JP3931766B2 - Fax配信装置及びfax配信プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FAX配信を行うFAX配信装置及びFAX配信プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、FAX受信及びその配信を行うソフトウェアにおいて、FAX受信サーバ上に取込んだFAX受信データを送信先のクライアントの受信者に渡して配信する方法としては、FAX受信サーバにおいて、Fコード(内部アドレス)や送付状のOCR(Optical Character Reader:光学式文字読取り装置)認識により自動的に受信者を特定して配信する方法があった。
【0003】
上記の自動的に受信者を特定する方法においては、FAXの送信元で必要な情報を付加する必要があるため、全てのデータを自動的に特定できるわけではない。このような場合、FAX受信サーバに保存されたデータについて、管理人がプレビュー等でそのデータ内容を確認し、送信先の受信者にそのデータを配信する方法がとられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自動的に受信者を特定するには送信側での指定が重要な要素となる。Fコードは全てのFAX機で指定が可能なわけではなく、特に家庭用FAX等の低価格のFAX機ではFコードの機能がついていないものがほとんどである。また、OCR認識による受信者の自動特定を行う場合は、FAX送信側で、ある程度決まったフォーマットの送付状を付ける必要があり、送信元が不特定の場合は送付状のフォーマットも異なり、ほとんどOCR認識できないため自動特定もできなかった。
【0005】
従って、手動で配信する仕組みは必ず必要であった。手動配信する場合の通常の方法としては、2つ挙げられる。第1の方法は、特定の管理者がFAX受信サーバにおける未配信のFAX受信データの状況を監視して、受信データがあれば、FAX受信データのプレビュー等でデータ内容を確認して該当の受信者に配信する。第2の方法は、全ての人が未配信のFAX受信データの状況を監視することが可能で、データ内容を確認し、自分のデータであればデータをダウンロードする方法である。
【0006】
しかし、第1の方法では、管理者が未配信のFAX受信データの内容を見るため、FAX受信データを自動受信する場合に比べて秘匿性に欠け、また、管理者が未配信のFAX受信データの状況を監視できない場合にFAX受信データを配信することができなかった。
【0007】
第2の方法では、該当の受信者以外の人が未配信のFAX受信データの内容を見ることができるため、FAX受信データを自動受信する場合に比べて秘匿性に欠け、また、該当の受信者が未配信のFAX受信データの状況を監視できない場合にFAX受信データを速やかに配信することができなかった。
【0008】
本発明の課題は、FAX受信データ配信においてFコードやOCR認識によって自動的に受信者を特定する構成を必要とせずに、FAX受信データの秘匿性を高めると共に、FAX受信データを送信先のクライアントに配信できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、FAXデータを送信元から受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたFAXデータを記憶する記憶手段とを備え、前記記憶手段により記憶されたFAXデータを通信ネットワークに接続されたクライアント装置に配信するFAX配信装置において、前記記憶手段は、回覧ルート順に並べられた受信者名及びその受信者が所属するクライアント装置名を有する回覧情報を記憶し、前記記憶手段により記憶されたFAXデータの表示範囲を制限してプレビューデータを作成する表示範囲制限手段と、
前記表示範囲制限手段により作成されたプレビューデータを前記記憶手段に記憶された回覧情報に基づいて前記通信ネットワーク上の回覧先の受信者が所属するクライアント装置へ回覧ルート順に配信する第1の配信手段と、前記第1の配信手段によりプレビューデータを送信されたクライアント装置からのFAXデータの取得要求を、前記通信ネットワークを介して受付ける受付手段と、前記記憶手段に記憶されたFAXデータを、前記受付手段により受付けられた取得要求を発信したクライアント装置に前記通信ネットワークを介して配信する第2の配信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明における第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態について順に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1〜図6を参照して本実施の形態を説明する。先ず、図1〜図3を参照して装置の特長を説明する。図1は、本実施の形態におけるFAX配信システムαのシステム構成を示すブロック図であり、図2は、FAXサーバ1の内部構成を示すブロック図であり、図3は、クライアント2A,2B,2Cの内部構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施の形態のFAX配信システムαは、FAXデータをFAX端末3A,3B,3Cから受信してクライアント2A,2B,2Cへ配信するサーバ装置であるFAX配信サーバ1と、FAX受信データの配信先のクライアント装置であるクライアント2A,2B,2Cと、FAXデータの送信元であるFAX端末3A,3B,3Cと、FAX配信サーバ1とクライアント2A,2B,2Cとを接続するLAN(Local Area Network)4と、クライアント2A,2B,2Cとを接続する公衆回線5とを備える。
【0017】
各クライアント2A,2B,2Cには、クライアント名が付与され、また少なくとも1名のユーザが所属される。各ユーザにもユーザ名が付与されている。FAX端末3A,3B,3Cは、公衆回線5を介してクライアント2A,2B,2Cに所属するあるユーザ宛てにFAXデータを送信し、FAX配信サーバ1は、FAX端末3A,3B,3Cから送信されたFAXデータを受信する。以下、FAX配信サーバ1で受信したFAXデータをFAX受信データとする。そして、FAX配信サーバ1は、LAN4を介して、FAX受信データを宛先のユーザが所属するクライアントへ送信する。
【0018】
なお、本実施の形態においては、クライアントは3台、FAX端末も3台で表現されているが、これに限るものではなく、クライアントは少なくとも1台、FAX端末も少なくとも1台の構成でよい。
【0019】
