JP3934844B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大きい素子ピッチの探触子を用いて、グレーティングローブの小さい超音波ビームを形成する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断に用いる超音波は、探触子に設けられた素子の厚み振動から発生させる。従って、素子が厚み振動のみをするのが理想であるが、実際には図2(a)に示すように、厚み振動以外の不要振動が発生する。そこで、図2(b)に略示するように、素子をさらに細かく切断し、厚み振動はそのままで不要振動を抑制する。この素子の細かい切断をサブダイスと呼ぶ。従来の超音波診断装置には、厚み振動以外の不要振動を抑制するために各素子をサブダイスした探触子が用いられている(日本電子機械工業会編「医用超音波機器ハンドブック」コロナ社(1985年)188〜189ページ参照)。
【0003】
また従来の超音波診断装置に用いられる探触子においては、独立に駆動回路、遅延回路に接続される最小単位は各素子であり、サブダイス後の各サブダイス素子には共通の電極が取り付けられている(前記「医用超音波機器ハンドブック」187ページ参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
超音波診断装置においては、グレーティングローブと呼ばれる好ましくない虚像が、素子ピッチに応じて断層像に出現する。これを図3で説明する。図中、1は探触子、D1は超音波主ビームの形成方向、D2はグレーティングローブの出現方向、θは2つの方向D1,D2間の角度である。ここで超音波の波長をλ、探触子の素子ピッチをdとおくと、θ,λ,dの間には次の(1)式で示す関係がある。
【0005】
sinθ=λ/d (1)
【0006】
つまり波長λが短いほど(周波数が高いほど)、また素子ピッチdが大きいほど角度θが小さくなり、D1の近くに、グレーティングローブが出現する。よって超音波診断装置では、グレーティングローブを極力超音波主ビームから遠ざけるために、素子ピッチを小さくしなければならない。素子ピッチを決める基準式の例が前記「医用超音波機器ハンドブック」191ページに開示されている。
【0007】
一方、超音波診断装置はビーム形成のために、送信時には各素子に対し独立に駆動パルスを与え、受信時には各素子の受信信号に対し独立に遅延を与える。独立に制御できる素子数をNとおくと、1回の超音波送受信に使用される探触子の口径長DはD=N・dとなる。ここで装置の方位分解能は口径長Dに逆比例し、送受信感度は口径長Dに比例する。よって、Nやdが大きいほど装置の分解能は向上し、送受信感度は高くなる。しかし回路規模の点から、Nを無制限に大きくすることはできず、現在はN=64あるいはN=128とする装置が多い。そのため装置の分解能、感度を維持するには、素子ピッチdを大きくする必要がある。
【0008】
つまり従来の超音波診断装置においては、Nが一定の時、分解能や感度を優先し素子ピッチdを大きくすると、グレーティングローブの出現位置が超音波主ビームに近接する問題が生じ、グレーティングローブ除去を優先し素子ピッチdを小さくすると、分解能や感度の劣化が問題となる。
【0009】
本発明の目的は上記課題を解決し、大きい素子ピッチの探触子を用いて、高分解能、高感度、低グレーティングローブを同時に満足する撮像を行うことのできる超音波診断装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の超音波診断装置は、厚み振動以外の不要振動を抑えるために束ねられる複数の素子を備え被検体に対して超音波を送受する探触子と、素子束ね制御部と、素子束ね制御部からの制御信号に基づいて複数の素子を複数の群に束ねる素子束ね部と、素子束ね部によって同一の群に束ねられた素子に対し同一の送波パルスを与える駆動部と、素子束ね部によって同一の群に束ねられた素子からの受信信号に対して超音波ビーム形成に必要な同一の遅延時間を与える遅延部と、遅延部の出力を加算する加算部と、