JP3933032B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用シートベルト装置としては、例えば、緊急制動の発生が検知された段階で、モータによりウェビング(シートベルト)を巻取って乗員を拘束することで、通常拘束時のウェビングによる拘束力を小さくできるようにしたものがある。(例えば特許文献1参照)
また、従来の車両用シートベルト装置としては、例えば、緊急制動を検知し、緊急度が高いと判断された場合に乗員を強固に拘束し、緊急度が低いと判断された場合に緊急度が高いときよりも小さな張力で乗員を拘束するものも知られている。(例えば特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−2450号公報(第6頁、図1)
【0004】
【特許文献2】
特開2000−177535号公報(第14頁、図10,11)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の車両用シートベルト装置では、緊急制動時においては、乗員の前方への移動量に違いが生じる可能性があり、ウェビングに付与すべき適切な張力が異なってくると、ウェビングに不必要な張力を付与する可能性があり、その場合には乗員に不要な拘束感を与えてしまうこととなってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、車両の乗員を保護するシートベルト装置において、シートに着座した乗員を拘束するウェビングと、前記ウェビングを巻取ることで、前記ウェビングに張力を付与するプリテンショナーと、前記車両の減速度を検出する減速度センサと、前記減速度センサにより検出された減速度に基づいて前記車両の緊急制動を検知すると共に、緊急制動を検知したときに前記プリテンショナーの巻取制御を行うコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記プリテンショナーの巻取制御を行う場合、前記プリテンショナーが前記ウェビングの巻き取りを開始するタイミングをブレーキの踏み込み速度に応じて変化させ、前記プリテンショナーが前記ウェビングに付与する張力を前記車両の減速度に基づいて制御する。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、タイミングとベルト張力をそれぞれ最適に制御できるようになり、乗員に不必要に拘束感を与えることなく、かつ、乗員の前方への移動を効果的に抑制できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一または相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
図1は、第1実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構成図である。第1実施形態の車両用シートベルト装置(以下、シートベルト装置と称す)1は、車両の乗員Hを保護するものであって、好適には図1に示すように3点式パッシブシートベルトである。
【0010】
シートベルト装置1は、シートSに着座した乗員Hを拘束するウェビング11と、このウェビング11の一端側を巻回するリトラクタ12とを備え、ウェビング11の他端部はシートSのドア側に配置したアンカーを介して車体に固定してあるとともに、ウェビング11の中間部に移動自在に挿通したタング13を、シートSの車体中央側で車体に固定したバックル14に着脱自在に係合し、このバックル14と前記リトラクタ12との間でウェビング11をセンターピラーPcの上部のスルーリング15を介して移動自在に支持するようになっている。
【0011】
リトラクタ12は、ウェビング11を巻取ることで、ウェビング11に張力を付与する第1プリテンショナー16と、衝突時にウェビング11に張力を付与し乗員Hを最終的に拘束する第2プリテンショナー17とを有している。
【0012】
第1プリテンショナー16は、モータMと減速ギア機構16aとによって構成され、リトラクタ12に設けられウェビング11を巻回するリールに、モータMの回転数を減速してトルクを伝達するようになっている。
【0013】
第2プリテンショナー17は、本実施形態では火薬式として構成され、衝突検知によって火薬の爆発力でウェビング11を瞬時にリトラクタ12に巻取るようになっている。なお、第2プリテンショナー17は火薬式に限ることなく、ウェビング11を迅速に巻取ることができる限りにおいてモータ等を用いることができる。
【0014】
また、前記リトラクタ12には、衝突時に巻取ったウェビング11の張力が上昇し過ぎて乗員Hに大きな負担を掛けるのを防止するための張力制限手段、およびウェビング11の急激な引き出しを感知してこのウェビング11の引き出しをロックするロック手段を設けてある。
【0015】
ここで、このように構成されたシートベルト装置1にあっては、図1に示すように、車両の加速度(減速方向の加速度、すなわち減速度を含む)を検出する前後Gセンサ20と、ブレーキペダルの踏み込み量(ストローク)を検出するブレーキペダルストロークセンサ21と、車速センサ22とが設けられている。
【0016】
また、前後Gセンサ20からの加速度信号、ブレーキペダルストロークセンサ21からのブレーキストローク信号および車速センサ22からの車速信号を入力して、第1プリテンショナー16を制御する第1コントローラ30が設けられている。この第1コントローラ30は、前後Gセンサ20からの減速度を検出して車両の緊急制動を検知すると共に、緊急制動を検知したときに第1プリテンショナー16の巻取制御を行うものである。
【0017】
ここで、緊急制動とは、乗員Hが素早くブレーキペダルを操作した状態(後述するパターン値が2である状態)と、乗員Hが比較的緩やかにブレーキペダルを操作した状態(後述するパターン値が1の状態)との双方を含むものとする。なお、比較的緩やかにブレーキを操作した状態とは、シートベルト装置によって乗員を保護する必要がある程度の減速状態であって、一般にスムーズに停車した場合を除くものとする。
【0018】
さらに、シートベルト装置1にあっては、衝突を検知する衝突検知センサ41から信号を入力し、衝突が検知された際に第2プリテンショナーを制御する第2コントローラ40が設けられている。
【0019】
図2は、図1に示した第1コントローラ30の構成図である。同図では第1プリテンショナー16のモータMを2個設けてあり、一方は運転席用のシートベルト装置1のものであり、他方は助手席用のシートベルト装置1のものとなっている。
【0020】
前記第1コントローラ30は図2に示すようにCPU31を備え、このCPU31にバッテリーからフューズ23を介して電源を入力する電源回路32と、イグニッション信号を入力するIGN(イグニッション)入力回路33と、車速センサ22の車速信号を入力するCAN(Controller Area Network)・I/F(インターフェース)34と、前後Gセンサ20からの加速度信号およびブレーキペダルストロークセンサ21のブレーキストローク信号を入力するAnalog・I/F35とが接続されている。
