JP3933766B2 - 自己作動型炉停止装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体金属冷却若しくはガス冷却による高速炉の補助の炉停止装置として利用できる自己作動型炉停止装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば長期にわたって高い信頼性を発揮することが要求されるため、砂漠、離島、発展途上国等の保守が容易にできないような環境に設置される高速炉に適し、また船舶用、海上立地用、宇宙用等の重力の方向と大きさが陸上と異なる環境に設置される超小型高速炉にも利用できる自己作動型炉停止装置に関する。
【0002】
【従来技術】
炉心の異常な温度上昇を感知して作動する自己作動型炉停止装置としては、例えば、特開平5−180976号公報に開示されたものが知られている。この自己作動型炉停止装置は、両端を閉じた管内に、上から順に封入ガスを充填した領域、液体ポイズンを充填した領域及び真空領域を設け、且つ液体ポイズン領域と真空領域とをフリーズシールで隔離すると共に真空領域を炉心領域に位置させるものである。
【0003】
炉心の温度が異常に上昇した場合、フリーズシールが溶融する。したがって、液体ポイズンが真空領域に移動して炉心領域に位置し、炉心に負の反応度が挿入されることになって原子炉が停止する。液体ポイズンは、封入ガスの圧力と真空領域の負圧によって移動するので、この自己作動型炉停止装置は、重力の方向及び大きさとは無関係の確実な作動を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液体ポイズンとして用いられるリチウム−6は、高速炉の炉心内において中性子の照射により(n,α)反応を起こして発熱する。このため、上述の自己作動型炉停止装置では、高速炉の運転によってリチウム−6が発熱し、この熱の影響を受けて誤作動する可能性があった。このため、液体ポイズンとしてリチウム−6を使用した場合であってもその発熱に影響されることのない正確な作動特性を有する自己作動型炉停止装置の開発が望まれている現状である。また、液体ポイズンとフリーズシールの材料の組み合わせによっては、フリーズシールが液体ポイズンによって腐食されるものもあり、メンテナンスフリーとするためには耐食性の点で改善が望まれる。
【0005】
本発明は、中性子照射により核反応を起こして発熱する液体ポイズンを使用した場合であっても当該液体ポイズンの発熱に影響されずに正確な作動特性を有し、且つ液体ポイズンによるフリーズシールの腐食を防止し長期的耐久性に優れた自己作動型炉停止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、炉心内に挿入した両端を閉じた管内に、一端側から順に封入ガス領域、液体ポイズン領域および真空領域を設けると共に、液体ポイズン領域と真空領域とをフリーズシールで隔離し、炉心の異常な温度上昇によりフリーズシールが溶融すると、液体ポイズン領域内の液体ポイズンが真空領域に移動することを利用して原子炉を停止させる自己作動型炉停止装置において、フリーズシールと液体ポイズン領域との間に液体ポイズンとの共存性に優れた材料より成る第1の薄膜をフリーズシールとの間に距離を開けて設置し、核反応によって発熱する液体ポイズンをフリーズシールから熱的誤作動防止距離L以上離して配置すると共に、第1の薄膜とフリーズシールとの間に不活性ガスを封入して液体ポイズン領域の圧力による第1の薄膜の破壊を防止する圧力室を形成するようにしている。
【0007】
したがって、フリーズシールが溶融しない通常使用温度では圧力室の封入不活性ガスの圧力が第1の薄膜に作用してこれを支えるので第1の薄膜が破れることはなく液体ポイズンが真空領域に移動することはない。この状態では、フリーズシールは液体ポイズンから熱的誤作動防止距離L以上離れており、液体ポイズンが炉内の中性子によって核反応を起こして発熱した場合であってもフリーズシールがこの熱の影響を受けて自己作動型炉停止装置が誤作動することはない。一方、炉心の温度が異常に上昇した場合には、フリーズシールが溶融して圧力室内の圧力が抜ける。このため、液体ポイズンが第1の薄膜を破り炉心燃料の中心レベルに位置する真空領域に移動する。即ち、炉心に負の反応度が挿入されることになり、原子炉が停止する。
【0008】
また、請求項2記載の自己作動型炉停止装置は、フリーズシールの圧力室側の面付近に、フリーズシールとの共存性に優れた材料より成り且つフリーズシールの熱膨張を考慮してこれとの間に隙間をあけて第2の薄膜を設置し、該第2の薄膜と第1の薄膜との間で圧力室を形成するようにしている。この場合、第1及び第2の薄膜が圧力室を密封することになり、フリーズシールや管等が熱膨張してこれらの間に隙間が発生した場合であっても圧力室内の圧力低下を防止する。
【0009】
また、請求項3記載の自己作動型炉停止装置は、フリーズシールが第2の薄膜と対向する面の周縁部を中央部に比べて凹ますように形成されている。したがって、原子炉の運転中において、フリーズシールが体積膨張して第2の薄膜と接触する部分は周縁の凹んだ部分を除いて熱膨張量が少ない中央部分だけになり、この部分がフリーズシールに僅かに軽く接触するため、フリーズシールと第2の薄膜との半径方向熱膨張差に起因する応力も大幅に低減できる。ここで、第2の薄膜とフリーズシールとの接触は、できるだけ中心近くで行われることが好ましく、更に第2の薄膜が圧力で変形しないように支持する面積が必要である。
【0010】
さらに、請求項4記載の自己作動型炉停止装置は、圧力室内の封入不活性ガスの圧力を液体ポイズン領域の圧力とほぼ同一に設定し、第1の薄膜の両側の圧力をほぼ等しくした構成である。したがって、第1の薄膜の両側に作用する圧力差は殆ど無くなり、第1の薄膜が破れ難くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1に、本発明の自己作動型炉停止装置をリチウム注入モジュールとして構成した場合の実施形態の一例を示す。このリチウム注入モジュールは、両端を端栓7及び8で密封された封入管1の途中にハウジング2及びフリーズシール3を設けて、フリーズシール3よりも上方に液体ポイズン4が充填された領域(以下符号4は液体ポイズン若しくはそれが充填された領域のいずれかを示す)並びに封入ガス5が充填された領域(以下符号5は封入ガス若しくはそれが充填された領域のいずれかを示す)を形成すると共に、フリーズシール3の下方に真空領域6を形成して成る。即ち、封入管1内に、上端側から順に封入ガス領域5、液体ポイズン領域4および真空領域6を設けている。そして、フリーズシール3と液体ポイズン領域4との間には液体ポイズン4との共存性に優れた材料より成る第1の薄膜13がフリーズシール3との間に距離を開けて設置されると共に、第1の薄膜13とフリーズシール3との間には液体ポイズン領域4の圧力による第1の薄膜13の破壊を防止する圧力室15が形成されている。また、フリーズシール3の圧力室15側の面付近には、フリーズシール3との共存性に優れた材料より成り且つフリーズシール3の熱膨張を考慮してこれとの間に隙間をあけている第2の薄膜14が設置されている。
