JP3934349B2 - ヨーク型磁気抵抗効果ヘッドおよび磁気再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録再生装置に搭載されるヨーク型磁気抵抗効果型ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク駆動装置(以下、HDDともいう)の磁気記録密度が飛躍的に向上し、更なる高記録密度化が望まれている。高記録密度化に伴う記録ビットサイズの微小化により、従来の薄膜ヘッドでは再生感度が不充分となり、現在では磁気抵抗効果素子を搭載した磁気抵抗効果ヘッド(以下、MRヘッドともいう)が主流となっている。その中でも特に大きな磁気抵抗効果を示すものとして、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を搭載したヘッド(以下、SVヘッドともいう)が注目されている。
【0003】
一方、高記録密度化により薄膜磁気ヘッド走行時の浮上量は低下している。これは、小さな媒体ビット磁界をセンスするためである。薄膜磁気ヘッド走行時の浮上量が低下する傾向にあるので記録媒体と間欠的な接触あるいは定常的な接触状をしながら磁気ヘッドを走行させることは避けられないであろうと予想される。また、高記録密度化以外の観点からみても、今後の世の中のマルチメディア化が進むにつれて音響映像機器へのHDDの搭載が予想される。音響映像機器への搭載にはHDDの信頼性、特に外部からの衝撃による耐性が重要となる。その際、磁気ヘッドは媒体表面と接触することが考えられるために、接触に強い磁気ヘッド開発が望まれている。
【0004】
しかしながら、上述した従来のSVヘッドは再生時の記録媒体との接触により発生する熱により異常な抵抗変化を示すこと(サーマルアスペリティ)がよく知られている。従って、媒体対向面に感磁部が露出する従来のMRヘッドおよびSVヘッドは今後の高記録密度化には適応できなくなると考えられる。
【0005】
そこで様々な形のヨーク型磁気ヘッドが考案されている。ヨーク型磁気ヘッドは媒体対向面にSV部の感磁部が露出していないために、上述したサーマルアスペリティに強い。その中でも短磁路化が可能であり、ヘッドスライダの軽量化が容易な水平ヨーク型磁気ヘッドが注目されている。
【0006】
磁気抵抗効果素子(以下、MR素子ともいう)の観点からは、近年の急激な微細化により、MR素子の膜面方向にセンス電流を流す面内通電型MR素子は製造プロセスにおいて微細加工が非常に困難となると予想され、このため、MR素子の膜面の垂直方向にセンス電流を流す面垂直通電型MR素子が注目を集めている。面垂直通電型MR素子のうち代表的なものとしては、近年超巨大な磁気抵抗効果を発現している電子のトンネル効果を利用したトンネル型GMR素子がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような傾向からヨーク型磁気ヘッドと面垂直通電型MR素子の組み合わせが考えられる。ヨーク型磁気ヘッドと面垂直通電型MR素子とを組み合わせたヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの例を図8および図9を参照して説明する。図8はヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す斜視図であり、図9は図8に示す切断面Yで切断した場合のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの断面図である。このヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、媒体対向面に磁気ギャップ4を持つ磁気ヨーク先端部2aおよびこの磁気ヨーク先端部2aの媒体対抗面と反対側の面に設けられる磁気ヨーク後部2bを有する磁気ヨーク2と、この磁気ヨーク2の媒体対抗面と反対側の面の凹部に設けられた電極8と、磁気ヨーク2の側面に設けられ磁気ヨーク内部の磁区を制御するためのバイアス磁界を発生させるための硬磁性材料からなるバイアス磁界印加用膜10と、磁気ヨーク後部2bと磁気的に結合している面垂直通電型磁気抵抗効果膜(以下、MR膜ともいう)12と、磁気抵抗効果膜12にセンス電流を通じるための電極14と、磁気抵抗効果膜12、電極8、磁気ヨーク2、およびバイアス磁界印加用膜10を介して上記センス電流を受ける電極16a、16bとを備えている。また、この従来のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、図8に示すように、磁気ヨーク先端部2aの側面および磁気ヨーク後部2bに媒体対向面における磁気ギャップ4とほぼ同じ幅の切れ込み部分7が、設けられている。そして、このヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、磁気ギャップ4と、磁気ヨーク先端部2aと、磁気ヨーク後部2bと、磁気抵抗効果膜12とによって閉磁気回路が形成されている。また、電極14および磁気抵抗効果膜12ならびに電極8がMR素子を構成している。
【0008】
しかし、上述のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドにおいては、磁気ヨーク先端部2aの側面および磁気ヨーク後部2bに媒体対向面における磁気ギャップ4の幅(すなわちギャップ長)とほぼ同じ幅の切れ込み部分7が、設けられている。このため、図8中のA間すなわち、切れ込み部7を跨ぐ磁気ヨーク2間で漏洩する磁界の量が大きく、磁束効率が低下し、このため再生出力が低下するという問題があった。
