JP3935538B2 - ポリメチン系化合物、その製造方法、及びこれを含む近赤外線吸収材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリメチン系化合物、その製造方法、及びこれを含む近赤外線吸収材料に関する。詳細には、特に750nm〜1000nmの近赤外領域の吸収能に優れており、溶剤に対する溶解性が高く、光安定性が良好であり、可視領域の吸収が小さい新規なポリメチン系化合物、その製造方法、及び近赤外線吸収フィルター、熱線遮断フィルム、光熱変換剤、セキュリティーインク等に極めて有用な近赤外線吸収材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近赤外線吸収フィルター、熱線遮断フィルム、光熱変換剤、セキュリティーインク等に用いられる近赤外線吸収剤としては、可視領域の吸収が低く、かつ、有機溶剤や樹脂等との相溶性が高い化合物が求められている。例えば代表的な熱線吸収剤であるカーボンブラックは黒色顔料であり、溶剤や樹脂に対する溶解性がほとんどなく、また可視領域の吸収が高いためその用途が限定されている。近年、近赤外線吸収色素としてアントラキノン系化合物、フタロシアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、アミニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、キレート化合物類が検討されている。これらの多くは光学的に透明な有機ポリマー等に混合した近赤外線吸収材料をターゲットとしているものであるが、耐久性が不十分、ポリマー等に多くの量を均一混合できない、可視領域に大きな吸収をもつなどの問題を有している。
【0003】
ポリメチン系化合物はもともとは写真用増感色素として開発されたものであり、一般的に光安定性が低いためその用途が限定されてきた。近年、エレクトロニクス産業の発展に伴い、用途に応じた機能と物性を持つ材料が要望されており、ポリメチン系化合物についても種々改良がなされ、光ディスク用記録媒体やレーザー感熱用記録媒体、近赤外線吸収フィルター等の用途に活発に検討されている。これらの用途のためには、特に長波長域に吸収を有することが望まれる。そのためには、通常、共役メチン鎖を長くすることが必要であるが、共役メチン鎖の伸長につれて色素の安定性も著しく低下するのが現状であり、構造改変による新しい色素の開発が求められている。
【0004】
現在実用化されているポリメチン系化合物としては、例えば式(A)の化合物がよく知られている。しかしながら、式(A)の化合物は750nm〜1000nmの近赤外域の吸収能、特に800nm〜1000nmの近赤外域の吸収能に劣り、光安定性が低く、また溶剤に対する溶解性も低い。
【0005】
【化4】
【0006】
また、本発明のポリメチン系化合物とは全く構造の異なるものであるが、部分的に類似の置換基を有する化合物として、特開平1−153753号公報の第50頁3行に、両端がビスインドリル基であるポリメチン系化合物(式(B))が開示されている。また、特開平5−112078号公報には、第13〜14頁に具体例(化合物No.10)として末端基がジアルキルアミノフェニル基であるポリメチン系化合物(式(C))が開示されている。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
しかしながら、これらの化合物は可視領域の吸収が高い、あるいは溶剤に対する溶解性が低いためその用途が限定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、溶剤に対する溶解性が高く、光安定性が良好であり、可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外域に吸収を持つ新規なポリメチン系化合物、その製造方法、及びこれを含む近赤外線吸収材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記した課題を解決すべく鋭意検討した結果、新規なポリメチン系化合物を見い出し本発明の目的を達成した。すなわち、本発明は、まず、下記一般式(I)により表わされる新規なポリメチン系化合物に関する。
【0012】
【化7】
(式(I)中、R1、R7はアルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル基を示し、R2、R8はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を示す。R3、R4、R9、R10は水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を示し、これらがアルキル基である場合、R3とR4及び/又はR9とR10が連結して、結合する窒素原子とともに複素環を形成してもよい。R5、R6、R11、R12は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示し、Z1は酸性残基を示す。)
【0013】
また、本発明は、下記一般式(II)で表わされるエチレン化合物
【0014】
【化8】
(式(II)中、R1はアルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル基を示し、R2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を示す。R3、R4は水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を示し、これらがアルキル基である場合、R3とR4が連結して、結合する窒素原子とともに複素環を形成してもよい。R5、R6は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。)
