JP3932915B2 - 光スイッチ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複数の波長が合波した入力光信号を透過光信号と、反射光信号に分岐する光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムの高度化に伴い、低挿入損失、低クロストーク及び種々の機能を有する空間分割型の光スイッチのニーズが高まっている。
【0003】
これに対して現在実用化されている光スイッチは、光ファイバを機械的に移動させることにより光路の切り替えを行う1×2型程度の単位スイッチが主である。
【0004】
しかし、この方式のスイッチはその駆動部の大きさからマトリクス状スイッチ等の高機能スイッチを構成することは困難である。
【0005】
これらの問題を解決する方法として特開平8−271811号に示す提案がなされている。
【0006】
図6は従来の光スイッチの例であり、図6(A)は透過状態を示し、図6(B)は波長毎に分岐した状態を示している。
【0007】
図6(A)において、基板4上には入力側光ファイバ5aと透過出力側光ファイバ5bとが同軸上に対向して配置されており、両光ファイバ5a、5bの光軸と直交するように反射出力側光ファイバ5cが配置されている。基板4上の各光ファイバ5a、5b、5cには球レンズ6a、6b、6cがそれぞれ配置されている。永久磁石板7には反射ミラー7mが設けられている。反射ミラー7mは波長1310nmにおいて透過、波長1550nm帯波長において全反射するように設計されており、波長選択性を有している。永久磁石板7の回動軸8は、入力側光ファイバ5aと透過出力側光ファイバ5bとの間の平行光L1 の光路の外側かつ、回動時に平行光L1 を横断することができるような位置に配置されている。
【0008】
図6(A)では、入力側光ファイバ5aより出力される波長1310nmの光信号LS1と波長1550nmの光信号LS2とが波長多重された光信号を球レンズ6aによって平行光L1 に変換する。透過状態においては、平行光L1 は球レンズ6bに入射し、透過出力側光ファイバ5bに結合する。このとき、ミラー付永久磁石板7はそれ自身の磁力により電磁石9aに引き寄せられた状態で位置P1に保持されている。
【0009】
図6(B)では、電磁石9a及び電磁石9bに通電し、電磁石9aにミラー付永久磁石板7の接触部分の極性と同極を誘起させると共に、電磁石9bにミラー付永久磁石板7の接触部分と反対極性を誘起させ、ミラー付永久磁石板7を、回動軸8を中心にして透過位置P1から波長分岐位置P2まで回動させる。ミラー付永久磁石板7が波長分岐位置P2に回動すると、波長1310nmの光信号LS1は透過出力側光ファイバ5bへ、波長1550nmの光信号LS2のみが反射ミラー7mで反射されて光路L2 を通って反射出力側光ファイバ5cへスイッチされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の光スイッチは、波長1310nmの光信号LS1と波長1550nmの光信号LS2とが波長多重された光信号を全て透過出力側光ファイバ5bに結合するか、または、波長1310nmの光信号LS1と波長1550nmの光信号LS2とに分岐する機能しか有さず、各光ファイバ5b、5cの波長1310nmの光信号LS1と波長1550nmの光信号LS2とを入れ替えることができず、一度の動作で回線の交換等の高度な処理を行うことができず、回線の交換を行うためには同様な複数のミラー付永久磁石板7を経由する必要があり、光スイッチが大型化し、動作も遅くなる問題がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、製造が容易で機能性が高くかつコンパクトな光スイッチを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る光スイッチは、回転中心10aに対して回動可能に取り付けられ回転中心10aに対して互いにほぼ回転対称となる位置に光が当たる2面の当光面11a、12aが回転方向に対して略垂直に配設され第一の所定位置PA1および第二の所定位置PA2で固定可能であり、透明プリズムを貼り付けて対向する表面に当光面11a、12aを配設させた基体10と、基体10の一方の当光面11aに設けられた第一波長λ1選択透過機能及び第二波長λ2選択反射機能を有する第一多層膜11と、基体10の当光面12aに設けられた第二波長λ2選択透過機能及び第一波長λ1選択反射機能を有する第二多層膜12と、基体10を回転駆動する回転駆動手段13と、第一の所定位置PA1または第二