JP3934123B2 - 保守用車両 - Google Patents
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吉村 寛、吉越 三郎 「信号」、第17版、交友社、平成3年7月20日、P.148,P.244
逆に開にすると、左右レール間は短絡されないので、踏切遮断機は降りないが、信号機も赤に変らず、保守作業中に他の車両が進入して来る危険がある。
そのような場合に結局、開閉スイッチを開にして踏切は遮断せず、一方、信号機が赤にならないことによる危険防止としては指令により車両の運行を停止させるということになる。
本発明の解決課題は、このような問題を解決することである。
第1の構成は、下記の各手段を具備することを特徴とする保守用車両である。
(イ)レールに接する外周側と車軸側とが電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と他方側の第2の車輪
(ロ)一端が第1の車輪の外周側に接続され、他端が車軸側に接続され、電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ
(ハ)前記フィルタを収納し、車軸に固定されて車軸とともに回転するフィルタ収納筐体
(ニ)第2の車輪の外周側と車軸側との電気的接続を開閉する第1の開閉手段
(イ)レールに接する外周側と車軸側とが電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と、該絶縁がされていない左右他方側の第2の車輪
(ロ)一端が第1の車輪の外周側に接続され、他端が車軸側に接続され、電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右両レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ
(ハ)前記フィルタを収納し、車軸に固定されて車軸とともに回転するフィルタ収納筺体
(イ)車軸と電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と他方側の第2の車輪
(ロ)回転する第1の車輪と電気的に接触を得るための第1のブラシと、同じく第2の車輪と電気的接触を得るための第2のブラシ
(ハ)第1のブラシおよび第2のブラシを介して電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右両レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ
(イ)レールに接する外周側と車軸側とが電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と他方側の第2の車輪
(ロ)第1、第2の各車輪毎に対応させて、車軸に電気的に絶縁されて固定され車軸と一緒に回転するとともに、それぞれの車輪外周側と電気的に接続された第1のスリップリングおよび第2のスリップリング
(ハ)前記第1のスリップリングに接触する第1のブラシと、第2のスリップリングに接触する第2のブラシ
(ニ)第1のブラシおよび第2のブラシを介して電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右両レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ
(ホ)フィルタの一方端と第1のブラシとの間の接続を開閉する第1の開閉手段
(ヘ)フィルタの他方端と第2のブラシとの間の接続を開閉する第2の開閉手段
図1から図3は本発明の実施例1の構成を示す図である。
第1の車輪3および第2の車輪4は、絶縁材7によって外周側5と車軸側6とが電気的に絶縁されている。外周側5はそれぞれ左レール10および右レール11の上に乗ることによって各レールと電気的に接触することになる。
従って、左右レール間もオープンで状態は変化しない。
一方、踏切制御用電源の周波数10KHzでは踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない非通電状態であるので踏切の遮断動作は行なわれない。
従って、線路の両側の人々の活動に支障を来たすことなく且つ安全に保守作業が行えることになる。
コイルはインダクタンスLと巻線の抵抗成分Rの直列回路と考えられるので、その直列インピーダンスの大きさZは、周波数をf、円周率をπとすれば、数式1で表わされる。
しかし、上記値のインダクタンスを単線コイルで製作した場合その抵抗成分を50mΩより小さくすることは容易ではない。