【0021】
なお、前記電源回路32を通した電源は、CPU31の駆動源として用いる以外に、センサ電源回路32aを介して前後Gセンサ20およびブレーキペダルストロークセンサ21に導入するようになっている。
【0022】
CPU31の制御電流は、駆動回路36を介してリレー37に出力される一方、運転席用および助手席用のモータMに接続されモータMの回転方向を切換るモータ駆動回路38,38aに出力されるようになっている。
【0023】
前記モータ駆動回路38,38aには、前記フューズ23から電源回路32へ出力する電源がリレー37を介して入力され、各モータMは、モータ駆動回路38,38aにより回転方向が制御されるとともに、これらモータMの回転速度は、CPU31で演算したデューティ比によって制御されるようになっている。
【0024】
また、前後Gセンサ20は、センサ電源回路32aから供給される電源を、検出される加速度に応じた電圧としてAnalog・I/F35を介してCPU31に出力するようになっている。また、ブレーキペダルストロークセンサ21は、運転者の制動操作によるブレーキペダルの踏み込み量をポテンショメータの回転角で検出するようになっており、センサ電源回路32aから供給される電源を、ブレーキペダルストロークに応じた電圧をAnalog・I/F35を介してCPU31に出力するようになっている。
【0025】
CPU31は、ブレーキペダルストロークによって緊急制動か否かを判断するとともに、緊急制動であれば衝突回避動作であると判断して、モータ駆動回路38,38aに電流指令値をデューティ出力し、モータMの回転数を制御する。
【0026】
なお、CPU31は、車速センサ22で検出した車速データを、車両のCAN・I/F34を経由して入力するが、CAN・I/F34を経由することなく、車速センサ22から車速に応じた周期のパルスを入力して、このパルス周期から車速を検出するようにしてもよい。
【0027】
前記第1コントローラ30による制御は図3に示すフローチャートに従って実行されるようになっている。図3は、図1に示した第1コントローラ30の制御フローチャートである。まず、第1コントローラ30は、ステップS1でブレーキペダルストロークを読み込んで、ノイズ除去のためのフィルタリングを行った後、ステップS2でブレーキペダルストロークを微分してブレーキの踏み込み速度を求める。
【0028】
ここで、微分演算としては、カットオフ周波数が20Hz付近に設定されたHPF(ハイ・パフォーマンス・フォートラン)を使用するようになっているが、これに限ることなく緊急制動時のブレーキ踏み込み量の時間当たりの変化が分布する周波数領域において、位相およびゲインが微分動作と等価な要素であればよい。
【0029】
ステップS2の後、第1コントローラ30は、ステップS3でCAN・I/F34から車速データを読み込んで処理し、ステップS4ではブレーキの踏み込み速度と車速値から図4のサブルーチンに従って緊急制動かどうかを判断する。
【0030】
図4は、図3に示した緊急制動判断(ステップS4)の詳細を示すフローチャートである。図4のサブルーチンによる緊急制動判断は、まず、ステップS401で車速が30km/h以上かどうかを調べ、30km/hより低速である場合は、緊急制動時に乗員Hが前方に移動する割合も少ないので、シートベルト装置1は通常のウェビング11拘束力をもって乗員Hを拘束すればよい。
【0031】
従って、そのような低速状態では、不必要に電力を消費することを避けるために緊急制動判断は行わずに、ステップS402に進んでパターン値を0にセットする。
【0032】
次に、車速が30km/h以上の中,高速時では、ステップS403でブレーキ踏み込み速度B1を0.3m/secおよび1.0m/secと比較し、0.3m/sec以下である場合にはステップS402に進んでパターン値を0にセットする。
【0033】
ステップS403でブレーキ踏み込み速度B1が0.3〜1.0m/secである場合には、ステップS404でパターン値を1にセットする。また、ステップS403でブレーキ踏み込み速度B1が1.0m/sec以上である場合には、ステップS405に進んでパターン値を2にセットする。そして図3のメインルーチンに戻る。
【0034】
なお、パターン値は、ブレーキ踏み込み速度により決定されているが、特にブレーキ踏み込み速度に限らず、他のファクター、例えば乗員Hの状態(居眠りの状態であるか否かなど)により決定するようにしてもよい。
【0035】
次いで、図3のメインルーチンではステップS5で車速値の時間当たりの変化を求めた後、ステップS6では図5のサブルーチンに従って緊急回避判断を行う。
【0036】
図5は、図3に示した緊急回避判断(ステップS6)の詳細を示すフローチャートである。図5のサブルーチンによる緊急回避判断は、ステップS601で車速が5km/hよりも小さいかどうかを判断し、5km/hよりも小さい場合は、停止しているかどうかを判断するための時間をカウントするタイマーの値を、ステップS602で1だけ増加する。
【0037】
ステップS601で車速が5km/h以上である場合は、ステップS603で車速の時間当たりの変化が−0.2G以上かどうかを調べ、−0.2G以上であれば、ステップS604で前記タイマーの値を1だけ増加する一方、−0.2Gより小さい場合は前記ステップS605に進んでタイマーの値を0にセットする。
【0038】
そして、ステップS602,ステップS604,ステップS605でタイマーの値を決定した後、ステップS606に進んでタイマーの値が1.0secより大きいかどうかを判断する。
【0039】
タイマーの値が1.0sec以下である場合は、ステップS607で終了不成立(減速途中)と判断し、一方、タイマーの値が1.0secよりも大きい場合は、終了成立(車両停止または減速終了)であると判断して図3のメインルーチンに戻る。
【0040】
なお、図5のサブルーチンでは停止判断の車速を5km/hとし、減速終了判断のしきい値を−0.2Gとし、判断時間を1.0secとしたが、これらの数値は一例としてあげた値であり、実際の数値はこれらの値に限るものではなく、車速センサ22の分解能や車両の特性などによって決定することができる。
【0041】
次に、図3のメインルーチンでは、ステップS4の緊急制動判断とステップS6の緊急回避判断との結果から、図6のサブルーチンに従ってウェビング11の巻取りタイミングを判定する。
【0042】
図6は、図3に示したタイミング判定(ステップS7)の詳細を示すフローチャートである。図6のサブルーチンによるタイミング判定は、まず、ステップS701において、図4のサブルーチンの緊急制動判断で求めたパターン値が、前回のパターン値よりも小さいかどうかを判定し、前回のパターン値よりも小さい場合にはステップS702で前回のパターン値を保持してステップS703に進む。
【0043】
ここで、ステップS702で前回のパターン値を保持するのは、一旦、緊急制動と判断された後に制動力や減速度が低下したとしても、制動が続いている間は緊急制動の状態が継続していると見なすようにしているからである。
【0044】
