段121から124は、復号化されたビデオデータ1をそれぞれ自ディスプレイの座標系に変換し、フレームバッファ161,163,165,167への書込位置を決定する。
【0050】
ここで、マルチディスプレイ上での座標を(gx,gy)、マルチディスプレイを構成する個々の画面上でのローカルな座標を(lx,ly)、マルチディスプレイ座標系における個々の画面の左上端の座標を(offsetx,offsety)とすると、従来の技術と同様に、式(1)及び式(2)を用いて座標変換を行う。
【0051】
ビデオ表示装置141の書込位置決定手段121は、対応しているディスプレイ171の画面の左上端の座標が(0,1024)であるので、座標変換を施すことにより、ビデオデータ1の始点座標(960,240)を(960,−784)に変換し、画像サイズ(640×480)を、(1280×720)にするために、横2倍、縦1.5倍に拡大する。
【0052】
また、ビデオ表示装置142の書込位置決定手段122は、ディスプレイ172の画面の左上端の座標が(0,0)であるので、ビデオデータ1の始点座標を(960,240)に変換し、画像サイズを同様に横2倍、縦1.5倍に拡大する。さらに、ビデオ表示装置143の書込位置決定手段123は、ディスプレイ173の画面の左上端の座標が(1280,0)であるので、ビデオデータ1の始点座標を(−320,240)に変換し、画像サイズを横2倍、縦1.5倍に拡大する。
【0053】
そして、ビデオ表示装置144の書込位置決定手段124は、ディスプレイ174の画面の左上端の座標が(1280,1024)であるので、ビデオデータ1の始点座標を(−320,−784)に変換し、画像サイズを横2倍、縦1.5倍に拡大する。このようにして、ステップST115において、書込位置決定手段121から124は、ビデオデータ1に対するフレームバッファ161,163,165,167への書込位置を決定する。
【0054】
次にステップST116において、ビデオ書込手段131から134は、書込位置決定手段121から124の決定に基づいて、ビデオデータ1をそれぞれ自フレームバッファ161,163,165,167に書き込む。
【0055】
ここで、フレームバッファヘの書込について説明する。
書込位置決定手段121により座標変換されたビデオデータ1は、始点座標が(960,−784),画像サイズが(1280×720)となっている。しかし、ディスプレイ171の表示領域は左上端を(0,0)とした(1280×1024)であるため、ディスプレイ171は、ビデオ画像全体である(960,−784),(2239,−784),(2239,−65),(960,−65)の範囲を実際には表示できない。従ってビデオ書込手段131は、実際に表示可能な範囲にビデオデータがないため、フレームバッファ161に何も書き込まない。
【0056】
書込位置決定手段122により座標変換されたビデオデータ1は、始点座標が(960,240),画像サイズが(1280×720)となっている。しかし、ビデオ表示処理装置142に接続されたディスプレイ172の表示領域は、左上端を(0,0)とした(1280×1024)であるため、ディスプレイ172は、ビデオ画像の(1280,240),(2239,240),(2239,959),(1280,959)の範囲を表示できず、ビデオ書込手段132は、実際に表示可能な(960,240),(1279,240),(1279,959),(960,959)の範囲のみ、フレームバッファ163に書き込む。
【0057】
また、書込位置決定手段123により座標変換されたビデオデータ1は、始点座標が(−320,240)、画像サイズが(1280×720)となっている。しかし、ディスプレイ173の表示領域は左上端を(0,0)とした(1280×1024)であるため、ディスプレイ173は、ビデオ画像の(−320,240),(−1,240),(−1,959),(−320,959)の範囲を表示できず、ビデオ書込手段133は、実際に表示可能な(0,240),(959,240),(959,959),(0,959)の範囲のみ、フレームバッファ165に書き込む。
【0058】
さらに、書込位置決定手段124により座標変換されたビデオデータ1は、始点座標が(−320,−784),画像サイズが(1280×720)となっている。しかし、ディスプレイ174の表示領域は左上端を(0,0)とした(1280×1024)であるため、ディスプレイ174は、ビデオ画像全体である(−320,−784),(959,−784),(959,−65),(−320,−65)の範囲を表示できず、ビデオ書込手段134は、実際に表示可能な範囲にビデオデータがないため、フレームバッファ167には何も書き込まない。以上のようにして、ステップST116において、ビデオ書込手段131から134は、ビデオデータ1をそれぞれ自フレームバッファ161,163,165,167に書き込む。
【0059】
次にステップST117において、ビデオ復号時間見積手段181から184は、それぞれビデオデータ1の復号化と書き込みにかかった復号時間を見積もり、その結果をビデオ復号時間決定手段61に知らせる。例えば、ビデオ表示装置141では、ビデオデータ1の復号化は行なわれたが、書込は行なわれていないので、ビデオ復号時間見積手段181は、復号時間を10msecと見積もり、ビデオ表示装置142では、ビデオデータ1の復号化も書込も行なわれたので、ビデオ復号時間見積手段182は、復号時間を15msecと見積もる。
【0060】
同様に、ビデオ復号時間見積手段183は、復号化も書込も行なわれているので、復号時間を15msec、ビデオ復号時間見積手段184は、復号化のみ行なわれているので、復号時間を10msecと見積もる。従って、ビデオ復号時間見積手段181から184は、各々10msec又は15msecと見積もった復号時間を、ビデオ復号時間決定手段61に知らせる。
【0061】
そしてステップST118において、ビデオ復号時間決定手段61は、ビデオデータ1の復号見積時間を、処理時間の長い方である15msecと決定し、ビデオ群決定手段41に知らせる。
【0062】
次にステップST119において、符号化されたビデオデータ2についても、ビデオデータ1と同様に、ビデオデータ復号化手段111から114が各々復号化し、ステップST120において、書込位置決定手段121から124は、ビデオデータ2について、自ディスプレイの座標系に変換し書込位置を決定する。
【0063】
次にステップST121において、ビデオ書込手段131から134は、書込位置決定手段121から124が決定した書込位置に基づいて、ビデオデータ2を自フレームバッファ161,163,165,167にそれぞれ書き込む。実際には図3に示すように、ビデオデータ2がディスプレイ173,174に表示されるように、フレームバッファ165,167に書き込まれる。
【0064】
そしてステップST122において、ビデオ復号時間見積手段181から184は、ビデオデータ2の復号化と書込にかかった復号時間を見積もり、その結果をビデオ復号時間決定手段61に知らせる。例えば、ビデオ復号時間見積手段181,182は、ビデオデータ2の復号化のみが行なわれているので、5msecと見積もり、ビデオ復号時間見積手段183,184は、復号化も書込も行なわれたので、10msecと見積もって、ビデオ復号時間決定手段61に知らせる。
【0065】
さらにステップST123において、ビデオ復号時間決定手段61は、ビデオデータ2の復号見積時間を、処理時間の長い方の10msecと決定し、ビデオ群決定手段41に知らせる。
【0066】
次にステップST124において、ビデオ群決定手段41は、ビデオデータ1の復号見積時間が15msec、ビデオデータ2の復号見積時間が10msecであることから、ビデオデータ1,2をビデオ群とした合計でも、NTSC方式によるフルレートの復号書込に必要な30msec(1秒間に30フレームで、正確には33msec)を越えていないことを確認し、バッファ切替手段151から154の切替のタイミングを30msecにし、30msec毎にバッファ切替手段151から154に対し、フレームバッファの切替指示を出す。
【0067】