の少なくとも1種と、下記式(III)で表わされる1,3−プロペンジアニルの酸性塩
【0015】
【化9】
(式(III)中、Z2は酸性残基を示す。)
とを酸性物質の存在下、脱水性有機酸中にて反応させることを特徴とする前記一般式(I)により表わされるポリメチン系化合物の製造方法に関する。
【0016】
さらに、本発明は、前記一般式(I)で表わされるポリメチン系化合物を含有する近赤外線吸収材料に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】
前記一般式(I)において、R1、R7がアルキル基であるものとしては、炭素数1〜8のアルキル基であるものが好ましく、特に炭素数1〜6の直鎖、分枝のアルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、ドデシル基が挙げられる。アルコキシアルキル基であるものとしては、総炭素数2〜8のアルコキシアルキル基であるもの好ましく、具体例としては、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基が挙げられる。アラルキル基であるもののアリール部分としては、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基が好ましく、これら置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。アラルキル基のアルキレン部分としては炭素数1〜4のアルキレン基であるものが好ましい。アラルキル基としては特にベンジル基が好ましい。
【0018】
R2、R8がアルキル基であるものとしては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4の直鎖のアルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、ドデシル基が挙げられる。シクロアルキル基であるものとしては、炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましく、特にシクロヘキシル基が好ましい。アリール基であるものとしては、置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基が好ましく、これら置換基としては炭素数1〜4の直鎖のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシが好ましく、特にメチル基、エチル基、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0019】
R3、R4、R9、R10がアルキル基であるものとしては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基が挙げられる。R3とR4及び/又はR9とR10が連結して、結合する窒素原子とともに複素環を形成したものとしては、ピロリジノ基、ピペラジノ基が挙げられる。アルコキシアルキル基であるものとしては、総炭素数1〜8のアルコキシアルキル基が好ましく、特に総炭素数1〜4のアルコキシアルキル基が好ましい。具体例としては、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基が挙げられる。ヒドロキシアルキル基であるものとしては、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基が好ましく、特に総炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基が好ましい。具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基が挙げられる。シクロアルキル基であるものとしては、総炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましく、特にシクロヘキシル基が好ましい。アリール基であるものとしては置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基が好ましく、これら置換基としては炭素数1〜4の直鎖のアルキル基、ハロゲン原子、総炭素数1〜4のアルコキシが好ましく、特にメチル基、エチル基、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
【0020】
R5、R6、R11、R12がアルキル基であるものとしては、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、ドデシル基が挙げられる。アルコキシ基であるものとしては、総炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、特に総炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシメトキシ基、エトキシエトキシ基が挙げられる。ハロゲン原子であるものとしては、特に臭素原子、塩素原子、フッ素原子が好ましい。
【0021】
