JP3934544B2 - 弾性波観測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、レーザ光を用いた計測により弾性波の分布を観測する弾性波観測装置、及び弾性波観測装置に利用される弾性表面波装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
SAWデバイスなどの弾性波を用いたデバイスが盛んに開発されており、これらの素子の挙動を理解し、素子の改良に役立てるために弾性波を観測する手段が要望されている。
【0004】
表面弾性波(Surface Acoustic Wave)を用いたデバイス(SAWデバイス)において、表面波分布を観測する技術として、ヘルシンキ工科大学のM.M.サロマ氏らの干渉計を用いたものがある。この方法では、試料表面で反射した光と参照ミラーで反射した光の干渉を用いて、合成光の微小な強度変化から表面の変位を測定している。面に垂直な変位が光路差を変えることを検出するので、測定されるのは表面に垂直な弾性波変位である。
【0005】
一方、面内の変位を観測するためには、弾性波による歪みによって生じる弾性光学効果(応力複屈折)を透過光の偏光変化から検出することが考えられる。弾性光学効果による複屈折から、物体内の応力歪みを観察するものとしては偏光顕微鏡があり、また、電気光学効果による光変調器と同じ構成で、逆に光の強度変化から複屈折を検出することが考えられる。
【0006】
なお、本発明に関連する従来の技術として、特許出願公表平5−503862号公報には、円偏光の光ビームを偏光保持型ファイバに入力して入射超音波により励起されるモード結合度を出力する超音波センサが示されている。
【特許文献1】
特許出願公表平5−503862号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
干渉計を用いて測定する方法では、測定できるのは表面に対して垂直な変位に限られる。しかし、SAWデバイスにおいて利用している表面波は面垂直な変位をもっているものばかりではない。実際に、タンタル酸リチウム(LiTaO)の36°Yカット板を用いたデバイスなどは、面内変位しか持たないか、またはほとんどのエネルギが面内変位である弾性波を利用している。このようなSAWデバイスでは弾性波の観察を干渉計で行うことは適していない。
【0008】
一方、面内の変位を観測するため、弾性光学効果(応力複屈折)を透過光の偏光変化から検出することを考えると、SAWデバイスの結晶基板は光学的にも異方性を持ち、また表面が複雑な角度のカット面となっているため、電気光学効果を用いた光変調器のような簡略な構成で、実際のSAWデバイスでの弾性波観測を行うことはできない。
【0009】
図1に、弾性光学効果により生じる複屈折および屈折率変化を、透過光を用いて検出する従来の弾性波測定装置の光学系の構成を示す。図1の構成は、光変調器などに用いられている。
【0010】
図1に示した光学系は、光源からの円偏光の光2が、被測定物である結晶3に入射し、結晶3を透過した光が位相差補償板4、偏光フィルタ5の順に透過した後、受光器6に入射するよう構成されている。光の伝搬方向に対して結晶3の屈折率が定まる軸をX軸14、Y軸15とすると、屈折率はX軸14に対してnx、Y軸15に対してnyとなっている。
【0011】
図2(a)のようにX軸方向の屈折率の変化Δnにより、円偏光で入射した光は45°方向を主軸とした楕円偏光となり、45°方向の偏光成分の強度(図2(b)に示した線46と原点との距離)、つまり45°方向を透過軸42とする偏光フィルタ41を透過する強度Iは、
I=I+C・Δn (I:屈折率変化のないときの強度、C:係数)
となる。この構成では、偏光フィルタ41の透過軸の方向は、結晶の屈折率が定まる軸X、Yとは45°の角度としたときが感度最大であり、0°では感度はない。
【0012】
異方性の結晶では屈折率は光の伝搬方向により異なり、屈折率楕円体と伝搬方向に垂直な平面( 原点を通る)との交点が成す楕円の主軸の向きが屈折率が定まる向きであり、それぞれの主軸の長さが屈折率となる。
【0013】
弾性光学効果が起きる場合には、屈折率楕円体が変形して、それが任意の伝搬方向の光に対する屈折率の変化となって現れる。最終的な変化は、弾性波による歪み成分、弾性光学効果、光の伝搬方向によって決まり、上記の図1の構成で検出されるような変化が、都合よく現れるとは限らない。
【0014】
被測定物である結晶3がタンタル酸リチウムの36°Yカット板であり、カット面に垂直に光が伝搬する場合には、屈折率の変化は、図3(a)のように屈折率の定まる軸が回転して、屈折率の値自体はほとんど変化しないことが分かった。この場合、図1の従来の構成では、弾性波によって起きた変化を検出することはできない。
【0015】
また、従来の弾性波観測方式によれば、SAWデバイス内の弾性波分布を観測することが可能であるが、SAWデバイス中の、光を透過させられない領域、例えば、金属電極領域における弾性波の挙動を観測できないという問題がある。SAWデバイスの金属電極は、いわゆるミラーとして機能し、金属電極領域に入射した光は反射してしまうため、金属電極領域は入射光がSAWデバイスの基板結晶とは相互作用しない不感領域となってしまう。
【0016】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、SAWデバイス等の、光学的に異方性をもち、表面が複雑な角度のカット面となっている結晶基板における弾性波の面内変位の測定を適切に行うことが可能な弾性波観測装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明の他の目的は、SAWデバイス等の結晶基板内の全領域において、不感領域なく弾性波分布を観測することを可能とし、弾性波の挙動をより精密に観測する弾性波観測装置及び弾性波観測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、光源からの円偏光の光が被測定物に入射し、被測定物を透過した光が偏光フィルタを透過した後、受光器に入射するように配置された光学系と、前記受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する検出回路とを備える弾性波観測装置であって、前記偏光フィルタを、その偏光透過軸方向が被測定物の屈折率楕円体と、入射光方向に垂直でかつ前記屈折率楕円体の原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向のうちのいずれか一方の方向と一致するよう配置したことを特徴とする。
【0019】
