JP3931979B2 - 建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム - Google Patents

建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物に応じ想定地震外力に基づいて建物設備機器・什器の被災度の評価を行い、対策優先度の診断を行う建物設備機器・什器の簡易耐震診断システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
阪神大震災での1つの教訓として、地震が発生した時に建物そのものは大きな被害を免れても、設備機器・什器に被害が生じると、設備機器・什器によっては早期に復旧することが困難で、また建物以上に膨大なコストがかかり企業活動などに多大な影響を及ぼす場合がある。例えば機能障害による操業の中断、電子機器やサーバー類の移動、転倒、落下による情報の消失など、社会的信用や資産価値の喪失の計り知れないものもある。
【0003】
そのため、事前に設備機器・什器の耐震診断を行って、どれからどのような対策を講ずる必要があるか提案できれば、地震発生時の被害を最小限に抑えることができ、その耐震診断システムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来の建物設備機器・什器における耐震診断は、設備の劣化度や機能性に着目したものが主であり、チェックシートに従って各機器毎に現場で目視調査により劣化状況を判断して耐震性の診断を行いその診断結果を入力することにより、診断結果と総合評価、診断リスト、調査所見、改修概要、機器毎チェックシート、診断項目毎チェックシートなどを出力するものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開閉11−237321号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、建築設備の耐震性に焦点を当てた上記従来の診断では、設備だけでなく建物も含めた調査と解析を必要とするため、その場で簡易に診断(リアルタイム診断)できるほど容易なものではなかった。このことは、建築設備の耐震性をリアルタイムに診断するためのシステムが確立されていなかったことが要因の1つと考えられ、工程・コストの負荷と即時性の欠如により、これを上流の営業段階に活用することができなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであって、地震が発生した時の建物設備機器、什器の被災度を簡便に評価し対策優先度を診断し提案できるツールを提供するものである。
【0007】
そのために本発明は、建物に応じ想定地震外力に基づいて建物設備機器・什器の被災度の評価を行い、対策優先度の診断を行う建物設備機器・什器の簡易耐震診断システムであって、少なくとも建物設備機器・什器を固定式機器と非固定式機器に分けて各機器の情報及び影響度を入力する入力手段と、想定地震外力による建物の床応答震度と設計震度との比較により前記固定式機器の被災度を評価する固定式機器の被災度評価手段と、想定地震外力による加速度から前記各機器の転倒加速度との比較及び滑り量の計算を行い前記非固定式機器の被災度を評価する非固定式機器の被災度評価手段と、前記各被災度評価手段による各被災度の評価及び前記影響度から対策優先度を決定する対策度評価手段と、前記各被災度評価手段による各被災度の評価及び前記対策度評価手段による対策優先度を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、建物に応じ想定地震外力に基づいて建物設備機器・什器の被災度の評価を行い、対策優先度の診断を行う建物設備機器・什器の簡易耐震診断システムであって、少なくとも建物設備機器・什器を固定式機器と非固定式機器に分けて各機器の情報の入力を行う入力手段と、想定地震外力による建物の床応答震度と設計震度との比較により前記固定式機器の被災度を評価する固定式機器の被災度評価手段と、想定地震外力による加速度から前記各機器の転倒加速度との比較及び滑り量の計算を行い前記非固定式機器の被災度を評価する非固定式機器の被災度評価手段と、前記各被災度評価手段による各被災度の評価及び該評価に基づき決定される対策優先度を出力する出力手段とを備えたことを特徴とし、前記対策優先度は、前記各機器の情報として前記入力手段から入力される地震で被災した際の影響度と前記各被災度評価手段による各被災度の評価に基づき決定されるものであることを特徴とするものである。
【0009】
前記固定式機器の被災度評価手段は、前記被災度として、前記設計震度と前記応答震度との比が1.2から0.8の範囲にあるか否かにより3つのランクに分類して評価し、前記非固定式機器の被災度評価手段は、前記被災度として、前記加速度と各機器の転倒加速度との比が1.2から0.8の範囲にあるか否かにより3つのランクに分類し、さらには、前記滑り量が0か否かにより評価することを特徴とするものである。
【0010】