【0013】
封入管1は当該リチウム注入モジュールを重力依存型として構成するか、重力非依存型として構成するかによってその内径の大きさを異にする。即ち、重力依存型の場合は地上用の原子炉にのみ適用可能なもので、封入管1の太さには制約がない。この場合、1本でかなりの反応度価値をもたせることができる。一方、重力非依存型の場合は船舶用、海上立地用、宇宙用などに適用可能なもので、封入管1内の液体ポイズン4と封入ガス5との界面9が重力の方向および大きさにかかわらず、想定される最大加速度に対して維持されるような一定値以下の内径を選定しなければならない。即ち、封入ガス5の表面張力によって、封入ガス5と液体ポイズン4との境界(界面9)が維持される封入管1の直径を選定することが重力非依存型とするには重要である。
【0014】
封入管1およびハウジング2は、液体ポイズンおよび原子炉の冷却材と共存性があり、かつ設置する炉心部分の最高温度に耐えられる材質であることが必要である。そこで、ナトリウム冷却炉で冷却材局所最高温度が600℃程度の場合には例えばステンレス鋼、タンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などが、リチウム冷却炉で冷却材局所最高温度が1200℃程度の場合には例えばタンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などの使用が適する。
【0015】
フリーズシール3は物質の凝固を利用したシール材で、ある温度に達すると溶融しシールを解除するものである。このフリーズシール3は、スクラム設定温度が融点となるような材料を用いる。例えばナトリウム冷却炉用としては、アルミニウム(融点660℃)、ラジウム(融点700℃)、バリウム(融点714℃)、ストロンチウム(融点768℃)などが採用できる。また、リチウム冷却炉用としては、例えばマンガン(融点1253℃)、ベリリウム(融点1270℃)などが適する。
【0016】
第1の薄膜13は、液体ポイズン4との共存性に優れ、かつ融点が採用するフリーズシール3の融点より高い材質のものを用いる。例えば、タンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などがある。この第1の薄膜13は、フリーズシール3との間に所定の距離を開けて設置されており、液体ポイズン4をフリーズシール3から熱的誤作動防止距離L以上離して配置させている。ここで、熱的誤作動防止距離Lとは、液体ポイズン4が炉内の中性子によって核反応を起こして発熱した場合であっても、この熱がリチウム注入モジュールの誤作動を誘発することがない程度に液体ポイズン4をフリーズシール3から離しておくことが出来る距離である。即ち、熱的誤作動防止距離L以上フリーズシール3から液体ポイズン4を離しておくことで、液体ポイズン4が核反応を起こして発熱した場合であってもこの発熱に起因したリチウム注入モジュールの誤作動を防止できる。なお、第1の薄膜13は、フリーズシール3が加熱されて溶融した場合に液体ポイズン領域4と圧力室15との差圧により破れる厚さに設定されている。
【0017】
第2の薄膜14は、フリーズシール3との共存性に優れ、かつ融点が採用するフリーズシール3の融点より高い材質のものを用いる。例えば、タンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などがある。第2の薄膜14は、図2に詳しく示すように、フリーズシール3に対し、原子炉の停止時には第2の薄膜14とフリーズシール3とが離間し、運転中にはフリーズシール3の体積膨張によって第2の薄膜14とフリーズシール3とが部分的に僅かに接触して第2の薄膜14を支える隙間Sを設定するように配置されている。
【0018】
ここで、フリーズシール3の第2の薄膜14側の面の周縁部3aは、円錐台状に勾配が与えられて水平でかつ平坦な中央部3bに対して凹まされている。したがって、第2の薄膜14とフリーズシール3の中央部3bとの間にのみ上述の隙間Sが設けられ、その周りの周縁部3aは原子炉運転中においても薄膜に触れることはない。依って、自己作動型炉停止装置の製造時においては、予め隙間Sを設けて薄膜が組み付けられている。なお、第2の薄膜14は、フリーズシール3が加熱されて溶融した場合に圧力室15と真空領域6との差圧により破れる厚さに設定されている。
【0019】
液体ポイズン4としては例えばリチウム−6を用いる。リチウム−6は天然リチウム中の存在比が7.42%であり、実際はこれを濃縮したものを用いる。リチウム−6の濃縮度を高めるほど反応度価値を高くできるが、コスト高となる。リチウム−6は、炉内において中性子の照射を受けて(n,α)反応を起こして発熱する。
【0020】
封入ガス5としては、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを室温にて大気圧〜数kg/cm2 Gに加圧して封入する。
【0021】
第1の薄膜13と第2の薄膜14とで形成される密閉空間、即ち圧力室15には、室内の圧力が上記運転温度にて液体ポイズン領域4側の封入ガスの圧力とほぼ等しくなるように予めアルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスが封入されている。即ち、フリーズシール3が溶融される前の状態において圧力室15内の圧力を液体ポイズン領域4の圧力とほぼ同一に設定し、第1の薄膜13の両側の圧力をほぼ等しくしている。この場合、第1の薄膜13は設定された圧力差、例えば約1気圧あるいはそれ以上の差圧で破れるような厚さに設定されている。
【0022】
なお、第1の薄膜13の厚さと破れる圧力の関係は、第1の薄膜13の直径及び材質に依存するため、予め実験により確認しておくことが望ましい。また、フリーズシール3が溶融される前の状態における圧力室15の不活性ガスの圧力は、必ずしも液体ポイズン領域4の圧力即ち封入ガス5の圧力とほぼ同一に設定される必要はなく、場合によっては液体ポイズン領域4の圧力と真空領域6の圧力とのほぼ中間の値に設定しても良い。この場合には、フリーズシール3の両側の圧力差を減少させることができるので、フリーズシール3の厚さを薄くすることができ、緊急時の迅速な溶融が可能となる。ただし、第1の薄膜13の両側の圧力差は増加するので、この圧力差即ち圧力室15と液体ポイズン領域4側との間の圧力差でも破れないが、真空領域6との間の圧力差では破れるように第1の薄膜13の厚さ等を適宜設定することが必要である。また、第2の薄膜14はフリーズシール3が溶融したときの真空領域6と圧力室15との間の圧力差で破れるようにその厚さなどが設定されている。
【0023】
