JP3932467B2 - 触媒の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はルテニウムおよびオスミウムカルベン触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
歪みのかかった環式オレフィンの熱メタセシス重合は、最近大きな重要性を獲得してきているが、主に遷移金属化合物である触媒を必要とする。しかるに、最初に、触媒および共触媒からなる系が通常使用され(例えば、US 4060468およびWO 93/13171を見よ。)、一成分触媒もまた既知である[Thoi, H.H., Ivin, K.J., Rooney, J.J., J. Mol. Catal. 15:245−270(1982)]。より最近にあっては、いわゆる”金属カルベン”、金属原子に結合した=CR’R”基を有するルテニウムおよびオスミウム化合物が、その用途について特に興味深い化合物であることが見いだされた[WO 93/20111、Kanaoka, S., Grubbs, R.H., Macromolecules 28:4707−4713(1995)、Fraser, C., Hillmyer, M., Gutierrez, E., Grubbs, R.H., Polym. Prepr. 36:237−238(1995)、Schwab, P., France, M.B., Ziller, J.W.,Grubbs, R.H., Angew. Chem. 107:2179−2181(1995)]。
【0003】
その種の化合物はまた、ジエンにおける閉環に触媒として働かせることにも適している(WO 96/04289)。
Schwab et al.[Schwab, P., Grubbs, R.H., Ziller, J.W., J. Am. Chem. Soc.118:100−110(1996)、Schwab, P., France, M.B., Ziller, J.W., Grubbs, R.H.,Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 34:2039−2041(1995)]は、ジアゾアルカンを使用するルテニウムカルベンの合成を記載している。WO 96/04289において、シクロプロペンを使用するビニル−ルテニウムカルベンの合成が開示されている。ジアゾアルカンおよびシクロプロペンの双方は熱的に不安定で、また市販で入手可能でない。従って最初にそれらを合成の少し前に複雑な方法において製造する必要がある。さらに、ジアゾアルカンは一般に毒性で、またそれらの爆発性のために取り扱いが難しい。
【0004】
Grunwald et al.[Grunwald, C., Gevert, O., Wolf, J., Gonzalez−Herrero, P., Werner, H., Organometallics 15:1960−1962(1996)]は、アルキン、ホスフィンの100%過剰およびH2 圧力を使用するルテニウムカルベン触媒の製造を記載している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したようなルテニウムおよびオスミウムカルベンの容易または経済的な製造方法を開発する必要性がなお存在する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、ルテニウムおよびオスミウムカルベンが、簡単に入手可能なルテニウムまたはオスミウム塩およびアルキンおよび、所望にアルケンを使用して非常に良く合成されることができることが今や見いだされた。本発明の方法において、H2 の使用は不要である。前記方法は常圧および水の存在下で実行されることができる。さらに熱的に不安定なシクロプロペンまたはジアゾアルカン化合物は使用されない。市販で入手可能な、低価格の試薬のみが使用される。Grunwald et al.[Grunwald, C., Gevert, O., Wolf, J., Gonzalez−Herrero, P., Werner, H., Organometallics 15:1969−1962(1996)]によって記載された方法との比較において、反応はより素早く進行し、より少ないホスフィン/ルテニウムが使用されまた収率は全く高い。
【0007】
本発明の方法によって製造される化合物は、触媒として環式オレフィンの重合においておよびジエンの閉環において極めて適している。
【0008】
本発明は第一に、次式I
【化5】
[式中、X 01およびX02はそれぞれ互いに独立してハロゲン原子を表し、T1 およびT2 はそれぞれ互いに独立して第三ホスフィンを表すか、またはT1 およびT2 は一緒になってジ第三ジホスフィンを表し、またT3 は水素原子、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし8のシクロアルキル基、酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群より選択された1または2個のヘテロ原子を有する炭素原子数3ないし7のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、または酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群より選択された1ないし3個のヘテロ原子を有する炭素原子数4ないし15のヘテロアリール基を表し、ここで該アルキル基、該シクロアルキル基、該ヘテロシクロアルキル基、該アリール基および該ヘテロアリール基は未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、−NO2 もしくはハロゲン原子によって置換されている。]で表される触媒として有用な化合物の製造方法であって、次式II
【化6】
[式中、X 01およびX02は上述で定義されたものを表し、L1 、L2 、L3 およびL4 はそれぞれ互いに独立して中性配位子を表し、またnは0または1を表す。]で表される金属塩を、最初に塩基および第二または第三アルコールの存在下で第三ホスフィンまたはジ第三ジホスフィンと反応させ、そしてその後酸の存在下で次式III
【化7】
[式中、T3 は上述で定義されたものを表す。]で表されるアルキンと反応させることからなる方法に関する。
【0010】
本発明によれば、ハロゲン原子はF、Cl、BrまたはIである。式IにおけるX01およびX02は好ましくはF、ClまたはBr、特にClまたはBrを表し、またより特にそれぞれClを表す。第三ホスフィンおよびジ第三ジホスフィンは好ましくは3ないし40個、特に3ないし30個、またより特に3ないし24個の炭素原子を含む。
【0011】
第三ホスフィンおよびジ第三ジホスフィンは好ましくは次式IVおよびIVa
【化8】