前記入力手段は、前記各機器の情報の付加情報として劣化状況を入力し、前記出力手段は、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、及び劣化状況をリスト出力し、前記出力手段は、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、及び劣化状況をそれぞれのランク又はレベルに応じて色分けして出力したり、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、又は劣化状況毎にリスト出力したり、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、又は劣化状況をグラフに編集して出力することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る建物設備機器・什器の簡易耐震診断システムの実施の形態を示す図であり、1は入力処理機構、2は演算処理機構、3は出力処理機構、11は基本情報入力部、12は建物情報入力部、13は地震情報入力部、14は固定式機器調査入力部、15は非固定式機器調査入力部、21は建物地震応答演算部、22は被災度評価・診断部、31は建物応答結果出力部、32は評価・診断結果出力部を示す。
【0012】
図1において、入力処理機構1は、汎用の表計算ソフト(例えばEXCELなど)のワークシートを活用して必要な情報を入力するものである。基本情報入力部11は、診断建物の名称、所在地など基本情報の入力と表示を行い、建物情報入力部12は、建物簡易応答計算のための建物構造諸元の入力と表示を行う。地震情報入力部13は、診断地点の想定地震外力の入力と推定震度の表示を行い、機器・什器は、固定式機器(据え付け型の設備機器)と非固定式機器(据え置き型の機器・什器)に分類し、固定式機器調査入力部14は、固定式機器の情報、調査項目の入力と表示を行い、非固定式機器調査入力部15は、非固定式機器の情報、調査項目の入力と表示を行う。
【0013】
本実施形態における耐震診断では、例えば当該地点の想定地震外力に基づいて建築設備機器の被災度を判定し、機器の重要度を考慮して対策の優先度を評価するものとする。そして、想定地震外力は、例えば設計用入力地震動(当該地点における既往の観測地震動、平成12年建設省告示第1461号に示される設計用スペクトルなど)、シナリオ地震(想定東海地震など)、地震ハザード評価(例えば今後50年間に90%はそれを越えることのない地震動強さなど)により設定し、最大加速度A0 と最大速度V0 を入力する。
【0014】
建物地震応答演算部21は、基本情報入力部11から入力された基本情報、建物情報入力部12から入力された建物構造諸元、地震情報入力部13から入力された診断地点の想定地震外力に基づいて建物の簡易地震応答演算を行うものである。建物地震応答演算部21では、「現場で答えを」の目的としてリアルタイム診断を行えるようにするため、▲1▼応答スペクトルを用いたモーダルアナリシス法とし、▲2▼建物応答は1次モード近似とする、▲3▼弾塑性応答にあたっては、剛性低下と減衰性の増大を考慮した等価線化法を採用する、という条件、仮定を設ける。また、本実施形態では、低層建物を適用対象とするが、別途に詳細な地震応答解析を実施している場合、例えば高層建物などの場合には、最大応答値確定リストに結果を入力することで、これを活用してもよい。
【0015】
被災度評価・診断部22は、さらに固定式機器の被災度評価部と非固定式機器の被災度評価部、対策度評価部を有し、建物床応答のうち加速度によって生じる機器の被災度を判定の対象とし、建物床応答のうち変位に関係する配管系(ダクト、パイプ、縦シャフトなど)の被災度は判定外として、固定式機器は、例えば「建築設備耐震設計・施工指針(1984年版)」の設計震度に基づいて被災度を評価、判定し、非固定式機器は、「剛体の移動・転倒判定」に準拠し、移動滑り量又は転倒可能性について被災度を評価、判定する(例えば構造工学論文集、Vol.43B(1997)による「地震時の剛体の転倒限界と移動量に関する検討」参照)。
【0016】
すなわち、被災度評価・診断部22において、固定式機器の被災度評価部は、想定地震外力による建物の床応答震度と設計震度との比較により固定式機器の被災度を評価し、非固定式機器の被災度評価部は、想定地震外力による加速度から各機器の転倒加速度との比較及び滑り量の計算を行い非固定式機器の被災度を評価し、対策度評価部は、各被災度評価部による各被災度の評価及び影響度から対策優先度(対策の優先順位)を決定する。
【0017】
建物応答結果出力部31は、基本情報、建物構造諸元、診断地点の想定地震外力に基づき建物地震応答演算部21で行った建物の簡易地震応答演算の結果として、例えば各階毎に加速度、速度、震度を出力するものであり、評価・診断結果出力部32は、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、及び劣化状況をリスト出力したり、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、及び劣化状況をそれぞれのランク又はレベルに応じて色分けして出力したり、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、又は劣化状況毎にリスト出力したり、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、又は劣化状況をグラフに編集して出力する。
