JP3934920B2 - 片手入力装置のキーの設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ及び情報機器の為の入力装置に関するものであり、特にタッチタイピングで片手入力が出来るようにすることにより、文字入力の為のキーコードが、盲人・聾唖者・盲聾者・健常者の間で、視覚と触覚による認識を共に可能とする共通した伝達手段となるようにするとともに、入力装置の小型化・軽量化及び形状デザインの自由化を図ることを目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からあるコンピュータの入力装置として代表的なものに109個のキーからなるコンピュータ用キーボードがある。又、他のものとしては、携帯型機器に使用されている手書き入力装置や、携帯電話に多く使用されている数字キーを使ってキャラクタ入力を行なうもの、更には音声入力装置等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のコンピュータ用キーボードは、1キー1入力方式なので、キーの数が多く、操作性を保つ為には小型化に限界がある。例えば109キーボードにおいては、合計109個のキーがあり、さらにマウスが加わる為に、デスク面の中央部が殆ど入力装置で占められてしまう。
【0004】
近年液晶ディスプレイが普及し、またコンピュータ本体の小型化、或いは設置場所の選択によりデスクワーク環境の改善が図られてきたが、キーボードに関しては従来のままである。その為に資料を参考として入力する時などは、姿勢を変えながら、或いは資料をキーボードの上に広げながらと大変苦労を強いられ、また煩わしくなっているという問題点があった。
【0005】
また、従来のコンピュータ用キーボードは、両手入力を主眼としている為に、入力中は両手を揃えた一定の姿勢を長時間保たなくてはならない。その事が腕・肩・腰の負担を多くし、疲労の原因となっているという問題点があった。
【0006】
更に、従来のコンピュータ用入力装置としてのキーボードにおいては、タイプライタの流れを踏襲したキー配列となっており、キー配列の不規則性、及びその数の多さによって、タッチタイピングが出来るのは小数の人に限られてしまう。 その為に多くの人では、キーと表示画面を目で追うことによる、文脈思考のスムーズな流れに遮りが生じるという事と、原稿・資料をもとに両手入力をしようとすれば、視線の移動により原稿・資料の参照位置とを見失ってしまうという問題点があった。
【0007】
又、従来のコンピュータ用キーボードにおけるキャラクター入力用キーには、それぞれのキーに割付けられたキャラクターが、キートップ或いはキーサイド等に表記されている。その為に例えば、日本で一般的に販売されているQWERTY配列のキーボードでフランス語を入力しようとすれば紛らわしくなり、AZERTY配列のキーボードに変更を余儀なくされるというような、同一キーボードでの多言語入力に不便をきたすという問題点があった。
【0008】
更に、従来の様々な使用を目的としたデスクトップ型コンピュータにおいては、キーボードは常設され共用される。その為に他人がタッチしたキーに不潔感を感じる人があるという問題点があった。
【0009】
又、従来のコンピュータにおけるセキュリティの対策としては、パスワードによる対応があるが、パスワードの解読・流出による機密漏洩・ホームページの書き換え・入力者確認の曖昧さという問題点があった。
更に、従来のコンピュータ用入力装置としてのキーボードは、キーの数が多く、また両手入力を主眼としている為に、形状デザインの制約が多いという問題点があった。
【0010】
又、従来の携帯型機器に使用されている手書き入力装置は、手書き入力文字の個人差による機器の文字認識能力の限界から誤字入力が多くなってしまい、入力確定までに時間がかかり、また入力スペースを表示機に設けた場合には、表示スペースが狭まる事と、入力ペンによる画面の摩滅により画面表示が見づらくなるという問題点があった。
【0011】
そして、数字キーを使ってキャラクター入力を行うものが2通りあり、携帯電話に多く使用されているが、1つ目の方式は、1個のキーに数種類の文字・記号が割当てられており、そのキーを割当てられた回数分押下してキャラクターを選択する方式である。
この方式だと、キー押下の回数をカウントをするか、あるいは表示部を凝視する必要があり、押下回数をしばしばオーバーしてしまい、再表示するまで押下を繰り返さなくてはならない。
【0012】
また、同じキーに割り当てられたキャラクターを連続入力する場合には、カーソルキーで入力桁を移動するか、あるいは指定時間後の入力となる為に、入力スピードが落ち、煩わしくなるという問題点があった。
2つ目の方式としては、二桁の数字の組み合わせによりキャラクタを選択する方式である。この方式だと1キャラクター入力に2回のキー押下が必要であり、入力スピードに劣ってしまい、又、文字を数字に置き換える事により文脈思考に乱れが生じてしまうという問題点があった。
【0013】
音声入力装置は、キーボード操作の煩わしさが無く、将来の入力装置として注目されているが、使用環境が限定されてしまうという問題点がある。即ち、多人数の職場においては、一層の騒々しさを生み、また秘密を要する入力は出来ない。又、携帯電話と同様、電車のなか等、公衆の場所での入力は控えざるを得ない。以上のような第三者がいる場合の制約の他に、全く一人だけの環境であっても、独り言のように発声する事はためらいと恥じらいを感じるものであり、入力する事に抵抗感が生じるという問題点があった。
【0014】
従来、盲人および聾唖者さらには盲聾者の伝達手段はまちまちであり、障害が異なる人同士の直接対話を困難なものとしている。健常者においても、障害に合わせた伝達手段を特別な教育の元に習得する必要があり、手話や指点字等を会得している人はごく少数の人達である。このように障害が異なる人達の間で、更には幅広い健常者との間で、手軽に行える共通した伝達手段が無いという問題点があった。
【0015】
従来の視覚障害者用点字キーボードにおいては、両手入力となっている為に、ピンディスプレーによる入力文字の同時確認が出来ないという問題点があった。また、盲聾者の伝達手段である指点字においても、両手を使用する事から窮屈な伝達姿勢を取らざるを得ないという問題点があった。
【0016】
この発明は以上のような問題点を解決するためになされたものであり、入力装置を片手の指5本で操作出来るものとする事で、入力装置の小型化を可能にし、デスクワーク環境の改善を図るとともに、入力姿勢の制約からの解放を可能とする。
又、コンピュータからの着脱を容易とした携帯型とする事で、入力装置のパーソナル化を実現させるとともに、パーソナル化された入力装置にIDを記憶させて、入力者の特定をパスワードと併用する事によるセキュリティ対策の強化を図ることを目的とする。
更には、視覚障害者の入力に便利な入力装置を提供することをも目的とする。
【0017】
又、入力装置におけるキーの配列として、障害者のバリアフリー化を図る為に、入力装置への文字入力の方法を視覚と触覚の両方の認識を可能とするキーを配列するとともに、タッチタイピングが容易に行え、操作性の良いキー配列とすることを目的とする。
又、従来のフルキーボードの入力能力を満たす事の出来るキー配列とするとともに、手の様々な形態に合わせた形状の入力装置であっても、また携帯型情報機器の入力装置としても、入力方法が変わらないキー配列とすることを目的とする。
更には、入力言語システムが変わっても支障の無いキー配列とすることを目的とする。
以上のような目的を達成するために、キーコード入力を主とする事の出来るキー配列とし、更にはキーコード入力の為のキーコード表は、覚え易く操作性の良いものを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る片手入力装置のキーの設定方法は、CPUがプログラムソフトを処理することにより、多点入力が可能なタブレットまたはタッチパネル等のキー操作面に片手入力指5本の指先が自然に接触する位置に、ホームポジションキー5個を配列するとともに、更にホームポジションキーから夫々の指の移動が可能な方向に入力指を割り当てて配置した複数のキーからなる、予め設定して記憶装置に登録したキー配列の各キーを、使用者のキー配列の設定操作ごとに、使用者に適した位置に設定するものであって、予め設定して登録したキー配列のキーのそれぞれは、キーの区画を決める複数の区画点とそれぞれのキーの区画内に設けた基準点1個とで構成し、記憶装置内にはキー操作面に固定されたものとしてキー操作面座標軸が設定されており、
第1ステップとしてキー操作面に片手入力指5本の指先を同時に接触させた際の人差し指と薬指の接触位置に相当する位置に、人差し指と薬指のホームポジションキーの基準点をキー操作面座標軸の座標値により予め記憶装置内に位置登録し、更に、キー操作面座標軸における人差し指と薬指のキー基準点を通過する直線及び薬指のキーの基準点において直線と直交する直線とによって形成されるキー配列座標軸を、記憶装置内にキー操作面座標軸に重ねて設定するとともに、その他の指のホームポジションキーの基準点はキー配列座標軸の座標値、ホームポジションキー以外のキーの基準点はそれぞれに割り当てられた指のホームポジションキーの基準点とのキー配列座標軸による座標差、更には各キーの区画点は関連するキーの基準点とのキー配列座標軸による座標差により、キー操作面座標軸に対する位置が記憶装置内に予め登録されており、
次に第2ステップとして、新たに使用者に適したキー配列をCPUが行うに際して、キー操作面への新たな片手5指の指先の接触面それぞれの中央近辺に接触面の基準点各1点を、プログラムソフトによってキー操作面座標軸に作成し、更にプログラムソフトによって作成した接触面の各基準点の位置に基づいてそれぞれの指の種類を判断し、更にプログラムソフトによって第1ステップにおいて予め登録されている各ホームポジションキーの基準点を、接触面の基準点の指の種類と位置に一致するようにキー操作面座標軸に移動させ、人差し指と薬指のホームポジションキーの基準点の移動に伴って第1ステップにおいて設定されたキー配列座標軸も、プログラムソフトによって設定方法で新たに設定してキー操作面座標軸に対して移動させ、更にプログラムソフトによってホームポジションキー以外のキーの基準点を、新たに設定して移動させたキー配列座標軸に予め登録した該当するホームポジションキーからの座標差で位置を決めてキー操作面座標軸に対して移動させ、予め登録した全てのキーの基準点が上記する方法で移動したことに伴い、更にはプログラムソフトによって、各キーの区画点も、新たに設定して移動させたキー配列座標軸に予め登録した該当するキーからの座標差によって位置を決めてキー操作面座標軸に対して移動させ、更にはプログラムソフトによって、キー操作面座標軸に対して移動した各キーの区画点の位置を、キー操作面座標軸の座標で設定する事により、キー操作面に、使用者のキー配列の設定操作ごとの各指先の接触位置に各指のホームポジションキーを配置する事と、各指のホームポジションキーから移動方向を定めたキーの移動方向と距離が変わらない事を特徴とする片手入力装置のキーの設定方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による入力装置を示す斜視図であり、入力装置は、その形状デザインを多種多様とする事が出来るが、デザインが違ってもキー配列と入力の方法は変わらない。
多種多様なデザインの中から、キー配列の状況が最も分かりやすい形状となる入力装置を図3に示し、入力装置の好ましい形態を記す。
【0020】
この入力装置21は、平面体に手と指を当てる入力形態としている。
左手用を例とした入力装置で単体とし、キー構造は接触式のものとしている。入力装置21のキー操作面には14個のキーが配列されており、筐体内には入力装置21の諸設定の設定値を記憶する記憶装置が具備されている。
【0021】
入力装置21の諸設定を行うプログラムソフトとキーコード表は、記憶媒体か筐体内の記憶装置に記憶されたものとし、CPUによる処理を、入力装置21に具備されたCPUか、出力先CPUによって行うものとしている。
ポート22は、出力先機器と接続する為のものであり、メモリーチップ23は、IDを登録した着脱式メモリーチップである。
ポジションサポート24とレスト25は、一体化されたものであるが、入力装置21とは別の補助具であり、参考に図示したものである。
【0022】
14個のキー配列は、次の様に行われている。入力装置21のキー操作面に、左手の指5本の指先が自然に接する位置に、それぞれのホームポジションキーを配列している。
図においては、キー1が親指、キー2が人差し指、キー3が中指、キー4が薬指、キー5が小指のホームポジションキーである。
【0023】
各指にはそれぞれのホームポジションキーからの移動方向が定められて、更に1方向に1個のキーを配列している。親指には、第1関節を開く方向にキー11と閉じる方向にキー12を、人差し指は中指に対して反対側ヘ広げる方向にDeleteキー6と指を伸ばす方向にAltキー7を、中指は指を伸ばす方向にShiftキー8と、折り曲げる方向にEscキー14を、薬指は指を伸ばす方向にCtrlキー9と、中指に対して反対側ヘ広げる方向にNum Lockキー10を、小指は薬指に対して反対側ヘ広げる方向にBack Spaceキー13をそれぞれ配列している。
【0024】
親指に割り当てられた3個のキーと他の指のホームポジションキーの合計7個は、単独または5個までの重複入力によってキーコードを入力する為のキーである。親指に割り当てられた3個のキーは、何れも他の指のホームポジションキーとの組み合わせ入力を可能としたキー配列となっている。
【0025】
キーの数が少ないほどにタッチタイピングを容易とし、また入力装置を小型化できる。しかしフルキーボードの入力能力と操作性を保つ為には、キーの数を多くするほどに良い。
本発明の入力装置におけるキー配列数14個は、前記の相反する目的を折衷するものとしている。先ず、キー操作面に5本の指先が自然に接する位置に各指のホームポジションキーを定め、次に各指先がホームポジションキーから容易に移動出来て分かりやすい方向である、指を延ばす・折り曲げる・横に移動する方向に、1方向につき1個のキーを配列している。人差し指と薬指は、指を折り曲げる方向への移動も容易に行えるが、本発明は入力装置の形状デザインの多様性も目的としている事から、その方向ヘのキー配列を施していない。
【0026】
即ち、後述する球面状のものを掌で包み込むようにして、中指を折り曲げて指先が接する位置と、人差し指と薬指を同様に行った時の接する位置が重なりやすくなるからである。
小指はやや動かし辛く、タッチタイピングを不得手とする為に1方向だけとし、その方向は指先を横に広げる方向を基本とするが、入力装置のデザインによっては折り曲げる方向とする事も出来る。
以上の様に親指から薬指までは、ホームポジションキーを含めて2方向3キー、小指は1方向2キーとしており、タッチタイピングが容易な最大キー配列数と成っている。
【0027】