また、ステップS701で前回の緊急度よりも小さくないと判断した場合はそのままステップS703に進み、このステップS703では図5の緊急回避判断で終了成立とされたか否かを判断し、終了成立である場合にはステップS704でパターン値を0にセットするとともに、ステップS703でパターン値が1でない場合はそのまま図3のメインルーチンに戻る。
【0045】
次に、図3のメインルーチンでは、前のステップS7で求めたタイミングに従い、ステップS8で直ちに制動が必要か、すなわちパターン値が2か判断し、直ちに制動が必要な場合はステップS10に進み、しばらく制動が必要でない場合はS9に進み、ステップS9で制動要か、すなわちパターン値が1か判断する。そして、制動要でない場合には処理はステップS1にリターンし、制動要である場合は所定時間待機後にステップS10に進む。
【0046】
その後、第1コントローラ30は、ステップS10で減速度を読み込んで、ノイズ除去のためのフィルタリングを行った後、ステップS11で減速度に応じた張力を算出し、図7のサブルーチンに従ってモータMに出力する電流デューティの算出、つまり、モータMの回転速度を決定する。
【0047】
図7は、図3に示した出力デューティ算出(ステップS12)の詳細を示すフローチャートである。図7のサブルーチンによる出力デューティ算出は、まず、ステップS1201でパターン値が0であると判断し、且つ、ステップS1202で前回のパターン値が0でないと判断した場合には、ステップS1203でタイマーの値を初期化した後、ステップS1204でデューティ比をD0にセットして逆転指令を出力し、ウェビング11の巻取動作による拘束力を解除した後、ステップS1205でタイマーの値を1だけ増加する。
【0048】
ステップS1202で前回のパターン値が0であると判断し、ステップS1006でタイマーの値がT0を越えていない場合は、ステップS1204およびステップS1205へと進んで、デューティ比をD0として逆転指令を出力するとともに、タイマーの値を1だけ増加する一方、ステップS1206でタイマーの値がT0を越えていれば、ステップS1207でデューティ比を0にセットしてウェビング11の張力を解除する動作を終了する。
【0049】
すなわち、パターン値が0である限りにおいて、デューティ比は、図8(a)に示すように、時刻T0を超えるまでD0を維持し、その後0となる。
【0050】
次に、ステップS1208でパターン値が1であると判断し、且つ、ステップS1209で前回のパターン値が1でないと判断した場合には、ステップS1210でタイマーの値を初期化した後、ステップS1211でデューティ比をD1にセットしてウェビング11の巻取りを開始し、ステップS1212でタイマーを1だけ増加する。
【0051】
ステップS1209で前回のパターン値が1であると判断し、ステップS1213でタイマーの値がT1を越えていない場合は、ステップS1211およびステップS1212に進んで、ウェビング11を巻取り方向にデューティ比をD1としてウェビング11の巻取りを継続するとともに、タイマーの値を1だけ増加する。
【0052】
ステップS1213でT1を越えていると判断した場合は、ステップS1214でデューティ比をD1にセットしてウェビング11の巻取動作を終了し、ウェビング11をその位置で保持する。
【0053】
すなわち、パターン値が1である限りにおいて、デューティ比は、図8(b)に示すように、時刻T1を超えるまでD1を維持し、その後D2となる。
【0054】
さらに、ステップS1215で前回のパターン値が2でないと判断した場合に、ステップS1216でタイマーの値を初期化した後、ステップS1217でデューティ比をウェビング11の巻取り方向にD3にセットしてウェビング11の巻取りを開始し、ステップS1217でタイマーを1だけ増加する。
【0055】
ステップS1215で前回のパターン値が2であると判断し、ステップS1219でタイマーの値がT1を越えていない場合は、ステップS1217およびステップS1218に進んで、ウェビング11を巻取り方向にデューティ比をD3としてウェビング11の巻取りを継続するとともに、タイマーの値を1だけ増加する。
【0056】
ステップS1218でT1を越えていると判断した場合は、ステップS1220でデューティ比をD2にセットしてウェビング11の巻取動作を終了し、ウェビング11をその位置で保持する。
【0057】
すなわち、パターン値が2である限りにおいて、デューティ比は、図8(b)に示すように、時刻T1を超えるまでD3を維持し、その後D2となる。
【0058】
図7のサブルーチンによる出力デューティ算出が終了した後、図3のメインルーチンに戻り、モータ等に異常がある場合はステップS13でフェールセーフの処置を実行し、ステップS12で求められたデューティ比に従い、ステップS14において作動出力を行った後、ステップS1にリターンする。
【0059】
なお、図7,8に示したデューティ比D1,3は、まず、ウェビング11に付与する目標張力が決定され、その後、その目標張力をウェビング11に付与するように決定される。
【0060】
すなわち、デューティ比D1,3は、目標張力に応じて決定されることとなる。次に、目標張力について説明する。図9は、ウェビング11に付与する張力の目標値(目標張力)を示す説明図である。
【0061】
図9に示すように、減速度が小さい状態(図中の▲1▼の状態)では、目標張力も小さい。そして、減速度が或る値Aを超えると(図中の▲2▼の状態)、減速度の上昇に伴い目標張力もほぼ比例的に増加する。さらに、減速度が上昇して或る値Bを超えると(図中の▲3▼の状態)、目標張力はほぼ一定となる。
【0062】
なお、図1〜9の説明により明らかなように、ウェビング11の巻取りタイミングは、ウェビング11に付与する張力に基づかず、ウェビング11に付与する張力は、ウェビング11の巻取りタイミングに基づいていない。このため、タイミングと張力とは、それぞれ独立して制御されていることとなる。
【0063】
以上の構成により本実施形態のシートベルト装置1にあっては、ウェビング11の巻取りタイミングをブレーキ操作に基づいて決定している。すなわち、実際に乗員Hにより操作された内容や乗員Hの状態に基づき、巻取りタイミングを制御していることとなる。このため、路面の摩擦係数などの外的要因に影響を受けず、例えば、乗員Hが素早くブレーキを踏んだ場合には即座にウェビング11を即座に巻取り、乗員Hが比較的緩やかにブレーキを踏んだ場合にはしばらく待ってからウェビング11を巻取るなどの制御をすることが可能となる。
【0064】
また、ウェビング11に付与する張力を車両の減速度に基づいて決定しているので、例えば、減速度が高い場合には乗員の前方への移動量や移動速度が大きい可能性が高く、ウェビング11の張力を高く設定し、減速度が比較的小さい場合には、乗員の前方への移動量や移動速度は小さい可能性が高く、ウェビング11の張力を小さく設定することが可能となる。
【0065】
このように、本実施形態では、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを適切に設定することが可能となっており、乗員Hを適切に拘束し、且つ乗員Hに与える不快感の軽減することができる。