【0018】
次に、固定式機器の被災度評価、非固定式機器の被災度評価、診断機器の影響度評価、対策優先度の決定の判定指標、評価基準、ランクについて説明する。図2は対策優先度決定のリスク指標の例を説明するための図、図3は対策優先度とその判定基準の例を説明するための図である。
【0019】
先に述べたように固定式機器の被災度を、「建築設備耐震設計・施工指針(1984年版)」による設計震度kH と、建物の簡易地震応答結果による床応答震度kmax との比較により判定する場合、判定指標k(=設計震度kH /床応答震度kmax )を用い、3つのランク(A、B、C)に分類される。その評価基準は、判定指標kが1.2から0.8の範囲にあるか否かにより、1.2以上である場合には、当該機器は被害の可能性が低いと判断されるランクAに、1.2>k≧0.8の場合には、当該機器は被害の可能性が中位と判断されるランクBに、0.8>kの場合には、当該機器は被害の可能性が高いと判断されるランクCにそれぞれ分類される。設計震度は、上記のように建物の構造各フロアにより決められているので、基本的には、各フロア毎に評価されることになる。
【0020】
非固定式機器の被災度は、「剛体の移動・転倒判定」に準拠し、移動滑り量と転倒可能性について、転倒指標Ar(=転倒加速度Acr/最大加速度Amax )と移動指標:滑り量(δ)の2つの判定指標を用い、3つのランク(A、B、C)に分類される。その評価基準は、最大加速度と各機器の転倒加速度との比が1.2から0.8の範囲にあるか否か、滑り量が0か否かにより、転倒指標Arが1.2以上、または滑り量(δ)が0cmの場合には、当該機器は転倒・移動の可能性は低いと判断されるランクAに、1.2>Ar≧0.8、またはδ>0cmの場合には、当該機器は転倒・移動の可能性は中位と判断されるランクBに、0.8>Arの場合には、当該機器は転倒の可能性は高いと判断されるランクCにそれぞれ分類される。なお、転倒指標を求めるための転倒加速度は、当該機器の幅と高さの比に基づき計算され、また、滑り量は、当該機器の床面状態、つまり摩擦係数と床面速度に基づき計算される。
【0021】
各機器の影響度は、当該機器が地震で被災した際の企業活動や営業活動などに与える影響度を、例えば3つのランク(1、2、3)に分類し、これを選択入力するものであり、例えば影響度ランク1は、当該機器が地震で被災した際の企業活動に与える影響は比較的低いと判断されるもの、影響度ランク2は、当該機器が地震で被災した際の企業活動に与える影響は中位と判断されるもの、影響度ランク3は、当該機器が地震で被災した際の企業活動に与える影響は比較的高いと判断されるものをそれぞれ分類する。
【0022】
上記のようにして各機器について評価される被災度と選択入力される影響度により、図2に示すように被災度ランクが高く、影響度ランクの高いものに対して、対策優先度(対策ランク)が高くなるようにその決定のリスク指標が設定される。したがって、このリスク指標により地震災害に対する機器・什器の対策優先度は、図3に示すように判定基準が、地震被害に対する設備機器・什器の対策優先順位はかなり低いと判断されるものが対策優先度ランク1に、地震被害に対する設備機器・什器の対策優先順位は比較的低いと判断されるものが対策優先度ランク2に、地震被害に対する設備機器・什器の対策優先順位は中位と判断されるものが対策優先度ランク3に、地震被害に対する設備機器・什器の対策優先順位は比較的高いと判断されるものが対策優先度ランク4に、地震被害に対する設備機器・什器の対策優先順位はかなり高いと判断されるものが対策優先度ランク5にそれぞれ判定される。
【0023】
具体的な入出力リストを例にさらに本実施形態を説明する。図4は基本情報リストの構成例を示す図、図5は建物構造リストの構成例を示す図、図6は地震情報リストの構成例を示す図、図7は固定式機器の被災度判定に用いる設計震度及び耐震クラスの例を示す図、図8は固定式機器の診断リストの構成例を示す図、図9は非固定式機器の被災度判定に用いる床面状態と摩擦係数の設定値及び床仕上げ・機器支持条件と摩擦係数の目安の例を示す図、図10は非固定式機器の診断リストの構成例を示す図、図11は建物の地震応答結果の出力例を示す図、図12は診断機器の集計結果の出力例として設備分類別、設置階別の機器数と存在比率の出力例を示す図、図13は固定・非固定式別の機器数と存在比率の出力例を示す図、図14は固定式機器の劣化状況の集計結果の出力例を示す図、図15は固定・非固定式別の被災度評価の出力例を示す図、図16は固定・非固定式別の対策度評価の出力例を示す図である。
【0024】