フィルタ1を構成するコンデンサやコイル等は、回転軸8を中心とする重量分布が均一になるように配置され、必要に応じてバランスを取るための重りも取り付けられる。
フィルタ1の一端と第1の車輪3の外周側との間に第2開閉器12を設け、第1開閉器9と合わせて2箇所で開にできるようにしている。
第2開閉器12は、フィルタの他端と第1の車輪3の車軸側6か台車枠との間に設けてもよい。
逆に、保守作業の都合上、左右レール間をフィルタ1を介さず完全に短絡したい場合も生ずるが、図1および図2の構成では短絡はできない。
フィルタ1の一端と他端との間に第3開閉器13を設けており、これを閉にすることにより完全短絡が可能となる。
図4から図6は実施例2の構成を示す図である。
図1から図3の例と異なる点は、第2の車輪14が絶縁されておらず、従ってまた第1開閉器9がないという点である。
その他の機能および動作については図4は図1に、図5は図2に、図6は図3に同じである。
一方、車輪のレールに接している外周部は車両走行により当然回転するから、左右レール間にフィルタを接続するには回転体と固定体との接触構造が必要となってくる。
第1の車輪17および第2の車輪18にはそれぞれ摺接部31が設けられ、これにそれぞれ第1のブラシ20および第2のブラシ21が接触している。
第1、第2のブラシはいずれも車両の固定箇所に固定され、車輪の回転によって回転する摺接部31と摺接している。回転による摺擦距離はブラシの摩耗を少くするため短い方がよいので、径を小さくするため車軸近くに円筒のように設けられている。
この摺接部31は車輪のレールに接する外周側でなければならないので、外周側と車軸側を絶縁する絶縁材19は殆ど車軸8に近接している。
実際には、フィルタ1が左側に固定されている場合には第1のブラシ20からフィルタ1へは配線で接続されるが、右側の第2のブラシ21からフィルタ1への配線は、車両の動力機器その他の構造物の存在により困難である。
そこで、鉄製の台車枠を配線代りに利用して、第2のブラシ21からの配線は台車枠24の右側部分に接続し、台車枠24の左側部分とフィルタ1の他方端との間を配線で接続する。
フィルタ1が右側にあるときは第2のブラシ21は直接、第1のブラシ20は台車枠24を介して、それぞれフィルタ1に接続されることになる。
左右に開閉器を設けているから、いずれか一方が閉状態となる故障を起してもなお開とすることができる。なお、この開閉器としては継電器を用いてもよい。
図9は、図8の構成に対して、フィルタ1の一方端と他方端との間に第3開閉器25を設けて、フィルタ1を短絡することができるようにしたものである。
この第3開閉器25を閉とし、左右の第1開閉器22および第2開閉器23を閉とすることにより、左右のレール間は直接短絡されることになる。
図10から図12は、このようなスリップリングを用いた実施例の構成を示す図である。
図10を参照すれば、車輪は実施例1の場合と同様外周側5と車軸側6が絶縁材7によって絶縁されている。
実施例3のように摺接部31が設けられていない代わりに、車軸8に絶縁材30を介して第1のスリップリング27と第2のスリップリング29が設けられており、これは車軸8とともに回転する。
第2のスリップリング29には第2のブラシ28が弾性接触しており、第2のブラシ28は、実施例3の場合と同様に台車枠24の右側部分に接続され、フィルタ1の他方端は台車枠24の左側部分に接続されることにより、フィルタ1の他端は第2のブラシ28に接続されたことになる。こうしてフィルタ1が左右のレール間に接続されることになる。
それを実現するのが図12の構成である。
図12は、図11の構成に対して、フィルタ1の一方端と他方端との間に第3開閉器25を設けて、フィルタ1を短絡できるようにしたものである。
この第3開閉器25を閉とし、左右の第1開閉器22および第2開閉器23を閉とすることにより、左右のレール間は直接短絡されることになる。
2 フィルタ収納筐体
3 第1の車輪
4 第2の車輪
5 外周側
6 車軸側
7 絶縁材
8 車軸
9 第1開閉器
10 左レール
11 右レール
12 第2開閉器
13 第3開閉器
14 第2の車輪
15 第1開閉器
16 第2開閉器
17 第1の車輪
18 第2の車輪
19 絶縁材
20 第1のブラシ
21 第2のブラシ
22 第1開閉器
23 第2開閉器
24 台車枠
25 第3開閉器
26 第1のブラシ
27 第1のスリップリング
28 第2のブラシ
29 第2のスリップリング
30 絶縁材
31 摺接部
Claims (13)
- 下記の各手段を具備することを特徴とする保守用車両。