加算部の出力を断層像として表示する表示部と、素子束ね部の装置側信号線を駆動部又は遅延部に切り換えて接続する送受分離部とを備え、素子束ね制御部は超音波の送信時と受信時とで素子の束ねパターンを独立に決定し、送信時の束ねパターンにより発生する送信ビームのグレーティングローブ位置と受信時の束ねパターンにより発生する受信ビームのグレーティングローブ位置とを独立に制御し、前記素子束ね制御部は、超音波ビームの偏向角が所定の角度より小さいとき送信時の素子束ねパターンと受信時の素子束ねパターンを同じにし、超音波ビームの偏向角が前記所定の角度より大きいとき送信時の素子束ねパターンと受信時の素子束ねパターンを異ならせることを特徴とする。
【0011】
前記所定の角度は送信ビームの第1グレーティングローブ出現角度の絶対値θtと、受信ビームの第1グレーティングローブ出現角度の絶対値θrのうち小さい方の角度と略等しいものとすることができる。
本発明によると、大きい素子ピッチの探触子を用いて、高分解能、高感度、低グレーティングローブを同時に満足する撮像を行う、超音波診断装置を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明による超音波診断装置の一例を示す概略説明図である。図中1は探触子、2は束ねられた素子、3は素子、4は素子束ね部、5は素子束ね制御部、6は送受分離部、7は駆動部、8は遅延部、9は加算部、10は表示部、20統括制御部である。探触子1は、図4に示すように、束ねられた素子2の集合である。すなわち、物理的に最も細かく切断された圧電材が素子3であり、超音波送信時あるいは受信時に独立に信号処理される素子の組が束ねられた素子2である。探触子1の一部の素子、あるいは全ての素子が選択され、超音波ビームの送受信に用いられる。選択された探触子の部分を口径と呼ぶ。
【0013】
送受分離部6、駆動部7、遅延部8、加算部9はビーム形成部を構成する。超音波ビーム送信時、ビーム形成部の駆動部7は探触子1の口径内に位置する各素子の駆動タイミングを制御し、送信フォーカス点に送信ビームを収束させる。また、超音波ビーム受信時、ビーム形成部の遅延部8及び加算部9は探触子1の口径内に位置する各素子の受信信号の遅延加算処理(整相加算処理)を行い、受信フォーカス点からの受信信号を増幅する。1回の超音波送受信で、受信フォーカス点を順次変えながら受信信号を受信することで断層像上の1ラスタが形成される。送受信ビームを移動し、各ビーム位置でラスタを形成し、超音波断層像を構成する。断層像は表示部10に表示される。統括制御部20は、ビーム形成部及び素子制御部を包括的に制御するもので、ディジタル超音波診断装置では、装置全体を制御するCPUが兼用することが可能である。
【0014】
送受信ビームの移動方法には2通りある。すなわち、図5(a)に略示するように、ビームごとに探触子中の口径位置を移動させ、ラスタを探触子に沿って形成するリニア走査と、図5(b)に略示するように、全ビームで探触子中の口径位置を固定し、ビームごとに送信時の駆動タイミングと受信時の遅延処理を変化させ、固定口径から扇状にラスタを形成するセクタ走査である。いずれの送受信ビームの移動方法の場合であっても本発明を適用することができる。
【0015】
以下では説明の便宜上、探触子の素子数を4とし、各束ねられた素子2が3つの素子3に分割されているとし、また駆動部7、遅延部8が独立に制御できる素子数(チャネル数)を4として説明する。ただし、これはあくまでも説明を簡単にし理解を容易にするための便宜的なものであり、本発明の適用がこのような特定の探触子に限定されることを意味するものではない。
【0016】
まず、図1に示した素子束ね制御部5が送信時の素子束ねパターンを決める。この例を図6に示す。送信時は、素子束ね部4が素子束ね制御部5からの制御信号に従い、3つの素子3を束ね、1つの独立素子(チャネル)として扱う。ここで素子3の口径方向の幅をδとおくと、探触子1の見かけの素子ピッチは3δとなり、これは本来の素子ピッチに一致する。各チャネルは送受分離部6を通して駆動部7からの印加電圧で駆動され、結果として探触子1が被検体に対し超音波パルスを照射する。