そしてステップST125において、バッファ切替手段151から154は、フレームバッファ161,163,165,167を表示用に、フレームバッファ162,164,166,168を書込用に切替える。フレームバッファ161,163,165,167が表示用に切替えられることによって、ビデオ書込手段131から134によって書き込まれたビデオデータ1,2は、ステップST126において、各ディスプレイ171から174に表示される。以後のビデオデータは、フレームバッファ162,164,166,168に書き込まれて、バッファ切替が行われて表示される。
【0068】
この実施の形態では、グループ決定手段31が全ディスプレイを1つのグループとして決定しているが、複数のグループとして決定しても良い。例えば、図5(a)に示すようなビデオデータの表示を行う場合には、図4のステップST111において、グループを2つに決定する。次にステップST112において、グループ1の中でビデオデータ1,2をビデオ群とし、グループ2の中でビデオデータ3,4をビデオ群として決定する。そしてステップST113において、ビデオデータ1,2を符号化してビデオ表示装置142から144に送信し、ビデオデータ3,4を符号化してビデオ表示装置141に送信する。
【0069】
そしてビデオデータ1,2は、グループ1のディスプレイ172から174に表示されるので、ビデオ表示装置142から144がステップST114からST123までの処理を行い、ビデオデータ3,4は、グループ2のディスプレイ171に表示されるので、ビデオ装置141がステップST114からST123までの処理を行う。
【0070】
この場合、ビデオデータ1+ビデオデータ2の復号時間を25msec、ビデオデータ3+ビデオデータ4の復号時間を20msecとすると、2つのグループに分けて処理することにより、ビデオデータ1,2,3,4全てについて、30msec以内のフルレート復号書込が行える。このように、表示するビデオデータが変化するたびに、グループ決定手段31は、ディスプレイ171から174のグループを変更する。
【0071】
図6はビデオデータのフレームバッファへの書込と表示の切替を説明する図である。このように、既に書き込まれたビデオデータを、30msecごとにバッファ切替によって表示することにより、ディスプレイ171から174に表示されるビデオ画像の同期は保たれる。
【0072】
このように、この実施の形態では、ビデオ送信装置が複数のビデオデータをそれぞれ符号化した上で、複数のビデオ表示装置に対して、マルチキャストにより送信し、各ビデオ表示装置が符号化された複数のビデオデータを復号化し、マルチディスプレイ上における白分の画面位置に合わせてフレームバッファへの書込位置を決定し、フレームバッファヘ復号化されたデータを書き込んで、所定の間隔で2系統のフレームバッファを切替えて、画面間の同期を保ちながら複数のビデオデータを複数のディスプレイで表示を行う。
【0073】
この実施の形態では、ビデオデータ1の復号化、書込後に、ビデオデータ2の復号化、書込を行い、シリアルな処理をしているが、一連の処理をソフト的に行うことにより、シリアルな処理でなく別々に処理を行っても良い。
【0074】
また、この実施の形態では、バッファ切替手段151から154のフレームバッファの切替のタイミングを、ビデオ復号時間見積手段181から184が見積もることにより決定しているが、ビデオ群決定装置51が基準とする一定間隔に同期させることによって、フレームバッファの切替えを行っても良い。この場合、図1におけるビデオ復号時間決定手段61、図2におけるビデオ復号時間見積手段181が省略され、図4におけるステップST117,118,122,123の処理も省略される。
【0075】
以上のように、この実施の形態1によれば、複数のビデオデータを各ディスプレイに対応したフレームバッファに書き込み、所定のタイミングでフレームバッファに書き込まれたビデオデータを表示することにより、各ディスプレイに跨った映像を表示する場合も、実際に表示されるタイミングがずれることなく、違和感のない表示をすることができるという効果が得られる。
【0076】
また、この実施の形態1によれば、ディスプレイ171から174におけるグループを決定し、決定されたグループごとに所定の間隔内に復号化可能なビデオ群を決定しているので、複数のビデオデータを表示させる場合、各グループごとにフルレートでの処理が行え、違和感のない表示をすることができると共に、各グループごとに表示するビデオ表示装置だけにビデオデータを送信することにより、通信の効率化も行えるという効果が得られる。
【0077】
さらに、この実施の形態1によれば、実際のビデオデータの復号時間を見積もり、各ビデオデータごとに、各ビデオ表示装置より通知された各復号時間の中で最長の時間を決定することにより、この最長の時間に基づき、所定の間隔内に復号化可能な複数のビデオデータを確認することができるという効果が得られる。
【0078】
実施の形態2.
図7は実施の形態2によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図7において、1,2,3はマルチディスプレイに表示すべきビデオデータ、21,22,23はビデオデータを符号化(圧縮)してマルチキャストにより送信するビデオ送信装置、141から144はビデオ表示装置、171から174はビデオデータ1,2,3を表示するディスプレイである。
【0079】
また、31はグループ決定手段であり、マルチディスプレイを構成する全ディスプレイをグループ化したり、マルチディスプレイ内でビデオウインドウが跨る隣接ディスプレイをグループ化する。41は、グループ決定手段31により決定されたグループ内のビデオデータの中で、一定の間隔内に復号化(伸長)可能な組合せを決めるビデオ群決定手段、51は、グループ決定手段31、ビデオ群決定手段41を備えたビデオ群決定装置である。
【0080】
図8はビデオ表示装置141から144を示す構成図であり、実施の形態1の図2からビデオ復号時間見積手段181を除いたものである。
【0081】
次に動作について説明する。
ここでは、図7のディスプレイ171から174に示されるようなビデオデータ1,2,3の3画面表示をする例をとって説明する。図7において、ビデオ群決定装置51のグループ決定手段31は、ディスプレイ171から174に表示されるビデオデータ1,2,3の位置を考慮することにより、全ディスプレイを1つのグループとして決定する。
【0082】
次にビデオ群決定手段41は、ビデオデータ1,2,3の優先度と、解像度、圧縮率などからフルレート復号化可能なビデオデータの組合せを決める。ここではビデオデータ1の優先度は最高で、ビデオ復号化、書込にかかる時間は15msecであるとする。また、ビデオデータ2の優先度は普通で、ビデオ復号化、書込にかかる時間は10msecであるとする。さらに、ビデオデータ3の優先度は低く、ビデオ復号化、書込にかかる時間は10msecであるとする。ここで、優先度はアプリケーション又はユーザにより指定される。
【0083】
図9はビデオデータのフレームバッファへの書込と表示の切り替えを説明する図である。ここでは、3つのビデオデータをフレームバッファに書き込み、表示させようとした場合の各ビデオデータの処理時間とビデオ群の組合せを時間軸で示している。ビデオデータ1,2,3の3つのビデオデータを表示しようとすると35msec必要であるが、図9に示すように、バッファ切替え手段151から154の切替のタイミングを30msecとすると、ビデオデータ3の書込の途中でフレームバッファの切替が起こり、正常な画像の表示が行なわれない。従って、ビデオ群決定手段41は、優先度の一番低いビデオデータ3の表示を諦め、ビデオデータ1,2のみを送信させ表示させる。
【0084】
ビデオ表示装置141から144において、ビデオデータ1,2の2つのビデオウィンドウは、実施の形態1と同様に、ディスプレイ171から174で画面間の同期を保ちながら表示される。
【0085】
以上のように、この実施の形態2によれば、複数のビデオデータを各ディスプレイに対応したフレームバッファに書き込み、所定のタイミングでフレームバッファに書き込まれたビデオデータを表示することにより、各ディスプレイに跨った映像を表示する場合も、実際に表示されるタイミングがずれることなく、違和感のない表示をすることができると共に、一定間隔で復号可能なビデオ群の選択は、各ビデオデータの優先度をもとに決定するので、優先度の高いビデオ映像を優先して表示することができるという効果が得られる。
【0086】
実施の形態3.