酸性残基Z1としては、F-、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、CH3COO-、CH3SO3 -、CF3SO3 -等を例示できるが、好ましくはI-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、CH3SO3 -である。
【0022】
本発明の一般式(I)で表わされる化合物の具体例を表−1に示す。なお、表−1において、Phはフェニル基を、cycl−C6H11はシクロヘキシル基を示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
本発明の一般式(I)で表わされるポリメチン系化合物は、例えば下記の方法により製造することができる。
【0027】
一般式(II)で表わされるエチレン化合物
【0028】
【化10】
(式(II)中、R1はアルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル基を示し、R2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を示す。R3、R4は水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を示し、これらがアルキル基である場合、R3とR4が連結して、結合する窒素原子とともに複素環を形成してもよい。R5、R6は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。)
の少なくとも1種と、下記式(III)で表わされる1,3−プロペンジアニルの酸性塩
【0029】
【化11】
(式(III)中、Z2は酸性残基を示す。)
とを酸性物質の存在下、脱水性有機酸中にて反応させることによって製造することができる。
【0030】
Z2としては、Cl-、Br-、ClO4 -、BF4 -、CH3COO-、CH3SO3 -が好ましい。
【0031】
上記反応において、酸性物質としては、塩酸、硫酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等が挙げられる。斯かる酸性物質は、一般式(II)の化合物1モル当たり、0.01〜5倍モル程度、好ましくは0.1〜2.0倍モル程度用いるのがよい。
【0032】
脱水性有機酸としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。斯かる脱水性有機酸は、一般式(II)の化合物1モル当たり、通常5〜100モル程度、好ましくは20〜50モル使用する。
【0033】
一般式(II)の化合物と、一般式(III)の化合物との使用割合は、通常前者に対して後者を0.2〜2倍モル程度、好ましくは0.4〜0.7倍モル程度とするのがよい。
【0034】
反応温度は10〜160℃程度、好ましくは20〜120℃である。反応時間は10分〜15時間、好ましくは30分〜8時間である。場合によっては、酢酸カリウム等の脂肪酸塩を共存させると反応がスムーズに進行する。
【0035】
反応終了後、一般式(I)のポリメチン系化合物は、通常は反応に使用した酸性物質あるいは脱水性有機酸のアニオンの塩となっているが、これをアニオン交換することにより酸性残基Z1の塩とすることができる。具体的には、上記反応液をZ1のアルカリ金属塩の水溶液中に注入することにより得られ、アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
【0036】
一般式(II)の化合物は、相当するインドール化合物と相当するアミノアセトフェノン誘導体とを酸触媒の存在下、ハロゲン化炭化水素中40〜100℃で数時間反応することにより得られる。
【0037】
本発明の一般式(I)のポリメチン系化合物は、溶剤に対する溶解性が高く、光安定性が良好であり、可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外域の吸収能に優れている。
【0038】
本発明の一般式(I)のポリメチン系化合物は、そのまま、或いはバインダーや添加物とともに、紙、プラスチックシート、プラスチック、フィルム、ガラス、樹脂等に塗布又は混練したり、ハードコートしたり、モノマーとの混合物を重合させることにより、近赤外線吸収材料として種々の用途に使用できる。特に近赤外線吸収フィルター、熱線遮断フィルム、光熱変換剤、セキュリティーインク等の近赤外線吸収剤として好適に使用される。
【0039】
近赤外線吸収材料の製造例としては、本発明のポリメチン系化合物を透明樹脂、例えばポリアクリロニトリル樹脂、メタクリルニトリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などと混合したり、或いは本発明のポリメチン系化合物を溶媒に溶解或いは分散し、上記樹脂を浸漬し加熱処理したり、上記樹脂に塗布することによって得ることができる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例、比較例において「部」は「重量部」を示す。
【0041】
実施例1
表−1に例示の化合物(1)(下記式化合物)の合成
【0042】
【化12】
【0043】
1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン[前記一般式(II)のエチレン化合物において、R1:エチル基、R2:メチル基、R3:メチル基、R4:メチル基、R5:水素原子、R6:水素原子であるもの]5.62部、1,3−プロペンジアニル塩酸塩2.39部、酢酸カリウム3.63部を無水酢酸150部へ加え、40℃へ昇温した。メタンスルフォン酸3.56部を加え、同温度で3時間反応した。冷却後、反応液を過塩素酸カリウム7.5部を溶解した水溶液1500部へ滴下し、析出した固形物をろ過、水洗した。得られた固形物をアセトン200部へ溶解後、水で再沈して固形物を得た。この固形物をアセトン−ヘキサン混合液500部で再結晶して化合物(1)の黒色粉末結晶4.34部を得た。
