JP3934426B2 - 自動調心型クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents

自動調心型クラッチレリーズ軸受装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両等において、クラッチレリーズ機構の一部を構成する自動調心型クラッチレリーズ軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両においてエンジンからの駆動力を繋断するためのクラッチレリーズ機構には、自動調心型クラッチレリーズ軸受装置(以下単に「クラッチレリーズ軸受装置」という)を備えており、このクラッチレリーズ軸受装置には、例えば図5に示すような構成を有したものがある。
【0003】
すなわち、図例のクラッチレリーズ軸受装置50は、動力伝達軸51の外周に位置するリテーナに摺動自在に嵌合する合成樹脂製のスリーブ52と、このスリーブ52に一体的に外嵌固定される鋼板プレス製の側板53と、この側板53とでレリーズフォーク54を保持するためのクリップ55と、ダイヤフラムスプリング56を軸心57方向に押圧して変形させるためのクラッチレリーズ軸受(転がり軸受が用いられている)58とを有している。
【0004】
このクラッチレリーズ軸受58は、外輪部材59と、この外輪部材59の内方に設けた玉60と、この玉60を介して外輪部材59と軸心57回りに相対回転自在な内輪部材61と、外輪部材59と内輪部材61との間の環状軸受空間70を軸心57方向両側で密封するためのシール部材70A,70Bとを有している。
【0005】
前記外輪部材59および内輪部材61はともにプレス加工によって形成され、前記シール部材70A,70Bは外輪部材59の内周面に圧入して嵌着されることで組込まれている。
【0006】
前記クラッチレリーズ軸受58の内輪部材61には、外輪部材59に対して軸心57方向一側(エンジンの出力軸側)にはみ出す押圧部62が形成されており、この押圧部62が前記ダイヤフラムスプリング56に当接している。
【0007】
前記外輪部材59には、径方向の調心用隙間63を介してカバー64が外嵌され、このカバー64の軸心57方向一方側端部には、径方向内方に折曲した折曲部66が形成され、この折曲部66と外輪部材59の端部との間に、クラッチレリーズ軸受58に調心抗力を付与するための波ばね67が介装され、この波ばね67によって外輪部材59が所定の弾性力でもってカバー64に形成した固定部65に押圧されている。
【0008】
上記構成のクラッチレリーズ軸受装置50では、車両の運転者がクラッチペダルを踏込むことにより、レリーズフォーク54が揺動して、側板53を軸心57方向一側に押圧し、これに伴なってクラッチレリーズ軸受58の内輪部材61がダイヤフラムスプリング56の傾斜が反対になる方向にこれを押圧し、これによってクラッチプレートがフライホイールから離反して、エンジンからの回転駆動力が遮断される。また、クラッチレリーズ軸受58の外輪部材59は、波ばね67によって所定の弾性力で固定部65に押圧されていることにより、ダイヤフラムスプリング56に対して自動的に径方向の調心が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のクラッチレリーズ軸受装置50では、低コスト化のためにクラッチレリーズ軸受58の外輪部材59および内輪部材61はともにプレス加工によって形成し、また、これによって外輪部材59、玉60および内輪部材61の組付けを容易に行うことができるようにして、製造コストの低減を図っている。
【0010】
また、前記シール部材70A,70B(特にシール部材70A)においては、その静的なシール抜け防止はしめしろを加減することで管理している。
【0011】
ところで、上記クラッチレリーズ軸受58は調心可能に構成されているので、外輪部材59や内輪部材61には、はめあいがない。このような不安定なクラッチレリーズ軸受58では、例えば製品の搬送時にスラスト方向の荷重が働くと、玉60は外輪部材59から脱落してクラッチレリーズ軸受58がばらけることが考えられる。これは、玉60がシール部材70Aに当たるようにすることで防止するようにしている。
