JP6409550B2 - 部位の影響度推定方法、被災度評価方法、及び、部位の影響度推定装置 - Google Patents

部位の影響度推定方法、被災度評価方法、及び、部位の影響度推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、部位の影響度推定方法、被災度評価方法、及び、部位の影響度推定装置に関する。
建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定する部位の影響度推定方法は既によく知られている。従来例に係る部位の影響度推定方法においては、建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、当該Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおけるPushover解析の解析結果と、に基づいて、部位の影響度を推定することとしていた。
三浦耕太、外3名、「架構耐震性能に及ぼす各部位の影響度に基づいたRC造被災建物の残存耐震性能評価法の多層建物への拡張」、コンクリート工学年次論文集、Vol.34、No.2、2012、p.847-p852
従来例に係る部位の影響度推定方法には、以下の問題が生じていた。すなわち、被災前モデルにおけるPushover解析により特定される損傷部位の数が多い場合であっても、被災度評価のためには、その数だけ部分ピンモデルにおけるPushover解析を行わなければならなかった。そして、Pushover解析は時間も手間もかかるため、部位の影響度推定が簡潔に行われないという問題が生じていた。特に、建物の規模が大きい場合には、ピン部位とする損傷部位の数が膨大となるため、かかる問題の発生が顕著となっていた。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、部位の影響度を簡潔に推定することにある。
主たる本発明は、建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定する部位の影響度推定方法であって、
前記建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析を行い、
前記Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度、応答変位、減衰定数を、
前記被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、前記ピン部位の位置と、部位の特性と、に基づいて、
前記部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、前記部分ピンモデルの保有耐震性能指標を算出し、
算出された前記保有耐震性能指標に基づいて前記影響度を推定することを特徴とする部位の影響度推定方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、部位の影響度を簡潔に推定することが可能となる。
損傷度と耐震性能低減係数の関係を示した図である。 損傷度と塑性率の関係を示した図である。 基本モデルと部分ピンモデルのイメージ図である。 保有耐震性能指標算出方法を説明するための説明図である。 従来例に係る部位の影響度推定手順を説明するためのブロック図である。 本実施の形態に係る部位の影響度推定手順を説明するためのブロック図である。 部分ピンモデルにおける安全限界時層間変形角の推定例(5層建物における1層の推定手順)を示した図である。 j層における耐力減少率の算定を説明するための説明図である。 層の影響係数の一例を示した図である。 柱が剛の場合の層間変形角を表した図である。 割線剛性の算定例を示した図である。 部分ピンモデルにおける安全限界時の建物の減衰定数を説明するための説明図である。 地震発生直後の建物耐震性能残存率算定フローを示した図である。 被災度評価システムを示したブロック図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定する部位の影響度推定方法であって、
前記建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析を行い、
前記Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度、応答変位、減衰定数を、
前記被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、前記ピン部位の位置と、部位の特性と、に基づいて、
