JP3932096B2 - 非水二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水二次電池に関し、さらに詳しくは、セパレータの収縮に基づく短絡の発生を防止した安全性の高い非水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウムイオン電池やポリマーリチウムイオン二次電池に代表される非水二次電池は、高電圧、高エネルギー密度であることからその需要がますます増える傾向にある。
【0003】
この非水二次電池では、正極は厚さが10〜30μm程度のアルミニウム箔などからなる導電性基体上に正極活物質を導電助剤やバインダーとともに溶剤でぺースト化した正極合剤含有ぺーストを塗布し、乾燥して正極合剤層を形成する工程を経て作製され、負極は厚さ5〜15μm程度の銅箔などからなる導電性基体上に負極活物質をバインダーなどとともに溶剤でぺースト化した負極合剤含有ぺーストを塗布し、乾燥して負極合剤層を形成する工程を経て作製されている。そして、それらの正極と負極は、セパレータを介して巻回され、電極巻回体とした後、非水電解質とともにアルミニウム缶に代表される電池ケースやアルミニウムラミネートフィルムなどの外装体内に封入され、非水二次電池が組み立てられている。
【0004】
ところで、上記のような電極巻回体を有する非水二次電池においては、釘刺しなどの異常発生時の安全性を確保するため、電極巻回体の負極および正極の最内周部または最外周部において、その導電性基体を露呈させるかまたはその導電性基体と等電位の金属部材を設け、それらをセパレータを介して1周以上の長さにわたって互いに対向させることが提案されている(特開平8−153542号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが、上記公報の記載に基づいて電極巻回体の最内周部における負極および正極の導電性基体を露呈させ、それぞれの露呈部分を互いに対向させた構成の電池の実用化にあたって詳細に検討したところ、電池の高容量化を進めた場合に、前記構成がかえって電池の安全性を低下させる原因になる場合があることが判明した。すなわち、高容量化のためには活物質の充填量を増加させる必要があり、そのため、セパレータなど活物質以外の構成要素の割合を低減しなければならないが、前記目的のため、厚みが20μm以下のセパレータを用いたところ、急速充電時や電池の加熱試験など電池が高温になる状況下において、電池の温度上昇後に短時間で発火に至る現象が頻発し、危険な挙動を示すことを見出した。
【0006】
この現象について本発明者らがさらに検討したところ、厚みが20μm以下のセパレータを用いた場合は、温度上昇による収縮が極端に発生しやすくなることが原因になっていた。非水二次電池のセパレータとして一般に用いられるポリオレフィン製のセパレータ、例えば、ポリエチレン製の微多孔膜は、過充電時の発熱により電池が危険な状態となるのを防ぐため、130℃程度の温度で溶融して孔を塞ぎ、電流を遮断するいわゆるシャットダウン機能を備えている。セパレータの厚みが25μmかそれ以上のものでは、前述した従来の巻回構造を採用しても、加熱時の安全性には大きな問題を生じない。
【0007】
ところが、厚みが20μm以下のセパレータを用いた場合は、例えば、上記温度よりもかなり低い80℃付近からセパレータが収縮し始め、さらに120〜140℃程度まで電池の温度が上昇した場合には、負極と正極との間にセパレータの介在しない部分が生じるため、負極と正極とが容易に接触して内部短絡が頻発することが判明した。
【0008】
この状態では、電池内の非水電解質の溶媒は、その引火点(例えば、エチレンカーボネートでは157℃、プロピレンカーボネートでは132℃)とほぼ同じ温度か、引火点の低い鎖状カーボネート(例えば、ジエチルカーボネートでは31℃)が用いられている場合には、その引火点よりかなり高い温度に達しているため、上記内部短絡時に発生するスパークが電池内の溶媒に引火して、短時間で電池が発火するに至るのである。したがって、引火点の低い溶媒、例えば、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが用いられている場合には、上記内部短絡による安全性低下の問題は特に深刻になる。
【0009】
このようなセパレータの厚みによる熱的な挙動の違いの原因は、現在のところはっきりとはしていないが、厚みが20μm以下のものと、それよりも厚いものとでは、製造工程が異なっており、セパレータを引き伸ばして膜厚を薄化させる方法が異なることによるものであると推定される。
【0010】
特に正極または負極の最内周部または最外周部では、釘刺しなどの異常時の安全性を確保するために、活物質を含有する電極合剤層を形成せずに導電性基体を露出させた部分を設けることが多く、そのため、正極または負極の最内周部または最外周部で短絡が最も生じやすくなる。すなわち、負極および正極の導電性基体として通常に用いられている金属箔の表面は平滑で滑りやすいため、セパレータが収縮しようとするのを止める静止摩擦力が弱く、これと接している部分のセパレータは温度上昇により収縮しやすく、そのため、正極または負極の最内周部また最外周部で内部短絡が発生しやすくなるものと考えられる。