【0009】
また、一般的に面垂直型MR素子においては、図9に示すようにセンス電流18は片側の小さな電極14からMR膜12を通じて磁気ヨーク2と一体の広い電極8に通電される。この構造における電流分布をシミュレーションによって計算した結果によると、MR膜12の電気抵抗の値が小さい場合、センス電流18は、MR膜12の膜面内方向に流れるとともにMR膜12を通ってMR膜面に沿って電極8内を流れる割合が増加する。このため、センス電流18がMR膜12の感度が高い部分に集中しないとともにセンス電流18の膜面垂直方向の成分が減少することから、センス電流の実効的通過面Sの電流密度が低下し、再生出力が低下するという問題があった。なお、本明細書においては、センス電流の実効的通過面Sとは、電極14とMR膜12との接合面をMR膜と電極8との接合面に投影したときの面である。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであって、再生出力が低下するのを可及的に防止することのできる、ヨーク型磁気抵抗効果ヘッドおよび磁気再生装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によるヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、磁気ギャップを挟んで対向する媒体対抗面においてトラック幅を有し、前記媒体対抗面に対し垂直方向の後部における前記トラック幅方向の幅が前記トラック幅よりも広い第1及び第2の磁気ヨークであって、前記トラック幅方向端の前記後部における第1及び第2の磁気ヨーク間の距離が前記媒体対抗面における前記距離よりも広い第1及び第2の磁気ヨークと、前記第1及び第2の磁気ヨークと磁気接続された磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜に電気的に接続された電極と、を備えることを特徴とする。
【0012】
このように構成された本発明によるヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、後部における第1及び第2の磁気ヨーク間の距離が媒体対向面における距離よりも広く構成されている。このため、本発明のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、後部における第1及び第2の磁気ヨーク間の距離が媒体対向面における距離と同じヨーク型磁気抵抗効果ヘッドと比較すると、第1及び第2の磁気ヨーク間で漏洩する磁界の量が大幅に減少することが期待でき、実際に、シミュレーションを実行したところ、本発明のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、後部における第1及び第2の磁気ヨーク間の距離が媒体対向面における距離と同じヨーク型磁気抵抗効果ヘッドに比べて、磁気回路における磁束効率を上げることが可能となることが明らかとなった。これにより、磁束効率を上げることが可能となり、再生出力の低下を可及的に防止することができる。
【0013】
なお、前記第1及び第2の磁気ヨーク間の前記トラック幅方向端の前記後部における最も長い距離が前記媒体対向面における距離の2倍以上であることが好ましい。
【0014】
なお、前記第1及び第2の磁気ヨークの向かい合っている面のそれぞれと媒体対向面との稜線が前記磁気ギャップ近傍において滑らかな曲線形状をなすことが好ましい。
【0015】
また、本発明によるヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、磁気ギャップを挟んで対向する一対の磁気ヨークと、前記磁気ヨークと磁気的に結合された膜面垂直通電型の磁気抵抗効果膜と、前記磁気ヨークと反対側の、前記磁気抵抗効果膜の膜面と電気的に接続された第1の電極と、前記磁気ヨーク側の、前記磁気抵抗効果膜の膜面と電気的に接続されるとともに前記磁気ヨークと電気的に接続される第2の電極と、前記磁気抵抗効果膜と前記第2の電極との接続面近傍に設けられた絶縁層と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
このように構成された本発明によるヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、MR膜と電極との接合面積が、絶縁層によって制限されている。このため、センス電流がMR膜の感度の高い部分に集中しかつセンス電流のMR膜の膜面垂直方向の成分が大きくなり、これにより、実効通過面Sを流れるセンス電流の割合を大きくする、すなわち電流密度を大きくすることが可能となり、再生出力の低下を防止することができる。
【0017】
なお、前記第1の電極と前記磁気抵抗効果膜との接触面積及び前記第2の電極と前記磁気抵抗効果膜との接触面積の一方の接触面積が他方の接触面積の半分以下であることが好ましい。
【0018】
また、本発明による磁気再生装置は、上述のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドを磁気再生ヘッドとして搭載したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照して以下、説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を図1乃至図3を参照して説明する。この第1の実施形態は、ヨーク型磁気抵抗効果ヘッドであって、その構成を図1に示す。図1は、本実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す斜視図、図2は、本実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドに係る切れ込み部の詳細な形状を示す斜視図、図3(a)および図3(b)は、各々図1に示す切断面XおよびYで本実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドを切断した場合の断面図である。