図10は実施の形態3によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図において、71,72,73はビデオデータ1,2,3の圧縮率や解像度を調整するビデオ調整手段、41は各ビデオデータの優先度と、解像度、圧縮率等からフルレート復号化(伸長)可能なビデオデータの組合せを決めるビデオ群決定手段であり、その他の構成は、実施の形態2の図7と同じである。
【0087】
次に動作について説明する。
ここでは、ビデオデータ1,2,3の3画面表示をする例について説明する。図10において、グループ決定手段31は、ディスプレイ171から174に表示されるビデオデータ1,2,3の位置を考慮することにより、全ディスプレイを1つのグループとして決定する。次にビデオ群決定手段41は、ビデオデータ1,2,3の優先度と、解像度、圧縮率などからフルレート復号化可能なビデオデータの組合せを決める。ここではビデオデータ1の優先度は最高で、ビデオ復号化、書込にかかる時間は15msecとする。また、ビデオデータ2の優先度は普通で、ビデオ復号化、書込にかかる時間は10msecとする。また、ビデオデータ3の優先度は低く、ビデオ復号化、書込にかかる時間は10msecとする。
【0088】
図11はビデオデータのフレームバッファへの書込と表示の切り替えを説明する図である。ここでは、3枚のビデオ画像をフレームバッファに書き込み、表示させようとした場合の各ビデオデータの処理時間とビデオ群の組合せを時間軸で示している。ビデオデータ1,2,3の3つのビデオ画像を表示しようとすると35msec必要であるが、図11に示すように、バッファ切替手段151から154の切替えのタイミングを30msecとすると、ビデオデータ3の書込の途中でバッファの切替が起こり、正常な画像の表示が行なわれない。従って、ビデオ群決定手段41は、ビデオデータ1,2のフルレートの復号化は可能であるが、優先度の一番低いビデオデータ3のフルレートの復号化は不可能であることをビデオ調整手段73に通知する。
【0089】
通知を受けたビデオ調整手段73は、ビデオデータ3のビデオ復号化、書込にかかる時間を5msec以内になるように、例えば解像度を(320×240)を(200×150)に変更する。この解像度を変更することによって、図11に示すように、ビデオデータ1,2,3の3つのビデオデータを、バッファ切替のタイミングの30msec内で表示を行なうことができる。
【0090】
この実施の形態では、解像度を変更しているが、圧縮率を変更しても良い。また、ビデオデータ1,2,3の3つのビデオウィンドウは、実施の形態1と同様に、ディスプレイ171から174で画面間の同期を保ちながら表示される。
【0091】
以上のように、この実施の形態3によれば、複数のビデオデータを各ディスプレイに対応したフレームバッファに書き込み、所定のタイミングでフレームバッファに書き込まれたビデオデータを表示することにより、各ディスプレイに跨った映像を表示する場合も、実際に表示されるタイミングがずれることなく、違和感のない表示をすることができると共に、優先度の低いビデオデータの解像度や圧縮率を調整することにより、フルレート復号可能なビデオ群になるべく多くの優先度の高いビデオ映像を入れることができるという効果が得られる。
【0092】
実施の形態4.
図12は実施の形態4によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図であり、実施の形態2における図7からビデオ群決定装置51を削除したものである。
【0093】
図13は、図12におけるビデオ表示装置141から144を示す構成図である。図において、191は、ビデオ送信装置21から23より送られてくるビデオデータの復号化(伸長)の順番を決める復号化順序決定手段であり、その他の構成は、実施の形態2の図8と同等である。
【0094】
次に動作について説明する。
図14はマルチディスプレイ上のビデオデータの表示を説明する図である。ここでは、図14に示すように、元のサイズが(640×480)のビデオデータ1を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(960,240)、画像サイズを(1280×720)にし、元のサイズが(320×240)のビデオデータ2を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(1600,904)、画像サイズを(640×480)にし、元のサイズが(320×240)のビデオデータ3を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(900,1200)、画像サイズを(1280×480)にして、3画面表示をする例をとって説明する。
【0095】
図15は、ビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。ステップST131において、ビデオ送信装置21,22,23は、ビデオデータ1,2,3を各々符号化(圧縮)し、マルチキャストにより全てのビデオ表示装置141から144に対して送信する。
【0096】
次にビデオ表示装置141から144が、ビデオデータ1,2,3をそれぞれ受信すると、ステップST132において、復号化順序決定手段191から194が、各ビデオデータを復号化し表示する順序づけを行ない、その順序で次のビデオデータ復号化手段111から114に出力する。
【0097】
ここで、復号化順序決定手段191から194が行う復号化順序決定について説明する。ここで、ビデオデータ1,2,3の表示優先度を、それぞれ低、中、高とする。つまり、3つのビデオデータが重なっているところでは、上からビデオデータ3,2,1の順序で重なるようにする。従って、ビデオデータの復号化の順番は、ビデオデータ1,2,3の順序になる。ここで、ビデオデータ1,2,3の表示優先度については、復号化順序決定手段191から194に予め知らされているものとする。
【0098】
ステップST133において、復号化順序決定手段191から194で決定された順番に従い、まずビデオデータ復号化手段111から114は、ビデオデータ1を復号化する。そして、ステップST134において、書込位置決定手段121から124は書込位置を決定し、ステップST135において、ビデオ書込手段131から134は、ビデオデータ1を自フレームバッファ161,163,165,167に書き込む。これらの処理については、実施の形態1で述べた通りである。
【0099】
次に、ビデオデータ2に関して、ステップST136,137,138において、同様に復号化、書込位置決定、ビデオ書込処理を行なう。さらに、ビデオデータ3に関して、ステップST139,140,141において、同様に復号化、書込位置決定、ビデオ書込処理を行なう。フレームバッファ161,163,165,167には、3つのビデオデータが重なっているところでは、上からビデオデータ3,ビデオデータ2,ビデオデータ1の順序で重なって書き込まれる。
【0100】
そして、ステップST142において、バッファ切替手段151から154は、3つのビデオデータの書込処理が終了した時点で、フレームバッファ161,163,165,167を表示用に、フレームバッファ162,164,166,168を書込用に切替える。
【0101】
フレームバッファ161,163,165,167が表示用に切替えられることによって、ステップST143において、ビデオ書込手段131から134によって書き込まれたビデオデータ1,2,3は、図14に示すように、各ディスプレイ171から174にて表示される。また、ビデオ表示の下位のものから復号化、書込を行なっているので、クリップ処理などの必要がなく複数ビデオウインドウの重ね合わせが実現できる。
【0102】
以上のように、この実施の形態4によれば、複数のビデオデータを各ディスプレイに対応したフレームバッファに書き込み、所定のタイミングでフレームバッファに書き込まれたビデオデータを表示することにより、各ディスプレイに跨った映像を表示する場合も、実際に表示されるタイミングがずれることなく、違和感のない表示をすることができると共に、2つ以上のビデオデータについて、クリップ処理なしで複数ビデオウィンドウの重ね合わせを実現することができるという効果が得られる。
【0103】
実施の形態5.