[式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし11のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、炭素原子数2ないし15のヘテロアリール基または炭素原子数7ないし16のアラルキル基を表し、ここで該アルキル基、該シクロアルキル基、該ヘテロシクロアルキル基、該アリール基、該ヘテロアリール基および該アラルキル基は未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、−NO2 、SO3 -、アンモニウム基およびハロゲン原子からなる群より選択された置換基によって置換されているか、または基R1 およびR2 は一緒になって未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換されたテトラ−またはペンタ−メチレン基を表すか、または未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換されかつ1または2個の1,2−フェニレン基と縮合したテトラ−またはペンタ−メチレン基を表し、またR3炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし11のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、炭素原子数2ないし15のヘテロアリール基または炭素原子数7ないし16のアラルキル基を表し、ここで該アルキル基、該シクロアルキル基、該ヘテロシクロアルキル基、該アリール基、該ヘテロアリール基および該アラルキル基は未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、−NO 2 、SO 3 - 、アンモニウム基およびハロゲン原子からなる群より選択された置換基によって置換されており、またZは直鎖または分岐した、未置換または炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された炭素原子数2ないし12のアルキレン基、4ないし8個の炭素原子を有する未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された1,2−または1,3−シクロアルキレン基、5または6個の環構成員およびO原子並びにN原子の群からの1個のヘテロ原子を有する未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された1,2−または1,3−ヘテロシクロアルキレン基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された1,2−フェニレン基、1−メチレン−フェニ−2−イル基、1,2−ジメチレンベンゼン基または未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された2,2'−ビフェニレン基を表す。]に相当する。
【0012】
1 、L2 、L3 およびL4 の定義における中性配位子は、好ましくは炭素原子数2ないし12のアルケン、炭素原子数3ないし12のシクロアルケン、炭素原子数6ないし14のアレーン、炭素原子数4ないし12のヘテロアレーン、エーテル、ホスフィン、ホスフィット、ニトリル、イソニトリル、ジアルキルスルホキシド、H2 Oまたはアミンである。
【0013】
アルキル基の例はメチル基、エチル基およびプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基並びにドデシル基の異性体である。アリール置換されたアルキル基の例はベンジル基である。アルコキシ基の例はメトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基並びにブトキシ基の異性体である。アルキレン基の例はメチレン基、エチレン基およびプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基並びにドデシレン基の異性体である。
【0014】
アルケンの例はエチレン、プロペン、ブテン、ブタジエン、ペンテンおよびペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、ノナジエン、デカジエンの異性体およびヘキサトリエンおよびヘプタトリエン、オクタトリエン、ノナトリエン並びにデカトリエンの異性体である。
【0015】
シクロアルキル基のいくつかの例はシクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基および特にシクロペンチル基およびシクロヘキシル基である。置換されたシクロアルキル基の例はメチル−、ジメチル−、トリメチル−、メトキシ−、ジメトキシ−、トリメトキシ−、トリフルオロメチル−、ビストリフルオロメチル−およびトリストリフルオロメチル−シクロペンチル基および−シクロヘキシル基である。シクロアルキレン基の例は1,2−並びに1,3−シクロペンチレン基および1,2−並びに1,3−シクロヘキシレン基である。
【0016】
シクロアルケンの例はシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンおよびシクロオクタジエン並びにシクロオクタテトラエンの異性体およびビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエンである。
【0017】
ヘテロシクロアルキル基のいくつかの例はテトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基およびテトラヒドロチオフェニル基である。ヘテロシクロアルキレン基の例は1,2−並びに1,3−ピロリジン基、1,2−並びに1,3−ピペリジン基および1,2−並びに1,3−テトラヒドロフラン基である。
【0018】
アリール基の例はフェニル基およびナフチル基である。アリールオキシ基の例はフェニルオキシ基およびナフチルオキシ基である。置換アリール基の例はメチル−、ジメチル−、トリメチル−、メトキシ−、ジメトキシ−、トリメトキシ−、トリフルオロメチル−、ビストリフルオロメチル−およびトリストリフルオロメチル−フェニル基である。アラルキル基の例はベンジル基である。置換されたアラルキル基の例はメチル−、ジメチル−、トリメチル−、メトキシ−、ジメトキシ−、トリメトキシ−、トリフルオロメチル−、ビストリフルオロメチル−およびトリスフルオロメチル−ベンジル基である。ヘテロアリール基のいくつかの例はフラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、ピリジニル基およびピリミジニル基である。
【0019】
アレーンおよびヘテロアレーンは、例えばベンゼン、クメン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、クリセン、フルオラントレン、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、γ−ピラン、γ−チオピラン、ピリミジン、ピラジン、インドール、クマロン、チオナフテン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、オキサゾール、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、キノリン、イソキノリン、アクリジン、クロメン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、トリアジン、チアントレンまたはプリンである。
【0020】
本発明の範囲内のニトリルおよびイソニトリルは式R9 −CNまたはR9 −NC[式中、R9 は炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし8のシクロアルキル基、
酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群より選択された1または2個のヘテロ原子を有する炭素原子数3ないし7のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、または
酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群から選択された1ないし3個のヘテロ原子を有する炭素原子数4ないし15のヘテロアリール基を表し、
ここで該アルキル基、該シクロアルキル基、該ヘテロシクロアルキル基、該アリール基および該ヘテロアリール基は未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、−NO2 またはハロゲン原子によって置換されている。]で表される化合物である。
【0021】
ジアルキルスルホキシドの例はジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシドおよびペンタメチレンスルホキシドである。
エーテルの例はジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルまたはジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルまたはジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびトリエチレングリコールジメチルエーテルである。
【0022】
本発明の範囲内において、アミンは式R101112N、およびアンモニウム基は式R101112+ [各式中、R10、R11およびR12はそれぞれ互いに独立してハロゲン原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された炭素原子数5または炭素原子数6のシクロアルキル基、または未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された炭素原子数6ないし18のアリール基または炭素原子数7ないし12のアラルキル基を表すか、またはR10およびR11は一緒になってテトラメチレン基、ペンタメチレン基、3−オキサ−1,5−ペンチレン基または−[CH22 NH[CH22 −または−[CH22 N(炭素原子数1ないし4のアルキル)−[CH22 −基を表し、またR12は独立したR10の定義を有する。]に相当する。該アルキル基は好ましくは1ないし12個、また特に1ないし6個の炭素原子を含む。該アリール基は好ましくは6ないし12個の炭素原子を含み、また該アラルキル基は好ましくは7ないし9個の炭素原子を含む。アミンの例はメチル−、ジメチル−、トリメチル−、エチル−、ジエチル−、トリエチル−、メチル−エチル−、ジメチル−エチル−、n−プロピル−、ジ−n−プロピル−、トリ−n−ブチル−、シクロヘキシル−、フェニル−およびベンジル−アミン、およびピロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンおよびN−メチルモルホリンである。
【0023】
基R1 、R2 およびR3 は好ましくは同一の基である。さらに、例えば環式または分岐、特にα,α−二分岐、またより特にα−分岐のような、立体的な要求があるアルキル基である基R1 、R2 およびR3 が、最も特に好まれる。
1 、R2 およびR3 が置換されているとき、置換基は好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、SO3 -またはアンモニウム基である。ハロゲン原子は好ましくはCl、また特にFである。好ましい置換基の例はメチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基およびトリフルオロメチル基である。R1 、R2 およびR3 は、例えば1ないし3個の置換基によって置換され得る。
【0024】
アルキル基としてのR1 、R2 およびR3 は直鎖または分岐であり得、また好ましくは1ないし12個、特に1ないし8個、またより特に1ないし6個の炭素原子を含む。好ましい例はメチル基、エチル基、n−およびiso−プロピル基、n−、iso−、第二−および第三−ブチル基、1−、2−または3−ペンチル基および1−、2−、3−または4−ヘキシル基である。立体的な要求がある分岐アルキル基が特に好まれる。
【0025】
1 、R2 およびR3 がシクロアルキル基を表すとき、それらは好ましくは炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基、また特に炭素原子数5または炭素原子数6のシクロアルキル基である。
1 、R2 およびR3 がアリール基を表すとき、それらは好ましくは炭素原子数6ないし12のアリール基、また特にフェニル基またはナフチル基である。
1 、R2 およびR3 がアラルキル基を表すとき、それらは好ましくは炭素原子数7ないし13のアラルキル基であって、アラルキル基におけるアルキレン基は好ましくはメチレン基である。アラルキル基は特にベンジル基である。
【0026】
未置換または置換され、また場合によって縮合され得るリン原子に結合するテトラ−およびペンタ−メチレン基の例は、次式
【化17】
で表される基である。
他の適したホスフィンは6ないし8個の環炭素原子を有し=PR4 によって架橋された環式脂肪族であり、例えば次式
【化18】
[式中、R4 は炭素原子数1ないし6のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、または未置換または1もしくは2個の炭素原子数1ないし4のアルキル置換基によって置換されたフェニル基を表す。]で表されるものである。
【0027】
直鎖または分岐したアルキレン基としてのZは好ましくは2ないし6個の炭素原子を有する1,2−アルキレン基または1,3−アルキレン基、例えばエチレン基、1,2−プロピレン基または1,2−ブチレン基である。
【0028】
式IV[式中、R1 、R2 およびR3 はそれぞれ互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基または炭素原子数6ないし16のアリール基を表し、ここで該アルキル基、該シクロアルキル基および該アリール基は未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、−NO2 、SO3 -、アンモニウム基およびハロゲン原子からなる群より選択された置換基によって置換されている。]で表される第三ホスフィンが好ましい。式IVで表される第三ホスフィンの特に好ましい例は(C652 (iso−C37 )P、
(C65 )(iso−C372 P、
(C652 (C611)P、
(C653 P、
(C65 CH23 P、
(C593 P、
(2,3−ジ−第三−C49 −C633 P、
(2,6−ジ−第三−C49 −C633 P、
(3−CH3 −6−第三−C49 −C633 P、
(C6113 P、
(2−CH3 −6−第三−C49 −C633 P、
(4−第三−C49 −C643 P、
(3−第三−C49 −C643 P、
(2−第三−C49 −C643 P、
(4−iso−C49 −C643 P、
(CH33 P、
(C253 P、
(n−C373 P、
(iso−C373 P、
(n−C493 P、
(3−iso−C49 −C643 P、
(2−iso−C49 −C643 P、
(4−n−C49 −C643 P、
(3−n−C49 −C643 P、
(第二−C493 P、
(2−CH3 −C643 P、
(3−CH3 −C643 P、
(4−CH3 −C643 P、
(2,4−ジ−CH3 −C633 P、
(2,6−ジ−CH3 −C633 P、
(2−C25 −C643 P、
(3−C25 −C643 P、
(4−C25 −C643 P、
(2−n−C37 −C643 P、
(3−n−C37 −C643 P、
(4−n−C37 −C643 P、
(2−iso−C37 −C643 P、
(3−iso−C37 −C643 P、
(4−iso−C37 −C643 P、
(C65 )(C6112 P、
(2−n−C49 −C643 P、
(C65 )(第二−C492 P、
(C6112 [C(C242 (N(CH33 Cl)]P、
(C6112 [CH2 CH2 N(CH33 Cl]P、
(C6112 [CH2 CH2 SO3 Na]Pおよび
(2,4−ジ−第三−C49 −C633 Pである。
【0029】
ホスフィットの例は
(CH3 O)3 P、
(C25 O)3 P、
(n−C37 O)3 P、
(iso−C37 O)3 P、
(n−C49 O)3 P、
(2,6−ジ−第三−C49 −C63 O)3 P、
(2,3−ジ−第三−C49 −C63 O)3 P、
(2,4−ジ−第三−C49 −C63 O)3 P、
(iso−C49 O)3 P、
(4−CH3 −C64 O)3 P、
(第三−C49 O)3 P、
(C65 O)3 P、
(2,4−ジ−CH3 −C63 O)3 P、
(2,6−ジ−CH3 −C63 O)3 P、
(2−C25 −C64 O)3 P、