の所定位置PA2に固定された基体10の第一多層膜11または第二多層膜12に対して所定の角度から光信号SG1を入射する入射光路14と、第一多層膜11または第二多層膜12の透過光信号TS1を導く透過光路15及び/または第一多層膜11または第二多層膜12の反射光信号RS1を導く反射光路16とを備え、回転中心10aが第一入射光路14、第一透過光路15、第一反射光路16に囲まれた空間に位置してなり、第一の所定位置PA1に固定された基体10の第一多層膜11に対して入射光路14から第一波長λ1及び第二波長λ2が合波した光信号SG1を入射した際に、第一波長λ1を有する透過光信号TS1aと第二波長λ2を有する反射光信号RS1aとに分岐し、かつ、第二の所定位置PA2に固定された基体10の第二多層膜12に対して入射光路14から第一波長λ1及び第二波長λ2が合波した光信号SG1を入射した際に、第二波長λ2を有する透過光信号と第一波長λ1を有する反射光信号RS1bとに分岐することを特徴とする。
【0013】
本発明に使用する基体としては、屈折率が1.46の石英ガラス、屈折率が1.52のBK−7等の光学ガラス、均質なホウ珪酸ガラス等の材質からなる直角プリズムの長辺を対向させ貼り付けたもの等が使用可能である。
【0014】
第一波長選択透過機能及び第二波長選択反射機能を有する第一多層膜と、第二波長選択透過機能及び第一波長選択反射機能を有する第二多層膜としては、例えば、光通信に使用される波長1310nmの光信号と、波長1550nmのそれぞれの光信号に対してそれぞれ波長選択透過機能及び波長選択反射機能を有するようなものであれば使用可能である。なお、第一波長、第二波長は特定の単色レーザー光に限らず、フィルタにより選択可能な第一波長群、第二波長群でもよい。また、多層膜の構成としては、ガラス材質上にTiO2、Ta2O5等の高屈折率材料の膜とMgF2、SiO2、Al2O3 等の低屈折率材料の膜とが互いに所定の膜厚で数十層程度積層されていれば波長選択透過機能及び波長選択反射機能を有する多層膜を形成することが可能であり、例えば、BK−7からなる基体では、その当光面上に高屈折率材料の膜としてTa2O5、低屈折率材料の膜としてAl2O3を交互に5〜100層程度成膜したもの等が適している。
【0015】
基体を回転駆動する回転駆動手段としては、手動によるもの、永久磁石や電磁石等の磁力を用いたもの、小型ギアモーター等を使用したもの、リニアモータと歯車を組み合わせたもの等が使用可能である。
【0016】
入射光路としては、光ファイバ等の光導波路からの光信号をほぼ平行光にして、基体の第一多層膜または第二多層膜に対して約45°等所定の角度から光信号を入射するものであれば使用可能である。接続効率を考慮すると斜め研磨仕上げされ、かつ、反射防止膜が形成された光ファイバと反射防止膜が形成されたGRINレンズや球面レンズ等により構成されたコリメータ等が適している。
【0017】
出射光路である透過光路または反射光路としては、ほぼ平行光として出射される第一多層膜または第二多層膜の透過光信号または第一多層膜または第二多層膜の反射光信号を、集光して光ファイバ等の光導波路へ導くものであれば使用可能である。接続効率を考慮すると斜め研磨仕上げされ、かつ、反射防止膜が形成された光ファイバと反射防止膜が形成されたGRINレンズや球面レンズ等により構成されたコリメータが適している。
【0018】
また、本発明の光スイッチは、回転中心に対して回動可能に取り付けられ該回転中心に対して互いにほぼ回転対称となる位置に光が当たる2面の当光面が回転方向に対して略垂直に配設され第一の所定位置および第二の所定位置で固定可能であり、透明プリズムを貼り付けて対向する表面に前記当光面を配設させた基体と、該基体の一方の当光面に設けられた第一及び第四波長選択透過機能および第二及び第三波長選択反射機能を有する第一多層膜と、該基体の他方の当光面に設けられた第二及び第三波長選択透過機能および第一及び第四波長選択反射機能を有する第二多層膜と、前記基体を回転駆動する回転駆動手段と、該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜または第二多層膜に対して所定の角度から光信号を入射する第一入射光路と、該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜または第一多層膜に対して所定の角度から光信号を入射する第二入射光路と、第一入射光路から入射され該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された第一多層膜または第二多層膜の透過光信号を導く第一透過