【0011】
したがって、本発明は、上記のような厚みが20μm以下のセパレータを用いる場合に生じる問題点を解決し、セパレータの収縮に基づく内部短絡の発生を防止した安全性の高い非水二次電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性基体上に正極合剤層を形成した正極と、導電性基体上に負極合剤層を形成した負極とを、厚みが20μm以下のセパレータを介して巻回した電極巻回体を有する非水二次電池において、前記セパレータの周辺部の一部または全部を、正極または負極の周辺部における導電性基体が露出した部分であって、長さ方向の端部の一部分および幅方向の端部の一部分に固定することによって、セパレータの収縮を防止し、上記課題を解決したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
セパレータの周辺部の正極または負極への固定は、正極または負極の長さ方向の端部や幅方向の端部などの電極の周辺部における導電性基体が露出した部分に行うのが最も効果的である。
【0014】
固定の方法としては、アルカリ系接着剤などの接着剤による接着か、あるいは粘着性テープによる貼り付け、超音波や加熱などによる溶着などが一般的であるが、例えば、ポリイミドテープ、ポリフェニレンサルファイドテープなどのような融点が140℃以上の素材をベースとした耐熱性の粘着性テープを用いて、セパレータの周辺部を正極または負極の導電性基体が露出した部分に貼り付けて固定する方法が簡単に採用できるので好ましい。また、このようなセパレータの電極への固定は、容量低下を招かないようにするため、電極端部(この電極端部とは電極の長さ方向の端部および電極の幅方向の端部の両者を意味する)から10mm以内の位置で行うので好ましい。
【0015】
本発明において厚みが20μm以下のセパレータとしては、特に限定されるものではないが、電池の放電特性、コスト、シャットダウン機能、耐久性などの点からポリオレフィン製セパレータが好適に用いられる。具体的には、ポリエチレン製またはポリプロピレン製の微多孔膜や、ポリオレフィンの微多孔膜同士を積層したものやポリオレフィンの微多孔膜と不織布とを積層したものなどの積層タイプのセパレータなどが好適に用いられる。厚みの薄いポリオレフィン製セパレータでは、特に、温度上昇により大きな収縮を生じやすいが、本発明によれば、収縮率の大きいセパレータを用いた場合でも、安全で信頼性の高い非水二次電池を構成することができる。
【0016】
また、セパレータの厚みは、薄くなればなるほど、巻回時の破断などの危険が増大するため、一般には厚みが5μm以上のセパレータを用いることが好ましい。
【0017】
本発明の非水二次電池を構成するにあたり、正極活物質としては、LiCoO2 などのリチウムコバルト酸化物、LiMn2 O4 などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2 などのリチウムニッケル酸化物、LiNiO2 のNiの一部をCoで置換したLiCox Ni1-x O2 (0<x<1)、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物などを用いることができるが、特にLiNiO2 、LiCoO2 、LiMn2 O4 、LiCox Ni1-x O2 などのように充電されたときに正極の開路電圧がLi基準で4.2V以上を示すリチウム複合酸化物が好ましい。
【0018】
正極は、上記正極活物質に、必要に応じて、導電助剤やバインダー、ゲル化剤などを加え、混合して正極合剤を調製し、その正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ぺーストを調製し(バインダーやゲル化剤などはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてから、正極活物質や導電助剤などと混合してもよい)、その正極合剤含有ぺーストをアルミニウム箔などからなる導電性基体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成した後、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
【0019】
上記正極の作製にあたり、導電助剤としては、例えば、鱗片状黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラックなどが好適に用いられ、バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴムなどが好適に用いられ、ゲル化剤としては、例えば、ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが好適に用いられる。