聾唖者・盲人・盲聾者それぞれにおける伝達手段は、障害の種類によって異なっている。
障害の異なる人同士の直接対話は、伝達手段が異なる為に現状では困難なものとなっている。従来の手話・指文字は、視覚を主とした伝達手段と成っている為に、「触読手話」という方法があるとしても、聾唖者・盲人・盲聾者間での対話を不便なものとしている。
【0028】
点字を利用した「指点字」においては、両手を使用した6打点式であり、伝達姿勢の制約を受けやすい。
どちらの方法であっても特別な教育のもとでの習得が必要である。
健常者においても然りであり、どちらか一方の方法であっても習得者は少数の人にとどまっている。
【0029】
本発明による入力装置21を片手で入力できるものとし、各指のホームポジションキーを中心とした1〜5本の指の組合せによるキーコード入力を主とし、キーコード及びキー入力を、視覚と触覚による認識を共に可能とするものとすれば、障害が異なる人たちの間で手軽に行える共通の伝達手段(以降この伝達手段を「キーコード式指文字」と称する)とする事が出来る。
更には、障害者と健常者が共に、コンピュータ及び情報機器の操作を通じて共通の伝達手段を習得する事が出来る。
【0030】
キーコード式指文字において、図1のキー配列に従い、送話者が片手5本の指先を単独或いは複数組み合わせて盤面(皮膚)に接触させた時、どの指先が何所に接触しているかを受話者が視覚認識する事は、指の組合せによる手の表情だけでも十分に行える。しかし、受話者が素早く触覚認識できる体の部位は限られている。聾唖者が盲人にキーコード式指文字伝達を行う場合に一番適している接触部位は、指点字の様に手の各指の付け根から指先にかけてである。
【0031】
図2はこのキーコード式指文字を説明するための図であり、受話者の右掌を例に、前述におけるキーコード入力を行う為の7個のキーに基づく、触覚認識に適した接触位置を示す。送話者の指の種類が、受話者の指の接触位置と同じ指の種類となる様に伝達を行う。図中における斜線部分は、送話者が左手の5本の指先で複数同時に接触しても、受話者がそれぞれの接触位置の違いを認識できる部位である。符号201・211・212は、送話者が親指の伝達位置を変えて接触した位置であり、親指をそれぞれの接触位置に変えても他の指と組み合わせて同時接触を可能とする接触位置である。
【0032】
このようにキーコード入力用キーを7個とし、その配列位置は各指のホームポジションキーと親指を移動させる2個のキーとしている。以上に示した様に、入力装置21へキーコード入力する為の指の組合せと、図2に示すようなキーコード式指文字の指の組合せを同じものとする事により、コンピュータ及び情報機器の入力手段と各種の障害者間における伝達手段を共通のものにすることができる。
【0033】
従来のフルキーボードである109キーボードからのキー入力可能数は、109個のキーと、シフト機能による48個のキャラクタキーと3個の特殊キー、及び機能変換によるテンキーの15個で、合計175通りとなっている。また、盲人及び盲聾者の為の点字及び指点字は6打点式であり、点の組合せは63通りある。5本の指による組み合わせ数は31通りであるが、どれかの指(図1では親指)を移動して、更に移動しない他の4本の指と組み合わせれば16通りの組み合わせ数が増加する。
【0034】
ホームポジションキーからの移動方向を2方向とすれば、32通りの組み合わせ数が増加し、合計63通りとなり点字及び指点字と同数になる。63通りの組み合わせ数を、Shiftキー8とNum Lockキー10によって2通りにシフトさせれば、63×3=189となり、109キーボードの入力可能数を満たす事となる事から、キーコード入力用キーを7個としている。
【0035】
キーコード入力用のキーは、各指のホームポジションキー5個と、親指で移動入力する2個のキー11,12としている。キーコード入力用キーは、キーコード入力のために重複入力が行われ、最も多用されるキー群である。1〜5本の指でキーコード入力を行うには、ホームポジションキーが適している事はいうまでも無いが、他の2個のキーに付いては、移動させるには親指が一番運動性があり、また親指をホームポジションキーから他のキーへシフトしても、他の指のホームポジションキーとの重複入力を容易としている。
キーコード入力用のキー7個は、以上の理由によって割付が行なわれている。
【0036】
前述のキーコード入力をする為のキーは、複数キーの同時入力が主となるものである。複数の指で指定されたキーを同時に入力しようとすれば、指同士間に時間差が生じやすく同時入力を困難とする。
キーコードの迷いが生じた時には、その時間差は更に広がる。ところがキーから指を離す時にはほぼ同時の動作ができる。
【0037】
以上の事から入力装置21は、上記のキー以外の単独キーにおいても、キー入力の性格を統一する為に、全てのキーにおいてキーの入力の確定時を、全てのキーがキーオフとなる直前に入力をされていたキーをもって入力確定されるものとしている。
【0038】
しかし、キーから指を離す時においても指同士間に微小な時間差は生じ、また個人差もある。全てのキーがキーオフとなる直前の時間、つまり入力を所望する複数キーの入力がオーバーラップされている時から全てのキーがオフとなる時までの時間を、ユーザが初期設定出来る事としておき、ユーザに合わせた最適な使用環境を整える事ができるものとしておくと更に良い。
初期設定値は、入力装置21の記憶装置に記憶されるものとしておく。
【0039】
キーコード式指文字においても同様の事が言える。伝達する指の組み合わせが同時に揃わなかった時には、視覚による伝達の場合には揃った段階で一瞬間をおいてから指を離す。触覚による伝達の場合には、揃った段階で少し強く接触をする。どちらの伝達においても、全ての接触が絶たれる直前の指の組み合わせを伝達とするというようなルールを定めておけば、伝達は確実なものとなる。
【0040】
入力装置21においては、前述までに述べた片手で入力できる14個のキーを配列し、単独キーとして配列されていないコンピュータ及び情報機器の制御及び入力に必要な機能とキャラクタは、キーコードに割り付けるものとしている。
【0041】
前記した様に、63通りのキーコードをシフトさせるためのShiftキー8を単独キーとして設ける。
Shiftキー8の割り付けは、キー3から中指を伸ばす方向のキーに行う。
【0042】
Shiftキー8の使用頻度は多く、指の伸縮動作が頻繁に行われても、中指は手の中央部に有る為に手全体の入力ポジションの確保がし易く、ホームポジションキーから指を折り曲げるよりも伸ばすほうが入力動作として行い易いからである。
Shiftキー8によらない63通りのキーコードを「シフトオフキーコード群」、Shiftキー8によって入力される63通りのキーコードを「シフトオンキーコード群」と総称し、以降その名称を使用する。
【0043】
入力装置21は、片手入力装置であるために、シフトオン入力キーコード群のキーコード入力、或いはショートカットキー入力時等に、Shiftキー8の同時入力が行えない。
その問題の解決策としてShiftキー8を、3通りの入力操作により、3通りの作用をするものとしている。3通りの入力操作と3通りの作用は、以下の様にすると良い。
【0044】
即ち、1通り目は、定められた入力継続時間未満での入力確定では、次の入力がシフトオン入力キーコード群のキーコード入力のみとなるものである。
2通り目は、定められた入力継続時間以上での入力確定では、従来からある固定キー機能(Shiftキー8が押されたままの状態)となり、非モデファイキーの入力確定までキーロックされるものである。
【0045】
3通り目は、Shiftキー8の定められた入力継続時間以上での連続2回入力では、従来のキーロック機能(Shiftキー8が押されたままの状態)となり、上記同一入力操作が行われるまでキーロックされるものである。
なお、2通り目と3通り目の操作は、1通り目の操作と併用(即ちキーロック中にシフトオンキーコード群の入力を可能とする)できるものとなっている。
また、3通りのそれぞれの入力操作によって入力状態が継続中に、Shiftキー8の定められた入力継続時間未満での連続2回入力が行われると、入力状態がキャンセルされるものとなっている。入力操作における定められた入力継続時間は、ユーザが初期設定をして、設定値を入力装置の記憶装置に記憶できるものとしておくと良い。
片手入力装置である事から、キーコードとの同時入力が行えないShiftキー8の配列であっても、以上の3通りのキー操作による作用により、キーコード、ショートカットキー或いは範囲指定等の入力を支障無く行う事が出来る為に、従来のフルキーボードの能力を満たすものと成っている。
【0046】
Shiftキー8の3通りの入力状態は、出力先の画面表示に表すものとすれば、入力操作に優しいものとなる。
例えば、シフトオン入力グループの入力状態では、カーソルの表示色を変えたり、又、固定キーとキーロックでは、文字またはシンボル表示で表示色を変えて、タスクバー等に表示を行う等である。
【0047】
入力装置におけるシフトオン入力グループに割り付けられたキーコードを、図2に示したキーコード式指文字で伝達を行う場合には、中指を伸ばしたShiftキー8位置ヘの接触表現で行う事が出来る。
従来の点字及び指点字においては、数字等を表す場合に文字の前に「符」をつけて文字種の違いを表している。拗音等の表現も同様に行われている。
【0048】
その「符」は6打点を使用して表されているが、キーコード式指文字では、Shiftキー入力を「符」に相当するものとして伝達をする事が出来る。
図2の例においては、接触する関節の位置203を中指の指先側に変える事で、触覚認識を容易とする。視覚認識においては、中指を伸ばして盤面に接触させる時、他の指も自然と伸びる為に手全体の表情で簡単に認識をする事が出来る。
【0049】
Deleteキー6とBack Spaceキー13をキー2から人差し指を横に広げる方向と、キー5から小指を移動するキーにそれぞれ割り付ける。
編集作業においてBack SpaceとDeleteは、同様の機能をしながら作動方向を逆としている事から、作動方向と入力手の左右による人差し指と小指の方向を統一する為に、右手入力装置では人差し指にBack Spaceキーを、小指にDeleteキーを割り付け、左手入力装置ではその逆とするものを基本としておく。
本発明入力装置は、様々な手の入力形態に対応した形状のものとする事が出来る事を目的としているから、同じ側の手であっても、掌を手前に向ける形態か反対側に向けるかで指の方向が変わる為に、その割り付けはユーザが初期設定できるものとする。
【0050】
Back Spaceキー13とDeleteキー6を単独キーとした理由は、以下による。
キーコード式指文字において文字伝達のミスが生じた時には、即座に直前の伝達文字の取り消しを行う必要があり、取り消しの伝達は認識しやすく容易に行える事が望ましい。
キーコード式指文字だけの取り消し表現であるならば様々に行う事が出来る。しかし本発明においては、キーコード式指文字の伝達方法と入力装置21への入力方法の統一を行う事も目的としている事から単独キーとし、キーコード式指文字にも適用できるものとしている。人は否定を表現する時に手全体を小指側へ動かす仕草で表す事がある。
【0051】
小指を動かした位置での入力(伝達)とする事で、取り消し表現を自然な動作で素早く行う事が出来る為に、入力装置21のBack Spaceキー13またはDeleteキー6を、小指を移動させたキーに割り付けている。
キーコード式指文字で取り消しを伝達するには、Back SpaceとDeleteの両方を必要としない。またコンピュータのOSによっては、Back Spaceキーを設けていない入力装置も使用されている。
【0052】
しかし本発明入力装置21では、Deleteと同意義的な機能であり、入力装置21の操作性をよくする事から、Back Spaceキー13をDeleteキー6と対となるキー配列としている。Back Spaceを使用しないOSには、そのキーに他の機能を割り付けると良い。キーコード式指文字での取り消し(削除)方法は、視覚認識の為には、自然な仕草通りに手を小指側へ動かして小指を盤面に接触させて行い、触覚認識においては、図2に示す小指の接触位置205の掌部分か、小指から掌にかけての側面とすれば、伝達と認識は共に容易に行える。
又、Deleteキー6及びBack Spaceキー13ともに、リピート機能を有するものとしておくと良い。
【0053】
Escキー14を、キー3から中指を折り曲げる方向に割り付ける。Back SpaceとDeleteは1文字ずつの取り消し(削除)であるが、キーコード式指文字においては、更に広い意味での取り消し、あるいは否定又は拒否を簡単に素早く表現(伝達)出来る事が必要である。入力と伝達の方法を同一化する為に、入力装置21にEscキー14を単独に設ける。
【0054】
キーコード式指文字の触覚認識において、中指の指先を掌の中央部に当てられると、前述における取り消し伝達の触覚よりも強く感じられるものであり、また送話者においても中央の指を1本相手に突き当てる表現となり、自然な拒絶的表現と結びつく。
また後記するが、肯定あるいは同意を表現する為のEnterの伝達表現と相俟って、視覚・触覚ともに認識と伝達が容易なものとなっている。
【0055】
Altキー7とCtrlキー9は、他のキーまたはキーコードと併用して使用されることから単独キーとしているホームポジションキーから、人差し指を伸ばす方向をAltキー7、薬指を伸ばす方向をCtrlキー9とし、中指を中心とした3個のモデファイキーの配列とする事で、分かりやすく、操作性の良いものとしている。
Altキー7とCtrlキー9は、2通りの入力操作により2通りの作用をするものと成っている。
1通り目は、定められた入力継続時間未満での1回入力で従来の固定キー機能となり、非モデファイキーの入力確定までキーロックされるものである。
【0056】
2通り目は、定められた入力継続時間以上での入力でキーロック機能となり、上記同一入力操作が行われるまでキーロックされるものである。
尚、1通り目と2通り目の入力状態において、定められた入力継続時間未満の連続2回入力が行われると、入力状態がキャンセルされるものとなっている。
片手入力装置である事から、キーコードとの同時入力が行えないAltキー7とCtrlキー9であっても、以上の2通りのキー操作による作用により、従来のフルキーボードにおけるショートカットキー入力等の能力を満たすものとなる。
キーの入力状態を、出力先表示機に文字またはシンボルでタスクバー等に表示をさせれば、入力操作に優しいものとなる。
【0057】
Num Lockキー10を、薬指を中指に対して反対側ヘ広げる方向のキーに割り付けている。Num Lockキー10は、3通りの入力操作によって、3組の入力グループをそれぞれ他の3組の入力グループに切り換えを行うものである。1通り目の定められた入力継続時間未満での入力確定では、後述するノーマル入力グループがニューメリックロック・ノーマル入力グループに切り換わり、再び同操作が行われると元のノーマル入力グループに切り換わる。
【0058】