図16は実施の形態5によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図において、1,2はマルチディスプレイに表示すべきビデオデータ、91はビデオ表示装置141から144の負荷を見積る負荷見積手段、81,82は、一番負荷の高いものに合わせて、ビデオデータのフレームレートを調整する送信制御手段、11,12は、マルチキャストにより符号化(圧縮)されたビデオデータを送信するビデオデータ送信手段、21,22は、送信制御手段81,82及びビデオデータ送信手段11,12を備えたビデオ送信装置である。
【0104】
また、111から114は、符号化されたビデオデータを復号化するビデオデータ復号化手段、161,163,165,167は、ビデオデータ1,2が書き込まれるフレームバッファであり、121から124は、フレームバッファ161,163,165,167へのビデオデータの書込位置を決定する書込位置決定手段である。
【0105】
131から134はフレームバッファ161,163,165,167にビデオデータを書き込むビデオ書込手段、141から144は、ビデオデータ復号化手段111から114、書込位置決定手段121から124、ビデオ書込手段131から134、フレームバッファ161、163,164,165を備えたビデオ表示装置、171から174は、それぞれフレームバッファ161,163,165,167に書き込まれたビデオ画像を表示するディスプレイである。
【0106】
上記実施の形態1〜4では、2系統のフレームバッファを備え、書込用と表示用に切り替えていたが、この実施の形態では、1系統のフレームバッファとしている。すなわち各フレームバッファ161、163,165,167に書き込まれビデオデータを同期を取って表示するのではなく、各フレームバッファ161、163,165,167に書き込まれビデオデータ1,2は、その都度、表示されてしまうが、実施の形態1〜4のように、厳密な同期を取らなくとも違和感のない表示となるように、フレームレートを調整するものである。
【0107】
次に動作について説明する。
ここでは、実施の形態1の図3と同様に、元の画像サイズが(640×480)のビデオデータ1を、マルチディスプレイ上に、始点の座標を(960,240)、画像サイズを(1280×720)にし、元の画像サイズが(320×240)のビデオデータ2を、マルチディスプレイ上に、始点の座標を(1600,904)、画像サイズを(640×480)にして、2画面表示をする例をとって説明する。
【0108】
図17は、負荷見積手段、ビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。ステップST151において、負荷見積手段91は、ビデオ表示装置141から144で表示するビデオデータ1,2の座標位置、サイズを考慮して、ビデオ表示装置141から144の負荷を見積もる。次にステップST152において、ビデオ送信装置21及び22の送信制御手段81及び82は、負荷が高い場合にはフレームレートを落すことにより、送信するビデオデータのフレームレートを調整する。ステップST153において、ビデオデータ送信手段11,12は、ビデオデータ1,2を符号化し、マルチキャストによりすべてのビデオ表示装置141から144に対して送信する。
【0109】
次にステップST154において、ビデオ表示装置141から144のビデオデータ復号化手段111から114は、ビデオデータ1を各々復号化し、ステップST155において、書込位置決定手段121から124は、フレームバッファ161,163,165,167の書込位置を決定する。ステップST156において、ビデオ書込手段131から134は、書込位置決定手段121から124での決定に基づいて、ビデオデータ1を自フレームバッファ161,163,165,167に書き込む。これらの処理については、実施の形態1で述べた通りである。
【0110】
そしてステップST157において、フレームバッファ161,163,165,167に書き込まれたビデオデータ1は、各ディスプレイ171から174に渡されることにより、図3に示すように、始点座標(960,240)、画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1が表示される。
【0111】
ビデオデータ2についても、ステップST158からステップST161において、同様に処理される。すなわち図3に示すように、始点座標(1600,904)、画像サイズ(640×480)のビデオデータ2が表示される。
【0112】
ここで、負荷見積処理と送信制御処理について説明する。
負荷見積手段91は、ビデオ表示装置141から144の各ディスプレイにかかっているビデオ画像の全面積の合計によって負荷を見積もる。ビデオ表示装置141では、ディスプレイ171にビデオ映像はかかっていないため、フルレートで復号化表示する1秒間当たりの総面積は0である。また、ビデオ表示装置142では、ディスプレイ172にかかっているビデオ画像は、ビデオデータ1のみであるため、フルレートで復号化表示する1秒間当たりの総面積は、
1280×720×30=27648000(ドット又はピクセル)
となる。
【0113】
また、ビデオ表示装置143では、ディスプレイ173にかかっているビデオ画像は、ビデオデータ1とビデオデータ2の両方であるため、フルレートで復号化表示する1秒間当たりの総面積は、
(1280×720+640×480)×30=36864000(ドット)
となる。
【0114】
さらに、ビデオ表示装置144は、ディスプレイ174にかかっているビデオ画像はビデオデータ2のみであるため、フルレートで復号化表示する1秒間当たりの総面積は、
640×480×30=9216000(ドット)
となる。従って、負荷の高い順に並べると、ビデオ表示装置143,ビデオ表示装置142,ビデオ表示装置144,ビデオ表示装置141の順になる。
【0115】
ビデオ表示装置141から144は、それぞれ1280×800の面積のビデオ画像を、30frame/secで復号化表示する能力があるとすると、フレームバッファヘ書き込まれるビデオデータの1秒間当たりの総面積は、
1280×800×30=30720000(ドット)
となる。
【0116】
従って、ビデオ表示装置142では、
27648000≦30720000
であるので、フルレートの復号化表示が行なわれる。また、ビデオ表示装置144では、
9216000≦30720000
であるので、フルレートの復号化表示が行なわれる。また、ビデオ表示装置141では、もともと表示が行なわれないので、ここでは無関係である。
【0117】
しかし、もっとも負荷の高いビデオ表示装置143では、
(1280×720+640×480)×30
=36864000≧30720000(ドット)
となり、能力を越えるので、2つのビデオ映像をフルレートで復号化表示することはできない。このため、ビデオ表示装置142及び144はフルレートで復号化表示を行なっているが、ビデオ表示装置143ではフルレートの復号化表示が行なえず、画面間の同期が乱れる。
【0118】
従って、送信制御手段81及び82が、ビデオ表示装置143の負荷に合わせて、それぞれのビデオデータのフレームレートを調整する。すなわち、送信制御手段81及び82において、それぞれのビデオデータのフレームレートを、15frame/secずつに抑えると、もっとも負荷の高いビデオ表示装置143では、
(1280×720+640×480)×15=18432000(ドット)
となる。これは、ビデオ表示装置143の能力である
1280×800×30=30720000(ドット)
を越えないので、ビデオ表示装置143では、各ビデオデータを15frame/secで復号化表示することができる。
【0119】
ビデオ表示装置142,144においても、各ビデオデータを15frame/secで復号化表示することができることは明らかである。従って、全てのビデオ表示装置において、各ビデオデータを同じフレームレートで復号化表示することができる。
【0120】
このような送信制御手段81から82により、フレームレートを調整して通信量の制御を行なうことによって、マルチディスプレイビデオ表示装置において、2つ以上のビデオデータについて、画面間のある程度の同期を保ちながら表示を行なう。
【0121】
この実施の形態では、負荷見積手段は面積による見積をしているが、面積に限定しないで、ビデオ送信装置とビデオ表示装置間のネットワーク通信応答性を確認して、ビデオ表示装置の負荷を見積もることによっても、同様な表示が可能である。
【0122】
以上のように、この実施の形態5によれば、各ビデオ表示装置の負荷を、各ディスプレイに表示されるビデオデータの全面積により見積もり、一番負荷の高いビデオ表示装置に合わせて、送信するビデオデータのフレームレートを調整することにより、画面に跨ったビデオウィンドウの表示を、各ビデオ表示装置間で極端にずれることなく違和感なく行えるという効果が得られる。
【0123】
実施の形態6.