(3−CH3 −6−第三−C49 −C63 O)3 P、
(3−C25 −C64 O)3 P、
(2−CH3 −6−第三−C49 −C63 O)3 P、
(4−C25 −C64 O)3 P、
(2−n−C37 −C64 O)3 P、
(3−n−C37 −C64 O)3 P、
(4−n−C37 −C64 O)3 P、
(3−n−C49 −C64 O)3 P、
(2−n−C49 −C64 O)3 P、
(4−n−C49 −C64 O)3 P、
(2−iso−C37 −C64 O)3 P、
(3−iso−C49 −C64 O)3 P、
(4−iso−C49 −C64 O)3 P、
(2−CH3 −C64 O)3 P、
(3−CH3 −C64 O)3 P、
(3−iso−C37 −C64 O)3 P、
(4−iso−C37 −C64 O)3 P、
(2−iso−C49 −C64 O)3 P、
(2−第三−C49 −C64 O)3 P、
(3−第三−C49 −C64 O)3 Pおよび
(4−第三−C49 −C64 O)3 Pである。
【0030】
アルキル基としてのT3 は好ましくは1ないし12個、また特に1ないし8個の炭素原子を含み得る。T3 は特に炭素原子数1ないし8の直鎖アルキル基である。
シクロアルキル基としてのT3 は好ましくは5ないし8個の炭素原子を含み得る。シクロペンチル基およびシクロヘキシル基が特に好まれる。
ヘテロシクロアルキル基としてのT3 は好ましくは4または5個の炭素原子および好ましくは酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群より選択された1個のヘテロ原子を含み得る。
アリール基としてのT3 は好ましくは6ないし10個の炭素原子を含み得る。好ましい例はナフチル基、また特にフェニル基および置換フェニル基である。
【0031】
ヘテロアリール基としてのT3 は好ましくは4または5個の炭素原子および酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群より選択された1または2個のヘテロ原子を含み得る。
3 の好ましい置換基はメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、フェニルオキシ基、F、Cl、イソプロピル基、第三ブチル基およびOHである。
好ましい態様において、T3 は水素原子、炭素原子数1ないし9のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基またはナフチル基を表し、ここでこれらの基は未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、フェニル基、FまたはClによって置換されている基を表す。例えば、T3 は好ましくはベンジル基である。
【0032】
式IおよびIaで表される化合物の好ましい小群は、次式
【化19】
【化20】
[式中、
Meはルテニウム原子またはオスミウム原子を表し、
5 は炭素原子数3ないし8のα−分岐アルキル基、または
未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは−NO2 によって置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基、または
未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは−NO2 によって置換された炭素原子数6ないし10のアリール基を表し、また
3 は水素原子、炭素原子数1ないし6のアルキル基、または
未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは−NO2 によって置換された炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基、または
未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子もしくは−NO2 によって置換された炭素原子数6ないし10のアリール基を表す。]で表される化合物によって形成される。
【0033】
式IおよびIaで表される化合物のいくつかの特定のおよび好ましい例は、
Cl2 [P(C6112 −CH2 CH2 −P(C6112 ]Me=CH−C65
Cl2 [P(C61132 Me=CH−C64 −CH(CH32
Cl2 [P(iso−C3732 Me=CH−[C64 (第三−C49 )]、
Cl2 [P(C61132 Me=CH2
Cl2 [P(C5932 Me=CH2
Cl2 [P(C61132 Me=CH−[C64 (第三−C49 )]、
Cl2 [P(C5932 Me=CH−CH3
Cl2 [P(C61132 Me=CH−CH3
Cl2 [P(C6532 Me=CH−C65
2 [P(C5932 Me=CH−C65
Br2 [P(C61132 Me=CH−C62 −(CH33
Br2 [P(C5932 Me=CH−C65
Cl2 [P(C5932 Me=CH−C59
Br2 [P(C5932 Me=CH−(C64 −OC25 )、
Cl2 [P(C5932 Me=CH−C65
2 [P(C61132 Me=CH−C65
Cl2 [P(iso−C3732 Me=CH−[C64 (CH3 )]、
Cl2 [P(C5932 Me=CH−C611
Cl2 [P(C62 −(CH3332 Me=CH−C65
Br2 [P(C61132 Me=CH−C65
Cl2 [P(C61132 Me=CH−C65
Br2 [P(C54 −(CH3232 Me=CH−C65
Br2 [P(C5932 Me=CH−iso−C37
Cl2 [P(iso−C3732 Me=CH−C65
Br2 [P(C61132 Me=CH−(C64 −NO2 )、
Cl2 [P(C61132 Me=CH−第三−C49
Cl2 [P(C5932 Me=CH−n−C49
Cl2 [P(C64 −CH332 Me=CH−C65
Cl2 [P(C61132 Me=CH−n−C49
Cl2 [P(C61132 Me=CH−C109
Cl2 [P(C61132 Me=CH−(C64 −Cl)、
Cl2 [P(C5932 Me=CH−(C64 −Br)、
Cl2 [P(C61132 Me=CH−C64 −OCH3
Cl2 [P(C5932 Me=CH−C63 −(CH32
2 [P(C5932 Me=CH[C63 −(CH32 ]、
Br2 [P(C5932 Me=CH−CH265
Cl2 [P(C61132 Me=CH(C64 −CH3 )、
Cl2 [P(第二−C4932 Me=CH−C65
BrCl[P(C61132 Me=CH−C65
BrCl[P(iso−C3732 Me=CH−C65
BrCl[P(C61132 Me=CH−CH265
Cl2 [P(C6112 (C(CH2 CH22 N(CH33 Cl)]2 Me=CH−C65
Cl2 [P(C6112 (CH2 CH2 SO3 Na)]2 Me=CH−C65
Cl2 [P(C6112 (CH2 CH2 N(CH33 Cl)]2 Me=CH−C65 および
BrCl[P(iso−C3732 Me=CH−CH265
[各式中、Meはオスミウム原子またはルテニウム原子を表す。]である。
【0034】
1 、L2 、L3 およびL4 は好ましくはH2 O、炭素原子数2ないし12のアルケン、炭素原子数3ないし12のシクロアルケン、ジメチルスルホキシド、第三ホスフィンおよび第三アミンからなる群より選択される。H2 Oおよびノルボルナジエンおよびシクロオクタジエンのようなシクロアルケンが特に好ましい。
【0035】
本発明の範囲内において、あらゆる塩基(電子受容体)およびあらゆる酸(電子供与体)が適している。好ましい塩基は水より大きな塩基性を有するものである。例は第三アミン、金属水酸化物、金属アルコレートおよび金属フェノレートである。好ましい塩基はトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、KOH、NaOH、KO−第三ブチルおよびNaO−メチル、特にトリエチルアミンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンである。