以上のように構成された自己作動型炉停止装置はリチウム注入モジュールとされ、図3に示すように炉心内に設置される。そして、このリチウム注入モジュールは、平面的には炉心のどの位置にでも設置可能であるが、炉心中心に近いほど反応度価値を高くできる。また、設置レベルとしては、正常運転時(図3の(A)参照)にはリチウム注入モジュールの液体ポイズン領域4を炉心(燃料)領域10よりも上(炉心出口側)のレベルとし、かつ圧力室15及び真空領域6を炉心領域10に位置させている。なお、図3中の符号11は燃料ピンないし燃料集合体の軸ブランケット・遮蔽体領域を、12は軸ブランケット・遮蔽体・ガスプレナム領域を示す。
【0024】
この状態では、第2の薄膜14はフリーズシール3の中央部3bのみにかすかに接触しこれによって支持されている。このため、第2の薄膜14に圧力室15内の封入ガス圧力が作用しても第2の薄膜14は破れることがない。したがって、第1の薄膜13は圧力室15内の封入ガス圧力によって支えられ破れずに液体ポイズン4をフリーズシール3から十分に、即ち熱的誤作動防止距離L以上離しておくことができる。液体ポイズン4は炉内で中性子の照射を受けて(n,α)反応を起こし発熱するが、フリーズシール3から熱的誤作動防止距離L以上離れているのでリチウム注入モジュールは誤作動することがない。
【0025】
そして、炉心の温度が異常に上昇すると、フリーズシール3が溶融する。すると、フリーズシール3の支持を無くした第2の薄膜14は圧力室15と真空領域6との差圧によって破られる。これにより、圧力室15内のガスが抜け、圧力室15内の圧力による支えを失った第1の薄膜13が液体ポイズン領域4と真空領域6側との差圧によって破られ、液体ポイズン4が真空領域6に注入される。即ち、炉心に負の反応度が挿入されることになり、原子炉が停止する。
【0026】
本リチウム注入モジュールでは、室温での組立時に第2の薄膜14に作用する差圧は小さいため、フリーズシール3の中央部3bと第2の薄膜14との間に隙間Sがあっても第2の薄膜14は破れない。フリーズシール3と第2の薄膜14は通常使用温度においてこの中央部3bのみで接触するため、両者の半径方向熱膨張差に起因する応力も大幅に低減できる。一方、通常時に第1の薄膜13に作用する差圧は温度にかかわらず常にほぼゼロであり、第2の薄膜14が破れない限り第1の薄膜13が破れることはない。逆に第2の薄膜14が破れると第1の薄膜13は上述したように必ず破れる。
【0027】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0028】
例えば、必ずしも第2の薄膜14は必要ではなく、圧力室15内の気密性を保つことが可能であれば、例えばフリーズシール3とその周辺の構造物との間の線膨張係数がほぼ一致するときなどには、第2の薄膜14を省略してフリーズシール3と第1の薄膜13との間に圧力室15を形成しても良い。
【0029】
また、フリーズシール3と第2の薄膜14との間の隙間Sを、加圧不活性ガス領域としても良い。加圧不活性ガス領域を構成するガスとしては、高温での安定性の良好なものが求められ、例えばアルゴンガスやヘリウムガスの使用が好ましい。このような構成にすることで、フリーズシール3と第2の薄膜14との直接的な接触を防止することができ、高温における両者間の相互拡散及び金属間化合物の生成によるフリーズシール3の劣化を防止することができる。
【0030】
また、フリーズシール3と第2の薄膜14との間に、図4に示すように、これらの間の原子炉運転時における接触が部分的となるような形状、例えば点在するチップ形状などの中間サポート20を配置しても良い。中間サポート20は、その融点がフリーズシール3の融点より高く、第2の薄膜14及びフリーズシール3の何れとも共存性の優れた材質のものを用いる。中間サポート20の材質としては、例えばセラミック等が適している。このような構成にすることで、第2の薄膜14とフリーズシール3との直接的な接触を防止することができ、高温における両者間の相互拡散及び金属間化合物の生成によるフリーズシール3の劣化を防止することができる。なお、中間サポート20は、フリーズシール3と第2の薄膜14との何れに固定しても良い。また、液体ポイズン5の流れを阻害しないように、中間サポート20を細かく分割したものとすることが好ましい。
【0031】
また、フリーズシール3の第2の薄膜14と接触する面は、図2に示すような周辺が凹んだ円形であることが好ましいが、これに特に限られるものではなく、管中央寄りで第2の薄膜14の変形を防ぎ得る支持を得られる形状ないし配置であればどのような形状等でも実施可能である。例えば、多重リング形状や円形のテーブル面に放射状のスリットや溝が入れられていても良い。
【0032】
【実施例】
図1のリチウム注入モジュールにおいて、アルミニウム製のフリーズシール3と、タンタル(Ta)製の第1,第2の薄膜13,14及びハウジング2を採用した実施例を挙げて更に詳しく説明する。
【0033】
フリーズシール3と第1及び第2の薄膜13,14の直径は16mmとする。またフリーズシール3の中央部(平面部分)3bの直径を10mmとする。第1及び第2の薄膜13,14の厚さは20μm(=0.02mm)とする。原子炉停止時におけるフリーズシール3の中央部3bと第2の薄膜14の隙間Sを0.3mmとし、フリーズシール3及び第2の薄膜14が膨張しても、フリーズシール3によって第2の薄膜14が破られることがないようになっている。封入ガス領域(リチウム側上部チェンバ)5の封入ガス圧力を室温にて1kg/cm2 Gとすると、作動設定温度(660℃)では熱膨張により約6kg/cm2 abs(絶対圧)に加圧される。真空領域(下部チェンバ)6は真空である。また、熱的誤作動防止距離Lを約100mm確保するために、第1の薄膜13はフリーズシール3に対して約100mm離して設置されている。
【0034】
原子炉の正常運転時には、フリーズシール3や第2の薄膜14は約600℃になっている。この状態では、フリーズシール3及び第2の薄膜14は膨張し、隙間Sを無くしてフリーズシール3の中央部3bのみが第2の薄膜14に軽く接触してこれを支持している。従ってこの温度におけるリチウム側の封入ガス圧力(約6kg/cm2 abs)が第2の薄膜14に作用しても、当該第2の薄膜14はフリーズシール3の中央部3bに支えられて破れることがない。
【0035】
また、約600℃の状態では、フリーズシール3と第2の薄膜14との径方向の熱膨張量の差は、平面となっている中央部3bで接触させる場合の最も外周部分での半径方向への熱膨張量の差が0.05mmであるのに対し、フリーズシール3の全面を平面として全面で接触させる場合の半径方向への熱膨張量の差は0.08mmであった。したがって、フリーズシール3の中央部3bのみが第2の薄膜14に接触する本実施例の場合には、フリーズシール3の全面で第2の薄膜14に接触する場合に比べて径方向の熱膨張量の差を約40%低減できた。このため、本実施例では、フリーズシール3と第2の薄膜14との径方向の熱膨張量の差に起因する応力が大幅に低減された。