2通り目の定められた入力継続時間以上での入力確定では、後述するアウト入力グループがニューメリックロック・アウト入力グループに切り換わり、再び同操作が行われると元のアウト入力グループに切り換わる。
3通り目の定められた時間以内での連続した2回の入力では、後述するイン入力グループがニューメリックロック・イン入力グループに切り換わり、再び同操作が行われると元のイン入力グループに切り換わる。入力操作の違いにより、入力グループを選択して切り換えが行えるものとしている。
【0059】
Num Lockキー10は、キーコード式指文字に使用する場合には、Shiftキー8と同様に「符」として使用し、図2における受話者の接触位置としては、小指の指先部分に行うことにより、触覚認識とまた送話者の伝達を容易とする事が出来る。
【0060】
入力装置21においては、従来のキーボードにおけるところの「Enter」を単独キーとして配列していない。
本発明入力装置21では、「Enter」を5個のホームポジションキーによるキーコードに割り付けるものとしている。
人は自分自身が納得した時、或いは他の人に何かを伝達して念押しをする時などに、掌か5指の指先を、何かに或いは伝達相手に押し当てるか、軽く殴打をする自然な動作がある。
【0061】
キーコード式指文字による伝達において、了解或いは肯定表現として上記の伝達表現を用いる事により、送話者・受話者共に感情を込めた伝達・認識が行い易くなる。本発明入力装置21における入力においても、キーコード式指文字と入力(伝達)方法の統一を図る事と、自然な動作として「Enter」入力を行う事が出来る為に、全てのキーコード表に共通して、上記のキーコードに割り付けるものとしている。
【0062】
「Space」は、スペースの入力と、日本語入力システムにおける漢字変換機能の入力として多用される事と、キーコード式指文字において、点字と同様の「分かち書き」と共通なものとする為に、本発明入力装置21では、キー12を1個だけ入力するキーコードに割付ける事としている。
キーコードへの割付けであるが、親指を閉じて指1本による入力となる事から、単独キーと変わらない入力となり、頻繁に入力操作が行われても容易なものと成っている。
【0063】
キーコード式指文字における日本語伝達においても、1文字ずつの伝達である事から、文節の連なった会話においては、点字及び指点字における「分かち書き」と同様に、文節毎にスペースで区切って伝達を行う必要がある。キーコード式指文字を会話としてリズム良く伝達するには、「Space」の伝達と認識を容易なものとしていることが望まれる。
【0064】
伝達においては、入力装置21の入力操作と同様に、親指1本による簡単なものである。視覚認識においては、親指を閉じることで親指が他の指に隠され、他の指4本が空を打つ感じとなる為に「スペース」的イメージを強くする。
触覚認識においては、図2の親指を閉じて接触した位置212を、送話者の親指の側面だけが接触する事となり、確実な認識を容易としている。
「Space」のキーコードは、全てのキーコード表において共通なものとする。
【0065】
前記した7個のキーによる63通りと、Shiftキー8によるシフトされた63通りの合計126通りのキーコードは、親指に割り当てられた3個のキーの入力状態とシフト機能により6組の入力グループに区分している。各入力グループには、名称を付して以降その名称を使用する。キー1〜5の各キーの単独、或いは組み合わせ入力の31通りを「ノーマル入力グループ」、ノーマル入力グループをシフト機能入力する31通りを「ノーマルシフト入力グループ」、キー11の単独、或いはキー2〜5との組み合わせ入力の16通りを「アウト入力グループ」、アウト入力グループをシフト機能入力する16通りを「アウトシフト入力グループ」、キー12の単独、或いはキー2〜5との組み合わせ入力の16通りを「イン入力グループ」、イン入力グループをシフト機能入力する16通りを「インシフト入力グループ」と称する。
【0066】
更に、Num Lockキー10の3通りの入力操作によって切り換わる3組の入力グループを次の様にし、名称を付して以降その名称を使用する。ノーマル入力グループが切り換わる31通りのキーコードを有する入力グループを「ニューメリックロック・ノーマル入力グループ」、アウト入力グループが切り換わる16通りのキーコードを有する入力グループを「ニューメリックロック・アウト入力グループ」、イン入力グループが切り換わる16通りのキーコードを有する入力グループを「ニューメリックロック・イン入力グループ」と称する。以上の9組の入力グループにおけるキーコードの合計数は、189通りとなる。各名称は、キーコード式指文字にも使用する事により、入力装置と共通した学習を容易とする事ができる。
【0067】
以上のように、この発明の入力装置21は、189通りのキーコード入力が可能である。更に特殊キー7個のうち、Shiftキー8とNum Lockキー10は前記のとおり3通りの入力操作による切換えが可能であり、又、Altキー7とCtrlキー9はそれぞれ2通りの入力操作により2通りの作用が行われ、これに加えてDeleteキー6、Back Spaceキー13、Escキー14による操作を加えると、これら特殊キー7個による入力数は、13通りである。よって両方の合計数は202となる。
従来の入力装置の標準データ伝送は8ビットであり、ビット組み合わせ数は256である。
入力装置21はその数を超えるものではなく、また109キーボードの入力可能数175を満たすものである事から、フルキーボードの入力能力を満たすタッチタイピングが容易な片手入力装置を提供することができる。
【0068】
以上に示した様に入力装置21は、片手の指5本にそれぞれ割り当てられたホームポジションキー5個を中心とした、合計14個のキー配列となっている。
主となるキー入力は、指の組み合わせによるキーコード入力であり、特殊キー7個は入力指が割り当てられて、各ホームポジションキーから分かりやすい移動方向に、1方向につき1キーの配列となっている。
【0069】
本発明入力装置21は、指の組み合わせと数少ない指の移動方向を覚える事で、タッチタイピングを容易としており、従来の入力装置の様にキートップを必ずしも視線の方向へ向ける必要が無い。
また、複数の指による同時入力が多くなる為に、キー構造は挿下式のものよりも接触式の方が好ましいものとなる。
更には、入力指の移動もごく限られた範囲であり、入力手のポジションの移動も無い事から、入力装置21は入力手の様々な形態に合わせて多種多様な形状の入力装置とする事が出来る。
【0070】
物体の形は様々である。平面体・立方体・直方体・球体・多面体・柱体・錐体等であり、それらが組み合わさって更に様々な形を成す。物体の表面も平面であったり曲面であったり凹凸を成したりと様々である。大きさに関しても大から小まで境界は無く、それらが複雑に組み合わさって種々雑多な形の物が存在し、また作り上げる事が出来る。様々な形の物体に手と指が対した時、手と指は物体に合わせて色々な形態をとることが出来る。当てる・添わせる・握る・摘まむ・覆う・挟む等である。
【0071】
また、その時掌の向きを伏せる・立てる・上向きにすると言った状態にする事が出来、更には腕の動きと相俟って指先を前方に・横向きに・上方に・下方にと向けることが出来る。前述した様に、本発明入力装置は、キートップの向きを必ずしも視線の方向へ向ける必要が無い事と、入力ポジションの移動が無い事から、手と指の形態に合わせた、或いは物体の形に合わせて片手の指5本が接触し得る物で、14個のキー区画を成し得るものであれば、本発明入力装置の形状デザインとする事が出来る。
【0072】
本発明入力装置の入力の形態となり得る基本例を、物体に対した時の手と指の形態図として図3に示す。手と指で(A)は平面状の物に当てた場合、(B)は直方体の角に添わせた場合、(C)は円柱を握る形をとった場合、(D)は棒を摘まんだ場合、(E)は球面状の物を覆った場合、(F)は平面状の物を挟んだ場合を図示している。
【0073】
図3における(C)・(D)・(F)例の様に、親指が他の4本の指と対峙してキー入力する形状となる入力装置の場合は、(A)・(B)・(E)例とは親指に割り当てるキー1・11・12の配列を変えるものとする。
図3における(A)から(B)、(B)から(C)、(C)から(D)へと手と指の形態を連続して変化させて行く時、親指に割り当てられた3個のキーを想定して親指を動かせば、(A)・(B)例に比して(C)・(D)例においては、キー11がキー1よりも小指側となる。
【0074】
親指が他の指と直列的に動作する(A)・(B)例においては、キー11はキー1の小指の反対側である。キー11と12の入力状態によって本発明入力装置は、キーコードの入力グループに「アウト」と「イン」の名前を冠して区分している。その為に手と指の形態がどのような状態であろうとも、親指の第1関節が内側へ折り曲げられる方向が「イン」、その反対側を「アウト」と人は意識しやすい。
【0075】
図3における(C)・(D)・(F)例の様に、親指を他の4本の指と対峙させてキー入力するデザインとなる入力装置の場合は、キー1に対して小指側にキー12を、その反対側にキー11を配列するものとすれば、親指の第1関節の動かしと相俟って自然なキー操作が行えるものとなる。
【0076】
このように、本発明入力装置の形状デザインを多種多様とする事が出来るが、設置場所の制約も少ない事から、更にバリエーションの豊富な入力装置とする事が出来る。入力手の届く範囲であれば何所でも入力装置の設置場所とする事が出来る。従来のキーボードと同様にデスク面はもちろんであるが、デスクの側面、デスク面と側面を逆L字型に、或いはアームチェアのアームレストの部分、更には膝の上等である。
【0077】
それらの設置場所に合わせた入力装置の形状とする事で、入力姿勢を含めたデスクワーク環境の改善が図れる。例えば入力装置をパッド状のものとして膝の上に置けば、腕をデスク面に置くよりも長時間の入力においては楽であり、またデスク面を資料の整理等の為に広く使う事が出来る。
【0078】
本発明入力装置は、コンピュータ及び情報機器の入力装置として携帯性に優れた単体とする事が出来るが、入力デバイスとしてそれらの機器に初めから組み込まれた同一の筐体とする事も出来る。
図3に例示した入力形態の中から、機器に適した形状の入力デバイスとして組み込む事により、従来の携帯型コンピュータ及び情報機器の携帯性を、或いは操作能力を更にアップさせる事が出来る。本発明入力装置が入力デバイスとして組み込まれた携帯型機器を設置型コンピュータに接続して、設置型コンピュータの入力装置とする事も更に出来る。
【0079】
本発明入力装置が携帯性に優れる事から、入力装置のパーソナル化を進める事が出来る。
ユーザの手の大きさ、或いは趣向に合ったものを個人所有物とし、必要時にコンピュータ及び情報機器に接続して入力操作を行う事が出来るものとしておく。更には、入力装置にIDを登録したメモリチップ等を装着できるものとしておけば、システム側で起動時に、プログラムの節目に、或いは定時的にID確認を行い、パスワードとの併用でセキュリティの強化が図れる。
【0080】
本発明入力装置は、従来のキーボードの様に、キーそれぞれに印字して入力キャラクタが決められているものではなく、入力する指の組み合わせで入力キャラクタを決めるキーコード式としている。
言語入力システムに対応したキーコード表を具備する事で、従来のキーボードの様にキー印字に惑わされることなく、1台の入力装置で多言語入力を容易なものとする事が出来る。
【0081】
タッチタイピングを容易に行うには、各キーの把握とホームポジションキーの保持が簡単に行える事が重要である。各キーのキートップが指先で触感出来る様に、キーの形状或いは材質等を様々に工夫すればその事は容易に行えるものとなる。図1に示した入力装置21は、キートップの形状によってキー位置を触感出来るものとしている。図4に入力装置21の中指に割り当てられたShiftキー8・キー3・Escキー14の断面図を示す。
【0082】
ホームポジションキーのキー3は凹状であり、他のホームポジションキーも同様となっている。Shiftキー8は横に広がった凸状をしており、他のモデファイキーのAltキー7・Ctrlキー9も同様としている。Escキー14は湾曲したキートップが入力指の移動方向に高くなる形状をしており、キー11・キー12・Deleteキー6・Num Lockキー10・Back Spaceキー13も同様としている。
【0083】
以上の様に入力装置21は、キーの性格と入力指の移動方向によってキートップの形状を変えており、触感によって各キーの把握とホームポジションキーの保持が行えるものとしている。
キートップのその他の工夫としては、従来のキーボードの様にキートップに突起部を設ける事や、キートップの中央部と縁に近い部分で表面の柔軟性を変えるとか、材質或いは形状に変化をつける等である。何れにしても各キーの央部か縁部が触感できる事が好ましい。
【0084】
入力中のキーポジションは、前記したキートップの形状等により触感として認識する事が出来るが、連続した入力中に起こり得る手全体のブレを無くする為に、或いは中断後の再入力でのホームポジションキーを視認する事無く確保する為には、レスト等の入力ポジションの保持をサポートするものを具備するか、或いは器具として使用すると良い。
図1に示したレスト25とポジションサポート24は、一体化されたものであり、入力装置21とは別の器具で参考に図示したものである。
【0085】
レスト25は、掌の付け根の部分が置けるものであり、ポジションサポート24は、掌の側面が添わせられるものである。
両方を使用することにより、入力ポジションの保持は確実なものとなるが、それらは必ずしも必要とするものではない。
【0086】
また、レスト25とポジションサポート24の手に当たる部分は定まった部分とはならず、様々な入力形態による入力装置のデザインによっては、入力ポジションを保持し易い位置をその部分とする事が出来る。
例えば、図3における(F)の挟む形態となる入力装置であれば、人差し指の根元に当たる部分をポジションサポートとしてデザインを工夫する事も出来る。
【0087】
入力を開始する時、或いは入力中にキーポジションの迷いが生じた時等には、各指のホームポジションキーの位置確認を指先で行う必要がある。図1に示す接触式キーを採用した入力装置21の場合には、位置確認の為にキーに接触すればキー入力がされてしまう。その問題点は以下の方法によってホームポジションキーの位置確認が何時でも容易に行えるものとして解決している。入力装置21におけるキーの入力確定は、前記した様に、全てのキーがオフとなる直前に入力されていたキーをもってキーの入力確定が成される事から、その機能を利用したものとしている。各指のホームポジションキー全てに指をあてがい接触したまま入力ポジションの修正を行えるようにする。
【0088】