上記課題を解決するため、請求項2に記載した発明は、光源からの円偏光の光がビームスプリッタにより分岐され、分岐された一方の光が被測定物に入射し、他方の光が参照ミラーに入射するように配置され、被測定物を透過した光が偏光フィルタを透過した後、第1の受光器に入射するように配置され、かつ、前記ビームスプリッタが被測定物の表面で反射される光と前記参照ミラーで反射される光とを重ね合わせて合成光を生成し、前記合成光が第2の受光器に入射するように配置された光学系と、前記第1の受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する第1の検出回路と、前記第2の受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する第2の検出回路と、前記第1の検出回路の出力値と前記第2の検出回路の出力値とに基づいて演算処理を行う演算回路とを備える弾性波観測装置であって、前記偏光フィルタを、その偏光透過軸方向が被測定物の屈折率楕円体と、入射光方向に垂直でかつ前記屈折率楕円体の原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向のうちいずれか一方の方向と一致するよう配置したことを特徴とする。
【0020】
本発明の弾性波観測装置によれば、弾性表面波デバイス等の被測定物でこれまで観測できなかった弾性波の面内変位成分を適正に観測することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の弾性波観測装置によれば、SAWデバイスなどの弾性表面波装置でこれまで観測できなかった弾性波の面内変位成分の分布を適正に観測することができ、装置の改良に貢献するところが大きい。
【発明の実施の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0023】
図5は、本発明の弾性波観測装置の基本的構成を示す。図6は、本発明の一実施例に係る弾性波観測装置を示す。本発明の弾性波観測装置では、測定手段は弾性光学効果により生じる複屈折を、透過光の偏光状態の変化で検出する。
【0024】
図6に示した弾性波観測装置においては、光学系は、光源1からの円偏光の光2が被測定物3に入射し、被測定物3を透過した光は、位相差補償板4、偏光フィルタ5の順に透過した後、受光器6に入射するように配置されている。上記の光学系の出力に検出回路7が接続されている。弾性波により生じる複屈折の周期的な変化が受光器6の出力に現れるため、検出回路7はこの出力の周期的な変動成分を検出することで、弾性波の強度を測定する。
【0025】
図5に示したように、上記実施例の弾性波観測装置においては、偏光フィルタ5の偏光透過軸方向16が、被測定物3の屈折率楕円体と入射光方向に垂直でかつ原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向14、15のうち、いずれか一方と一致する方向となるように構成している。また、位相差補償板4は、被測定物3の基板部の自然複屈折を補償するために用いられている。
【0026】
本発明者は、図3(a)のような変化を検出するための構成を調べた結果、図5のように、入射偏光は円偏光2で、偏光フィルタ5の透過軸16を結晶の屈折率の定まる軸であるX軸14( またはY軸15) と一致させる構成がよいことを見いだした。
【0027】
なお、X軸14は弾性光学効果により方向が変わるが、変化は微小であるので、偏光フィルタ5の透過軸16を一致させる方向が回転前か回転後かは特に区別する必要はない。この時の偏光状態は図3(b)に示したように、入射した円偏光は、弾性波の起きている領域の自然複屈折(nxとnyが異なる) のために必ず楕円偏光になり、この楕円偏光の主軸の向きが屈折率の定まる軸のX軸14、Y 軸15に伴って回転するので、X軸方向の偏光成分強度(図3(b)に示した線47と原点の距離)の変化として現れる。
【0028】
図7は、本発明の他の実施例に係る弾性波観測装置を示す。図4は、弾性表面波の変位成分を説明するための図である。
【0029】
表面波の変位成分には、図4(a)に示した面垂直成分と図4(b)に示したような面内成分があるが、表面波が両方の成分を持つが、面内成分のみの分布を観測したい場合には、図7のように面垂直成分を測定する干渉計による測定と組み合わせて、干渉計による面垂直変位の測定を、受光器11の出力の周期的成分の大きさを検出回路12で求めることで行い、これを、偏光検出での弾性波の強度を示す検出回路7の出力から、演算回路13により差し引くことで面内変位成分のみの寄与を求めることができる。
【0030】
すなわち、図7に示した弾性波観測装置においては、光学系は、光源1からの円偏光の光2が、ビームスプリッタ8により分岐され、分岐された一方の光が被測定物3に入射し、他方の光が参照ミラー9に入射するように配置されている。
【0031】
図7の弾性波観測装置においては、被測定物3を透過した光が位相差補償板4、偏光フィルタ5の順に透過した後、受光器6に入射するように配置されている。
また、図5の構成と同様に、偏光フィルタ5の偏光透過軸方向16は、被測定物3の屈折率楕円体と入射光方向に垂直でかつ原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向14、15のうち、いずれか一方と一致する方向であるように構成されている。
【0032】
また、図7の弾性波観測装置においては、被測定物3の表面で反射された光は、参照ミラー9で反射された光と、ビームスプリッタ8により重ね合わされ、受光器11に入射するように配置されている。さらに、図7の弾性波観測装置は、受光器6の出力の周期的な変動成分を検出する検出回路7と、受光器11の出力の周期的な変動成分を検出する検出回路12と、検出回路7の出力値と検出回路12の出力値を演算処理する演算回路13とを備える。
【0033】
図7に示した弾性波観測装置においては、面内成分が主である表面波を利用する弾性表面波装置を被測定物3として使用する場合に、被測定物3にレイリー波の共振が起きる周波数の電気信号を入力した時の検出回路7の出力と検出回路12の出力が演算回路13で演算され零を出力するように、演算回路13において、検出回路7の出力から、検出回路12の出力に係数を掛けて引く演算を行ったときの演算結果にもとづいて、上記の係数を求めるように構成されている。
【0034】
この実施例の演算回路13において、偏光検出の信号である検出回路7の出力値から干渉計で得られる信号値である検出回路12の出力を差し引くとき、検出回路12の出力に掛ける係数を知る必要がある。つまり、偏光検出で得られる信号Spolから干渉計で得られる信号Sintに係数を掛けたものを引いて、面内成分による偏光検出への寄与であるSpを求める。
【0035】
Sp=Spol−Sint・D (D:係数)
理論的な感度計算から求めることもできるが、実際の光学系が理想的ではないことなどのために、実験的に係数を決める方法が求められる。この係数を求めるために、面内変位をもつ表面波を使用するように設計されたデバイスであっても、レイリー波を励起させて係数を求める方法が有効である。
【0036】
SAWデバイスでは周期的な構造を持つ電極が形成されており、弾性波の速度と電極の周期とから共振周波数が次式のように求まる。
【0037】
fr=V/λs
ここで、frは共振周波数、λsは電極の周期、Vは弾性波の速度を示す。素子が例えば漏洩表面波を用いるように設計されたものならば、この速度は漏洩表面波のものである。これとは別にレイリー波が存在し得て、レイリー波の速度Vrから
f′=Vr/λs
で求まる周波数f′の電気信号を電極に印加すると、SAWデバイスがレイリー波を励起するように設計されていなくても、大きなレイリー波が励起されることがある。
【0038】