【0036】
さらにこの状態では、液体ポイズン4としてのリチウム−6は炉内で中性子の照射を受けて発熱するが、フリーズシール3は液体ポイズン4から熱的誤作動防止距離L以上離れて配置されているので誤作動することはない。即ち、本実施例のリチウム注入モジュールでは、原子炉が異常に高温になってフリーズシール3が溶融するまでは第2の薄膜14が破られることが無く、したがって第1の薄膜13も破れることもないので誤作動することがない。また、作動するまではフリーズシール3がリチウムに接触することはないため、フリーズシールの3の健全性が長期的に保証される。
【0037】
一方、原子炉が高温になり作動設定温度(スクラム設定温度)に達すると、フリーズシール3が溶融し第2の薄膜14は支えを失う。この作動設定温度における上記寸法のタンタル製の第2の薄膜14の許容応力は4.4〜4.8kg/cm2 である。これに対し、フリーズシール3の支えを失った第2の薄膜14には上述したように許容応力をはるかに上回る6kg/cm2 の差圧が作用するので、第2の薄膜14はこの差圧によって直ちに破られる。そして、第2の薄膜14が破れると、今度は第1の薄膜13に6kg/cm2 の差圧が作用するので、この第1の薄膜13も直ちに破られる。すなわちフリーズシール3が溶融すると直ちに液体ポイズン4であるリチウムが真空領域(炉心燃料レベル)6に移動し、炉心に負の反応度が挿入され原子炉が停止する。
【0038】
なお、本リチウム注入モジュールの組立時、即ち室温で第2の薄膜14に作用する差圧は2kg/cm2 であり、第2の薄膜14の許容応力に比べて十分小さい。したがって、フリーズシール3の中央部3bと第2の薄膜14との間に隙間が生じていても、第2の薄膜14が破れることはない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の自己作動型炉停止装置では、フリーズシールと液体ポイズン領域との間に液体ポイズンとの共存性に優れた材料より成る第1の薄膜をフリーズシールとの間に距離を開けて設置し、核反応によって発熱する液体ポイズンをフリーズシールから熱的誤作動防止距離L以上離して配置すると共に、第1の薄膜とフリーズシールとの間に不活性ガスを封入して液体ポイズン領域の圧力による第1の薄膜の破壊を防止する圧力室を形成したので、フリーズシールが溶融して圧力室内の圧力が抜けるまでは液体ポイズン領域は第1の薄膜によって仕切られており、液体ポイズンがフリーズシールに接触することはない。このため、フリーズシールと液体ポイズンとの反応を防止してフリーズシールの劣化を防ぐことができる。また、液体ポイズンをフリーズシールから熱的誤作動防止距離L以上離しているため、炉内の中性子によって(n,α)反応を起こして発熱するリチウム−6を液体ポイズンとして使用した場合であっても、リチウム−6の発熱に起因した誤動作を防止することができる。リチウム−6の発熱密度は中性子束のレベルに依存するものではあるが、例えば95%濃縮のリチウム−6を液体ポイズンとして封入したリチウム注入モジュールを高速炉の炉心に装荷した場合には、その発熱量が数10W/cc程度となることもある。しかしながら本発明を適用した自己作動型炉停止装置では、上述したようにリチウム−6の発熱に起因した誤作動を防止することができる。以上より、自己作動型炉停止装置の信頼性及び耐久性を向上させることができる。
【0040】
また、請求項2記載の自己作動型炉停止装置では、フリーズシールの圧力室側の面付近に、フリーズシールとの共存性に優れた材料より成る第2の薄膜を設置すると共に当該第2の薄膜とフリーズシールとの間にフリーズシールの熱膨張を考慮した隙間を設け、該第2の薄膜と第1の薄膜との間で圧力室を形成するので、フリーズシールと管等の熱膨張差に起因した圧力室の圧力低下を防止することができ、装置の耐久性及び信頼性をより向上させることができる。
【0041】
また、請求項3記載の自己作動型炉停止装置では、フリーズシールが第2の薄膜と対向する面の周縁部を中央部に比べて凹ましているので、原子炉の運転中におけるフリーズシールの体積膨張によって第2の薄膜と接触する面が周縁の凹んだ部分を除いて熱膨張量の比較的小さな中央部だけで僅かに軽く接触することとなるため、フリーズシールと第2の薄膜との半径方向熱膨張差に起因する応力も大幅に低減できる。このため、長期にわたって第2の薄膜の健全性を維持することができ、装置の信頼性と耐久性をより一層向上させることができる。
【0042】
さらに、請求項4記載の自己作動型炉停止装置では、圧力室の封入不活性ガスの圧力を液体ポイズン領域の圧力とほぼ同一に設定し、前記第1の薄膜の両側の圧力をほぼ等しくしたので、第1の薄膜の両側に作用する圧力差が殆ど無くなり、第1の薄膜を破れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自己作動型炉停止装置をリチウム注入モジュールとした場合の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1のリチウム注入モジュールの第1及び第2の薄膜が配置された部分を拡大した断面図である。
【図3】図1のリチウム注入モジュールを液体金属冷却高速炉の炉心に配置した一例を示し、(A)は正常運転時における位置関係を示す概念図、(B)はスクラム時における位置関係を示す概念図である。
【図4】本発明を適用したリチウム注入モジュールの変形例を示し、フリーズシールが配置された部分を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1 封入管
3 フリーズシール
4 液体ポイズン(リチウム)を充填した領域
5 封入ガスを充填した領域
6 真空領域
13 第1の薄膜
14 第2の薄膜
15 圧力室
L 熱的誤作動防止距離
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体金属冷却若しくはガス冷却による高速炉の補助の炉停止装置として利用できる自己作動型炉停止装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば長期にわたって高い信頼性を発揮することが要求されるため、砂漠、離島、発展途上国等の保守が容易にできないような環境に設置される高速炉に適し、また船舶用、海上立地用、宇宙用等の重力の方向と大きさが陸上と異なる環境に設置される超小型高速炉にも利用できる自己作動型炉停止装置に関する。
【0002】
【従来技術】
炉心の異常な温度上昇を感知して作動する自己作動型炉停止装置としては、例えば、特開平5−180976号公報に開示されたものが知られている。この自己作動型炉停止装置は、両端を閉じた管内に、上から順に封入ガスを充填した領域、液体ポイズンを充填した領域及び真空領域を設け、且つ液体ポイズン領域と真空領域とをフリーズシールで隔離すると共に真空領域を炉心領域に位置させるものである。