【0021】
この実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、媒体対向面に磁気ギャップ4を持つ磁気ヨーク先端部2aおよびこの磁気ヨーク先端部2aの媒体対抗面と反対側の面に設けられる磁気ヨーク後部2bを有する磁気ヨーク2と、この磁気ヨーク2の媒体対抗面と反対側の面の凹部に設けられた電極8と、磁気ヨーク2の側面に設けられ磁気ヨーク2の内部の磁区を制御するためのバイアス磁界を発生させるための硬磁性材料からなるバイアス磁界印加用膜10と、磁気ヨーク後部2bと磁気的に結合している面垂直通電型磁気抵抗効果膜(以下、MR膜ともいう)12と、MR膜12にセンス電流を通じるための電極14と、MR膜12、電極8、磁気ヨーク2、およびバイアス磁界印加用膜10を介して上記センス電流を受ける電極16a、16bとを備えている。また、この実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、トラック幅方向(切断面Xに垂直な方向)にそって磁気ヨーク先端部2aの側部および磁気ヨーク後部2bに切れ込み部6が設けられている。この切れ込み部6は、媒体対向面における磁気ギャップ4の幅(すなわちギャップ長)よりも、トラック長手方向の断面(切断面Xに平行な断面)における幅が広い形状となっている。すなわち、この切れ込み部6は、図2に示すように、磁気ギャップ4との接合面において磁気ギャップ4のギャップ長とほぼ同じ幅の断面を有し、磁気ヨーク先端部2aの傾斜した側面において磁気ギャップから離れるにつれてトラック長手方向の断面における幅が直線的に広がり、すなわち滑らかに増大し、磁気ヨーク先端部2aと磁気ヨーク後部2bとの接合面において上記幅が最大となる形状となっている。なお、磁気ギャップ4および切れ込み部6には通常、非磁性体が埋め込まれる。また、MR膜12は、磁気ヨーク2の形成面とほぼ平行な平面上に形成されている。
【0022】
そして、この実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、磁気ギャップ4と、磁気ヨーク先端部2aと、磁気ヨーク後部2bと、磁気抵抗効果膜12とによって閉磁気回路が形成されている。また、電極14および磁気抵抗効果膜12ならびに電極8がMR素子を構成している。
【0023】
上述したように、この実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドにおいては、切れ込み部6は磁気ギャップ4の幅よりも幅が広く構成されている。このため、本実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、磁気ヨーク部分の切れ込み部7が磁気ギャップ4と同じ幅であるヨーク型磁気抵抗効果ヘッド(図8参照)と比較すると、図中A間、すなわちで切れ込み部6を跨ぐ磁気ヨーク2間で漏洩する磁界の量が大幅に減少することが期待できる。実際に、シミュレーションを実行したところ、本実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは従来のものに比べて、磁気回路における磁束効率を上げることが可能となることが明らかとなった。また、切れ込み部分6の最大幅、すなわち磁気ヨーク先端部2aと磁気ヨーク後部2bとの接合面における切れ込み部6の幅が磁気ギャップ4の幅に対して2倍以上になった場合に特に効率の改善効果が大きいことが上述のシミュレーションからわかった。
【0024】
以上説明したように、本実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは従来の場合に比べて磁束効率を上げることが可能となり、再生出力の低下を可及的に防止することができる。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図4および図5を参照して説明する。この実施形態はヨーク型磁気抵抗効果ヘッドであって、その構成を図3に示す。この第2の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、第1の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの切れ込み部6を切れ込み部6aに置き換えた構成となっている。この切れ込み部6aの形状は、磁気ギャップ4との接合面において磁気ギャップ4と同じ幅の断面を有し、磁気ヨーク先端部2aの傾斜した側面において磁気ギャップから離れるにつれてトラック長手方向の断面における幅が滑らかに広がる曲線形状になっており、磁気ヨーク先端部2aと磁気ヨーク後部2bとの接合面において上記幅が最大となっている。
【0026】
この第2の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドも第1の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドと同様に、再生出力の低下を可及的に防止することができることはいうまでもない。
【0027】