好ましい酸は水素ハロゲン酸である。例はHF、HCl、HBrおよびHIからなる群より選択され、HClおよびHBrが特に好まれる。
【0036】
第二および第三アルコールは式HC(R6 )(R7 )OHまたはR6 C(R7 )(R8 )OH[各式中、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、または
未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換された炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、または
未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換された炭素原子数6ないし16のアリール基、または
未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換された炭素原子数7ないし16のアラルキル基を表すか、または
基R6 およびR7 は一緒になって未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換されたテトラ−またはペンタ−メチレン基、または
未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換され、および1または2個の1,2−フェニレン基と縮合したテトラ−またはペンタ−メチレン基を表し、またR8 は上述で定義されたものを表す。]で表される有利な化合物である。
【0037】
6 、R7 およびR8 は好ましくはそれぞれ互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、または
未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2 もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換された炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基を表す。R6 、R7 およびR8 は特にそれぞれ互いに独立して炭素原子数1ないし10のアルキル基、または炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基である。メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基および第二ブチル基が特に好ましい。
【0038】
本発明の方法は、金属塩、塩基およびホスフィンまたはホスフィットを第二または第三アルコール中で懸濁することによって有利に行われる。0℃ないし150℃、好ましくは60℃ないし100℃、特に80℃ないし90℃であって、特に使用されたアルコールの沸点に依存して選択される範囲の温度に加熱することによって、懸濁液は溶液に変化する。
【0039】
酸およびアルキンが溶液に添加されるが、これが行われる順番は何の影響も有さない。酸を最初に添加しそしてその後アルキンを添加することが有利であると見いだされた。この段階についての都合の良い反応温度は−150℃ないし150℃、好ましくは−100℃ないし60℃、また特に−80℃ないし室温の範囲である。
【0040】
本発明の方法は特に
(a)金属塩、塩基およびホスフィンまたはホスフィットを第二または第三アルコール中で懸濁し、
(b)懸濁液を使用されたアルコールの沸点の範囲の温度に加熱し、
(c)酸およびアルキンを生成した溶液に添加し、そして
(d)反応混合物を−150℃ないし150℃の範囲の温度で反応させる
ことによって行われる。
【0041】
式Iで表される化合物の反応は、0℃ないし100℃、好ましくは室温ないし50℃の範囲の温度で有利に達成される。
全ての反応段階は通常常圧下で行われ、特に式Iで表される化合物の製造について、反応段階を不活性雰囲気、好ましくは窒素またはアルゴン雰囲気中で行うことが有利であると見いだされた。
ホスフィンまたはホスフィット、塩基、酸またはアルキンと金属塩との重量比は、一般に2:1ないし100:1の範囲であって、比2:1が好まれる。
アルケンと式Iで表される化合物との重量比は、一般に1:1ないし100:1の範囲であって、比5:1が特に好まれる。
【0042】
式IおよびIaで表される生成した化合物は、例えば、WO 96/04289、Schwab et al.[Schwab, P., Grubbs, R.H., Ziller, J.W., J. Am. Chem. Soc. 118:100−110(1996)]およびGrunwald et al.[Grunwald, C., Gevert, O., Wolf, J., Gonzalez−Herrero, P., Werner, H.,Organometallics 15:1960−1962(1996)]において記載されているような既知の方法によって仕上げられる。
【0043】
本発明に従って製造された触媒を使用して重合されることのできる環式オレフィンは既知で、例えば、WO 96/24629(FM/6−20336/A)において記載されている。それらは好ましくはモノ環式またはポリ環式に縮合された、および/または架橋された、および/または結合された環系であって、例えば2ないし4個の環を有し、それは未置換または置換されており、ヘテロ原子、例えばO、S、NまたはSi原子を1個またはそれ以上の環に含み得、および/または縮合した芳香族またはヘテロ芳香族環、例えばo−フェニレン基、o−ナフチレン基、o−ピリジニレン基またはo−ピリミジニレン基を含み得る。環式オレフィンは好ましくはノルボルネンまたはノルボルネン誘導体、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエンまたはシクロドデセンである。
【0044】
本発明に従って製造された触媒を使用して閉環されることのできるジエンは、例えば、Miller et al.[Miller, S.J., Blackwell, H.J., Grubbs, R.H., J. Am. Chem. Soc. 118:9606−9614(1996)]またはGrubbs et al.[Grubbs, R.H., Miller, S.J., Fu, G.C., Acc. Chem. Res. 28:446−452(1995)]において記載されている。
【0045】
以下の実施例は本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−CH2 −C65 の製造
(a)イソプロパノール25ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(220ミリグラム、0.78ミリモル)、トリエチルアミン0.22ミリリットル(1.56ミリモル)およびトリ−イソプロピルホスフィン0.3ミリリットルの褐色懸濁液を、80℃で15時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。フェニルアセチレン0.17ミリリットル(1.56ミリモル)の添加後、溶液を−50℃に10分間にわたって熱する。生成した暗褐色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液3ミリリットル(3ミリモル)の添加後、温度を0℃に15分間にわたって上昇させる。生成した褐色がかった赤色懸濁液を、真空下で褐色がかった赤色、半固体残渣に濃縮する。残渣をメタノール8ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。生成した細かい残渣をメタノール4ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。真空下での乾燥によって、目的化合物95ミリグラムを紫色粉末の形態で得る(純度50%)。