【0003】
炉心の温度が異常に上昇した場合、フリーズシールが溶融する。したがって、液体ポイズンが真空領域に移動して炉心領域に位置し、炉心に負の反応度が挿入されることになって原子炉が停止する。液体ポイズンは、封入ガスの圧力と真空領域の負圧によって移動するので、この自己作動型炉停止装置は、重力の方向及び大きさとは無関係の確実な作動を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液体ポイズンとして用いられるリチウム−6は、高速炉の炉心内において中性子の照射により(n,α)反応を起こして発熱する。このため、上述の自己作動型炉停止装置では、高速炉の運転によってリチウム−6が発熱し、この熱の影響を受けて誤作動する可能性があった。このため、液体ポイズンとしてリチウム−6を使用した場合であってもその発熱に影響されることのない正確な作動特性を有する自己作動型炉停止装置の開発が望まれている現状である。また、液体ポイズンとフリーズシールの材料の組み合わせによっては、フリーズシールが液体ポイズンによって腐食されるものもあり、メンテナンスフリーとするためには耐食性の点で改善が望まれる。
【0005】
本発明は、中性子照射により核反応を起こして発熱する液体ポイズンを使用した場合であっても当該液体ポイズンの発熱に影響されずに正確な作動特性を有し、且つ液体ポイズンによるフリーズシールの腐食を防止し長期的耐久性に優れた自己作動型炉停止装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、炉心内に挿入した両端を閉じた管内に、一端側から順に封入ガス領域、液体ポイズン領域および真空領域を設けると共に、液体ポイズン領域と真空領域とをフリーズシールで隔離し、炉心の異常な温度上昇によりフリーズシールが溶融すると、液体ポイズン領域内の液体ポイズンが真空領域に移動することを利用して原子炉を停止させる自己作動型炉停止装置において、フリーズシールと液体ポイズン領域との間に液体ポイズンとの共存性に優れた材料より成る第1の薄膜をフリーズシールとの間に距離を開けて設置し、核反応によって発熱する液体ポイズンをフリーズシールから熱的誤作動防止距離L以上離して配置すると共に、第1の薄膜とフリーズシールとの間に不活性ガスを封入して液体ポイズン領域の圧力による第1の薄膜の破壊を防止する圧力室を形成するようにしている。
【0007】
したがって、フリーズシールが溶融しない通常使用温度では圧力室の封入不活性ガスの圧力が第1の薄膜に作用してこれを支えるので第1の薄膜が破れることはなく液体ポイズンが真空領域に移動することはない。この状態では、フリーズシールは液体ポイズンから熱的誤作動防止距離L以上離れており、液体ポイズンが炉内の中性子によって核反応を起こして発熱した場合であってもフリーズシールがこの熱の影響を受けて自己作動型炉停止装置が誤作動することはない。一方、炉心の温度が異常に上昇した場合には、フリーズシールが溶融して圧力室内の圧力が抜ける。このため、液体ポイズンが第1の薄膜を破り炉心燃料の中心レベルに位置する真空領域に移動する。即ち、炉心に負の反応度が挿入されることになり、原子炉が停止する。
【0008】
また、請求項2記載の自己作動型炉停止装置は、フリーズシールの圧力室側の面付近に、フリーズシールとの共存性に優れた材料より成り且つフリーズシールの熱膨張を考慮してこれとの間に隙間をあけて第2の薄膜を設置し、該第2の薄膜と第1の薄膜との間で圧力室を形成するようにしている。この場合、第1及び第2の薄膜が圧力室を密封することになり、フリーズシールや管等が熱膨張してこれらの間に隙間が発生した場合であっても圧力室内の圧力低下を防止する。
【0009】
また、請求項3記載の自己作動型炉停止装置は、フリーズシールが第2の薄膜と対向する面の周縁部を中央部に比べて凹ますように形成されている。したがって、原子炉の運転中において、フリーズシールが体積膨張して第2の薄膜と接触する部分は周縁の凹んだ部分を除いて熱膨張量が少ない中央部分だけになり、この部分がフリーズシールに僅かに軽く接触するため、フリーズシールと第2の薄膜との半径方向熱膨張差に起因する応力も大幅に低減できる。ここで、第2の薄膜とフリーズシールとの接触は、できるだけ中心近くで行われることが好ましく、更に第2の薄膜が圧力で変形しないように支持する面積が必要である。
【0010】
さらに、請求項4記載の自己作動型炉停止装置は、圧力室内の封入不活性ガスの圧力を液体ポイズン領域の圧力とほぼ同一に設定し、第1の薄膜の両側の圧力をほぼ等しくした構成である。したがって、第1の薄膜の両側に作用する圧力差は殆ど無くなり、第1の薄膜が破れ難くなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1に、本発明の自己作動型炉停止装置をリチウム注入モジュールとして構成した場合の実施形態の一例を示す。このリチウム注入モジュールは、両端を端栓7及び8で密封された封入管1の途中にハウジング2及びフリーズシール3を設けて、フリーズシール3よりも上方に液体ポイズン4が充填された領域(以下符号4は液体ポイズン若しくはそれが充填された領域のいずれかを示す)並びに封入ガス5が充填された領域(以下符号5は封入ガス若しくはそれが充填された領域のいずれかを示す)を形成すると共に、フリーズシール3の下方に真空領域6を形成して成る。即ち、封入管1内に、上端側から順に封入ガス領域5、液体ポイズン領域4および真空領域6を設けている。そして、フリーズシール3と液体ポイズン領域4との間には液体ポイズン4との共存性に優れた材料より成る第1の薄膜13がフリーズシール3との間に距離を開けて設置されると共に、第1の薄膜13とフリーズシール3との間には液体ポイズン領域4の圧力による第1の薄膜13の破壊を防止する圧力室15が形成されている。また、フリーズシール3の圧力室15側の面付近には、フリーズシール3との共存性に優れた材料より成り且つフリーズシール3の熱膨張を考慮してこれとの間に隙間をあけている第2の薄膜14が設置されている。
【0013】
封入管1は当該リチウム注入モジュールを重力依存型として構成するか、重力非依存型として構成するかによってその内径の大きさを異にする。即ち、重力依存型の場合は地上用の原子炉にのみ適用可能なもので、封入管1の太さには制約がない。この場合、1本でかなりの反応度価値をもたせることができる。一方、重力非依存型の場合は船舶用、海上立地用、宇宙用などに適用可能なもので、封入管1内の液体ポイズン4と封入ガス5との界面9が重力の方向および大きさにかかわらず、想定される最大加速度に対して維持されるような一定値以下の内径を選定しなければならない。即ち、封入ガス5の表面張力によって、封入ガス5と液体ポイズン4との境界(界面9)が維持される封入管1の直径を選定することが重力非依存型とするには重要である。