次に、図2を参照して、FAX配信サーバ1の内部構成を説明する。FAX配信サーバ1は、各部の中央制御を行うCPU(Central Processing Unit)1aと、管理者の入力を介する入力部1bと、情報を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)1cと、情報を管理者に対して表示する表示部1dと、情報を記憶する記憶装置1eと、LAN4上のクライアント2A,2B,2Cとのデータの送受信を制御するデータ通信部1fと、現在時刻を出力する計時部1gと、公衆回線5と通信接続するFAXモデム装置1hと、FAXモデム装置1hを通信制御しFAXデータを受信するFAX受信制御部1iとから構成され、各部をバス1jにより通信接続する。
【0020】
CPU1aは、記憶装置1e内に記憶されているシステムプログラム及びFAX配信サーバ1に対応する各種アプリケーションプログラムの中から指定されたアプリケーションプログラムをRAM1c内に展開し、入力部1bから入力される各種指示又はそれに応じた各種データをRAM1c内に一時的に格納し、この入力指示及び入力データに応じて記憶装置1e内に格納されたアプリケーションプログラムに従って各種処理を実行し、その処理結果をRAM1c内に格納すると共に、表示部1dに表示する。そして、RAM1c内に格納した処理結果を入力部1bから入力指示される記憶装置1e内の保存先に保存する。
【0021】
CPU1aは、第1のFAX受信データ配信処理を実行する。第1のFAX受信データ配信処理の実行によりCPU1aは、クライアントから受信データ一覧要求を受信した場合、記憶装置1eに記憶されたFAX受信データに基づき受信データ一覧を作成して受信データ一覧要求元のクライアントに配信し、クライアントからデータ内容表示要求を受信した場合、記憶装置1eに記憶されたFAX受信データの付加情報に基づきFAX受信データの1頁目の上半分であるプレビュー表示内容を作成してデータ内容表示要求元のクライアントに配信し、クライアントからFAX受信データの取得要求を受信した場合、記憶装置1eに記憶されたFAX受信データを取得要求元のクライアントに配信し、取得ユーザ名とFAX受信データに付加された情報から配信ログファイルE12を作成し記憶装置1eに記憶する(図6参照)。
【0022】
入力部1bは、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボード並びにマウス等のポインティングデバイス等を含み、操作者によりキーボードで押下された押下信号やポインティングデバイスの位置信号をCPU1aに出力する。
【0023】
RAM1cは、各種プログラム、入力データ及び処理結果等の各種データを、ランダムアクセス展開可能に格納するワーク領域を有して、各種状態を記憶するメモリである。
【0024】
表示部1dは、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)又はEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を備え、CPU1aから入力される表示指示に従って各種表示データの画面表示を行う。
【0025】
記憶装置1eは、各種プログラム、各種データなどが予め記憶されまたは書込み可能な記録媒体(図示せず)を有し、当該記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体、若しくは半導体等の不揮発性メモリ等のCPU1a読取り可能な記録媒体で構成されている。当該記録媒体は、固定ハードディスク等の固定的に設けたもの、若しくは、CD−RW、DVD+RW、DVD−RAM、メモリカード、携帯ハードディスク等の着脱自在に装着する可搬型のものを含む。
【0026】
RAM1c及び記憶装置1eは、CPU1aの制御により内部データの読込み及び書換えが可能な構成である。なお、前記記録媒体としては、他にも、読書き可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリを採用する構成でもよい。プログラムを記録する記録媒体としては、読込み専用のCD−ROM、DVD、ROM等を採用する構成でもよい。
【0027】
また、記憶装置1eに記憶されたプログラム、データ等は、その一部若しくは全部を外部機器からLAN、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワーク(LAN4及び公衆回線5を含んでもよい)を介して受信して格納する構成にしてもよく、また、記憶装置1eは前記通信ネットワーク上に構築された外部機器の記憶装置であってもよい。更に、前記各種プログラムを前記通信ネットワークを介して外部機器へ送信及びインストールする構成にしてもよい。
【0028】
計時部1gは、現在時刻をCPU1aに出力し、CPU1aは当該現在時刻により所定時間のタイマをカウントできる。FAXモデム装置1hは、物理ポートを備えて構成され、この物理ポートに接続された公衆回線5を介してFAX端末3A,3B,3CとFAX通信を行う。FAXモデム装置1hは、G3(Group3:アナログ電話網対応)規格又はG4(Group4:ISDN回線等のデジタル電話網対応)規格の通信手順でファクシミリ通信を行う。FAX受信制御部1iは、FAXモデム装置1hの制御によりファクシミリ通信を制御する。
なお、本実施の形態においては、FAX配信サーバ1の構成として、受信制御を行うFAX受信制御部1iを記述しているが、このFAX受信制御部1iに代えてFAX送受信制御部を具備し、FAX送信制御及びFAX受信制御を行うように構成してもよい。
【0029】
なお、FAX配信サーバ1は、本実施の形態において、1台の機器で表現しているが、例えば、前記通信ネットワークを介した複数の機器を設置して、各種機能を各機器で分散して実行する構成でもよい。この場合、各種機能を実行する負荷が分散される。
【0030】
図3に示すように、クライアント2A,2B,2Cは、それぞれ、CPU2a、入力部2b、RAM2c、表示部2d、記憶装置2e、データ通信部2f、プリント部2g、バス2hとを備える。プリント部2gは、レーザ式、インクジェット式、感熱紙式等の方式により紙等の記録材上に、FAX受信データのイメージデータである頁別読取データ等の情報のプリントを行う。
【0031】
クライアント2A,2B,2CのCPU2a、入力部2b、RAM2c、表示部2d、記憶装置2e、データ通信部2f、バス2hは、それぞれ、FAX配信サーバ1のCPU1a、入力部1b、RAM1c、表示部1d、記憶装置1e、データ通信部1f、バス1jと同様の機能を有するので、重複する説明を省略する。
【0032】
CPU2aは、入力部2b、RAM2c、表示部2d、記憶装置2e、データ通信部2fを中央制御し、データ通信部2fは、LAN4を接続しFAX配信サーバ1と各種データを送受信する。
【0033】
次に、図4及び図5を参照して、FAX配信サーバ1の記憶装置1eに記憶するファイル構成を説明する。図4は、本実施の形態において記憶装置1eに記憶されるファイルの構成を示す図であり、図5は、配信ログファイルE12の内部構成を示す図である。