【0066】
また、乗員Hのブレーキの踏み込み速度により、ウェビング11の巻取りタイミングを制御するので、ブレーキ操作の絶対量が小さい時点においても、緊急制動を判断できることとなり、ウェビング11の巻取りタイミングを早めることができる。
【0067】
また、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とをそれぞれ独立に制御しているので、一方に対し他方が影響を受けることがなくなり、それぞれを適切に設定しておくことで、あらゆる状況において、乗員Hを適切に拘束し、且つ乗員Hに与える不快感の軽減することが可能となる。
【0068】
また、第1のプリテンショナー16の引き込みタイミングとベルト張力の少なくとも2つを制御し、タイミングはブレーキ操作状態を検出するセンサー値に基づいて制御し、ベルト張力は減速度に基づいて制御することにしたので、タイミングとベルト張力をそれぞれ最適に制御できるようになり、乗員に不必要に拘束感を与えることなく、かつ、乗員の前方への移動を効果的に抑制できる。
【0069】
また、ブレーキ操作状態を検出するセンサーとして、ブレーキの操作速度を用いたので、ブレーキ操作の絶対量が小さい時点においても、緊急制動を判断でき、引き込みタイミングを早めることができる。
【0070】
また、減速度を検出するセンサーとして、ブレーキ操作量を用い、ブレーキ操作量と減速度の関係から、減速度を推定するようにしたので、減速度センサーを追加することなく、ベルト張力の制御ができる。
【0071】
また、ベルト引き込みタイミングとベルト張力とをそれぞれ独立して制御したので、ベルト引き込みタイミングとベルト張力を独立に、適切に設定することにより、いかなる車両状態においても、ベルト引き込み制御できる。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図10は、第2実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構成図である。第2実施形態に係るシートベルト装置2は、第1実施形態に係るシートベルト装置1とほぼ同様であるが、前後Gセンサ20を有していない点で第1実施形態と異なっている。また、第2実施形態に係るシートベルト装置2は、第1コントローラ30がABS信号を受信するようになっている。次に、本実施形態に係るシートベルト装置2の動作について説明する。
【0073】
図11は、図10に示した第1コントローラ30の制御フローチャートである。図11に示すステップS21〜S29は、図3に示したステップS1〜S9と同様であるため説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、第1実施形態のように前後Gセンサ20を有していないため、S30において第1コントローラ30は、減速度を読み込まず、代わりに減速度を推定するようにしている。この推定は、S21で読み込んだブレーキペダルストロークに基づいて行われる。
【0075】
図12は、ブレーキペダルストロークと減速度との関係を示す説明図である。同図に示すように、乾燥舗装路面におけるブレーキ踏み込み時の減速度と、ブレーキペダルストロークとには、所定の相関関係が成立している。このため、ブレーキペダルストロークを検出することにより、車両の減速度を求めることが可能となる。
【0076】
さらに、本実施形態では、運転時など路面の状況に応じて摩擦係数μを求めることができるように、ABS作動信号を入力し、ABS作動時の単位時間当たりの車速変化割合を算出することによって、路面摩擦係数μを正確に求め、車両の減速度を推定している。また、この他に、路面摩擦係数μを測定するセンサを車両に設けたり、天気に関する情報を受信したり、ワイパの使用状態を検出したり等することによって、路面摩擦係数μを推定し、精度よく減速度を求めることも可能である。
【0077】
このように、図11のステップS30で減速度の推定が行われた後は、ステップS31〜S34の処理が実行される。この処理は、図3に示したステップS11〜S14と同様である。
【0078】
なお、本実施形態においては、第1コントローラ30内のCPU31の構成は次のようになっている。図13は、図10に示した第1コントローラ30内のCPU31の詳細を示す制御ブロック図である。CPU31は、同図に示すようにブレーキペダルストローク信号を信号処理部31aによって信号処理し、微分部31bで微分してブレーキの踏み込み速度を算出する。そして、CPU31は、これをタイミング判定部31cに出力する。また、CPU31は、信号処理部31aからの信号を張力算出部31fによって処理し、目標張力を求め、この目標張力を出力部31gに出力する。
【0079】
さらに、CPU31は、車速信号を車速処理部31dによって車速処理した後、この処理信号をタイミング判定部31cに出力し、タイミング判定部31cにおいてブレーキの踏み込み速度と車速との関係から緊急制動判断する。また、車速処理部31dからの処理信号を車速変化算出部31eに出力するとともに、車速変化算出部31eにより車速変化を算出した後にタイミング判定部31cに出力して、タイミング判定部31cにおいて車速変化と車速との関係から緊急回避判断する。
【0080】
そして、CPU31は、これらの判断結果からタイミング判定部31cにおいてタイミング判定するとともに、この判定信号を出力部31gに出力して、判定内容と目標張力とに基づいて、運転席作動判断部31hおよび助手席作動判断部31iにデューティ出力し、運転席作動判断部31hで運転席側のシートベルト装置3を作動判断して運転席側のモータMを駆動するとともに、助手席作動判断部31iで助手席側のシートベルト装置3を作動判断して助手席側のモータMを駆動する。
【0081】
ところで、CPU31は、ブレーキペダルストローク信号や車速信号をフェールセーフ部31jに入力してフェールセーフ判断するようになっており、ブレーキペダルストロークセンサ21や車速センサ22が故障した場合に、フェールセーフロジックに従ってモータMへの出力を停止するようになっている。
【0082】
以上の構成により本実施形態のシートベルト装置2にあっては、ウェビング11の巻取りタイミングをブレーキ操作に基づいて決定している。すなわち、実際に乗員Hにより操作された内容や乗員Hの状態に基づき、巻取りタイミングを制御していることとなる。このため、路面の摩擦係数などの外的要因に影響を受けず、例えば、乗員Hが素早くブレーキを踏んだ場合には即座にウェビング11を即座に巻取り、乗員Hが比較的緩やかにブレーキを踏んだ場合にはしばらく待ってからウェビング11を巻取るなどの制御をすることが可能となる。
【0083】
また、ウェビング11に付与する張力を車両の減速度に基づいて決定しているので、例えば、減速度が高い場合には乗員の前方への移動量や移動速度が大きい可能性が高く、ウェビング11の張力を高く設定し、減速度が比較的小さい場合には、乗員の前方への移動量や移動速度は小さい可能性が高く、ウェビング11の張力を小さく設定することが可能となる。
【0084】