表面波の変位には、面垂直な変位のSV成分、面内変位であり縦波成分のP成分、面内変位であり横波成分のSH成分という3つの成分がある。レイリー波はこの内のSV成分とP成分をもつ。偏光検出がSH成分とSV成分により寄与を受ける場合に、上記の係数を求めるにはレイリー波を発生させたときの、干渉計による信号Sint′と偏光検出測定の信号Spol′ から
係数=Spol′/Sint′
とすればよい。
【0039】
図8は、本発明の他の実施例に係る弾性波観測装置を示す。図9は、ステージ位置に応じた合成光の強度変化を説明するための図である。
【0040】
図8に示した弾性波観測装置においては、ビームスプリッタ8で分岐された光の1つは、レンズ23を透過して被測定物3の表面に入射し、分岐された他方はレンズ31を透過して参照ミラー9に入射する構成である。被測定物3は、レンズ23との距離を変える方向に移動可能なステージ35に取り付けられている。また、参照ミラー9は、その表面がレンズ31の焦点位置となるように位置が調整されている。
【0041】
図8の弾性波観測装置においては、ステージ35により被測定物3が移動されたときの、被測定物3の表面からの反射光と参照ミラー9からの反射光の合成光10の強度を示す信号が受光器11より出力される。受光器11の出力値を取り込む検出回路34が設けてあり、検出回路34は、光波干渉による強度変化の最大位置が検出可能な回路である。本実施例の弾性波観測装置においては、検出回路34により求めた位置に、ステージ35を調整されるように構成されている。
【0042】
本実施例の弾性波観測装置で弾性波、特に弾性表面波を測定しようとする場合に、レンズにより弾性波の波長よりも小さい集光スポットで被測定物表面に集光して、測定するのが好ましい。
【0043】
ここで、レンズの焦点位置に被測定物の表面が一致するように調整する必要があり、この方法として、干渉計部分を用いた効率的な方法は、図8の被測定物3の位置を光路方向に駆動するステージ35を移動した場合に受光器11の出力に起きる干渉による強度変化が、最大になる位置にステージ35を調整することである。
【0044】
この変化は、図9に示したように、ステージ移動量のλ/2(λ:光の波長)の周期でおきる。参照ミラー9を予めレンズ31の焦点位置に調整しておくと、被測定物3の表面がレンズ23の焦点に合ったときに、それぞれの反射光はビームスプリッタ8において波面がきちんと重なりあうために干渉度はよくなる。しかし、被測定物3の表面が焦点からずれていると波面が重ならず干渉度が低くなる。したがって、干渉による強度変化が最も大きい位置が焦点位置である。
【0045】
図10は、従来の弾性表面波装置の漏れ弾性波の分布を説明するための図である。図11は、本発明の弾性表面波装置に用いられるIDT電極の一例を示す図である。
【0046】
上述した弾性波観測装置を用いることで、図10に示したように共振器型の弾性表面波装置(デバイス)72において、弾性波の伝搬方向と一定角度をなす方向Dにおいて漏れている弾性波が観察された。
【0047】
そこで、この漏れの角度と直交する向きに電極を形成することにより、漏れようとする弾性波を反射させることでデバイス外部へのエネルギの漏れを小さくすることができる。
【0048】
図11に示した弾性表面波装置においては、圧電基板と、圧電基板の表面に形成された第1の櫛形電極51と、第1の櫛形電極51の電極指と交互に入り込む電極指を有する第2の櫛形電極52とが形成されている。第1の櫛形電極51の電極指と第2の櫛形電極52の電極指は、互いに他方の電極指の根元の一定の長さの部分には入り込まない構成としている。
【0049】
図11の弾性表面波装置において、各電極指は、弾性波の伝搬方向(図11に示した矢印Aの方向)に周期的に並んでおり、電極指の根元の他方の電極指が入り込んでいない長さの部分55、56は、弾性波が漏洩する方向(これは本発明の弾性波観測装置によって観測される)と直交する向きとなるように、バスバー部53、54から先端に向けて、伝搬方向Aと直交する方向よりも一定の角度だけ外側向きに形成されている。すなわち、右半分では右向き、左半分では左向きに形成されている。
【0050】
また、図11の弾性表面波装置においては、各電極指の部分55、56より先の部分57、58は、伝搬方向Aと直交する向きに電極が延伸するように形成してある。
【0051】
図11に示した実施例によれば、櫛形電極の根元の部分に角度を付け、この部分で漏れる弾性波を反射することにより、外部に漏れるエネルギを減少させることができ、電気特性を向上させることができる。
【0052】
図12は、本発明の弾性表面波装置に用いられるIDT電極の一例を示す。
【0053】
図12に示した弾性表面波装置においては、第1の櫛形電極51の各電極指の中間位置に、第1の櫛形電極51のバスバー部53に接続され、第2の櫛形電極52の電極指の先端の手前まで伸びるダミー電極59が形成される。同様に、第2の櫛形電極52の各電極指の中間位置に、第2の櫛形電極52のバスバー部54に接続され、第1の櫛形電極51の電極指の先端の手前まで伸びるダミー電極60が形成される。
【0054】
また、図12の弾性表面波装置においては、第1の櫛形電極51のダミー電極59は、周囲の第1の櫛形電極51の電極指の根元部分55と同じ方向に形成されており、同様に、第2の櫛形電極52のダミー電極60は、周囲の第2の櫛形電極の電極指の根元部分56と同じ方向に形成されている。
【0055】
また、図12の弾性表面波装置においては、圧電基板はLiTaO単結晶を結晶のX軸を中心にY軸からZ軸方向に36度から46度の範囲で回転させた方位を有するものであり、各反射器の端部は、弾性波の伝搬方向であるA軸と直交する向きから8度から15度の範囲で傾斜させて形成させている。
【0056】
図12の実施例によれば、ダミー電極59、60を追加することにより、反射効率を向上することができ、また、電極指の交わる部分57、58がある部分との表面負荷の不連続を避けることができる。
【0057】
図13は、本発明の弾性表面波装置に用いられるIDT電極及び反射器の一例を示す。
【0058】
図13に示した弾性表面波装置においては、圧電基板と、前記圧電基板の表面に形成された第1の櫛形電極71と第2の櫛形電極72が交互に組み合わされてインターデジタルトランスデューサ(IDT)73が形成されている。IDT73の弾性波の伝搬方向(A軸とする)に隣接して反射器74、75が配設されている。
【0059】
反射器74、75は、周期的な電極指群からなり、各電極指は中央部分76がA軸方向(図11)に直交する方向であり、両端の部分77、78は、弾性波がIDT73から漏洩する方向(この方向は上記実施例の弾性波観測装置により検出できる)と直交する向きとなるように、中央部分76との接続部から先端に向けてA軸と直交する方向よりも一定の角度だけ内側向きに形成される。すなわち、右側半分の端部77、78では左内側向きに一定の角度だけ傾斜させ、左側半分の端部では右内側向きに一定の角度だけ傾斜させて形成される。
【0060】
図13の弾性表面波装置においては、圧電基板はLiTaO単結晶を、結晶のX軸を中心にY軸からZ軸方向に36度から46度の範囲で回転させた方位を有するものであり、反射器74、75の両端の部分は、弾性波の伝搬方向と直交する向きから8度から15度の範囲で傾斜させて形成してある。
【0061】