【0046】
(b)イソプロパノール13ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(110ミリグラム、0.39ミリモル)、トリエチルアミン0.11ミリリットル(0.78ミリモル)およびトリ−イソプロピルホスフィン0.15ミリリットルの褐色懸濁液を、80℃で15時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1MHCl溶液0.8ミリリットルの添加後、攪拌を5分間行う。1−フェニルアセチレン0.07ミリリットル(0.4ミリモル)を生成した黄色懸濁液に添加した後、温度を室温に30分間にわたって上昇させる。生成した褐色溶液を高真空下で濃縮し、そして褐色がかった赤色残渣を得る。NMRは予測された生成物が、ほぼ純粋であり僅か痕跡量の副生成物を有することを示す。
【0047】
実施例2 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−C511の製造
Cl2 Ru(シクロオクタジエン)440ミリグラム、トリ−イソプロピルホスフィン600マイクロリットル、トリエチルアミン440マイクロリットルおよびイソプロパノール50ミリリットルを、窒素雰囲気下に置く。褐色懸濁液を80℃に加熱する。80℃で15時間後、懸濁液は透明な赤色溶液に変わる。その溶液25ミリリットル(0.785ミリモル)を取り出し、そして−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液1.6ミリリットル(2当量)を添加し、そして攪拌を−78℃で3分間行う。その後、1−ヘキシン180マイクロリットルを添加し、そして溶液を−10℃に熱し、褐色がかった紫色懸濁液を生成し、真空下でその半分の体積に濃縮する。もう一度−25℃に冷却し、遠心分離しそして乾燥した後、標記化合物を暗紫色粉末(310ミリグラム/69%)の形態で得る。
【0048】
実施例3 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−C715の製造
(a)イソプロパノール13ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(110ミリグラム、0.39ミリモル)、トリエチルアミン0.11ミリリットル(0.78ミリモル)およびトリ−イソプロピルホスフィン0.15ミリリットルの褐色懸濁液を、80℃で15時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1MHCl溶液0.8ミリリットルの添加後、攪拌を5分間行う。1−オクチン0.06ミリリットル(0.8ミリモル)を生成した黄色懸濁液に添加した後、温度を室温に15分間にわたって上昇させる。生成した褐色溶液を、真空下で濃縮し、そして褐色がかった赤色残渣を得る。残渣をメタノール4ミリリットルと共に2回攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。生成物、紫色粉末を真空下で乾燥する(収量:25ミリグラム、10%)。
【0049】
(b)イソプロパノール50ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(440ミリグラム、1.56ミリモル)、トリエチルアミン0.44ミリリットル(3.15ミリモル)およびトリ−イソプロピルホスフィン0.6ミリリットルの褐色懸濁液を、85℃で6時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液3.2ミリリットルの添加後、攪拌を5分間行う。1−オクチン0.23ミリリットル(1.6ミリモル)を生成した黄色懸濁液に添加した後、温度を−20℃に上昇させる。生成した褐色懸濁液を−20ないし−30℃で30分間攪拌する。高真空下で−5℃で濃縮し、褐色がかった赤色残渣を得る。残渣をヘキサン25ミリリットルを用いて抽出し、そして濃縮後、褐色がかった紫色、半固体残渣を得る。残渣を−70℃の温度を有するメタノール20ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、暗紫色粉末を真空下で乾燥する。収量は純生成物270ミリグラム(28%)である。
【0050】
実施例4 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−CH3 の製造イソプロパノール12.5ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(110ミリグラム、0.39ミリモル)、トリエチルアミン0.11ミリリットルおよびトリ−イソプロピルホスフィン0.15ミリリットルの褐色懸濁液を、85℃で3.5時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液0.8ミリリットルの添加後、攪拌を5分間行う。生成した黄色懸濁液を10℃に30分間にわたり熱する。アセチレンの導入(2泡/秒)によって、褐色がかった赤色懸濁液を得、それを高真空下で濃縮する。生成した褐色がかった赤色残渣をメタノール4ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、紫色粉末を真空下で乾燥する。収量は純生成物105ミリグラム(51%)である。
【0051】
実施例5 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−CH265 の製造
Cl2 Ru(シクロオクタジエン)440ミリグラム、トリ−イソプロピルホスフィン600マイクロリットル、トリエチルアミン440マイクロリットルおよびイソプロパノール50ミリリットルを、窒素雰囲気下に置く。褐色懸濁液を85℃に加熱する。85℃で3.5時間後、懸濁液は赤色溶液に変化している。その溶液25ミリリットル(0.785ミリモル)を取り出し、そして−78℃に窒素雰囲気下で冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液1.58ミリリットルを添加し、そして攪拌を5分間行い、黄色懸濁液を得る。その後、アセチレンガス(2泡/秒)を30分間導入する。紫色沈殿が生成する。アリルベンゼン1.5ミリリットル(15当量)の添加後、懸濁液を室温に熱する。室温で1時間攪拌後、反応混合物を濃縮し、そして残渣をメタノール8ミリリットルをそれぞれ用いて3回洗浄する。真空下で残渣を乾燥した後、標記化合物を紫色粉末(300ミリグラム/64%)の形態で得る。
【0052】
実施例6 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−C65 の製造
(a)イソプロパノール50ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(440ミリグラム、1.57ミリモル)、トリエチルアミン0.44ミリリットルおよびトリ−イソプロピルホスフィン0.6ミリリットルの褐色懸濁液を、85℃で3.5時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液3.2ミリリットルの添加後、攪拌を5分間行う。1−ヘキシン0.48ミリリットルを生成した黄色懸濁液に添加する。攪拌混合物を−10℃に熱し、そして45分間攪拌する。スチレン3.7ミリリットル(31ミリモル)を生成した褐色溶液に添加する。30分間室温および10分間40℃で攪拌し、結果として褐色溶液を得る。高真空下で濃縮後、残渣をメタノール6ミリリットルと共に2回攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、紫色粉末を高真空下で乾燥する。収量は純生成物390ミリグラム(43%)である。
【0053】