この第2の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドを媒体対向面側からみたときの磁気ヨーク2に付加されるバイアス磁界を図5に示す。図5から分かるように磁気ヨーク2の側面に配置された硬磁性材料のバイアス磁界印加用膜10からのバイアスによって磁気ヨーク内部の磁化はほぼ単磁区状態に保たれ、磁気回路中を流れる信号磁界を安定化させることができる。
【0028】
これに対して、図6に示すヨーク型磁気抵抗効果ヘッドのように切れ込み部6bの形状が角張った状態、すなわち磁気ギャップとの接続面で段差がありトラック長手方向の断面における幅が滑らかに増大しない状態の場合は、図6に示すようにバイアス磁界が磁気ギャップ4近傍にかかりにくい状態となる可能性がある。この状態では磁気ギャップ4近傍において磁区が発生しやすくなるため、信号磁界が不安定となりやすくなる。
【0029】
本実施形態のように切れ込み部6aの形状を滑らかな曲線例えば円弧状の曲線にして、切れ込み部6aの角部を丸めることによってバイアス磁界が磁気ギャップ4近傍にも流れやすくなり、磁区の発生を抑えることができ、再生信号を安定化させることができる。
【0030】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態を図7を参照して説明する。この実施形態はヨーク型磁気抵抗効果ヘッドであって、その構成を図7に示す。図7は第3の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドをトラック幅方向の切断面(例えば図1に示す切断面Y)で切断した場合の断面図である。
【0031】
この実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、図1または図4に示す第1または第2の実施形態のヨーク型磁気ヘッドにおいて、MR膜12と電極8との一部分の接合面を除いて、MR膜12と電極8との間に絶縁層13を設けた構成となっている。すなわち、絶縁層13は、MR膜12と電極8との接触面積を制限するように構成されている。絶縁層13が設けられない上記一部分の接合面は、センス電流の実効的通過面Sを含む領域である。
【0032】
この実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドにおいては、MR膜12から信号を取り出すための電極8,14は、MR膜12の膜面の両側に配置されており、磁気ヨーク2側においては電極8と、磁気ヨーク2とが電気的に結合し一体となっているのに対して、磁気ヨーク2と反対側の電極14はMR膜12との接合面積が大きすぎないようにパターニングされている。これは、センス電流18を磁気ギャップ4上の信号磁界センス領域に集中させることによって、磁気ヘッドの出力におけるノイズを低減させるためである。
【0033】
本実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、図7に示すようにMR膜12と電極8との接合面積が、センス電流18の実効通過面Sを除いて絶縁層13によって制限されている。このため、センス電流18がMR膜12の感度の高い部分に集中しかつセンス電流のMR膜12の膜面垂直方向成分が大きくなり、これにより、実効通過面Sを流れるセンス電流18の割合を大きくする、すなわち電流密度を大きくすることが可能となり、第1または第2の実施形態に比べて更に再生出力の低下を防止することができる。
【0034】
また、図7に示すように、絶縁層13はMR膜12と電極8との間の一部にのみ配置されており、MR膜12と磁気ヨーク2の間には存在しないため、MR膜と磁気ヨーク2との磁気的な結合を阻害することはない。したがって、この配置によって磁気回路的な高効率化と、センス電流18の分流を防ぐことによる高出力化を両立することができる。
【0035】
また、MR膜12と電極8との実際の接合面の面積は、MR膜12の電気抵抗や、他の構成要素のサイズ等によって最適な大きさが変わるが、磁気ヨーク2と反対側に設けられた電極14とMR膜12との接触面積、すなわちセンス電流の実効通過面Sの面積の1〜2倍となるようにすることが望ましい。
【0036】
なお、第3の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドは、第1または第2の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドにおいて、MR膜12と電極8との間の一部の接合面に絶縁層13が設けられたが、図8に示すヨーク型磁気抵抗効果ヘッドにおいて、図7に示すようにMR膜12と電極8との間の一部の接合面に絶縁層を設けるように構成しても、再生出力の低下を防止することができるとともに、磁気回路的な高効率化と、センス電流18の分流を防ぐことによる高出力化を両立することができる。
【0037】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施の形態を図10および図11を参照して説明する。この実施の形態は、磁気再生装置であって、この磁気再生装置の概略構成を図10に示す。すなわち、本実施の形態の磁気再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。図10において、磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気ディスク200は、磁気ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、例えば、前述したいずれかの実施形態にかかる磁気ヘッドをその先端付近に搭載している。
【0038】