入力ポジションが決まると、何れかの指1本を決められた回数分キーへの非接触と接触を繰り返した後、全ての指を同時にキーから離した時には、キーの入力確定は成されない。つまり「Enter」の入力状態で入力ポジションの確認を行い、例えば人差し指でキー2を3回殴打してから全ての指をキーから同時に離した時には「Enter」の入力確定は行われないとするものである。入力中であっても入力ポジションの不安が生じた時には、何時でも以上の操作で入力ポジションの確認ができる。キーコード式指文字の伝達においても、触覚認識をする人に対して接触位置の確認と、その後からが伝達行為であるという意思伝達が同様に行える。
【0089】
従来のデスクトップ型コンピュータにおけるキーボードは、携帯化及び個人の所有化は想定されていない。前述したように、入力装置はデザインの多様性から、ユーザの手と指の大きさ、入力姿勢及び入力環境、更にはユーザの趣向に合致した多種多様なものとする事が出来る。図1に示した入力装置21は、従来のキーボードに比べてはるかに小型化されたものであり、ケーブルによる接続方式としているが、着脱を容易とする為にポート22を入力装置21に具備したものとなっている。
【0090】
この事により、多人数或いは不特定多数で使用する設置型コンピュータ及び情報機器においても、入力装置の個人所有が可能となる。携帯型入力装置にイヤホン等の音声発生装置を具備すれば、視覚障害者が券売機或いはATM等を操作するときに、使い慣れた入力装置でスムーズに入力操作を行う事も可能となる。
【0091】
このように、入力装置は携帯可能な個人の所有物となる事が想定される。図1の入力装置21は、IDを登録したメモリーチップ23を鍵状にして装着できるものとし、セキュリティ効果を高めたものとしている。出力先システムにおいて、入力装置のIDを登録出来るものとしておき、出力先システムの起動時に、或いは定時的に、またはプログラムソフトの節目において自動的にIDの照合が出来るものとしておけば、パスワードとの併用でシステムの利用者の制限がより強固なものとなる。メモリーチップ23を鍵状にして着脱出来るものとすれば、入力装置を変えても個人情報としてのID登録は1つで済む。
【0092】
本発明の入力装置は、単体として多種多様な形状デザインのものとする事が出来ると共に、携帯型情報機器等に予め組み込まれたものとする事も出来る。ノートパソコンに組み込んだ一例を、斜視図として図5に示す。
入力手は左手とし、キーは接触式で、入力する手の形態は図3における(F)の挟む形としている。従来のノートパソコンは、表示部の下部を蝶番状として、一体化されたキー部と本体部の蓋の役目もさせている。図5のノートパソコンにおいては、ノート型パソコン本体31と、表示部32が一体化されたものであり、ノート型パソコン本体31の上部を蝶番状として、表示部カバー33を取りつけている。
【0093】
表示部カバー33は、図5に示すように、後部へ開いてノート型パソコン本体31の支えになるものとなっている。入力装置34は、スライド式の入力装置取り付けバー35に取り付けられて、ノート型パソコン本体31に収納できるものである。入力装置34は、入力装置取り付けバー35から着脱可能な構造となっており、ノート型パソコン本体31とは、入力装置取り付けバー35に具備されたポートにより接続される。ポート22は、入力装置34を取り外してケーブル等で接続して使用する場合、或いは他の入力装置を接続して使用する場合のポートである。
【0094】
図5に示すように、表示部カバー23を支えとすれば、デスク面等へ置いての使用が可能となり、又、全開してパソコン本体の裏面へ付けてしまうか、表示部カバー32が透明な素材のものであればカバーをしたままで、もう一方の手でパソコンを支持しながらの使用も出来る。本発明の入力装置を入力デバイスとすれば、キーボードによる制約が少ない事から、ノートパソコン本体のデザインも多種多様なものとする事が出来るようになる。図5のノートパソコンに例示する様に、従来の電子モバイル或いは電子辞書類においても採用する事で、機能と操作性を良くし、表示部を大きくして尚且つ全体の小型化等を行う事が出来ると共に、それぞれを他のコンピュータ及び情報機器の入力装置とする事も可能である。
【0095】
図6と図7は、図5の入力装置34を入力装置取り付けバー35から取り外して単体としたものを図示したものであり、図3における(F)の挟む形態となる入力装置の一例としてキー配列を図示したものである。入力装置34は、取り付け溝36によってスライド式に入力装置取り付けバー35に装着出来るものとなっている。
【0096】
ポート22は、入力装置取り付けバー35に装着している時には、入力装置取り付けバー35に具備されたポートと接続されるものであり、取り外して使用するときには、ケーブルを接続するものとなる。図6は親指側の斜視図であり、親指に割り当てられた3個のキー1,11,12が配列されている。真ん中のキーがホームポジションキーとなるキー1であり、入力手の小指の反対側ヘ配列されたキーがキー11であり、小指側ヘ配列されたキーがキー12である。
【0097】
図7は他の指側の斜視図であり、人差し指〜小指のホームポジションキーと、それぞれの指の移動方向に、それぞれの指に割り当てられたキーを配列したものである。入力装置34のBack Spaceキー13とDeleteキー6は、図1の入力装置21とは逆の配列としている。
入力装置34は、掌を手前に向けて入力を行うものとしていることから、入力指の向きと機能の作動方向を同じ方向とする為である。
【0098】
入力装置34は、図1に示した入力装置21とは入力手の形態と入力装置の形状が異なるが、同じ方法で同じキーコード表を使用して入力操作を行う事が出来る。入力装置34を操作するときには、ポジションサポート24を入力手となる左手の人差し指から親指にかけての部分に当てる事により、入力ポジションを安定させる事が出来る。以上に示した形状の入力装置34を単体として、名刺入れサイズ、或いは名刺入れ兼用の入力装置とすれば、ポケットにも入る携帯に便利な入力装置とする事が出来る。
【0099】
本発明の入力装置を携帯電話に組み込んだ一例を、斜視図として図8に示す。入力手は左手で、キーは接触式とし、入力する手の形態は図3における(D)の摘まむ形としている。入力装置37は、丸い棒状でアンテナを兼ね、先端部に送話口38を具備し、スライドして携帯電話本体39に収納できる構造となっている。
【0100】
携帯電話本体39の一端に受話口40を具備している。従来の携帯電話に具備されているキーで緊急性のあるものは、必要に応じて携帯電話本体39の側面等に配置し、操作に緊急性の無いものにおいては、後述の図23〜図31の空きコードに割り付けを行えば良い。図8は携帯電話本体39の一面の殆どを表示部41とした携帯電話である。ポート22は、携帯電話をコンピュータ及び情報機器の入力装置として使用する時に、ケーブルを接続する部分である。
【0101】
入力装置37のキー配列は、丸い棒状の曲面上に施したものである。通常はキートップの面を広くする方が入力が行い易くなるが、入力装置37のキートップは、曲面方向に幅の狭いものとして、キートップとキートップの間を広く取り、各キートップの面の向きが明らかに変わるものとしている。図9は入力装置37の中指に割り当てられたキー3部分の断面図で、キートップの説明を図示したものである。
【0102】
キー1とキー3は、親指と中指によって同時入力もされるものであり、それぞれの指によって摘まみ易い面に配列を行っている。Shiftキー8とEscキー14は、中指によって単独に入力されるキーである。
図9に示すように、各キートップは曲面方向に幅が狭く、その間隔は広く、それぞれの面が互いに違う方向を向くものと成っている。曲面方向に幅が狭いキートップであっても、凸状となる為に接触を確実なものとする事が出来ると共に、キートップ間の間隔が広くて互いに違う方向を向くものとなる事から、他のキーに接触する恐れが無い。
【0103】
Shiftキー8とEscキー14は、中指を伸ばしたり折り曲げる方向のキーであり、キートップの向きがそのままでは入力しづらいものとなる事から、携帯電話本体39を支持する右手の手首を動かして、キートップを入力指に向けてやれば簡単に入力を行う事が出来る。
図8に例示した携帯電話は、携帯電話本体39の入力装置37側の側面をポジションサポート24としており、小指の側面を添わせて入力する位置にキー5を配列している。その為にDeleteキー6は、小指を折り曲げる方向に配列を行っている。
以上が本発明の入力装置を携帯電話に組み込んだ例であるが、入力装置を棒状の単体とすれば、携帯性に優れたペンシル型の入力装置とする事が出来る。
【0104】
本発明の入力装置は、入力手の形態により多種多様な形状デザインとする事が出来ることを示したが、同じ入力手の形態であっても様々なものとする事が出来る。図1に図3における(A)の手と指を当てる形態の入力装置を例示したが、同じ形態で形状デザインを変えたものを図10に例示する。図1の入力装置21或いは従来のキーボードにおいては、爪を長くしている人にとっては操作し難いものである。
図10に示した入力装置42はキー配列面の形状を変化させて、そうした人達も操作を行い易くした入力装置の一例であり、左手専用機で、接触式キーとしたものである。
【0105】
キー配列面43を独立した5本の湾曲したバーとして階段状に設置し、長くした爪がキー配列面43に接触しない形状としている。
キー配列の方法は、図1に示した方法に従って行われている。親指バー44に親指に割り当てられた3個のキー1,11,12を、中指バー45には、人差し指・中指・薬指の各ホームポジションキー2,3,4とDelete・Num Lockキーを、モデファイキーバー46には、Alt・Shift・Ctrlキーを、小指バー47には、小指に割り当てられた2個のキー5,Back Spaceキー13を、Escキーバー48には、Escキー14をそれぞれ配列している。各バーの位置は、手の大きさに合わせたものとすることが出来るように微調整できるものとしている。図1と図10に例示する様に、同じ入力手の形態であっても、全く異なる形状の入力装置とする事が出来る。
【0106】
以上左手専用機をもとに入力装置におけるデザインの多様性を記してきたが、同一装置内に左右の手のキー配列を行い、切り換えスイッチによって入力手を変える事や、切り換えスイッチを設けずに左右同時入力を行う事が出来るものとする事も出来る。更にはポインティングデバイス等と組み合わせた形状とする事も行える。
【0107】
手と指、さらには腕による形態は様々であり、本発明の入力装置をそれらに、或いは用途に合わせた形状とする事ができることは以上に記してきた通りである。本発明の入力装置は、デザインの多様性から、また入力装置単体として個人の所有物となる可能性から、所有者の趣向に合ったデザインとする事も可能である。
設置型入力装置としては、インテリア小物、或いはマスコット様の物、携帯型入力装置としては、従来の筆記具的な物から小物グッズ様の物にまで入力装置とする事が出来る。
【0108】
視覚障害者においては、社会のコンピュータ化及び情報機器化が進めば、従来の自動券売機、或いはATM等にみられるように、機器によって異なる入力装置の為にバリアが益々大きくなる事が予想される。携帯化されて使い慣れた入力装置をそれらに接続可能なものとすれば、バリアを少しでも取り除く事ができる。視覚障害者用の携帯型入力装置には、イヤホン等の音声発生器を具備する事が好ましい。
【0109】
次に本発明の入力装置から、英語入力、日本語ローマ字入力、日本語カナ入力を行う為のキャラクタ用のキーコード表を図11〜図22に示す。図11〜図14は英語入力に適した「英語キーコード表」、図15〜図18は日本語ローマ字入力に適した「ローマ字キーコード表」、図19〜図22は日本語カナ入力に適した「カナキーコード表」である。各キーコード表は、入力グループごとに区分表記を行い、上段にキーコードを下段に入力キャラクタ及び機能を記している。
【0110】
キーコードの数字は、入力装置のキーナンバーを表し、「+」記号は同時入力を行う事を表している。キーコード表は、本発明入力装置から入力を行う為のものであるが、前述したように、本発明の目的の一つとしているキーコード式指文字と共通化できるものとしている。従来の点字及び指点字は6打点式である為に、点字タイプライターによる入力及び指点字による伝達は両手使用を余儀なくされている。本発明に係わる入力及び伝達においては、親指の入力及び伝達位置をシフトさせる事により、片手での入力及び伝達を可能としている。
【0111】
図11〜図22のキーコード表は、文字入力が分かりやすく覚え易いものとなる事に主眼がおかれている。従来の入力装置にキー配列されていて、本発明の入力装置にキー配列されていない機能等は、必要に応じて各キーコード表の空きコードに割付けるものとする。しかし「Enter」と「Space」は、前記した理由により各キーコード表の共通キーコードとして割付けている。
【0112】
図11〜図14は、英語キーコード表であり、ASCII配列キーボードを参考としている。割付方法は以下の通りである。アルファベット26文字は、ノーマル入力グループに小文字の割り付けを行い、同じ指の組み合わせで大文字も入力できるようにノーマルシフト入力グループに大文字を割り付けている。アルファベット26文字を一般的な区切りであるa〜g、h〜n、o〜u、v〜zの7・7・7・5の文字数となる大ブロックに区分し、さらにa〜gをa〜dとe〜g、h〜nをh〜kとl〜n、o〜uをo〜rとs〜uの各4・3の文字数となる小ブロックに区分している。
【0113】
割付構成の基本は、入力(伝達)指の真中になる指である中指のホームポジションキーに割り当てられたキー3を対称形の中心と見做し、ブロック同士が、或いはブロック内の文字同士が対称となるキーコードとしている。a〜gとh〜nの大ブロックでは、ブロック同士が対称となり、小ブロックがそれぞれ同方向からのキーコード(指)の流れとなるようになっている。
【0114】
o〜uは、対称となるキーコードを挟んで連続する文字同士が対称となるキーコードとなり、小ブロックにおいては、中心となる中指の使用状況によって、入力者のキーコード認識を変えるものとしている。v〜zは、連続する2文字同士が対称となるキーコードとしている。全体として大ブロック内のキーコードが、それぞれに似通った指の組み合わせとなるキーコード表である。
【0115】
図11〜図14はキーコードを主体としたものであり、前項の説明によるキーコードの流れが分かりにくいものとなっている。アルファベットの小文字26文字を主体としたキーコード表を図14(a)に示す。表記方法は、上段に文字を下段にキーコードを記しているが、キーコードの表記においては、前述の説明を分かりやすくする為に、ノーマル入力グループのキーを全て表記し、入力するキーを「(3)」の様に丸囲み数字で表している。アルファベットを各ブロックに区分し、キーコードの割付を対称的なものとした事により、分かりやすく覚えやすいキーコード表と成っている。
【0116】
図11〜図14の英語キーコード表のアラビア数字と、それに関連した四則計算記号と「=」は、アウト入力グループに割り付けている。アウト入力グループでの入力は、キー11の入力を必ず必要とする為に、親指側を基準とした割り付けとしている。数字の1を親指の単独とし、2〜5は人差し指〜小指を順番に1本ずつ親指との組み合わせにしている。
【0117】