(b)イソプロパノール25ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(220ミリグラム、0.78ミリモル)、トリエチルアミン0.22ミリリットルおよびトリ−イソプロピルホスフィン0.3ミリリットルの褐色懸濁液を、95℃で3時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液1.6ミリリットルの添加後、攪拌を5分間行う。フェニルアセチレン0.35ミリリットルを生成した黄色懸濁液に添加する。攪拌混合物を−10℃に熱し、そして1時間攪拌する。スチレン2ミリリットル(17ミリモル)を生成した紫色懸濁液に添加する。1.5時間室温で攪拌し、結果として暗紫色攪拌混合物を得、それを高真空下で濃縮する。残渣をメタノール5ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離し、デカントし、メタノール2ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、紫色粉末を高真空下で乾燥する。収量は純生成物370ミリグラム(81%)である。
【0054】
実施例7 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−C64 −第三−C49 の製造
イソプロパノール25ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(220ミリグラム、0.78ミリモル)、トリエチルアミン0.22ミリリットルおよびトリ−イソプロピルホスフィン0.3ミリリットルの褐色懸濁液を、95℃で3.5時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液1.6ミリリットルの添加後、攪拌を5分間行う。1−ヘキシン0.24ミリリットルを生成した黄色懸濁液に添加する。攪拌混合物を、攪拌しながら、−15℃に15分にわたりそして0℃に30分間にわたり熱する。4−第三ブチルスチレン1.45ミリリットル(7.85ミリモル)を生成した赤色がかった褐色懸濁液に添加する。20分間室温で攪拌し、結果として暗紫色溶液を得、それを高真空下で濃縮する。純粋な生成物および4−第三ブチルスチレンからなる、生成した暗紫色、液体混合物は、例えばDCPDの無溶媒重合において直接用いられ得る。
【0055】
実施例8 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−C64 −CH3 の製造
イソプロパノール12.5ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(110ミリグラム、0.39ミリモル)、トリエチルアミン0.11ミリリットルおよびトリ−イソプロピルホスフィン0.15ミリリットルの褐色懸濁液を、85℃で3.5時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を−78℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液0.8ミリリットルの添加後、攪拌を10分間行う。1−ヘキシン0.1ミリリットル(0.63ミリモル)を生成した黄色懸濁液に添加する。攪拌混合物を、攪拌しながら、−10℃に30分間にわたりそして0℃に15分間にわたり熱する。4−メチルスチレン0.42ミリリットルを生成した紫色懸濁液に添加する。30分間室温で攪拌し、結果として褐色溶液を得、それを高真空下で濃縮する。生成した紫色残渣をヘキサン15ミリリットルをそれぞれ用いて3回抽出し、濃縮後、紫色、半固体残渣を得る。残渣を0℃の温度を有するメタノール10ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、紫色粉末を高真空下で乾燥する。収量は純生成物105ミリグラム(56%)である。
【0056】
実施例9 Cl2 [P(C61132 Ru=CH−C65 の製造
イソプロパノール25ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(440ミリグラム、1.57ミリモル)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン0.47ミリリットル(3.14ミリモル)およびトルエン中の20%トリ−シクロヘキシルホスフィン溶液8ミリリットルの褐色懸濁液を、85℃で2時間攪拌する。生成した透明な赤色溶液を0℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液6.3ミリリットルを生成したオレンジ色懸濁液に添加した後、攪拌を10分間行う。1−ヘキシン0.48ミリリットルを生成したオレンジ色懸濁液に添加する。攪拌混合物を室温に熱し、そして45分間攪拌する。スチレン3.6ミリリットル(31ミリモル)の添加後、攪拌を2.5時間行う。生成した紫色溶液を濃縮する。残渣をもう一度イソプロパノール25ミリリットルに取り入れ、スチレン4ミリリットルを添加し、そして攪拌を1時間行う。高真空下での濃縮後、残渣をアセトン8ミリリットルで3回攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、紫色粉末を高真空下で乾燥する。収量は純生成物450ミリグラム(35%)である。
【0057】
実施例10 Cl2 [P(iso−C3732 Ru=CH−C65 の製造
イソプロパノール250ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(5.25グラム、18.7ミリモル)、トリエチルアミン5.25ミリリットル(37.4ミリモル)およびトリ−イソプロピルホスフィン7.5ミリリットルの褐色懸濁液を、80℃で3.5時間攪拌する。透明な赤色溶液を−70℃に冷却する。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液37.5ミリリットルの添加後、攪拌を15分間行う。1−ペンチン3.75ミリリットルを黄色懸濁液に添加する。攪拌混合物を−10℃に熱し、そして1.5時間攪拌する。スチレン21.5ミリリットル(187ミリモル)を生成した紫色懸濁液に添加する。1時間室温で攪拌し、暗紫色攪拌混合物を生成し、それを真空下で濃縮する。残渣をメタノール30ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離し、デカントし、メタノール5ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離し、デカントし、そして再びメタノール5ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、紫色粉末を高真空下で乾燥する。収量は純生成物7.7グラム(71%)である。
【0058】
実施例11 Cl2 [P(C61132 Ru=CH−C65 の製造
イソプロパノール50ミリリットル中のRuCl2 (cis,cis−1,5−シクロオクタジエン)(1.32グラム、4.7ミリモル)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン1.42ミリリットル(9.4ミリモル)およびトルエン中の20%トリ−シクロヘキシルホスフィン溶液15ミリリットルの褐色懸濁液を、80℃で1時間攪拌する。透明な赤色溶液を0℃に冷却する。テトラヒドロフラン50ミリリットルを添加し、透明な溶液を生成する。1−ペンチン1.9ミリリットルの添加後、攪拌を10分間行う。ジエチルエーテル中の1M HCl溶液9.4ミリリットルを透明な溶液に添加する。混合物を室温に熱し、そして1.5時間攪拌する。スチレン5.4ミリリットル(47ミリモル)を紫色懸濁液に添加する。1時間室温での攪拌により、暗紫色攪拌混合物を生成し、それを真空下で濃縮する。残渣をヘキサン/CH2 Cl2 (9:1)30ミリリットルを用いて抽出し、デカントしそして真空下で濃縮する。残渣をアセトン15ミリリットルと共に攪拌し、遠心分離しそしてデカントする。細かい、紫色粉末を高真空下で乾燥する。収量は純生成物1.9グラム(49%)である。