【0014】
封入管1およびハウジング2は、液体ポイズンおよび原子炉の冷却材と共存性があり、かつ設置する炉心部分の最高温度に耐えられる材質であることが必要である。そこで、ナトリウム冷却炉で冷却材局所最高温度が600℃程度の場合には例えばステンレス鋼、タンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などが、リチウム冷却炉で冷却材局所最高温度が1200℃程度の場合には例えばタンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などの使用が適する。
【0015】
フリーズシール3は物質の凝固を利用したシール材で、ある温度に達すると溶融しシールを解除するものである。このフリーズシール3は、スクラム設定温度が融点となるような材料を用いる。例えばナトリウム冷却炉用としては、アルミニウム(融点660℃)、ラジウム(融点700℃)、バリウム(融点714℃)、ストロンチウム(融点768℃)などが採用できる。また、リチウム冷却炉用としては、例えばマンガン(融点1253℃)、ベリリウム(融点1270℃)などが適する。
【0016】
第1の薄膜13は、液体ポイズン4との共存性に優れ、かつ融点が採用するフリーズシール3の融点より高い材質のものを用いる。例えば、タンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などがある。この第1の薄膜13は、フリーズシール3との間に所定の距離を開けて設置されており、液体ポイズン4をフリーズシール3から熱的誤作動防止距離L以上離して配置させている。ここで、熱的誤作動防止距離Lとは、液体ポイズン4が炉内の中性子によって核反応を起こして発熱した場合であっても、この熱がリチウム注入モジュールの誤作動を誘発することがない程度に液体ポイズン4をフリーズシール3から離しておくことが出来る距離である。即ち、熱的誤作動防止距離L以上フリーズシール3から液体ポイズン4を離しておくことで、液体ポイズン4が核反応を起こして発熱した場合であってもこの発熱に起因したリチウム注入モジュールの誤作動を防止できる。なお、第1の薄膜13は、フリーズシール3が加熱されて溶融した場合に液体ポイズン領域4と圧力室15との差圧により破れる厚さに設定されている。
【0017】
第2の薄膜14は、フリーズシール3との共存性に優れ、かつ融点が採用するフリーズシール3の融点より高い材質のものを用いる。例えば、タンタル(Ta)、モリブデン・レニウム(Mo−Re)合金またはニオブ・ジルコニウム(Nb−Zr)合金などがある。第2の薄膜14は、図2に詳しく示すように、フリーズシール3に対し、原子炉の停止時には第2の薄膜14とフリーズシール3とが離間し、運転中にはフリーズシール3の体積膨張によって第2の薄膜14とフリーズシール3とが部分的に僅かに接触して第2の薄膜14を支える隙間Sを設定するように配置されている。
【0018】
ここで、フリーズシール3の第2の薄膜14側の面の周縁部3aは、円錐台状に勾配が与えられて水平でかつ平坦な中央部3bに対して凹まされている。したがって、第2の薄膜14とフリーズシール3の中央部3bとの間にのみ上述の隙間Sが設けられ、その周りの周縁部3aは原子炉運転中においても薄膜に触れることはない。依って、自己作動型炉停止装置の製造時においては、予め隙間Sを設けて薄膜が組み付けられている。なお、第2の薄膜14は、フリーズシール3が加熱されて溶融した場合に圧力室15と真空領域6との差圧により破れる厚さに設定されている。
【0019】
液体ポイズン4としては例えばリチウム−6を用いる。リチウム−6は天然リチウム中の存在比が7.42%であり、実際はこれを濃縮したものを用いる。リチウム−6の濃縮度を高めるほど反応度価値を高くできるが、コスト高となる。リチウム−6は、炉内において中性子の照射を受けて(n,α)反応を起こして発熱する。
【0020】
封入ガス5としては、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを室温にて大気圧〜数kg/cm2 Gに加圧して封入する。
【0021】
第1の薄膜13と第2の薄膜14とで形成される密閉空間、即ち圧力室15には、室内の圧力が上記運転温度にて液体ポイズン領域4側の封入ガスの圧力とほぼ等しくなるように予めアルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスが封入されている。即ち、フリーズシール3が溶融される前の状態において圧力室15内の圧力を液体ポイズン領域4の圧力とほぼ同一に設定し、第1の薄膜13の両側の圧力をほぼ等しくしている。この場合、第1の薄膜13は設定された圧力差、例えば約1気圧あるいはそれ以上の差圧で破れるような厚さに設定されている。
【0022】
なお、第1の薄膜13の厚さと破れる圧力の関係は、第1の薄膜13の直径及び材質に依存するため、予め実験により確認しておくことが望ましい。また、フリーズシール3が溶融される前の状態における圧力室15の不活性ガスの圧力は、必ずしも液体ポイズン領域4の圧力即ち封入ガス5の圧力とほぼ同一に設定される必要はなく、場合によっては液体ポイズン領域4の圧力と真空領域6の圧力とのほぼ中間の値に設定しても良い。この場合には、フリーズシール3の両側の圧力差を減少させることができるので、フリーズシール3の厚さを薄くすることができ、緊急時の迅速な溶融が可能となる。ただし、第1の薄膜13の両側の圧力差は増加するので、この圧力差即ち圧力室15と液体ポイズン領域4側との間の圧力差でも破れないが、真空領域6との間の圧力差では破れるように第1の薄膜13の厚さ等を適宜設定することが必要である。また、第2の薄膜14はフリーズシール3が溶融したときの真空領域6と圧力室15との間の圧力差で破れるようにその厚さなどが設定されている。
【0023】
以上のように構成された自己作動型炉停止装置はリチウム注入モジュールとされ、図3に示すように炉心内に設置される。そして、このリチウム注入モジュールは、平面的には炉心のどの位置にでも設置可能であるが、炉心中心に近いほど反応度価値を高くできる。また、設置レベルとしては、正常運転時(図3の(A)参照)にはリチウム注入モジュールの液体ポイズン領域4を炉心(燃料)領域10よりも上(炉心出口側)のレベルとし、かつ圧力室15及び真空領域6を炉心領域10に位置させている。なお、図3中の符号11は燃料ピンないし燃料集合体の軸ブランケット・遮蔽体領域を、12は軸ブランケット・遮蔽体・ガスプレナム領域を示す。
【0024】
この状態では、第2の薄膜14はフリーズシール3の中央部3bのみにかすかに接触しこれによって支持されている。このため、第2の薄膜14に圧力室15内の封入ガス圧力が作用しても第2の薄膜14は破れることがない。したがって、第1の薄膜13は圧力室15内の封入ガス圧力によって支えられ破れずに液体ポイズン4をフリーズシール3から十分に、即ち熱的誤作動防止距離L以上離しておくことができる。液体ポイズン4は炉内で中性子の照射を受けて(n,α)反応を起こし発熱するが、フリーズシール3から熱的誤作動防止距離L以上離れているのでリチウム注入モジュールは誤作動することがない。