【0044】
この結晶のメタノール溶液中の最大吸収波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)及び元素分析値は下記の通りであった。この結晶の赤外吸収スペクトルを図1に、メタノール溶液の可視−近赤外吸収スペクトルを図3に示す。
最大吸収波長(λmax):869nm(in MeOH)
グラム吸光係数(εg):1.15×105ml/g・cm(in MeOH)
【0045】
【表4】
元素分析値(C45H49ClN4O4)
【0046】
実施例2
表−1に例示の化合物(2)(下記式化合物)の合成
【0047】
【化13】
【0048】
1−(1−メチル−2−フェニルインドール−3−イル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン[前記一般式(II)のエチレン化合物において、R1:メチル基、R2:フェニル基、R3:メチル基、R4:メチル基、R5:水素原子、R6:水素原子]7.05部、1,3−プロペンジアニル塩酸塩2.59部、酢酸カリウム2.00部を無水酢酸150部へ加え40℃へ昇温した。メタンスルフォン酸2.00部を加え、同温度で2時間反応した。50℃へ昇温し、同温度で2時間反応した。冷却後、反応液を過塩素酸カリウム8.3部を溶解した水溶液1500部へ滴下し、析出した固形物をろ過、水洗した。得られた固形物をアセトン200部へ溶解後、水で再沈して固形物を得た。この固形物をアセトン−ヘキサン混合液500部で再結晶して化合物(2)の黒色粉末結晶 6.76部を得た。
【0049】
この結晶のメタノール溶液中の最大吸収波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)及び元素分析値は下記の通りであった。この結晶の赤外吸収スペクトルを図2に、メタノール溶液の可視−近赤外吸収スペクトルを図4に示す。
最大吸収波長(λmax):890nm(in MeOH)
グラム吸光係数(εg):1.01×105 ml/g・cm(in MeOH)
【0050】
【表5】
【0051】
実施例3
表−1に例示の化合物(3)(下記式化合物)の合成
【0052】
【化14】
【0053】
1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−ジエチルアミノフェニル)エチレン[前記一般式(II)のエチレン化合物において、R1:エチル基、R2:メチル基、R3:エチル基、R4:エチル基、R5:水素原子、R6:水素原子]6.15部、1,3−プロペンジアニル塩酸塩2.39部、酢酸カリウム3.63部を無水酢酸150部へ加え、40℃へ昇温した。メタンスルフォン酸 3.56部を加え、同温度で3時間反応した。冷却後、反応液を四ふっ化ナトリウム6.0部を溶解した水溶液 1500部へ滴下し、析出した固形物をろ過、水洗した。得られた固形物をアセトン200部へ溶解後、水で再沈して固形物を得た。この固形物をアセトン−ヘキサン混合液500部で再結晶して化合物(3)の黒色粉末結晶4.50部を得た。
【0054】
この結晶のメタノール溶液中の最大吸収波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)及び元素分析値は下記の通りであった。
最大吸収波長(λmax):868nm(in MeOH)
グラム吸光係数(εg):1.10×105 ml/g・cm(in MeOH)
【0055】
【表6】
【0056】
実施例4
表−1に例示の化合物(4)(下記式化合物)の合成
【0057】
【化15】
【0058】
1−(1−メチル−2−フェニルインドール−3−イル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン[前記一般式(II)のエチレン化合物において、R1:メチル基、R2:フェニル基、R3:メチル基、R4:メチル基、R5:水素原子、R6:水素原子]7.05部、1,3−プロペンジアニル塩酸塩2.59部、酢酸カリウム2.00部を無水酢酸150部へ加え、40℃へ昇温した。メタンスルフォン酸2.00部を加え、同温度で2時間反応した。50℃へ昇温し、同温度で2時間反応した。冷却後、反応液を六ふっ化アンチモン酸カリウム10部を溶解した水溶液 1500部へ滴下し、析出した固形物をろ過、水洗した。得られた固形物をアセトン200部へ溶解後、水で再沈して固形物を得た。この固形物をアセトン−ヘキサン混合液500部で再結晶して化合物(4)の黒色粉末結晶7.40部を得た。
【0059】
この結晶のメタノール溶液中の最大吸収波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)及び元素分析値は下記の通りであった。
最大吸収波長(λmax):890nm(in MeOH)
グラム吸光係数(εg):1.01×105 ml/g・cm(in MeOH)
【0060】
【表7】
【0061】
実施例5
表−1に例示の化合物(5)(下記式化合物)の合成
【0062】
【化16】
【0063】