【0017】
照射された超音波パルスは被検体内で反射し、反射パルスが探触子1で受信される。装置の送信処理終了後、素子束ね部4は素子束ね制御部5からの制御信号に従い、素子3の束ねパターンを変化させる。ここで、素子束ね部4が素子3の束ね方を送信パターンから受信パターンに切り換えるのに要する時間をτとし、被検体内の音速をcとすると、画像化できない被検体の深さhは次の(2)式で与えられる。
【0018】
h=τc/2 (2)
【0019】
実際の生体イメージングでは、体表から1mm以内の深さ範囲を画像化する必要はないので、この場合、τを1.3μs以下とする高速のスイッチングを行えば、実用上問題は生じない。
受信時の素子束ねパターンの例を図7に示す。受信時は、2つの素子3を束ね、それを1つの独立素子(チャネル)として扱う。ここで素子3の幅をδとおくと、探触子1の見かけの素子ピッチは2δとなり、これは本来の素子ピッチの2/3である。各チャネルは送受分離部6を通して遅延部8に接続される。送信時及び受信時の素子束ねパターンの組み合わせ条件は、探触子ごとに固有のものとすることができる。その場合、束ねパターンの組み合わせ条件は、例えば工場出荷時に装置メモリにセットされ、装置使用時、探触子1が接続された時点で、素子束ね制御部5がメモリから読み出すようにすればよい。なお、図6及び図7の素子束ね部4は、素子3と送受分離部6の結線方法を決定する。遅延部8は各チャネル信号に受信フォーカシング用の遅延を与え、全信号の位相をそろえる。位相のそろった信号は加算部9で加算され、目的方向(フォーカス点)からの信号のみが増幅され、表示部10に輝度変調されて表示される。
【0020】
本発明では送信時と受信時で、素子束ね部4が素子3の束ねパターンを変え、大きい素子ピッチの探触子においてグレーティングローブを減少させる。これは超音波の送受信ビームが、送信ビームと受信ビームの積で表されることを利用している。送受信で束ねパターンが共通であると、グレーティングローブの出現位置も送信ビーム、受信ビームで共通である。よって送信ビームと受信ビームの積である送受信ビームにおいても、送信ビーム、受信ビームと同様の位置にグレーティングローブが出現する。ここで、送信ビームは、駆動部7により独立に電圧を印加された素子から発生した超音波が、被検体内に作り出す超音波の強度分布である。受信ビームは、遅延部8、加算部9での整相加算による受信信号の増幅処理により、被検体内のどの部分からの受信信号が強く受信されるかを示す感度分布である。受信ビームでは、被検体各部から一様に受信信号が返ると仮定する。また、送受信ビームは、送信ビームを照射された被検体からの強度分布を有する受信信号に対し、整相加算処理を行った場合の、被検体内のどの部分からの受信信号が強く受信されるかを示す感度分布である。
【0021】
一方、送受信で束ねパターンを変化させると、束ねパターンの組み合わせを工夫することにより、送信ビームのグレーティングローブ位置を受信ビーム強度の小さい位置(理想的にはゼロ点)に一致させ、受信ビームのグレーティングローブ位置を送信ビーム強度の小さい位置(理想的にはゼロ点)に一致させることが可能である。これにより積である送受信ビームにおいて、グレーティングローブ強度を低減させることができる。つまり送信ビーム、受信ビームのそれぞれにおいてはグレーティングローブが出現するが、送信ビームと受信ビームの積である送受信ビームにおいてはグレーティングローブ強度が小さくなる。さらに本発明では素子の束ね方を変化させることにより、見かけの素子ピッチを変化させる。
【0022】
図8は、送信ビームのグレーティングローブ位置を受信ビーム強度の小さい位置に一致させ、受信ビームのグレーティングローブ位置を送信ビーム強度の小さい位置に一致させたことによる効果を示す説明図である。図8(a)は送信ビームを、図8(b)は受信ビームを、図8(c)は送受信ビームを表す。各図において、横軸は方位方向sin(γ)、縦軸はビーム強度(dB)である。また、MBは超音波主ビームを表し、GLはグレーティンローブを表す。図8(a),(b)に示すように、送信ビームのグレーティングローブ位置を受信ビームの強度の小さい位置に一致させ、受信ビームのグレーティングローブ位置を送信ビームの強度の小さい位置に一致させた場合、図8(c)に示されるように、送受信ビームのグレーティングローブ強度が大きく低減する。