6〜8は親指を含めた3本の組み合わせとし、人差し指〜小指の組み合わせが隣り合った指同士となるようにしている。9と0の割り付けは親指を含む4本の指の組み合わせとしている。数字全体の割り付けは、親指を中心とした指の組み合わせの流れとなるものとしており、覚え易いものとなっている。アウト入力グループの残った空きコードに、四則計算記号と「=」を割付けたものである。図14(a)と同様に表記したキーコード表を図14(b)に示す。
【0118】
図11〜図14の英語キーコード表のASCII配列キーボードを参考とした記号等は、それぞれの関連性と使用頻度を考慮して前記の空きコードに割付を行っている。「Space」の入力と連続するピリオド等は、イン入力グループに割付けを行ない、括弧類或いは四則計算記号とイメージ的に似た記号、及び「$」と「%」の様に数字入力と関連したものは、アウトシフト入力グループに割付けを行っている。
【0119】
図15〜図18はローマ字キーコード表であり、JIS配列キーボードを参考としている。キーコードの割付に当たってのローマ字方式は、日本式を基本としているが、ヘボン式にも配慮したものとなっている。割付方法は以下の通りである。図11〜図14の英語入力用キーコード表同様に、アルファベット26文字はノーマル入力グループに小文字の割り付けを行い、同じ指の組み合わせで大文字も入力できるようにノーマルシフト入力グループに大文字を割り付けている。入力者がつづり方表を意識出来るキーコード表とする為に、指の組み合わせの基準となる方向を親指側とし、親指〜小指の指1本ずつの入力に母音a〜oを割付けている。
【0120】
清音表記の先頭文字の9字を指2本の組み合わせとし、親指側からの組み合わせの流れとしている。濁音表記の先頭文字の4字は3本の指の組み合わせとし、該当する清音の先頭文字の組み合わせに、小指側隣の指を1本追加する割付としている。半濁音と拗音の先頭文字p・fとcは、関連するh・bとk・tの組み合わせを変化させたものとしている。vはひらがなで「ぶぁ」行・「ぶゃ」行、カタカナで「ヴァ」行・「ヴャ」行を表記するときの先頭文字として使用される為に、bとuの両方の組み合わせと関連性を持たせている。jは関連するzを変化させたものとしている。
【0121】
lとxは小文字入力に使用される為に共に似通った組み合わせとしている。qは使用頻度が少ない為に、やや組みづらい中指と小指の組み合わせとしている。従来のJIS配列キーボードにおいては、長音入力として四則計算記号の「−」を併用しているが、日本語入力では長音入力の使用頻度が多く入力を容易とする為に、ノーマル入力グループにも「−」の割り付けを行い、イメージ的に認識しやすい親指〜薬指の連続した4本の指の組み合わせとしている。以上の割付を図14と同様に表したものを図18に示す。従来のJIS配列キーボードは、ASCII配列キーボードをベースとしている為に、ローマ字入力に適したキー配列となってはいない。本キーコード表は、覚え易くて、ローマ字入力を容易なものとする事が出来るものとなっている。
【0122】
ローマ字キーコード表の数字と四則計算記号等は図11〜図14と同一とし、JIS配列キーボードを参考とした記号等はそれぞれの関連性と使用頻度を考慮して、英語キーコード表の割付け方法と関連を持たせる割付けとしている。
【0123】
図19〜図22はカナキーコード表であり、割り付けに当たってはJIS配列キーボードを参考としている。割付方法は以下の通りである。カナ46文字をノーマル入力グループとアウト入力グループに割付け、濁音・半濁音変換機能と長音記号の割り付けをイン入力グループに割付けている。キーコードを覚えやすいものとする為に、50音表の各行の文字を同一の入力グループに割付を行ない、小字については、大字と同じ指の組み合わせで入力出来る事とする為にノーマルシフト入力グループに割付けている。
【0124】
「あ・か・さ・た・は・や・わ」の濁音・半濁音・小字の有る各行は、濁音等を入力する時に親指のシフト移動を少なくする事と、中指と親指がホームポジションキーから連続して移動しなくても良い様に、ノーマル入力グループに割付けている。その他の各行はアウト入力グループに割り付けを行っている。入力者が50音表を意識出来るキーコード表とする為に、指の組み合わせの基準となる方向を親指側としている。
【0125】
50音表の各行の割付け方法は以下の通りである。50音表と入力(伝達)する各指の関係を分かりやすくする為に、母音「あ〜お」の5文字は、親指から小指側へ指1本ずつのキーコードに割付を行っている。その他の各行に付いては、「あ」段の指の組み合わせを決めておき、各段に付いては「あ」段において入力されるキーの並びが、各該当する母音に割当てられたキーを基点とした位置へシフトする割付けとなる事を基本としている。
【0126】
その場合キーの並びが、キー5の次はキー1に帰る事とする。つまりキーの並びが(1+2+3+4+5+1+2+3+4)となっているものとしている。例えば「あ」段におけるキーコードが「1+3+4」の指の組み合わせを図14で示した表記方法で表せば、((1)+2+(3)+(4)+5+1+2+3+4)となる。「う」段にシフトした場合は、(1+2+(3)+4+(5)+(1)+2+3+4)となり、キーコードは「1+3+5」となる。「お」段においても同様に(1+2+3+4+(5)+1+(2)+(3)+4)とシフトし、キーコードは「2+3+5」となる。アウト入力グループに割付ける行においては、キー11の入力を必ず必要とする事と、「ら・わ」行は空きコードへの割付けとなるために若干の変化はしているが、全体としては母音を意識できる各文字の割付けとなっている。
【0127】
50音表の「あ」段の割付け方法は以下の通りである。前述した様に、濁音等を併せ持つ行はノーマル入力グループに、その他の行はアウト入力グループに割付けを行っている。「あ」段を覚え易いものとする為に、「あ〜た」を指1本ずつの追加となる割付けとし、「な」をアウト入力グループの指1本の割付けとしている。以下「は〜ん」は、ノーマル入力グループとアウト入力グループとの交互の割付けとなる為に、同じか或いは似たような指の組み合わせの連続する割付けとする事で覚えやすいキーコード表となっている。
【0128】
長音と濁音変換等の入力が、カナ入力(伝達)に連続してスムーズに行える様に、長音記号、濁音・半濁音変換機能の割付けをイン入力グループに行っている。句読点等は、スムーズな入力(伝達)が行える事とコンピュータ入力での漢字変換における「Space」入力との関連性、及び他のキーコード表との関連性からイン入力グループに割付けている。
【0129】
カナ文字と長音記号、濁音・半濁音変換の割付けを図14と同様に表記したものを図22に示す。50音表をそのままキーコードとしたような、大変覚えやすいキーコード表となっている。
【0130】
カナキーコード表ではカナの割付けを優先している事から、図11〜図18に示す様に数字と四則計算記号等をシフトオフ入力グループに割付ける事が出来ない。数字と四則計算記号等は、他のキーコード表と同一の指の組み合わせで入力(伝達)出来る事が好ましい為に、アウトシフト入力グループに割付けている。このキーコード表によって連続した数字と四則計算記号等をキーコード式指文字で伝達する場合には、入力装置のShiftキー8位置に該当する中指の先端方向ヘの接触を、「符」として連続して2回行う等、伝達に変化をつける事により、連続した伝達である旨を伝える事が出来る。元のカナの伝達へ戻る場合には、再度同じ接触を行えば良い。
【0131】
入力装置から英語・ローマ字・かな入力する為のキーコードの割り付け方法を以上の様に示してきたが、何れのキーコード表についても、従来の不規則的なキー配列を行ったASCII配列及びJIS配列キーボードよりも、入力の為の学習が容易である事を特徴としている。また携帯電話等に使用されている数字キー入力式のものと比較すれば操作性が良く、手書き入力式よりも入力を確実なものとしている事を特徴としている。
【0132】
次に入力装置からMicrosoft社のWindows98に入力する為のキーコード表を図23〜図31に示す。図23〜図31はそれぞれ図11〜図22をベースとしている。図23〜図25は英語入力に適したキーコード表であるが、日本語のローマ字入力も行える割付とする為に、ASCII配列を参考とした図11〜図14を一部JIS X 0201を参考として変更したものである。
【0133】
図26〜図28は日本語のローマ字入力に適したキーコード表であるが、英語入力も行える割付としている。図29〜図31は、日本語のカナ入力のキーコード表である。割付けに当たっては、従来の109キーボードを参考としている。 表中における細字表記はキャラクタを、太字表記したものと矢印は機能を表している。
【0134】
入力者が各キーコード表の使分けを行いやすくする為に、キーコード表が異なっても同じ機能が出来るだけ同一キーコードとなる割付けと、覚え易くまた操作性を良くする為に、似た機能、或いは機能操作の流れが指の組合せの流れに添ったものとなる様に考慮されている。
【0135】
図23〜図28の英語とローマ字のキーコード表に、「Caps Lock」の割付を行っている。アウト入力グループの全ての指によるキーコードとして、操作性の良いものとしている。図29〜図31のカナキーコード表においては、この機能を必要としない事から割付を行っていない。
【0136】
カーソル移動用キーコードは、イン入力グループの2本の指による組合せとなるキーコードに割付を行っている。図23〜図31のキーコード表においては、図3の(A)の形態となる左手用入力装置で入力する為のキーコードとしている。カーソルの左右の移動方向と、左右の移動指示を入力する人差し指と小指の入力向きが同じ方向となるキーコードとなっている。左右の移動方向を入力するキーコード「12+2」と「12+5」は、ユーザがDeleteキー6とBack Spaceキー13の割り付けと同様に初期設定において入れ替え出来るものとしておくと良い。
【0137】
左右のそれぞれの入力装置でカーソルの移動方向と指の入力向きを統一する為と、同じ左手用入力装置であっても、図3における(A)と(D)の様に、入力形態によっては入力する指の向きが変わるからである。また人によっては、人差し指側を「始め」、小指側を「終わり」と認識しやすく、ユーザーの感覚に合わせた自由設定が出来る事が、ユーザ個々にとって操作性が良くなるからである。カーソル移動用キーコードが入力された時には、従来のキーボードと同様にリピート機能が作動するものとしておくと良い。
【0138】
「Home」・「End」・「Page Up」・「Page Down」は、カーソル移動用キーコードと関連付けて、インシフト入力グループに割付けている。「Home」と「End」は、前述の左右のカーソル移動と同様に初期設定において入れ替え出来るものとしておき、「Page Up」と「Page Down」は、リピート機能が作動するものとしておくと良い。
「Tab」はイン入力グループの全てのキーによるキーコードに割付けて、「Enter」と「Space」に、またカーソル移動のキーコードと関連付けたものとしている。
【0139】
Windows98のスタートメニュー表示の為の「Windows」を、ノーマルシフト入力グループの全ての指によるキーコードに割付けて、「Enter」と関連付けたものとしている。
「Windows」はスタートメニューの表示だけではなく、ショートカットキーとしても使用される為に、2通りのキー操作により2通りの機能をするものとしておく。
【0140】
即ち、定められた入力継続時間未満の入力確定ではスタートメニューの表示、定められた入力継続時間以上の入力確定では固定キーの機能となり、ショートカットキーとしての入力が行えるものとする。定められた入力継続時間は、Shiftキー8と同じ時間に設定すると良い。
【0141】
「Print Screen」は、アウトシフト入力グループの全てのキーによるキーコードに割り付けている。画面のスクリーンショットもタッチタイピングで行える事として、操作性を良くしている。
「Insert」はインシフト入力グループの親指1本によるキーコードに割り付けている。「Space」をシフトさせるものとなる事から分かりやすいものとなっている。
【0142】
「半角/全角・英数・カタカナ・ひらがな・変換・無変換・前候補」は、日本語入力システムにおいて使用される機能であるが、前記した様に図23〜図25の英語キーコード表をローマ字入力用キーコード表としても使用出来る様にする事から、英語キーコード表にも割付を行っている。109キーボードでは漢字変換・注目文節の移動等において(Space)と矢印キーを使用するほうが操作性が良く、「変換・無変換・前候補」は、むしろ他の機能の為に使用されている。
【0143】
図23〜図31のキーコード表もそれに添ったものとする事から、「変換・無変換・前候補」を「半角/全角・英数・カタカナ・ひらがな」とともにインシフト入力グループに割付けている。「変換・無変換・前候補」は、本来の使用目的から外れた機能の役割が主となってきている事から、その名称を変更しても良い。各機能は同種の作用をする機能が似通った指の組合せと成るようなキーコードとし、覚え易く操作性の良いものとしている。
【0144】
「Scroll Lock」の機能は、インシフト入力グループのキーコードに割り付けを行っている。従来の109キーボードと同様に入力の確定をするとロックされ、再び入力の確定がなされるとロックの解除がされるものである。
後記するニューメリックロック・イン入力グループのマウス機能における「Scroll Button」と同じ指の組み合わせとすることにより、覚え易いものとしている。
【0145】
ショートカットメニュー表示の為の「Application」を、インシフト入力グループの全ての指によるキーコードに割付けている。マウスによるショートカットメニュー表示ができない状況下でも、ショートカットメニューを使いやすくして、本発明入力装置の使用勝手を良くしている。
【0146】
ニューメリックロック・ノーマル入力グループの割り付けは以下によって行っている。
従来の109キーボードは、JIS配列とテンキーに数字の割り付けがあり、半角と全角の入力に使い分けできるものとしている事と、連続した数字入力にはテンキーの操作性が良いものとなっている。
本発明入力装置においても、数字の半角と全角の入力分けが行える事と、連続した数字入力の操作性を良くする為に、ニューメリックロック・ノーマル入力グループにも数字の割り付けを行なっている。
【0147】
図11〜図22のキーコード表で数字入力を連続して行う時には、アウト入力グループ、或いはアウトシフト入力グループにおける入力となる事から、親指の第1関節を開いたままの入力となり、親指の負担を多くしてしまう。
ニューメリックロック・ノーマル入力グループにも数字を割り付ける事により、半角と全角の入力分けが行えるとともに、数字入力においても自然な入力の形となる各指のホームポジションキーだけを使用したものと成る事から、入力操作によるストレスの軽減を図る事が出来る。
【0148】
割り付けは図11〜図14の数字入力における親指との重複入力となるキーコードにおいては、親指による入力を省略したキーコードとしている。