光路と、第二入射光路から入射され該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された第二多層膜または第一多層膜の透過光信号を導く第二透過光路と、及び/または第一多層膜または第二多層膜のそれぞれの反射光信号を導く第一反射光路と第二反射光路とを備えてなり、第一の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜に対して第一入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第一波長を有する透過光信号と第二波長を有する反射光信号とに分岐すると共に、第一の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜に対して第二入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第三波長を有する透過光信号と第四波長を有する反射光信号とに分岐し、かつ、第二の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜に対して第一入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第二波長を有する透過光信号と第一波長を有する反射光信号とに分岐すると共に、第二の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜に対して第二入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第四波長を有する透過光信号と第三波長を有する反射光信号とに分岐することを特徴とする。
【0019】
第一入射光路としては、第一の所定位置または第二の所定位置に固定された基体の第一多層膜または第二多層膜に対して所定の角度から光信号を入射することが可能であればよい。また、接続効率を考慮すると第一入射光路には、斜め研磨仕上げされ、かつ、反射防止膜が形成された光ファイバと反射防止膜が形成されたGRINレンズや球面レンズ等により構成されたコリメータが適している。
【0020】
第二入射光路としては、第一の所定位置または第二の所定位置に固定された基体の第二多層膜または第一多層膜に対して所定の角度から光信号を入射することが可能であればよい。また、接続効率を考慮すると第二入射光路には、斜め研磨仕上げされ、かつ、反射防止膜が形成された光ファイバと反射防止膜が形成されたGRINレンズや球面レンズ等により構成されたコリメータが適している。
【0021】
第一波長または第二波長の出射光路である第一透過光路または第一反射光路としては、ほぼ平行光として出射される第一多層膜または第二多層膜の透過光信号または第二多層膜または第一多層膜の反射光信号を、集光して光ファイバ等の光導波路へ導くものであれば使用可能である。接続効率を考慮すると斜め研磨仕上げされ、かつ、反射防止膜が形成された光ファイバと反射防止膜が形成されたGRINレンズや球面レンズ等により構成されたコリメータが適している。
【0022】
第三波長または第四波長の出射光路である第二透過光路または第二反射光路としては、ほぼ平行光として出射される第二多層膜または第一多層膜の透過光信号または第一多層膜または第二多層膜の反射光信号を、集光して光ファイバ等の光導波路へ導くものであれば使用可能である。接続効率を考慮すると斜め研磨仕上げされ、かつ、反射防止膜が形成された光ファイバと反射防止膜が形成されたGRINレンズや球面レンズ等により構成されたコリメータが適している。
【0023】
【作用】
本発明に係る光スイッチは、回転中心に対して回動可能に取り付けられ該回転中心に対して互いにほぼ回転対称となる位置に光が当たる2面の当光面が回転方向に対して略垂直に配設され第一の所定位置および第二の所定位置で固定可能な基体と、該基体の一方の当光面に設けられた第一波長選択透過機能及び第二波長選択反射機能を有する第一多層膜と、該基体の他方の当光面に設けられた第二波長選択透過機能及び第一波長選択反射機能を有する第二多層膜と、該基体を回転駆動する回転駆動手段と、該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された該基体の第一多層膜または第二多層膜に対して所定の角度から光信号を入射する入射光路と、第一多層膜または第二多層膜の透過光信号を導く透過光路及び/または第一多層膜または第二多層膜の反射光信号を導く反射光路とを備えてなり、第一の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜に対して入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第一波長を有する透過光信号と第二波長を有する反射光信号とに分岐し、かつ、第二の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜に対して入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第二波長を有する透過光信号と第一波長を有する反射光信号とに分岐するので、1回の第一の位置から第二の位置への回転作動により波長が多重された入射光を二つの出射光路に切り替えることができる1×2型光スイッチを構成することが可能となる。
【0024】
本発明に係る光スイッチは、回転中心に対して回動可能に取り付けられ該回転中心に対して互いにほぼ回転対称となる位置に光が当たる2面の当光面が回転方向に対して略垂直に配設され第一の所定位置および第二の所定位置で固定可能な基体と、該基体の一方の当光面に設けられた第一及び第四波長選択透過機能および第二及び第三波長選択反射機能を有する第一多層膜と、該基体の他方の当光面に設けられた第二及び第三波長選択透過機能および第一及び第四波長選択反射機能を有する第二多層膜と、前記基体を回転駆動する回転駆動手段と、該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜または第二多層膜に対して所定の角度から光信号を入射する第一入射光路と、該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜または第一多層膜に対して所定の角度から光信号を入射する第二入射光路と、第一入射光路から入射され該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された第一多層膜または第二多層膜の透過光信号を導く第一透過光路と、第二入射光路から入射され該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された第二多層膜または第一多層膜の透過光信号を導く第二透過光路と、及び/または第一多層膜または第二多層膜のそれぞれの反射光信号を導く第一反射光路と第二反射光路とを備えてなり、第一の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜に対して第一入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第一波長を有する透過光信号と第二波長を有する反射光信号とに分岐すると共に、第一の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜に対して第二入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第三波長を有する透過光信号と第四波長を有する反射光信号とに分岐し、かつ、第二の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜に対して第一入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第二波長を有する透過光信号と第一波長を有する反射光信号とに分岐すると共に、第二の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜に対して第二入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第四波長を有する透過光信号と第三波長を有する反射光信号とに分岐するので、第一の位置から第二の位置への1回の回転作動により、波長が多重されたそれぞれ二つの入射光をそれぞれ二つの出射光路に切り替えることができる2×2型光スイッチを構成することが可能となる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
【0026】
図1は本発明に係る1×2型の光スイッチの一実施例であり、図1(A)は第一の位置PA1の状態を示し、図1(B)は第二の位置PA2の状態をそれぞれ示している。
【0027】