前記部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、前記部分ピンモデルの保有耐震性能指標を算出し、
算出された前記保有耐震性能指標に基づいて前記影響度を推定することを特徴とする部位の影響度推定方法。
かかる場合には、部分ピンモデルにおけるPushover解析を行う必要がなくなるため、部位の影響度を簡潔に推定することが可能となる。
また、前記簡易解析においては、前記ピン部位が属する層及び前記部位の特性である耐力に基づいて、前記被災前モデルに対する前記部分ピンモデルの前記建物の各層の層間変形角増加率を算定し、
算定された層間変形角増加率に基づいて前記応答加速度、応答変位、減衰定数を求めることとしてもよい。
かかる場合には、ピン部位が属する層及び部位の特性である耐力に基づいて求められる層間変形角増加率を用いることにより、部分ピンモデルにおけるPushover解析の実行を適切に回避することが可能となる。
また、前記簡易解析においては、前記ピン部位が属する層及び前記部位の特性である耐力に加え、梁及び柱の剛性と建物の層数とに基づいて、前記層間変形角増加率を算定することとしてもよい。
かかる場合には、梁及び柱の剛性や建物の層数も、層間変形角増加率の算定の際に、補正項として加味されるため、部位の影響度の推定精度が向上することとなる。
次に、建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定して建物の被災度を評価する被災度評価方法であって、
前記建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析を行い、
前記Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度、応答変位、減衰定数を、
前記被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、前記ピン部位の位置と、部位の特性と、に基づいて、
前記部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、前記部分ピンモデルの保有耐震性能指標を算出し、
算出された前記保有耐震性能指標に基づいて前記影響度を推定する処理を、
複数箇所の前記損傷部位毎に実行し、
前記損傷部位毎の前記影響度と、前記建物への外力の入力により得られた建物応答と、に基づいて前記建物の耐震性能残存率を算定することを特徴とする被災度評価方法。
かかる場合には、部位の影響度を簡潔に推定することが可能となり、したがって、被災度評価方法が簡潔なものとなる。
次に、建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定する部位の影響度推定装置であって、
部位の特性を記録する記録手段と、
前記建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析を実行するPushover解析実行手段と、
前記Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度、応答変位、減衰定数を、
前記被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、前記ピン部位の位置と、部位の特性と、に基づいて、
前記部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、前記部分ピンモデルの保有耐震性能指標を算出し、
算出された前記保有耐震性能指標に基づいて前記影響度を推定する影響度推定手段と、を有することを特徴とする部位の影響度推定装置。
かかる場合には、部分ピンモデルにおけるPushover解析を行う必要がなくなるため、部位の影響度を簡潔に推定することが可能となる。
===被災度評価方法について===
大地震発生時に、建物管理者及び所有者が避難の要否や事業継続性の判断を行うためには、地震発生直後において、建物の被害程度(被災度)を正確(定量的)に把握し、継続使用の可否を迅速に判定する手段が必要となる。
建物の被災度の定量的評価法に関する従来技術として非特許文献1がある。同手法では、建物被災度を定量的に表す指標として、耐震性能残存率Rを用いている。耐震性能残存率Rは、被災前の耐震性能に対する被災後の耐震性能の比として定義されるが、具体的には、建物内の各部位(正確にはヒンジ発生部位)の損傷度に応じて定められる耐震性能低減係数η(図1参照。日本建築防災協会「震災建築物の被災度区分判定基準及び復旧技術指針」2002.8で定義されている)を、建物耐震性能に及ぼす各部位の影響度Erで重みづけし、(1)式で算出する。なお、部位の影響度Erとは、建物の耐震性能に対する部位の影響度であり、当該部位が損傷を受けたときにどれだけ建物全体に影響を及ぼすかを示した値である。また、部位とは、柱、梁等の部材の一部分(例えば柱脚や梁端)を意味するものである。