図13に示したように、IDT73の両側に配置される反射器74、75の端を、図10に示した従来の構造よりも延長し、さらに漏洩弾性波の放射方向と直交する角度とすることで、弾性波の閉じ込め効率を向上させることができる。
【0062】
図14は、本発明の一実施例に係る弾性波観測装置の構成を示す。
【0063】
図14に示したように、光源21は直線偏光のレーザ(例えばHe−Ne:633nm)であり、4 分の1波長板22を透過させることで、偏光を円偏光に変える。この円偏光のレーザ光を、対物レンズ23により被測定デバイス3に集光する。デバイス3の結晶基板を透過した光を、対物レンズ25で平行光に変換し、結晶基板の自然複屈折で起きた位相差を補償する補償板4、偏光フィルタ5を透過させ、受光器6で光の強度を検出する。偏光フィルタ5の角度は図5と同様である。
【0064】
図14の弾性波観測装置においては、被測定デバイス3には周期的な電気信号を入力し、受光器6の出力のうち、この周波数と同じ周波数の成分をスペクトラムアナライザである検出回路7で検出し弾性波の強度を求める。被測定デバイス3は、3軸のステージ24に固定され、対物レンズ23による集光位置をデバイス3表面上で、走査しながら弾性波測定を行うことで、弾性波の2次元的な分布を観測することが出来る。
【0065】
図15は、本発明の他の実施例に係る弾性波観測装置の構成を示す。
【0066】
図15に示したように、光源21からの直線偏光の光を4分の1波長板22を透過させることで、偏光を円偏光に変える。この円偏光の光はビームスプリッタ8により分岐され、1つは対物レンズ23により被測定デバイス3に集光され、他の1つは対物レンズ31により参照ミラー9に集光される。被測定デバイス3の表面で反射された光と、反射ミラー9で反射された光は、ビームスプリッタ8で合成され、この合成された光がレンズ33により受光器11に集光され、受光器11により合成光の強度が検出される。
【0067】
一方、被測定デバイス3に集光された光の内、デバイスの結晶基板を透過した光は、対物レンズ25で平行光に変換され、結晶基板の自然複屈折で起きた位相差を補償する補償板4、偏光フィルタ5を透過させ、受光器6で強度を検出する。
【0068】
また、図15の弾性波観測装置において、反射ミラー9は1軸のステージ32に取り付けられ、光路方向に位置を駆動できるようになっている。このステージ32はストロークが10μm程度で、高速動作に対応するため、ピエゾ素子を用いたステージが好ましい。被測定デバイス3は、3軸のステージ24に固定され、対物レンズ23による集光位置をデバイス表面上で走査しながら弾性波測定を行うことで、弾性波の2 次元的な分布を観測することが出来る。
【0069】
また、干渉計による測定の場合には、参照ミラー9が取り付けられたステージ32の駆動により感度最大の光路差を実現しながら、同じく2次元的な走査を行う。
【0070】
図15の弾性波観測装置では、上記した構成により、受光器6の出力からは、弾性光学効果から生じる信号を得られ、受光器11の出力からは、干渉計測によって得られる面垂直な変位の信号を得られる。2つの信号のそれぞれの分布を観測すること、さらに2つの信号を演算処理する演算回路13を用いることで、面内成分のみから得られる信号分布を評価することができる。
【0071】
また、被測定デバイス3を取り付けたステージ24を、光路方向に駆動したとき干渉による強度変化を最大にする位置にステージを調整することで、対物レンズA23による集光位置をデバイス表面に合わせる。
【0072】
図16は、本発明の一実施例に係る弾性表面波装置に用いられるIDT電極および反射器を示す図である。
【0073】
図16に示したように、この実施例の弾性表面波装置においては、根元の部分に角度をつけた電極指をもつ櫛形電極51、52と、反射器61、62から構成されている。この実施例の弾性表面波装置では、櫛形電極51、52は図12に示したIDT電極と同一の構成を有し、反射器61、62は図10に示した従来の反射器と同一の構成を有する。
【0074】
以上説明したように、上記の実施例及び従来の弾性波観測方法及び弾性波観測装置は、SAWデバイス基板を透過する光の偏光状態の変化から弾性波の存在を検知する技術である。例えば、図19は、従来の弾性波観測方法を説明するための図である。
【0075】
図19に示したように、従来の弾性波観測方法においては、入射光2を、矢印Aで示した方向に、圧電性結晶50と金属電極51、52を含む圧電基板3(被測定物)に入射させて、圧電基板3を、矢印Bで示した方向に、透過した光を受光器に入射させて、その透過光の偏光状態の変化を検出する。
【0076】
上記実施例及び従来の弾性波観測方式によれば、透過光の偏光状態の変化を検出することで、SAWデバイス内の弾性波分布を観測することが可能であるが、SAWデバイス内の光を透過しない領域、例えば、金属電極領域における弾性波の挙動を観測できないという問題がある。SAWデバイスの金属電極は、いわゆるミラーとして機能し、金属電極領域に入射した光が反射してしまうため、金属電極領域においては入射光がSAWデバイス基板の結晶と相互作用しない不感領域となってしまう。
【0077】
以下に説明する弾性波観測方法及び弾性波観測装置においては、上記の問題点を解消して、SAWデバイス内の全領域において、不感領域なく弾性波分布を観測することができ、弾性波の挙動をより精密に観測することを目的とする。
【0078】
図17は、本発明の一実施例に係る弾性波観測方法を説明するための図である。
【0079】
図17の弾性波観測方法においては、圧電性結晶50からなる圧電基板3(被測定物)の表面3a側に金属電極51、52を形成して、金属電極51、52が形成されていない圧電基板3の裏面3b側を入射光2側に向けて配置する。ここで、裏面3bに入射する光の乱反射を防止するため、圧電基板3の裏面3bは予め研磨しておく。
【0080】
入射光2を、矢印Aで示した方向に、圧電基板3の裏面3bに入射させて、圧電基板3の表面3aの金属電極51、52と圧電性結晶50との界面で、矢印Cで示した方向に、反射した光を受光器に入射させて、その反射光の偏光状態の変化を検出する。
【0081】
図17の弾性波観測方法において、金属電極51、52はいわゆるミラーとして機能し、それ自体で偏光状態を乱すことは無いため、受光器で検出される偏光状態の変化量は、該当する光照射点における弾性波強度に依存する。なお、偏光状態変化は検光子により所定の振動成分のみが弁別された光の強度変化として検出する。
【0082】
図17の構成により、従来観測不能であった、圧電基板3の金属電極下の弾性波分布が観測可能となる。しかし、図17の弾性波観測方法では、圧電基板3の金属電極の無い領域においては、空気と圧電基板界面における屈折率差が小さく、反射率が低いため、低感度領域となり、素子全体の分布を観測しにくいという問題が生ずる。
【0083】
図18は、図17に示した弾性波観測方法の変形例を説明するための図である。
図18の弾性波観測方法は、図17の構成の上記問題点を解消するために構成したものである。
【0084】
図17の構成と同様に、圧電性結晶50からなる圧電基板3(被測定物)の表面3a側に金属電極51、52を形成して、金属電極51、52が形成されていない圧電基板3の裏面3b側を入射光2側に向けて配置する。図18の弾性波観測方法においては、第1の偏光解析光学系と第2の偏光解析光学系とを使用する。