図1(A)において、本発明の1×2型の光スイッチは、対向配置された光学ガラスのBK−7からなる直角プリズムからなり、回転中心10aに対して回動可能に取り付けられて2カ所の所定位置PA1、PA2で固定可能な基体10と、基体10の回転中心10aに対して互いにほぼ回転対称となる基体10の回転方向に対して略垂直な直角プリズムの対向する表面に当光面11a、12aが配設され、当光面11aに波長が1310nmの波長λ1選択透過機能及び波長が1550nmの波長λ2選択反射機能を有する第一多層膜11が設けられ、当光面12aに波長が1550nmの波長λ2選択透過機能及び波長が1310nmの波長λ1選択反射機能を有する第二多層膜12が設けられており、基体10を回転駆動する回転駆動手段13と、第一の位置PA1または第二の位置PA2に固定された基体10の第一多層膜11または第二多層膜12に対して45°の角度から光信号SG1を入射する第一入射光路14と、第一多層膜11または第二多層膜12の透過光信号TS1を導く第一透過光路15と、第一多層膜11または第二多層膜12の反射光信号RS1を導く第一反射光路16とを備えてなり、第一の位置PA1に固定された基体10の第一多層膜11に対して第一入射光路14から波長λ1及び波長λ2のレーザー光が合波した光信号SG1を入射した際に、波長λ1を有する透過光信号TS1aと波長λ2を有する反射光信号RS1aとに分岐し、かつ、第二の位置PA2に固定された基体10の第二多層膜12に対して第一入射光路14から波長λ1及び波長λ2のレーザー光が合波した光信号SG1を入射した際に、波長λ2を有する透過光信号TS1bと波長λ1を有する反射光信号RS1bとに分岐する。即ち、基体10を、図1(A)の第一の位置PA1から図1(B)の第二の位置PA2へ1回の回転作動をさせることにより、波長λ1及び波長λ2のレーザー光が合波した光信号SG1を第一透過光路15と第一反射光路16の二つの出射光路へ切り替えることができる。
【0028】
図2に第一多層膜11の光透過率特性を、また、図3に第二多層膜12の光透過率特性をそれぞれ示す。図2の第一多層膜11は、波長が1310nmの波長λ1の光を99%以上透過し、波長が1550nmの波長λ2の光を1%以下透過、即ち、99%以上反射するものであり、図3の第二多層膜12は、波長が1550nmの波長λ2の光を99%以上透過し、波長が1310nmの波長λ1の光を1%以下透過、即ち、99%以上反射するものである。BK−7からなる基体10では、その当光面上に高屈折率材料の膜としてTa2O5、低屈折率材料の膜としてAl2O3を交互に100層程度成膜することにより、このような光学特性が得られる。
【0029】
図4は、基体10を回転駆動する回転駆動手段13の一例を示すものである。回転駆動手段13は、基体10に付設されたギア10bに歯合する直線状の歯13b及び駆動用のコイル13cとを備えた図示しない直動レール上に配置された直動部13aと、基体10が第一の位置PA1に位置するように直動部13aを固定するストッパ13dと、直動部13aをストッパ13dに引きつける引きバネ13eと、駆動用のコイル13cにより発生ずる磁力に対して反発力または引力を生じさせて直動部13aを動かす磁石13fと、基体10が第二の位置PA2に位置するように直動部13aを固定するストッパ13gとからなる。この回転駆動手段13は、第一の位置PA1に位置する基体10に付設されたギア10bに歯合する直線状の歯13b及び駆動用のコイル13cとを備えた図示しない直動レール上に配置された直動部13aの駆動用のコイル13cに電流を流すことにより、磁石13fの反発力で直動部13aがストッパ13gまで前進してストッパ13gに当接すると、直線状の歯13bに歯合するギア10bにより基体10が回転駆動されて、第二の位置PA2に至る。また、電流を止めると引きバネ13eにより、直動部13aが引き戻されて基体10は第一の位置PA1に戻るようになっている。
【0030】
図5は本発明に係る2×2型の光スイッチの一実施例であり、図5(A)は第一の位置PA1の状態を示し、図5(B)は第二の位置PA2の状態をそれぞれ示している。
【0031】
図5(A)において、本発明の2×2型の光スイッチは、対向配置された光学ガラスのBK−7からなる直角プリズムからなり、回転中心10aに対して回動可能に取り付けられて2カ所の所定位置PA1、PA2で固定可能な基体10と、基体10の回転中心10aに対して互いにほぼ対称となる位置に基体10の回転方向に対して略垂直な直角プリズムの対向する表面に当光面11a、12aが配設され、当光面11aにλ1およびλ4波長選択透過機能及びλ2およびλ3波長選択反射機能を有する第一多層膜11が設けられ、当光面12aにλ2およびλ3波長選択透過機能及びλ1およびλ4波長選択反射機能を有する第二多層膜12が設けられており、基体10を回転駆動する回転駆動手段13と、第一の位置PA1または第二の位置PA2に固定された基体10の第一多層膜11または第二多層膜12に対して45°の角度から光信号SG1