図11〜図14による数字入力と共通性を持たせる事と、入力指の負担を軽くする事、及び操作性を考慮したものとなっている。
更に、「0」のキーコードに入力指を1本加える形で「00」が入力できるものとしている。
【0149】
四則計算記号と「=」も数字の割り付け方法と同様に行っている。「Enter」は数字入力においても必要とする事から、図11〜図14と共通した入力方法となるものとしている。
どちらかの入力グループを、或いはどちらとも半角或いは全角にするかは、ユーザが初期設定できるものとしておく事が好ましい。
【0150】
109キーボードにはファンクションキーが12個具備されているが、本発明入力装置では単独キーとして具備していない。
ニューメリックロック・アウト入力グループのキーコードにその機能の割り付けを行っている。
ファンクションキーナンバーの「F1」〜「F10」は、図11〜図14の数字入力と統一し、図11〜図14の数字に無い「F11」と「F12」は、「F10」の指の組み合わせを順番に組み替えるものとしていることから分かり易いものとなっている。そしてファンクション入力のタッチタイピングも容易なものとなっている。
【0151】
図23〜図31のニューメリックロック・イン入力グループにマウスキー機能の割付を行っている。
109キーボードでは「Num Lock」をオフ状態として、テンキーをカーソル移動キーとして操作できるものとしているが、本発明入力装置におけるカーソル移動は、図23〜図31に示すように、入力手のポジションの移動を行う事無く出来る為に、数字入力中においてもNum Lockオフによるカーソル移動機能は必要無いものとなっている。
【0152】
本発明入力装置を携帯型とした場合、或いは携帯型機器に組み込んだ場合には、ポインティングデバイスとしての機能も果たせる方が利便性を良くする事から、マウスキー機能の割付を行っている。
図23〜図31のキーコード表は、図1の入力装置用としたものであり、入力装置のデザインによっては入力指の向きが変わる事から、ポインタ移動の方向と「右ボタン」・「左ボタン」の割付けも、カーソル移動機能の割付けと同様にユーザが初期設定できるものとする事が好ましい。
矢印で表したポインタ移動用のキーコードは、入力中にはリピート機能をするものとしている。
【0153】
「Scroll Button」は、1回目の入力でキーロックされ、2回目でキーロック解除がされる。
キーロック中の機能は、表示画面をスクロールするものであり、従来のマウスにおけるスクロールボタンと似た機能を有するものである。
キーロックされると、従来のマウスにおけるスクロールボタンが押された状態と同様となり、スクロールさせたい方向の「12+3」か「12+4」を入力すると、遅いスクロールをする。速いスクロールを行うには、それぞれ入力する指を1本追加する形で「12+2+3」と「12+4+5」とし、リピート機能を有するものとしておく。
【0154】
図23〜図31に英語・ローマ字・カナの各キーコード表を示したが、本発明入力装置は、前述した様に各言語に対応したキーコード表を作成することにより、従来のキーボードの様にキー印字に惑わされることなく、同一の入力装置で多言語の入力に対応する事が出来ることを特徴としている。同一の言語であっても、図23〜図31に示したキーコード表以外にも様々に割付けたキーコード表を作成することも可能である。図23〜図25の英語キーコード表は、ローマ字キーコード表の一種とも言える。それらのキーコード表と言語入力システムとの関連付け、及びキーコード表の切換え方法を以下に記す。
【0155】
図23〜図31のニューメリックロック・アウト入力グループの「Mode1」〜「Mode3」は、Windows98のキーボードプロパティにおける「キーボードの言語とレイアウト」の「言語」の中に登録されている言語入力システムと、キーコード表の組合せを登録しておき、呼び出して使用するモードである。
その組合せは各モードに1組、合計3組の登録が行える。登録する為の初期設定メニューの起動は、Altキー7との併用等としておくと良い。
【0156】
初期設定は以下の項目について行う。
既定値としての言語入力システムと、既定値システムがオフになったときの言語入力システム、そしてそれぞれの言語入力システムに使用するキーコード表について設定を行なう。
1つの言語入力システムに複数の入力モード(例えばローマ字入力とカナ入力)があれば、各モード毎のキーコード表を設定する。
例えば日本語入力システムには、ローマ字入力・英数入力・カナ入力・ショートカットキー入力時におけるキーコード表を個別に設定できるものとしておく。以上の設定は入力装置内の記憶装置に登録され、起動時には「Mode1」の設定が自動的に起動するものとしておく。
【0157】
前項の設定例として、「Mode1」の既定値にMicrosoft社のMS−IMEの日本語入力システムを、既定値オフに英語入力システムを設定し、日本語入力システムのローマ字入力とショートカットキー入力には図26〜図28のローマ字キーコード表を、英数入力には図23〜図25の英語キーコード表を、カナ入力には図29〜図31のカナキーコード表を設定し、英語入力システムには図23〜図25の英語キーコード表を設定する。
【0158】
「Mode2」の既定値にはジャストシステム社のATOKを、既定値オフには英語入力システムを設定し、ATOKのローマ字・英数・ショートカット入力に図26〜図28のローマ字キーコード表を、カナ入力には図29〜図31のカナキーコード表を、英語入力システムに図26〜図28のローマ字キーコード表を設定する。
【0159】
「Mode3」の既定値に英語入力システムを、既定値オフにフランス語入力システムを設定し、英語入力システムに図23〜図25の英語キーコード表を、フランス語入力システムに本明細書には示していないがフランス語キーコード表を設定する。以上のような設定を登録しておけば、入力の目的等によって「Mode1」〜「Mode3」を選択して使用する事が出来る。
【0160】
このようなモード内での既定値のオン・オフ及び日本語入力システムにおける入力モードの切換え操作は、従来の109キーボードと同様の入力で行う事が出来る。例えば既定値のオン・オフは、(Alt)+「半角/全角」または「半角/全角」、ローマ字・カナモードから英数モードへは「英数」、その逆は「ひらがな」等であり、従来のそれぞれの入力システムに対応したキー操作による入力モードの切換と、関連してキーコード表の切換が行なえるものとなっている。
【0161】
図23〜図31の「Mode4」は、Windows98のキーボードプロパティにおける「キーボードの言語とレイアウト」の「言語」に設定されている一覧の中から言語入力システムの選択を行い、更にインストールされているキーコード表の一覧の中から該当するものの選択を個別に行うモードである。
インストールされていて「Mode1」〜「Mode3」に設定されていない言語入力システムとキーコード表にも対応する事が出来る。
【0162】
カーソル移動用の左右の矢印、及び「Home」と「End」、更にはマウス機能の左右と斜め移動用の矢印、及び「右ボタン」・「左ボタン」は、入力指の向きとカーソル等の作動方向等を統一する為に、初期設定が行えるものとしておく事が好ましい事は既に記したが、初期設定を行う方法としては、図1の入力装置21のDeleteキー6とBack Spaceキー13の初期設定と連携して行えるものとしておけば、簡単で煩わしさが無い。
【0163】
以上が本発明の入力装置からMicrosoft社のWindows98の入力を行う為のキーコードの割り付けである。
本発明入力装置は、キーコード入力が主となる事から、覚えやすい指の組合せと成る各キーコード表としており、ASCII・JIS配列キーボードに比べてもマスターするには時間を要しないものと思われる。
【0164】
本発明の入力装置は、189通りのキーコードを有し、キーコード入力を主としたものである。キーコードを忘れた時などは、従来のキーボードの様にキートップに印字されたキャラクタ等を目で探すという事が出来ない。
そこで本発明入力装置のキーの入力確定時が、キーのオフ時としていることを活用することにより、その問題点の解決を図っている。
キーの入力確定が全てのキーがオフとなる直前の入力をもって行われる為に、キーの入力確定が行われるまでの入力キーの入れ替えは自由にできる。
【0165】
その事から、入力中のまだキーの入力確定が行われていないキャラクタ及び機能を、表示機のカーソル位置に表示する様にしておく。
機能の表示は、それぞれを表す文字でも或いは記号化されたものでも良い。
入力を間違えた時、或いはキーコードに迷った時などは、キーの入力確定が行われる前に画面表示を見ながら正しいキーコードとなる様に指の組換えを行う事ができる。
【0166】
更にキーコードの検索機能を設けることとする。即ち、予め定められた時間以上同一入力状態を継続した後に、何れかの同じ指1本で指定回数分キーのオン・オフが繰り返されると、入力継続中のキーコードが属する入力グループのキーコード一覧表を画面表示させる事としておく。
ここで全てのキーがオフとなってもキーコード一覧表の画面表示は継続し、次に入力確定されるキーコードか、カーソル指示等によるキーコード一覧表からの選択入力確定を持ってキーコードの入力確定が成され、キーコード一覧表による検索機能は終了する。
【0167】
ただし「Enter」の入力では、前記した様にホームポジションキー位置の確認機能をさせるものとしている為に、この検索機能は起動しないものとなっている。キーコード一覧表による検索機能を起動する為の予め定めれれた時間と、キーのオン・オフの指定回数は、ユーザによって初期設定できるものとしておくと良い。
以上の2通りの機能により、従来のキーボードの様に入力キャラクタ等をキートップ印字で目視する事の出来ない欠点の解決が図れるだけではなく、キーコードの記憶に対する不安を取り除く事によって、タッチタイピングが容易な入力装置とすることができる。
【0168】
以上に記してきた様に、入力装置の一例として示した図1の入力装置21は、片手入力装置として入力スペースを取らないものであり、携帯性にも優れたものでありながら、従来のフルキーボードの入力能力を満たすものとなっている。
更には入力指の自然な位置に配列されたホームポジションキーと、それらからの分かり易い移動方向への数少ないキー配列、及びキートップ形状の工夫と「Enter」によるホームポジションキー確認機能により、またレスト25等の補助具によって、キーポジションの把握と保持を容易なものとしている。
【0169】
又、覚え易いキーコード表でありながら、キーコードの検索機能等を備える事によって、タッチタイピングが容易な入力装置となっている。
入力方法は障害の種類によって異なる伝達手段を共通化できるものであり、バリアフリーの一助ともなる入力装置である。
IDを登録したメモリーチップ等を装着する事により、セキュリティ対策にもなりうる。
【0170】
以上示してきた様に、本発明の目的の一つとしている聾唖者と盲人の介助者、或いは補助機器の助けを必要としない1対1のコミュニケーションの実現、及び聾唖者と健常者における手話と指文字の特別な教育を必要としないコミュニケーションの実現、更には盲人のコンピュータ及び情報機器の操作において専用の入力装置を必要としない入力の実現は、片手で行えるキーコード式指文字と上記に示した入力装置により達成される。
【0171】
従来の技術の問題点として上げ、本発明が解決の目的としているデスクワーク環境の改善、両手入力による入力姿勢の制約からの解放、容易なタッチタイピングの実現は、本発明が片手入力装置である事と、各指に割り当てられたキーがホームポジションキーと、それからの移動方向を1〜2方向とし、1方向に1キーの配列とした分かり易く、入力を容易としたキー配列により達成される。
【0172】
本発明入力装置は、従来の入力装置の様なキャラクター入力用キーに入力キャラクターを特定するための印字を施したキーを有していない。図11〜図22に示す様に、キーコードヘの入力システムに合わせたキャラクターの様々な割付けが可能であり、また機能の割付けも可能としている。入力言語システムの違いによるキーボードの変更という従来の問題点は、システムに合わせたキーコード表を提供する事により、解決を図る事が出来る。各言語圏においてキー配列の異なっていた従来のキーボードでの入力を、本発明入力装置は、1台で支障無く入力を行う事ができるものとしている。
【0173】
本発明の入力装置は、入力手となるそれぞれの指に割り当てられたキーの数が少ない為に、従来の入力装置に多く採用されている挿下式キーとする必要は必ずしもない。入力方法をキーコード式指文字と同一化している為に、むしろ接触式キーの方が入力を容易としている。入力ポジションの移動が殆ど無く、ポジションマーク或いはポジションをサポートする工夫により、入力中にキー位置の視認を必要としていない事から、キートップを必ずしも視線の方向へ向ける必要はない。よって人の手が自然に行う事のできる、当てる・覆う・添える・握る・つまむ等の手の形態に合わせた様々な入力装置のデザインを可能としている。
【0174】
前項に示した形状デザインの自由性により、本発明入力装置は、コンピュータ及び情報機器の入力装置として、それらに或いはそれらに関連したものへ組み込む事が可能である。また、単体として携帯性に優れたものとする事ができる。
【0175】
本発明入力装置を携帯性に優れた単体とする事により、コンピュータ及び情報機器の入力装置として、従来の筆記具的な感覚での携行を可能とし、入力装置をパーソナルなものとする事ができる。よって個人の趣向に合ったデザインのものを所持でき、また他人使用のキーボードに不潔感を感じる事も無くなる。
【0176】
従来の入力装置は、着脱は出来ても使用時にのみ装着という事は想定されていない。本発明入力装置は、携帯性に優れたものとする事が出来る為に、使用時にのみに装着する事が出来るものとする事ができる。本発明入力装置内にシステムによって読み取り可能な入力装置個別のIDを装備しておく事により、入力装置の、ひいては入力者の特定・限定を行う事が出来る。パスワードとの併用を行う事で、セキュリティ効果を一層高める事が可能である。
【0177】
従来の携帯型情報機器に採用されている手書き入力装置に変わるものとして、本発明入力装置を装備或いは装着する事により、手書き入力装置における問題点を解消する事ができる。
【0178】
又、従来の携帯電話に採用されている数字キーを利用した入力装置に変わるものとして、本発明入力装置を装備或いは装着する事により、数字キーによる入力の問題点を解消する事が出来ると共に、携帯電話からのコンピュータ操作も可能とする事ができる。更には携帯電話の小型化、或いはディスプレイ面積の拡大を図る事ができる。
【0179】
将来の入力装置として期待されている音声入力装置においても様々な問題点が想定される。その問題点故に従来のキーボードに完全に取って代わる事は不可能であり、音声入力装置を装備するとしても本発明入力装置と併用する事によって、より好ましい入力装置の形態とする事ができる。
【0180】
実施の形態2.