【0023】
以上に述べた装置動作の有効性を、計算機シミュレーションで実証した。以下に計算機シミュレーション結果を説明する。計算機シミュレーションでは、図1における素子3の探触子口径方向の幅を0.12mm、駆動部7、遅延部8が独立に制御できる素子数(チャネル数)を64、送信する超音波パルスを7.5MHzのsinパルス4波(包絡線はハニング形状)、フォーカス点を送受信口径の中心前方50mmとした。ここで、ハニング形状の包絡線を有するsinパルス4波とは、図9に示すように、cos1山の包絡線中にsinキャリアが4つ入っているパルス波である。
【0024】
図10(a)に送信束ねパターン、受信束ねパターンの両者を図6としたときの送受信ビームを示す。縦軸はビーム最大値を0dBに規格化したビーム強度、横軸はビームの方位方向(mm単位)である。図中、MBは超音波主ビーム、GLはグレーティングローブである。なお、図6では総チャネル数を4と仮定したが、上述のように実際の計算機シミュレーションでは総チャネル数を64とした。図10(b)に送信束ねパターンを図7、受信束ねパターンを図6としたときの送受信ビームを示す(送信束ねパターンを図6、受信束ねパターンを図7としても同様の送受信ビームが得られる)。
【0025】
図10(a)は送受信で素子ピッチが共通な従来の超音波ビームであり、図10(b)は送受信で見かけの素子ピッチを変える本発明の超音波ビームである。図10(b)の送受信ビームにおいては、グレーティングローブ強度が図10(a)の送受信ビームより約20dB下がっており、本発明の有効性が実証できた。ただし、図10(b)では受信口径が図10(a)の2/3となるため、ビーム最大値を規格化前の振幅で比較すると、図10(b)では最大振幅が図10(a)より4dB低く、これは口径比(3.5dB減)にほぼ等しい。
【0026】
ここで探触子の見かけの素子ピッチは図6の束ねパターンでは0.36mm、図7の束ねパターンでは0.24mmであり、これは周波数7.5MHzにおいてはそれぞれ1.75波長、1.17波長に相当する。グレーティングローブを完全に除去できる素子ピッチは、一般に1/2波長以下とされている。よって図10(b)に示したグレーティングローブ強度の低減は、見かけの素子ピッチが波長に対し十分に小さくなったためではなく、送受信のグレーティングローブ打ち消し合いで生じたものと考えられる。これを確認するために、送信束ねパターン、受信束ねパターンの両者を図7としたときの送受信ビームを求めた。結果を図10(c)に示す。なお、図10(c)の計算では図10(a)の場合と感度をほぼ等しくするために、便宜上チャネル数を96とした。
【0027】
図10(c)の送受信ビームにおいてもグレーティングローブは発生しており、素子ピッチ0.24mmはグレーティングローブを消すのに十分な細かさではないことが確認された。さらに注目すべきは、図10(b)の送受信ビームは図10(c)の送受信ビームと比べても、グレーティングローブ強度が約10dB下がっていることである。つまり図10(c)では、受信時の見かけの素子ピッチが図10(b)より小さいにもかかわらず、グレーティングローブ強度が大きい。この結果は、回路規模の点からチャネル数を制限され、感度、分解能を維持するために素子ピッチを十分に小さく(1/2波長以下)できない場合、素子ピッチをある程度小さくして送受信で素子ピッチをそろえるよりも、送受信のどちらかは素子ピッチは大きいまま、送受信で素子ピッチを変える方が高感度、高分解能、低グレーティングローブ強度であることを示している。
【0028】