を入射する第一入射光路14と、第一の所定位置PA1または第二の位置PA2に固定された基体10の第二多層膜11または第一多層膜12に対して45°の角度から光信号SG2を入射する第二入射光路17と、第一入射光路14から入射され第一の位置PA1または第二の位置PA2に固定された第一多層膜11または第二多層膜12の透過光信号TS1を導く第一透過光路15と、第二入射光路17から入射され第一の位置PA1または第二の位置PA2に固定された第二多層膜12または第一多層膜11の透過光信号TS2を導く第二透過光路18と、第一多層膜11または第二多層膜12のそれぞれの反射光信号RS1、RS2を導く第一反射光路16、第二反射光路19とを備えてなり、第一の位置PA1に固定された基体10の第一多層膜11に対して第一入射光路14からλ1波長及びλ2波長のレーザー光が合波した光信号SG1を入射した際に、λ1波長を有する透過光信号TS1aとλ2波長を有する反射光信号RS1aとに分岐すると共に、第一の所定位置PA1に固定された基体10の第二多層膜12に対して第二入射光路17から波長が1310nmのλ3波長及び波長が1550nmのλ4波長のレーザー光が合波した光信号SG2を入射した際に、λ3波長を有する透過光信号TS2aとλ4波長を有する反射光信号RS2aとに分岐し、かつ、第二の所定位置PA2に固定された基体10の第二多層膜12に対して第一入射光路14からλ1波長及びλ2波長のレーザー光が合波した光信号SG1を入射した際に、λ2波長を有する透過光信号TS1bとλ1波長を有する反射光信号RS1bとに分岐すると共に、第二の位置PA2に固定された基体10の第一多層膜11に対して第二入射光路17からλ3波長及びλ4波長のレーザー光が合波した光信号SG2を入射した際に、λ4波長を有する透過光信号TS2bとλ3波長を有する反射光信号RS2bとに分岐する。即ち、基体10を、図5(A)の第一の位置PA1から図5(B)の第二の位置PA2へ1回の回転作動をさせることにより、λ1波長及びλ2波長のレーザー光が合波した光信号SG1及び、λ3波長及びλ4波長のレーザー光が合波した光信号SG2を第一透過光路15と第一反射光路16及び第二透過光路18と第二反射光路19のそれぞれ二つの出射光路へ切り替えることができる。
【0032】
なお、上記実施の形態では説明を簡単にするためλ1とλ4、λ2とλ3を同じ波長としたが、これに限らず、他の波長でもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上請求項1に記載の発明によれば、光学系が簡潔でコンパクトであり、かつ1回の第一の位置から第二の位置への回転作動により波長が多重された入射光を二つの出射光路に切り替えることができる高速切り替えが可能な1×2型光スイッチを実現することができる。
【0034】
また、請求項2に記載の発明によれば、二つの入射光を四つの出射光路に切り替えることができる高速切り替えが可能な2×2型光スイッチを実現することが可能となる光通信網を構築する上で優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に記載の光スイッチの動作原理を説明する説明図。
【図2】第一多層膜の一例の光学特性を説明するグラフ。
【図3】第二多層膜の一例の光学特性を説明するグラフ。
【図4】基体を回転駆動する回転駆動手段の説明図。
【図5】本発明の請求項2に記載の光スイッチの動作原理を説明する説明図。
【図6】従来の光スイッチの例を示す説明図。
【符号の説明】
10 基体
10a 回転中心
10b ギア
11 第一多層膜
11a、12a 当光面
12 第二多層膜
13 回転駆動手段
13a 直動部
13b 直線状の歯
13c 駆動用のコイル
13d ストッパ
13e 引きバネ
13f 磁石
13g ストッパ
14 第一入射光路
15 第一透過光路
16 第一反射光路
17 第二入射光路
18 第二透過光路
19 第二反射光路
PA1 第一の位置
PA2 第二の位置
SG1、SG2 光信号
TS1、TS2 透過光信号
RS1、RS2 反射光信号
λ1 第一波長
λ2 第二波長
λ3 第三波長
λ4 第四波長
Claims (3)