【0034】
図4に示すように、本実施の形態において、記憶装置1eは、FAXモデム装置1hを介してFAX受信データを格納する受信データ格納ファイルE11と、FAX受信データを配信したログ情報である配信ログファイルE12と、FAX受信データに付加される各種情報を格納する受信データ管理情報ファイルE13とを記憶する。
【0035】
図5に示すように、配信ログファイルE12は、FAX配信システムαにおいてFAX受信データのユニークな通番である受信データシステム通番E121と、FAX配信サーバ1でFAX受信データを受信した時間である受信時間E122と、FAX受信データの送信元のFAX端末における電話番号である送信元FAX電話番号E123と、FAX受信データの送信元のFAX端末を識別する送信元FAXIDE124と、FAX受信データの頁別読取りデータにおける1頁目の用紙サイズE125と、FAX受信データの頁別読取りデータの総頁数E126と、FAX受信データの宛先であるユーザのユーザ名である受信者名E127とを格納する。配信ログファイルE12により、正当な受信者でないユーザがFAX受信データを取得したことをチェックできる。
【0036】
受信データ管理情報ファイルE13は、受信データシステム通番E121と、受信時間E122と、送信元FAX電話番号E123と、送信元FAXIDE124と、1頁目の用紙サイズE125と、総頁数E126とを格納する。
【0037】
次に、図6を参照してFAX配信サーバ1の動作を説明する。図6は、第1のFAX受信データ配信処理のフローチャートである。図6を参照して、FAX配信サーバ1が実行する第1のFAX受信データ配信処理を説明する。
【0038】
先ず、FAX配信サーバ1のCPU1aは、随時、FAX受信制御部1iにより、FAX端末3A,3B,3Cから、公衆回線5及びFAXモデム装置1hを介してFAXデータを受信する。このとき、CPU1aは、受信したFAXデータ(FAX受信データ)に対応するユニークな当該受信データシステム通番を作成し、計時部1gからFAX受信データを受信した時刻を受信時間として取得し、FAX受信データ内に含まれる送信元FAX電話番号及び送信元FAXIDを取得し、FAX受信データ内のビットマップ等で表現されたイメージデータである頁別読取りデータにおける1頁目の用紙サイズ及び総頁数を取得する。
【0039】
そして、CPU1aは、作成又は取得した受信データシステム通番、受信時間、送信元FAX電話番号、送信元FAXID、1頁目の用紙サイズ、総頁数の各情報を、受信したFAX受信データに付加し、各情報が付加されたFAX受信データを記憶装置1e内の受信データ格納ファイルE11に格納する。
【0040】
また、受信データ格納ファイルE11に格納されたFAX受信データは、クライアントの配信先のユーザに配信されたか否かで区別されているものとする。例えば、FAX受信データ毎に配信済フラグが付加され、配信済フラグが1の場合にそのFAX受信データが配信済であることを示し、0の場合に未配信であることを示す。
【0041】
そして、FAX配信サーバ1において、例えば、管理者により入力部1bを介して第1のFAX受信データ配信処理の実行開始指示を入力されたことをトリガとして、CPU1aは、記憶装置1eに記憶された第1のFAX受信データ配信処理のプログラムを読込んで、RAM1cに展開して、第1のFAX受信データ配信処理を実行する。
【0042】
図6に示すフローチャートは、FAX配信サーバ1を構成するコンピュータに各機能を実現させるためのプログラムを説明する為のものである。このプログラムは、CPU1aが読取可能なプログラムコードの形態で記憶装置1eに格納されている例で説明するが、全ての機能を記憶装置1eに格納する必要は無く、必要に応じてその一部若しくは全部をLAN4を含む通信ネットワークを介して受信して実現するようにしてもよい。この説明は、他の処理でも同様である。
【0043】
先ず、CPU1aは、LAN4及びデータ通信部1fを介して、クライアント2A、2B、2Cの何れかから受信データ一覧要求を受信したか否かを判別する(ステップS11)。受信データ一覧要求とは、クライアントのユーザから送信され、記憶装置1eに格納されているFAX受信データに関する一覧情報の受信要求である。
【0044】
クライアント2A,2B,2Cにおいて受信データ一覧要求をする場合、CPU2aは、所属するユーザから入力部2bを介して受信データ一覧要求の旨が入力された場合、入力された受信データ一覧要求の旨をデータ通信部2f及びLAN4を介してFAX配信サーバ1へ送信する。受信データ一覧要求を受信しない場合(ステップS11;NO)、ステップS11へ戻る。
【0045】
受信データ一覧要求を受信した場合(ステップS11;YES)、CPU1aは、記憶装置1e内の受信データ格納ファイルE11に格納されている未配信の受信FAXデータから受信データ管理情報ファイルE13を作成して記憶装置1eに記憶し、当該作成した受信データ管理情報ファイルE13を受信データ一覧として作成する(ステップS12)。
【0046】
ステップS12は、具体的には、未配信の受信FAX受信データに付加された受信データシステム通番、受信時間、送信元FAX電話番号、送信元FAXID、1頁目の用紙サイズ、FAX総頁数の各情報を、それぞれ、受信データシステム通番E121、受信時間E122、送信元FAX電話番号E123、送信元FAXIDE124、1頁目の用紙サイズE125、総頁数E126として受信データ管理情報ファイルE13に格納し、その各情報を含む受信データ一覧を作成する。
【0047】
そして、CPU1aは、ステップS11における受信データ一覧要求の送信元のクライアントに、ステップS12において作成された受信データ一覧を、データ通信部1f及びLAN4を介して配信する(ステップS13)。ステップS13において受信データ一覧を配信されたクライアントのCPU2aは、LAN4及びデータ通信部2fを介して受信データ一覧を受信し、表示部2dに表示させる。ユーザは、受信データ一覧に対応するFAX受信データの頁別読取データの内容を要求する場合、入力部2bを介してデータ内容表示要求を入力し、CPU2aは、入力されたデータ内容表示要求をデータ通信部2f及びLAN4を介してFAX配信サーバ1へ送信する。
【0048】
そして、CPU1aは、LAN4及びデータ通信部1fを介して、受信データ一覧を配信したクライアントからデータ内容表示要求を受信したか否かを判別する(ステップS14)。データ内容表示要求を受信していない場合(ステップS14;NO)、ステップS14へ戻る。
【0049】
データ内容表示要求を受信した場合(ステップS14;YES)、CPU1aは、受信データ格納ファイルE11に格納されたFAX受信データの頁別読取りデータから、その内容の表示範囲を限定したプレビュー表示内容を作成する(ステップS15)。