Claims (4)

  1. 次式(I)
    (式中、X 01およびX02はそれぞれ互いに独立してハロゲン原子を表し;
    1およびT2はそれぞれ互いに独立して第三ホスフィンを表すか、またはT1およびT2は一緒になってジ第三ジホスフィンを表し;また
    3は水素原子、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし8のシクロアルキル基、酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群より選択された1または2個のヘテロ原子を有する炭素原子数3ないし7のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6ないし14のアリール基、または酸素原子、硫黄原子および窒素原子の群より選択された1ないし3個のヘテロ原子を有する炭素原子数4ないし15のヘテロアリール基を表し、ここで該アルキル基、該シクロアルキル基、該ヘテロシクロアルキル基、該アリール基および該ヘテロアリール基は未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数6ないし10のアリール基、炭素原子数6ないし10のアリールオキシ基、−NO2もしくはハロゲン原子によって置換されている。)で表される触媒として有用な化合物の製造方法であって、次式(II)
    (式中、X 01およびX02は上述で定義されたものを表し、
    1、L2、L3およびL4はそれぞれ互いに独立して中性配位子を表し、また
    nは0または1を表す。)で表される金属塩を、最初に塩基および第二または第三アルコールの存在下で第三ホスフィンまたはジ第三ジホスフィンと反応させ、そしてその後酸の存在下で次式III
    (式中、T3は上述で定義されたものを表す。)で表されるアルキンと反応させることからなる方法。
  2. 第三ホスフィンおよびジ第三ジホスフィンは次式IVまたはIVa
    (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ互いに独立して炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし11のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、炭素原子数2ないし15のヘテロアリール基または炭素原子数7ないし16のアラルキル基を表し、ここで該アルキル基、該シクロアルキル基、該ヘテロシクロアルキル基、該アリール基、該ヘテロアリール基および該アラルキル基は未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、−NO2、SO3 -、アンモニウム基およびハロゲン原子からなる群より選択された置換基によって置換されているか、または
    基R1およびR2 は一緒になって未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換されたテトラ−またはペンタ−メチレン基を表すか、または未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、−NO2もしくは炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換されかつ1または2個の1,2−フェニレン基と縮合したテトラ−またはペンタ−メチレン基を表し、また
    3炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数4ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし11のヘテロシクロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、炭素原子数2ないし15のヘテロアリール基または炭素原子数7ないし16のアラルキル基を表し、ここで該アルキル基、該シクロアルキル基、該ヘテロシクロアルキル基、該アリール基、該ヘテロアリール基および該アラルキル基は未置換または炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数1ないし6のハロアルキル基、炭素原子数6ないし16のアリール基、−NO 2 、SO 3 - 、アンモニウム基およびハロゲン原子からなる群より選択された置換基によって置換されており、また
    Zは直鎖または分岐した、未置換または炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された炭素原子数2ないし12のアルキレン基、4ないし8個の炭素原子を有する未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された1,2−または1,3−シクロアルキレン基、5または6個の環構成員およびO原子並びにN原子の群からの1個のヘテロ原子を有する未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された1,2−または1,3−ヘテロシクロアルキレン基、未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された1,2−フェニレン基、1−メチレン−フェニ−2−イル基、1,2−ジメチレンベンゼン基または未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル−もしくは炭素原子数1ないし4のアルコキシ−置換された2,2’−ビフェニレン基を表す。)に相当する、請求項1記載の方法。
  3. 前記式中、T1およびT2は(C652(iso−C37)P、(C65)(iso−C372P、(C652(C611)P、(C653P、(C65CH23P、(C593P、(2,3−ジ−第三−C49−C633P、(2,6−ジ−第三−C49−C633P、(3−CH3−6−第三−C49−C633P、(C6113P、(2−CH3−6−第三−C49−C633P、(4−第三−C49−C643P、(3−第三−C49−C643P、(2−第三−C49−C643P、(4−iso−C49−C643P、(CH33P、(C253P、(n−C373P、(iso−C373P、(n−C493P、(3−iso−C49−C643P、(2−iso−C49−C643P、(4−n−C49−C643P、(3−n−C49−C643P、(第二−C493P、(2−CH3−C643P、(3−CH3−C643P、(4−CH3−C643P、(2,4−ジ−CH3−C633P、(2,6−ジ−CH3−C633P、(2−C25−C643P、(3−C25−C643P、(4−C25−C643P、(2−n−C37−C643P、(3−n−C37−C643P、(4−n−C37−C643P、(2−iso−C37−C643P、(3−iso−C37−C643P、(4−iso−C37−C643P、(C65)(C6112P、(2−n−C49−C643P、(C65)(第二−C492P、(C6112[C(C242(N(CH33Cl)]P、(C6112[CH2CH2N(CH33Cl]P、(C6112[CH2CH2SO3Na]Pまたは(2,4−ジ−第三−C49−C633Pを表す、請求項1に記載の方法。
  4. 前記式中、T3は水素原子、炭素原子数1ないし9のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基またはナフチル基を表し、ここでこれらの基は未置換または炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、フェニル基、FもしくはClによって置換されている、請求項1に記載の方法。
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