【0020】
また、負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイドなどの炭素材料やSn Ox 、SiOx などのLiが挿入可能な金属酸化物や金属窒化物などが好適に用いられる。
【0021】
負極は、上記負極活物質に、必要に応じて、前記正極の場合と同様のバインダー、ゲル化剤などを加え、混合して負極合剤を調製し、その負極合剤を溶剤に分散させて負極合剤含有ぺーストを調製し(バインダーやゲル化剤などはあらかじめ溶剤に溶解または分散させておいてから、負極活物質などと混合してもよい)、その負極合剤含有ぺーストを銅箔などからなる導電性基体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成した後、必要に応じて加圧成形する工程を経ることによって作製される。ただし、負極の作製方法は、上記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
【0022】
上記正極や負極の作製にあたって、導電性基体としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどが用いられるが、正極の導電性基体としてはアルミニウム箔が特に好適に用いられ、負極の導電性基体としては銅箔が特に好適に用いられる。
【0023】
非水電解質としては、液状電解質、ゲル状電解質のいずれも用いることができるが、通常、電解液と呼ばれている液状電解質が多用されることから、以下、この液状電解質に関して電解液という表現で詳しく説明する。
【0024】
電解液は、有機溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解させることによって調製されるが、その有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステルや、γ−ブチロラクトン、酢酸メチルなどのエステル類などを用いることができる。また、それ以外に、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、スルホランなどの硫黄化合物、含窒素化合物、含珪素化合物、含フッ素化合物、含リン化合物などの有機溶媒を単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0025】
上記有機溶媒に溶解させる電解質塩としては、例えば、LiPF6 、LiClO4 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCn F2n+1SO3 (n≧1)、(Cm F2m+1SO2 )(Cn F2n+1SO2 )NLi(m、n≧1)、(RfOSO2 )2 NLi〔Rf炭素数が2以上のハロゲン化アルキル基で、Rfは同一であってもよいし、異なるものであってもよいし、Rf同士が互いに結合していてもよく、例えば、ポリマー状に結合していてもよい。〕などが用いられ、特に限定されることではないが、LiPF6 や炭素数2以上の含フッ素有機リチウム塩などが好ましい。そして、これらの電解質塩は上記の溶媒に対して通常0.1〜2mol/l程度溶解させることが好ましい。
【0026】
ゲル状電解質は、上記電解液をゲル化剤でゲル化したものに相当するが、そのようなゲル化剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルニトリルなどの直鎖状ポリマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線などの活性光線の照射によりポリマー化する多官能ポリマー(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官能以上のメタクリレート)をポリマー化したポリマーなどが用いられる。
【0027】
【実施例】
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0028】
実施例1
LiCoO2 (コバルト酸リチウム)92質量部と、カーボンブラック5質量部と、ポリフッ化ビニリデン2質量部と、ヘキサフルオロプロピレン共重合体1質量部とを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤としてプラネタリーミキサーで混合して正極合剤含有ぺーストを調製した。得られた正極合剤含有ぺーストをブレードコーターにて厚さ20μmのアルミニウム箔からなる導電性基体の両面に間欠塗布し、乾燥し、プレス工程を経た後、所定サイズに裁断することにより、導電性基体上に正極合剤層を有する長さ340mm、幅51mmの帯状の正極を得た。ただし、この正極の内周端部および外周端部付近には、正極合剤層を形成せず、アルミニウム箔からなる導電性基体が露出した部分を残しておいた。また、正極の最外周部の外周面側にも正極合剤層を形成せず、アルミニウム箔からなる導電性基体が露出した部分を残しておいた。したがって、この正極における正極合剤層の形成部分のサイズは、長さが内周面側320mm/外周面側250mmであり、幅が51mmであった。