【0085】
第1の偏光解析光学系では、入射光2を、矢印Aで示した方向に、圧電基板3の裏面3bから入射させて、圧電基板3の表面3a上の金属電極51、52と圧電性結晶50との界面で、矢印Cで示した方向に、反射した反射光の偏光状態の変化を検出する。第1の偏光解析光学系には、例えば、反射光の偏光状態を検出するための、レンズ、反射ミラー、検光子及び受光器等が含まれる。
【0086】
また、第2の偏光解析光学系では、矢印Bで示した方向に、圧電基板3の表面3a上の金属電極51、52が形成されていない領域の圧電性結晶50を透過する透過光の偏光状態の変化を検出する。第2の偏光解析光学系には、例えば、透過光の偏光状態を検出するための、レンズ、検光子及び受光器等が含まれる。
【0087】
図18の構成では、金属電極51、52と圧電性結晶50との界面で光が反射してしまう不感領域については、第1の偏光解析光学系の出力信号を用いると共に、金属電極51、52間等の光が透過する領域については、第2の偏光解析光学系の出力信号を用いることにより、圧電基板3などのSAWデバイスの全領域において、不感領域なく、弾性波の検知と分布観測が可能となる。
【0088】
しかし、一般的に言って、反射光に対する第1の偏光解析光学系からの出力信号と、透過光に対する第2の偏光解析光学系からの出力信号とは信号強度が一致しないため、何らかの補正が必要となる。一致しない原因としては、金属電極で反射される光は結晶内の弾性波と往復2回相互作用するのに対し、透過する光は1度しか相互作用しないことや、第1の偏光解析光学系に入射する光量と、第2の偏光解析光学系に入射する光量とが異なることなどが考えられる。
【0089】
両解析光学系の出力信号間に一意性を持たせるためには、両者の出力信号に所定の補正係数を乗じて補正を加えれば良い。この補正のための乗算は、観測データを取得した後に計算機上で実行する。あるいは、両解析光学系の出力信号を専用回路に入力して、補正のための乗算を専用回路にて実行することも可能である。
【0090】
SAWデバイス基板となる圧電性結晶は、有限の屈折率を有しており、空気との界面においても幾分の光反射を生ずる。例えば、代表的な圧電性結晶であるLiTaOの反射率は13%程度である。従って、金属電極間の光が透過する領域においても、反射光を用いる第1の偏光解析光学系により弾性波の検知が可能である。この第1の偏光解析光学系からの出力信号が、透過光を用いる第2の偏光解析光学系からの出力信号と一致するように補正係数を定める。
【0091】
但し、補正係数を決定する前に、各々の光学系で受光した光量で信号量を除し、光量依存性を補償する必要がある。このようにして決定した補正係数を利用することにより、2つの偏光解析光学系からの出力信号間に一意性を付与することが可能となる。従って、SAWデバイスの全領域における弾性波分布を観測、可視化することが可能となる。上記した補正係数を求める方法については、後述する。
【0092】
図20は、本発明の一実施例に係る弾性波観測装置の構成を示す。SAWデバイス内に存在する弾性波、特にSH波の強度分布を不感領域なく観測するために、この実施例の弾性波観測装置は、観測光学系と信号切替部とを備える。
【0093】
図18の構成と同様に、図20の弾性波観測装置において、圧電性結晶50からなる圧電基板3(SAWデバイス)は、表面3aに金属電極が形成されており、金属電極の形成されていない裏面3bを光源からの光が入射する側にして配置する。
【0094】
図20の構成において、圧電基板3に対する観測光学系は、単色性光源(例えば、レーザ光源)81と、偏光状態を所望の状態に調整する偏光調整光学系82と、圧電基板3からの反射光を利用する第1の偏光解析光学系と、圧電基板3を透過した透過光を利用する第2の偏光解析光学系とから構成される。
【0095】
第1の偏光解析光学系には、ハーフミラー83、レンズ84、検光子88、及び受光器89が含まれる。レンズ84は、光源81からのレーザ光を圧電基板3の金属電極上に集光すると共に、圧電基板3からの反射光をコリメートする。ハーフミラー83は、光源81からのレーザ光を透過すると共に、圧電基板3からの反射光の一部を検光子88に向けて反射する。検光子88を透過したレーザ光が受光器89に入射し、受光器89は、反射光の偏光状態の変化を示す信号を出力する。
【0096】
第2の偏光解析光学系には、レンズ85、検光子86、及び受光器87が含まれる。レンズ85は、圧電基板3を透過したレーザ光を再度コリメートする。検光子86を透過したレーザ光が受光器87に入射し、受光器87は透過光の偏光状態の変化を示す信号を出力する。
【0097】
さらに、図20の観測光学系は、SAWデバイス3内における光入射位置を変えるために、レーザ光の光軸方向に対し直交する方向に圧電基板3を移動する走査機構 (図示なし)を有している。また、図20の弾性波観測装置は、SAWデバイス3の金属電極51、52間に駆動電圧を印加するための駆動信号源(図示なし)を備えている。
【0098】
図20の弾性波観測装置においては、第1及び第2の偏光解析光学系からの出力信号を信号切替え部にて切り替えて、信号処理する。この信号切替え部はスイッチ91で構成され、スイッチ91を介して供給される、第1の偏光解析光学系又は第2の偏光解析光学系からの出力信号に対する信号処理は周波数分析器90により実行される。
【0099】
図20の構成において、上記信号処理には周波数分析器90を使うのが好適であるが、この実施例に限定されるものではない。スイッチ91の切り替えタイミングは、レーザ光照射位置の切り替えタイミングと同期し、レーザ光の入射位置が金属電極面であるか否かを判定して切替えられる。この切替えタイミングの制御及びレーザ光入射位置の判定は、図示しない制御部にて実行される。
【0100】
例えば、レーザ光の入射位置が金属電極面であると判定したとき、制御部はスイッチ91を切替えて、受光器89からの出力信号が周波数分析器90に供給するように制御する。レーザ光の入射位置が金属電極面でないと判定したとき、制御部はスイッチ91を切替えて、受光器87からの出力信号が周波数分析器90に供給するように制御する。
【0101】
上記の制御方式とは異なり、図20の構成において、制御部が、第1及び第2の偏光解析光学系からの出力信号に基づいて受光光量を比較し、単純に受光光量が大きい方を選択するようにスイッチ91の切替えタイミングを制御することも可能である。この場合、信号処理後に収集されたデータを計算機上で逐次補正することが必要である。この補正のための補正係数の算出方法については、後述する。
【0102】
以上説明したように、図20の弾性波観測装置によれば、SAWデバイスの全領域における弾性波分布を不感領域なく観測、可視化することが可能となる。
【0103】
図21は、図20に示した弾性波観測装置の変形例を示す。SAWデバイス内に存在する弾性波、特にSH波の強度分布を不感領域なく観測するために、この実施例の弾性波観測装置は、観測光学系と信号補正部とを備える。
【0104】
図21の弾性波観測装置において、圧電基板3に対する観測光学系は、図20の構成と同一であり、その説明は省略する。図21の構成においては、信号補正部は、反射光に対する受光器89の出力信号を補正する第1の補正回路93と、透過光に対する受光器87の出力信号を補正する第2の補正回路92と、2つの補正回路からの出力を足し合せる加算器94とから構成される。