図4に示す基本情報リストは、地下、地上、塔屋からなる建物規模、規模諸元、耐震クラス、構造種別、構造形式、地盤種別、基礎形式などを入力し、図5に示す建物構造リストは、各層別に階高、床面積、面積重量などを入力し、図6に示す地震情報リストは、想定地震外力の最大加速度、最大速度などを入力する例を示したものであり、項目によりドロップダウンリストから選択したり、直接入力する。
【0025】
これらに対し、固定式機器については、「建築設備耐震設計・施工指針(1984年版)」によれば、適用階の区分と耐震クラス別の設計震度、及び設備機器の耐震クラスは、図7に示すようなものとなるので、図8に示す固定式機器の診断リストを使い、例えば分類、劣化状況、設置階、影響度ランクをドロップダウンリストから選択入力し、機器名を直接入力することにより、建物地震応答演算部21と被災度評価・診断部22の各演算、評価・診断処理の結果として、設計震度、応答震度、判定指標、被災度ランク、対策度ランク(対策優先度)が得られる。
【0026】
なお、固定式機器の劣化状況の判定基準は、目視調査による所見として、例えば機器本体・アンカー部とも劣化が見られず健全である場合には良好、劣化が進行しており詳細診断が必要と判断される場合には要注意、かなり劣化しており改修を前提とした対策が必要とされる場合には要改修としている。したがってこの劣化状況は、被災度ランク、対策度ランクの参考情報、再評価情報としての意味を持っている。
【0027】
また、非固定式機器については、図9に示す床面状態と摩擦係数の設定値、床仕上げ・機器支持条件と摩擦係数の目安を基に図10に示す非固定式機器の診断リストを使い、同様に分類、設置階、床面状態、影響度ランクをドロップダウンリストから選択入力し、機器名、機器幅、機器高さを直接入力することにより、建物地震応答演算部21と被災度評価・診断部22の各演算、評価・診断処理の結果として、移動判定、転倒判定、被災度ランク、対策ランクが得られる。なお、滑り量は、例えば日本建築学会技術報告集Vol.8(1999)による「家具の地震時滑り量の簡易評価」を採用することができる。
【0028】
上記のように入力及び建物地震応答演算部21と被災度評価・診断部22の各演算、評価・診断処理の結果としてリストで出力されるだけでなく、本実施形態では、建物応答結果出力部31により、基本情報、建物構造諸元、診断地点の想定地震外力に基づき建物地震応答演算部21で行った建物の簡易地震応答演算の結果として、図11に示す建物の地震応答結果がグラフ化して出力され、評価・診断結果出力部32により、図12〜図16に示すように集計、編集し設備分類別、設置階別の機器数と存在比率や、固定・非固定式別の機器数と存在比率、固定式機器の劣化状況の集計結果、固定・非固定式別の被災度評価、固定・非固定式別の対策度評価などがグラフ化して出力される。
【0029】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、それぞれの固定式機器と非固定式機器について評価、診断を行うようにしたが、固定式機器の場合には、各階毎に指針とされる設計震度により被災度の評価を行うので、各階毎の評価に従い、その評価と影響度と対策優先度から階毎に対策を検討できるような情報を提供するものであってもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、基本情報、建物構造諸元、地震情報を入力した後、固定式機器と非固定式機器に分けたワークシート上で簡単な情報を入力するだけで、簡便に設計震度に基づく被災度、転倒・移動指標に基づく被災度、さらに影響度を考慮した対策優先度の評価を提示することができ、設計指針に基づいた建物設備機器・什器が地震発生時に耐えられるか否かを一定の幅を持たせて提示することができる。さらに、劣化状況と合わせて事前に診断して講ずべき対策を提案することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る建物設備機器・什器の簡易耐震診断システムの実施の形態を示す図である。
【図2】 対策優先度決定のリスク指標の例を説明するための図である。
【図3】 対策優先度とその判定基準の例を説明するための図である。
【図4】 基本情報リストの構成例を示す図である。
【図5】 建物構造リストの構成例を示す図である。
【図6】 地震情報リストの構成例を示す図である。
【図7】 固定式機器の被災度判定に用いる設計震度及び耐震クラスの例を示す図である。
【図8】 固定式機器の診断リストの構成例を示す図である。
【図9】 非固定式機器の被災度判定に用いる床面状態と摩擦係数の設定値及び床仕上げ・機器支持条件と摩擦係数の目安の例を示す図である。
【図10】 非固定式機器の診断リストの構成例を示す図である。
【図11】 建物の地震応答結果の出力例を示す図である。
【図12】 診断機器の集計結果の出力例として設備分類別、設置階別の機器数と存在比率の出力例を示す図である。
【図13】 固定・非固定式別の機器数と存在比率の出力例を示す図である。
【図14】 固定式機器の劣化状況の集計結果の出力例を示す図である。
【図15】 固定・非固定式別の被災度評価の出力例を示す図である。
【図16】 固定・非固定式別の対策度評価の出力例を示す図である。
【符号の説明】