【0029】
また、黒鉛92質量部と、ポリフッ化ビニリデン6質量部と、ヘキサフルオロプロピレン共重合体2質量部とを、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤としてプラネタリーミキサーで混合して負極合剤含有ぺーストを調製した。得られた負極合剤含有ぺーストをブレードコーターにて厚さ10μmの銅箔からなる導電性基体上に間欠塗布し、乾燥し、プレス工程を経た後、所定サイズに裁断することにより、導電性基体上に負極合剤層を有する長さ370mm、幅52mmの帯状の負極を得た。ただし、この負極の内周端部および外周端部付近には、負極合剤層を形成せず、銅箔からなる導電性基体が露出した部分を残しておいた。したがって、この負極における負極合剤層の形成部分の長さは350mmであり、幅は52mmであった。
【0030】
上記の正極および負極を、厚みが16μmで平均孔径が0.05μmで、融点が130℃のポリエチレン製微多孔膜からなり、長さ525mm、幅54mmのセパレータを介して巻回し、長径が34mm、短径が3.5mmの略長円筒形の電極巻回体を得た。このようにして得られた電極巻回体の最外周部の正極合剤層が形成されずに導電性基体が露出している部分の導電性基体の上部側および下部側の幅方向端部からそれぞれ5mmのところまでの部分に、融点が140℃以上のポリフェニレンサルファイドをベースとした厚み35μm、幅8mmの粘着性テープの一部を貼り付けた。つまり、電極巻回体の上部側では、粘着性テープの下部側部分を正極の導電性基体に貼り付け、電極巻回体の下部側では、粘着性テープの上部側部分を正極の導電性基体に貼り付けた。
【0031】
そして、上記粘着性テープの残りの部分をセパレータの幅方向端部に貼り付けた。つまり、電極巻回体の上部側では、粘着性テープの上部側部分を正極より上方に突出しているセパレータの上端部に貼り付け、電極巻回体の下部側では、粘着性テープの下部側部分を正極より下方に突出しているセパレータの下端部に貼り付けた。このようにして粘着性テープによりセパレータの周辺部の一部に該当するセパレータの幅方向端部を正極の幅方向端部に固定した。
【0032】
図1は上記電極巻回体における巻回前の正極、負極、セパレータ、粘着性テープの構成を正極側から見た正面図であり、図2は図1のA−A線による拡大断面図である。これらの図に示すように、正極1はアルミニウム箔からなる導電性基体1aに正極合剤層1bを形成することによって作製されていて、その大部分は、導電性基体1aの両面に正極合剤層1bが形成されているが、電極巻回体の最外周部にあたる部分は、内周面側にのみ正極合剤層1bを形成し、外周面側は正極合剤層1aを形成しておらず導電性基体1aが露出している。そして、負極2は銅箔からなる導電性基体2aの両面に負極合剤層2bを形成することによって構成されている。セパレータ3は負極2と正極1の間に介在し、このセパレータ3は上記正極1や負極2より大きく、その上端部は上記正極1や負極2の上端部より上方に突出し、また、セパレータ3の下端部は上記正極1や負極2の下端部より下方に突出している。
【0033】
そして、正極1の最外周部にあたる導電性基体1aの上端部に粘着性テープ4の下部側部分が粘着し、その粘着性テープ4の上部側部分は正極1より上方に突き出しているセパレータ3の幅方向端部と粘着している。また、正極1の最外周部にあたる導電性基体1aの下端部に粘着性テープ4の下部側部分が粘着し、その粘着性テープ4の上部側部分は正極1より下方に突出しているセパレータ3の幅方向端部と粘着している。
【0034】
そして、電解液としては、エチレンカーボネート30質量部とプロピレンカーボネート30質量部とジエチルカーボネート40質量部とからなる混合溶媒に、LiPF6 を1.2mol/lの濃度になるように溶解して調製した非水電解液を用いた。
【0035】
上記電極巻回体と電解液とをアルミニウムラミネートフィルムからなる外装材に封入した後、80℃で90分間加熱し、ついで室温まで冷却して、正極1の正極合剤中および負極2の負極合剤中に含有させておいたヘキサフルオロプロピレン共重合体をゲル化させて、非水二次電池(ポリマーリチウムイオン二次電池)を作製した。
【0036】
なお、前記アルミニウムラミネートフィルムは、ポリエステルフィルムとアルミニウム箔と変性ポリオレフィン樹脂フィルムとの3層ラミネートフィルムで構成され、前記電極巻回体の封入にあたっては、2枚のアルミニウムラミネートフィルムを用い、その一方を容器状にし、他方をプレート状にし、その容器状にしたアルミニウムラミネートフィルムの凹所に前記電極巻回体などを入れ、その上にプレート状アルミニウムラミネートフィルムをそれらの変性ポリオレフィン樹脂フィルム同士が対向するように配置し、加熱して、その変性ポリオレフィン樹脂同士を熱融着することにより、電極巻回体や電解液などをアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体内に封入している。