図18は実施の形態6によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図において、1,2はマルチディスプレイに表示すべきビデオデータ、81,82は、一番負荷の高いものに合わせて、ビデオデータ1,2のフレームレートを調整する送信制御手段、11,12は、ビデオデータ1,2を符号化(圧縮)し、マルチキャストにより符号化されたビデオデータを送信するビデオデータ送信手段、21,22は、送信制御手段81,82、ビデオデータ送信手段11,12を備えたビデオ送信装置である。そして、141から144はビデオ表示装置、171から174は、ビデオデータ1,2を表示するディスプレイである。
【0124】
図19は、図18におけるビデオ表示装置141を示す構成図である。図において、241は自ビデオ表示装置の負荷を見積もる負荷見積手段であり、その他の構成については、実施の形態5の図16におけるビデオ表示装置141と同様である。この実施の形態でも、実施の形態5と同様に、フレームバッファは1系統で、各ビデオ表示装置間で厳密な同期を取らずに、違和感のない表示を行うものである。また実施の形態5では、負荷見積手段91をビデオデータの送信側に備えていたが、この実施の形態では、ビデオデータの表示側に備えており、より正確な見積を行うものである。
【0125】
図19では、ビデオ表示装置141の構成を示したが、ビデオ表示装置142から144も同一の構成であり、各ビデオ表示装置142から144における符号は、負荷見積手段が242から244、ビデオデータ復号化手段が112から114、書込位置決定手段が122から124、ビデオ書込手段が132から134、フレームバッファが163,165,167である。
【0126】
次に動作について説明する。
ここでも、実施の形態1における図3と同様に、元のサイズが(640×480)のビデオデータ1を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(960,240)、画像サイズを(1280×720)にし、元のサイズが(320×240)のビデオデータ2を、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(1600,904)、画像サイズを(640×480)にして、2画面表示をする例について説明する。
【0127】
図18において、まず、ビデオ送信装置21及び22における送信制御手段81及び82は、前に送信したフレームに対して、負荷見積手段241から244が見積もった負荷を考慮し、最も負荷が高いビデオ表示装置に合わせてフレームレートを落すよう調整する。そして、ビデオデータ送信手段11及び12がビデオデータを符号化し、マルチキャストによりすべてのビデオ表示装置141から144に対して送信する。
【0128】
次に、ビデオデータ復号化手段111から114は、ビデオデータ1を各々復号化(伸長)し、書込位置決定手段121から124が書込位置を決定し、ビデオ書込手段131から134が、ビデオデータ1を自フレームバッファ161,163,165,167に書き込む。これらの処理については、実施の形態1で述べた通りである。
【0129】
このようにして、ビデオ書込手段131から134によって書き込まれたビデオデータ1は、各ディスプレイ171から174に渡されることにより、図3に示すように、姶点座標(960,240),ビデオ画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1が表示される。
【0130】
ビデオデータ2についても、同様に処理され、ビデオ書込手段131から134によって書き込まれたビデオデータ2は、各ディスプレイ171から174に渡されることにより、図3に示すように、始点座標(1600,904),ビデオ画像サイズ(640×480)のビデオデータ2が表示される。
【0131】
ここで、負荷の見積について説明する。
負荷見積手段241から244は、ビデオ表示処理装置141から144の各ディスプレイにかかっているビデオ画像の単位時間あたりのデータ量の合計によって負荷を見積もる。ビデオデータ1のデータ量は、圧縮率1/50,30frame/secで送信され、1ドット(ピクセル)を32bitで構成しているとすると、
640×480×(32/8)×(1/50)×30
=737280(byte/sec)
になる。
【0132】
また、ビデオデータ2のデータ量は、圧縮率1/20,30frame/secで送信されているとすると、
320×240×(32/8)×(1/20)×30
=460800(byte/sec)
になる。
【0133】
負荷見積手段241の見積において、ビデオ表示装置141では、ディスプレイ171にビデオデータはかかっていないため、データ量の合計は0となる。また、負荷見積手段242の見積において、ビデオ表示処理装置142では、ディスプレイ172にかかっているビデオ画像はビデオデータ1のみであるため、データ量は、737280(byte/sec)となる。
【0134】
また、負荷見積手段243の見積において、ビデオ表示装置143では、ディスプレイ173にかかっているビデオデータは、ビデオデータ1とビデオデータ2の両方であるため、データ量の合計は、
737280+460800=1198080(byte/sec)
となる。また、負荷見積手段244の見積において、ビデオ表示装置144では、ディスプレイ174にかかっているビデオ画像はビデオデータ2のみであるため、データ量は、460800(byte/sec)となる。従って、負荷の高い順に並べると、ビデオ表示装置143、ビデオ表示装置142、ビデオ表示装置144、ビデオ表示装置141の順になる。
【0135】
ここで例えば、ビデオ表示装置141から144は、入力画像サイズ640×480、圧縮率1/50を30frame/secで復号化する能力があるとし、これをデータ量で表すと、
640×480×(32/8)×(1/50)×30
=737280(byte/sec)
の能力となる。
【0136】
従って、ビデオ表示装置142では、
737280=737280
であるので、フルレートの復号化表示が行なわれる。また、ビデオ表示装置144では、
460800≦737280
であるので、フルレートの復号化表示が行なわれる。
【0137】
また、ビデオ表示装置141では、もともと表示が行なわれないのでここでは無関係である。しかし、もっとも負荷の高いビデオ表示装置143では、
737280+460800=1198080≧737280
となり、能力を越え、2つのビデオデータをフルレートで復号化表示することはできない。
【0138】
このため、ビデオ表示装置142及び144はフルレートで復号化表示を行なっているが、ビデオ表示装置143ではフルレートの復号化表示が行なえず、画面間の同期が乱れる。従って、送信制御手段81及び82において、ビデオ表示装置143に合わせて、ビデオデータ1,2のフレームレート制御を行なう。
【0139】
ここで、送信制御について説明する。
送信制御手段81及び82において、ビデオデータ1,2のフレームレートを15frame/secずつに抑えると、もっとも負荷の高いビデオ表示装置143では、
640×480×(32/8)×(1/50)×15
=368640(byte/sec)
320×240×(32/8)×(1/20)×15
=230400(byte/sec)
368640+230400=599040
となる。
【0140】
これは、ビデオ表示装置143の能力である
640×480×(32/8)×(1/50)×30
=737280(byte/sec)
を越えないので、ビデオ表示装置143では、ビデオデータ1,2を15frame/secで復号化表示することができる。
【0141】
ビデオ表示装置142,144においても、各ビデオデータを15frame/secで復号化表示することができることは明らかである。従って、全てのビデオ表示装置において、各ビデオデータを同じフレームレートで復号化表示することができる。
【0142】
このような送信制御手段による送信量の制御を行なうことによって、マルチディスプレイビデオ表示装置において、2つ以上のビデオデータについて、画面間のある程度の同期を保ちながら表示を行なう。
【0143】
以上のように、この実施の形態6によれば、ビデオ表示装置の負荷を、各ディスプレイに表示されるビデオデータの単位時間当たりのデータ量により見積もり、一番負荷の高いビデオ表示装置に合わせて、ビデオデータのフレームレートを調整することにより、画面に跨ったビデオウィンドウの表示を、各ビデオ表示装置間で、極端にずれることなく違和感なく行えるという効果が得られる。
【0144】
実施の形態7.
この実施の形態の構成は、実施の形態6と同様に、図18,図19示される構成と同じである。実施の形態6では、ビデオ画像の単位時間あたりのデータ量の合計によってビデオ表示装置の負荷の見積を行っていたが、この実施の形態は、各ビデオ表示装置の受信バッファの残量によってビデオ表示装置の負荷の見積を行うものである。この受信バッファは、図19には図示されていないが、ビデオデータ復号化手段111の前に備えられているものである。
【0145】
ここで、負荷の見積について説明する。
負荷見積手段241から244は、ビデオ表示装置141から144の負荷を、各受信バッファの残量によって見積もる。ビデオデータ1のデータ量は、圧縮率1/50,30frame/secで送信され、1ドット(ピクセル)を32bitで構成しているとすると、
640×480×(32/8)×(1/50)×30
=737280(byte/sec)
になる。
【0146】
また、ビデオデータ2のデータ量は、圧縮率1/20,30frame/secで送信されているとすると、
320×240×32/8×1/20×30
=460800(byte/sec)
になり、合計で、
737280+460800=1198080(byte/sec)
のビデオデータがビデオ送信装置21,22から送信されてくることになる。
【0147】
負荷見積手段241において、ビデオ表示装置141の復号化、書込の処理能力が、2Mbyte/secであるとすると、
1198080(byte/sec)
≦2000000(byte/sec)
であるため、受信バッファにデータがたまることはない。
【0148】
また、負荷見積手段242及び244において、ビデオ表示装置142と、ビデオ表示装置144の復号化、書込の能力が、1.5Mbyte/secであるとすると、
1198080(byte/sec)
≦1500000(byte/sec)
であるため、受信バッファにデータがたまることはない。
【0149】
また、負荷見積手段243において、ビデオ表示装置143の復号化書込の能力が、1Mbyte/secであるとすると、
1198080(byte/sec)
≧1000000(byte/sec)
であるため、受信バッファにデータがたまっていき、受信バッファの残量は徐々に減っていき、いずれ受信バッファが溢れて通信に滞りが生じる。
【0150】
このように、ビデオ表示装置141,142,144は正常な通信が行なわれるが、ビデオ表示装置143では通信が遅れてしまい、結果として画面間の同期が乱れる。従って、送信制御手段81,82において、ビデオ表示装置143に合わせて、それぞれのビデオデータのフレームレートの調整を行なう。
【0151】
ここで送信制御について説明する。
送信制御手段81,82において、ビデオデータ1,2のフレームレートを15frame/secずつに抑えると、もっとも負荷の高いビデオ表示装置143では、
640×480×(32/8)×(1/50)×15
=368640(byte/sec)
320×240×(32/8)×(1/20)×15
=230400(byte/sec)
368640+230400=599040
となる。これは、ビデオ表示装置143の能力である1Mbyte/secを越えないので、ビデオ表示装置143では、各ビデオデータを15frame/secで復号化表示することができる。
【0152】
ビデオ表示装置142,144においても、各ビデオデータを15frame/secで復号化表示することができることは明らかである。従って、全てのビデオ表示装置において各ビデオデータを同じフレームレートで復号化表示することができる。
【0153】
このような送信制御手段による送信量の制御を行なうことによって、マルチディスプレイビデオ表示装置において、2つ以上のビデオデータについて、画面間のある程度の同期を保ちながら表示を行なう。
【0154】
以上のように、この実施の形態7によれば、ビデオ表示装置の負荷を各受信バッファの残量によって見積もり、一番負荷の高いビデオ表示装置に合わせて、ビデオデータのフレームレートを調整することにより、画面に跨ったビデオウィンドウの表示を、各ビデオ表示装置間で、極端にずれることなく違和感なく行えるという効果が得られる。
【0155】
実施の形態8.