Figure 0006409550
耐震性能低減係数ηの算定に用いる損傷度について、非特許文献1では、被害調査において目視等で判断することを原則としているが、建物モデルの解析結果における塑性率と損傷度を対応させる考え(例えば図2の様な関係)についても言及している。
===従来例に係る部位の影響度推定方法について===
非特許文献1では、各部位の影響度Erの算定(推定)に関して、次に示す精算法(3次判定法)を用いることを原則としていた。
各部位の影響度Erは、一般的な解析手法である骨組のPushover解析(静的漸増載荷解析)と地震応答スペクトルに基づく保有耐震性能指標(日本建築学会「鉄筋コンクリート造建物の耐震性能評価指針(案)・同解説」2004.7で定義されている)から求める。以下にその流れを示す。
a)全ての部位に実際の耐力を入れた基本モデル(建物への外力の入力前の被災前モデルに相当)についてPushover解析を行う。Pushover解析により、損傷部位の位置(すなわち、ヒンジ発生位置。b)でピン部位とする損傷部位の位置(つまり、ピン部位の位置)も含む)を特定する。
b)ある部位の損傷が建物の耐震性能に及ぼす影響を評価するため、ヒンジ発生位置のうち1ヶ所の耐力をゼロ、つまりピン(ピン部位)とした部分ピンモデル(仮想的なモデル。図3参照)についても同様にPushover解析を行う。なお、図3においては、丸で示した部分が、ヒンジ発生位置を表し、黒丸で示した部分が、今回耐力がゼロとされた(つまり、ピンとした)ヒンジ発生位置を表している。
c)解析結果を用い、(2)〜(4)式で等価1自由度系の応答加速度Sa-応答変位Sd関係(耐力曲線)を求める。
Figure 0006409550
Figure 0006409550
Figure 0006409550
mi:i層の重量 Di:i層の相対変位 ΣQ1:1層せん断力
d)基本モデルと部分ピンモデルの耐力曲線に関し、安全限界時(層間変形角最大値=1/50rad.とした)において、第2種地盤の告示の応答スペクトルに対する保有耐震性能指標α、α'(建物の耐震性能の大小を数値で表したもの)を求める(図4)。保有耐震性能指標は、基準地震動Sに対する限界地震動αS(図4において、安全限界点を通る地震動)の比として定義される。限界地震動αSは、建物が安全限界状態に達する際の地震動強さであり、耐力曲線上の安全限界点を通過するスペクトルの大きさに該当する。基準地震動は、告示の応答スペクトルを、安全限界時の建物の減衰定数h(建物のエネルギー吸収力の大小を数値で表したもの)の大きさに応じた応答低減率Fhで低減したものである((5)式)。建物の減衰定数hは、塑性率μに応じて定義される建物内各部位(各バネ)の減衰定数hiを、歪エネルギーWiで重みづけ平均し、(6)式で求められる。
Figure 0006409550
図4からもわかるように、保有耐震性能指標は安全限界時の応答加速度Sa、応答変位Sd、減衰定数hによって定まり、それぞれの値が大きい程、高い値となる。
e)基本モデルに対する、部分ピンモデルの保有耐震性能指標の減少率Drを(9)式により求める。ただし、Drが負の値となった場合については、Dr=0とする。
Figure 0006409550
f)全ての損傷部位の位置(ヒンジ発生位置)について減少率Drを求める。
g)Drを和が1になるよう基準化したものを、影響度Erと定義する((10)式)。
Figure 0006409550
===従来例に係る部位の影響度推定方法の問題点について===
従来技術における各部位の影響度Erの算定(推定)において、主要な計算部分となる保有耐震性能指標の算定には、安全限界時の建物の応答加速度Sa、応答変位Sd及び減衰定数hが必要である。従来方法では、基本モデル、部分ピンモデルそれぞれに対してPushover解析を行うことで、上記の3つの指標を算定している。すなわち、各部位の影響度Erを算定(推定)して建物被災度を定量的に評価するためには、ヒンジ数と同じ回数だけのPushover解析を行う必要があり、実建物、特に大規模建物を対象とした場合には、計算量が膨大になる(図5参照)。