【0012】
しかし、外輪部材59はプレス加工によって形成されている製品であるため、シール部材70Aを、搬送時や使用時に働くスラスト方向の荷重に充分耐え得るだけのしめしろでもって外輪部材59に嵌着することは難しい。
【0013】
このため、搬送時にスラスト方向の大きな荷重が働くと、場合によってはシール部材70Aが外輪部材59から脱落してしまい、クラッチレリーズ軸受58がばらける可能性がある。あるいは、クラッチレリーズ軸受58をクラッチレリーズ機構に組込んで使用した際、クラッチレリーズ軸受58にスラスト方向の荷重が繰り返して働くと、シール部材70Aが外輪部材59から脱落することが考えられ、環状軸受空間70内の潤滑剤が漏れるといった不都合があった。
【0014】
そこで本発明は、上記課題を解決し得る自動調心型クラッチレリーズ軸受装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置は、駆動軸に対して動力伝達軸を繋断するためのクラッチレリーズ機構に備えられる自動調心型クラッチレリーズ軸受装置であって、軸に摺動自在に外嵌する筒状部材に一体的に取付けられているとともにレリーズフォークによって軸心方向一方側に押圧されて移動する側板と、この側板と、前記レリーズフォークに対して軸心方向一方側に配置されたダイフラムスプリングとの間に配置されるとともに側板の軸心方向への移動に伴なってダイヤフラムスプリングを押圧するクラッチレリーズ軸受とを備え、このクラッチレリーズ軸受は、外輪部材と、この外輪部材に転動体を介して配置された内輪部材と、前記外輪部材および内輪部材との間の環状空間を軸心方向両側で密封するための密封部材とを備えたアンギュラ玉軸受であり、前記外輪部材および前記内輪部材は、鋼鈑プレス製品とされ、前記外輪部材と前記内輪部材との間の前記環状空間のうち前記転動体の軌道位置よりも軸心方向一方側で密封する密封部材は、前記外輪部材の内周面の装着部位へシール部材を圧入して嵌着したものであり、径方向の調心用隙間を介して前記外輪部材を覆うとともに外輪部材の軸心方向一方端部に対向する支持部を有するカバーが設けられ、このカバーの支持部と外輪部材の軸心方向一方端部との間に、前記クラッチレリーズ軸受を側板に向けて付勢するための調心用弾性部材が介装され、この調心用弾性部材の内径部分が、前記環状空間を軸心方向一方側で密封する密封部材の外径部分と径方向で重なることで密封部材の軸方向一方側への抜け出しを阻止するよう、調心用弾性部材の内径が前記外輪部材の内径よりも小径に形成されている。
【0016】
上記構成において、レリーズフォークによって側板を軸心方向一方側に押圧すると、側板の移動に伴なってクラッチレリーズ軸受が軸心方向一方側に移動し、このクラッチレリーズ軸受によってダイヤフラムスプリングが押圧され、クラッチレリーズ機構が断状態となる。
【0017】
そしてクラッチレリーズ軸受にスラスト方向の荷重が働いて、密封部材がクラッチレリーズ軸受から離脱する方向に力を受けた場合、調心用弾性部材の内径が、前記外輪部材の内径よりも小径に形成されていることで、密封部材の外径部分が調心用弾性部材の内径部分に当たり、クラッチレリーズ軸受から離脱するのが防止される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置は、前記調心用弾性部材として環状の波ばねが用いられている。
【0019】
そして、この構成においても同様に、クラッチレリーズ軸受にスラスト方向の荷重が働いて、密封部材がクラッチレリーズ軸受から離脱する方向に力が働いた場合、ばねの内径が外輪部材の内径よりも小径に形成されていることで、密封部材の外径部分が調心用波ばねの内径部分に当たり、クラッチレリーズ軸受から離脱するのが防止される。
【0020】