【0050】
プレビュー表示内容としては、宛先のユーザ名が記載されていて特定できる確率の高い部分の内容とし、ここでは、最初の頁の上半分だけの内容であるとする。これは、FAX原稿を送信する場合、先頭頁としてA5サイズの送付状をつけ、A4サイズ又はそれ以上のFAX原稿を送信する場合、最初の頁の上半分に宛先等を載せるのが一般的であるためである。よって、本実施の形態では、CPU1aは、受信データ管理情報ファイルE13の1頁目の用紙サイズE125を参照し、1頁目の用紙サイズE125がA4サイズ以上の場合、FAX受信データの頁別読取データの先頭頁の上半分をプレビュー表示内容とし、A4サイズ未満の場合、先頭頁の全部をプレビュー表示内容とする。しかし、これに限るものではなく、例えば、用紙サイズによらず、先頭頁の上半分をプレビュー表示内容とする構成等でもよい。
【0051】
そして、CPU1aは、ステップS15において作成したプレビュー表示内容を、データ通信部1f及びLAN4を介してデータ内容表示要求の送信元のクライアントに配信する(ステップS16)。ステップS16においてプレビュー表示内容を配信されたクライアントのCPU2aは、LAN4及びデータ通信部2fを介してプレビュー表示内容を受信し、表示部2dに表示させる。ユーザは、プレビュー表示内容に対応するFAX受信データの取得を要求する場合、入力部2bを介してFAX受信データの取得要求を入力し、CPU2aは、入力された取得要求をデータ通信部2f及びLAN4を介してFAX配信サーバ1へ送信する。
【0052】
そして、CPU1aは、LAN4及びデータ通信部1fを介して、プレビュー表示内容を配信したクライアントからFAX受信データの取得要求を受信したか否かを判別する(ステップS17)。取得要求を受信した場合(ステップS17;YES)、CPU1aは、LAN4及びデータ通信部1fを介して、プレビュー表示内容を配信したクライアントからFAX受信データの取得要求を受信したかを判別する。取得要求を受信していない場合(ステップS17;NO)、ステップS17へ戻る。
【0053】
取得要求を受信した場合(ステップS17;YES)、CPU1aは、取得要求を発信したクライアントに所属し、FAX受信データを取得要求したユーザのユーザ用フォルダ宛てに、受信データ格納ファイルE11に格納された、取得要求に対応するFAX受信データを、データ通信部1f及びLAN4を介して配信し、当該配信先のユーザのユーザ名を取得する(ステップS18)。
【0054】
配信先のクライアントのCPU2aは、LAN4及びデータ通信部2fを介してFAX受信データを受信し、受信したFAX受信データを記憶装置2e内の取得要求したユーザのユーザ用フォルダに格納する。その後、取得要求したユーザの入力部1bを介する指示入力により、CPU1aは、記憶装置2e内のFAX受信データをプリント部2gにおいてプリントさせる。
【0055】
そして、CPU1aは、ステップS18で取得したユーザ名と、FAX受信データに付加された情報とを記憶装置1e内の配信ログファイルE12に格納し(ステップS19)、第1のFAX受信データ配信処理を終了する。ステップS19は、具体的には、FAX受信データの情報として、受信データ管理情報ファイルE24に格納された、受信データシステム通番E121、受信時間E122、送信元FAX電話番号E123、送信元FAXIDE124、1頁目の用紙サイズE125、総頁数E126を配信ログファイルE12に格納し、ステップS18で取得したユーザ名を配信ログファイルE12の受信者名E127に格納する。
【0056】
よって、本実施の形態によれば、FAX受信データの配信前に、クライアントに所属するユーザに、表示範囲が制限されたプレビュー表示内容を閲覧させるので、配信先でないユーザにFAX受信データの全内容を見られることなく、FAX受信データ配信においてFコードやOCR認識によって自動的に受信者を特定する構成を必要とせずに、FAX受信データの秘匿性を高めると共に、FAX受信データを送信先のクライアントに配信することができる。
【0057】
また、プレビュー表示内容の表示範囲を1頁目の上半分とすることで、配信先のユーザ名を特定でき、しかもプレビュー表示内容の容量を減らすことができる。
【0058】
(第2の実施の形態)
図7〜図10を参照して本実施の形態を説明する。図7は、本実施の形態において記憶装置1eに記憶するファイル構成を示す図であり、図8は、配信ログファイルE22の内部構成を示す図であり、図9は、回覧ルート情報ファイルE23の内部構成を示す図であり、図10は、第2のFAX受信データ配信処理を示すフローチャートである。
【0059】
本実施の形態における装置の特長は、第1の実施の形態におけるFAX配信システムαと同様であり、重複する説明を省略する。
【0060】
FAX配信サーバ1のCPU1aは、第2の実施の形態における第2のFAX受信データ配信処理を実行する。第2のFAX受信データ配信処理の実行によりCPU1aは、受信データ一覧及びプレビュー表示内容を作成し、記憶装置1eに予め記憶された回覧ルート情報ファイルE23のクライアントのユーザへ回覧順にダイアログ表示可能か否かを問合せ、ダイアログ表示可能である場合、そのユーザに受信データ一覧、プレビュー表示内容及びダイアログ情報を配信し、そのユーザの回答に基づき、そのユーザへFAX受信データを配信して配信ログファイルを記憶装置1eに記憶し又は次の回覧先のユーザへ同様に回覧させる(図10参照)。
【0061】
次に、図7〜図9を参照して、FAX配信サーバ1の記憶装置1eに記憶する情報を説明する。図7に示すように、本実施の形態において、記憶装置1eは、FAXモデム装置1hを介してFAX受信データを格納する受信データ格納ファイルE21と、FAX受信データを配信したログ情報である配信ログファイルE22と、回覧先のクライアントのユーザからなる回覧ルートを示す回覧ルート情報ファイルE23と、FAX受信データに付加される各種情報を格納する受信データ管理情報ファイルE24とを記憶する。
【0062】
図8に示すように、配信ログファイルE22は、受信データシステム通番E221と、受信時間E222と、送信元FAX電話番号E223と、送信元FAXIDE224と、1頁目の用紙サイズE225と、総頁数E226と、クライアントの回覧状況を示す回覧状況情報E227と、受信者名E228とを格納する。
【0063】
本実施の形態における、受信データシステム通番E221、受信時間E222、送信元FAX電話番号E223、送信元FAXIDE224、1頁目の用紙サイズE225、総頁数E226、受信者名E228は、第1の実施の形態における受信データシステム通番E121、受信時間E122、送信元FAX電話番号E123、送信元FAXIDE124、1頁目の用紙サイズE125、総頁数E126、受信者名E127と同様である。
【0064】