【0025】
そして、炉心の温度が異常に上昇すると、フリーズシール3が溶融する。すると、フリーズシール3の支持を無くした第2の薄膜14は圧力室15と真空領域6との差圧によって破られる。これにより、圧力室15内のガスが抜け、圧力室15内の圧力による支えを失った第1の薄膜13が液体ポイズン領域4と真空領域6側との差圧によって破られ、液体ポイズン4が真空領域6に注入される。即ち、炉心に負の反応度が挿入されることになり、原子炉が停止する。
【0026】
本リチウム注入モジュールでは、室温での組立時に第2の薄膜14に作用する差圧は小さいため、フリーズシール3の中央部3bと第2の薄膜14との間に隙間Sがあっても第2の薄膜14は破れない。フリーズシール3と第2の薄膜14は通常使用温度においてこの中央部3bのみで接触するため、両者の半径方向熱膨張差に起因する応力も大幅に低減できる。一方、通常時に第1の薄膜13に作用する差圧は温度にかかわらず常にほぼゼロであり、第2の薄膜14が破れない限り第1の薄膜13が破れることはない。逆に第2の薄膜14が破れると第1の薄膜13は上述したように必ず破れる。
【0027】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0028】
例えば、必ずしも第2の薄膜14は必要ではなく、圧力室15内の気密性を保つことが可能であれば、例えばフリーズシール3とその周辺の構造物との間の線膨張係数がほぼ一致するときなどには、第2の薄膜14を省略してフリーズシール3と第1の薄膜13との間に圧力室15を形成しても良い。
【0029】
また、フリーズシール3と第2の薄膜14との間の隙間Sを、加圧不活性ガス領域としても良い。加圧不活性ガス領域を構成するガスとしては、高温での安定性の良好なものが求められ、例えばアルゴンガスやヘリウムガスの使用が好ましい。このような構成にすることで、フリーズシール3と第2の薄膜14との直接的な接触を防止することができ、高温における両者間の相互拡散及び金属間化合物の生成によるフリーズシール3の劣化を防止することができる。
【0030】
また、フリーズシール3と第2の薄膜14との間に、図4に示すように、これらの間の原子炉運転時における接触が部分的となるような形状、例えば点在するチップ形状などの中間サポート20を配置しても良い。中間サポート20は、その融点がフリーズシール3の融点より高く、第2の薄膜14及びフリーズシール3の何れとも共存性の優れた材質のものを用いる。中間サポート20の材質としては、例えばセラミック等が適している。このような構成にすることで、第2の薄膜14とフリーズシール3との直接的な接触を防止することができ、高温における両者間の相互拡散及び金属間化合物の生成によるフリーズシール3の劣化を防止することができる。なお、中間サポート20は、フリーズシール3と第2の薄膜14との何れに固定しても良い。また、液体ポイズン5の流れを阻害しないように、中間サポート20を細かく分割したものとすることが好ましい。
【0031】
また、フリーズシール3の第2の薄膜14と接触する面は、図2に示すような周辺が凹んだ円形であることが好ましいが、これに特に限られるものではなく、管中央寄りで第2の薄膜14の変形を防ぎ得る支持を得られる形状ないし配置であればどのような形状等でも実施可能である。例えば、多重リング形状や円形のテーブル面に放射状のスリットや溝が入れられていても良い。
【0032】
【実施例】
図1のリチウム注入モジュールにおいて、アルミニウム製のフリーズシール3と、タンタル(Ta)製の第1,第2の薄膜13,14及びハウジング2を採用した実施例を挙げて更に詳しく説明する。
【0033】
フリーズシール3と第1及び第2の薄膜13,14の直径は16mmとする。またフリーズシール3の中央部(平面部分)3bの直径を10mmとする。第1及び第2の薄膜13,14の厚さは20μm(=0.02mm)とする。原子炉停止時におけるフリーズシール3の中央部3bと第2の薄膜14の隙間Sを0.3mmとし、フリーズシール3及び第2の薄膜14が膨張しても、フリーズシール3によって第2の薄膜14が破られることがないようになっている。封入ガス領域(リチウム側上部チェンバ)5の封入ガス圧力を室温にて1kg/cm2 Gとすると、作動設定温度(660℃)では熱膨張により約6kg/cm2 abs(絶対圧)に加圧される。真空領域(下部チェンバ)6は真空である。また、熱的誤作動防止距離Lを約100mm確保するために、第1の薄膜13はフリーズシール3に対して約100mm離して設置されている。
【0034】
原子炉の正常運転時には、フリーズシール3や第2の薄膜14は約600℃になっている。この状態では、フリーズシール3及び第2の薄膜14は膨張し、隙間Sを無くしてフリーズシール3の中央部3bのみが第2の薄膜14に軽く接触してこれを支持している。従ってこの温度におけるリチウム側の封入ガス圧力(約6kg/cm2 abs)が第2の薄膜14に作用しても、当該第2の薄膜14はフリーズシール3の中央部3bに支えられて破れることがない。
【0035】
また、約600℃の状態では、フリーズシール3と第2の薄膜14との径方向の熱膨張量の差は、平面となっている中央部3bで接触させる場合の最も外周部分での半径方向への熱膨張量の差が0.05mmであるのに対し、フリーズシール3の全面を平面として全面で接触させる場合の半径方向への熱膨張量の差は0.08mmであった。したがって、フリーズシール3の中央部3bのみが第2の薄膜14に接触する本実施例の場合には、フリーズシール3の全面で第2の薄膜14に接触する場合に比べて径方向の熱膨張量の差を約40%低減できた。このため、本実施例では、フリーズシール3と第2の薄膜14との径方向の熱膨張量の差に起因する応力が大幅に低減された。
【0036】
さらにこの状態では、液体ポイズン4としてのリチウム−6は炉内で中性子の照射を受けて発熱するが、フリーズシール3は液体ポイズン4から熱的誤作動防止距離L以上離れて配置されているので誤作動することはない。即ち、本実施例のリチウム注入モジュールでは、原子炉が異常に高温になってフリーズシール3が溶融するまでは第2の薄膜14が破られることが無く、したがって第1の薄膜13も破れることもないので誤作動することがない。また、作動するまではフリーズシール3がリチウムに接触することはないため、フリーズシールの3の健全性が長期的に保証される。
【0037】