さらに、本願発明では、前記クラッチレリーズ軸受の外輪部材および内輪部材鋼鈑プレス製品とされたものであり、外輪部材に対して密封部材を圧入して嵌着しているので、クラッチレリーズ軸受にスラスト方向の荷重が働いた際にでも外輪部材から密封部材が脱落しないよう充分なしめしろを有するように嵌着することは難しいが、調心用弾性部材(例えば調心用波ばね)の内径を外輪部材の内径よりも小径に形成したことで、密封部材の外径部分が調心用弾性部材の内径部分に当たり、クラッチレリーズ軸受から離脱するのが防止される。
【0021】
また、前記クラッチレリーズ軸受の内輪部材がダイヤフラムスプリングに当接された構成の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置では、側板がレリーズフォークによって押圧されるのに伴なって、クラッチレリーズ軸受の内輪部材がダイヤフラムスプリングを軸心方向一方側へ押圧してクラッチレリーズ機構が断状態となる。
【0022】
そしてこの構成の場合も、クラッチレリーズ軸受にスラスト方向の荷重が働いて、密封部材がクラッチレリーズ軸受から離脱する方向に力が働いた場合、調心用弾性部材の内径が、外輪部材の内径よりも小径に形成されていることで、上記と同様に密封部材の外径部分が調心用弾性部材の内径部分に当たり、クラッチレリーズ軸受から離脱するのが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る自動調心型クラッチレリーズ軸受装置(以下単に「クラッチレリーズ軸受装置」という)を、車両におけるクラッチレリーズ機構に適用させた場合について、図面に基づいて説明する。図1および図2は車両のクラッチレリーズ機構を示す概略図、図3はクラッチレリーズ軸受装置の正面図、図4は全体縦断面図(図3のX−X線矢視図)である。
【0024】
まず図1および図2に基づいて、エンジンに連結された出力軸にトランスミッションの入力軸を繋断するための、車両におけるクラッチレリーズ機構1の概略構成を説明する。
【0025】
すなわちこのクラッチレリーズ機構1は、エンジン駆動時に常時軸心5回りに回転する駆動軸2に対して同軸上に配置された動力伝達軸3と、前記駆動軸2に固定されたフライホイール4の板面に対して離着座自在に設けられるとともに、動力伝達軸3に軸心5方向に摺動自在に外嵌(遊嵌)されたクラッチプレート6と、このクラッチプレート6をフライホイール4の板面に対して押圧するためのプレッシャープレート7と、外周部がプレッシャープレート7の支持片8に取付けられたダイヤフラムスプリング9と、このダイヤフラムスプリング9の小径部10を押圧するためのクラッチレリーズ軸受装置11とを備えている。
【0026】
さらに、クラッチレリーズ機構1は、クラッチレリーズ軸受装置11に設けた側板12を介してクラッチレリーズ軸受装置11を軸心5方向一方側(駆動軸2側)へ押圧するためのレリーズフォーク13と、このレリーズフォーク13を支軸13a周りに揺動させるためのレリーズシリンダ装置14と、このレリーズシリンダ装置14に圧油を供給するためのマスターシリンダ装置15と、レリーズシリンダ装置14に供給する圧油を操作するためのクラッチペダル16とを備えている。
【0027】
次に図3および図4に基づいて、前記クラッチレリーズ軸受装置11の構成を説明する。このクラッチレリーズ軸受装置11には、前記動力伝達軸3(軸の一例)の外周面に軸心5方向に摺動自在に外嵌される合成樹脂製の筒状部材(スリーブとも呼ぶ)17と、この筒状部材17を一体に設けて、前記レリーズフォーク13に形成した押圧部18によって軸心5方向一方側に押圧される被押圧部19を有する円板状の前記側板12とが設けられている。
【0028】
この側板12は鋼板プレス製であり、その被押圧部19は側板12の径方向外向きに突出して径方向で対向する位置に形成されている。また、この側板12における被押圧部19の表面には、レリーズフォーク13の押圧部18が繰返して摺接しても摩耗しにくいよう、リン酸マンガン塩を含有した皮膜(自己潤滑性を有する材料の一例)が蒸着等により形成されていてもよい。