このように、本実施形態では、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを適切に設定することが可能となっており、乗員Hを適切に拘束し、且つ乗員Hに与える不快感の軽減することができる。
【0085】
また、乗員Hのブレーキの踏み込み速度により、ウェビング11の巻取りタイミングを制御するので、ブレーキ操作の絶対量が小さい時点においても、緊急制動を判断できることとなり、ウェビング11の巻取りタイミングを早めることができる。
【0086】
また、減速度がブレーキペダルの踏み込み量から求められるので、減速度を測定するセンサ等を追加することなく、ウェビング11に付与する張力を求めることが可能となり、構成の簡素化を図ることができる。
【0087】
また、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とをそれぞれ独立に制御しているので、一方に対し他方が影響を受けることがなくなり、それぞれを適切に設定しておくことで、あらゆる状況において、乗員Hを適切に拘束し、且つ乗員Hに与える不快感の軽減することが可能となる。
【0088】
また、減速度を検出するセンサーとして、ブレーキ操作量を用い、ブレーキ操作量と減速度の関係から、減速度を推定するようにしたので、減速度センサーを追加することなく、ベルト張力の制御ができる。
【0089】
また、ベルト引き込みタイミングとベルト張力とをそれぞれ独立して制御したので、ベルト引き込みタイミングとベルト張力を独立に、適切に設定することにより、いかなる車両状態においても、ベルト引き込み制御できる。
【0090】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係るシートベルト装置3は、第1実施形態に係るシートベルト装置1とほぼ同様であるが、ウェビング11に付与する張力を、ウェビング11の巻取りタイミングに基づいて調整する点で第1実施形態と異なっている。
【0091】
まず、本実施形態の構成等を説明する前に、乗員Hの身体が前方に移動しているときのエネルギーを説明する。
【0092】
乗員Hの身体が前方に移動しているときのエネルギーは、
【数1】
(エネルギー)=G×M×L+(1/2)×M×V2 (1)
により、表される。但し、Gは減速度であり、Mは乗員Hの上体の等価質量であり、Lは乗員Hの前方移動距離であり、Vは乗員Hの前方移動速度である。
【0093】
右辺の第1項は、乗員Hの前方移動を抑制するために必要な張力に相当するエネルギーである。このエネルギーは、減速度に比例するようになっている。右辺の第2項は、乗員Hの前方移動により生じるエネルギーである。ここで、前方移動速度Vは減速開始からの時間に伴って増加するようになっている。このため、このエネルギーは、減速開始からの時間に伴って増加すると言える。
【0094】
このように、右辺の第1項は減速度に依存し、右辺の第2項は減速開始からの時間に依存する。このため、緊急制動時の減速度が同じであっても、減速開始からの時間によっては、ウェビング11に付与すべき張力が異なってくる。
【0095】
図14は、第3実施形態に係る第1コントローラ30内のCPU31の詳細を示す制御ブロック図である。ここでは、図13との相違点のみを説明する。
【0096】
本実施形態は、第2実施形態と異なり、前後Gセンサ20を有しているため、張力算出部31fは信号処理部31aからの処理信号を入力する必要がない。また、本実施形態のCPU31内には、図13に示す要素に加え、減速度処理部31k、制動開始判断部31l、およびタイミング算出部31mが追加されている。
【0097】
減速度処理部31kは、入力した減速度の信号を信号処理し、張力算出部31fおよび制動開始判断部31lに出力するようになっている。制動開始判断部31lは、減速度処理部31kからの処理信号を読み込んで緊急制動の開始を判断すると共に、判断結果をタイミング算出部31mに出力する。タイミング算出部31mは、入力した判断結果に基づいてウェビング11の巻取りタイミングを算出すると共に、その結果を張力算出部31fに出力する。そして、張力算出部31fは、減速度の処理信号と、算出されたタイミングとに基づいてウェビング11に付与する張力を求めることとなる。
【0098】
図15および図16を参照してさらに説明する。図15は、図14に示した制動開始判断部31lおよびタイミング算出部31mの処理内容の説明図である。
【0099】
制動開始判断部31lは、減速度が制動開始判断のしきい値を超えたことにより、緊急制動開始と判断する。例えば、図15では点Cの時点において、制動開始判断部31lは緊急制動開始と判断する。
【0100】
そして、タイミング算出部31mは、減速度が制動開始判断のしきい値を超えてから、巻取り開始するまでの時間(図15では所要時間)を求め、巻取り開始タイミングを求める。その後、張力算出部31fは、減速度とタイミングに基づいて張力を算出する。
【0101】
図16は、図14に示した張力算出部31fの処理内容の説明図である。なお、ウェビング11に付与する張力は、モータMのデューティ比に依存するため、図16では、縦軸として張力の代わりにデューティ比を示している。また、タイミングに応じて張力を何ら調整しない場合を張力関数101で示し、タイミングに応じて張力を調整する場合であって、タイミングが遅い場合を張力関数102に示し、タイミングが早い場合を張力関数103に示す。
【0102】
張力算出部31fは、通常、張力関数101に基づいて張力を求めるようにしている。
【0103】
ここで、タイミングが遅い場合、式(1)の右辺第2項が時間の経過に伴って増加して、全体のエネルギーが増加することとなる。故に、ウェビング11に付与する張力を大きくする必要がある。このため、張力関数102を選択し、張力関数102に基づいて張力を算出する。なお、張力算出部31fが、張力関数101しか記憶していない場合、張力関数101に所定の係数(1を超える)を掛けて、その所定の係数を掛けた張力関数に基づいて張力を算出する。
【0104】
一方、タイミングが早い場合には、式(1)の右辺第2項が小さくなり、全体のエネルギーも小さくなる。故に、ウェビング11に付与する張力を小さくし、乗員Hに不要な不快感を与えないようにする必要がある。このため、張力算出部31fは、張力関数103を選択し、張力関数103に基づいて張力を算出する。なお、張力算出部31fが、張力関数101しか記憶していない場合、張力関数101に所定の係数(1未満)を掛けて、その所定の係数を掛けた張力関数に基づいて張力を算出する。
【0105】
なお、第3実施形態では、上記のような構成としたため、制御方法が第1の実施形態と多少異なる。図17は、第3実施形態における出力デューティ算出(ステップS12)の詳細を示すフローチャートである。
【0106】
同図に示すように、第3実施形態では、図7に示す制御内容に加え、張力関数判定(ステップS1221)およびモード調整出力(ステップS1222)が追加されている。
【0107】