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
【0039】
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0040】
アクチュエータアーム155は、固定軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0041】
図11は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
【0042】
サスペンション154の先端には、上記実施形態のいずれかで説明した磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。なお、再生ヘッドと記録用ヘッドを組み合わせても良い。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図11の符号165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
【0043】
ここで、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)と磁気ディスク200の表面との間には、所定の浮上量が設定されている。
【0044】
なお、磁気再生装置に関しても、再生のみを実施するものでも、記録・再生を実施するものであっても良く、また、媒体は、ハードディスクには限定されず、その他、フレキシブルディスクや磁気カードなどのあらゆる磁気記録媒体を用いることが可能である。さらに、磁気記録媒体を装置から取り外し可能にした、いわゆる「リムーバブル」の形式の装置であっても良い。
【0045】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、再生出力の低下を可及的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す斜視図。
【図2】第1の実施形態に係る切れ込み部の詳細な形状を示す斜視図。
【図3】第1の実施形態の構成を示す断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す斜視図。
【図5】第2の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドを媒体対向面からみたときのバイアス磁界の様子を示す模式図。
【図6】切れ込み部の形状が角張った状態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドを媒体対向面からみたときのバイアス磁界の様子を示す模式図。
【図7】本発明の第3の実施形態のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドのトラック幅方向の断面図。
【図8】ヨーク型磁気抵抗効果ヘッドの構成を示す斜視図。
【図9】ヨーク型磁気抵抗効果ヘッドのトラック幅方向の断面図。
【図10】本発明による磁気再生装置の概略構成を示す要部斜視図。
【図11】アクチュエータアームから先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図。
【符号の説明】
2 磁気ヨーク
2a 磁気ヨーク先端部
2b 磁気ヨーク後部
4 磁気ギャップ
6,6a 磁気ヨーク切れ込み部
8 電極
10 バイアス磁界印加用膜
12 磁気抵抗効果膜(MR膜)
13 絶縁層
14 電極
16a、16b 電極
18 センス電流
Claims (5)
- 磁気ギャップを挟んで対向する媒体対向面においてトラック幅を有し、前記媒体対向面に対し垂直方向の後部における前記トラック幅方向の幅が前記トラック幅よりも広い第1及び第2の磁気ヨークであって、前記トラック幅方向端の前記後部における第1及び第2の磁気ヨーク間の距離が前記媒体対向面における前記距離よりも広い第1及び第2の磁気ヨークと、
前記第1及び第2の磁気ヨークと磁気接続された磁気抵抗効果膜と、
前記磁気抵抗効果膜に電気的に接続された電極と、
前記第1及び第2の磁気ヨークの前記後部の、前記トラック幅方向の両側部に設けられたバイアス磁界印加膜と、
を備えることを特徴とするヨーク型磁気抵抗効果ヘッド。 - 前記第1及び第2の磁気ヨーク間の前記トラック幅方向端の前記後部における最も長い距離が前記媒体対向面における距離の2倍以上であることを特徴とする請求項1記載のヨーク型磁気抵抗効果ヘッド。
- 前記第1及び第2の磁気ヨークの向かい合っている面の間隔が前記磁気ギャップから離れるにつれて滑らかに広がる曲線形状をなすことを特徴とする請求項1または2記載のヨーク型磁気抵抗効果ヘッド。
- 前記電極は、前記磁気抵抗効果膜を挟んで前記第1および第2磁気ヨークと反対側の、前記磁気抵抗効果膜の膜面と電気的に接続された第1の電極と、
前記第1および第2磁気ヨーク側の、前記磁気抵抗効果膜の膜面と電気的に接続されるとともに前記第1および第2磁気ヨークと電気的に接続される第2の電極と、
を有し、
前記磁気抵抗効果膜と前記第2の電極との接続面近傍に絶縁層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずかに記載のヨーク型磁気抵抗効果ヘッド。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のヨーク型磁気抵抗効果ヘッドを磁気再生ヘッドとして搭載したことを特徴とする磁気再生装置。
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