【0029】
前記側板12の径方向内側部に、軸心5方向一方側に向けて折曲した環状固定部20が形成され、側板12の環状固定部20が前記筒状部材17にインサート成形され、この環状固定部20の周方向途中位置に、筒状部材17を形成する樹脂が流入する孔21が形成され、これにより筒状部材17と側板12とが、軸心5方向および周方向に一体化されている。
【0030】
また、このクラッチレリーズ軸受装置11は、前記レリーズフォーク13の押圧部18に係合するクリップ22を有しており、このクリップ22は所定の弾性を有する線材を折曲して形成され、前記側板12の軸心5方向一方側面の外周縁に沿って配置される半円状の胴部23と、前記レリーズフォーク13の押圧部18を、前記側板12の被押圧部19との間で挟んで係止する係止部24とを有している。なおこの係止部24は、胴部23の両側端部から側板12を跨ぐように折曲されて側板12に対して軸心5方向他方側に配置されている。
【0031】
また前記クラッチレリーズ軸受装置11は、前記側板12の軸心5方向一方側、すなわち側板12とダイヤフラムスプリング9の間に介装されてかつ前記筒状部材17の外周面に遊嵌するクラッチレリーズ軸受(単列の転がり軸受が用いられている)25と、このクラッチレリーズ軸受25を側板12に向けて付勢するための環状の調心用弾性部材(以下「波ばね」という)26とを備えている。
【0032】
前記クラッチレリーズ軸受25は、玉30の外輪軌道面が形成された鋼板プレス製の外輪部材28と、この外輪部材28に、保持器29によって円周方向等配位置に位置保持された転動体としての複数個の玉30を介して設けられて玉30の内輪軌道面を有する鋼板プレス製の内輪部材31と、前記外輪部材28と内輪部材31との間の環状軸受空間32を軸心5方向両側で密封するシール部材(密封部材)33A,33Bとを備えている。前記内輪部材31の端部は外輪部材28の端部に対して軸心5方向一方側に突出しており、その端部は径方向外向きに折曲されて、前記ダイヤフラムスプリング9の小径部10に当接する環状の当接部34が形成されている。
【0033】
前記シール部材33A,33Bは、外輪部材28の内周面に、所定のしめしろでもって嵌着された芯金35a,35bと、この芯金35a,35bに取付けられて前記内輪部材31に接触するリップ(符号を省略する)を有するゴム製の弾性シール体37a,37bとから構成されている。
【0034】
前記クラッチレリーズ軸受25の外輪部材28は、所定の調心用隙間40を介して前記側板12に一体的に設けられたカバー41で覆われている。このカバー41の軸心5方向一方側端部に、径方向内向きに折曲した環状の支持部42が形成され、軸心5方向他端側端部に、径方向内向きに折曲した環状の受け部43が形成され、前記外輪部材28の軸心5方向他端側端部に、径方向内向きに折曲した環状の段付き部44が形成され、前記受け部43が外輪部材28の段付き部44と前記側板12との間に挟まれている。
【0035】
前記波ばね26は、前記外輪部材28の軸心5方向一方側端面と、前記カバー41に形成した環状の支持部42との間に介装されており、前記外輪部材28は波ばね26によってカバー41の受け部43に対して付勢されている。
【0036】
前記波ばね26の内径D1は、外輪部材28の端面とカバー41の支持部42との間に介装された状態では、常に外輪部材28の内径D2よりも小径となるように設定されている。すなわち、波ばね26の内径D1が外輪部材28の内径D2よりも小径に形成されていることで、波ばね26に、外輪部材28から径方向内向きに突出する環状の保持部26aが形成されている。
【0037】
そしてこの外輪部材28は、その外周面とカバー41の内周面との間の調心用隙間40内を径方向に移動可能に、波ばね26と受け部43との間に保持されている。
【0038】