回覧状況情報E227は、回覧するユーザのルート順の番号である番号E227aと、クライアントに配信したダイアログがそのユーザが所属するクライアントで表示されたか否かを示すダイアログ表示有無E227bと、クライアントに配信したダイアログに対してそのクライアントのユーザがどんな回答を入力したかを示す回覧回答E227cとを格納する。
【0065】
受信データ管理情報ファイルE24は、受信データシステム通番E221と、受信時間E222と、送信元FAX電話番号E223と、送信元FAXIDE224と、1頁目の用紙サイズE225と、総頁数E226とを格納する。
【0066】
また、図9に示すように、記憶装置1eに記憶される回覧ルート情報ファイルE23は、予め作成されたファイルであり、回覧先のユーザの回覧ルート順を示すルート順E231と、ルート順E231に対応するユーザのユーザ名E232と、ユーザ名232のユーザが所属するクライアントのクライアント名E233とを格納する。本実施の形態において回覧ルート情報ファイルE23は、管理者が項目データを設定し、その管理者の入力等により予め作成され記憶装置1eに記憶されているものとする。
【0067】
次に、図10を参照して、FAX配信サーバ1の動作として、FAX配信サーバ1が実行する第2のFAX受信データ配信処理を説明する。予め、FAX配信サーバ1のCPU1aは、第1の実施の形態と同様に、FAXデータを受信して、当該FAX受信データとしての頁別読取データをその受信データシステム通番、受信時間、送信元FAX電話番号、送信元FAXID、1頁目の用紙サイズ、総頁数の各情報が付加されて、各情報が付加されたFAX受信データが記憶装置1e内の受信データ格納ファイルE21に格納されている。
【0068】
また、回覧先のクライアントのユーザに対して、FAX受信データを取得するか、次のユーザへ回覧するかを選択させるためのダイアログの表示用データであるダイアログ情報を予め記憶装置1eに記憶させておく。
【0069】
そして、FAX配信サーバ1において、管理者により入力部1bを介して第2のFAX受信データ配信処理の実行開始指示を入力されたことをトリガとして、CPU1aは、記憶装置1eに記憶された第2のFAX受信データ配信処理のプログラムを読込んで、RAM1cに展開して、第2のFAX受信データ配信処理を実行する。
【0070】
先ず、CPU1aは、記憶装置1e内の受信データ格納ファイルE21に格納されたFAX受信データから、受信データ表示一覧及びプレビュー表示内容を作成してRAM1cに格納し、同様に、FAX受信データから、受信データ管理情報ファイルE24を作成して記憶装置1eに記憶する(ステップS21)。ステップS1は具体的には、FAX受信データに付加された受信データシステム通番、受信時間、送信元FAX電話番号、送信元FAXID、1頁目の用紙サイズ、総頁数、を含む受信データ一覧を作成してRAM1cに格納し、FAX受信データの頁別読取データから表示範囲を制限したプレビュー表示内容を作成する。プレビュー表示内容は、第1の実施の形態と同様に、1頁目の用紙サイズE225がA4サイズ以上の場合、先頭頁の上半分とし、それ以外の場合、先頭頁の全部とする。
【0071】
また、FAX受信データに付加された情報から、受信データシステム通番E221、受信時間E222、送信元FAX電話番号E223、送信元FAXIDE224、1頁目の用紙サイズE225、総頁数E226とし、回覧状況情報E227を初期化して設定し、受信データ管理情報ファイルE24を作成して記憶装置1eに記憶する。
【0072】
そして、CPU1aは、記憶装置1e内の回覧ルート情報ファイルE23に従って、次のルート順E231に対応するユーザ名E232及びクライアント名E233を選択し、当該選択されたユーザ名E232及びクライアント名E233に対応するクライアントのユーザへ、データ通信部1f及びLAN4を介してダイアログを表示可能か否かを問合せる(ステップS22)。
【0073】
最初にステップS22を実行する場合、ルート順E231が1のユーザ名E232及びクライアント名E233を選択し、それ以降に実行する場合、前回選択したルート順E231の次番のユーザ名E232及びクライアント名E233を選択し、選択されたユーザ名のユーザへ問合せを行う。問合せは、例えば、選択されたクライアントとの間の通信が確立されて、選択されたユーザ名のユーザがログインし、当該クライアントでダイアログ表示が可能であるかを問合せる。
【0074】
ダイアログを表示可能か否かの問合先のクライアントは、その問合せをLAN4及びデータ通信部2fを介してFAX配信サーバ1から受信し、CPU2aは、問合せ可能か否かの回答を作成し、データ通信部2f及びLAN4を介してFAX配信サーバ1へ送信する。当該回答の作成は、通信確立してユーザに対してダイアログ表示が可能な状態か否かにより自動的に行う構成であるとする。
【0075】
そして、CPU1aは、LAN4及びデータ通信部1fを介してダイアログ表示可能又は不可能(又は反応なし)の旨の回答を受信することにより、CPU1aは、ステップS22で選択されたユーザが所属するクライアントがダイアログ表示可能か否かを判別する(ステップS23)。
【0076】
ダイアログ表示が可能でない場合(ステップS23;NO)、CPU1aは、ダイアログ表示が可能でない状態の開始から一定時間が経過したか否かを判別する(ステップS24)。ステップS24は具体的には、ステップS22で新しくクライアント名及びユーザ名を選択されてから最初にステップS24を実行する場合、CPU2aは、計時部1gから現在時刻を取得し、一定時間のカウントを開始し、その後に実行する場合、計時部1gから現在時刻を取得し、最初の時刻から一定時間経過したかにより判別する。
【0077】
一定時間経過していない場合(ステップS24;NO)、ステップS23へ戻る。一定時間経過した場合(ステップS24;YES)、CPU1aは、選択されたユーザに、ダイアログが表示可能となった後でFAX受信サーバ1を呼出してもらう旨のメッセージを作成して、当該メッセージを、ステップS22において選択されたユーザのクライアントへ、データ通信部1f及びLAN4を介して配信し、記憶装置1eの受信データ管理情報ファイルE24に格納された回覧状況情報E227を書換え(ステップS25)、ステップS22へ進む。
【0078】
配信先のクライアントのCPU2aは、ダイアログが表示可能となった後でFAX受信サーバ1を呼出してもらう旨のメッセージをLAN4及びデータ通信部2fを介して受信し、ダイアログが表示可能となった後で、メッセージに対応するユーザによりFAX受信サーバ1の呼出指示を入力部1bを介して入力された場合、LAN4及びデータ通信部2fを介してFAX受信サーバ1の呼出指示をFAX配信サーバ1へ送信する。そして、FAX配信サーバ1は、LAN4及びデータ通信部1fを介して呼出指示を受信した場合、前記呼出指示をしたクライアントのユーザに対してステップS26〜S32を実行する。