すなわち、ステップS1201〜S1220までの処理を経た後、ステップS1221において張力算出部31fは張力関数を求める。張力算出部31fは、タイミング算出部31mにより求められたタイミングに従って、張力関数101〜103のうち、どの関数が適切であるかを判定し選択する。また、張力関数101しか記憶されていない場合、張力関数101に対し所定の係数を掛け、張力関数を求める。
【0108】
そして、張力算出部31fは、求められた張力関数および減速度に基づいて張力を決定し、出力部31gは、決定された張力に基づくデューティ比の信号をステップS1222で出力する。
【0109】
なお、図14〜図17から明らかなように、ウェビング11に付与する張力は、巻取りタイミングに基づいたものとなっている。このため、両者は協調して制御されていることとなる。
【0110】
以上の構成により本実施形態のシートベルト装置3にあっては、ウェビング11の巻取りタイミングをブレーキ操作に基づいて決定している。すなわち、実際に乗員Hにより操作された内容や乗員Hの状態に基づき、巻取りタイミングを制御していることとなる。このため、路面の摩擦係数などの外的要因に影響を受けず、例えば、乗員Hが素早くブレーキを踏んだ場合には即座にウェビング11を即座に巻取り、乗員Hが比較的緩やかにブレーキを踏んだ場合にはしばらく待ってからウェビング11を巻取るなどの制御をすることが可能となる。
【0111】
また、ウェビング11に付与する張力を車両の減速度に基づいて決定しているので、例えば、減速度が高い場合には乗員の前方への移動量や移動速度が大きい可能性が高く、ウェビング11の張力を高く設定し、減速度が比較的小さい場合には、乗員の前方への移動量や移動速度は小さい可能性が高く、ウェビング11の張力を小さく設定することが可能となる。
【0112】
このように、本実施形態では、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを適切に設定することが可能となっており、乗員Hを適切に拘束し、且つ乗員Hに与える不快感の軽減することができる。
【0113】
また、乗員Hのブレーキの踏み込み速度により、ウェビング11の巻取りタイミングを制御するので、ブレーキ操作の絶対量が小さい時点においても、緊急制動を判断できることとなり、ウェビング11の巻取りタイミングを早めることができる。
【0114】
また、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを協調して制御しているので、例えば、エラーなどにより巻取りタイミングの制御にズレが発生した場合でも、ズレに応じて張力も変更されるため、タイミングと張力とを独立して制御する場合に比して、エラー等に対する影響を軽減することが可能となる。
【0115】
また、ウェビング11に付与する張力を、ウェビング11の巻取りタイミングが早くなるに従って小さくなるように設定しているので、乗員Hの前方移動に応じた適切な張力をウェビング11に付与することが可能となり、乗員に与える不快感を軽減することが可能となる。さらに、張力を不必要に大きくすることが少なくなるため、従来と同じモータを使用した場合にはモータに使用される電力の消費量を抑制することもできる。
【0116】
なお、本実施形態では、ウェビング11に付与する張力を巻取りタイミングに基づいて制御しているが、逆に張力に基づいて巻取りタイミングを制御するようにしてもよい。また、ベルト引き込みタイミングとベルト張力とを協調して制御したので、ベルト引き込みタイミングのずれが発生した場合にも、ベルト張力の変更を行うことにより、タイミングのずれによる影響を小さく抑えることができる。また、ベルト引き込みタイミングが早くなるのにしたがって、ベルト張力を小さくするよう補正し、ベルト引き込みタイミングが遅くなるにしたがって、ベルト張力を大きくするよう補正するようにしたので、乗員に不必要な拘束感を与えることがなくなるとともに、ベルト引き込みに要する電力消費量の増大を抑制することができる。
【0117】
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係るシートベルト装置4は、第3実施形態に係るシートベルト装置3とほぼ同様であるが、ウェビング11の巻取り量を制御した点で第1実施形態と異なっている。
【0118】
図18は、第4実施形態に係る第1コントローラ30内のCPU31の詳細を示す制御ブロック図である。図14との相違点のみを説明する。
【0119】
本実施形態では、第3実施形態のタイミング算出部31mに変えて、CPU31内に前方移動量推定部31nを備えている。
【0120】
前方移動量推定部31nは、タイミング判定部31cにおいて判定されたタイミングの情報を入力すると共に、制動開始判断部31lからの制動開始情報を入力して、乗員Hの前方移動量を推定するようになっている。そして、この前方移動量を出力部31gに出力するようになっており、出力部31gは、前方移動量に応じてモータMの通電時間を変更するようになっている。
【0121】
図19は、図18に示した前方移動量推定部31nが推定する前方移動量の算出処理の説明図である。前方移動量推定部31nによる乗員Hの前方移動量は、同図に示すように、制動開始判断のしきい値と、緊急制動開始時刻(図19では点Dの時刻)と、巻取り開始時刻(図19では点Eの時刻)と、図15に示した減速度を時間積分して得られる移動速度関数とによって推定することができる。
【0122】
具体的に、乗員Hの前方移動量x(t)は、
【数2】
x(t)=∫V(t)dt (2)
により、表わすことができ、この式(2)に点Dおよび点Eの値(時刻)を用い、定積分することにより、前方移動量推定部31nは、移動量x(t)を値として得ることとなる。但し、V(t)は、移動速度関数である。
【0123】
図20は、モータ通電時間と前方移動量との関係を示す説明図である。ウェビング11の巻取り量を制御するためには、モータ通電時間を制御する必要がある。 モータ通電時間は、乗員Hの前方移動量に従って求められる。すなわち、図20に示すように、モータ通電時間は、前方移動量の推定値の増加に応じてほぼ比例的に大きくなるようにされており、このマップに従って設定されることにより適切なものとされる。
【0124】
ところで、モータ通電時間は、前方移動量の推定値が第1所定値α1を下回る場合、第1の所定時間T1とされている。これは、推定値が第1所定値α1を下回る場合、乗員Hが殆ど移動しておらず、ウェビング11の巻取り量に差がないためである。また、モータ通電時間は、前方移動量の推定値が第2所定値α2以上である場合、第2の所定時間T2とされている。これは、推定値が第2所定値α2以上である場合、ウェビング11の巻取り量が上限に達してしまうためである。
【0125】
なお、第4実施形態では、上記のような構成としたため、制御方法が第3の実施形態と多少異なる。図21は、第4実施形態における出力デューティ算出(ステップS12)の詳細を示すフローチャートである。
【0126】
同図に示すように、第4実施形態では、図17に示す張力関数判定(ステップS1221)に代えて、巻取量関数判定(ステップS1223)が行われている。
【0127】