上記構成において、クラッチレリーズ軸受25(外輪部材28)は、波ばね26の弾性力でカバー41の受け部43に当接するよう支持されているだけなので、ダイヤフラムスプリング9とクラッチレリーズ軸受25との間に偏心が生じていた場合、内輪部材31の当接部34がダイヤフラムスプリング9の小径部10に当接した際にクラッチレリーズ軸受25に調心抗力が働いて、クラッチレリーズ軸受25は、その軸心5がダイヤフラムスプリング9の軸心5に一致するよう自動的に調心される。
【0039】
ところで、車両の走行時(エンジンの駆動時)は、駆動軸2とともにフライホイール4が軸心5回りに回転しており、ダイヤフラムスプリング9の弾性力によってクラッチプレート6がプレッシャープレート7を介してフライホイール4に圧接しているクラッチ繋状態にある。そして、トランスミッションの速度段切替え等のために、クラッチを断状態とする場合は、次のようになる。
【0040】
すなわち、図1および図2において、車両の運転者Hがクラッチペダル16を踏込むと、圧油がマスターシリンダ装置15からレリーズシリンダ装置14に供給されてこれが伸長し、レリーズフォーク13を支軸13a周りに押圧して揺動させる。そして、レリーズフォーク13の押圧部18は、側板12の被押圧部19と、クリップ22の係止部24との間で保持された状態となっており、従って、レリーズフォーク13が支軸13a回りに揺動した際に、レリーズフォーク13の押圧部18が側板12の被押圧部19を押圧することになる。
【0041】
そして、側板12がレリーズフォーク13によって押圧されてこれが軸心5方向一方側に移動すると、側板12と一体的に設けられて動力伝達軸3に摺動自在に外嵌される筒状部材17が軸心5方向一方側に移動し、側板12によってクラッチレリーズ軸受25の外輪部材28がカバー41の受け部43を介して軸心5方向一方側に押圧されて、クラッチレリーズ軸受25の内輪部材31における当接部34が、ダイヤフラムスプリング9の小径部10を軸心5方向一方側に押圧し、ダイヤフラムスプリング9は、その傾斜が反対になる方向に向けて変形する。
【0042】
これにより、プレッシャープレート7が軸心5方向他方側に移動してクラッチプレート6がフライホイール4に圧接した状態が解除され、クラッチ断状態となって、トランスミッションの速度段切替え等の操作が可能となる。
【0043】
ところで、クラッチレリーズ軸受装置11の搬送時、あるいはクラッチレリーズ軸受装置11をクラッチレリーズ機構1に組込んだ後のクラッチレリーズ機構1の操作時等においては、クラッチレリーズ軸受25に対してスラスト方向の荷重が付与される場合が少なからず発生する。そして、クラッチレリーズ軸受25の外輪部材28および内輪部材31は、鋼板をプレス加工によって形成しているので、シール部材33A(芯金35a)は、外輪部材28に対して強固に嵌着されていない状態にある。
【0044】
しかし、波ばね26の内径D1は、外輪部材28の端面とカバー41の支持部42との間に介装された状態で外輪部材28の内径D2よりも小径に形成されているので、例えば製品の搬送時に、クラッチレリーズ軸受25がスラスト方向の荷重を受けてシール部材33Aが軸心5方向にずれる方向に力を受けた場合、シール部材33A(芯金35a)の外径部分は、波ばね26の内径部分である保持部26aに当たるように径方向で重なり、波ばね26は、外輪部材28の端面とカバー41の支持部42との間に確実に保持されているので、これによってシール部材33Aは確実にその位置に保持され、従って、製品がばらけてしまうのを防止できる。
【0045】
このように、クラッチレリーズ軸受25の外輪部材28および内輪部材31が鋼板をプレス加工することによって形成されていて、シール部材33Aが外輪部材28に対して強固に嵌着されていない状態にあっても、波ばね26の内径D1を外輪部材28の内径D2よりも小径に形成したことで、例えば製品の搬送時には製品がばらけるのを防止でき、また、使用時には環状軸受空間32内の潤滑剤を確実に保持することができる。
【0046】