【0079】
ステップS25における回覧状況情報E227の書換えは、具体的には、CPU1aは、回覧状況情報E227内の、ステップS22において選択されたユーザ名に対応する番号E227aのダイアログ表示有無E227bを無にし、同様に回覧回答E227cを無にして書換える。
【0080】
ダイアログ表示が可能である場合(ステップS23;YES)、CPU1aは、予め記憶装置1eに記憶されたダイアログ情報を取得し、取得したダイアログ情報を、ステップS21においてRAM1cに格納された受信データ一覧及びプレビュー表示内容と共に、ステップS22において選択されたユーザのクライアントへ、データ通信部1f及びLAN4を介して配信する(ステップS26)。
【0081】
受信データ一覧、プレビュー表示内容及びダイアログ情報が配信されたクライアントのCPU2aは、LAN4及びデータ通信部2fを介して受信した受信データ一覧、プレビュー表示内容及びダイアログ情報を表示部1dに表示し、入力部2bに、ダイアログを表示したクライアントのユーザからのFAX受信データの取得指示又は次のユーザへの回覧指示を受付け、当該各指示の回答を入力された場合、データ通信部2f及びLAN4を介して入力された回答をFAX配信サーバ1へ送信する。
【0082】
ここでは、クライアント側において、受信データ一覧及びプレビュー表示内容を表示させているが、第1の実施の形態のように、受信データ一覧の表示後にプレビュー表示内容の取得要求をユーザに入力させて、プレビュー表示内容の表示後にダイアログ表示させる構成でもよい。
【0083】
そして、CPU1aは、ステップS22において選択されたクライアントからLAN4及びデータ通信部2fを介して受信した回答が何であるかを判別する(ステップS27)。受信した回答が回覧である場合(ステップS27;回覧)、CPU1aは、記憶装置1eの受信データ管理情報ファイルE24に格納された回覧状況情報E227を書換え(ステップS28)、ステップS22に進む。ステップS28は、具体的には、CPU1aは、回覧状況情報E227内の、ステップS22において選択されたユーザ名に対応する番号E227aのダイアログ表示有無を有にし、同様に回覧回答E227cを回覧にして書換える。
【0084】
受信した回答が無い場合(ステップS27;無)、CPU1aは、回答が無い状態の開始から一定時間が経過したか否かを判別する(ステップS29)。ステップS29は具体的には、ステップS29を最初に実行した場合、CPU2aは、計時部1gから現在時刻を取得し、一定時間のカウントを開始し、その後にステップS29を実行する場合、計時部1gから現在時刻を取得し、最初の時刻から一定時間経過したかにより判別する。
【0085】
配信先のクライアントのCPU2aは、回答可能となった後でFAX受信サーバ1を呼出してもらう旨のメッセージをLAN4及びデータ通信部2fを介して受信し、回答可能となった後で、メッセージに対応するユーザによりFAX受信サーバ1の呼出指示を入力部1bを介して入力された場合、LAN4及びデータ通信部2fを介してFAX受信サーバ1の呼出指示をFAX配信サーバ1へ送信する。そして、FAX配信サーバ1は、LAN4及びデータ通信部1fを介して呼出指示を受信した場合、前記呼出指示をしたクライアントのユーザに対してステップS27〜S32を実行する。
【0086】
一定時間経過していない場合(ステップS29;NO)、ステップS27へ戻る。一定時間経過した場合(ステップS29;YES)、CPU1aは、選択されたユーザに、回答可能となった後でFAX受信サーバ1を呼出してもらう旨のメッセージを作成して、当該メッセージを、ステップS22において選択されたユーザのクライアントへ、データ通信部1f及びLAN4を介して配信し、記憶装置1eの受信データ管理情報ファイルE24に格納された回覧状況情報E227を書換え(ステップS30)、ステップS22へ進む。
【0087】
ステップS30における回覧状況情報E227の書換えは、具体的には、CPU1aは、回覧状況情報E227内の、ステップS22において選択されたユーザ名に対応する番号E227aのダイアログ表示有無を有にし、同様に回覧回答E227cを無にして書換える。
【0088】
受信した回答が取得である場合(ステップS27;取得)、CPU1aは、取得指示されたFAX受信データを記憶装置1e内の受信データ格納ファイルE21から読込み、当該FAX受信データを、ステップS22で選択されたユーザに対応するクライアントのユーザ用フォルダへLAN4及びデータ通信部1fを介して配信する(ステップS31)。
【0089】
配信先のクライアントのCPU2aは、LAN4及びデータ通信部2fを介してFAX受信データを受信し、受信したFAX受信データを記憶装置2e内の取得要求したユーザのユーザ用フォルダに格納する。その後、配信されたユーザの入力部1bを介する指示入力により、CPU1aは、記憶装置2e内のFAX受信データをプリント部2gにおいてプリントさせる。
【0090】
そして、CPU1aは、ステップS31でFAX受信データを配信されたユーザのユーザ名を受信者名E228として、受信データ管理情報ファイルE13の各情報に付加して、配信ログファイルE22を作成し、記憶装置1eに記憶し(ステップS32)、第2のFAX受信データ配信処理を終了する。
【0091】
よって、本実施の形態によれば、FAX受信データのプレビュー表示内容を特定の回覧先のユーザに回覧させるので、回覧先以外のユーザに配信することなく、FAX受信データの秘匿性を高めつつ、FAX受信データを速やかに配信することができる。
【0092】
なお、回覧ルート上の全てのユーザを、FAX受信データの全内容を見てもよい人物に設定する場合、プレビュー表示内容は表示範囲を制限するものでなくてもよい。その場合でも、回覧ルート以外のユーザは配信先不明のFAX受信データを読むことができないので、秘匿性は高められる。
【0093】
(第3の実施の形態)
図11〜図14を参照して本実施の形態を説明する。図11は、本実施の形態において記憶装置1eに記憶するファイル構成を示す図であり、図12は、FAX配信先履歴情報ファイルE35の内部構成を示す図であり、図13は、RAM1cに格納する回覧ルート作成用ファイルC1及び回覧ルートC2の内部構成を示す図であり、図14は、回覧ルート作成処理を示すフローチャートである。
【0094】
本実施の形態の形態は、第2の実施の形態における予め内容が固定されていた回覧ルートに代えて、配信先のユーザにより早く回覧できるような順の回覧ルートを動的に作成し、その回覧ルートに基づいて回覧を行うようにするものである。そして本実施の形態における装置の特長は、第1の実施の形態におけるFAX配信システムαと同様であり、重複する説明を省略する。
【0095】