【0105】
図21の構成においては、第1及び第2の偏光解析光学系からの出力信号がそれぞれ、第1及び第2の補正回路93、92にて補正され、補正後の出力信号が加算器94にて足し合せられた信号が、周波数分析器90に供給される。周波数分析器90は、加算器94からの出力信号に対する信号処理を実行する。
【0106】
図21の弾性波観測装置では、第1及び第2の偏光解析光学系からの出力信号に対し、第1及び第2の補正回路93、92はそれぞれ、予め定められた補正係数を電気的に乗算することにより補正し、その後、加算器94が補正後の出力信号を加算する構成となっている。この実施例によれば、計算機上での演算処理負荷を軽減できるため、データ点数の多い大規模なSAWデバイスの観測も実施可能となる。
【0107】
次に、上記した第1及び第2の補正回路93、92に用いられる、補正係数の算出方法について説明する。ここでは、説明を簡単化するため、1次元の弾性波分布についてのみ考える。しかし、2次元の場合についても同様に考えることができることは明らかである。
【0108】
光は弾性波中を透過することによってわずかに変調されており、この変調成分のみが検出すべき信号である。従って、信号強度Signalは、弾性波強度S(x)と受光光量Ioに比例する。
【0109】
Signal=m・Io (m:10−3〜10−4)
m=k・S(x)
ここで、次のように用語を定義する。S(x)は弾性波の強度分布を示し、Rmは電極金属の反射率を示し、Rcは結晶表面の反射率(圧電性結晶LiTaOの場合、Rc≒13%)を示し、Tcは結晶表面の透過率を示し(Tc=1−Rc)、Iiは入射光の強度(一定)を示し、Ior(x)は反射光側の受光光量を示し、Iot(x)は透過光側の受光光量を示し、C1は第1の補正回路93に用いられる予め定められた補正係数を示し、C2は第2の補正回路92に用いられる予め定められた補正係数を示し、Lrは反射光側の測定光路の光量損失率を示し、Ltは透過光側の測定光路の光量損失率を示す。また、x=0は金属電極面を示し、x=1は圧電結晶面を示す。
【0110】
上述したように、反射光を用いる第1の偏光解析光学系の出力のみで測定を行うと、SAWデバイス内の金属電極面と結晶表面との反射率が異なるため、受光器で受光する光量が大きく異なり、最終的に得られる弾性波信号分布に不連続が生じる恐れがある。このため、透過光を用いる第2の偏光解析光学系の出力も利用するが、光学系が異なるために何らかの補正が必要である。このため、補正係数C1、C2を以下に説明するように算出する。
【0111】
圧電結晶(SAWデバイス)3の金属電極面での反射光を受光することにより、得られる信号Signal(0)は、次式(1)で表される。
【0112】
Signal(0)=2・m(0)・Ior(0)
=2・k・S(0)・Lr・Rm・Ii (1)
上式(1)において、係数の2は、光が圧電性結晶50内を往復するためである。
【0113】
一方、結晶表面での反射光を受光することによって得られる信号Signal(1)_rは、次式(2)で表される。
【0114】
Signal(1)_r=2・m(1)・Ior(1)
=2・k・S(1)・Lr・Rc・Ii (2)
また、透過光を受光することにより得られる信号Signal(1)_tは、次式(3)で表される。
【0115】
Signal(1)_t=m(1)・Iot(1)
=k・S(1)・Lt・Tc・Ii
=k・S(1)・Lt・(1−Rc)・Ii (3)
上式(2)、(3)より、Signal(1)_rとSignal(1)_tの関係が次のように得られる。
【0116】
S(1)=Signal(1)_r/2・k・Lr・Rc・Ii
=Signal(1)_t/k・Lt・(1−Rc)・Ii
C1=Signal(1)_t/Signal(1)_r
=k・Lt・(1−Rc)・Ii/2・k・Lr・Rc・Ii
=Lt・(1−Rc)/2・Lr・Rc
上式で表される第1の補正係数C1を用いれば、結晶面に光があたる場合には、受光光量の大きい透過光側の受光器87の出力を使用することで、弾性波の検出感度を改善することが可能となる。
【0117】
次に、同一強度の弾性波が金属電極下と結晶表面に存在する場合(S(0)=S(1)の場合)には、得られる信号強度が同一となることが必要である。すなわち、S(0)=S(1)の場合、受光光量が異なる光学系から得られる信号量はSignal(0)=Signal(1)_r=Signal(1)_t/C1の関係を満足しており、次式で表される第2の補正係数C2を導入する必要がある。
【0118】
2・m(0)・Ior(0)=2・m(0)・Ior(1)・C2
=m(0)・Iot(1)・C2/C1
このとき、C2は総受光光量の比として、次式により算出される。
【0119】
C2=Ior(0)/Ior(1)
以上より、図21に示した弾性波観測装置の構成において、第1の補正回路93は1倍の増幅度を有する増幅器とし、第2の補正回路92はC2・(1+C1)/C1で表される増幅度を有する増幅器とすればよい。第1の補正回路93の出力と第2の補正回路92の出力とを加算器94で足し合わせる。加算器94の出力を周波数分析器90に供給することによって、常に安定した感度を有する弾性波観測装置を構成することが出来る。
【0120】
なお、上記の補正回路92、93の構成は一例を示したものであり、上記の実施例のみに限定されるものではない。他の補正回路の構成を利用しても、同様の効果が得られることは明らかである。
【0121】
以上説明したように、上記実施例の弾性波観測装置及び弾性波観測方法によれば、SAWデバイス内の全領域において、不感領域なく弾性波分布を観測することを可能とし、弾性波の挙動をより精密に観測することが可能である。
【0122】
(付記1)
光源からの円偏光の光が被測定物に入射し、被測定物を透過した光が偏光フィルタを透過した後、受光器に入射するように配置された光学系と、前記受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する検出回路とからなる弾性波観測装置であって、前記偏光フィルタを、その偏光透過軸方向が、被測定物の屈折率楕円体と、入射光方向に垂直でかつ前記屈折率楕円体の原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向のうちのいずれか一方の方向と一致するよう配置したことを特徴とする弾性波観測装置。
【0123】
(付記2)
光源からの円偏光の光がビームスプリッタにより分岐され、分岐された一方の光が被測定物に入射し、他方の光が参照ミラーに入射するように配置され、被測定物を透過した光が偏光フィルタを透過した後、第1の受光器に入射するように配置され、かつ、前記ビームスプリッタが被測定物の表面で反射される光と前記参照ミラーで反射される光とを重ね合わせて合成光を生成し、前記合成光が第2の受光器に入射するように配置された光学系と、前記第1の受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する第1の検出回路と、前記第2の受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する第2の検出回路と、前記第1の検出回路の出力値と前記第2の検出回路の出力値とに基づいて演算処理を行う演算回路とからなる弾性波観測装置であって、前記偏光フィルタを、その偏光透過軸方向が、被測定物の屈折率楕円体と、入射光方向に垂直でかつ前記屈折率楕円体の原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向のうちいずれか一方の方向と一致するよう構成したことを特徴とする弾性波観測装置。