図32はこの発明の実施の形態2による入力装置を示す斜視図であり、この入力装置は左手専用機として示している。入力手の形態は、図3における(A)としている。
図において、入力装置51のキー操作面52は、接触した複数の指の接触面の位置をそれぞれに感知するタブレット或いはタッチパネル等となっており、入力装置51には、指先で触感できるレイアウトキー53が1個具備されている。キー操作面52にはキー配列が施されておらず、キー配列の設定と入力キーの判定は、プログラムソフトによって行われる。
【0181】
入力装置51には、プログラムソフトを処理する為のCPUと、プログラムソフトと入力装置51の諸設定、及びキーコード表を記憶する為の記憶装置が、筐体内に具備されている。或いはプログラムによる処理を、出力先機器のCPUを使用して行う為に、プログラムソフト及びキーコード表を記憶媒体化している。キー操作面X軸54・キー操作面Y軸55・キー操作面軸原点56は、キー操作面52に固定した座標軸としてプログラムソフト内に設定されているものであり、以下の説明のために図示しているが、視覚出来るものではない。
【0182】
ポート57は、コンピュータ及び情報機器とケーブル等によって接続する為のものである。レスト58は掌内に納まるものであり、入力ポジションの保持と入力手の疲労軽減の為に具備されたものであるが、必ずしも必要とするものではなく、或いは入力装置51とは別の器具とする事も出来る。入力装置51のキーの入力確定は、実施の形態1で示した入力装置21と同様に、キー操作面52から全ての指の接触が無くなった時に行われる。
【0183】
入力装置51に、ユーザに適したキーの配列位置及びキーの区画を形成する為の設定は、出力先表示機及びポインティングデバイスも使用して以下のように行なう。
レイアウトキー53は回数入力することにより、キー配列の設定を行うモード、或いはモード内における選択肢の切り換えを行うキーである。1回目の入力で「キー配列位置設定モード」、連続した2回目の入力で「キー配列名選択モード」、連続した3回目の入力で「キー配列初期設定モード」、連続した4回目の入力でモード選択のキャンセルを行うものである。図33はレイアウトキーによるモード選択の操作をフローチャートで表したものである。
【0184】
「キー配列初期設定モード」は、キー配列を使用者に適したキーの位置とキーの区画に設定するモードであり、また後述する新たなキーを追加配列するモードである。ここで設定されたキー配列は、それぞれに名前を付けて複数個の登録がされるものとなっている。図34は「キー配列初期設定モード」のメニューの流れと操作をフローチャートで表したものであり、入力装置51にキー配列を初期設定する操作について説明をする。
【0185】
「キー配列初期設定モード」の起動は次の方法による。レイアウトキー53の入力を連続して3回行い、続いてキー操作面52に何れかの指で接触する事によって起動するが、実施の形態1で示した「Enter」の入力と同様に、5本の指で同時にキー操作面52に入力確定の操作を行う事とすれば分かり易くて好ましい。以降のレイアウトキー53での選択後の確定操作も、同一操作で行えば分かり易くて良い。起動すると表示機に「キー配列初期設定モード」の起動画面が表示される。
【0186】
起動画面が選択画面となっており、予め登録されている標準的キー配列と、後に初期設定をして名前を付けて登録したものがあればそれらの一覧を表示し、それらの中から初期設定を行いたいものを選択するものである。選択方法は、入力装置51のレイアウトキー53で入力する毎に選択肢の切り換えを行い、選択肢の確定は、キー操作面52に「Enter」と同様の入力操作を行う事により確定される。更には、ポインティングデバイスによる選択確定が行えるものとしておけば良い。選択確定が行われると、図35に示す「ホームポジションキー想定入力」画面へと移行する。
【0187】
キー配列の初期設定は、起動画面で選択された登録されているキー配列をもとにして初期設定を行う為に、登録されているキー配列を画面表示する。図35は、起動画面から移行して表示された「ホームポジションキー想定入力」メニュー画面である。図中のキー配列有効区画59は、入力装置51のキー操作面52における接触入力が可能な有効面を表す。レイアウトキー表示部60とレスト表示61は、入力装置51のキー操作面におけるレイアウトキー53とレスト58の位置に該当し、不動でキー配列有効区画59とならない区画である。
【0188】
キー区画62は、区画内がキー入力を受け付ける面であり、複数のキー区画点63によって、キー区画線64を結線させて区画を形成している。キー区画62は、図35に示すようにキーの数だけ存在する。各キー区画62には、それぞれのキーを表す番号か頭文字をキー符号65の様に付しておくと良い。各キー区画62は、それぞれの区画の基準となるキー基準点66を区画内に1点有する。キー2とキー4のキー基準点となるキー2キー基準点66aとキー4キー基準点66bを通過する直線をキー配列x軸67、キー4キー基準点66bでキー配列x軸67と直交する直線をキー配列y軸68とし、その交点をキー配列軸原点69としている。
【0189】
キー配列座標軸は、キー2とキー4のキー基準点66a,66bの移動にともなって動く座標軸である。図中のキー操作面X軸54、キー操作面Y軸55、キー操作面軸原点56は、設定場所の指定はないが固定された座標軸であり、図32におけるキー操作面52のキー操作面X軸54、キー操作面Y軸55、キー操作面軸原点56と一致するものとなっている。キー配列座標軸とキー操作面座標軸は、説明の為に図示したものであり画面表示をする必要は無い。登録名70は、上記したように選択された登録名である。メニューボックス71は、キー区画の諸設定を行うメニュー等を表示する区画である。
【0190】
キー2キー基準点66aとキー4キー基準点66bは、キー操作面軸原点56からのキー操作面座標軸の座標値により位置登録されている。その他のホームポジションキーのキー基準点66は、キー配列軸原点69からのキー配列座標軸の座標値により位置登録されている。ホームポジションキー以外のキーのキー基準点66は、それぞれの指に割り当てられた該当するホームポジションキーのキー基準点66とのキー配列座標軸の座標差により位置登録されている。
【0191】
全てのキー区画点63は、それぞれのキーのキー基準点66とのキー配列座標軸の座標差により位置登録されている。キー区画線64は、指定されたキー区画点63を結線するものである。各キー符号65は、それぞれのキー基準点66に関連付けられて表示をする。図35は、以上のように登録されたものに基づいて画面表示されたものである。
【0192】
図35を表示して「ホームポジションキー想定入力」メニューに入れば、入力者は入力装置51のキー操作面52に各指のホームポジションキーであるキー1〜キー5を想定して、5本の指の同時入力確定を行う。つまり「Enter」の入力確定である。上記の1回目の入力確定において、各指の接触面の痕跡を画面表示させ、各指の接触面の中央近辺に接触面の基準点各1点を、プログラムソフトでそれぞれに生成させる。生成された接触面の基準点は、画面表示させる必要は無い。
【0193】
生成した接触面の基準点の並び位置から、キー1〜キー5をプログラムソフトが判断して、登録されているキー1〜キー5の各キー基準点66を移動して接触面の基準点にそれぞれに合致させ、生成した各指の接触面の基準点は消滅する。登録されていたキー2とキー4のキー基準点66a,66bが移動した事にともない、それらによって設定されるキー配列x軸67、キー配列y軸68、キー配列軸原点69も、移動した新たなキー基準点66によって新たに設定が行われる。その他のキー基準点66とキー区画点63は、それぞれに関連する点の移動にともない、登録されていた座標差によって、新たに設定されたキー配列座標軸のもとに移動をする。キー符号65とキー区画線64も、それぞれに関連付けられた点の移動と同調する。
【0194】
図36は、上記の移動処理が行われた後に自動的に移行する「キー配列・キー区画の設定」メニューの画面表示を表す。各ホームポジションキーの斜線部分で入力指の痕跡72は、前述におけるホームポジションキーの想定入力を行った指の接触面の痕跡である。画面表示をされるキー基準点66・キー区画点63等は、後の処理を行いやすくする為にも種類毎に色分けを行うと良い。
【0195】
メニューボックス71は、初期設定を行うメニューを選択する区画であり、入力装置51のレイアウトキー53と、キー操作面52、或いはポインティングデバイスを使用して選択実行される。メニューの選択実行方法は、レイアウトキー53を入力して選択メニューを移行させ、キー操作面52に「Enter」同様の接触入力操作で実行を行うか、ポインティングデバイスでメニューをダブルクリックして行う。
【0196】
図36の画面が自動的に表示された時には、「全キー想定入力」メニューが選択されたものとなっている。「全キー想定入力」メニューで入力者の行う操作は、前記のホームポジションキーの想定入力に続いて、全てのキーと幾通りかのキーコードの想定入力を、入力装置51のキー操作面52で繰り返す事である。想定入力を行った指の接触面の痕跡は、画面上に累積して表示をする。
【0197】
想定入力の回数指定は無く、入力者の判断で行えば良い。想定入力が終われば入力者は、累積表示をした入力指の痕跡72とキー区画62を表すキー区画線64の画面表示を見ながら、適したキー配列位置とキー区画になる設定を行う為のメニューを、メニューボックス71から選択して実行する。なお、後記する「自動区画」・「手動区画」が実行されて、キー2キー基準点66aとキー4キー基準点66bが移動しても、キー配列軸の新たな設定は行われないものとなっている。
【0198】
図36のメニューボックス71で「自動区画」メニューが実行された場合は、累積表示をした入力指の痕跡72を参考にして、プログラムソフトが自動的にキー配列・キー区画を行うものとしておく。「自動区画」メニューが実行された後においても、メニューボックス71で他のメニューの選択は可能であり、自動で区画されたものに手動で修正を行う事や、再度全てのキーの想定入力を行う事も可能である。
【0199】
手動で区画を行うには、メニューボックス71の「手動区画」メニューのプルダウンメニューを選択しながら行う。「点の移動」メニューは、キー基準点66とキー区画点63の移動を個別に行うメニューであり、ポインティングデバイスを使用して画面上でドラッグする事により行う。キー基準点66の移動を行えば、その点に関連付けられたキー区画点63も同方向に同量だけ一緒に移動をする。キー基準点66とキー区画点63の移動にともない、それぞれに関連付けられたキー符号65とキー区画線64も同様の移動を行う。ただしホームポジションキーのキー基準点66に関連付けられた他のキーのキー基準点66は一緒に移動をしないものとなっている。
【0200】
キー区画点63の移動も個別にドラッグする事により行い、キー区画線64の一端も結線をするように一緒に移動する。「区画点の追加」メニューは、ポインティングデバイスでキー区画線64上をダブルクリックする事により、新たなキー区画点63を発生させ、キー区画線63を二分するメニューである。「区画点の削除」メニューは、削除したいキー区画点63をポインティングデバイスでダブルクリックして消滅させ、結線していた2本のキー区画線63を、前後のキー区画点66を結線する1本のキー区画線63とするメニューである。「手動区画」メニューは、以上のプルダウンメニューにより、累積表示をした入力指の痕跡72を確認しながら、表示機の画面上で適したキー配列・キー区画となる様に手動操作で設定を行うメニューである。手動区画後においても、自動で区画をさせたり、再度全キーの想定入力を行う事も出来る。
【0201】
図37は、図36に示す「全キー想定入力」メニューで想定入力が行われ、「自動区画」メニュー及び「手動区画」メニューが実行された後のキー配列の画面表示を表す。図37に示すように各キー区画62は、入力指の痕跡72を囲い込む様に使用者に適したキー区画とすれば良い。しかし、図37のキー3区画62aとキー4区画62bにおける中指の痕跡72aと薬指の痕跡72bの様に、入力指の接触面が接近する場合には、キー3区画62aとキー4区画62bのキー区画線64を、それぞれの入力指の痕跡の中に設定すれば、隣接するキーを入力してしまう心配が無くなる。
【0202】
図36のメニューボックス71の「ユーザキー」メニューは、入力装置51に初期登録されているキー配列に、ユーザがキーコード及びショートカットキーの定義付けを行なえる複数個の「ユーザキー」を、新たに追加配列する為の、或いは追加配列されたものを削除する為のメニューである。図38は図37に示すキー配列に、ユーザキー73を3個追加配列した画面表示を示したものである。
【0203】
ユーザキー73を新たに配列する場合には、メニューボックス71のプルダウンメニューから「設置」を選択実行して、ポインティングデバイスで設置場所を画面上でダブルクリックする事によりキー区画62を生成させる。生成したユーザキー73は、他のキーと同様にキー基準点66・キー区画点63・キー区画線64を有し、前記したホームポジションキー等と同様の想定入力と各種設定が出来る。キー符号65は、ユーザキーの複数設置を可能としている事から、生成順に「U1」「U2」…「Un」となる様にすると良い。
【0204】
生成したユーザキー73の定義付けは、メニューボックス71内の「定義付け」メニューで行う。図39に、「定義付け」メニューが選択実行された時の画面表示を図示し、定義付け方法を説明する。「キー配列初期設定モード」が起動すれば、入力装置51のキー操作面52からの通常のキー入力が出来ない。その為に図39の画面表示のキーボタン等を、ポインティングデバイスで以下のように入力しながら行う。複数のユーザキー73が設定されている場合には、ユーザキー符号選択ボックス74で定義付けを行うキー符号を選択する。次に、選択されたキー符号のユーザキーの位置登録を関連付けるホームポジションキーを、関連付けホームポジションキー選択ボックス75で選択する。関連付けホームポジションキー選択ボックス75の「固定」ボタンは、何れのホームポジションキーとも関連付けずに、キー操作面座標軸に位置固定を行うためのものである。
【0205】
図38におけるユーザキー「U1」はキー4と関連付けており、「U2」と「U3」は、キー操作面座標軸に位置固定されたものを例示している。続けて定義付けをする為のキーを、定義付けキー選択ボックス76の定義付けキーボタンを選択しながら行う。定義付けキー選択ボックス76には、標準としてキー配列されている各キーボタンがあるが、何通りかのキー操作が出来るキーには、その数のキーボタンを設けている。
【0206】
「Shift」・「Num Lock」・「Alt」・「Ctrl」ボタンに記されている「・S」は、定められた入力継続時間未満での入力を、「・L」は、定められた入力継続時間以上での入力を表している。また「Shift・2」は、定められた入力継続時間以上での連続2回入力を、「Num Lock・2」は定められた時間以内での連続2回入力を表わしている。定義付けキー選択ボックス76内の「・L」ボタンは、キー配列されていないキーボタンであるが、キーコードに割り付けられた機能等に「Alt」キー等と同様に入力操作時間の違いによって2通りの作用をするものがある場合に、その設定に使用するキーボタンである。
【0207】
その機能が定められた入力継続時間未満での入力の場合には、キーコードのみを、定められた入力継続時間以上での入力の場合には、キーコードに続けて「・L」ボタンを入力して定義付けを行なう。例えば、従来の109キーボードにおける(Windows)キーは、単独で入力してスタートメニューを表示させるとともに、他のキーと組み合わせて使用するショートカットキーとしての機能も有している。図23〜図31のキーコード表には、「Windows」の割付を行なっており、ショートカットキーとして使用する定義付を行なう場合には、キーコードに続けて「・L」ボタンを入力しておく。
【0208】
「(」ボタンと「)」ボタンもキー配列されていないキーボタンであるが、キーコードである事を表す為に括弧でくくる為のキーボタン(定義付け表示窓77中に示されている(1+2+4)の「(」と「)」)である。クリアボタン78は、定義付けキー選択ボックス76で入力されたものをクリアする為のキーボタンである。定義付けキーボタンが選択入力されると、定義付けされたキーが定義付け表示窓77に表示される。図39中の表示例79は、ショートカットキーの定義付けを例示したものであり、「+」記号は自動的に入力されるものとなっている。以上の操作で定義付けされたものは、登録ボタン80で登録して本メニューを終了する。或いはキャンセルボタン81で、定義付けを登録せずに、以前に登録されたものがあればそれを変更せずに本メニューを終了する。
【0209】
「ユーザキー」メニューのプルダウンメニュー「削除」は、配列されているユーザキー73を削除する為のメニューである。選択実行されると配列されているユーザキー73の一覧が、その定義付け内容と共に画面表示される。一覧の中から削除するものを入力装置51のレイアウトキー53で選択し、キー操作面52に「Enter」同様の入力確定操作を行うか、ポインティングデバイスでダブルクリックして削除する。
【0210】
メニューボックス71の「登録」メニューは、以上の「キー配列初期設定モード」で設定されたものを登録するメニューであり、他のメニュー同様の操作で実行する。実行されるとキー2とキー4のキー基準点は、キー操作面座標軸の座標によって位置登録される。キー2とキー4のキー基準点66a,66bによって、新たなキー配列x軸67・キー配列y軸68・キー配列軸原点69が設定される。その他のホ−ムポジションキーのキー基準点はキー配列軸原点69からのキー配列座標軸の座標によって位置登録される。