換言すれば、被災前モデルにおけるPushover解析により特定される損傷部位の数が多い場合であっても、被災度評価のためには、その数だけ部分ピンモデルにおけるPushover解析を行わなければならない。そして、Pushover解析は時間も手間もかかるため、部位の影響度推定が簡潔に行われないという問題が生じていた。特に、建物の規模が大きい場合には、ピン部位とする損傷部位の数が膨大となるため、かかる問題の発生が顕著となっていた。
また、部分ピンモデルは、建物内の一部分だけが損傷を受けるという極端な状態(現実離れした状態)を仮定した仮想モデルである。そのため、本来このような極端な状態(現実離れした状態)の仮想モデルに適用することが予定されていないPushover解析を、部分ピンモデルに対して行った場合には、計算上のエラー(誤差などを含む)が生ずる可能性がある(つまり、推定結果の安定性の欠如)。
===本実施の形態に係る部位の影響度推定方法について===
<<<概要>>>
従来技術の問題点を解決するため、本実施の形態においては、基本モデルにおけるPushover解析結果と、解析の入力データとしても用いる基本的な部材特性(耐力、剛性)、及びピンとする部位の位置(階数)と耐力に基づいて、部分ピンモデルにおける応答加速度Sa'、代表変位(応答変位)Sd'、減衰定数h'を推定し、各々の部分ピンモデルの保有耐震性能指標α'並びに各部位の影響度Erを算定する(図6参照)。
本実施の形態は、従来の定量的被災度(耐震性能残存率)評価法における、部分ピンモデルの保有耐震性能指標α'算定部分(従来例に係る部位の影響度推定方法のb)〜d))を、Pushover解析が不要なものに置換することで、評価法全体の安定性及び簡便性を実用可能なレベルまで向上させたものである。
なお、影響度Erが推定されて、(1)式により耐震性能残存率Rを求める際には、耐震性能低減係数ηを得る必要があることについては既に述べたが、従来手法においては、前述のとおり、RC造建物を対象として、現地調査結果あるいは解析モデル上の応答最大塑性率に基づいて、建物各部位の耐震性能低減係数ηを算定することとしていた。
しかしながら、Miner則による累積損傷値Dに基づいて、(11)式で各部位の耐震性能低減係数ηを算定することで、鉄骨造建物における耐震性能残存率評価を行うようにしてもよい。累積損傷値Dは、鈴木芳隆,小鹿紀英ほか「長周期地震動に対する鉄骨造超高層建築物の安全性検証方法の検討(その22 地震応答解析結果を用いた損傷評価手法)」日本建築学会大会学術講演梗概集,2013.8等に示されている方法を用いれば、応答最大塑性率と累積塑性変形倍率の値から、略算的に計算することも出来る。
Figure 0006409550
Ni:最大塑性率μiのサイクルが単独で繰り返された際の、破断までの繰り返し回数で、疲労曲線により規定される。疲労曲線は、成原弘之,山田哲ほか「長周期地震動に対する鉄骨造超高層建築部の安全性検証方法の検討(その20 梁端溶接接合部の低サイクル疲労損傷評価法)」日本建築学会大会学術講演梗概集,2013.8等に示されている。
ni: 最大塑性率μiのサイクルの繰り返し回数
ただし、RC造及びSRC造建物については、従来技術の塑性率等を用いた方法で、耐震性能低減係数ηを算定する。このようにすれば、構造種別に関わらず、本実施の形態に係る被災度評価方法を用いることができる。
次項では、曲げ降伏型の純ラーメン建物を想定し、部分ピンモデルにおける保有耐震性能指標α'算定法の手順を示す。
<<<具体的推定方法>>>
<応答変位Sd'の算定>
1)層間変形角δr'の算定
部分ピンモデルにおける各層の層間変形角δr'をa)〜d)に示す手順で算定する(図7参照)。
a) 全ての部位に実際の耐力を入れた基本モデル(建物への外力の入力前の被災前モデルに相当)についてPushover解析を行う。Pushover解析により、損傷部位の位置(すなわち、ヒンジ発生位置。b)でピン部位とする損傷部位の位置(つまり、ピン部位の位置)も含む)を特定する。Pushover解析結果における各層の層間変形角をδriとする。
b) Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおいては、ピン部位が属する層(以下損傷層)の耐力が減少するため、損傷層及びその周辺層の変形が増加する。そこで、(13)式でi層の層間変形角増加率Δi(被災前モデルに対する部分ピンモデルの建物の各層の層間変形角増加率)を算定する。なお、Δeiが層間変形角増加率基準値でメインの項となるのに対し、K、S、Cは調整項(補正用の項)である。
Figure 0006409550
b-1)
Δei:i層の層間変形角増加率基準値。ピンとした部位の耐力や、損傷層からi層までの距離等に応じて、(14)式で求める。
Figure 0006409550
A部分:
部分ピンモデルにおける損傷層の耐力減少率が大きく、また、当該層(i層)が損傷層に近い程、層間変形角の変化Δeiが大きくなることを評価する。
n:建物層数
sMurj:j層における耐力減少率(ヒンジ発生部位をピンとしたことでj層の耐力がどれだけ落ちてしまったかを表す量である)。j層におけるヒンジ発生部位の耐力の和sΣMuj(以下、層の耐力)に対する、ピン部位の耐力Muの比率として、(15)式で求める。
Figure 0006409550
損傷層以外においては、sMurj=0となる。ここで、中間階の梁ヒンジについては、梁耐力で決まる節点モーメントが上下層に分配されるため、(15)式におけるsΣMuj及びMuに対して、それぞれ梁耐力の1/2を加算することとする。剛域を無視した場合、Murjは、梁ヒンジによって決まる節点モーメントを上下層の柱に均等に分配した場合の層せん断力ΣQujを、部分ピンモデル、基本モデルそれぞれについて求め、部分ピンモデルにおける減少率を算定したものに等しくなる(図8参照)。図8の例において、仮に全ての梁の耐力Muiが等しいとすると、sMurj=1/8となる。
すなわち、図8の例において、黒丸で示されるピン部位が属する層を例えば2層(黒丸の直下の層)及び3層(黒丸の直上の層)とすると、損傷層は、2層と3層のみとなる。そのため、2層と3層以外の層(1層や4層以上の層)については、sMurj=0となる(図7参照)。また、2層について、sMurjを求める際には、図8に示すように、2層に属するピン部位が1つに対し、2層に属する損傷部位(ピン部位も含む)が8つであるため、全ての梁の耐力Muiが等しいと、sMurj=1/8となる。
aj:層の影響係数(ピン部位が属する層からどれだけ離れた層であるかを表した係数と言える。)。i層とj層(j=1〜n)の距離(L=j-i)の値に応じて、(16)式で算定する。なお、図7の例においては、ピン部位が属する層が2層及び3層となり、1層が2層からどれだけ離れているかがa2で表され、1層が3層からどれだけ離れているかがa3で表されている。
Figure 0006409550
n=3,5,10の各場合におけるajの値の算定例を図9に示す。
なお、A部分の分母は基準化のための項である。
B部分:
部分ピンモデルにおける建物全体の耐力減少率が大きい程、層間変形角の変化Δeiが大きくなるという関係を、耐力減少率係数allMurによって評価する。allMurは、全てのヒンジ位置(損傷部位の位置)における曲げ耐力の合計値として定義する建物全体の耐力ΣMuに対するピン部位の耐力Muの比率(以下、耐力減少率Mu/ΣMu)を、減少率の平均値ave(Mu/ΣMu)で基準化し、(17)式で求める。ave(Mu/ΣMu)は、(18)式で算定出来る。
Figure 0006409550
nh:ヒンジ箇所数
b-2)
K:柱剛性による補正係数。各層の層間変形角の差は、柱変形によって生じる(仮に柱を剛とした場合、図10に示すように、各層の層間変形角は等しくなる)。一般に、柱剛性(剛比)が小さい程、柱変形が大きくなり、層間変形の差は大きくなる。従って、部分ピンモデルにおける層間変形の変化率Δiも、柱剛比が小さい程大きくなる。その影響を、(19)式で算定される係数Kによって評価する。
Figure 0006409550
ΣKb:梁の割線剛性の合計値。各梁部材の割線剛性Kbは、安全限界時における梁端モーメントbMを材端バネの曲げ回転角bθfで除すことで求めたi、j端の割線剛性Kbi、Kbj(図11)の平均値として求める。
Figure 0006409550
ΣKc:柱の割線剛性の合計値。梁と同様の方法で求める。
b-3)
層間変形角変化率Δiは、一般に、層数nに比例して大きくなる。一方で、(14)式のA部分における分母は、nに比例して大きくなるため、Δeiの値をそのまま用いた場合、逆に変化率Δiがnに比例して小さくなってしまう。そこで、層数による補正係数Sによって、層間変形角変化率Δiが層数nに比例するような関係を構築する。
Figure 0006409550
b-4)
C:定数項(=7)
c)基本モデルにおけるi層の層間変形角δriに、(13)式で求めた層間変形角増加率Δiを乗じ、(22)式で、部分ピンモデルにおける(仮の)層間変形角δrti'を求める。「仮の」と言うのは、後述の手順において最大値で基準化する前の値という意味である。
Figure 0006409550
d)安全限界時の条件(層間変形角の最大値が1/50rad.)を満たすための係数をδrti'に乗じ、安全限界時の層間変形角δri'を求める(図7参照)。
Figure 0006409550
δr50:安全限界時層間変形角(=1/50rad.)