【0124】
(付記3)
前記被測定物は、表面波の面内変位成分が測定される弾性表面波装置であり、かつ、前記被測定物にレイリー波の共振が起きる周波数の電気信号を入力したときに、前記演算回路が、前記第1の検出回路の出力値から、前記第2の検出回路の出力値に係数を乗算して得られた値を差し引いた演算結果が0となることに基づいて、前記係数を決定することを特徴とする付記2記載の弾性波観測装置。
【0125】
(付記4)
前記光学系が、前記ビームスプリッタで分岐された一方の光が第1のレンズを透過して被測定物の表面に入射し、分岐された他方の光が第2のレンズを透過して前記参照ミラーに入射する構成であり、前記被測定物を、前記第1のレンズとの距離を変える方向に移動可能なステージに取り付け、前記参照ミラーをその表面が前記第2のレンズの焦点位置になるように位置決めされており、かつ、前記弾性波観測装置がさらに、前記ステージにより前記被測定物が移動されたときに、前記第2の受光器が前記被測定物の表面からの反射する反射光と前記参照ミラーから反射する反射光との合成光の強度を示す信号を出力し、前記第2の受光器からの出力値に基づいて、光波干渉による強度変化の最大位置を検出する第3の検出回路を有し、前記第3の検出回路により検出された位置に基づいて前記ステージを位置決めすることを特徴とする付記2記載の弾性波観測装置。
【0126】
(付記5)
圧電基板と、交互に組み合わせて前記圧電基板の表面に形成される電極指を有する第1の櫛形電極および第2の櫛形電極とを備える弾性表面波装置であって、 前記第1の櫛形電極の電極指と前記第2の櫛形電極の電極指とが、互いに他方の電極指の根元部分に入り込まない構造であり、各電極指は、弾性波の伝搬方向に周期的に並んでおり、各電極指の根元部分は、弾性波が漏洩する方向と直交する向きとなり、弾性波の伝搬方向と直交する方向よりも所定の角度だけ各櫛形電極のバスバー部から先端に向けて左右外方に傾斜させて形成されるよう構成したことを特徴とする弾性表面波装置。
【0127】
(付記6)
前記第1の櫛形電極は、各電極指の中間位置に、前記第1の櫛形電極のバスバー部に接続させ、前記第2の櫛形電極の電極指の先端の手前まで延伸する第1のダミー電極を有し、かつ、前記第2の櫛形電極は、各電極指の中間位置に、前記第2の櫛形電極のバスバー部に接続させ、前記第1の櫛形電極の電極指の先端の手前まで延伸する第2のダミー電極を有することを特徴とする付記5記載の弾性表面波装置。
【0128】
(付記7)
圧電基板と、第1の櫛形電極と第2の櫛形電極とを交互に組み合わせて前記圧電基板の表面に形成されるインターデジタルトランスデューサと、弾性波の伝搬方向に沿って前記インターデジタルトランスデューサの左右端部に隣接させて形成される一対の反射器とを備える弾性表面波装置であって、前記第1及び第2の櫛形電極の各電極指はその中央部分を弾性波の伝搬方向に直交する方向に延伸するよう形成され、前記一対の反射器は、周期的な電極指群からなり、かつ、各反射器の端部は、弾性波の漏洩方向と直交する向きとなるように、前記インターデジタルトランスデューサの左右端部から弾性波の伝搬方向と直交する方向から所定の角度だけ左右内方に傾斜させて形成されることを特徴とする弾性表面波装置。
【0129】
(付記8)
前記圧電基板は、タンタル酸リチウムLiTaOの単結晶より構成され、前記結晶のX軸を中心にY軸からZ軸方向に36度から46度の範囲で回転させた方位を有し、かつ、各反射器の端部は、弾性波の伝搬方向と直交する方向から8度から15度の範囲で傾斜させて形成されることを特徴とする付記5乃至7記載の弾性表面波装置。
【0130】
(付記9)
前記第1及び第2の櫛形電極の各電極指の他方の電極指の根元部分に入り込まない直線部分は、弾性波の伝搬方向と直交する方向に延伸するよう形成されることを特徴とする付記5記載の弾性表面波装置。
【0131】
(付記10)
前記第1のダミー電極は、周囲の前記第1の櫛形電極の各電極指の根元部分と同じ方向に傾斜させて形成されており、かつ、前記第2のダミー電極は、周囲の前記第2の櫛形電極の各電極指の根元部分と同じ方向に傾斜させて形成されることを特徴とする付記6記載の弾性表面波装置。
【0132】
(付記11)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の弾性波観測装置を用いて、弾性表面波装置を観測し、観測された信号分布に基づいて弾性表面波装置の構造を改良することを特徴とする弾性表面波装置の設計方法。
【0133】
(付記12)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の弾性波観測装置を用いて、圧電性基板上に形成されたインターデジタルトランスデューサからなる弾性表面波装置を観測し、観測されたインターデジタルトランスデューサの外部へ漏洩する弾性波の位置、角度に基づいて弾性表面波装置を、前記漏洩する弾性波がインターデジタルトランスデューサに向けて反射するよう構成することを特徴とする弾性表面波装置の設計方法。
【0134】
(付記13)
駆動電圧が印加される金属電極が圧電性結晶の一方の面に形成され、他方の面が予め研磨された圧電基板に光を入射させ、前記圧電基板中の弾性波と相互作用させた光の偏光状態の変化を検出することにより前記圧電基板中の弾性波の分布を観測する弾性波観測装置であって、光源からの光を、前記圧電基板の前記他方の面から入射させて、前記金属電極と前記圧電性結晶との界面で反射した反射光を受光するように配設された第1の偏光解析光学系を備え、前記第1の偏光解析光学系が受光した反射光の偏光状態の変化を検出することを特徴とする弾性波観測装置。
【0135】
(付記14)
前記光源からの光が前記圧電基板の前記金属電極が形成されていない領域の前記圧電性結晶を透過する場合の透過光を受光するように配設された第2の偏光解析光学系を備え、前記第2の偏光解析光学系が受光した透過光の偏光状態の変化を検出することを特徴とする付記13記載の弾性波観測装置。
【0136】
(付記15)
前記第1の偏光解析光学系からの出力信号と、前記第2の偏光解析光学系からの出力信号の信号強度が一致するように、前記第1及び第2の偏光解析光学系からの2つの出力信号の一方に補正係数を乗じて、前記補正係数を乗じた信号を他方の出力信号に加算する信号補正部を備えることを特徴とする付記14記載の弾性波観測装置。
【0137】
(付記16)
駆動電圧が印加される金属電極が圧電性結晶の一方の面に形成され、他方の面が予め研磨された圧電基板に光を入射させ、前記圧電基板中の弾性波と相互作用させた光の偏光状態の変化を検出することにより前記圧電基板中の弾性波の分布を観測する弾性波観測方法であって、光源からの光を、前記圧電基板の前記他方の面から入射させて、前記金属電極と前記圧電性結晶との界面で反射した反射光を受光するように第1の偏光解析光学系を配設する手順と、前記第1の偏光解析光学系が受光した反射光の偏光状態の変化を検出する手順とを有することを特徴とする弾性波観測方法。