- 回転中心10aに対して回動可能に取り付けられ回転中心10aに対して互いにほぼ回転対称となる位置に光が当たる2面の当光面11a、12aが回転方向に対して略垂直に配設され第一の所定位置PA1および第二の所定位置PA2で固定可能であり、透明プリズムを貼り付けて対向する表面に当光面11a、12aを配設させた基体10と、基体10の一方の当光面11aに設けられた第一波長λ1選択透過機能及び第二波長λ2選択反射機能を有する第一多層膜11と、基体10の当光面12aに設けられた第二波長λ2選択透過機能及び第一波長λ1選択反射機能を有する第二多層膜12と、基体10を回転駆動する回転駆動手段13と、第一の所定位置PA1または第二の所定位置PA2に固定された基体10の第一多層膜11または第二多層膜12に対して所定の角度から光信号SG1を入射する入射光路14と、第一多層膜11または第二多層膜12の透過光信号TS1を導く透過光路15及び/または第一多層膜11または第二多層膜12の反射光信号RS1を導く反射光路16とを備え、回転中心10aが第一入射光路14、第一透過光路15、第一反射光路16に囲まれた空間に位置してなり、第一の所定位置PA1に固定された基体10の第一多層膜11に対して入射光路14から第一波長λ1及び第二波長λ2が合波した光信号SG1を入射した際に、第一波長λ1を有する透過光信号TS1aと第二波長λ2を有する反射光信号RS1aとに分岐し、かつ、第二の所定位置PA2に固定された基体10の第二多層膜12に対して入射光路14から第一波長λ1及び第二波長λ2が合波した光信号SG1を入射した際に、第二波長λ2を有する透過光信号と第一波長λ1を有する反射光信号RS1bとに分岐することを特徴とする光スイッチ。
- 回転中心に対して回動可能に取り付けられ該回転中心に対して互いにほぼ回転対称となる位置に光が当たる2面の当光面が回転方向に対して略垂直に配設され第一の所定位置および第二の所定位置で固定可能であり、透明プリズムを貼り付けて対向する表面に前記当光面を配設させた基体と、該基体の一方の当光面に設けられた第一及び第四波長選択透過機能および第二及び第三波長選択反射機能を有する第一多層膜と、該基体の他方の当光面に設けられた第二及び第三波長選択透過機能および第一及び第四波長選択反射機能を有する第二多層膜と、前記基体を回転駆動する回転駆動手段と、該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜または第二多層膜に対して所定の角度から光信号を入射する第一入射光路と、該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜または第一多層膜に対して所定の角度から光信号を入射する第二入射光路と、第一入射光路から入射され該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された第一多層膜または第二多層膜の透過光信号を導く第一透過光路と、第二入射光路から入射され該第一の所定位置または該第二の所定位置に固定された第二多層膜または第一多層膜の透過光信号を導く第二透過光路と、及び/または第一多層膜または第二多層膜のそれぞれの反射光信号を導く第一反射光路と第二反射光路とを備えてなり、
第一の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜に対して第一入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第一波長を有する透過光信号と第二波長を有する反射光信号とに分岐すると共に、第一の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜に対して第二入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第三波長を有する透過光信号と第四波長を有する反射光信号とに分岐し、かつ、第二の所定位置に固定された前記基体の第二多層膜に対して第一入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第二波長を有する透過光信号と第一波長を有する反射光信号とに分岐すると共に、第二の所定位置に固定された前記基体の第一多層膜に対して第二入射光路から複数波長が合波した光信号を入射した際に、第四波長を有する透過光信号と第三波長を有する反射光信号とに分岐することを特徴とする光スイッチ。 - 第一多層膜及び第二多層膜は、高屈折率材料の膜と低屈折率材料の膜とが交互に成膜されたものであり、第一多層膜は、第一波長の光を99%以上透過する選択透過機能または第一及び第四波長の光を99%以上透過する選択透過機能を有し、第二多層膜は、第二波長の光を99%以上反射する選択反射機能または第二及び第三波長の光を99%以上反射する選択反射機能を有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光スイッチ。
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