すなわち、ステップS1201〜S1220までの処理を経た後、ステップS1223において出力部31gは巻取量関数判定を行う。この巻取量関数判定とは、出力部31gが図20に示したマップに従ってモータ通電時間を決定する処理である。そして、S1223終了後、出力部31gは、ステップS1222で決定されたモータ通電時間中モータMの巻取制御を行う。
【0128】
以上の構成により本実施形態のシートベルト装置4にあっては、ウェビング11の巻取りタイミングをブレーキ操作に基づいて決定している。すなわち、実際に乗員Hにより操作された内容や乗員Hの状態に基づき、巻取りタイミングを制御していることとなる。このため、路面の摩擦係数などの外的要因に影響を受けず、例えば、乗員Hが素早くブレーキを踏んだ場合には即座にウェビング11を即座に巻取り、乗員Hが比較的緩やかにブレーキを踏んだ場合にはしばらく待ってからウェビング11を巻取るなどの制御をすることが可能となる。
【0129】
また、ウェビング11に付与する張力を車両の減速度に基づいて決定しているので、例えば、減速度が高い場合には乗員の前方への移動量や移動速度が大きい可能性が高く、ウェビング11の張力を高く設定し、減速度が比較的小さい場合には、乗員の前方への移動量や移動速度は小さい可能性が高く、ウェビング11の張力を小さく設定することが可能となる。
【0130】
このように、本実施形態では、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを適切に設定することが可能となっており、乗員Hを適切に拘束し、且つ乗員Hに与える不快感の軽減することができる。
【0131】
また、乗員Hのブレーキの踏み込み速度により、ウェビング11の巻取りタイミングを制御するので、ブレーキ操作の絶対量が小さい時点においても、緊急制動を判断できることとなり、ウェビング11の巻取りタイミングを早めることができる。
【0132】
また、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを協調して制御しているので、例えば、エラーなどにより巻取りタイミングの制御にズレが発生した場合でも、ズレに応じて張力も変更されるため、タイミングと張力とを独立して制御する場合に比して、エラー等に対する影響を軽減することが可能となる。
【0133】
また、ウェビング11の巻取り量を制御しているので、巻取り量を適切に設定することにより、例えば、前方移動量に応じた乗員Hの拘束が可能となり、過度に乗員Hを締め付けることがなくなり、乗員Hに与える不快感の軽減を図ることができる。また、第1のプリテンショナー16は、ベルト引き込みタイミング、ベルト張力に加え、減速状態に応じて、ベルト引き込み量を制御するようにしたので、ベルト張力による減速中の拘束感と、ベルト引き込み量によるベルト引き込み終了時の拘束感のギャップを小さくすることができる。
【0134】
次に、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態に係るシートベルト装置5は、第4実施形態に係るシートベルト装置4とほぼ同様であるが、ウェビング11の巻取り量を制御するのに代えて、ウェビング11の巻取り速度を制御するようにした点で第4実施形態と異なっている。
【0135】
図22は、第5実施形態に係る第1コントローラ30の詳細を示す制御ブロック図である。同図に示すように、第5実施形態に係るシートベルト装置5の第1コントローラ30は、第4実施形態の前方移動量推定部31nに代えて、前方移動速度推定部31oを備えている。
【0136】
前方移動量推定部31nは、乗員Hの前方への移動速度を推定すると共に、この移動速度の信号を出力部31gに出力するようになっている。そして、出力部31gは、移動速度に応じてモータMを制御するようになっている。
【0137】
図23は、図22に示した前方移動速度推定部31oが推定する移動速度の算出処理の説明図である。前方移動速度推定部31oによる乗員Hの移動速度は、同図に示すように、制動開始判断のしきい値と、緊急制動開始時刻(図23では点Fの時刻)と、巻取り開始時刻(図23では点Gの時刻)と、減速度の変化を示す関数とによって推定することができる。
【0138】
具体的に、乗員Hの移動速度v(t)は、
【数3】
v(t)=∫g(t)dt (3)
により、表わすことができ、この式(3)に点Fおよび点Gの値(時刻)を用い、定積分することにより、前方移動速度推定部31oは、移動速度v(t)を値として得ることとなる。但し、g(t)は、減速度の変化を示す関数である。この減速度の変化を示す関数は、緊急制動時に得られる減速度を予め測定しておいてもよいし、前後Gセンサ20により測定された実測値であってもよい。
【0139】
図24は、移動速度と電流デューティおよび巻取り量との関係を示す説明図であり、(a)は移動速度と電流デューティとの関係を示し、(b)は移動速度と巻取り量との関係を示している。
【0140】
ウェビング11の巻取り速度を変更するためには、電流デューティを制御する必要がある。すなわち、図24(a)に示すように、第1コントローラ30は、乗員Hの前方への移動速度が大きくなると、通常時(図24(a)の符号201)よりも、電流デューティの立ち上がりを早くする(図24(a)の符号202)。逆に、乗員Hの前方への移動速度が小さくなると、通常時(図24(a)の符号201)よりも、立ち上がりを遅くする(図24(a)の符号203)。
【0141】
なお、電流デューティの立ち上がりを早くすると、通常時(図24(b)の符号204)よりも、巻取り量の立ち上がりが早くなり(図24(b)の符号205)、電流デューティの立ち上がりを遅くすると、通常時(図24(b)の符号204)よりも、巻取り量の立ち上がりが遅くなる(図24(b)の符号206)。
【0142】
以上の構成により本実施形態のシートベルト装置5にあっては、ウェビング11の巻取りタイミングをブレーキ操作に基づいて決定している。すなわち、実際に乗員Hにより操作された内容や乗員Hの状態に基づき、巻取りタイミングを制御していることとなる。このため、路面の摩擦係数などの外的要因に影響を受けず、例えば、乗員Hが素早くブレーキを踏んだ場合には即座にウェビング11を即座に巻取り、乗員Hが比較的緩やかにブレーキを踏んだ場合にはしばらく待ってからウェビング11を巻取るなどの制御をすることが可能となる。
【0143】
また、ウェビング11に付与する張力を車両の減速度に基づいて決定しているので、例えば、減速度が高い場合には乗員の前方への移動量や移動速度が大きい可能性が高く、ウェビング11の張力を高く設定し、減速度が比較的小さい場合には、乗員の前方への移動量や移動速度は小さい可能性が高く、ウェビング11の張力を小さく設定することが可能となる。
【0144】
このように、本実施形態では、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを適切に設定することが可能となっており、乗員Hを適切に拘束し、且つ乗員Hに与える不快感の軽減することができる。
【0145】
また、乗員Hのブレーキの踏み込み速度により、ウェビング11の巻取りタイミングを制御するので、ブレーキ操作の絶対量が小さい時点においても、緊急制動を判断できることとなり、ウェビング11の巻取りタイミングを早めることができる。