1…入力処理機構、2…演算処理機構、3…出力処理機構、11…基本情報入力部、12…建物情報入力部、13…地震情報入力部、14…固定式機器調査入力部、15…非固定式機器調査入力部、21…建物地震応答演算部、22…被災度評価・診断部、31…建物応答結果出力部、32…評価・診断結果出力部

Claims (10)

  1. 建物に応じ想定地震外力に基づいて建物設備機器・什器の被災度の評価を行い、対策優先度の診断を行う建物設備機器・什器の簡易耐震診断システムであって、
    少なくとも建物設備機器・什器を固定式機器と非固定式機器に分けて各機器の情報及び影響度を入力する入力手段と、
    想定地震外力による建物の床応答震度と設計震度との比較により前記固定式機器の被災度を評価する固定式機器の被災度評価手段と、
    想定地震外力による加速度から前記各機器の転倒加速度との比較及び滑り量の計算を行い前記非固定式機器の被災度を評価する非固定式機器の被災度評価手段と、
    前記各被災度評価手段による各被災度の評価及び前記影響度から対策優先度を決定する対策度評価手段と、
    前記各被災度評価手段による各被災度の評価及び前記対策度評価手段による対策優先度を出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とする建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  2. 建物に応じ想定地震外力に基づいて建物設備機器・什器の被災度の評価を行い、対策優先度の診断を行う建物設備機器・什器の簡易耐震診断システムであって、
    少なくとも建物設備機器・什器を固定式機器と非固定式機器に分けて各機器の情報の入力を行う入力手段と、
    想定地震外力による建物の床応答震度と設計震度との比較により前記固定式機器の被災度を評価する固定式機器の被災度評価手段と、
    想定地震外力による加速度から前記各機器の転倒加速度との比較及び滑り量の計算を行い前記非固定式機器の被災度を評価する非固定式機器の被災度評価手段と、
    前記各被災度評価手段による各被災度の評価及び該評価に基づき決定される対策優先度を出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とする建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  3. 前記対策優先度は、前記各機器の情報として前記入力手段から入力される地震で被災した際の影響度と前記各被災度評価手段による各被災度の評価に基づき決定されるものであることを特徴とする請求項2記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  4. 前記固定式機器の被災度評価手段は、前記被災度として、前記設計震度と前記応答震度との比が1.2から0.8の範囲にあるか否かにより3つのランクに分類して評価することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  5. 前記非固定式機器の被災度評価手段は、前記被災度として、前記加速度と各機器の転倒加速度との比が1.2から0.8の範囲にあるか否かにより3つのランクに分類して評価することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  6. 前記非固定式機器の被災度評価手段は、前記被災度として、前記滑り量が0か否かにより評価することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  7. 前記入力手段は、前記各機器の情報の付加情報として劣化状況を入力し、前記出力手段は、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、及び劣化状況をリスト出力することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  8. 前記出力手段は、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、及び劣化状況をそれぞれのランク又はレベルに応じて色分けして出力することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  9. 前記出力手段は、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、又は劣化状況毎にリスト出力することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
  10. 前記出力手段は、各機器の被災度の評価、影響度、対策優先度、又は劣化状況をグラフに編集して出力することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の建物設備機器・什器の簡易耐震診断システム。
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