この実施の形態の構成は、実施の形態5と同様に、図16に示される構成と同じである。
【0156】
次に動作について説明する。
ビデオデータ1,2の元の画像サイズ、マルチディスプレイ上での始点の座標や、画像サイズについては、実施の形態1,5における図3と同じである。しかし、実施の形態5では、負荷見積手段91がビデオ表示装置141から144の負荷を求め、送信制御手段81,82が、ビデオデータ1,2のフレームレートを一様に調整していたが、この実施の形態では、負荷見積手段91がビデオ表示装置141から144の負荷を求め、あからじめ決定しているビデオデータ1,2の優先度に基づいて、ビデオデータ1,2のフレームレートを別々に調整するものである。
【0157】
ビデオデータ1,2を表示する処理の流れは、実施の形態5の図17に示したフローチャートと基本的には同じであるが、ステップST152において、ビデオ送信装置21,22の送信制御手段81,82は、ビデオ表示装置141から144の負荷が高い場合には、ビデオデータ1,2の優先度に基づいて、送信する各ビデオデータのフレームレートを調整する。
【0158】
実施の形態5で述べたように、ビデオ表示装置141から144のうち、もっとも負荷の高いものは、ビデオ表示装置143である。ビデオ表示装置141から144は、それぞれ1280×800の面積のビデオ画像を、30frame/secで復号化表示する能力があるとすると、フレームバッファヘ書き込まれるビデオデータの総面積は、
1280×800×30=30720000
となる。
【0159】
しかし、もっとも負荷の高いビデオ表示装置143では、
(1280×720+640×480)×30
=36864000≧30720000
となり、能力を越え、2つのビデオ映像をフルレートで復号化表示することはできない。
【0160】
仮に、ビデオデータ1の優先度を高、ビデオデータ2の優先度を低とし、各優先度の割合は、優先度高が10、優先度低が2とする。ビデオ表示装置143で表示するビデオデータの総面積を30720000にすれば良いので、
30720000/(1280×720+640×480)=25
となり、2つのビデオデータのフレームレートの合計が25フレームになるように調整すれば良い。
【0161】
ここで、2つのビデオデータの優先度の割合が10と2であるので、ビデオデータ1のフレームレートは、
25×10/12=20
となり、ビデオデータ2のフレームレートは、
25×2/12=5
となる。
【0162】
その結果、送信制御手段81,82において、ビデオデータ1のフレームレートを20frame/sec、ビデオデータ2のフレームレートを5frame/secに抑えることによって、全てのビデオ表示装置において、同じフレームレートで復号化表示することができる。
【0163】
このような各ビデオデータの優先度の基づく各ビデオデータの送信量の制御を行なうことによって、マルチディスプレイビデオ表示装置において、2つ以上のビデオデータについて、画面間のある程度の同期を保ちながら表示を行なう。この実施の形態では、ビデオデータ1のフレームレートを20frame/secとしているのに対し、ビデオデータ2のフレームレートを5frame/secと別々にしているが、視覚上、特に問題は生じない。
【0164】
以上のように、各ビデオデータの優先度の基づく各ビデオデータのフレームレートを調整することによって、画面に跨ったビデオウィンドウの表示を、各ビデオ表示装置間で、極端にずれることなく違和感なく行えるという効果が得られる。
【0165】
実施の形態9.
図20は実施の形態9によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図において、91はビデオ表示装置141から144の負荷を見積る負荷見積手段、1011は負荷見積手段91からの情報によりビデオデータの通信帯域を決める通信帯域制御手段、1001は、負荷見積手段91、通信帯域制御手段1011を備えた通信帯域管理装置であり、その他の構成は、実施の形態5の図16と同様である。
【0166】
次に動作について説明する。
実施の形態5では、負荷見積手段91が見積もったビデオ表示装置141から144の負荷に基づき、送信制御手段81,82が、ビデオデータ1,2のフレームレートを調整していたが、この実施の形態では、見積もったビデオ表示装置141から144の負荷に基づき、ビデオデータ1,2の通信帯域を制御するものである。まず、負荷見積手段91は、ビデオ表示装置141から144の負荷状況を見積もり、通信帯域制御手段1011に知らせる。
【0167】
ここで、負荷見積について説明する。
仮に、ビデオ表示装置141から144の受信能力が1Mbyte/secであるとする。ビデオデータ1を、圧縮率1/50,30frame/secで受信し、1ドット(ピクセル)を32bitで構成しているとすると、ビデオデータ1のデータ量は、
640×480×(32/8)×(1/50)×30
=737280(byte/sec)
になる。
【0168】
また、ビデオデータ2を、圧縮率1/20,30frame/secで受信するとすると、ビデオデータ2のデータ量は、
320×240×(32/8)×(1/20)×30
=460800(byte/sec)
となり、ビデオデータ1とビデオデータ2の合計のデータ量は、
737280+460800=1198080(byte/sec)
≧1000000(byte/sec)
となり、受信能力を越えて負荷の高い状況であると判断され、通信帯域制御手段1011に送信負荷が高いことが知らされる。
【0169】
次に通信帯域制御手段1011は、ビデオデータ1,2の通信帯域を決め、そのことをビデオ送信装置21,22の送信制御手段81,82に知らせる。
【0170】
ここで通信帯域の振り分けについて説明する。
ビデオデータ1を圧縮率1/50で圧縮するとすると、1フレームあたりのデータ量は、
640×480×(32/8)×(1/50)=24576(byte)
で、ビデオデータ2を圧縮率1/20で圧縮するとすると、1フレームあたりのデータ量は、
320×240×(32/8)×(1/20)=15360(byte)
である。
【0171】
全体の送信量を保ったまま均等に送信量を振り分けようとすると、ビデオデータ1の送信量は、
1000000×24576/(24576+15360)
=615384
となり、ビデオデータ2の送信量は、
1000000×15360/(24576+15360)
=384615
となる。端数を切り捨てる形でビデオデータ1の通信帯域を610Kbyte/sec、ビデオデータ2の通信帯域を380Kbyte/secに決め、送信制御手段81及び82に渡す。
【0172】
次に、ビデオ送信装置21及び22は、送信制御手段81及び82によって、ビデオデータ1,2の送信量を制限し、ビデオデータ送信手段11,12でビデオデータを符号化し、マルチキャストによりすべてのビデオ表示装置141から144に対して送信する。
【0173】
ここで、送信量の制御について説明する。
ビデオデータ1の通信帯域は、610Kbyte/secであるので、
610000÷(640×480×32/8×1/50)=24.82
になる。また、ビデオデータ2の通信帯域は380Kbyte/secであるので、
380000÷(320×240×32/8×1/20)=24.73
になり、各々24frame/sec以下に送信量を制限することによって、指定された通信帯域(610Kbyte/sec,380Kbyte/sec)以下で送信が行なわれる。このようにして、送信量を制限されたビデオデータ1,2は、それぞれビデオ表示装置141から144に送信される。
【0174】
ビデオ表示装置141から144の処理は、実施の形態5と同様に行われる。このようにして、始点座標(960,240),ビデオ画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1が24frame/sec以下の速度で表示され、始点座標(1600,904),ビデオ画像サイズ(640×480)のビデオデータ2が、24frame/sec以下の速度で表示される。
【0175】
このようにして、送信量の制御を行ない、通信可能な帯域を保つことによって、マルチディスプレイビデオ表示装置において、2つ以上のビデオデータについて、ある程度の画面間の同期を保ちながら表示を行なう。
【0176】
以上のように、この実施の形態9によれば、通信帯域制御手段がビデオ表示装置の負荷に基づき、通信帯域を制御して送信量の制御を行なうことにより、画面に跨ったビデオウィンドウの表示を、各ビデオ表示装置で極端にずれることなく違和感なく行えるという効果が得られる。
【0177】
実施の形態10.