max(δrti'):1〜n層におけるδrti'の最大値(=変形角最大層におけるδrti')
2)応答変位Sd'の算定
i層の層間変形δi'は、層間変形角δri'に階高Hiを乗じ、(24)式で算定される。
Figure 0006409550
また、相対変位Diは、(25)式で算定される。
Figure 0006409550
縮約1質点系における安全限界時の応答変位Sd'は、(2)式に従って算定される。ここで、各層の質量miは基本モデルと同一であるため、既知の値である。
<応答加速度Sa'の算定>
部分ピンモデルにおける安全限界時のi層せん断力ΣQi'は、基本モデルのPushover解析結果におけるi層せん断力ΣQi及び部分ピンモデルにおける耐力減少率Mu/ΣMu((17)式参照)を用い、(26)式で求められる。
Figure 0006409550
また、有効質量Mud'は、(25)式で求めた各層の相対変位Di、及び各層の質量miを用い、(3)式に従って算定される。
(26)式で求めた安全限界時の1層せん断力ΣQ1'及び有効質量Mud'を用い、(4)式に従って、安全限界時の応答加速度Sa'を算定する。
<減衰定数h'の推定>
部分ピンモデルにおける安全限界時の減衰定数h'は、次の手順で算定する(図12)。
a)基本モデルのPushover解析結果における層せん断力−層間変形関係をトリリニア型にモデル化し、第2折れ点をi層の降伏変形δyiとして定義する。
b)部分ピンモデルにおいても、i層の降伏変形は基本モデルと同一であると仮定し、(24)式で算定されるi層の層間変形δi'と降伏変形δyiの比率から、(27)式でi層の層塑性率μiを求める。
Figure 0006409550
c)層塑性率μiを用い、(28)式で、i層の減衰定数hiを求める。また、(26)式で算定されるi層せん断力ΣQi'を用い、i層のポテンシャルエネルギーWiを(29)式で求める。
Figure 0006409550
ho:粘性減衰定数
d)建物全体の減衰定数he'を、(30)式で求める。
Figure 0006409550
e)基本モデルについても同様にa)〜d)の手順で、建物全体の減衰定数(推定値)heを求める。一方、(6)式では、Pushover解析における各バネの出力結果を基に、基本モデルにおける減衰定数の精算値hが求められている。
基本モデルにおいて減衰定数の推定値heと精算値hが一致するように設定した補正係数Khを、(30)式で求めたhe'に乗じ、部分ピンモデルにおける減衰定数h'を求める((31)式)。
Figure 0006409550
<保有耐震性能指標α'の算定>
上記で求めた安全限界時の応答加速度Sa'、応答変位Sd'、減衰定数h'を用いて、各々の部分ピンモデルの保有耐震性能指標α'を算定する。
<影響度Erの算定>
保有耐震性能指標α'が得られた際には、従来例に係る部位の影響度推定方法で説明したe)〜g)項により、影響度Erを算定(推定)する。
===本実施の形態に係る部位の影響度推定方法及び被災度評価方法の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係る部位の影響度推定方法においては、建物への外力の入力前の被災前モデル(つまり、図6の上図に示した基本モデル)におけるPushover解析を行うこととした。
そして、Pushover解析により特定される損傷部位(つまり、ヒンジ部位。例えば、図8において黒丸と白丸で表した部位)のうちの一つをピン部位(例えば、図8において黒丸で表した部位)とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度Sa'、応答変位Sd'、減衰定数h'を、被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果(例えば、層せん断力ΣQi, 層間変形角δri(層間変位)、減衰定数h)と、ピン部位の位置(例えば、ピン部位が属する層)と、部位の特性(例えば、損傷部位(ピン部位も含む)の耐力)と、に基づいて、部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、部分ピンモデルの保有耐震性能指標α'を算出することとした。
そして、算出された保有耐震性能指標α'に基づいて影響度Erを推定することとした。
本実施の形態によれば、部分ピンモデルにおけるPushover解析を行う必要がなくなるため、部位の影響度を簡潔に推定することが可能となる。また、部分ピンモデルにおけるPushover解析を行う必要がなくなるため、極端な状態(現実離れした状態)の仮想モデルに対してPushover解析を行うことにより、計算上のエラー(誤差などを含む)が生ずるという問題を回避することも可能となり、推定結果が安定することとなる。
また、本実施の形態に係る簡易解析においては、ピン部位が属する層及び部位(例えば、損傷部位(ピン部位も含む))の特性である耐力に基づいて、被災前モデルに対する部分ピンモデルの建物の各層の層間変形角増加率Δiを算定し、算定された層間変形角増加率Δiに基づいて応答加速度Sa'、応答変位Sd'、減衰定数h'を求めることとした。
本実施の形態によれば、ピン部位が属する層及び部位の特性である耐力に基づいて求められる層間変形角増加率を用いることにより、部分ピンモデルにおけるPushover解析の実行を適切に回避することが可能となる。
また、本実施の形態に係る簡易解析においては、ピン部位が属する層及び部位の特性である耐力に加え、梁及び柱の剛性(例えば、梁の割線剛性Kb、柱の割線剛性Kc)と建物の層数nとに基づいて、層間変形角増加率Δiを算定することとした。