【0146】
また、ウェビング11の巻取りタイミングとウェビング11に付与する張力とを協調して制御しているので、例えば、エラーなどにより巻取りタイミングの制御にズレが発生した場合でも、ズレに応じて張力も変更されるため、タイミングと張力とを独立して制御する場合に比して、エラーに対する影響を軽減することが可能となる。
【0147】
また、ウェビング11の巻取り速度を制御しているので、例えば、乗員Hの前方移動速度に応じて巻取り速度を大きくしたり小さくしたりすることが可能となる。従って、ウェビング11の巻取りに際して、乗員Hに与える違和感を軽減させることが可能となる。また、第1のプリテンショナー16は、ベルト引き込みタイミング、ベルト張力に加え、減速状態に応じて、ベルト引き込み速度を制御するようにしたので、減速度の立ち上がりが急な場合と穏やかな場合とで、ベルト引き込み速度を変えることにより、違和感のないベルト引き込みができる。
【0148】
ところで、本発明の車両用シートベルト装置は前記各実施形態に例をとって説明したが、これら各実施形態に限ることなく各実施形態の機能を組み合わせるようにしてもよいし、他に本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した第1コントローラの構成図である。
【図3】図1に示した第1コントローラの制御フローチャートである。
【図4】図3に示した緊急制動判断(ステップS4)の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3に示した緊急回避判断(ステップS6)の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3に示したタイミング判定(ステップS7)の詳細を示すフローチャートである。
【図7】図3に示した出力デューティ算出(ステップS12)の詳細を示すフローチャートである。
【図8】図3に示した出力デューティ算出(ステップS12)により求められたデューティ比の変化の様子の一例を示す説明図であり、(a)はパターン値が0の場合を示し、(b)はパターン値が1および2の場合を示している。
【図9】ウェビングに付与する張力の目標値(目標張力)を示す説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る車両用シートベルト装置の概略構成図である。
【図11】図10に示した第1コントローラの制御フローチャートである。
【図12】ブレーキペダルストロークと減速度との関係を示す説明図である。
【図13】図10に示した第1コントローラ内のCPUの詳細を示す制御ブロック図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る第1コントローラ内のCPUの詳細を示す制御ブロック図である。
【図15】図14に示した制動開始判断部およびタイミング算出部の処理内容の説明図である。
【図16】図14に示した張力算出部の処理内容の説明図である。
【図17】第3実施形態における出力デューティ算出(ステップS12)の詳細を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第4実施形態に係る第1コントローラ内のCPUの詳細を示す制御ブロック図である。
【図19】図18に示した前方移動量推定部が推定する前方移動量の算出処理の説明図である。
【図20】モータ通電時間と前方移動量との関係を示す説明図である。
【図21】第4実施形態における出力デューティ算出(ステップS12)の詳細を示すフローチャートである。
【図22】本発明の第5実施形態に係る第1コントローラの詳細を示す制御ブロック図である。
【図23】図22に示した前方移動速度推定部が推定する移動速度の算出処理の説明図である。
【図24】移動速度と電流デューティおよび巻取り量との関係を示す説明図であり、(a)は移動速度と電流デューティとの関係を示し、(b)は移動速度と巻取り量との関係を示している。
【符号の説明】
11 ウェビング
16 第1プリテンショナー(プリテンショナー)
30 第1コントローラ(コントローラ)
Claims (9)
- 車両の乗員を保護するシートベルト装置において、
シートに着座した乗員を拘束するウェビングと、
前記ウェビングを巻取ることで、前記ウェビングに張力を付与するプリテンショナーと、
前記車両の減速度を検出する減速度センサと、
前記減速度センサにより検出された減速度に基づいて前記車両の緊急制動を検知すると共に、緊急制動を検知したときに前記プリテンショナーの巻取制御を行うコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記プリテンショナーの巻取制御を行う場合、前記プリテンショナーが前記ウェビングの巻き取りを開始するタイミングをブレーキの踏み込み速度に応じて変化させ、前記プリテンショナーが前記ウェビングに付与する張力を前記車両の減速度に基づいて制御することを特徴とする車両用シートベルト装置。 - 前記減速度センサは、乗員によるブレーキの踏み込み速度を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記減速度を検出するセンサー値として、ブレーキの操作量を用い、ブレーキ操作量と減速度の関係より、減速度を推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記減速度は、乗員によるブレーキの踏み込み量に基づいて求められることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記プリテンショナーが前記ウェビングを巻取るタイミングと、前記プリテンショナーが前記ウェビングに付与する張力とは、それぞれ独立に制御されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記プリテンショナーが前記ウェビングを巻取るタイミングと、前記プリテンショナーが前記ウェビングに付与する張力とは、互いに協調して制御されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記プリテンショナーが前記ウェビングに付与する張力は、前記ウェビングを巻取るタイミングが早くなるに従って小さくされることを特徴とする請求項6に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記コントローラは、前記減速度に基づいて前記ウェビングの巻取り量を制御することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車両用シートベルト装置。
- 前記コントローラは、前記減速度に基づいて前記ウェビングの巻取り速度を制御することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の車両用シートベルト装置。
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