【0211】
ホームポジションキー以外のキー基準点及びホームポジションキーと関連付けたユーザキー73のキー基準点は、それぞれに関連付けられたホームポジションキーのキー基準点からのキー配列座標軸の座標差によって位置登録される。上記の各キーのキー区画点63は、それぞれのキーのキー基準点66からの、キー配列座標軸の座標差によって位置登録される。ホームポジションキーと関連付けずに「固定」としたユーザキー73のキー基準点66とキー区画点63は、キー操作面座標軸の座標で登録される。キー区画線64は結線したキー区画点63と関連付けて登録される。各キー符号65は、該当するキー基準点66と関連付けて登録される。「ユーザキー」メニューの「定義付け」メニューで登録された内容も登録される。
【0212】
前記による登録操作が実行されると、「登録名入力」メニューの画面表示へと移行する。ここでは、前記のように登録したキー配列がプログラムソフトに設定され、また後記する「キー配列位置設定モード」も有効となる為に、入力装置51から通常の入力操作により登録名を入力する。すでに登録されている登録名で良ければそのまま登録を、変更する場合には新しい登録名を入力して登録する。ただし予め登録されている標準的キー配列に付いては、同一名での登録が出来ないものとなっている。
【0213】
メニューボックス71の「キャンセル」メニューは、「キー配列初期設定モード」起動後の全ての設定をキャンセルして、本モードを終了するメニューである。
「キー配列名選択モード」は、前記した「キー配列初期設定モード」で名前を付けて登録した設定を、登録名の一覧の中から選択し、入力装置51のキー配列の既定値とするモードである。モードの起動は、入力装置51のレイアウトキー53を連続して2回入力して、キー操作面52に「Enter」同様の接触入力をする事で起動する。起動すれば表示機に登録名の一覧を画面表示する。表示された登録名の一覧は、レイアウトキー53を入力する毎に選択される登録名が移行する。確定はキー操作面52に「Enter」同様の接触入力で行う。或いはポインティングデバイスを使用して選択確定を行う。ここで選択確定されたキー配列は、以後同操作によって変更するまでこの入力装置51の既定値となる。
【0214】
「キー配列位置設定モード」は、入力装置51のキー操作面52からの接触位置情報を、前記のように設定したキー配列に基づきキー操作面座標軸におけるキー区画の位置設定を行うモードである。起動と設定は次の操作で行う。入力装置51のレイアウトキー53を1回入力してモードを起動させ、キー操作面52にそれぞれの指のホームポジションキーとする位置に5本の指を接触して同時に離す事により、各指の接触位置を各ホームポジションキーに設定し、それに伴なう各キーを配列して終了する。「キー配列位置設定モード」の画面表示は、モード起動中である事を表す文字かシンボルで良い。尚、電源を入れるところから最初の作業に入る場合は、「キー配列位置設定モード」を実行してから行なう。
【0215】
レイアウトキー53の1回入力後に「キー配列位置設定モード」が起動して、入力装置51のキー操作面52に5本の指が接触すると、「キー配列初期設定モード」のホームポジションキーの想定入力メニューと同様に、プログラムソフトによって各点の移動が行われる。各指の接触面の中央付近に接触面の基準点が自動生成され、自動生成された接触面の基準点の並び位置からキー1〜キー5を判断して、登録されているキー1〜キー5のキー基準点66を移動して合致させる。
【0216】
その他の各点は、関連付けられた点の移動に伴ない、移動したキー2とキー4のキー基準点66a,66bにより設定される新たなキー配列座標軸のもとで、登録されている座標差に基づき移動する。移動したキー区画点63によって結線を指示されるキー区画線64がキー区画を形成する。「固定」とされたユーザキー73は、登録されているキー操作面座標軸の座標によって位置設定され、キー区画される。
【0217】
上記のようなキー区画によって構成されるキー配列は、キー操作面座標軸における面図形としてプログラムソフトに設定され、「キー配列位置設定モード」は終了する。
以上の操作によりキー配列が設定された入力装置51からの入力は次の様になる。入力者は設定したキー配列の位置を想定して、入力装置51のキー操作面52に入力の為の接触を行う。指が接触すれば接触面の位置情報がCPUに行き、面図形として記憶されたキー配列と接触位置情報をプログラムソフトが照合し、接触位置情報が図形の何れかのキー区画内であれば、該当するキーの入力と判定をして、キー情報或いはキーコード情報を出力する。
【0218】
図32の入力装置51は、左手専用機としてレイアウトキー53を人差し指で入力する位置に1個具備している。レイアウトキー53の設置位置、及び入力する指の指定は無く、入力を行い易い位置でキー操作面52の入力操作の支障とならない位置であれば何所でも良い。入力装置51の上述の説明は左手専用機として述べてきたが、「キー配列初期設定モード」の起動画面における標準的キー配列において、左手用と右手用のキー配列を設ける事により、入力装置51を左右兼用機とする事も出来る。或いは、レイアウトキーを左手入力用と右手入力用に別々に2個具備して、それぞれのレイアウトキーが入力された時には、左右別々のモードが起動する事とした、左右兼用機とする事も出来る。
【0219】
上記のように、入力装置51は、ユーザによって異なる手と指の大きさ、或いは指の動作に合わせたキー配列とする事が出来る為に、1台の入力装置であっても複数のユーザの使用に対応する事が出来る。
また同一ユーザであっても、入力中にしばしば起こり得る入力ポジションのズレを、レイアウトキー53の1回入力による「キー配列位置設定モード」の起動と、ホームポジションキーの想定入力という簡単な操作でキー配列を即座に修正できる為に、タッチタイピングが容易な入力装置となっている。以上の様に、キー操作面52にキー配列を有しない入力装置51はタッチタイピング専用であり、ユーザがカスタマイズできる新たなユーザキー73の設定が行えるので、操作性に優れたものとなる。
更に視覚障害者にとっては、従来のキーボードのように既設のキーに囚われることなく入力操作が行なえることから、コンピュータ等の操作を容易なものとすることができる。
【0220】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る片手入力装置のキーの設定方法によれば、CPUがプログラムソフトを処理することにより、多点入力が可能なタブレットまたはタッチパネル等のキー操作面に片手入力指5本の指先が自然に接触する位置に、ホームポジションキー5個を配列するとともに、更にホームポジションキーから夫々の指の移動が可能な方向に入力指を割り当てて配置した複数のキーからなる、予め設定して記憶装置に登録したキー配列の各キーを、使用者のキー配列の設定操作ごとに、使用者に適した位置に設定するものであって、
予め設定して登録したキー配列のキーのそれぞれは、キーの区画を決める複数の区画点とそれぞれのキーの区画内に設けた基準点1個とで構成し、記憶装置内にはキー操作面に固定されたものとしてキー操作面座標軸が設定されており、
第1ステップとしてキー操作面に片手入力指5本の指先を同時に接触させた際の人差し指と薬指の接触位置に相当する位置に、人差し指と薬指のホームポジションキーの基準点をキー操作面座標軸の座標値により予め記憶装置内に位置登録し、更に、キー操作面座標軸における人差し指と薬指のキー基準点を通過する直線及び薬指のキーの基準点において直線と直交する直線とによって形成されるキー配列座標軸を、記憶装置内にキー操作面座標軸に重ねて設定するとともに、その他の指のホームポジションキーの基準点はキー配列座標軸の座標値、ホームポジションキー以外のキーの基準点はそれぞれに割り当てられた指のホームポジションキーの基準点とのキー配列座標軸による座標差、更には各キーの区画点は関連するキーの基準点とのキー配列座標軸による座標差により、キー操作面座標軸に対する位置が記憶装置内に予め登録されており、
次に第2ステップとして、新たに使用者に適したキー配列をCPUが行うに際して、キー操作面への新たな片手5指の指先の接触面それぞれの中央近辺に接触面の基準点各1点を、プログラムソフトによってキー操作面座標軸に作成し、更にプログラムソフトによって作成した接触面の各基準点の位置に基づいてそれぞれの指の種類を判断し、更にプログラムソフトによって第1ステップにおいて予め登録されている各ホームポジションキーの基準点を、接触面の基準点の指の種類と位置に一致するようにキー操作面座標軸に移動させ、人差し指と薬指のホームポジションキーの基準点の移動に伴って第1ステップにおいて設定されたキー配列座標軸も、プログラムソフトによって設定方法で新たに設定してキー操作面座標軸に対して移動させ、更にプログラムソフトによってホームポジションキー以外のキーの基準点を、新たに設定して移動させたキー配列座標軸に予め登録した該当するホームポジションキーからの座標差で位置を決めてキー操作面座標軸に対して移動させ、予め登録した全てのキーの基準点が上記する方法で移動したことに伴い、更にはプログラムソフトによって、各キーの区画点も、新たに設定して移動させたキー配列座標軸に予め登録した該当するキーからの座標差によって位置を決めてキー操作面座標軸に対して移動させ、更にはプログラムソフトによって、キー操作面座標軸に対して移動した各キーの区画点の位置を、キー操作面座標軸の座標で設定する事により、キー操作面に、使用者のキー配列の設定操作ごとの各指先の接触位置に各指のホームポジションキーを配置する事と、各指のホームポジションキーから移動方向を定めたキーの移動方向と距離が変わらないようにしたので、タッチタイピングを容易とする事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による片手入力装置を示す斜視図である。
【図2】 キーコード式指文字を説明するための図である。
【図3】 物体に対した時の手と指の形態図である。
【図4】 入力装置の中指に割り当てられたキーの断面図である。
【図5】 入力装置をノートパソコンに組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図6】 入力装置の親指側を示す斜視図である。
【図7】 入力装置の人差し指〜小指側を示す斜視図である。
【図8】 入力装置を携帯電話に組み込んだ状態を示す斜視図である。
【図9】 入力装置のキー3部分を示す断面図である。
【図10】 爪を長くしている人にとって操作し易いようなキー配列面形状とした入力装置を示す斜視図である。
【図11】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図12】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図13】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図14】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図15】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図16】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図17】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図18】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図19】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図20】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図21】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図22】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図23】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図24】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図25】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図26】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図27】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図28】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図29】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図30】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図31】 片手入力装置のキーコードの一例を示す表である。
【図32】 この発明の実施の形態2による片手入力装置の斜視図である。
【図33】 レイアウトキーによるモード選択の操作を示すフローチャートである。
【図34】 「キー配列初期設定モード」のメニューの流れと操作を示すフローチャートである。
【図35】 「ホームポジションキー想定入力」メニューの表示画面である。
【図36】 「キー配列・キー区画の設定」メニューの初期表示画面である。
【図37】 「キー配列・キー区画の設定」メニューにおける自動・手動区画後の表示画面である。
【図38】 ユーザーキーを3個追加配列した状態を示す表示画面である。
【図39】 ユーザキーの「定義付け」メニューの表示画面である。
【符号の説明】
1〜5 ホームポジションキー、21,51 入力装置、52 キー操作面、62 キー区画、63 キー区画点、66 キー基準点、73 ユーザキー。
Claims (1)
- CPUがプログラムソフトを処理することにより、多点入力が可能なタブレットまたはタッチパネル等のキー操作面に片手入力指5本の指先が自然に接触する位置に、ホームポジションキー5個を配列するとともに、更に上記ホームポジションキーから夫々の指の移動が可能な方向に入力指を割り当てて配置した複数のキーからなる、予め設定して記憶装置に登録したキー配列の各キーを、使用者のキー配列の設定操作ごとに、使用者に適した位置に設定する片手入力装置のキーの設定方法であって、
上記予め設定して登録したキー配列のキーのそれぞれは、キーの区画を決める複数の区画点とそれぞれのキーの区画内に設けた基準点1個とで構成し、記憶装置内には上記キー操作面に固定されたものとしてキー操作面座標軸が設定されており、
第1ステップとして上記キー操作面に片手入力指5本の指先を同時に接触させた際の人差し指と薬指の接触位置に相当する位置に、人差し指と薬指のホームポジションキーの上記基準点を上記キー操作面座標軸の座標値により予め上記記憶装置内に位置登録し、更に、上記キー操作面座標軸における上記人差し指と薬指のキー基準点を通過する直線及び上記薬指のキーの基準点において上記直線と直交する直線とによって形成されるキー配列座標軸を、上記記憶装置内に上記キー操作面座標軸に重ねて設定するとともに、その他の指のホームポジションキーの基準点は上記キー配列座標軸の座標値、ホームポジションキー以外のキーの基準点はそれぞれに割り当てられた指のホームポジションキーの基準点との上記キー配列座標軸による座標差、更には各キーの区画点は関連するキーの基準点との上記キー配列座標軸による座標差により、上記キー操作面座標軸に対する位置が上記記憶装置内に予め登録されており、
次に第2ステップとして、新たに使用者に適したキー配列を上記CPUが行うに際して、上記キー操作面への新たな片手5指の指先の接触面それぞれの中央近辺に接触面の基準点各1点を、プログラムソフトによって上記キー操作面座標軸に作成し、更にプログラムソフトによって上記作成した接触面の各基準点の位置に基づいてそれぞれの指の種類を判断し、更にプログラムソフトによって上記第1ステップにおいて予め登録されている各ホームポジションキーの基準点を、上記接触面の基準点の指の種類と位置に一致するように上記キー操作面座標軸に移動させ、上記人差し指と薬指のホームポジションキーの基準点の移動に伴って上記第1ステップにおいて設定されたキー配列座標軸も、プログラムソフトによって上記設定方法で新たに設定して上記キー操作面座標軸に対して移動させ、更にプログラムソフトによってホームポジションキー以外のキーの基準点を、上記新たに設定して移動させたキー配列座標軸に上記予め登録した該当するホームポジションキーからの座標差で位置を決めて上記キー操作面座標軸に対して移動させ、予め登録した全てのキーの基準点が上記する方法で移動したことに伴い、更にはプログラムソフトによって、各キーの区画点も、上記新たに設定して移動させたキー配列座標軸に上記予め登録した該当するキーからの座標差によって位置を決めて上記キー操作面座標軸に対して移動させ、更にはプログラムソフトによって、上記キー操作面座標軸に対して移動した各キーの区画点の位置を、上記キー操作面座標軸の座標で設定する事により、上記キー操作面に、使用者のキー配列の設定操作ごとの各指先の接触位置に各指のホームポジションキーを配置する事と、各指のホームポジションキーから移動方向を定めたキーの移動方向と距離が変わらない事を特徴とする片手入力装置のキーの設定方法。
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