本実施の形態によれば、梁及び柱の剛性や建物の層数も、層間変形角増加率の算定の際に、補正項として加味されるため、部位の影響度の推定精度が向上することとなる。
また、本実施の形態に係る被災度評価方法においては、建物への外力の入力前の被災前モデル(つまり、図6の上図に示した基本モデル)におけるPushover解析を行うこととした。
そして、Pushover解析により特定される損傷部位(つまり、ヒンジ部位。例えば、図8において黒丸と白丸で表した部位)のうちの一つをピン部位(例えば、図8において黒丸で表した部位)とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度Sa'、応答変位Sd'、減衰定数h'を、被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果(例えば、層せん断力ΣQi, 層間変形角δri(層間変位)、減衰定数h)と、ピン部位の位置(例えば、ピン部位が属する層)と、部位の特性(例えば、損傷部位(ピン部位も含む)の耐力)と、に基づいて、部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、部分ピンモデルの保有耐震性能指標α'を算出し、算出された保有耐震性能指標α'に基づいて影響度Erを推定する処理を複数箇所の前記損傷部位毎((1)式参照)に実行することとした。
そして、損傷部位毎の影響度Erと、建物への外力の入力により得られた建物応答と、に基づいて建物の耐震性能残存率Rを算定する((1)式参照)こととした。
そのため、部位の影響度を簡潔に推定することが可能となり、したがって、被災度評価方法が簡潔なものとなる。また、通常の設計で用いられる建物解析モデルに基づき、本実施の形態に係る影響度推定方法によって各部位の影響度Erを事前計算しておけば、加速度センサで記録した入力波形を用いた時刻歴応答解析等によって推定した地震時の建物応答(各部位の塑性率あるいは累積塑性変形)の情報と組み合わせて、地震発生直後に建物の耐震性能残存率を自動計算することが出来る(図13)。
建物所有者や管理者等は、耐震性能残存率の値に基づいて、避難の要否や事業継続性の判断、被害調査や復旧計画の優先順位の決定を効率的に行うことが出来るため、地震発生後の各種対応の迅速化に大いなる貢献が期待される。
===本実施の形態に係る被災度評価システムについて===
次に、本実施の形態に係る被災度評価システム1について、図14を用いて説明する。被災度評価システム1は、影響度Erを算定(推定)するためのコンピューター(影響度推定装置に相当。以下、便宜上、影響度推定用コンピューター10と呼ぶ)と、被災度を評価するためのコンピューター(以下、便宜上、被災度評価用コンピューター20と呼ぶ)と、を有している。
いずれのコンピューターも、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の情報を表示するための表示装置と、キーボード、マウス等の入力装置と、CD−ROMドライブ装置、DVD(Digital Versatile Disk)装置等の読取装置と、RAM等の内部メモリと、ハードディスクドライブユニット等の外部メモリと、CPUと、を備えている。
影響度推定用コンピューター10においては、記録手段12(外部メモリがこの役割を果たす)に部位の特性(例えば、損傷部位(ピン部位も含む)の耐力や、梁及び柱の剛性や、基本モデルのPushover解析に必要な公知の構造物データ)や建物の層数等の情報が格納されている。そして、算定手段14(主として、CPU及び内部メモリがこの役割を果たす)が記録手段12からこれらの情報を読み出して影響度Erを算定する。算定手段14は、Pushover解析実行手段14aと影響度推定手段14bとを備えている。
そして、Pushover解析実行手段14aは、建物への外力の入力前の被災前モデル(つまり、図6の上図に示した基本モデル)におけるPushover解析を行う。また、影響度推定手段14bは、Pushover解析により特定される損傷部位(つまり、ヒンジ部位。例えば、図8において黒丸と白丸で表した部位)のうちの一つをピン部位(例えば、図8において黒丸で表した部位)とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度Sa'、応答変位Sd'、減衰定数h'を、被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果(例えば、層せん断力ΣQi, 層間変形角δri(層間変位)、減衰定数h)と、ピン部位の位置(例えば、ピン部位が属する層)と、部位の特性(例えば、損傷部位(ピン部位も含む)の耐力)と、に基づいて、部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、部分ピンモデルの保有耐震性能指標α'を算出し、算出された保有耐震性能指標α'に基づいて影響度Erを推定する。推定された影響度Erは、表示手段16(表示装置がこの役割を果たす)に表示される。
このような影響度推定用コンピューター10によれば、部分ピンモデルにおけるPushover解析を行う必要がなくなるため、部位の影響度を簡潔に推定することが可能となる。また、部分ピンモデルにおけるPushover解析を行う必要がなくなるため、極端な状態(現実離れした状態)の仮想モデルに対してPushover解析を行うことにより、計算上のエラー(誤差などを含む)が生ずるという問題を回避することも可能となり、推定結果が安定することとなる。