FAX配信サーバ1のCPU1aは、第3の実施の形態における回覧ルート作成処理を実行する。回覧ルート作成処理の実行によりCPU1aは、記憶装置1eに記憶されたFAX配信先履歴情報ファイルE35を読込み、記憶装置1eに記憶されたFAX受信データの送信元FAXIDを取得し、FAX配信先履歴情報ファイルE35の受信者名E353毎に、前記送信元FAXIDを受信している場合、回覧ルート作成用ファイルC1のカウントC12を+1し、またその最終受信時間C13を更新し、作成された回覧ルート作成用ファイルC1に基づき回覧ルート情報ファイルE31を作成し記憶装置1eに記憶する(図14参照)。
【0096】
次に、図11〜図13を参照して、FAX配信サーバ1の記憶装置1e及びRAM1cに記憶する情報を説明する。図11に示すように、本実施の形態において、記憶装置1eは、FAXモデム装置1hを介してFAX受信データを格納する受信データ格納ファイルE31と、FAX受信データを配信したログ情報である配信ログファイルE32と、クライアントへの回覧ルートを示す回覧ルート情報ファイルE33と、FAX受信データに付加された情報から取得される各種情報を格納する受信データ管理情報ファイルE34と、FAX受信データ配信先の履歴情報であるFAX配信先履歴情報ファイルE35とを記憶する。
【0097】
本実施の形態における受信データ格納ファイルE31、配信ログファイルE32、回覧ルート情報ファイルE33、受信データ管理情報ファイルE34は、第2の実施の形態における受信データ格納ファイルE21、配信ログファイルE22、回覧ルート情報ファイルE23、受信データ管理情報ファイルE24と同様の構成である。
【0098】
FAX配信先履歴情報ファイルE35は、図12に示すように、FAX配信サーバ1がFAX受信データを受信した受信時間E351と、送信元のFAX端末3A,3B,3Cの送信元FAXIDE352と、FAX受信データを配信された受信者(ユーザ)の受信者名E353とを格納する。FAX配信先履歴情報ファイルE35は、FAX受信データをユーザに配信毎に追加記憶される履歴情報であり、例えば、第2の実施の形態における第2のFAX受信データ配信処理中での配信ログファイルの記憶とともにFAX配信先履歴情報ファイルE35を作成して、記憶装置1eに記憶する。FAX配信先履歴情報ファイルE35は、例えば、受信時間E351をキーとして、受信時間E351の昇順に各データが並べられているものとする。
【0099】
ここで、図13を参照して、本実施の形態で実行する回覧ルート変更処理の実行中にRAM1cに格納する回覧ルート作成用ファイルC1を説明する。回覧ルート作成用ファイルC1は、FAX受信データを配信された受信者(ユーザ)の受信者名E11と、受信者名E11の受信者がFAX受信データを配信された回数のカウントC12と、受信者名E11の受信者が最後に受信した時間である最終受信時間C13とを有する。
【0100】
次に、図14を参照して、FAX配信サーバ1の動作として、FAX配信サーバ1が実行する回覧ルート作成処理を説明する。本実施の形態は、第2の実施の形態における第2のFAX受信データ配信処理の実行直前に毎回行う処理である。予め、記憶装置1eには、今までに実行したFAX受信データ配信についてのFAX配信先履歴情報ファイルE35が記憶されているものとし、また、FAX受信データは、受信データシステム通番、受信時間、送信元FAX電話番号、送信元FAXID、1頁目の用紙サイズ、総頁数の情報を付加されて、記憶装置1e内の受信データ格納ファイルE31に記憶されているものとする。
【0101】
そこで、例えば、FAX配信サーバ1において、管理者により入力部1bを介して回覧ルート作成処理の実行開始指示を入力されたことをトリガとして、CPU1aは、記憶装置1eに記憶された回覧ルート作成処理のプログラムを読込んで、RAM1cに展開して、回覧ルート作成処理を実行する。
【0102】
先ず、CPU1aは、記憶装置1eに記憶されたFAX配信先履歴情報ファイルE35を読込む(ステップS41)。そして、CPU1aは、記憶装置1e内の受信データ格納ファイルE21に格納されたFAX受信データに付加された送信元FAXIDを取得する(ステップS42)。
【0103】
先ず、CPU1aは、ステップS41において読込んだFAX配信先履歴情報ファイルE35から受信者名E353を選択し、選択された受信者名E353をRAM1c内の回覧ルート作成用ファイルC1の受信者名C11に追加して格納する(ステップS43)。ステップS43は、最初に実行する場合、受信時間の最も早い受信者名を選択し、その後は、受信時間が最も早く未選択の受信者名を選択していき、未選択の受信者名が無い場合には選択しない。
【0104】
そして、CPU1aは、ステップS43において受信者名E353が選択されたか否かを判別する(ステップS44)。受信者名E353が選択されない場合(ステップS44;YES)、未選択の受信者名E353が残っていなく、CPU1aは、ステップS43で選択された受信者名E353に対応する送信元FAXIDE352を参照し、ステップS42において取得した送信元FAXIDと一致するか否かを判別する(ステップS45)。
【0105】
ステップS42において取得した送信元FAXIDと一致しない場合(ステップS45;NO)、ステップS43へ進む。ステップS42において取得した送信元FAXIDと一致する場合(ステップS45;YES)、CPU1aは、RAM1c内の回覧ルート作成ファイルC1の、ステップS43で選択された受信者名C11に対応するカウントC12を+1する(ステップS46)。
【0106】
そして、CPU1aは、RAM1c内の回覧ルート作成ファイルC1の、ステップS43で選択された受信者名C11に対応する最終受信時間C13を、ステップS43で選択された受信者名E353に対応する受信時間E351に更新し(ステップS47)、ステップS43へ進む。
【0107】
そして、CPU1aは、RAM1c内の回覧ルート作成ファイルC1を参照し、カウントC12の数の降順に受信者名C11を並べて回覧ルートC2を作成し、回覧ルートの各受信者名に対応するユーザ名と、これに対応するルート順(番号)及びクライアント名とを付加して回覧ルート情報ファイルE33を作成し、記憶装置1eに記憶し(ステップS48)、回覧ルート作成処理を終了する。
【0108】
回覧ルート作成処理の後、CPU1aは、記憶装置1eに記憶された回覧ルート情報ファイルE31を用いて、第2のFAX受信データ配信処理を実行する。ここで、図12及び13を参照して、回覧ルート作成処理において回覧ルートC2を作成する具体例を説明する。
【0109】
例えば、図12に示すような回覧ルート作成用ファイルE35が記憶装置1eに記憶されていて、送信元FAXIDが81425111234のFAX受信データをFAX配信サーバ1が受信した場合、回覧ルート作成処理の実行により、図13に示すように、受信時間E351の早いものから選択していき、回覧ルート作成用ファイルC1のカウントC12が4、1、1の受信者名C11であるsasaki、nakata、andoを並べる。カウントが0の受信者名はカウントしない。また、nakataとandoは、回数が同じであるので、最終受信時間が新しいnakataを先に並べる。そしてこの配列順により、回覧ルートC2が作成される。