1−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン[前記一般式(II)のエチレン化合物において、R1:エチル基、R2:メチル基、R3:メチル基、R4:メチル基、R5:水素原子、R6:水素原子]5.62部、1,3−プロペンジアニル塩酸塩2.39部、酢酸カリウム3.63部を無水酢酸150部へ加え、40℃へ昇温した。メタンスルフォン酸3.56部を加え、同温度で3時間反応した。冷却後、反応液を六ふっ化りん酸カリウム10部を溶解した水溶液 1500部へ滴下し、析出した固形物をろ過、水洗した。得られた固形物をアセトン200部へ溶解後、水で再沈して固形物を得た。この固形物をアセトン−ヘキサン混合液500部で再結晶して化合物(5)の黒色粉末結晶4.00部を得た。
【0064】
この結晶のメタノール溶液中の最大吸収波長(λmax)、グラム吸光係数(εg)及び元素分析値は下記の通りであった。
最大吸収波長(λmax):868nm(in MeOH)
グラム吸光係数(εg):1.15×105 ml/g・cm(in MeOH)
【0065】
【表8】
【0066】
実施例6 近赤外線吸収材料の作製
実施例1で製造した化合物(1)0.01部を、ポリマー(和光純薬製:メタクリル酸メチルポリマー)をジクロルエタンに溶解した約20%ポリマー溶液20部へ添加し、超音波振とう機で分散、溶解させた。この溶液より、0.5ミクロンフィルターで不溶物を濾別した後、ガラス基板にワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥した。
【0067】
得られた近赤外線吸収材料は可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外領域に十分な吸収を有していた。
【0068】
実施例7 近赤外線吸収材料の作製
実施例6において、化合物(1)の代わりに実施例2で製造した化合物(2)を用いた以外は実施例6と同様な操作を行って近赤外線吸収材料を作製した。
【0069】
得られた近赤外線吸収材料は可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外領域に十分な吸収を有していた。
【0070】
実施例8 近赤外線吸収材料の作製
実施例6において、化合物(1)の代わりに実施例3で製造した化合物(3)を用いた以外は実施例6と同様な操作を行って近赤外線吸収材料を作製した。
【0071】
得られた近赤外線吸収材料は可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外領域に十分な吸収を有していた。
【0072】
実施例9 近赤外線吸収材料の作製
実施例6において、化合物(1)の代わりに実施例4で製造した化合物(4)を用いた以外は実施例6と同様な操作を行って近赤外線吸収材料を作製した。
【0073】
得られた近赤外線吸収材料は可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外領域に十分な吸収を有していた。
【0074】
実施例10 近赤外線吸収材料の作製
実施例6において、化合物(1)の代わりに実施例5で製造した化合物(5)を用いた以外は実施例6と同様な操作を行って近赤外線吸収材料を作製した。
【0075】
得られた近赤外線吸収材料は可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外領域に十分な吸収を有していた。
【0076】
[溶解度の測定]
50mlサンプル管中、下記表−2に示した各ポリメチン系化合物と1,2−ジアセトキシエタンを、各化合物について、それぞれ0.5%、1%、2%(w/v)の1,2−ジアセトキシエタン混合液となるように調整し、密栓後50℃で10分間超音波振とうを与えた。次いで室温に30分放置後濾過し、不溶物の有無を確認した。0.5%(w/v)調整の混合液にて不溶物が有るものを溶解度0.5%未満、0.5%(w/v)調整の混合液にて不溶物が無く、1%(w/v)調整の混合液にて不溶物が有るものを溶解度0.5%以上〜1%未満、1%濃度(w/v)調整の混合液にて不溶物が無く、2%(w/v)調整の混合液にて不溶物が有るものを溶解度1%以上〜2%未満、2%(w/v)調整の混合液にて不溶物が無いものを溶解度2%以上とした。
結果を下記表−2に示す。
【0077】
【表9】
【0078】
【発明の効果】
本発明による新規なポリメチン系化合物は、可視領域の吸収が小さく、750nm〜1000nmの近赤外域の吸収能に優れており、溶剤に対する溶解性が高く、光安定性が良好であり、これを含有する近赤外吸収材料は近赤外線吸収フィルター、熱線遮断フィルム、光熱変換剤、セキュリティーインク等の用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した化合物(1)の赤外吸収スペクトルである。
【図2】実施例2で製造した化合物(2)の赤外吸収スペクトルである。
【図3】実施例1で製造した化合物(1)のメタノール溶液の可視−近赤外吸収スペクトルである。
【図4】実施例2で製造した化合物(2)のメタノール溶液の可視−近赤外吸収スペクトルである。
Claims (3)
- 下記一般式(II)で表わされるエチレン化合物
の少なくとも1種と、下記式(III)で表わされる1,3−プロペンジアニルの酸性塩
とを酸性物質の存在下、脱水性有機酸中にて反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリメチン系化合物の製造方法。 - 請求項1に記載のポリメチン系化合物を含有することを特徴とする近赤外線吸収材料。
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