図21は実施の形態10によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。図において、1はマルチディスプレイに表示すべきビデオデータ、1021は、ビデオデータ1に復号開始時刻をタイムスタンプとして付加するタイムスタンプ付加手段、1031は復号開始時刻の決め方が不適当な場合に時刻の変更を指示する復号開始時刻変更手段、11はマルチキャストにより符号化(圧縮)されたビデオデータ1を送信するビデオデータ送信手段であり、21は、タイムスタンプ付加手段1021,復号開始時刻変更手段1031,ビデオデータ送信手段11を備えたビデオ送信装置である。また、141から144はビデオ表示装置、171から174はビデオデータ1,2を表示するディスプレイである。
【0178】
図22は、図21におけるビデオ表示装置141を示す構成図である。図において、201はビデオデータの到着した時刻を調べる現在時刻取込手段、211は、現在時刻取込手段201で得られた時刻とビデオデータに付加された時刻を比較し時差を求める時刻比較手段、221は比較された時刻分だけ待ち合わせを行なう時刻待ち合わせ手段、231は、時刻比較手段211が求めた時差をビデオ送信装置21に知らせるメッセージ送付手段である。
【0179】
また、111は符号化されたビデオデータを復号化(伸長)するビデオデータ復号化手段、161はビデオデータ1が書き込まれるフレームバッファ、121はビデオデータ1のフレームバッファ161への書込位置を決定する書込位置決定手段、131はフレームバッファ161にビデオデータ1を書き込むビデオ書込手段である。
【0180】
図21では、ビデオ表示装置141の構成を示したが、ビデオ表示装置142から144も同一の構成であり、各ビデオ表示装置142から144における符号は、現在時刻取込手段が202から204,時刻比較手段が212から214,時刻待ち合わせ手段が222から224,メッセージ送付手段が232から234,ビデオデータ復号化手段が112から114,書込位置決定手段が122から124,ビデオ書込手段が132から134,フレームバッファが163,165,167である。
【0181】
次に動作について説明する。
ここでは、元の画像サイズが(640×480)のビデオデータを、マルチディスプレイ上で、始点の座標を(960,240)、画像サイズを(1280×720)にして表示する例をとって説明する。
【0182】
図23はビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。ステップST171において、タイムスタンプ付加手段1021は、ビデオデータ1を取り込んだ時刻の絶対時間に送信にかかる任意時刻を加算したものを復号化を開始する時刻とし、これをタイムスタンプとしてビデオデータ1の1フレーム目に付加する。ここでは、ビデオデータの取込時刻を102120とし、送信にかかる時刻を100として加え、これをタイムスタンプとして、102220とする。この場合、単位はいずれもmsecとする。そしてステップST172において、ビデオデータ送信手段11は、ビデオデータ1の1フレーム目を符号化し、マルチキャストによりすべてのビデオ表示装置141から144に対して送信する。
【0183】
ビデオ表示装置141から144側では、ステップST173において、現在時刻取込手段201から204は、符号化されたビデオデータの1フレーム目の到着時刻を調査する。ここで、現在時刻取込手段201から204が調査した到着時刻を、それぞれ102200,102210,102225,102210とし、時刻比較手段211から214に知らせる。
【0184】
次にステップST174において、時刻比較手段211から214は、1フレーム目の到着時刻と付加されたタイムスタンプとの比較を行ない、その時差を求める。時刻比較手段211から214が求めた時差は、それぞれ20,10,−5,10である。
【0185】
次にステップST175において、時刻待ち合わせ手段221から224は、求めた時差が正の値の場合に、1フレーム目の待ち合わせを行なう。すなわち、時刻待ち合わせ手段221,222,224では、それぞれ20,10,10(msec)の待ち合わせを行う。そしてステップST176において、ビデオデータ復号化手段111から114は、符号化されたビデオデータの1フレーム目を各々復号化する。求めた時差が負の値の場合には復号化しない。
【0186】
ステップST177において、書込位置決定手段121,122,124は、書込位置を決定するが、書込位置決定手段123は、書込位置決定の処理を行なわない。次にステップST178において、ビデオ書込手段131,132,134は、1フレーム目を自フレームバッファ161,163,167に書き込む。ただし、ビデオ書込手段133はビデオ書込処理を行なわない。
【0187】
このようにして、ほぼ同時にビデオ書込手段131,132,134によって書き込まれたビデオデータ1は、ステップST179において、各ディスプレイ171,172,174に渡されることにより、始点座標(960,240),ビデオ画像サイズ(1280×720)のビデオデータ1の1フレーム目が表示される。しかし、ディスプレイ173に関しては、1フレーム目の表示が行なわれない。
【0188】
ステップST180において、メッセージ送付手段231から234は、上記ステップST174において、時刻比較手段211から214が求めた時差20,10,−5,10をビデオ送信装置21に知らせる。
【0189】
次にステップST181において、復号開始時刻変更手段1031は、メッセージ送付手段231から234からの情報により、ビデオ表示装置143における表示ができないことを判断し、復号開始時刻を変更するようタイムスタンプ付加手段1021に指示をする。例えば、ビデオデータ1の2フレーム目に付加する送信にかかる任意時間を、100から110に変更するよう指示を出す。
【0190】
ステップST182において、タイムスタンプ付加手段1021は、ビデオデータ1の2フレーム目に、2フレーム目を取り込んだ時刻の絶対時間に送信にかかる任意時刻110を加算した復号開始時刻をタイムスタンプとして付加する。ここでは、ビデオデータの2フレーム目の取込時刻を102220とし、送信にかかる時刻を110として加え、これをタイムスタンプとして102330とする。単位はいずれもmsecとする。そしてステップST183において、ビデオデータ送信手段11は、2フレーム目を符号化し、マルチキャストによりすべてのビデオ表示装置141から144に対して送信する。
【0191】
ステップST184において、現在時刻取込手段201から204は、2フレーム目の到着時刻を調査する。ここで、現在時刻取込手段201,202,203,204が調査した時刻を、それぞれ102300,102310,102325,102310とする。
【0192】
次にステップST185において、時刻比較手段211から214は、2フレーム目の到着時刻と付加されているタイムスタンプとの比較を行い、その時差を求める。ここで、時刻比較手段211から214が求めた時差は、それぞれ30,20,5,20である。求めた時差については、上記ステップST180と同様に、メッセージ送付手段231から234によりビデオ送信装置21に通知される。
【0193】
ステップST186において、時刻待ち合わせ手段221から224は、時差が正の値であるので、2フレーム目に対しそれぞれ30,20,5,20(msec)の待ち合わせを行う。そしてステップST187において、ビデオデータ復号化手段111から114は、2フレーム目を同時に復号化する。ここでは、2フレーム目の全てが正常に復号化されるので、以降のステップST188からステップST190において処理がなされ、各ディスプレイ171から174に、ほぼ同時に始点座標(960,240),ビデオ画像サイズ(1280×720)のビデオデータが表示される。ビデオデータ1の次に取り込まれるフレームに関しても、同様な処理を繰り返す。
【0194】
このようにして、送信時間として付加する時刻を変更しながら、画面間の同期を保ち表示を行なう。この実施の形態では、1つのビデオデータについて処理しているが、2つ以上のビデオデータについても同様に処理できる。
【0195】
また、この実施の形態では、復号開始時刻変更手段1031とメッセージ送付手段231から234を備えているが、タイムスタンプ付加手段1021がタイムスタンプを付加する際に、送信にかかる時刻を適切に設定すれば、復号開始時刻変更手段1031とメッセージ送付手段231から234がなくとも、ほぼ同様な動作をすることは明らかである。
【0196】
さらに、このタイムスタンプの時刻とビデオデータの到着時刻との時差が、必要以上にある場合に、タイムスタンプ付加手段で付加する時刻を短く変更することによって、待ち合わせ時間を短くできることも明らかである。
【0197】