図11に、素子の束ねパターンを図10(a)〜(c)と同じにして連続波ビームで送受信ビームを計算した結果を示す。各素子の指向性は無視した。各図において、横軸は方位方向sin(γ)、縦軸はビーム強度(dB)である。また、MBは超音波主ビームを表し、GLはグレーティンローブを表す。図11(a)は、送信束ねパターン及び受信束ねパターンの両者を図6としたときの送受信ビーム、図11(b)は送信束ねパターンを図7、受信束ねパターンを図6としたときの送受信ビーム、図11(c)は送信束ねパターンと受信束ねパターンの両者を図7としたときの送受信ビームを表す。図を比較すると明らかなように、図11(a),(c)ではグレーティンローブがメインビームと同程度の強度を有するが、図11(b)ではグレーティンローブが大幅に低減されている。このように、パルスビームだけでなく連続波ビームにおいても、送信ビームと受信ビームとで素子の束ねパターンを変化させることでグレーティンローブを大きく低減できることが分かる。
【0029】
次に図10(a),(b),(c)と同条件で、フォーカス点を送受信口径の中心前方から右に30゜傾けた場合の超音波ビームを、それぞれ図12(a),(b),(c)に示す。
【0030】
従来方式の超音波ビームである図12(a)に比べ、本発明による超音波ビームである図12(b)は、グレーティングローブ強度が約35dB下がっている。また図12(b)の送受信ビームは図12(c)の送受信ビームに比べても、グレーティングローブ強度が約20dB下がっている。さらに図12(b)では受信口径が図12(a)の2/3であるにもかかわらず、ビーム最大値を規格化前の振幅で比較すると最大振幅が2.2dB高い。つまりビームを偏向した場合は、グレーティングローブ強度、感度の両者において、本発明は従来方式に優れている。一般にグレーティングローブは、超音波ビームの偏向角度が大きいほど、その影響が大きいとされている。よってグレーティングローブ低減に有効な本発明は、グレーティングローブの影響が大きい、偏向角度の大きい超音波ビームに対して効果がより顕著である。
【0031】
図12はパルスビームで計算したが、連続波ビームでの計算結果を図13に示す。各素子の指向性は無視した。各図において、横軸は方位方向sin(γ)、縦軸はビーム強度(dB)である。また、MBは超音波主ビームを表し、GLはグレーティンローブを表す。図13(a)は図12(a)に、図13(b)は図12(b)に、図13(c)は図12(c)にそれぞれ対応する。この場合においても、送信ビームと受信ビームとで素子の束ねパターンを変化させることでグレーティンローブを大きく低減できることが分かる。
【0032】
図14は、本発明による超音波診断装置の他の例の概略説明図である。この超音波診断装置は、図1に示した装置にビーム偏向角出力部11を追加したものに相当する。図14において、図1と同じ機能部分には図1と同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0033】
図10、図12より、探触子の見かけの素子ピッチを変化させグレーティングローブを減少させる方法は、超音波ビームの偏向角度が大きいほど効果が顕著である。図10では送受信で見かけの素子ピッチを変えると、グレーティングローブ強度は低くなるが感度も下がる。よって感度優先としたい場合は、フォーカス点が中心前方(偏向角0゜)では、素子3の束ねパターンは送信、受信ともに図6とするのが望ましい。一方偏向角が30゜では感度優先の場合も、素子3の束ねパターンは送信で図7、受信で図6(あるいは送信で図6、受信で図7)とするのが望ましい。
【0034】
そこで図14に示した超音波診断装置においては、ビーム偏向角出力部11が超音波ビームの偏向角を出力し、偏向角が所定値未満の場合は送信、受信で素子3の束ねパターンが共通になるように素子束ね制御部5が素子束ね部4を制御し、偏向角が所定値以上の場合は送信、受信で素子3の束ねパターンを変化させるように素子束ね制御部5が素子束ね部4を制御する。例えば、送信ビームの第1グレーティングローブ出現角度の絶対値をθt、受信ビームの第1グレーティングローブ出現角度の絶対値をθrとし、θtとθrのうち小さい方をθgとおく。