(イ)レールに接する外周側と車軸側とが電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と他方側の第2の車輪
(ロ)一端が第1の車輪の外周側に接続され、他端が車軸側に接続され、電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ
(ハ)前記フィルタを収納し、車軸に固定されて車軸とともに回転するフィルタ収納筐体
(ニ)第2の車輪の外周側と車軸側との電気的接続を開閉する第1の開閉手段 - 請求項1の構成に加えて、前記フィルタの一端と第1の車輪の外周側との間又は、前記フィルタの他端と車軸側との間に、接続を開閉する第2の開閉手段を具備することを特徴とする保守用車両。
- 請求項1又は請求項2の構成に加えて、前記フィルタの一端と他端との間の接続を開閉する第3の開閉手段を具備することを特徴とする保守用車両。
- 下記の各手段を具備することを特徴とする保守用車両。
(イ)レールに接する外周側と車軸側とが電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と、該絶縁がされていない左右他方側の第2の車輪
(ロ)一端が第1の車輪の外周側に接続され、他端が車軸側に接続され、電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右両レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ
(ハ)前記フィルタを収納し、車軸に固定されて車軸とともに回転するフィルタ収納筺体 - 請求項4の構成に加えて、前記フィルタの一端と第1の車輪の外周側との間、又は、前記フィルタの他端と車軸側との間に、接続を開閉する第1の開閉手段を具備することを特徴とする保守用車両。
- 請求項4又は請求項5の構成に加えて、前記フィルタの一端と他端との間の接続を開閉する第2の開閉手段を具備することを特徴とする保守用車両。
- 下記の各手段を具備することを特徴とする保守用車両。
(イ)車軸と電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と他方側の第2の車輪
(ロ)回転する第1の車輪と電気的に接触を得るための第1のブラシと、同じく第2の車輪と電気的接触を得るための第2のブラシ
(ハ)第1のブラシおよび第2のブラシを介して電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右両レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ - 下記の各手段を具備することを特徴とする保守用車両。
(イ)レールに接する外周側と車軸側とが電気的に絶縁されている左右一方側の第1の車輪と他方側の第2の車輪
(ロ)第1、第2の各車輪毎に対応させて、車軸に電気的に絶縁されて固定され車軸と一緒に回転するとともに、それぞれの車輪外周側と電気的に接続された第1のスリップリングおよび第2のスリップリング
(ハ)前記第1のスリップリングに接触する第1のブラシと、第2のスリップリングに接触する第2のブラシ
(ニ)第1のブラシおよび第2のブラシを介して電気的に左右両レール間に接続状態となったとき、左右両レール間にかかっている信号機用電源の周波数では信号切替可能に通電し、同じく左右レール間にかかっている踏切制御用電源の周波数では踏切遮断動作をさせるに足る通電をしない周波数特性を有するフィルタ - フィルタの一方端と第1のブラシとの間又はフィルタの他方端と第2のブラシとの間の導通手段として台車枠を利用する請求項7又は請求項8記載の保守用車両。
- 請求項7〜9のいずれか1項の構成に加えて下記手段を有することを特徴とする保守用車両。
(ホ)フィルタの一方端と第1のブラシとの間の接続を開閉する第1の開閉手段
(ヘ)フィルタの他方端と第2のブラシとの間の接続を開閉する第2の開閉手段 - フィルタの一方端と第1の開閉手段の間又はフィルタの他方端と第2の開閉手段の間の導通手段として台車枠を利用する請求項10記載の保守用車両。
- 請求項7〜11のいずれか1項の構成に加えて、フィルタの一方端と他方端との間の接続を開閉する第3の開閉手段を有することを特徴とする保守用車両。
- フィルタがリッツ線を巻いたコイルであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の保守用車両。
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