なお、本発明の実施形態によれば、クラッチレリーズ軸受25の外輪部材28と内輪部材31とをプレス加工によって形成しているので、装置全体を安価に製造することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明は、クラッチレリーズ軸受の外輪部材と、この外輪部材を覆うカバーとの間に調心用弾性部材を設け、この調心用弾性部材の内径を、外輪部材の内径よりも小径に形成した自動調心型クラッチレリーズ軸受装置であるので、例えば製品の搬送時にクラッチレリーズ軸受に対してスラスト方向の荷重が働いた場合、密封部材が調心用弾性部材に当たることで密封部材がクラッチレリーズ軸受から離脱するのを防止して製品がばらけるのを防止でき、製品の使用時には密封部材がクラッチレリーズ軸受から離脱するのを防止でき、もって環状空間内の潤滑剤の損失を防止して長期的な使用に耐え得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両のクラッチレリーズ機構においてクラッチ繋状態を示す概略図である。
【図2】 車両のクラッチレリーズ機構においてクラッチ断状態を示す概略図である。
【図3】 本発明のクラッチレリーズ軸受装置の全体正面図である。
【図4】 同じく図3のX−X線矢視図である。
【図5】 従来のクラッチレリーズ軸受装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 クラッチレリーズ機構
2 駆動軸
3 動力伝達軸
4 フライホイール
5 軸心
6 クラッチプレート
7 プレッシャープレート
9 ダイヤフラムスプリング
11 クラッチレリーズ軸受装置
12 側板
13 レリーズフォーク
14 レリーズシリンダ装置
17 筒状部材
18 押圧部
19 被押圧部
22 クリップ
23 胴部
24 係止部
25 クラッチレリーズ軸受
26 波ばね
26a 保持部
28 外輪部材
31 内輪部材
34 当接部

Claims (3)

  1. 駆動軸に対して動力伝達軸を繋断するためのクラッチレリーズ機構に備えられる自動調心型クラッチレリーズ軸受装置であって、
    軸に摺動自在に外嵌する筒状部材に一体的に取付けられているとともにレリーズフォークによって軸心方向一方側に押圧されて移動する側板と、この側板と、前記レリーズフォークに対して軸心方向一方側に配置されたダイフラムスプリングとの間に配置されるとともに側板の軸心方向への移動に伴なってダイヤフラムスプリングを押圧するクラッチレリーズ軸受とを備え、このクラッチレリーズ軸受は、外輪部材と、この外輪部材に転動体を介して配置された内輪部材と、前記外輪部材および内輪部材との間の環状空間を軸心方向両側で密封するための密封部材とを備えたアンギュラ玉軸受であり、
    前記外輪部材および前記内輪部材は、鋼鈑プレス製品とされ、
    前記外輪部材と前記内輪部材との間の前記環状空間のうち前記転動体の軌道位置よりも軸心方向一方側で密封する密封部材は、前記外輪部材の内周面の装着部位へシール部材を圧入して嵌着したものであり、
    径方向の調心用隙間を介して前記外輪部材を覆うとともに外輪部材の軸心方向一方端部に対向する支持部を有するカバーが設けられ、このカバーの支持部と外輪部材の軸心方向一方端部との間に、前記クラッチレリーズ軸受を側板に向けて付勢するための調心用弾性部材が介装され、この調心用弾性部材の内径部分が、前記環状空間を軸心方向一方側で密封する密封部材の外径部分と径方向で重なることで密封部材の軸方向一方側への抜け出しを阻止するよう、調心用弾性部材の内径が前記外輪部材の内径よりも小径に形成されたことを特徴とする自動調心型クラッチレリーズ軸受装置。
  2. 調心用弾性部材として環状の板ばねが用いられたことを特徴とする請求項1記載の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置。
  3. クラッチレリーズ軸受の内輪部材がダイヤフラムスプリングに当接されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動調心型クラッチレリーズ軸受装置。
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