このとき前記所定値としてθgを用い、素子束ね制御部5は、ビーム偏向角出力部11が出力する超音波ビームの偏向角の絶対値がθg以上のとき送信、受信で素子3の束ねパターンが変化するように素子束ね部4を制御し、ビーム偏向角出力部11が出力する超音波ビームの偏向角の絶対値がθgより小さいとき送信、受信で素子3の束ねパターンが共通になるように素子束ね部4を制御すればよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明によると、大きい素子ピッチの探触子を用いて、高分解能、高感度、低グレーティングローブを同時に満足する撮像を行う超音波診断装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による超音波診断装置の一例を示す概略説明図。
【図2】 素子の厚み振動とそれ以外の不要振動の説明図。
【図3】 グレーティングローブの説明図。
【図4】 探触子と、それを構成する素子、口径の関係を示す略図。
【図5】 送受信ビームの移動方法を説明する図。
【図6】 送信時の素子束ねパターンの例を示す図。
【図7】 受信時の素子束ねパターンの例を示す図。
【図8】 送信ビームのグレーティングローブ位置を受信ビーム強度の小さい位置に一致させ、受信ビームのグレーティングローブ位置を送信ビーム強度の小さい位置に一致させたことによる効果を示す説明図。
【図9】 送信する超音波パルスの波形例を示す図。
【図10】 偏向角0゜の場合の、超音波ビームパターンの例を示す図。
【図11】 連続波ビームで送受信ビームを計算した結果を示す図10に対応する図。
【図12】 偏向角30゜の場合の、超音波ビームパターンの例を示す図。
【図13】 連続波ビームで送受信ビームを計算した結果を示す図12に対応する図。
【図14】 本発明による超音波診断装置の他の例を示す概略説明図。
【符号の説明】
1…探触子、2…束ねられた素子、3…子、4…素子束ね部、5…素子束ね制御部、6…送受分離部、7…駆動部、8…遅延部、9…加算部、10…表示部、11…偏向角出力部、20…統括制御部、D1…超音波主ビームの形成方向、D2…グレーティングローブの出現方向、ML…超音波主ビーム、GL…グレーティングローブ

Claims (2)

  1. 厚み振動以外の不要振動を抑えるために束ねられる複数の素子を備え被検体に対して超音波を送受する探触子と、
    素子束ね制御部と、
    前記素子束ね制御部からの制御信号に基づいて前記複数の素子を複数の群に束ねる素子束ね部と、
    前記素子束ね部によって同一の群に束ねられた素子に対し同一の送波パルスを与える駆動部と、
    前記素子束ね部によって同一の群に束ねられた素子からの受信信号に対して超音波ビーム形成に必要な同一の遅延時間を与える遅延部と、
    前記遅延部の出力を加算する加算部と、
    前記加算部の出力を断層像として表示する表示部と、
    前記素子束ね部の装置側信号線を前記駆動部又は前記遅延部に切り換えて接続する送受分離部とを備え、
    前記素子束ね制御部は超音波の送信時と受信時とで素子の束ねパターンを独立に決定し、送信時の束ねパターンにより発生する送信ビームのグレーティングローブ位置と受信時の束ねパターンにより発生する受信ビームのグレーティングローブ位置とを独立に制御し、
    前記素子束ね制御部は、超音波ビームの偏向角が所定の角度より小さいとき送信時の素子束ねパターンと受信時の素子束ねパターンを同じにし、超音波ビームの偏向角が前記所定の角度より大きいとき送信時の素子束ねパターンと受信時の素子束ねパターンを異ならせることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項記載の超音波診断装置において、前記所定の角度は送信ビームの第1グレーティングローブ出現角度の絶対値θtと、受信ビームの第1グレーティングローブ出現角度の絶対値θrのうち小さい方の角度と略等しいことを特徴とする超音波診断装置。
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