以上のように、この実施の形態10によれば、ビデオ表示装置が、ビデオデータに付加されたタイムスタンプとビデオデータの到着時刻により求めた時差の分だけ、待ち合わせを行なうことによって、画面に跨ったビデオウィンドウの表示を、各ビデオ表示装置で同時に表示することができるという効果が得られる。
【0198】
また、この実施の形態10によれば、ビデオデータの到着時刻が、タイムスタンプの時刻に間に合わないビデオ表示装置が存在する場合は、ビデオ送信装置でビデオデータに付加するタイムスタンプの時刻を遅く変更することによって、全ビデオ表示装置で同時に表示することができるという効果が得られる。
【0199】
さらに、この実施の形態10によれば、ビデオデータの到着時刻が、全てのビデオ表示装置において、タイムスタンプの時刻に比べてかなりの余裕のある場合は、ビデオ表示装置でビデオデータに付加するタイムスタンプの時刻を早く変更することによって、全ビデオ表示装置で無駄のない待ち合わせ時刻で、同時に表示することができるという効果が得られる。
【0200】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、複数のビデオデータを各ディスプレイに対応したフレームバッファに書き込み、所定のタイミングでフレームバッファに書き込まれたビデオデータを表示することにより、各ディスプレイに跨った映像を表示する場合も、実際に表示されるタイミングがずれることなく、違和感のない表示をすることができ、また、ディスプレイにおけるグループを決定し、決定されたグループごとに所定の間隔内に復号化可能なビデオ群を決定しているので、複数のビデオデータを表示させる場合、各グループごとにフルレートでの処理が行え、違和感のない表示をすることができ、各グループごとに表示するビデオ表示装置だけにビデオデータを送信することにより通信の効率化も行え、さらに、一定間隔で復号可能なビデオ群の選択は、各ビデオデータの優先度をもとに決定するので、優先度の高いビデオ映像を優先して表示することができるという効果がある。
【0204】
この発明によれば、複数のビデオデータを各ディスプレイに対応したフレームバッファに書き込み、所定のタイミングでフレームバッファに書き込まれたビデオデータを表示することにより、各ディスプレイに跨った映像を表示する場合も、実際に表示されるタイミングがずれることなく、違和感のない表示をすることができると共に、優先度の低いビデオデータの解像度や圧縮率を調整することにより、フルレート復号可能なビデオ群になるべく多くの優先度の高いビデオ映像を入れることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるビデオ表示装置を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるマルチディスプレイ上のビデオデータの表示を説明する図である。
【図4】 この発明の実施の形態1によるビデオ群決定装置、ビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1による各ディスプレイのグループの決定を説明する図である。
【図6】 この発明の実施の形態1によるビデオデータのフレームバッファへの書込と表示の切替を説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態2によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態2によるビデオ表示装置を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態2によるビデオデータのフレームバッファへの書込と表示の切替を説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態3によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図11】 この発明の実施の形態3によるビデオデータのフレームバッファへの書込と表示の切替を説明する図である。
【図12】 この発明の実施の形態4によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図13】 この発明の実施の形態4によるビデオ表示装置を示す構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態4によるマルチディスプレイ上のビデオデータの表示を説明する図である。
【図15】 この発明の実施の形態4によるビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】 この発明の実施の形態5,8によるビデオ表示装置を示す構成図である。
【図17】 この発明の実施の形態5,8による負荷見積手段、ビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】 この発明の実施の形態6,7によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図19】 この発明の実施の形態6,7によるビデオ表示装置を示す構成図である。
【図20】 この発明の実施の形態9によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図21】 この発明の実施の形態10によるマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図22】 この発明の実施の形態10によるビデオ表示装置を示す構成図である。
【図23】 この発明の実施の形態10によるビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】 従来のマルチディスプレイビデオ表示装置を示す構成図である。
【図25】 従来のマルチディスプレイ上のビデオデータの表示を説明する図である。
【図26】 従来のビデオ送信装置、ビデオ表示装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,2,3 ビデオデータ、21,22,23 ビデオ送信装置、31 グループ決定手段、41 ビデオ群決定手段、61 ビデオ復号時間決定手段、71,72,73 ビデオ調整手段、81,82 送信制御手段、91 負荷見積手段、111,112,113,114 ビデオデータ復号化手段、121,122,123,124 書込位置決定手段、131,132,133,134 ビデオ書込手段、141,142,143,144 ビデオ表示装置、151 バッファ切替手段、161,162 フレームバッファ、171,172,173,174 ディスプレイ、181 ビデオ復号時間見積手段、191 復号化順序決定手段、201 現在時刻取込手段、211 時刻比較手段、221 時刻待ち合わせ手段、231 メッセージ送付手段、1011 通信帯域制御手段、1021 タイムスタンプ付加手段、1031 復号開始時刻変更手段。
Claims (2)
- 複数のディスプレイに表示される複数のビデオデータの位置により各ディスプレイのグループを決定するグループ決定手段と、
上記グループ決定手段により決定された各グループ内のディスプレイに表示されるビデオデータの中で、各ビデオデータの優先度と各ビデオデータの解像度又は圧縮率に基づき、所定の間隔内に復号化可能な複数のビデオデータを決定するビデオ群決定手段と、
上記ビデオ群決定手段により決定された複数のビデオデータを、上記グループ決定手段により決定されたグループごとにそれぞれ符号化し送信する複数のビデオ送信装置と、
上記複数のビデオ送信装置により送信された複数のビデオデータを上記グループ決定手段により決定されたグループごとにそれぞれ復号化し、各ディスプレイに表示する複数のビデオ表示装置とを備え、
上記各ビデオ表示装置が、
送信された複数のビデオデータを復号化するビデオデータ復号化手段と、
復号化された上記ビデオデータが書き込まれる第1及び第2のフレームバッファと、
上記第1及び第2のフレームバッファの書込位置を決定する書込位置決定手段と、
上記ビデオデータ復号化手段により復号化されたビデオデータを、上記第1及び第2のフレームバッファの上記書込位置決定手段により決定された書込位置に書き込むビデオ書込手段と、
上記所定の間隔ごとに、上記第1及び第2のフレームバッファを、上記ビデオ書込手段による書込用と、書き込まれたビデオデータを表示する表示用に交互に切り替えるバッファ切替手段とを備え、
上記第1及び第2のフレームバッファに書き込まれた複数のビデオデータを、上記所定の間隔ごとに切り替えて上記複数のディスプレイに表示することを特徴とするマルチディスプレイビデオ表示装置。 - ビデオ群決定手段により通知された優先度の低いビデオデータに対して、解像度又は圧縮率を調整するビデオ調整手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のマルチディスプレイビデオ表示装置。
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