影響度推定用コンピューター10において推定(算定)された影響度Erは、被災度評価用コンピューター20に転送される。転送手段は、有線、無線を問わず、また、公衆回線であっても専用回線(LANも含む)であってもよい。また、CD−ROM、DVD、USBメモリ等を介す方法でもよい。
被災度評価用コンピューター20においては、記録手段22(外部メモリがこの役割を果たす)に損傷部位(ヒンジ部位)毎の影響度Erが格納されている。被災度評価用コンピューター20には、加速度センサ30が連結されており、加速度センサ30で記録された地震の入力波形が被災度評価用コンピューター20に転送されるようになっている。被災度評価用コンピューター20では、耐震性能残存率算定手段24が、地震の入力波形に基づいて、地震時の建物応答を推定し、推定した建物応答と損傷部位(ヒンジ部位)毎の影響度Erとに基づいて、耐震性能残存率Rを算定する。算定された耐震性能残存率Rは、表示手段26(表示装置がこの役割を果たす)に表示される。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、被災度評価システム1として、2つのコンピューター、すなわち、影響度推定用コンピューター10及び被災度評価用コンピューター20が、設けられていることとしたが、双方のコンピューターの機能を有する1つのコンピューターのみが設けられていることとしてもよい。
1 被災度評価システム
10 影響度推定用コンピューター
12 記録手段
14 算定手段
14a Pushover解析実行手段
14b 影響度推定手段
16 表示手段
20 被災度評価用コンピューター
22 記録手段
24 耐震性能残存率算定手段
26 表示手段
30 加速度センサ

Claims (5)

  1. 建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定する部位の影響度推定方法であって、
    前記建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析を行い、
    前記Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度、応答変位、減衰定数を、
    前記被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、前記ピン部位の位置と、部位の特性と、に基づいて、
    前記部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、前記部分ピンモデルの保有耐震性能指標を算出し、
    算出された前記保有耐震性能指標に基づいて前記影響度を推定することを特徴とする部位の影響度推定方法。
  2. 請求項1に記載の部位の影響度推定方法であって、
    前記簡易解析においては、前記ピン部位が属する層及び前記部位の特性である耐力に基づいて、前記被災前モデルに対する前記部分ピンモデルの前記建物の各層の層間変形角増加率を算定し、
    算定された層間変形角増加率に基づいて前記応答加速度、応答変位、減衰定数を求めることを特徴とする部位の影響度推定方法。
  3. 請求項2に記載の部位の影響度推定方法であって、
    前記簡易解析においては、前記ピン部位が属する層及び前記部位の特性である耐力に加え、梁及び柱の剛性と建物の層数とに基づいて、前記層間変形角増加率を算定することを特徴とする部位の影響度推定方法。
  4. 建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定して建物の被災度を評価する被災度評価方法であって、
    前記建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析を行い、
    前記Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度、応答変位、減衰定数を、
    前記被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、前記ピン部位の位置と、部位の特性と、に基づいて、
    前記部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、前記部分ピンモデルの保有耐震性能指標を算出し、
    算出された前記保有耐震性能指標に基づいて前記影響度を推定する処理を、
    複数箇所の前記損傷部位毎に実行し、
    前記損傷部位毎の前記影響度と、前記建物への外力の入力により得られた建物応答と、に基づいて前記建物の耐震性能残存率を算定することを特徴とする被災度評価方法。
  5. 建物の耐震性能に対する部位の影響度を推定する部位の影響度推定装置であって、
    部位の特性を記録する記録手段と、
    前記建物への外力の入力前の被災前モデルにおけるPushover解析を実行するPushover解析実行手段と、
    前記Pushover解析により特定される損傷部位のうちの一つをピン部位とした建物の部分ピンモデルにおける安全限界時の応答加速度、応答変位、減衰定数を、
    前記被災前モデルにおけるPushover解析の解析結果と、前記ピン部位の位置と、部位の特性と、に基づいて、
    前記部分ピンモデルにおけるPushover解析を用いない簡易解析により求めて、前記部分ピンモデルの保有耐震性能指標を算出し、
    算出された前記保有耐震性能指標に基づいて前記影響度を推定する影響度推定手段と、を有することを特徴とする部位の影響度推定装置。
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