【0138】
(付記17)
前記光源からの光が前記圧電基板の前記金属電極が形成されていない領域の前記圧電性結晶を透過する場合の透過光を受光するよう第2の偏光解析光学系を配置する手順と、前記第2の偏光解析光学系が受光した透過光の偏光状態の変化を検出する手順とを有することを特徴とする付記16記載の弾性波観測方法。
【0139】
(付記18)
前記第1の偏光解析光学系からの出力信号と、前記第2の偏光解析光学系からの出力信号の信号強度が一致するように、前記第1及び第2の偏光解析光学系からの2つの出力信号の一方に補正係数を乗じる手順と、前記補正係数を乗じた信号を他方の出力信号に加算する手順を有することを特徴とする付記17記載の弾性波観測方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の弾性波観測装置の構成を示す図である。
【図2】 屈折率の変化と偏光の変化を説明するための図である。
【図3】 屈折率の定まる方向の変化と偏光変化を説明するための図である。
【図4】 弾性表面波の変位成分を説明するための図である。
【図5】 本発明の弾性波観測装置の基本的構成を示す図である。
【図6】 本発明の一実施例に係る弾性波観測装置を示すブロック図である。
【図7】 本発明の他の実施例に係る弾性波観測装置を示すブロック図である。
【図8】 本発明の他の実施例に係る弾性波観測装置を示すブロック図である。
【図9】 ステージ位置に応じた合成光の強度変化を説明するための図である。
【図10】 従来の弾性表面波装置の漏れ弾性波の分布を説明するための図である。
【図11】 本発明の弾性表面波装置に用いられるIDT電極の一例を示す図である。
【図12】 本発明の弾性表面波装置に用いられるIDT電極の一例を示す図である。
【図13】 本発明の弾性表面波装置に用いられるIDT電極及び反射器の一例を示す図である。
【図14】 本発明の一実施例に係る弾性波観測装置の構成を示すブロック図である。
【図15】 本発明の他の実施例に係る弾性波観測装置の構成を示すブロック図である。
【図16】 本発明の一実施例に係る弾性表面波装置に用いられるIDT電極および反射器を示す図である。
【図17】 本発明の一実施例に係る弾性波観測方法を説明するための図である。
【図18】 図17に示した弾性波観測方法の変形例を説明するための図である。
【図19】 従来の弾性波観測方法を説明するための図である。
【図20】 本発明の一実施例に係る弾性波観測装置の構成を示す図である。
【図21】 図20に示した弾性波観測装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
2 円偏光の光
3 圧電基板(被測定物)
3a 圧電基板表面
3b 圧電基板裏面
4 補償板
5 偏光フィルタ
6 受光器
7 周期成分検出回路
8 ビームスプリッタ
9 参照ミラー
10 合成光
11 受光器
12 周期成分検出回路
13 演算回路
14、15 屈折率の定まる方向
16 透過軸方向
17 直線偏光
21 直線偏光レーザ
22 4分の1波長板
23 レンズ
24 3軸並進ステージ
25 レンズ
31 レンズ
32 1軸並進ステージ
33 レンズ
34 回路
35 1軸ステージ
41 偏光フィルタ
42 透過軸
43 直線偏光
46、47 偏光成分強度を示す線
50 圧電性結晶
51、52 櫛形電極
53、54 バスバー部
55、56 電極指根元
57、58 電極指の先の部分
59、60 ダミー電極
61、62 反射器
71、72 櫛形電極
73 インターデジタルトランスデューサ(IDT)
74、75 反射器
76 電極指中央部
77、78 電極指端部

Claims (4)

  1. 光源からの円偏光の光が被測定物に入射し、被測定物を透過した光が偏光フィルタを透過した後、受光器に入射するように配置された光学系と、前記受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する検出回路とを備える弾性波観測装置であって、
    前記偏光フィルタを、その偏光透過軸の方向が被測定物の屈折率楕円体と、入射光方向に垂直でかつ前記屈折率楕円体の原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向のうちのいずれか一方の方向と一致するよう配置したことを特徴とする弾性波観測装置。
  2. 光源からの円偏光の光がビームスプリッタにより分岐され、分岐された一方の光が被測定物に入射し、他方の光が参照ミラーに入射するように配置され、被測定物を透過した光が偏光フィルタを透過した後、第1の受光器に入射するように配置され、かつ、前記ビームスプリッタが被測定物の表面で反射される光と前記参照ミラーで反射される光とを重ね合わせて合成光を生成し、前記合成光が第2の受光器に入射するように配置された光学系と、
    前記第1の受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する第1の検出回路と、
    前記第2の受光器の出力信号の周期的な変動成分を検出する第2の検出回路と、
    前記第1の検出回路の出力値と前記第2の検出回路の出力値とに基づいて演算処理を行う演算回路と、
    を備える弾性波観測装置であって、
    前記偏光フィルタを、その偏光透過軸の方向が、被測定物の屈折率楕円体と、入射光方向に垂直でかつ前記屈折率楕円体の原点を通る平面との交点からなる楕円の主軸方向のうちいずれか一方の方向と一致するよう配置したことを特徴とする弾性波観測装置。
  3. 前記被測定物は、表面波の面内変位成分が測定される弾性表面波装置であり、かつ、前記被測定物にレイリー波の共振が起きる周波数の電気信号を入力したときに、前記演算回路が、前記第1の検出回路の出力値から、前記第2の検出回路の出力値に係数を乗算して得られた値を差し引いた演算結果が0となることに基づいて、前記係数を決定することを特徴とする請求項2記載の弾性波観測装置。
  4. 前記光学系が、前記ビームスプリッタで分岐された一方の光が第1のレンズを透過して被測定物の表面に入射し、分岐された他方の光が第2のレンズを透過して前記参照ミラーに入射する構成であり、
    前記被測定物を、前記第1のレンズとの距離を変える方向に移動可能なステージに取り付け、前記参照ミラーをその表面が前記第2のレンズの焦点位置になるように位置決めされており、かつ、
    前記弾性波観測装置がさらに、前記ステージにより前記被測定物が移動されたときに、前記第2の受光器が前記被測定物の表面からの反射する反射光と前記参照ミラーから反射する反射光との合成光の強度を示す信号を出力し、前記第2の受光器からの出力値に基づいて、光波干渉による強度変化の最大位置を検出する第3の検出回路を有し、前記第3の検出回路により検出された位置に基づいて前記ステージを位置決めすることを特徴とする請求項2記載の弾性波観測装置。
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