一方、原子炉が高温になり作動設定温度(スクラム設定温度)に達すると、フリーズシール3が溶融し第2の薄膜14は支えを失う。この作動設定温度における上記寸法のタンタル製の第2の薄膜14の許容応力は4.4〜4.8kg/cm2 である。これに対し、フリーズシール3の支えを失った第2の薄膜14には上述したように許容応力をはるかに上回る6kg/cm2 の差圧が作用するので、第2の薄膜14はこの差圧によって直ちに破られる。そして、第2の薄膜14が破れると、今度は第1の薄膜13に6kg/cm2 の差圧が作用するので、この第1の薄膜13も直ちに破られる。すなわちフリーズシール3が溶融すると直ちに液体ポイズン4であるリチウムが真空領域(炉心燃料レベル)6に移動し、炉心に負の反応度が挿入され原子炉が停止する。
【0038】
なお、本リチウム注入モジュールの組立時、即ち室温で第2の薄膜14に作用する差圧は2kg/cm2 であり、第2の薄膜14の許容応力に比べて十分小さい。したがって、フリーズシール3の中央部3bと第2の薄膜14との間に隙間が生じていても、第2の薄膜14が破れることはない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の自己作動型炉停止装置では、フリーズシールと液体ポイズン領域との間に液体ポイズンとの共存性に優れた材料より成る第1の薄膜をフリーズシールとの間に距離を開けて設置し、核反応によって発熱する液体ポイズンをフリーズシールから熱的誤作動防止距離L以上離して配置すると共に、第1の薄膜とフリーズシールとの間に不活性ガスを封入して液体ポイズン領域の圧力による第1の薄膜の破壊を防止する圧力室を形成したので、フリーズシールが溶融して圧力室内の圧力が抜けるまでは液体ポイズン領域は第1の薄膜によって仕切られており、液体ポイズンがフリーズシールに接触することはない。このため、フリーズシールと液体ポイズンとの反応を防止してフリーズシールの劣化を防ぐことができる。また、液体ポイズンをフリーズシールから熱的誤作動防止距離L以上離しているため、炉内の中性子によって(n,α)反応を起こして発熱するリチウム−6を液体ポイズンとして使用した場合であっても、リチウム−6の発熱に起因した誤動作を防止することができる。リチウム−6の発熱密度は中性子束のレベルに依存するものではあるが、例えば95%濃縮のリチウム−6を液体ポイズンとして封入したリチウム注入モジュールを高速炉の炉心に装荷した場合には、その発熱量が数10W/cc程度となることもある。しかしながら本発明を適用した自己作動型炉停止装置では、上述したようにリチウム−6の発熱に起因した誤作動を防止することができる。以上より、自己作動型炉停止装置の信頼性及び耐久性を向上させることができる。
【0040】
また、請求項2記載の自己作動型炉停止装置では、フリーズシールの圧力室側の面付近に、フリーズシールとの共存性に優れた材料より成る第2の薄膜を設置すると共に当該第2の薄膜とフリーズシールとの間にフリーズシールの熱膨張を考慮した隙間を設け、該第2の薄膜と第1の薄膜との間で圧力室を形成するので、フリーズシールと管等の熱膨張差に起因した圧力室の圧力低下を防止することができ、装置の耐久性及び信頼性をより向上させることができる。
【0041】
また、請求項3記載の自己作動型炉停止装置では、フリーズシールが第2の薄膜と対向する面の周縁部を中央部に比べて凹ましているので、原子炉の運転中におけるフリーズシールの体積膨張によって第2の薄膜と接触する面が周縁の凹んだ部分を除いて熱膨張量の比較的小さな中央部だけで僅かに軽く接触することとなるため、フリーズシールと第2の薄膜との半径方向熱膨張差に起因する応力も大幅に低減できる。このため、長期にわたって第2の薄膜の健全性を維持することができ、装置の信頼性と耐久性をより一層向上させることができる。
【0042】
さらに、請求項4記載の自己作動型炉停止装置では、圧力室の封入不活性ガスの圧力を液体ポイズン領域の圧力とほぼ同一に設定し、前記第1の薄膜の両側の圧力をほぼ等しくしたので、第1の薄膜の両側に作用する圧力差が殆ど無くなり、第1の薄膜を破れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自己作動型炉停止装置をリチウム注入モジュールとした場合の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1のリチウム注入モジュールの第1及び第2の薄膜が配置された部分を拡大した断面図である。
【図3】図1のリチウム注入モジュールを液体金属冷却高速炉の炉心に配置した一例を示し、(A)は正常運転時における位置関係を示す概念図、(B)はスクラム時における位置関係を示す概念図である。
【図4】本発明を適用したリチウム注入モジュールの変形例を示し、フリーズシールが配置された部分を拡大した断面図である。
【符号の説明】
1 封入管
3 フリーズシール
4 液体ポイズン(リチウム)を充填した領域
5 封入ガスを充填した領域
6 真空領域
13 第1の薄膜
14 第2の薄膜
15 圧力室
L 熱的誤作動防止距離
Claims (4)
- 炉心内に挿入した両端を閉じた管内に、一端側から順に封入ガス領域、液体ポイズン領域および真空領域を設けると共に、前記液体ポイズン領域と前記真空領域とをフリーズシールで隔離し、前記炉心の異常な温度上昇により前記フリーズシールが溶融すると、前記液体ポイズン領域内の液体ポイズンが前記真空領域に移動することを利用して原子炉を停止させる自己作動型炉停止装置において、前記フリーズシールと液体ポイズン領域との間に前記液体ポイズンとの共存性に優れた材料より成る第1の薄膜を前記フリーズシールとの間に距離を開けて設置し、核反応によって発熱する前記液体ポイズンを前記フリーズシールから熱的誤作動防止距離L以上離して配置すると共に、前記第1の薄膜と前記フリーズシールとの間に不活性ガスを封入して前記液体ポイズン領域の圧力による前記第1の薄膜の破壊を防止する圧力室を形成したことを特徴とする自己作動型炉停止装置。
- 前記フリーズシールの前記圧力室側の面付近に、前記フリーズシールとの共存性に優れた材料より成る第2の薄膜を設置すると共に、当該第2の薄膜と前記フリーズシールとの間に前記フリーズシールの熱膨張を考慮した隙間を設け、前記第2の薄膜と前記第1の薄膜との間で前記圧力室を形成することを特徴とする請求項1記載の自己作動型炉停止装置。
- 前記フリーズシールは前記第2の薄膜と対向する面の周縁部を中央部に比べて凹ましていることを特徴とする請求項2記載の自己作動型炉停止装置。
- 前記圧力室内の封入不活性ガスの圧力を前記液体ポイズン領域の圧力とほぼ同一に設定し、前記第1の薄膜の両側の圧力をほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の自己作動型炉停止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26892197A JP3933766B2 (ja) | 1997-10-01 | 1997-10-01 | 自己作動型炉停止装置 |
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