【0110】
よって、本実施の形態によれば、回覧ルート情報ファイルをFAX受信データに基づく回覧毎に動的に作成し、配信対象のFAX受信データに対応する送信元FAXIDの受信回数の多い、受信する確率の高いユーザから回覧していくので、回覧先以外のユーザに配信することなく、FAX受信データの秘匿性を高めつつ、FAX受信データを更に速やかに配信することができる。
【0111】
なお、第2又は第3の実施の形態の変形例として、FAX配信サーバ1にOCRプログラムをインストールし、FAX受信データを受信した場合、前記OCRプログラムの実行によりFAX受信データの頁別読取データをOCR認識して、受信者名を認識し、受信者名が正確に認識されない場合も、当該OCR認識結果により送信先である可能性の高い受信者候補を複数名挙げて、挙げられた複数の受信者候補から回覧ルート情報ファイルを作成し、第2のFAX受信データ配信処理を行う構成でもよい。この場合、回覧先のユーザを絞り込むことができるので、秘匿性を高め、FAX受信データを速やかに配信することができる。
【0112】
以上、本発明の実施の形態につき説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限定されるものではなく、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜に変更実施が可能なものである。
【0113】
【発明の効果】
本発明によれば、FAXデータの配信前に、表示範囲が制限されたFAXデータであるプレビューデータを、記憶された回覧情報に基づいて通信ネットワーク上の回覧先の受信者が所属するクライアント装置へ回覧ルート順に配信するので、配信先でない人にFAXデータの全内容を見られることなく、FAX受信データ配信においてFコードやOCR認識によって自動的に受信者を特定する構成を必要とせずに、FAX受信データの秘匿性を高めると共に、FAX受信データを送信先のクライアントに配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるFAX配信システムαのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】FAXサーバ1の内部構成を示すブロック図である。
【図3】クライアント2A,2B,2Cの内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において記憶装置1eに記憶されるファイルの構成を示す図である。
【図5】配信ログファイルE12の内部構成を示す図である。
【図6】第1のFAX受信データ配信処理を説明する。
【図7】本発明の第2の実施の形態において記憶装置1eに記憶するファイル構成を示す図である。
【図8】配信ログファイルE22の内部構成を示す図である。
【図9】回覧ルート情報ファイルE23の内部構成を示す図である。
【図10】第2のFAX受信データ配信処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態において記憶装置1eに記憶するファイル構成を示す図である。
【図12】FAX配信先履歴情報ファイルE35の内部構成を示す図である。
【図13】RAM1cに格納する回覧ルート作成用ファイルC1及び回覧ルートC2の内部構成を示す図である。
【図14】回覧ルート作成処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
α…FAX配信システム
1…FAX配信サーバ
2A,2B,2C…クライアント
1a,2a…CPU
1b,2b…入力部
1c,2c…RAM
1d,2d…表示部
1e,2e…記憶装置
1f,2f…データ通信部
1g…計時部
1h…FAXモデム装置
1i…FAX受信制御部
1j,2h…バス
2g…プリント部
3A,3B,3C…FAX端末
4…LAN
5…公衆回線
Claims (3)
- FAXデータを送信元から受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたFAXデータを記憶する記憶手段とを備え、前記記憶手段により記憶されたFAXデータを通信ネットワークに接続されたクライアント装置に配信するFAX配信装置において、
前記記憶手段は、回覧ルート順に並べられた受信者名及びその受信者が所属するクライアント装置名を有する回覧情報を記憶し、
前記記憶手段により記憶されたFAXデータの表示範囲を制限してプレビューデータを作成する表示範囲制限手段と、
前記表示範囲制限手段により作成されたプレビューデータを前記記憶手段に記憶された回覧情報に基づいてを前記通信ネットワーク上の回覧先の受信者が所属するクライアント装置へ回覧ルート順に配信する第1の配信手段と、
前記第1の配信手段によりプレビューデータを送信されたクライアント装置からのFAXデータの取得要求を、前記通信ネットワークを介して受付ける受付手段と、
前記記憶手段に記憶されたFAXデータを、前記受付手段により受付けられた取得要求を発信したクライアント装置に前記通信ネットワークを介して配信する第2の配信手段と、
を備えたことを特徴とするFAX配信装置。 - 過去のFAXデータの受信回数が多い順に回覧ルート順として並べられた受信者名及びその受信者が所属するクライアント装置名を有する回覧情報を作成する回覧情報作成手段を備え、
前記記憶手段は、前記回覧情報作成手段により作成された回覧情報を記憶することを特徴とする請求項1記載のFAX配信装置。 - コンピュータを、
FAXデータを送信元から受信する受信手段、
前記受信されたFAXデータを記憶すると共に、回覧ルート順に並べられた受信者名及びその受信者が所属するクライアント装置名を有する回覧情報を記憶手段、
前記記憶されたFAXデータの表示範囲を制限してプレビューデータを作成する表示範囲制限手段、
前記表示範囲制限作成手段により作成されたプレビューデータを前記記憶手段に記憶された回覧情報に基づいて前記通信ネットワーク上の回覧先の受信者が所属するクライアント装置へ回覧ルート順に配信する第1の配信手段、
前記第1の配信手段によりプレビューデータを送信されたクライアント装置からのFAXデータの取得要求を、前記通信ネットワークを介して受付ける受付手段、
前記記憶手段に記憶されたFAXデータを、前記受付手段により受付けられた取得要求を発信したクライアント装置に前記通信ネットワークを介して配信する第2の配信手段、
として機能させるためのFAX配信プログラム。
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