【0037】
実施例2
粘着性テープの貼り付け位置を電極巻回体の巻き終わり部分にし、該部分に実施例1と同様のポリフェニレンサルファイドをベースとする長さ50mm、幅20mmの粘着性テープを貼り付けた以外は、実施例1と同様に非水二次電池(ポリマーリチウムイオン二次電池)を作製した。
【0038】
実施例3
粘着性テープの貼り付け位置を電極巻回体の巻き始め部分にし、該部分に実施例1と同様のポリフェニレンサルファイドをベースとする長さ50mm、幅20mmの粘着性テープを貼り付けた以外は、実施例1と同様に非水二次電池(ポリマーリチウムイオン二次電池)を作製した。
【0039】
実施例4
実施例3におけるポリフェニレンサルファイドをベースとした粘着性テープに代えて、ポリイミドをベースとした粘着性テープを貼り付けた以外は、実施例3と同様に非水二次電池(ポリマーリチウムイオン二次電池)を作製した。
【0040】
実施例5
実施例2におけるポリフェニレンサルファイドをベースとした粘着性テープの貼り付けに代えて、セパレータにアクリル系接着剤を塗布し、セパレータをアクリル系接着剤により正極の導電性基体の露出部分に直接固定した以外は、実施例2と同様に非水二次電池(ポリマーリチウムイオン二次電池)を作製した。
【0041】
比較例1
実施例1のようなポリフェニレンサルファイドをベースとした粘着性テープを貼り付けなかった以外は、実施例1と同様に非水二次電池(ポリマーリチウムイオン二次電池)を作製した。
【0042】
上記実施例1〜5および比較例1の各電池を、3.0Vの放電状態から1C充電レートで、2.5時間定電流一定電圧充電を行い、4.25Vの満充電状態とした後、恒温槽内に挿入し、常温から昇温速度5℃/分で130℃まで昇温した。恒温槽内が130℃に達した後、60分後の電池の電圧を測定し、内部短絡が発生していない基準として電圧が4.0V以上の電圧を有しているものを「○」、4.0V未満の電圧しか有していないものを「×」として、その結果を表1に示した。
【0043】
上記と同様にして4.25Vの満充電とした電池を恒温槽内に挿入し、常温から昇温速度5℃/分で150℃まで昇温した。恒温槽内が150℃に達した後、10分後の電池の電圧を測定し、内部短絡が発生していない基準として電圧が4.0V以上の電圧を有しているものを「○」、4.0V未満の電圧しか有していないものを「×」として、その結果を表1に示した。
【0044】
さらに、実施例1〜5および比較例1の各電池を3.0Vの放電状態から1C充電レートで2.5時間定電流−定電圧充電を行い、4.20Vの満充電状態とした。これらの電池を1C充電レートで12Vの定電流−定電圧充電(過充電)を行い、セパレータのシャットダウンが機能した後の電流遮断を保持しつづけたものを「○」、保持できないものを「×」として、その結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜5の電池は、130℃および150℃での加熱試験においても電圧降下を生じず、4.0V以上の電圧を保ち、かつ過充電試験でセパレータのシャットダウン機能が作動した後でも、電流遮断を保持することができた。
【0047】
これは、実施例1〜5の電池では、セパレータの周辺部の一部を正極に固定しているので、加熱時のセパレータの収縮による内部短絡の発生を防止することができたことによるものと考えられる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、セパレータの収縮による内部短絡の発生を防止した安全性の高い非水二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電池の電極巻回体における巻回前の正極、負極、セパレータおよび粘着性テープの構成を正極側から見た正面図である。
【図2】図1のA−A線による拡大断面図である。
【符号の説明】
1 正極
1a 導電性基体
1b 正極合剤層
2 負極
2a 導電性基体
2b 負極合剤層
3 セパレータ
4 粘着テープ
Claims (3)
- 導電性基体上に正極合剤層が形成された正極と、導電性基体上に負極合剤層が形成された負極とを、厚みが20μm以下のセパレータを介して巻回した電極巻回体を有する非水二次電池であって、前記セパレータの周辺部の一部または全部を、正極または負極の周辺部における導電性基体が露出した部分であって、長さ方向の端部の一部分および幅方向の端部の一部分に固定したことを特徴とする非水二次電池。
- セパレータの周辺部の固定を、正極または負極の長さ方向の端部および幅方向の端部から10mm以内の箇所で行うことを特徴とする請求項1記載の非水二次電池。
- セパレータの周辺部の一部を、融点が140℃以上の素材をベースとした粘着性テープにより正極または負極の導電性基体に貼り付けたことを特徴とする請求項1または2記載の非水二次電池。」
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